JP3864423B2 - 偏光変換装置、光学変換装置、電子機器及び偏光変換装置の製造方法 - Google Patents

偏光変換装置、光学変換装置、電子機器及び偏光変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、複数の偏光面を持つ自然光を入射させて、その中の特定の偏光面を多く持つ光束を取り出すときに、他の偏光面を持つ光束を回転させて加えることで、特定の偏光面を持つ光束を増加させて取り出すことのできる偏光変換装置及びその製造方法に関する。さらに本発明は、この偏光変換装置を用いた光学変換装置、およびこの光学変換装置を用いた電子機器に関する。
背景技術
偏光作用を用いる光学変換装置の一例として液晶表示装置が挙げられる。この液晶表示装置としては、例えば図23に示すバックライト方式の液晶表示装置300が知られている。この液晶表示装置300にあっては、バックライト310から液晶セル320に向かう光入射方向において、液晶セル320の前段に偏光子330を配置し、その液晶セル320を透過した光束を検光子340を通過させる構成を有する。
ここで、バックライト310より出射される光は、あらゆる方向に偏光面を有するが、その光は例えば、縦軸にベクトル成分を有する光束と、その縦軸に直交する横軸にベクトル成分を有する光束とを合成したものと考えることができる。光学的には、前者がP波と称され、後者がS波と称される。
偏光子330では、例えば縦軸にベクトル成分を持つ光束を透過させ、横軸にベクトル成分を持つ光束は透過せずに吸収又は反射するものであり、液晶表示装置に用いられるのはこのうち一方を吸収するタイプである。ノーマリーホワイトの液晶表示装置では、検光子340を通過できる光の偏光面は、偏光子330を通過した光を、さらに液晶セル320にて所定の、ツイスト角度だけ捻った偏光面に一致させている。
自然光の場合、偏光面の縦軸、横軸のベクトル成分はそれぞれ50%ずつであり、偏光子330を通過させることで、理想上でも50%の光はカットされる。実際には、入射光の強度を100%とすると、光の損失のために偏光子330を通過する光は35%以下である。
反射型の液晶表示装置においても、光の入射側に位置する偏光子の光通過能力は上記のバックライト方式の液晶表示装置と同様である。
このように、偏光子330を用いた従来の液晶表示装置300では、入射光の一部しか表示に利用できず、液晶表示装置の低消費電力化/高輝度化に障害となっていた。
例えば、バックライト方式の液晶表示装置300では、偏光子330での光利用率が悪いために、偏光子330を通過できる光通過量の2倍以上の光量を出力可能な光源が必要とされている。このため従来では、例えば液晶表示装置を備えたノートパソコン等に要する電力の多くはバックライトの光源にて消費されていた。従って、バックライトのパワーを小さくできない限り、液晶表示装置の消費電力を低減するには限界があった。
また、バックライトからの光は偏光子(偏光板)に吸収され、熱に変換されるので、パネル面の温度が上昇し、パネル上の素子、液晶の化学組成等に悪影響を与え、液晶表示装置の光学的性能や信頼性を低下させていた。
本発明の目的は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、表示のために入射させた光の偏光方向を揃えるときに生じる無駄を極力排除し、光の利用率を向上させることのできる偏光変換装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記偏光変換装置を製造するのに適する偏光変換装置の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、上記偏光変換装置を用いて液晶表示装置などの光学変換装置を構成することで、光利用率を高め、明るい表示画面を形成したり、あるいは光源の消費電力を大幅に低減することができる光学変換装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、上記光学変換装置を用いて電子機器を構成することで、光利用率を高め、明るい表示画面を形成したり、あるいは光源の消費電力を大幅に低減することができ、さらには光利用率の向上に起因した機能の信頼性向上や小形化までをも可能にした電子機器を提供することにある。
発明の開示
本発明の一態様によれば、複数の偏光面を有する入射光を1つの特定の偏光面を持つ光に変換する偏光変換装置であって、
旋光性に異方性を生じるように配置した旋光性物質を備え、この旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させるようにしたことを特徴とする。
本発明に用いられる旋光性物質における旋光性とは、直線偏光が物質内を通過して出てきた透過光の偏光面が、入射光の偏光面に対して、ある角度だけ回転する現象を言う。その現象を呈する物質が、旋光性物質あるいは光学活性物質と称される。
この種の旋光性物質は、分子にはカイラルセンター(chiral center)を持たないが結晶体において光学活性を示す物質と、分子内に不斉炭素原子(asymmetric carbon atom)等のカイラルセンターを持つ有機物質とに大別される。前者の物質として、水晶、シンシャ、硫酸リチウムカリウム、LiKSO4、過塩素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウムなどを挙げることができる。後者の物質として、乳酸、酒石酸、酒石酸塩、ショ糖、アラニン、ブドウ糖、グルコース等の有機物質を挙げることができる。
ここで、例えば分子内にカイラルセンターを有する有機物質を例に挙げれば、その分子単体の状態では、図1に示すように、入射光のある一つの偏光面例えば図1の水平な偏光面を持つ光束の第1の入射ベクトル成分10は、旋光性物質1内にて、水平な偏光面に対して旋光角θ1だけ回転される。また、入射光のうち他の偏光面例えば図1の垂直な偏光面を持つ光束の第2の入射ベクトル成分20は、旋光性物質1内において、垂直な偏光面に対して旋光角θ2だけ回転される。旋光角の大きさの比は、例えばθ1<θ2となる。このように、一つの分子に着目すると、この分子は旋光角に異有性を有する。
ところが、多数の分子から成るアモルファス状態の固体やポリマーないしは水溶液等の状態では、分子毎の異方性があらゆる角度で生じ、その異方性が互いに相殺されるため、いずれの偏光面でも旋光角は同じになり、異方性がなくなってしまう。
本発明では、旋光性に異方性を生ずるように配置した旋光性物質を用いている。このために、前記旋光性物質は複数の旋光性分子を有し、前記複数の旋光性分子の三次元的な配置をそれぞれ揃えることで、バルク状態でも旋光性に異方性を生じさせるようにしている。
図1の場合、水平な偏光面を持つ光束の第1の入射ベクトル成分10は旋光角θ1にて回転されて第1の出射ベクトル成分12となる。一方、垂直な偏光面を持つ光束の第2の入射ベクトル成分20は旋光角θ2にて回転され、第2の出射ベクトル成分22となる。このとき、θ1<θ2となるように異方性を持つ旋光性物質を配置してある。
ここで、回転後の第1の出射ベクトル成分12は、第1の水平ベクトル成分12aと、第1の垂直ベクトル成分12bとに分解できる。同様に、回転後の第2の出射ベクトル成分22は、第2の水平ベクトル成分22aと、第2の垂直ベクトル成分22bとに分解できる。
ここで、元の第1の入射ベクトル成分10と比較して、透過後の第1の水平ベクトル成分12aは、その水平成分がほとんど減らず、透過後の第1の垂直ベクトル成分12bが少し増える。一方、元の第2の入射ベクトル成分20と比較して、透過後の第2の垂直ベクトル成分22bはかなり減少し、透過後の第2の水平ベクトル成分22aが増える。
従って、出射光の水平ベクトル成分の総和は、垂直ベクトル成分の総和より大きくなることがわかる。
このように、異方性のある旋光性物質に入射した光を入射させると、ある特定の偏光面を持つ光束についての光量が増大するように偏光変換されることがわかる。
各々の前記旋光性分子は、例えば剛直な分子部分と、それに結合するカイラルセンターと、前記カイラルセンターに結合する1以上の置換基と、を有し、前記剛直な分子部分を、延伸配向、液晶状態での流動配向、壁面による配向などにより、前記ライカルセンターに至る方向がほぼ一定方向に揃えられ、かつ、前記カイラルセンターから見た前記置換基の立体的配置がほぼ一定方向に揃られている。こうすると、上述の旋光性の異方性を確保できる。
前記旋光性物質をポリマーにて形成することができる。この場合、ポリマーを一軸又は直父2軸等に延伸配向することで、各々の前記旋光性分子の立体的配置をほぼ揃えて、旋光性の異方性を確保することができる。
前記旋光性物質は、前記光の通過方向に偏光変換するのに必要な所定長さを有し、前記所定長さの領域を分割して得られる各層における各々の前記旋光性分子の立体的配置を、前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させるように各層間でずらして配置することができる。このとき、層同士の配置として、前記特定の偏光面を持つ光束の強度を最大に増加させるように、各層を構成する各々の前記旋光性分子の立体的配置をずらすことが好ましい。つまり、後段の層では、前段の層で得られた最も大きな偏光面の成分をさらに増大するように配置すると良い。
すなわち、各層は、前記旋光性物質で形成される偏光変換層を光の透過方向に複数積層して構成できる。こうすると、各層にて図1の例えば水平ベクトル成分が増加され、垂直ベクトル成分は減少し、ある偏光面を持つ光の光量をさらに増加することが可能となる。このとき、前記偏光変換層間では、前記特定の偏光面を持つ光束の強度を最大に増加させるように、前記偏光変換層を構成する各々の前記旋光性分子の立体的配置がずらしてあることが好ましい。
さらに、前記旋光性物質は、入射した自然光が透過するときに特定の偏光方向の光を増加させ、かつその偏光方向と直交する方向の光を減少させるように光透過方向の厚さを設定した異方性結晶であってもよい。
さらに本発明では、前記旋光性物質が混合されるベースポリマーをさらに有することができる。
こうすると、旋光物質のみにて構成する場合よりも、偏光変換装置を製造し易くなる。
このとき、前記ベースポリマーに溶解した状態で前記旋光性物質を混合させることができる。
この場合に用いる前記ベースポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリアミノ酸のうちいずれか一つ以上からなる水溶性ポリマーとすることができ、さらに前記旋光性物質は、酒石酸、乳酸、酒石酸塩、糖またはアミノ酸若しくはその誘導体のうちいずれか一つ以上からなる水溶性旋光性物質とすることができる。
他の組合せとして、前記ベースポリマーは、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、フェノール樹脂、フェノール・レゾール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリスチレンまたはスチレン・アクリロニトリル共重合体のいずれか一つ以上からなる有溶媒可溶性ポリマーとすることができ、前記旋光性物質は、カイラルスメクティックC相又はI相を示す液晶および液晶組成物、アミノ酸エステルのうちいずれか一つ以上からなる有機溶媒可溶性物質とすることができる。
本発明では、前記ベースポリマーに、旋光性に異方性を有する旋光性物質の結晶を分散させてもよい。
この場合の組み合わせてとして、前記ベースポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリアミノ酸のうちいずれか一つ以上からなる水溶性ポリマーとすることかでき、前記旋光性物質は、カイラルスメクティックC相若しくはI相の液晶、水晶、またはシンシャの結晶のうちいずれか一つ以上からなる非水溶性旋光性物質とすることができる。
他の組合せとして、前記ベースポリマーは、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、フェノール樹脂、フェノール・レゾール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリスチレンまたはスチレン・アクリロニトリル共重合体のうちいずれか一つ以上からなる有機溶媒可溶性ポリマーとすることができ、
前記旋光性物質は、水晶、シンシャ、硫酸リチウムカリウム、過塩素酸ナトリウムまたは臭素酸ナトリウム、糖若しくはその誘導体、糖タンパクの結晶のうちいずれか一つ以上からなる有機溶媒非可溶性旋光性物質とすることができる。
ベースポリマーに混合される前記旋光性物質として、下式により表される物質を含むことができる。
Figure 0003864423
ベースポリマーに混合される他の前記旋光性物質として、下式により表される物質を含むことができる。
Figure 0003864423
ここで、上述の2式で示される前記旋光性物質は、各前記旋光性分子のC817から不斉炭素原子までの剛直な分子部分の主たる連接方向が略同一方向に揃えられ、かつ、当該不斉炭素原子から見た置換基CH2、C25およびHの三次元的配置が略同一とする。これにより、前記旋光性物質の旋光性に異方性を持たせることができる。
さらに本発明では、前記ベースポリマーは、水溶性高分子からなり、その構成物質として、ポリアミノ酸、主鎖型若しくは側鎖型高分子液晶、または多糖類若しくは糖蛋白質若しくはそれらの誘導体のうち一つ以上の旋光性物質が混合されることが好ましい。これに代えて、前記ベースポリマーには、有機溶媒可溶性高分子であるポリエステル系高分子液晶で単分子構造にカイラルセンターを持つ旋光性物質が混合されることが好ましい。
ベースポリマーに旋光性があると、ベースポリマーに混合される旋光性物質自体の旋光性によっても旋光回転を行うことができ、より大きな旋光回転を入射光に与えることができる。
このとき、前記ベースポリマーは、当該ベースポリマーに混ぜられた前記旋光性物質の旋光性に対する波長分散特性を補償するような波長分散特性を備えることが好ましい。
これにより、偏光変換装置での波長分散特性を平坦化することができ、偏光変換装置から出射される光が色づくことを防止できる。
本発明ではさらに、ベースポリマー似外の前記旋光性物質が、複数の旋光性物質からなり、一方の旋光性物質は、他方の旋光性物質の旋光性に対する波長分散特性を補償するような波長分散特性を備えることができる。
この場合にも、偏光変換装置ての波長分散特性を平坦化することができる。
本発明では、旋光性物質として液体を用いることができる。
この場合の偏光変換装置は、配向性膜を対向させて設けられた2枚の透明基板の間に、旋光性を備えた流動性のある糖を含む旋光性物質を挟持させて構成することができる。このとき、2つの配向性膜の配向方向のなす角度を、最終的に旋光回転させたい方向に一致させることで、特定偏光面を有する光の増大させることができる。
あるいは、表面に透明電極が設けられた2枚の透明基板の間に、旋光性を備えた流動性のある強誘電性液晶を含む旋光性物質を挟持させ、前記2枚の透明電極間に電圧を印加するように、偏光変換装置を構成することができる。
旋光性物質である強誘電液晶が電場に対する配向性を備えているため、電圧印加によって特定方向に配向させて、特定偏光面の光の光量を増大させることができる。
上述の偏光変換装置の用途として、偏光変換装置を光学変換装置の偏光子の前段に配置し、あるいは偏光子自体を偏光変換装置にて構成することができる。
この偏光変換装置は、特定の偏光面を有する光を、入射光よりも光量を増加させて、偏光子を介して液晶セルに導き、あるいは液晶セルに直接導くことができる。この結果、従来の偏光板では偏光子に吸収されていた偏光面の異なる光を表示用の光として利用でき、液晶表示をより明るくすることが可能となる。また、バックライト等の光源を用いる光学変換装置(液晶表示装置など)にあっては、その光源の定格を下げても従来の明るさを確保できるので、液晶表示に多く消費されていた光源用電力を低減でき、装置を小型化できる効果がある。
また光学変換装置は、光源としてのランプユニットを備え、前記偏光変換装置を前記ランプユニットの光出力側の直後に配置してもよい。これにより、偏光変換装置の必要数を減らし、光学設計を容易にするなどの利点が得られる。
さらに、光学変換装置は透過型また反射型の液晶表示装置のどちらでも構成可能である。
さらにまた、上述した光学変換装置を備えることで、前記液晶セルの液晶分子の挙動に依存した情報表示用の表示画面を有する電子機器を構成できる。
この電子機器は、液晶プロジェクタであってもよいし、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータまたはエンジニアリング・ワークステーション(EWS)であってもよいし、さらにはページャ、携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、デジタルカメラ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、またはタッチパネルを備えた装置であってもよい。
さらに例えば、このような電子機器としては、ポケットベル、携帯端末、ウォッチなども挙げられる。
また、液晶表示装置のように液晶を用いた装置に限らず、電圧印加によって特定の偏光面を回転させる電気光学効果を持つ素子や、それを用いた光スイッチなど、偏光作用を用いた光学素子に応用することができる。
本発明方法は、入射光を所定の偏光面を有する光に変換する偏光変換装置の製造方法であって、
ベースポリマーと旋光性物質とを混合する混合工程と、
混合された溶液を膜状にして流すキャスト工程と、
膜状にされた溶液を乾燥させ、硬化させる乾燥工程と、
硬化した膜に張力を加え、延伸させる延伸工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明方法によれば、ベースポリマーと旋光性物質としの混合溶液を膜状に流すキャスト工程にて、旋光性分子が抵抗の少ない向きに自然に配向される。そして、乾燥後の延伸工程では、キャスト工程にてある程度配向された旋光性分子が、延伸によりさらに配向性が高められる。これにより、旋光性に異方性を持たせることができる。
この本発明方法において、前記キャスト工程では、前記混合された溶液を一以上の溝に沿って流すことが好ましい。この溝に沿って旋光性分子が配向されやすくなるからである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明にて用いられる旋光性物質の旋光現象の異方性を説明するための概略説明図である。
図2は、本発明を適用した第1実施例に係る光学変換装置としての液晶表示装置の概略説明図である。
図3は、本発明を適用した第2実施例に係る光学変換装置としての液晶表示装置の概略説明図である。
図4は、図3に示す多層の偏光変換装置の各層での旋光現象を説明するための概略説明図である。
図5は、本発明を適用した第4実施例に係る光学変換装置としての液晶表示装置の概略説明図である。
図6は、本発明の第5実施例の液晶表示装置の全体構成図である。
図7は、第5実施例の偏光変換装置の製造装置の構成図である。
図8は、第6実施例の液晶表示装置の全体構成図である。
図9は、第6実施例のラビング法による偏光変換装置の断面図である。
図10は、第6実施例の磁場印加法による偏光変換装置の断面図である。
図11は、旋光性物質の旋光性の波長分散特性の例である。
図12は、図11の旋光性物質の旋光性の波長分散特性を補償する波長分散特性の例である。
図13は、図11の波長分散特性を有する旋光性物質と図12の波長分散特性を有する旋光性物質とを混合した場合の波長分散特性である。
図14は、本発明の第7実施例に係る、光学変換装置としての液晶表示装置を適用した電子機器の電気的な概略構成を示すブロック図である。
図15は、本発明の第7実施例の第1の例に係る電子機器としてのプロジェクタを説明する概略平面図である。
図16は、本発明の第7実施例の第2の例に係る電子機器としてのパーソナルコンピュータ、または、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)を説明する概略平面図である。
図17は、本発明の第7実施例の第3の例に係る電子機器としてのページャを説明する概略平面図である。
図18は、本発明の第7実施例の第3の例に対する変形例を説明する図である。
図19は、本発明の第8実施例の第1の例に係る電子機器としてのプロジェクタを説明する概略平面図である。
図20は、本発明の第8実施例の第2の例に係る携帯電話を説明する概略斜視図である。
図21は、本発明の第8実施例の第2の例に係る腕時計型電子機器を説明する概略斜視図である。
図22は、本発明の第8実施例の第2の例に係る携帯型情報処理装置を説明する概略斜視図である。
図23は、従来の液晶表示装置を示す概略説明図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明する。
(第1実施例)
装置全体の説明
図2は、本発明を適用した光学変換装置としての液晶表示装置の概略説明図である。図2において、この液晶表示装置は、バックライト30、偏光変換装置40、偏光子50、液晶セル60及び検光子70を有する。バックライト30から出射される光は、あらゆる方向に偏光面を有する。このバックライト30からの光が入射される偏光変換装置40は、一つの特定の偏光面を持つ光を増加して出力する偏光変換装置40の後段には、この偏光変換装置40を通過した光のうち、前記特定の偏光面を持つ光のみ通過させ、他の偏光面を持つ光を吸収する偏光子50が設けられている。従って、この偏光子50を通過できる光の偏光面は、偏光変換装置40にて増加された光の特定の偏光面と方向が一致しており、すなわち平行である。
さらに偏光子50の後段に、2枚のガラス基板62,64内に例えばTN(ツイステッド ネマティック)液晶66が封入されたTN液晶セル60が設けられている。2枚のガラス基板62,64の一方のガラス基板には、例えば2端子(例えば金属層−絶縁層−金属層MIM)又は3端子(例えば薄膜トランジスタTFT)のアクティブ素子に接続された透明画素電極が設けられ、他方のガラス基板には透明対向電極が設けられている。このTN液晶セル60は、透明画素電極及び透明対向電極間の電位差が少ないときに、入射した光の偏光面を所定のツイスト角だけ回転させ、前記電位差が大きいときに、入射した光の偏光面を回転させずに透過させる。液晶セル60の光出射側には、検光子70が設けられている。検光子70は、一定の偏光面を有する光のみを透過させるものである。この検光子70を通過する光の偏光面は、偏光子50を通過した光の偏光面に対して、液晶セル60のツイスト角だけずれている。
この液晶表示装置では、液晶セル60中の点灯状態の画素では、入射光の偏光面がツイスト角だけ回転される。回転後の偏光面は、検光子70を通過できる偏光面と一致するため、検光子70への入射光はそのまま通過される。一方、液晶セル60中の非点灯状態の画素では、入射光の偏光面は回転されることが無く、そのまま検光子70に入射される。従って、この光は検光子70を通過することができない、本実施例では、画素の点灯状態を、透明画素電極及び透明対向電極間の電位差が小さい状態で実現する、ノーマリーホワイトの画像表示が行われる。
偏光変換装置の説明
偏光変換装置40は、異方性を持った旋光性物質からなり、この旋光性物質として、下記の化学式に示す旋光性分子の繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
Figure 0003864423
ここで、上記の化学式中の構成要素は、側鎖のうちの剛直な分子部分を含み、R*で示す部分が不斉炭素原子すなわちカイラルセンターである。このカイラルセンターR*には、剛直な分子部分の他に、置換基(CH2nが結合されている。
カイラルセンターR*の炭素原子に対して、剛直な分子部分、置換基(CH2n、メチル基、フッ素原子が結合しており、その立体的な配置は各々の旋光性分子で一定であり、立体的な異方性の根元をなしている。
そして、本実施例では、偏光変換装置40を構成するポリマーを延伸配向している。この結果、各々の旋光性分子は、剛直な分子部分及びカイラルセンターR*の向きがほぼ一定方向に揃っており、かつ、剛直な分子部分、置換基(CH2nの立体的配置がほぼ一定方向に揃っている。
このような偏光変換装置40によれば、図1を用いて既に説明した通り、特定の偏光面を持つ光のベクトル成分が増加され、それと垂直な偏光面を持つ光のベクトル成分は減少される。
従って、この偏光変換装置40を通過した光を偏光子50に入射させると、特定の偏光面を持つ光のみが強度を増して出射され、偏光子単独のときのように入射光の1/2以下に透過光量を減らすことなく偏光子50を通過することになる。
従来例を示す図23と比較して、本実施例では偏光変換装置40にて偏光面を回転させて増加された特定偏光面の光量の分だけ、液晶セル60に入射される光の量を増大させることができる。
液晶セル60では、各画素毎に配置されたアクティブ素子の駆動状態に応じて液晶66により入射光の偏光面を変化させ、液晶セル60からの出射光が検光子70を介して出力されることになる。この液晶画面は、液晶セル60に入射する光が従来のものより増加されていることから明るい画面とすることができる。あるいは、バックライト30の定格を従来よりも消費電力が小さいものとしても、従来と同等以上の画面の明るさを確保できるので、結果として液晶表示装置で消費される電力を大幅に低減できる。また、装置を小型化することもできる。
このように、第1実施例によれば、偏光子によって吸収され熱として捨てられる光が少なくなるため、より明るい液晶表示が可能となり、あるいはバックライト30の消費電力を大幅に低減することができ、装置も小型化できる。また、偏光子によって液晶セルやアクティブ素子等を加熱することなく、所定の性能を安定して引き出せる。
(第2実施例)
この第2実施例は、図2に示す偏光変換装置40の代わりに、図3に示すように、ポリマーシート80a〜80dを積層した偏光変換装置80を用いている点が、第1実施例と相違している。
各ポリマーシート80a〜80dは、第1実施例と同じ化学式を持つポリマーにて形成され、第1実施例と同様に該ポリマーを延伸配向して、各ポリマーシートでの旋光性に異方性を持たせてある。ここでは、各ポリマーシート80a〜80dはいずれも、図1の場合と同様に、水平な偏光面を持つ光を旋光角θ1で回転させ、垂直な偏光面を持つ光を旋光角θ2(>θ1)で回転させるものとする。
各ポリマーシート80a〜80dは、延伸配向されている方向が各層毎にずらして配置することができる。各層は、好ましくは前段の層にて変換されて得られるだ円偏光の成分のうち最も大きい方位の偏光成分が、次段の層での偏光変換により最も増加するように、各ポリマーシート80a〜80dの延伸配向方向を各層毎にずらして配置してある。
このことを、図4を参照して説明する。図4は、説明の便宜上、各ポリマーシート80a〜80dを空間的に離して配置し、各ポリマーシートにて偏光変換される光の状態を示している。
第1のポリマーシート80aには、水平ベクトル成分200と垂直ベクトル成分210とに分解される光が入射される。この第1のポリマーシート80aを通過する光は、水平な偏光面を持つ水平ベクトル成分200を、水平面に対して旋光角θ1で回転させ、通過光として水平な偏光面より旋光角θ1だけ傾斜した偏光面を持つ通過光201が得られる。同様に、この第1のポリマーシート80aを通過する光として、垂直な偏光面を持つ垂直ベクトル成分210を垂直な偏光面より旋光角θ2で回転させ、通過光として垂直な偏光面より旋光角θ2だけ傾斜した偏光面を持つ通過光211が得られる。
第2のポリマーシート80bにて最も大きく回転される偏光面は、前段のポリマシート80aよりθ1だけ傾けて設定してある。
第3のポリマーシート80c以降の各層は、前段の層にて変換された各方位の偏光成分のうち最も大きい特定方位の偏光成分が、次段の層での偏光変換により最も増加するように、各ポリマーシート80c、80dの延伸配向方向を各層毎にずらして配置してある。
以降、水平な偏光面を持つ水平ベクトル成分の偏光変換についてのみ説明すると、第2のポリマーシート80bを通過する光として、通過光201及び通過光211の合成水平ベクトル成分をある旋光角で回転させ、特定偏光面の光が増大された通過光202が得られる。同様に、第3のポリマーシート80cを通過する光として、第2のポリマーシート80bを通過した光の水平ベクトル成分をある旋光角で回転させ、特定偏光面を持つ光がさらに増大された通過光203が得られる。
最終的には、第4のポリマーシート80dを通過する光として、第3のポリマーシート80cを通過した光の水平ベクトル成分をある旋光角で回転させ、特定偏光面を持つ光がさらに増大された通過光204が得られる。同様に、第4のポリマーシート80dを通過する光として、図示していないが、第3のポリマーシート80cを通過した光の垂直ベクトル成分をある旋光角で回転させた通過光が得られる。
この結果、第1〜第4のポリマーシート80a〜80dを通過することで、特定偏光面を持つ光が増加される。
ここで、偏光子50を通過する光の偏光面は、光量が増加された特定偏光面に一致している。
このため、多層のポリマーシートにて複数回の光増加を繰り返すことで、偏光子50を通過できる偏光面を持つ光が増加され、偏光子50を通過できない偏光面を持つ光の量が低減される。また、本実施例では層数4で説明したが、実際には各層における旋光性の異方性の大きさにより適する層数を決める必要がある。
このように、第2実施例においても、偏光子によって吸収され熱として捨てられる光が少なくなるため、より明るい液晶表示が可能となり、あるいはバックライト30の消費電力を大幅に低減することができる。また、偏光子によって液晶セルやアクティブ素子等を加熱することなく、所定の性能を安定して引き出せる。
(第3実施例)
第2実施例は、複数回繰り返される旋光による光増加作用を、多層のポリマーシートにより実現したが、第3実施例では、光の通過方向に所定の厚さを有しかつ偏光の方向に異方性のある旋光性物質の結晶を用意し、入射した自然光が通過するときに特定の偏光方向の光を増し、それと直交する方向の光を減らすように、その光通過方向の所定厚さを決めてある。そして、この所定厚さを分割した単位長さ領域毎に、上述した旋光性物質の構成要素の立体的配置をずらしている。このとき好ましくは、後段の単位長さの旋光性物質は、前段の単位長さの旋光性物質中にて最も偏光変換された偏光面を持つ光を最大に増加するように、各段の旋光性物質の構成要素の立体的配置をずらすことも可能である。
この第3実施例においても、偏光子によって吸収され熱として捨てられる光が少なくなるため、より明るい液晶表示が可能となり、あるいはバックライト30の消費電力を大幅に低減することができる。また、偏光子によって液晶セルやアクティブ素子等を加熱することなく、所定の性能を安定して引き出せる。
(第4実施例)
この第4実施例は、図5に示すように、液晶セル60の前段に、偏光変換装置から成る偏光子90のみを配置している。
第2実施例又は第3実施例のように、多層の旋光性物質または単一の旋光性物質にて、旋光現象が繰り返し実施されると、ある一定の偏光面を持つ光がほとんどを占め、他の偏光面を持つ光をほとんど消滅させることが可能となる。この多段の旋光現象を呈する旋光性物質にて偏光子90を構成している。この偏光子90は光増加作用と共に、ある一定の偏光面を持つ光のみを通過させる本来の偏光子としての機能を併せ持つことができる。
このようにすれば、第1〜第3実施例と比較して部材点数を低減できることに加えて、偏光子によって吸収され熱として捨てられる光が少なくなるため、より明るい液晶表示が可能となり、あるいはバックライト30の消費電力を大幅に低減することができる。また、偏光子によって液晶セルやアクティブ素子等を加熱することなく、所定の性能を安定して引き出せる。
(第5実施例)
図6は、本発明の他の偏光変換装置を用いた液晶表示装置の概略説明図である。図6に示す液晶表示装置は、図2に示す液晶表示装置の偏光変換装置40に代えて、偏光変換装置42を有している点が、第1実施例と相違している。
本実施例の偏光変換装置42は、ベースポリマーに旋光性物質を混ぜて構成される。表1に、ベースポリマーの組成とそれに混ぜる旋光性物質の組成について示す。
Figure 0003864423
Figure 0003864423
なお、上記表1の8SIは下記の組成式(1)を有する。
Figure 0003864423
また、上記表1の8SIは下記の相変化を起こす物質である。
Figure 0003864423
また、上記表1の8OSIは下記の組成式(2)を有する。
Figure 0003864423
さらに、上記表1の8OSIは下記の相変化を起こす物質である。
Figure 0003864423
上記表1のパターン3およびパターン4では、有機溶媒にベースポリマーと旋光性物質を溶解させる。有機溶媒としては、メチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、モルホリン、ピリジン、四塩化炭素、クロロホルム、二塩化エチルン、トリクロロエチレン、m−クレゾール、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸または蟻酸等が挙げられる。また、表1のパターン2およびパターン4では、分散される旋光性物資の結晶形状に異方性のある、例えば棒状結晶を用いることができ、これを用いることで旋光性の異方性を容易に作ることができる。
また、旋光性物資のベースポリマーに対する溶解性が低い場合には、溶媒除去時に旋光性物資が析出するため、結果としてパターン1および3の組み合わせでもパターン2および4に相当するベースポリマー中に旋光性物資の結晶を分散した構成が可能である。
偏光変換の原理
次に、本偏光変換装置の原理を説明する。上記表1に示す旋光性物質は、旋光性分子内にある炭素原子が4個の互いに異なる原子または基と結合しているとき、旋光性を有することが多い。この炭素原子を不斉炭素原子(asymmetric carbon atom)という。互いに異なる原子または基と結合するとき、この分子は対称性を持たず対掌体を備えることになる。この性質をキラリティー(chirality)といい、キラリティーのある場合の不斉炭素原子をカイラルセンター(chiral center)ともいう。キラリティーを持つ分子は旋光性を示すのである。
上記表1に示す8SIを例に採ると、不斉炭素原子C*にC817から不斉炭素原子までの基、水素原子H、エチル基C25およびメチル基CH3の4つの原子または基が結合しており、キラリティーを有する。本実施例の偏光変換装置では、後述する製造方法により、C817から不斉炭素原子までの剛直な分子部分の主たる連接方向が略同一方向に揃えられ、不斉炭素原子から見た置換基CH2、C25およびHの三次元的配置が略同一に揃えられる。
このような旋光性に異方性を有する分子では、入射光の偏光面の向きにより旋光性が異なる。例えば、図2に示すように、その分子単体の状態では、入射光の平行な偏光面を持つ光の入射ベクトル成分10に対しては、偏光変換装置42内の旋光性分子により、水平な偏光面に対して旋光角θ1だけ回転させられる。また、入射光のうち垂直な偏光面を持つ光の入射ベクトル成分20に対しては、旋光性分子により、垂直な偏光面に対して旋光角θ2だけ回転させられる。このとき旋光性分子は旋光性に異方性があるため、旋光角の大きさの関係は、例えばθ1<θ2となる。
したがって、水平な偏光面を有する光の入射ベクトル成分10は旋光角θ1だけ回転させられ、射出ベクトル成分12となる。一方、垂直な偏光面を有する光の入射ベクトル成分20は旋光角θ2だけ回転させられ、射出ベクトル成分22となる。この回転後の射出ベクトル成分12は、水平ベクトル成分12aと垂直ベクトル成分12bとに分解できる。同様に、回転後の射出ベクトル成分22は、水平ベクトル成分22aと垂直ベクトル成分22bとに分解できる。
ここで、旋光角は、θ1<θ2であるから、元の入射ベクトル成分10と比較し、透過後の水平ベクトル成分12aはその水平成分がほとんど減らず、さらに、元の入射ベクトル成分20のうち、透過後の水平ベクトル成分22bが生ずる。つまり、両者の和をとった水平ベクトル成分はかなり大きくなる。これに対し、元の入射ベクトル成分20と比較して、透過後の垂直ベクトル成分22bはかなり減り、しかも元の入射ベクトル成分10から透過後の垂直ベクトル成分12bはほとんど増えていない。つまり、両者の和をとっても、垂直ベクトル成分は相当減っている。
したがって、射出光の水平ベクトル成分の総和は、垂直ベクトル成分の総和より大きくなるのである。
偏光変換装置42の光の進行方向への厚みを調節すれば、両者の旋光角を調整でき、一方向の偏光面を有する光に、これに直交する偏光面を有する光を旋光回転させて加え、相当に大きい射出光の光量を得ることができる。
偏光変換装置の製造方法
図7に、本実施例の製造装置を、一部断面を交えて示す。当該製造装置は、ベースポリマー容器102、旋光性物質容器103、混合容器107、キャストボード109、乾燥ヒータ111、電源112、駆動ローラ113、114、搬送ベルト115、ブレード116、延伸ローラ118、119および巻き取りローラ121を備える。
混合工程(S1): ベースポリマ容器102には表1に掲げたベースポリマー100が入れられ、旋光性物質容器103には表1に掲げた旋光性物質101が入れられる。ベースポリマーの混合量はバルブ104を調節することにより、旋光性物質の混合量はバルブ105を調節することにより、それぞれ制御できる。混合容器107ではベースポリマと旋光性物質とが混合され、混合溶液110となる。
キャスト工程(S2): 混合溶液110は、バルブ108で流出量が調整され、キャストベルト上に流される。キャストボード109は水準面に対してわずかな角度だけ傾けられているので、混合容液110はゆっくり流れながら膜状に広げられる。
ここで、キャストボード109は、その延在方向に沿って微細な溝117が設けられており、この上を混合溶液110が流れることによって旋光性物質101の旋光性分子の配向性が揃えられる。すなわち、旋光性分子は、不斉炭素原子に分子量の多い剛直な直線状鎖部分を有するため、旋光性物質が平面上を流れると、その旋光性分子が抵抗の少ない向きに自然に配向する。これを流動配向という。このとき、流動面に配向させる向きに沿って溝が設けられていると、分子が形状効果で配向しやすい。このとき、混合溶液が液晶状態を取っているときや、混合(分散)液中の結晶の形状に異方性がある(例えば棒状結晶)ときに、流動配向や形状効果による配向の効果が大きくなる。
乾燥工程(S3): 乾燥ヒータ111には電源112が接続されているので、膜状に広がった混合溶液110が熱せられ溶媒が蒸発し乾燥する。これにより、液体であった混合溶液110が固形化し、フィルム状化する。搬送ベルト115はキャストボード109上の混合溶液110の流れと同等の速度で、固形化を始めた混合溶液110を搬送する。
延伸工程(S4): 混合溶液110が乾燥させられ、形成されたフィルム120はブレード116により剥離させられ、延伸ローラ118、119により一定の張力で引っ張られる。キャスト工程によりある程度配向性が揃った旋光性分子は、この延伸によりさらに配向性を高められる。配向性の高められたフィルム120は、巻き取りローラ121により巻き取られる。フィルムの厚みは延伸ローラ118と119との間隙により調節する。
以上の工程により製造されたフィルム120は、その配向方向と垂直の方向、すなわちフィルムの厚み方向からの光に対し旋光性を示すことになる。偏光変換装置に求められる旋光回転角の異方性がこのフィルムの厚みで確保できない場合には、フィルムを複数積層し、必要とされる旋光性を確保する。積層したフィルムを所定の大きさに切断すれば、偏光変換装置1が完成する。フィルムを積層する場合には、層ごとに旋光性物質の配向性を変化させるのが好ましい。例えば、図2で説明したように一層あたり水平な偏光面を有する光に対してθ1だけ旋光角を有する旋光性物質であれば、光の入射側から一層経るごとに、最も大きい旋光角を与えることができる偏光面がθ1ずつずれるように、旋光性物質の延伸配向方向を異ならせて設定すればよい。
なお、上記製造装置において、混合の方法、キャストの方法、乾燥の方法および延伸の方法は、ベースポリマーと旋光性物質の混合溶液からフィルム状に固形化し延伸しうるものであれば、上記実施例の方法によらず他の公知の方法を適用可能である。
また、図6の液晶表示装置の構成のうち、偏光子50は省略することが可能である。すなわち、単一の旋光性物質にて、あるいは多層の旋光性のあるフィルムにて旋光現象を繰り返すと、特定の偏光面を有する光がほとんどを占め、他の偏光面を有する光をほとんど消滅させることが可能となる。このような偏光変換装置は他方の偏光面を有する光の旋光回転による光増加作用とともに、特定の偏光面を有する光のみを通過させる偏光子としての役割を兼用することになるからである。
上述したように、第5実施例によれば、ベースポリマーに旋光性物質を混合し膜状に成形し乾燥させ延伸させることにより、旋光性分子の配向性が揃った偏光変換装置を製造できる。この偏光変換装置は、表1に示すようなベースポリマーと偏光性物質との組み合わせを用いることにより、入射光に対し旋光性の異方性を示す。
(第6実施例)
本発明の第6実施例は、上記第5実施例の固形化された旋光性物質の代わりに、液状の旋光性物質を用いた偏光変換装置を提供する。
図8に、第6実施例の液晶表示装置の概略構成図を示す。この液晶表示装置は、図6の偏光変換装置420本実施例の偏光変換装置160に変更した点のみが、第5実施例と相違している。
本実施例の変更変換装置160は、透明基板161および162に旋光性物質163を狭持させて構成される。
透明基板161,162としては、各種のガラス基板やプラスチック基板等、光透過率の高い材料を用いる。
偏光変換装置160の態様には、図9の配向膜を用いるラビング法によるもの、図10の電圧を印加する電場印加法によるもの等がある。図9のラビング法による偏光変換装置160Aを説明する。まず、旋光性のある糖などの高分子膜を透明基板161および162の内面側の表面に塗布し、その旋光性物質に接する面を一定の方向にこすって配向膜164A、165Bを形成する。一搬に、高分子膜の表面をこすって一定の方向(ラビング方向)に高分子の分子長軸を揃えると、高分子膜に接する分子の分子長軸がこのラビング方向に配向することが知られている。配向膜164Aの配向方向と165Aの配向方向とのなす角度を、最終的に旋光回転させたい角度に一致するように配置すれば、特定の偏光面を有する光の光量を最も大きくすることができる。ラビング法による旋光性分子の分子長軸の配向方向は、透明基板にほぼ平行なものになる。
配向膜164A、165Aの組成としては、可溶性のセルロース、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ナイロン66、ナイロン6TPA、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリイミド、パリレンポリパラキシレン、ポリシクロヘキシルメタクリレート、架橋ナイロン、ポリビニルメチルケトン、ポリアセタル、ポリベンジルメタクリレート、ポリブレン等の旋光性を示すまたは旋光性を示さないポリマーの双方が挙げられる。
また、ラビング法を用いる場合の旋光性物質163Aとしては、表1に掲げた旋光性物質の糖、アミノ酸、旋光性を示す上述の組成式(1)若しくは(2)に示されるような液晶および液晶組成物が挙げられる。
図10の電場印加法による偏光変換装置160Bを説明する。この偏光変換装置では、透明電極161と162との互いに対向する面に透明電極164Bおよび165Bが形成される。両透明電極の間は、液晶分子からなる旋光性物質163Bで満たされている。
透明電極164Bと165Bは、例えばITO(indium tin oxide)膜で構成される、旋光性物質163Bは、電場に対する配向性を備えた物質である必要があり、例えば、カイラルスメクティックC(Sm*C)やカイラルスメクティックI(Sm*I)等の強誘電性液晶が好ましい。透明電極間には電源166により所定の電圧が印加される。
電場印加法では、旋光性物質たる液晶の性質により、旋光性分子の分子長軸の配向方向が異なる。例えば、液晶がネマティック相でデホメオトロピック配向を示すときや、スメクティック相で基板に垂直に配向する性質の有する場合には、図10に示すように、液晶分子の分子長軸が透明基板にほぼ垂直な方向を向く。一方、液晶がネマティック相でホモジニアス配向を示すときや、スメクティック相で基板に平行に配向する性質を有する場合は、分子長軸が透明基板にほぼ平行になる。
なお、旋光性物質の配向制御は、上記方法に限らず、公知の種々の方法を適用可能である。例えば、ずり応力法、温度勾配法やSiO斜法蒸着法等を用いることができる。
また、上記旋光性物質としては、一種類の旋光性物質のみならず、複数の旋光性物質の混合溶液を用いることもできる。さらに、液体中に微細な結晶が分散している液状体を用いることもできる。
上述したように本第6実施例によれば、旋光性物質が液状体であっても透明基板で狭持することにより、上記第5実施例と同様の旋光性を有する偏光変換装置を提供できる。
<第8実施例>
本発明の第8実施例は、上記第5実施例で、旋光性を補償しうるベースポリマーと旋光性物質との組み合わせを提供するものである。
本実施例では、上記第5実施例のベースポリマー(表1参照)に旋光性のあるものを用いる。旋光性を有するベースポリマーとして、水溶性ベースポリマーでは、ポリアミノ酸、多糖類、糖蛋白質、それらの誘導体が考えられ、有機溶媒可溶性ベースポリマーでは、ポリエステル糸高分子液晶でモノマーユニット(単分子構造)にキラルセンターを持つもの(例えばこの高分子の例を組成式(3)に示す)が考えられる。
Figure 0003864423
ベースポリマーに旋光性があると、ベースポリマーも、キャスト工程(図7:S2)でそのベースポリマーを構成する旋光性分子の分子長軸を配向させ、入射光に対して偏光の異方性を有する出射光を得ることが可能である。このような偏光変換装置に入射した光は、ベースポリマーに混合される旋光性物質自体の旋光性によって旋光回転させられるほか、このベースポリマー自体を構成する旋光性分子によっても旋光回転させられる。
したがって、旋光性物質のみが入射光を旋光回転させる場合よりも、より大きな旋光回転を入射光に与えることができる。
旋光性の補償
さらに、ベースポリマーの旋光特性は、旋光性物質の波長に対する旋光性の変動(旋光性の波長分散特性という)を補償するような波長分散特性を備えることが好ましい。これを図11乃至図13を参照して説明する。
図11に、旋光性物質自体の旋光性の波長分散特性を示す。同図に示すように、通常の旋光性物質は、可視光線の波長領旋でも波長に対応する旋光性(旋光回転角の大きさ等)が変化する。例えば、可視光領域の短波長における旋光性P1と長波長における旋光性P2には大きな差がある。このような波長分散特性を有する旋光性物質を用いた偏光変換装置ては、ある波長では旋光回転角が大きく、この波長の光の光量増幅が行われるのに対し、他の波長では旋光回転角が小さく、この波長の光の光量があまり増幅されないという現象を生じる。特定の波長のみ光量が多くなるのであるから、偏光変換装置から射出された光が色づいてしまうことが考えられる。
そこで、本実施例では、ベースポリマー自体のあるいはベースポリマーに含まれる物質に、上記旋光性物質の有する波長分散特性を補償しうる波長分散特性を備えたものを用いる。
例えば、旋光性物質が図11に示す波長分散特性を示す場合には、図12のような波長分散特性を有するベースポリマーを用いたり、またはその波長分散特性を有する物質をベースポリマーに含ませる。図12では、短波長における旋光性P3が高く、長波長における旋光性P4が低く、可視光領域における波長分散特性が、図11の波長分散特性と逆の変化をしている。この両者をほぼ等しい分子数となるよう混合すれば、旋光性物質の旋光特性と、ベースポリマーあるいはベースポリマーに含まれる旋光性物質の旋光特性とが加算され、図13のように可視光領域において平均した旋光性を示すことになる。図13で短波長における旋光性P5と長波長における旋光性P6とはほぼ同じ旋光性を示すしているのが判る。
このような、旋光性の補償が行えるベースポリマーと旋光性物質の組み合わせとしては、例えばベースポリマーがポリアミノ酸で旋光性物質が糖の組み合わせが挙げられる。
なお、上記実施例では、ベースポリマー自体あるいはベースポリマーに含まれる物質が、旋光性物質の波長分散特性を補償する旋光性を有するものとしたが、ベースポリマーには旋光性を持たせなくても、複数の旋光性物質を用いることにより同様の効果を得ることが可能である。すなわち、複数の旋光性物質として、一方の旋光性物質を、他方の旋光性の波長分散特性を補償しうる旋光性の波長分散特性を有するものとすることで、偏光変換装置の波長分散特性を平坦化できるのである。
このように互いに旋光性を補償し合う旋光性物質として、アミノ酸と糖との組み合わせが挙げられる。
上記したように第8実施例によれば、ベースポリマー自体やベースポリマーに含まれる物質に旋光性を与えるので、より旋光性の強い偏光変換装置を提供できる。また、ベースポリマー自体やベースポリマーに含まれる物質を、旋光性物質の旋光性の波長分散特性を補償しうる波長分散特性を有するものとすれば、波長分散特性が平坦な、色づきのない偏光変換装置を提供できる。
なお、本発明に係る偏光変換装置を偏光子として利用できる光学変換装置としての液晶表示装置は、上述したバックライト方式(透過型)に限らず、反射型の液晶表示装置であってもよい。この場合、液晶セルの光入射側の前面に偏光変換装置を配置すればよい。
また、本発明に係る偏光変換装置を用いる光学変換装置としての液晶表示装置は、液晶の種類やその駆動方法は特定のものに限定されることなく、従来、偏光子を使用していた種々の液晶表示装置に用いることができる。
さらに、本発明の偏光変換装置は、必ずしも液晶表示装置に使用されるものに限らず、一定の偏光面を持つ偏光光束を利用する各種の装置、例えばプロジェクター用の液晶ライトバルブ、光学的分析装置、液晶表示装置等の各種偏光子としても利用できる。
(第7実施例)
次に、本発明に関する第7実施例として、上述した光学変換装置としての液晶表示装置を用いた種々の電子機器の例を図14〜図22に基づき説明する。
最初に、図14を参照して、このような電子機器の一般的な電気回路構成を説明する。かかる電子機器は、図14に示すように、表示情報を出力する表示情報出力源400、その表示情報を処理する表示情報処理回路402、表示駆動用の表示駆動回路404、液晶パネルなどで構成される光スイッチ406、クロック信号を発生するクロック発生回路408、および電源回路410を備えている。
この内、表示情報出力源400は、ROMやRAMなどのメモリと、テレビ信号を同調して出力する同調回路を有して構成される。これにより、表示情報出力源400は、クロック発生回路408から送られてくるクロック信号に応答して、ビデオ信号などの表示情報を表示情報処理回路402に出力する。表示情報処理回路402は、例えば、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路あるいはクランプ回路などを搭載して構成される。これにより、表示情報処理回路402はクロック発生回路408から送られてくるクロック信号に同期した状態で、表示情報を処理し、その処理情報を表示駆動回路404に出力する。また、表示駆動回路404は走査側駆動回路およびデータ側駆動回路を有して構成され、光スイッチ406を駆動して情報を表示させる。電源回路410は、機器内部の回路や要素に電力を供給する。
液晶プロジェクタの説明
上述した回路構成を有する電子機器の第1の例として、図15に、液晶プロジェクタを示す。
この液晶プロジェクタは、透過型液晶パネルをライトバルブとして用いた投射型液晶プロジェクタである。このプロジェクタは、一例として、3枚プリズム方式の光学系を用いている。図15に示すプロジェクタ500は、白色光源のランプユニット502を備える。このランプユニット502から射出された投写光はライトガイド504に案内され、その内部で複数のミラー506および2枚のダイクロイック508によりR,G,Bの3原色の光に分けられる。この3原色の光はそれぞれ、対応する色の画像表示を担う3枚の液晶パネルを用いた光スイッチ510R、510G、および510Bに導かれ、表示情報に応じて変調される。
ここで、3個の光スイッチ510R、510G、および510Bは、夫々、本発明に係る透過型の光学変換装置として構成されている。すなわち、この光スイッチは図2,図3,図6及び図8に示したように、光入射側から順に、偏光変換装置、偏光子、液晶セル、および検光子を備える構成であったり、図5に示したように、光入射側から順に、偏光変換装置(偏光子を兼ねる)、液晶セル、および検光子を備える構成である。また、偏光変換装置(必要に応じてさらに偏光子)をランプユニット直後に配置することもできる。これにより、偏光変換装置の必要数を減らし、さらには光学設計を容易にし、高信頼性と低コストとを両立させることができる。
3個の光スイッチ510R、510G、および510Bによって変調された3原色の光R,G,Bは、図15に示す如く、ダイクロイックプリズム512に3方向から入射するようになっている。このダイクロイックプリズム512において、レッドRとブルーBの光の伝搬方向が90度曲げられ、またグリーンGの光が直進するから、3原色の画像が合成される。合成画像の光は投写レンズ514を通ってスクリーンなどの被投写体に投写され、これにより表示情報を反映したカラー画像が得られる。
パーソナルコンピュータの説明
かかる電子機器の第2の例として、図16に、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ、または、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)を示す。
これをパーソナルコンピュータとして説明する。パーソナルコンピュータタ520は、キーボード522を備えた本体部524と、液晶表示画面526を備えた表示部528とを有する。この内、液晶表示画面526を形成する透過型液晶パネルの部分に、前述した本発明の光学変換装置を実施している。
ページャの説明
かかる電子機器の第3の例として、図17にページャを示す。なお、このページャの代わりに、携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、デジタルカメラ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、さらには、タッチパネルを備えた装置などを挙げることもできる。
第3の例として、それらの装置を代表し、ページャを説明する。図17に示すページャ530は、金属製フレーム532を備えるとともに、このフレーム内に、液晶表示基板534、バックライト536aを備えたライトガイド536、回路基板538、第1、第2のシールド板540、542、2個の弾性導電体544、546、およびフィルムキャリアテープ548を備える。弾性導電体544、546およびフィルムキャリアテープ548は、液晶表示基板534と回路基板538とを相互に接続するために用いられる。
液晶表示基板534は、本発明の光学変換装置の一例である。この液晶表示基板534は例えば、2枚の透明基板534a,534bと、偏光変換装置534c(偏光子を兼ねる)とを備える。透明基板534a,534bは液晶を封入するもので、これにより少なくともドットマトリクス型の液晶表示パネル(光スイッチ)が形成される。また偏光変換装置534cは基板534の光入射側に配置される。偏光変換装置534cは必要に応じて基板に貼り付けてもよい。
2枚の透明基板534a,534bの内の一方には、図14に示した表示駆動回路404、あるいは、これに加えて表示情報処理回路502を形成することができる。透明基板534a、534b上に形成しない回路は、その外付け回路として構成される。図17のページャの場合、かかる外付け回路は回路基板538上に実装できる。
図17のページャの場合、液晶表示基板534のほかに、回路基板538が必要である。しかし、電子機器用の一部品として光学変換装置が使用される場合であって、透明基板に表示駆動回路などを搭載できる場合には、その光学変換装置の最小構成単位は液晶表示基板534である。
別の態様としては、本発明の光学変換装置として、液晶表示基板534を筐体としての金属フレームの532に固定した要素を構成し、この要素を一部品として電子機器に組み込んでもよい。さらに別の態様として、バックライト型の場合、金属製フレーム532内に、液晶表示基板534とバックライト536aを備えたライトガイド536とを一体的に組み込んで、本発明の光学変換装置を構成してもよい。
さらに、それらの構成に代え、電子機器用の一部品たる光学変換装置として、TCP(Tape Carrier Package)を採用してもよい。すなわち、図18に示すように、金属の導電膜が形成されたポリイミドテープ552上にICチップ544を実装したTCP550を用意し、このTCPを、液晶表示基板534の2枚の透明基板534a,534bの内の一方に接続し、光学変換装置の如く使用することができる。
以上のように、この第7実施例の各種の電子機器は、本発明に従う、偏光変換装置を備えた光学変換装置を適宜な態様で搭載するようにした。このため、前述した各実施例と同様に、液晶セル(液晶基板)に入射させる特定の偏向面を有する偏光の量を増大させることができるので、光源の光量が同じであれば、従来よりも明るい表示画面を得ることかできる。一方、光源からの光量を下げても、従来と同程度の表示明るさを確保することができることから、電子機器全体の消費電力を大幅に低減させ、省電力化を図ることができる。また、光源の大きさを小さくすることもできる。さらに、そのように光源の光量を下げた場合、機器内で発生する熱も少なくなるから、発熱対策に要する設計の容易化や、冷却機構の簡素化による一層の小型化の利点も得られる。
(第8実施例)
さらに、本発明に関する第8実施例として、上述した光学変換装置を用いた種々の電子機器の別の例を図19〜図22に基づき説明する。この実施例では、光学変換装置に反射型液晶パネルを用いている。
反射型液晶プロジェクタの説明
第8実施例に係る電子機器の第1の例として、反射型液晶パネル(光スイッチ)をライトバルブとしたプロジェクタ(投射型表示装置)を示す。図19は、このプロジェクタの要部を平面的に見たときの概略構成図である。すなわち、光源部からのシステム光軸Lの方向をX軸としたときの、X軸を通るXZ平面における断面図である。
図19に示すように、プロジェクタ600は偏光照明装置602、偏光ビームスプリッタ604、ダイクロイックミラー606、608、3つの反射型液晶ライトバルブ610R,610G,610B、投射光学系612、およびスクリーン614を備える。
偏光照明装置602には、その概略構成として、光源部620、インテグレータレンズ622、偏光変換素子624がシステム光軸Lに沿って配置されている。光源部620から出射された光はランダムな偏向面を有する。この出射光はインテグレータレンズ622により複数の中間光束に分割されて、偏光変換素子624に入射する。
この偏光変換素子624の光入射側には、別のインテグレータレンズ624aが配置されている。偏光変換素子624に入射した中間光束は、インテグレータレンズ624aを通って、偏光変換素子本体624bに入射する。偏光変換素子624は、本発明の偏光変換装置を適用して、偏光変換装置と偏光子とを兼ねるように構成されている。この偏光変換素子本体624bにより、中間光束が、偏光方向がほぼ揃いかつ光量が増加した1種類の偏光光束(S偏光光束)に変換される。このS偏光光束は、その後、偏光ビームスプリッタ604に入射する。
偏光ビームスプリッタ604はS偏光光束反射面604aを有し、入射したS偏光光束をS偏光光束反射面で反射させる。この反射光束の内、青色光Bの光束がダイクロイックミラー606の青色光反射層によりさらに反射され、青色用の反射型液晶ライトバルブ610Bに入射する。このライトバルブ610Bにより、表示情報に応じて青色光束が変調される。またダイクロイックミラー606の青色光反射層を透過した光束の内、赤色光Rの光束は別のダイクロイックミラー608の赤色光反射層で反射され、赤色用の反射型液晶ライトバルブ610Rに入射する。このライトバルブ610Rにより、表示情報に応じて赤色光束が変調される。さらに、ダイクロイックミラー608の赤色光反射層を透過した緑色光Gの光束は、緑色用の反射型液晶ライトバルブ610Gに入射し、そのライトバルブにて表示情報に応じて緑色光束が変調される。
ここで、反射型液晶ライトバルブ610R,610G,610Bを成す光スイッチとしての反射型液晶パネルを説明する。この液晶パネルには、TN型液晶(液晶分子の長軸が電圧無印加時にパネル基板に略平行に配向された液晶)、または、SH型液晶(液晶分子の長軸が電圧無印加時にパネル基板に略垂直に配向された液晶)が採用されている。
TN型液晶を採用した場合、その光反射動作は以下のようである。画素の反射電極とこれに対向する基板の共通電極との間に挟持された液晶層に印加される電圧が液晶のしきい値電圧以下となる画素(OFF画素)においては、入射した色光が液晶層により楕円偏光され、反射電極により反射される。この結果、液晶層を介して、入射した色光の偏光軸にほぼ90度ずれた偏光軸成分の多い楕円偏光に近い状態の色光が反射・出射される。これに対し、印加電圧がしきい値電圧よりも高くなる画素(ON画素)においては、入射した色光のままの偏光軸で反射電極に至り、反射電極で反射される。これにより、入射時と同一の偏光軸の色光が反射・出射される。TN型液晶の液晶分子の配列角度は、反射電極に印加された電圧値に応じて変化するので、入射色光に対する反射色光の偏光軸の角度は、トランジスタを介して反射電極に印加する画素毎の表示情報に対応した電圧値に応じて制御できる。
また、SH型液晶を採用した場合、その光反射動作は以下のようである。液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧以下となる画素(OFF画素)では、入射色光の偏光軸のまま反射電極に至り、そこで反射される。つまり、入射時と同一の偏光軸ののまま反射・出射される。一方、印加電圧がしきい値電圧を高くなる画素(ON画素)では、入射色光が液晶層で楕円偏光されて反射電極に到達する。このため、反射電極で反射されて液晶層から出射される色光は、入射色光の偏光軸に対して偏光軸がほぼ90度ずれた偏光軸成分の多い楕円偏光となる。このSH型液晶の場合も、TN型液晶の場合と同様に、反射電極への印加電圧の値に応じて液晶分子の配列角度を変えられるので、入射光に対する反射色光の偏光軸の角度は、トランジスタを介して反射電極に印加する画素毎の表示情報に対応した電圧値に応じて制御できる。
反射型液晶ライトバルブ610R,610G,610Bで反射されたそれぞれの色光は、ダイクロイックミラー608、606を介して偏光ビームスプリッタ604に入射する。この偏光ビームスプリッタ604はS偏光光束を反射するように形成してあるので、S偏光光束はスプリッタ604を透過しないが、P偏光光束はスプリッタ604を透過する。各色光のP偏光光束はスプリッタ604を透過して合成され、表示情報に応じた画像が形成される。このため、液晶パネルにTN型液晶を用いた場合、OFF画素のみの反射光が投射光学系612を通過するので、スクリーン614への投射画像はノーマリホワイト表示となる。SH型液晶を用いた場合、反対にON画素のみの反射光が投射光学系612を通過するので、スクリーン614への投射画像はノーマリブラック表示となる。
反射型液晶パネルの場合、半導体技術を利用して画素が形成されるので、ガラス基板にTFTアレーを形成したアクティブマトリクス型液晶パネルに比べ、画素数をより多く形成でき、かつ、パネルサイズも小形化できる。このため、精細度の高い画像を投射できるとともに、プロジェクタ全体のコンパクト化も実現できる。また、通常の偏光子の代わりに、本発明による偏光変換素子を用いたため、最も消費電力の大きい構成要素である偏光照明装置を従来装置の略1/2に低消費電力化、小形化することができ、プロジェクタ全体のコンパクト化をより一層推進させることができる。
反射型液晶パネルの説明
第8実施例に係る電子機器の第2の例として、本発明の光学変換装置を適用して構成した反射型液晶パネル(光スイッチ)を用いた、そのほかの種々の電子機器を説明する。図20〜図22にそれらの電子機器の外観を示す。
図20は、携帯電話650を示す斜視図である。この携帯電話650は、本発明の光学変換装置を適用した反射型液晶パネルを用いた液晶表示部651を備えている。
図21は、腕時計型電子機器660を示す斜視図である。この機器660の時計本体661は、本発明の光学変換装置を適用した反射型液晶パネルを用いた液晶表示部662を備えている。
さらに、図22は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置670の斜視図を示す。この情報処理装置670は、装置本体671、この装置本体671に設けたキーボードなどの入力部672、表示部673、およびこの表示部673に設けた、本発明の光学変換装置を適用した反射型液晶パネルを用いた液晶表示部674を備えている。
以上のように、この第8実施例の各種の電子機器においても、本発明に従う偏光変換装置を備えた光学変換装置を直視する正面に配置する適宜な態様で搭載するようにした。このため、前述した各実施例と同様に、液晶セル(液晶基板)に入射させる特定の偏向面を有する偏光の量を増大させることができる。このように直視型で用いる場合、最大で従来の偏光板を用いたものと比べて約2倍の明るさの表示を得ることが可能である。このため、明るい場所はもちろん、暗い場所での見やすさや、さらには反射型カラー表示の色の鮮やかさを大幅に向上することが可能である。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の偏光変換装置は、上述した各種の液晶パネルの駆動にのみ適用されるものではなく、偏光作用を利用する装置(偏光顕微鏡、レーザを用いた記憶装置/記録装置、光センサ、照明装置、立体映画、映写器など)にも同様に適用できる。
以上説明したように、本発明の偏光変換装置によれば、旋光性に異方性を生じるように配置した旋光性物質を備え、この旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させるようにしている。これにより、その特定の偏光面を有する光束に、ほかの偏光面を有する光束の偏光面が回転させられて加えられ、結果として、その特定の偏光面を持つ光束の光量を増加させて取り出すことができる。したがって、表示のために入射させる光の特定の偏光面の光を取り出すときに生じる無駄を極力排除し、光の利用率を向上させることのできる。
また本発明の光学変換装置によれば、かかる偏光変換装置を液晶セルの前面に直接、または偏光子を介して配置しているので、従来装置に比べて入射光の利用率を高く、明るい表示画面を形成したり、あるいは光源の消費電力を大幅に低減することができるほか、装置の機能の信頼性も向上する。
さらに本発明の電子機器によれば、かかる光学変換装置を搭載しているので、入射光の光利用率を高く、明るい表示画面を形成したり、あるいは光源の消費電力を大幅に低減することができ、さらには光利用率の向上に起因した機能の信頼性向上や小形化までをも可能にできる。

Claims (18)

  1. 複数の偏光面を有する入射光を特定の偏光面を持つ光に変換する偏光変換装置であって、
    旋光性物質として、カイラルスメクティックC相またはI相を示す液晶が用いられ、前記旋光性物質を構成する旋光性分子が、剛直な分子部分と、それに結合するカイラルセンターと、前記カイラルセンターに結合する1以上の置換基とを有し、相直交する偏光面に対する各々の旋光角の異なる個々の異方性を有し、個々の異方性が相殺されないように、各分子の前記剛直分子部分から前記カイラルセンターに至る方向が一定方向に揃えられることで異方性を生じる旋光性物質を備え、この旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させるようにしたことを特徴とする偏光変換装置。
  2. 請求項1において、
    前記旋光性物質は、前記下式により表される物質を含むことを特徴とする偏光変換装置。
    Figure 0003864423
  3. 請求項1において、
    前記旋光性物質は、前記下式により表される物質を含むことを特徴とする偏光変換装置。
    Figure 0003864423
  4. 複数の偏光面を有する入射光を特定の偏光面を持つ光に変換する偏光変換装置であって、
    前記入射光の通過方向に所定厚さを有する旋光性物質を備え、前記所定厚さの領域を分割した各層の前記旋光性物質の各々は、該旋光性物質を構成する旋光性の発現主体が、相直交する偏光面に対する各々の旋光角の異なる個々の異方性を有し、個々の異方性が相殺されないように揃えられることで旋光性に異方性を有し、各層の前記旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させるように、前記各層間で異方性を揃える方向がずらしてあることを特徴とする偏光変換装置。
  5. 請求項4において、
    各層の前記旋光性物質を構成する旋光性分子が、剛直な分子部分と、それに結合するカイラルセンターと、前記カイラルセンターに結合する1以上の置換基とを有し、相直交する偏光面に対する各々の旋光角の異なる個々の異方性を有し、各層の前記旋光性物質は、個々の異方性が相殺されないように、各分子の前記剛直分子部分から前記カイラルセンターに至る方向が一定方向に揃えられることで旋光性に異方性を生じることを特徴とする偏光変換装置。
  6. 請求項5において、
    前記各層間では、前記特定の偏光面をもつ光束の強度を最大に増加させるように、前記各層を構成する分子の前記旋光性分子の立体的配置をずらしてあることを特徴とする偏光変換装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記旋光性物質が混合されるベースポリマーをさらに有することを特徴とする偏光変換装置。
  8. 請求項において、
    前記ベースポリマーに溶解した状態で前記旋光性物質が混合されていることを特徴とする偏光変換装置。
  9. 請求項において、
    前記ベースポリマーは、水溶性高分子からなり、その構成物質としてポリアミノ酸、主鎖型若しくは側鎖型高分子液晶、または多糖類若しくは糖蛋白質若しくはそれらの誘導体のうち一つ以上の旋光性物質が混合されていることを特徴とする偏光変換装置。
  10. 請求項において、
    前記ベースポリマーは、有機溶媒可溶性高分子であるポリエステル系高分子液晶で、そのモノマーエレメントにカイラルセンターを持つ旋光性物質が含まれていることを特徴とする偏光変換装置。
  11. 請求項において、
    前記ベースポリマーが旋光特性を有し、前記ベースポリマーは、前記旋光性物質の可視光における旋光性に対する波長分散特性を補償するような波長分散特性を備えたことを特徴とする偏光変換装置。
  12. 請求項4において、
    前記各層では、表面に配向性膜が設けられ、その配向性膜を対向させて設けられた2枚の透明基板の間に、旋光性を備えた流動性のある糖溶液を含む旋光性物質を挟持させたことを特徴とする偏光変換装置。
  13. 請求項4において、
    前記各層では、表面に透明電極が設けられた2枚の透明基板の間に、旋光性を備えた流動性のある強誘電性液晶を含む旋光性物質を挟持させ、前記2枚の透明電極間に電圧を印加して、旋光性に異方性を生じさせることを特徴とする偏光変換装置。
  14. 複数の偏光面を有する入射光を特定の偏光面を持つ光に変換する偏光変換装置と、
    この偏光変換装置で偏光変換された前記特定の偏光面を持つ光束を通過させる偏光子と、
    この偏光子を通過した光束を入射させ、かつ液晶の配列状態に応じて前記特定の偏光面を回転させて当該光束を通過させる液晶セルと、
    前記液晶セルから出射される光束の内の所定の偏光面を持つ光束を通過させる検光子と、
    を備え
    前記旋光性物質は、該旋光性物質を構成する旋光性の発現主体が、相直交する偏光面に対する各々の旋光角の異なる個々の異方性を有し、個々の異方性が相殺されないように揃えられることで旋光性に異方性を有し、前記旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させることを特徴とする光学変換装置。
  15. 複数の偏光面を有する入射光を特定の偏光面を持つ光に変換する偏光変換装置と、
    この偏光変換装置で偏光変換された前記特定の偏光面を持つ光束を入射させ、かつ液晶の配列状態に応じて前記特定の偏光面を回転させて当該光束を通過させる液晶セルと、
    この液晶セルから出射される光束の内の所定の偏光面を持つ光束を通過させる検光子と、
    を備え
    前記旋光性物質は、該旋光性物質を構成する旋光性の発現主体が、相直交する偏光面に対する各々の旋光角の異なる個々の異方性を有し、個々の異方性が相殺されないように揃えられることで旋光性に異方性を有し、前記旋光性物質によって前記特定の偏光面を持つ光束の強度を増加させ、かつ前記特定の偏光面と直交する偏光面を持つ光束の強度を低下させることを特徴とする光学変換装置。
  16. 請求項14または15において、
    光源としてのランプユニットを備え、前記偏光変換装置を前記ランプユニットの光出力側の直後に配置したことを特徴とする光学変換装置。
  17. 請求項14乃至16のいずれかに記載の光学変換装置を備え、前記液晶セルの液晶分子の挙動に依存した情報表示用の表示画面を形成したことを特徴とする電子機器。
  18. 請求項7乃至11のいずれかに記載の偏光変換装置の製造方法であって、
    ベースポリマーと旋光性物質とを混合する混合工程と、
    混合された溶液を一以上の溝に沿って流すことにより、当該旋光性物質を配向させるキャスト工程と、
    膜状にされた溶液を乾燥させ、硬化させる乾燥工程と、
    硬化した膜に張力を加え、延伸させる延伸工程と、
    を備えたことを特徴とする偏光変換装置の製造方法。
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