JP3863779B2 - 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 - Google Patents
基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3863779B2 JP3863779B2 JP2001579331A JP2001579331A JP3863779B2 JP 3863779 B2 JP3863779 B2 JP 3863779B2 JP 2001579331 A JP2001579331 A JP 2001579331A JP 2001579331 A JP2001579331 A JP 2001579331A JP 3863779 B2 JP3863779 B2 JP 3863779B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- line structure
- curvature
- stress
- line
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/02—Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
- H01L21/027—Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L22/00—Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor
- H01L22/30—Structural arrangements specially adapted for testing or measuring during manufacture or treatment, or specially adapted for reliability measurements
- H01L22/34—Circuits for electrically characterising or monitoring manufacturing processes, e. g. whole test die, wafers filled with test structures, on-board-devices incorporated on each die, process control monitors or pad structures thereof, devices in scribe line
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
Description
本願は、2000年4月27日付けで出願された米国特許願第09/560,719号の特典を主張するものである。
【0002】
背景
本願は、基板上に形成されたライン構造(line feature)の応力場と特性の評価に関する。
【0003】
基板及びその基板上に形成された構造の各種特性の測定値には重要な用途がある。例えば特定の装置を製造するには、基板(例えば半導体又はガラスの基板)上に各種の構造及び要素を製造することが必要である。このような基板ベースの集積装置としては、とりわけ、超小形回路素子が半導体の基板の上に形成されている集積電子回路;超小形光学的要素が基板上に製造されている集積光学装置;超小形アクチュエータなどの機械要素が半導体の基板の上に製造されている超小型電気機械システム;発光素子、薄膜トランジスタなどの素子が透明基板の上に製造されているフラットパネル表示システム[例えば、素子は透明基板(例えばガラス)上に製造される];又はこれら装置の二つ以上の組合せがある。
【0004】
異なる材料と異なる構造体が、通常、基板の上に形成されて互いに接触している。またいくつかの装置は複雑な多層形態を利用する。したがって、異なる材料と異なる構造体を界接させると、異なる製造方法と環境要因(例えば温度の変動又は揺らぎ)下で、相互接続部における材料特性と構造特性の差によって、各構造内に複雑な応力状態が起こりうる。集積回路を製造する場合、例えば相互接続導電ラインの応力状態は、製造工程中の薄膜堆積、短時間熱エッチング、化学−機械研磨、及び不活性化(passivation)によって影響を受ける。
【0005】
装置の性能と信頼性を高めることができるように、装置構造の設計、材料の選択、製造工程、及び装置の他の側面を改善するため、基板上に形成された各種構造にかかる応力を測定することが望ましい。これら応力測定値を利用して、エレクトロマイグレーション、応力ボイディング及びヒロック形成などの現象に基づいた故障を防ぐ材料の信頼性を査定又は評価することができる。また、これら応力測定値を利用して、ウェーハ製造工場で大規模生産中の回路チップダイの機械的完全性と電気機械的機能の品質管理を行いやすくすることもできる。さらに、これら応力測定値を利用して、各種の熱処理[例えば不活性化中の温度回遊(temperature excursion)]及び化学−機械処理(例えば研磨)を改良し、最終製品の装置の残留応力に対するこれら処理の寄与を減らすことができる。
【0006】
概要
本発明の一実施態様のシステムは、基板上に形成されたライン構造を有する基板ベース装置の表面曲率の情報を得るための光学的検出モジュール、及び上記曲率の情報に基づいてライン構造の応力情報を生成するための処理モジュールを備えている。上記光学的検出モジュールは、光学的プローブの反射ビームの波面における位相情報に基づいて、表面の表面グラジエントを測定するコヒーレント・グラジエント・センシングシステム(coherent gradient sensing system)を備えていてもよい。
【0007】
一実施態様の一方法は、基板上の一つの位置に形成されたライン構造の縦方向に沿って、その位置における基板の第一曲率をまず測定し、次に前記縦方向に直角の横方向に沿って同じ位置における基板の第二曲率を測定することを含んでいる。次に、解析関数を利用し、測定された上記第一と第二の曲率に基づいて、該ライン構造にかかる応力を計算する。
【0008】
あるいは、ライン構造の応力は、そのライン構造が形成される前に確認してもよい。この方法では、基板の曲率は、薄膜が堆積される前に測定される。この場合、該薄膜が基板上に堆積され、次いでその曲率が測定される。次に、その堆積された薄膜の応力情報が得られ、これを利用し、ライン構造にかかる応力を確認し、解析関数に基づいて、該薄膜からパターン化される。この方法は、ライン構造が、基板上に位置する二つ若しくはそれ以上の薄膜の上に形成される構造体にまで広げることができる。
【0009】
別の方法は、基板上に形成された層のトレンチ内に埋めこまれたライン構造の応力情報を確認する。その埋めこまれたライン構造の曲率を、光学的プローブビームを使用して測定し、反射光ビーム中の空間グラジエント情報(spatial gradient information)に基づいて照射領域の曲率マップが得られる。次に、測定された曲率を、解析関数から計算したライン構造の曲率と比較する。次に、その偏差を利用して、残留応力の存在を確認する。
【0010】
さらに別の方法は、ライン構造及び該ライン構造が形成されている薄膜の曲率を温度の関数として測定して、該ラインと薄膜が、それらの曲率の温度との依存関係を、直線方式から非直線方式に変える降伏温度を確認する。次に、それぞれの降伏温度における、ライン構造の降伏応力と薄膜の降伏応力の比率を解析関数から確認することができる。
【0011】
本発明のこれらの及び他の特徴と、これに伴う利点は、以下の説明と図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0012】
詳細な説明
本願の方法とシステムは、基板の上に形成されたライン構造の曲率のパラメータを測定する少なくとも一つの光学的検出機構及び上記測定された曲率のパラメータから、該ライン構造の応力の情報を引き出す処理機構を備えている。該光学的検出機構は、ライン構造が配置されている1又は2以上の領域の曲率を、従来の点から点への走査測定を行うことなしに、同時に測定する全界(full-field)測定能力を提供できる。該処理機構は、前記曲率の情報だけを使用して分析公式に基づいて応力を直接計算し、複雑な数値計算を除くことができる。したがって、その応力情報は短い処理時間内で得ることができる。前記全界光学的検出と前記処理を組み合わせることによって、応力の変化が該処理時間より遅い限り、測定中の領域における応力分布の空間マップを、事実上リアルタイムでつくることができる。
【0013】
図1は、該光学的検出機構を実行する光学的検出モジュール102及び該処理機構を実行するデータ処理モジュール105を備えている一実施態様の応力測定システム100を示す。その光学的検出モジュール102は、試料基板130の表面に対する照射光ビーム103を生成し、次いでその反射ビーム104を検出する。その照射ビーム103は、測定中のライン構造を有する1又は2以上の領域を含む領域を照射するように向けられる。次に、試料基板130からの反射ビーム104が光学的に処理されて、全照射領域の曲率情報を有する光学的パターンを生成する。この光学的パターンは曲率信号106に変換される。この信号は、電子プロセッサなどのプロセッサを備えていてもよい処理モジュール105に送られる。その曲率信号106は該光学的パターンを表す電子信号でもよい。次に、この信号が処理され、基板130上の全照射領域の曲率データを生成する。該処理モジュール105は、基板130上の照射領域の1又は2以上の所望の位置に形成されたライン構造に対する所望の応力データを、それぞれの曲率データに基づいて生成する。
【0014】
図2は、光学的検出モジュール102の一実例として、コヒーレントグラジエントセンシング(「CGS」)システム200の一実施態様を示す(Rosakisらの米国特許第6,031,611号参照)。このCGSシステム200は、光源110からのコリメート・コヒーレント・光ビーム112を光学的プローブとして使用して、事実上任意の材料製の正反射面130を示す曲率情報を得る。ビームスプリッタなどの光学的素子120を使って、ビーム112を面130に向けることができる。反射面130が湾曲していると、反射されるプローブビーム132の波面が歪むので、反射されるプローブビーム132は、測定下の面130の曲率に関連する光学距離の差又は相変化を獲得する。このシステムは、面130上の照射領域内の各ポイントの「スナップショット」を生成するので、該照射領域内の任意の方向に沿った任意のポイントの曲率の情報を得ることができる。これによって、走査システムを使用して順次行う方式で、一回に一つずつポイントを測定する必要がなくなる。
【0015】
互いに間隔を置いた二つのグレーティング140と150を、前記反射されたプローブビーム132の経路内に配置して、前記歪んだ波面をマニプュレートして曲率を測定する。第一グレーティング140が生成した二つの異なる回折成分を回折する第二グレーティング150が生成する二つの回折成分が、レンズなどの光学的素子160を使って結合されて、互いに干渉する。二つのグレーティング140と150による回折が、二つの選択された回折成分間の相対空間変位(relative spatial displacement)すなわち移相を引き起こす。この移相は、他のグレーティングパラメータが固定されているとき、二つのグレーティング140と150の間の間隔の関数である。空間フィルター170が、光学的素子160に対して配置されて、選択された回折成分の干渉パターンを透過して、第二グレーティング150からの他の回折オーダー(different order)をブロックする。
【0016】
その透過された干渉パターンは、次に、CCDアレイなどの感知画素のアレイを備えていてもよい画像形成センサ180に獲得され、その干渉パターンを表す電気信号を生成する。図1に示す処理モジュール105の一部である信号プロセッサ190が、前記電気信号を処理して、反射面130の曲率によって生じる位相の歪みの空間グラジエントを引き出す。この空間グラジエントは続いて、さらに処理されて曲率の情報を得ることができるので、面130の照射領域の曲率マップを得ることができる。単一空間微分(single spatial differentiation)を、前記干渉パターンに実施して、前記面グラジエントを測定する。この方法は、面の曲率の変動がゆるやかな変動である場合、すなわち平面外の変位(out-of-plane displacement)が、薄膜、ライン又は基板の厚さより小さいときに、面の曲率を正確に測定することができる。この方法は、いくつかの他の干渉法と比べて、剛性体の運動に対して反応しない。このデータ処理操作の詳細は、先に引用したRosakisらの米国特許第6,031,611号に記載されている。
【0017】
上記二つのグレーティング140と150は一般に、異なるグレーティング周期を有しかつ互いに任意の角度で配向されているグレーティングであればよい。これら二つのグレーティングは、好ましくは、互いに同じ方向に配向されかつデータ処理を単純化するため同じグレーティング周期をもっている。この場合、グレーティングの方向は、グレーティング140と150による二重回折による、前記二つの選択された回折成分間の相対的空間変位(「シャリング」)の方向によって事実上設定される。
【0018】
特定の用途が、全界の二次元曲率の測定を行うため二つの異なる方向の空間シャリングを要求することがある。これは、CGSシステム200を使用して、試料面130が第一配向方向に向いているとき第一測定を行い、続いて、試料面130が第二配向方向(例えば第一配向方向に対して直角の方向)まで回転したとき第二測定を実施することによって行うことができる。あるいは、別個の2組の、二つの異なる方向の二重グレーティングを有し、二つの異なる空間シャリング方向の干渉パターンを同時に生成する、図3に示す2アームCGSシステムが提供される。したがって、両方の空間シャリング方向の曲率分布の時間で変動する効果を得ることができる。
【0019】
上記CGSシステムを使用して、基板の上に形成された各種の構造と要素の曲率を、直接に又は間接的に測定することができる。直接に測定する場合、CGSのプローブビームは、これら装置の頂面に直接送られて、曲率の情報を得ることができる。これを行うには、表面の構造と要素及びそれらを囲む領域が好ましくは平滑でかつ光を反射することが通常必要である。その上に、前記構造や要素及びそれらを囲む領域の、それらの曲率以外の特性が、波面の歪に対して有意に寄与しないことが望ましい。したがって、その波面の歪は、光学的プローブビームが照射する領域の曲率の指標として使用できる。例えば、いくつかの完成した集積回路は、基板上の回路素子の上に通常、非導電性の絶縁材料製の頂部不活性化層を有し、下側の回路を保護する。不活性化層の表面は、一般に滑らかでありかつCGS測定を行うため充分に反射性である。
【0020】
しかし、上記条件は、いくつかの他の基板ベースの装置には適合しない。例えば、基板のおもて面に形成された構造や要素又はそれらを囲む領域は光反射性でないことがある。おもて面のこれら構造や要素は、曲率以外の要因、例えば該構造又は要素の高さがそれらを囲む領域とは異なっていることなどによって、その反射された波面を歪ませることがある。このような場合、該構造又は要素の曲率は、基板の裏面の反対側の面の対応する位置の曲率測定値から、推定によって間接的に測定できる。これは可能である。なぜならば、基板上に形成された不連続の構造や要素の応力は基板を変形させ、そして基板の上に形成される薄膜は一般に基板表面に合致するからである。
【0021】
特定の構造の高さがそれらの周囲と異なっている場合、各構造の反射プローブビームの波面の位相歪は、高さの差からもたらされる部分と曲率からもたらされる部分を少なくとも含んでいる。CGSによる測定のために基板の裏面を用いることに加えて、CGSによる測定は、おもて面を照射することによって実施することができる。したがって、曲率の情報は、高さの情報が分かっている場合、曲率を計算する際に、高さの差の効果を除くことによって引き出すことができる。
【0022】
完成した基板ベースの装置の曲率を測定することに加えて、CGS法は、基板ベースの各製造ステップ中に、基板及び各層もしくは構造の系内での曲率測定を実施するのに利用することもできる。CGS法は、照射された領域内のすべての位置の曲率をその全界にわたって同時に測定できることによって、上記のことを達成できる。それ故、各測定は、製造の連続操作を中断することなく、短時間で実施し完了することができる。CGS法は、光学的プローブビームをプローブとして使用して曲率の情報を得るので、その測定は、非侵襲性であるから、該光学的プローブビームの強度が許容レベルより低く適正に保持されると、製造工程を妨げない。その上に、該光学的プローブビームとそのビームの基板からの反射ビームは、処理チャンバーの1又は2以上の光学的ウィンドウを通じて、処理チャンバー内の基板へ及びその基板から便利に案内することができる。
【0023】
それ故、各層内に薄膜層及び各種の構造を製造中、各層中に形成された各層と各構造の曲率及び関連する応力は、CGS法によって監視することができる。この現場での応力監視機構は、基板製造の各種側面に適用することができる。
【0024】
例えば、この現場での応力監視機構を利用して、製造中の中間段階にある欠陥バッチの加工基板を、全製造工程が完了する前に除外することができる。製造工程及び関連する熱サイクリングは、製造される構造に応力を導入することがあることは知られている。例えば、各種の金属化法は高温で実施される。また、これらの層は異なる機械的特性、物理的特性及び熱的特性を示し、これら異なる特性は、例えば異なる材料間の熱による膨張と収縮の大きさのミスマッチによって、相互接続構造体中に高い応力をもたらすことがある。これらの応力は、とりわけ、応力が起こす望ましくないボイディングや界面のひびわれを生じてエレクトロマイグレーションに寄与することがある。その上に、これらの応力は基板のひびわれを起こすことがある。ボイディング、エレクトロマイグレーション及び基板のひびわれは、集積回路の主な故障要因である。
【0025】
これら欠陥のうちいくつかは、製造中の中間ステップの後、応力によって起こる。装置は、各種の部品の応力が予め定められた許容値を超えると欠陥装置になる。上記の系内応力監視を利用して、製造中、選択された段階で又は連続して応力を測定することができる。その測定された応力は、許容値と比較される。応力測定値がその許容値より大きいと欠陥が発見される。その最終製品の装置は欠陥装置であろうから、その製造工程は停止される。したがって、残りの製造ステップは実施する必要がない。この方法によって、製造された装置の欠陥が、全製造工程が完了した後にしか検査されないいくつもの従来の製造方法の不経済で効率の悪いプラクチスが回避される。
【0026】
この現場での応力監視機構のもう一つの代表的な用途は、製造時の処理パラメータで処理条件の調節と最適化を行って基板の応力を減らす用途である。CGS法を利用して製造中に現場で応力を監視できるので、応力に対する異なる処理ステップからの寄与は、各処理ステップにおいて応力を監視することによって確認することができる。その上に、各処理ステップの処理パラメータ(例えば、温度、期間又はデューティサイクル)は、他の処理ステップの処理パラメータとは無関係に又は該パラメータを参照して調節されて応力を減らすことができる。各調節の応力に対する効果はCGS法で測定することができ、その結果、該パラメータと応力の関係を確立できる。処理パラメータを調節し次に生成した応力を測定するステップは、生成した応力が満足すべきレベルまで低下するまで反復法で実施できる。したがって、その処理ステップを制御して、製造の総歩留まりを高めることができる。
【0027】
CGS法のさらに別の用途は、平面外変位が該ライン及び基板の厚さより大きい、大きな表面変形を監視する用途である。表面変形が該ライン及び基板の厚さに比べてもはや小さくなくなれば、CGS測定値の正確さは低下するが、CGS測定値の予測曲率値からの偏差は、CGSシステムが現場での監視に使用される場合、均一な大きい表面変形が存在することの指標として使用できる。
【0028】
図1を再び見ると、曲率マップが得られた後、処理モジュール105は曲率マップを処理して、試料表面の照射領域の対応する応力マップをつくる。これは、図1に示すシステム100の重要な側面でありかつ簡単な分析式を使って、構造にかかる応力を、曲率のデータ及び基板と構造の材料の材料パラメータから計算することによって達成される。
【0029】
一実施態様では、前記処理は、以下に説明するような厚い基板上に形成された薄い反復ライン構造(thin periodic line feature)の熱弾性モデルに基づいている。綿密な計算ステップを含む熱弾性モデルの特定の側面は、Wikstrom、Gudmundson及びSuresh、「Thermoelastic Analysis of Periodic Thin Lines Deposited on A Substrate」、Journal of the Mechanics and Physics of Solids、47巻1113−1130頁1999年5月に開示されている。
【0030】
図4Aと4Bは、一実施態様の熱弾性モデルの構造を、模式的に示す。複数の同じライン構造402が基板400の表面の上に形成されている。そのライン構造402は各々、幅がbで厚さすなわち高さがtであり、互いに間隔dをとって等間隔に位置して反復パターンを形成している。基板400の寸法(例えば直径)が、基板400の厚さhよりはるかに大きいと仮定する。例えば、いくつかの装置では、基板の寸法(例えば直径)がhの少なくとも10倍又は好ましくは50倍であれば実用上充分であろう。また、各ライン構造402の厚さtと幅bが共に基板400の縦方向の長さlと厚さhよりはるかに小さく、少なくとも1/10で、例えば1/25以下であると仮定する。モデルの正確さはこれらの仮定によって決まり、すなわち一般に、これらの倍率及び縮小率が増大するにつれて高くなる。これらの仮定に基づいて、基板400は均質化された異方性プレートとして処理できる。
【0031】
デカルト座標系(x1、x2、x3)が、熱弾性モデルに対して図4Aと4Bに示されている。x1とx2で標示した方向はそれぞれ、基板400の平面内にあって、ライン構造に沿った方向と横切る方向を表す。x3で標示した方向は、基板400の平面に対し垂直の方向を表す。ある容積Vを越える容積量Aの容積平均値は下記式で定義される。
【0032】
【数1】
【0033】
前掲Wikstromらの分析法に基づいて、各ライン構造402の容積平均応力は、基板400のx1方向(すなわち縦方向)に沿った曲率k1、x2方向(すなわち横方向)に沿った曲率k2によって下記式で表すことができる。
【0034】
【数2】
【0035】
上記式中、σαβは応力テンソル成分(α、β=1、2)を表し、そしてESとνSはそれぞれ、基板400のヤング率とポアソン比である。剪断応力σ12の容積平均値はこの場合ゼロである。式(1)の負の符号「−」は、選ばれた符号規約を実行するために使用する。すなわち、正の値は一方向の曲率を表し、一方、負の値は逆方向の曲率を表す。とりわけ、各応力成分は、f1(ES、νS、h、t、d、b)・k1+f2(ES、νS、h、t、d、b)・k2で表される線形合計(linear sum)である。なお式中の係数f1とf2はES、νS、h、t、d及びbの関数である。したがって、各ライン構造の応力は、基板の弾性特性及びライン構造の形態に基づいて計算することができる。
【0036】
したがって、基板400の各ライン構造402における曲率の測定値は、基板400と各ライン構造402の寸法パラメータ、基板400の弾性特性(例えばヤング率とポアソン比)に基づいて、簡単な解析関数で、容積平均弾性応力を求めることができるようにする。この方法の一つの特徴は、式(1)による応力計算が、ライン構造自体の材料組成、機械的特性などの特性に関する詳細な情報を必要としないことである。ライン構造のこれらの特性は、ライン構造の応力挙動を決定する主要な要因であるが、これら特性の効果は、ライン構造に沿った曲率k1とライン構造を横切る曲率k2の測定値に含まれている。
【0037】
この方法のもう一つの特徴は、式(1)が単純な分析式であるので、測定された曲率k1とk2に基づいた応力の計算を、プロセッサによって、短時間で行えることである。例えば、マイクロプロセッサを使用してコンピュータルーチンを行い、式(1)に示す計算を実施することができる。したがって、複雑で時間がかかる数値計算は事実上回避される。その上に、式(1)で表される単純な分析式は、無限要素分析法(前掲Wikstromの文献)に基づいた複雑な数値計算と比べて正確であることが分かった。データ処理モジュールの、CGS光学的検出モジュールの全界並行処理と組み合わせたときのこの特徴によって、図1に示す応力測定システム100は、比較的高い速度で、ある位置の曲率を測定してそれぞれの応力を生成することができる。したがって、システム100を使用して、ライン構造の曲率及び関連する応力の時間的変化を、半導体製造の多数の工程についてリアルタイムで測定することができる。
【0038】
式(1)に関する上記応力計算方法は、ライン構造が形成されている薄膜の情報を利用できない場合に、基板上のライン構造の応力データを得る方法を提供する。この状況の例は、完成したIC回路などの、ライン構造が薄膜で製造された後の装置の応力を確認する場合である。
【0039】
図5は、式(1)に基づいた上記応力測定法のフローチャートである。この応力測定は、基板の製造が完了した後又は製造中に、系内監視機構として実施できる。
【0040】
基板及び薄膜の曲率がパターン化の前に測定できるならば、本願の別法を利用して、基板上の薄膜からパターン化されたライン構造の応力を、ライン構造が形成される前でも確認することができる。この状況の一例は、図1に示す曲率測定システム100を使用することによる、製造中の系内測定である。
【0041】
第一に、層が基板上に形成される前に、裸の基板の曲率マップを測定する(したがって関連する応力のマップが測定される)。基板及びそののち基板上に堆積された連続薄膜が事実上等方性である場合、いずれの位置の曲率もあらゆる方向に沿って同一であるはずである。次に、薄膜が基板上に堆積された後、その連続膜の曲率マップが測定される。対象の位置のパターン化されていない連続膜の応力は下記Stoneyの式で求めることができる。
【0042】
【数3】
【0043】
上記式中、kfilmとkSはそれぞれ、同じ対象位置の、堆積された膜と裸の基板の曲率の測定値である。ここで、膜が堆積される基板表面が凸面である場合、曲率が正の値であり、該表面が凹面の場合負の値であるように符号規約が選ばれる。
【0044】
反復ライン構造(periodic line feature)がこの膜上に形成された場合、各ライン構造を横切る曲率k1と各ライン構造に沿った曲率k2は、その膜と基板の弾性特性及びライン構造の形態から、下記分析式によって求めることができる。
【0045】
【数4】
【0046】
上記式中、νfilmは該薄膜のポアソン比であり、χは下記式で表される。
【0047】
【数5】
【0048】
そして係数djは下記表1に示す。t/b→0の場合χ→0であり、そしてt/b→∞の場合χ→1であることに留意せよ(前掲のWikstromらの文献参照)。ここでkfilmからk1及びk2への曲率の変化は、単に、膜のライン構造へのパターン化による形態の変化から起こると仮定する。また、ライン構造の弾性特性は膜とほとんど同じであると仮定する。
【0049】
【表1】
【0050】
したがって、各ライン構造の容積平均弾性応力は下記式から得ることができる。
【0051】
【数6】
【0052】
この方法は、先に述べた方法と同様に、式(2)、(3)及び(4)の単純な分析式を利用して、各ライン構造の応力を計算する。しかし、先に述べた方法と異なり、式(2)に必要な基板の曲率は該膜が堆積される前に測定され、一方、式(1)に必要な基板の曲率k1とk2はライン構造が基板上に形成された後に測定される。したがって、この方法は、形成されるライン構造の応力を予測するのに利用できる。図6は、式(4)に基づいて行う応力測定のフローチャートを示す。
【0053】
さらに、式(2)、(3)及び(4)の分析式は、基板上の1又は2以上の薄膜の上に形成されたラインに適用することもできる。この場合、式(2)のパラメータkSは、ライン形成膜が堆積される前の下側の膜と基板によって形成される構造体の総曲率である。この総曲率はCGS法を使用して直接測定することができる。一次近似として、前記総曲率は、個々の層各々がそれ自体によって基板上に堆積されるならば誘発されるであろう曲率の合計である。
【0054】
上記応力測定法は、2以上の方向に例えば互いに直角の方向に配向されているライン構造を有する基板を測定するのに適用できる。基板上の対象の全領域は、基板上に形成されたパターンに応じて2以上のサブディビジョン領域に分割して、各サブディビジョン領域が単に、一方向に沿って互いに平行なライン構造を有するようにすることができる。したがって、図4Aと4Bに示す一方向のライン構造のモデルは、個々のサブディビジョン領域に適用して、CGSによる測定由来の曲率データに基づいて対応する応力を計算することができる。したがって、非直線の単一導電ラインは、異なるサブディビジョン領域内に2以上の異なるセグメントを含んでいることがある。このラインの応力は、CGSの曲率データに基づいて、異なるセグメントの応力を計算することによって得られる。
【0055】
図7は基板上に形成されたライン構造の一部分を示し、同部分は二つのサブディビジョン領域AとBを含んでいる。各サブディビジョン領域のライン構造の方向は同じである。サブディビジョン領域AとBは、各領域の端縁から、ラインが方向を変える最も近い鋭角のかどまでの距離が、各ライン構造の一ラインの幅b又は厚さtより少なくとも大きい値である方式で選択される。この条件は、図4Aと4Bに示すモデルに基づいた応力計算の正確さを維持することができる。サブディビジョン領域AとBは、光学的プローブビームが領域AとBを同時に示すように導かれると、図1に示すシステム100を使って同時に測定できる。
【0056】
多くの実用装置において、基板上に形成されるライン構造は、異なる材料中に埋めこまれることが多い。例えば導電ラインは、酸化物などの絶縁性導電材料(insulating conductive material)中に埋めこまれることが多い。図4Aと4Bに示すモデルは、このような構造体の曲率と応力の分析にもはや適用できない。事実、このような埋めこまれたライン構造の応力を、複雑な数値計算なしで計算することは困難である。しかし、新しいモデルを利用して、埋めこまれたライン構造の曲率を、構造設計、埋めこまれたライン構造の材料特性及びまわりの材料に基づいて計算できる。
【0057】
図8Aは、基板800上に形成された層820のトレンチ内に埋めこまれたライン構造810の曲率を計算するためのモデルを示す。図4Aと4Bに示すモデルと同様に、基板800の横方向の寸法は、その厚さhよりはるかに大きいと仮定する。ライン構造810は平行でかつ、基板800上に間隔dの等間隔でx2方向に沿って位置している。また、各ライン構造810の幅bと厚さtも、x1方向に沿ったその縦方向の長さ及び基板800の厚さhよりはるかに小さいと仮定する(Park及びSuresh、「Effects of Line and Passivation Geometry on Curvature Evolution during Processing and Thermal Cycling in Copper Interconnect Lines」、Acta Materialia、2000年4月参照)。
【0058】
さらに、ライン構造810のアスペクト比:f0=t/b及びまわりの層820に形成されたラインのアスペクト比:f1=t/(d−b)は、1に等しいか1より大きくそして、ライン構造810に沿った曲率とライン構造810を横切る曲率は互いに弾性変形に影響しないと仮定する。ParkとSureshの前掲文献によれば、ライン方向x1のライン構造810の曲率k1及び弾性領域内の温度変化ΔTによって起こるライン方向x1に直角の方向の曲率k2は下記式で表すことができる。
【0059】
【数7】
【0060】
【数8】
【0061】
上記式中次のとおりである。
【0062】
【数9】
【0063】
【数10】
【0064】
【数11】
【0065】
【数12】
【0066】
そしてE1、ν1及びα1はそれぞれ、ライン構造810のヤング率、ポアソン比及び熱膨張係数であり、及びE0、ν0、α0はそれぞれ層820のヤング率、ポアソン比及び熱膨張係数である。複合体であると類推して、ライン構造810(例えば銅ライン)とまわりの層820(二酸化ケイ素などの酸化物)を含む層は、ラインの方向のヤング率がE1でラインの方向を横切る方向のヤング率がE2でかつ、ラインの方向の熱膨張係数がα1でラインの方向を横切る方向の熱膨張係数がα2の異方性複合層として均質化される。
【0067】
この簡単な分析結果の予測は、より綿密な無限要素シミュレーションの結果と適度に近いことを示し、偏差は約3〜約17%であった。酸化物トレンチ内のCuラインのいくつかの実用的配置構成の場合、誤差は一般に17%より小さい。
【0068】
図8Bは、キャッピング不活性化層830が、ライン構造810と層820の上に形成されている別のモデルを示す。不活性化層830の厚さが基板800の厚さよりはるかに薄いと仮定すると、不活性化されたライン構造810の、温度の変化ΔTで起こる弾性変形による曲率は下記式で表すことができる。
【0069】
【数13】
【0070】
【数14】
【0071】
上記式中、EP、νP、αPはそれぞれ、不活性化層830のヤング率、ポアソン比及び熱膨張係数である。
【0072】
図8Aと8Bに示す上記モデルを利用し、基板ベース装置の特定の既知のパラメータに基づいて、基板上に埋めこまれたラインの曲率を計算することができる。上記埋めこまれたラインの応力は、式(5)〜(12)から直接計算することはできないが、これらモジュールは、図1に示すシステム100の処理モジュール105で実行させて、残留応力がこれら装置に残っているかどうかを確認することができる。
【0073】
図9は、CGS測定値を、図8Aと8Bに示すモデルに基づいた曲率の推定と結びつけて、埋めこまれたラインの応力情報を確認する方法のフローチャートである。第一に、装置の埋めこまれたラインの曲率をCGS法で測定し次いで図8Aと8Bに示すモデルに基づいて計算する。上記CGS測定値はラインの実際の曲率を提供するが、上記曲率計算値は単に弾性変形によって起こる曲率だけである。次にその曲率計算値と曲率の実測値を比較する。これらの値の差は、上記計算値には含まれていない残留応力によって起こる曲率を示す。この残留応力は、装置の正常な作動と望ましい寿命を保証するため、許容レベルより低く保たねばならない。したがって、ラインに沿った方向又はラインを横切る方向の上記差が許容レベルを超えると、装置の信頼性又は性能は許容できないとみなされる。
【0074】
CGS法は現場で測定できるので、上記の方法を利用して、製造工程中の、埋めこまれたラインの応力を監視することができる。上記分析とCGS測定による曲率の差は、設計時には明らかでない、応力/曲率の発生について実際に進行していることの指標を提供する。したがって、これら装置の製造又は設計の1又は2以上の側面を検査し改変して、残留応力を許容範囲内に減らすことができる。さらに、その系内測定値を利用して、該残留応力が中間ステップにおいて許容レベルを超えた場合、全工程を完了する前に、製造を停止することができる。この監視機構によって、コストを下げかつ製造効率を上げることができる。
【0075】
式(5)、(6)及び(11)、(12)を利用して曲率の測定データをあてはめ、基板又はライン構造のヤング率、熱膨張係数及びポアソン比などのライン構造又は基板の特性を確認することができる。例えば、不活性化層830を有する装置において、曲率のCGS測定値を利用し、式(11)と(12)に基づいて、不活性化層830の特性を確認することができる。不活性化層830の二軸モジュラス(biaxial modulus):EP , B=EP/(1−νP)は、不活性化層が堆積される前後の工程中に行ったCGS測定による測定値k1 passとk2 passから計算することができる。
【0076】
埋めこまれたラインを測定する上記方法は、酸化物のトレンチ中に銅の導電ラインをつくる新しい製造法「ダマシーン法(Damascene process)」に適用できる。この技法では、Si基板上に形成される回路内の銅の相互接続ラインの形態に合致するように、トレンチが酸化物の層中にエッチングされる。そのエッチングはドライエッチング法を利用して実施される。次いで、これら酸化物のトレンチに、気相化学成長法(CVD)又は電気メッキ法を利用してCuを充填する。次に、トレンチの上にはみだした余分の銅は、化学−機械研磨法(CMP)によって除去し、次いで不活性化層すなわちキャッピング層を該相互接続構造体の最上面の上に堆積させる。
【0077】
ダマシーン法は研磨による材料の除去を含んでいるので、研磨及びその後の処理を行っている間に曲率が生じたことを知ることは、各種の問題点に対して不可欠である。例えば、CGS法を利用する曲率の系内監視は、層が堆積される研磨面の「平坦度」の情報を提供することができる。これは、品質管理に不可欠のステップである。また、曲率発生の知見は、製造中の内部応力の発生の指標も提供する。
【0078】
さらに、非不活性化ライン及び不活性化ラインの上記分析値を利用して熱サイクリング中の弾性応力の発生をシミュレートすることができ、そしてCGS測定値とすぐに比較することができる。このような計算の例は、ParkとSureshの文献に記載されており、そして無限要素シミュレーション値と比較することによって確認される。
【0079】
図1に示すシステム100は、弾性変化によって起こる応力を測定することに加えて、図4Aと4Bに示すモデルに基づいて配置構成し、基板上に形成されたライン構造のいくつかの塑性特性を確認することもできる。基板上に形成されたライン構造は、特定の熱機械的処理によって永久塑性変形を受けることがある。一般に、ライン構造と前記薄膜は、温度が、これらそれぞれのしきい降伏温度T1 Y及びTf Yより低い場合、弾性変形を受ける。弾性変形による曲率は温度によって直線的に変化する。しかし、温度がしきい降伏温度T1 YとTf Yより高いと、塑性変形が起こり、そして曲率は、温度によって、非線形態様で変化する。例えば、塑性変型は、導電ラインに、不活性化中に降伏温度を超える温度で加熱されると起こる。このような塑性変形によって起こった応力を確認することが望ましい。
【0080】
ライン構造及びそのライン構造が基板上にパターン化されている連続薄膜それぞれの初期の応力なし温度(initial stress-free temperature)をT1 0とTf 0と仮定する。ライン/基板系及び薄膜/基板系の応力なし温度範囲は、CGS法を利用し曲率を温度の関数として測定して、実験で確認することができる。未処理の連続薄膜の曲率は上記式(2)に基づいて確認できる。ライン及び薄膜それぞれが、初期応力なし温度から塑性降伏を始める温度への温度変化は下記式で表すことができる。
【0081】
【数15】
【0082】
【数16】
【0083】
上記式中Zeは下記式で表される。
【0084】
【数17】
【0085】
上記式中、T1 YとTf Yはそれぞれ、永久塑性変形が、ライン構造と連続薄膜に起こり始まる温度である。T1 Y及びTf Yを超える温度で、ラインと薄膜の曲率は、温度によって非線形で変化し始める。式(13)〜(15)は、Gouldstone, Wikstrom, Gudmundson及びSuresh、"Onset of Plastic Yielding in Thin Metal Lines Deposited on Substrates"、Scripta Materialia, 41巻3号297〜304頁(1999年8月)による分析法に基づいて、図4Aと4Bに示すモデルによって誘導することができる。
【0086】
式(13)と(14)から下記式を得ることができる。
【0087】
【数18】
【0088】
上記温度差の比率はCGS法を利用して測定することができ、かつパラメータZeは式(4)に基づいて計算できるので、ライン構造と薄膜の降伏応力の比率は式(16)から求めることができる。したがって、CGS法は上記分析と共同して、パターン化されたラインの降伏開始を確認するのに役立つ手段を提供する。
【0089】
上記方法とシステムを利用して、基板、ライン構造又はそれらの上に形成された薄膜の応力の履歴と空間変動(spatial variation)をリアルタイムで測定することができる。特に、コヒーレント・グラジエント・センシング法で得た測定値は、分析計算によって、迅速に処理して、応力と塑性歪の空間変動と時間による変動を得ることができる。基板上のライン構造と膜の塑性変形に関する情報も測定できる。
【0090】
本発明のいくつもの実施態様を説明してきた。しかし、各種の変型と改善を、本願の特許請求の範囲から逸脱することなく行えることは分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様の応力測定システムのブロック図である。
【図2】 コヒーレント・グラジエント・センシング・システムの一実施態様を示す。
【図3】 二つの独立した光学的アームを有し、二つの異なる方向の空間シャリング(spatial shearing)を同時に得るコヒーレント・グラジエント・センシング・システムを示す。
【図4A】 本発明の一実施態様の熱弾性モデルの代表的構造体の上面図を示す。
【図4B】 図4Aに示す構造体の断面図を示す。
【図5】 光学的全界表面曲率の測定値に基づいてライン構造の応力を測定する二つの方法を示すフローチャートである。
【図6】 光学的全界表面曲率の測定値に基づいてライン構造の応力を測定する二つの方法を示すフローチャートである。
【図7】 基板上のパターン化されたライン構造の二つの代表的サブディビジョン領域を示す。
【図8A】 基板上の層中に埋めこまれたライン構造のモデル及び基板上の層に埋めこまれて不活性化層でキャップされたライン構造のモデルを示す。
【図8B】 基板上の層中に埋めこまれたライン構造のモデル及び基板上の層に埋めこまれて不活性化層でキャップされたライン構造のモデルを示す。
【図9】 図1に示すシステムを用いて、基板上の層に埋めこまれたライン構造の曲率を測定する方法を示すフローチャートである。
Claims (27)
- 加工されてライン構造を有する基板の反射面に光学的プローブビームを向けて反射プローブビームを生成し、前記反射プローブビームに基づいて前記反射面の領域の曲率の情報を有する曲率信号を生成するように作動する光学的検出モジュールと、
前記基板上の各ライン構造の応力を、前記生成した曲率信号に基づいて、ライン構造の位置に対応する基板の二つの異なる方向の曲率の解析関数から計算する処理モジュールと
を備えてなるシステム。 - 前記光学的検出モジュールが、前記反射プローブビームの光路に第一と第二のグレーティングを備え、前記第一グレーティングからの二つの異なる回折成分を回折することによって、前記第二グレーティングからの二つの回折成分間に移相を起こさせる請求項1に記載のシステム。
- 前記解析関数が、基板の厚さ、ポアソン比及びヤング率、並びにライン構造の寸法によって決まる係数を有する前記二つの異なる方向に沿った前記曲率の線形合計を含んでいる請求項1に記載のシステム。
- ライン構造が、基板上に堆積された連続薄膜をパターン化することによって形成され、そして前記解析関数が、パターン化される前の薄膜の応力、薄膜のポアソン比と厚さ、及びライン構造の寸法の関数である請求項1に記載のシステム。
- 前記光学的検出モジュールが、光学的プローブビームを、ライン構造が形成されている基板の面に投射する請求項1に記載のシステム。
- 前記光学的検出モジュールが、光学的プローブビームを、ライン構造が形成されていない基板の面に投射する請求項1に記載のシステム。
- ライン構造が基板上の少なくとも一つの薄膜層の上に形成され、前記処理モジュールが、前記応力を、ライン構造が形成される前の基板上の薄膜層の全曲率から計算するように作動する請求項1に記載のシステム。
- 前記処理モジュールが、前記応力を、ライン構造が形成される前の基板の全曲率から計算するように作動する請求項1に記載のシステム。
- 前記処理モジュールは、
前記基板上の照射領域の表面空間グラジエントの情報を引き出し、
前記反射プローブビーム中の表面空間グラジエント情報を処理して、ライン構造の縦方向の基板の第一曲率、及び該縦方向に直角の横方向の同じ位置における基板の第二曲率を同時に測定し、次いで
測定された第一と第二の曲率に基づいて、ライン構造にかかる応力を計算する
ように作動する請求項1に記載のシステム。 - 前記処理モジュールは、
ライン構造にかかった応力の測定値を、許容可能な最大応力と比較し、次いで
ライン構造にかかった応力の測定値が許容可能な最大応力を超えたとき、指標を生成する
ように作動する請求項1に記載のシステム。 - 基板に光学的プローブビームを照射して、基板上の照射領域の表面空間グラジエントの情報を獲得している反射プローブビームを生成させ、
前記反射プローブビーム中の表面空間グラジエント情報を処理して、基板上の一つの位置に形成されたライン構造のその位置における縦方向の基板の第一曲率、及び該縦方向に直角の横方向の同じ位置における基板の第二曲率を同時に測定し、次いで
ライン構造の位置に対応する基板の二つの異なる方向の曲率の解析関数を利用して、測定された第一と第二の曲率に基づいて、ライン構造にかかる応力を計算する
ことを含んでなる方法。 - 前記解析関数が、測定された第一と第二の曲率の線形合計を含んでいる請求項11に記載の方法。
- 線形合計が、基板の厚さ、ポアソン比及びヤング率、並びにライン構造の寸法によって決まる係数を有している請求項12に記載の方法。
- ライン構造が、第一ライン方向に沿った第一部分及び該第一ライン方向と異なる第二ライン方向に沿った第二部分を含み、さらに、ライン構造が第一ライン方向から第二ライン方向に変化する位置から少なくとも選択された距離をおいたライン構造上の位置に対応する基板の第一と第二の曲率を測定することを含み、その応力が第一部分の応力である請求項11に記載の方法。
- 選択された距離が、ライン構造の厚さ及びライン幅の値より大きい請求項14に記載の方法。
- ライン構造が第一ライン方向から第二ライン方向に変化する位置から少なくとも選択された距離をおいた位置の第二部分のライン構造に沿った曲率とそのライン構造を横切る曲率を測定し、次いで
第二部分の応力を該解析関数に基づいて求める
ことをさらに含む請求項14に記載の方法。 - 光学的プローブビームを、ライン構造が形成されている基板の面に向ける請求項11に記載の方法。
- 光学的プローブビームを、ライン構造が形成されている基板の面の反対側の面に向ける請求項11に記載の方法。
- ライン構造が、基板上に堆積された薄膜層に埋めこまれ、さらに、
弾性変形モデルに基づいて、温度の変化によって起こる弾性変形によるライン方向に沿った及びライン方向を横切るライン構造の曲率を計算し、
計算された曲率を測定された曲率と比較して曲率の差を求め、次いで
ライン構造に関する情報を上記曲率の差に基づいて引き出す
ことを含む請求項11に記載の方法。 - ライン構造に関する情報が残留応力に関する情報を含んでいる請求項19に記載の方法。
- ライン構造に関する情報が基板又はライン構造の特性を含んでいる請求項19に記載の方法。
- 特性が弾性特性である請求項21に記載の方法。
- 光学的プローブビームを、ライン構造が形成されている基板に、製造が完了する前に照射して、基板の曲率を、反射プローブビーム中の空間グラジエント情報に基づいて同時に測定し、
そのライン構造の応力を、前記測定された曲率に基づいて、ライン構造の位置に対応する基板の二つの異なる方向の曲率の解析関数から評価し、
前記応力が許容値より低いとき、1又は2以上のその後の製造工程を実施し、次いで
前記応力が許容値を超えたとき、製造を停止する
ことを含んでなる方法。 - 光学的プローブビームを、ライン構造が形成されている基板へ、製造の中間ステップで照射して、基板の曲率を、反射プローブビーム中の空間グラジエント情報に基づいて同時に測定し、
ライン構造の応力を、上記測定された曲率に基づいて、ライン構造の位置に対応する基板の二つの異なる方向の曲率の解析関数から評価し、次いで
製造のパラメータを調節して、応力を許容値より低くする
ことを含んでなる方法。 - 基板上の照射領域の表面空間グラジエントの情報を、該照射領域からの反射によって得られる画像パターンから引き出す第1機構と、
前記表面空間グラジエント情報を処理して、該基板上の照射領域におけるライン構造の縦方向の基板の第一曲率、及び該縦方向に直角の横方向の同じ位置における基板の第二曲率を同時に測定する第2機構と、
ライン構造の位置に対応する基板の二つの異なる方向の曲率の解析関数を利用して、測定された第一と第二の曲率に基づいて、ライン構造にかかる応力を計算する第3機構と
を備えてなるシステム。 - 前記解析関数が、測定された第一と第二の曲率の線形合計を含んでいる請求項25に記載のシステム。
- 線形合計が、基板の厚さ、ポアソン比及びヤング率、並びにライン構造の寸法によって決まる係数を有している請求項26に記載のシステム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/560,719 US6600565B1 (en) | 2000-04-25 | 2000-04-27 | Real-time evaluation of stress fields and properties in line features formed on substrates |
PCT/US2001/013545 WO2001082335A2 (en) | 2000-04-27 | 2001-04-27 | Real-time evaluation of stress fields and properties in line features formed on substrates |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006031359A Division JP2006189454A (ja) | 2000-04-27 | 2006-02-08 | 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004501355A JP2004501355A (ja) | 2004-01-15 |
JP3863779B2 true JP3863779B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=24239057
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001579331A Expired - Fee Related JP3863779B2 (ja) | 2000-04-27 | 2001-04-27 | 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 |
JP2006031359A Pending JP2006189454A (ja) | 2000-04-27 | 2006-02-08 | 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006031359A Pending JP2006189454A (ja) | 2000-04-27 | 2006-02-08 | 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1428242A2 (ja) |
JP (2) | JP3863779B2 (ja) |
KR (1) | KR100497278B1 (ja) |
AU (1) | AU2001255723A1 (ja) |
WO (1) | WO2001082335A2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004026145A1 (de) | 2004-05-28 | 2006-05-11 | Advanced Micro Devices, Inc., Sunnyvale | Halbleiterstruktur mit einem spannungsempfindlichen Element und Verfahren zum Messen einer elastischen Spannung in einer Halbleiterstruktur |
WO2010035139A2 (en) * | 2008-09-29 | 2010-04-01 | Sifi Diagnostic Spa | Systems and methods for designing and implanting customized biometric intraocular lens |
JP5581365B2 (ja) * | 2011-12-07 | 2014-08-27 | ウルトラテック インク | プロダクトウエハの特徴に基づいて半導体発光デバイスを特徴付ける方法 |
US10401279B2 (en) | 2013-10-29 | 2019-09-03 | Kla-Tencor Corporation | Process-induced distortion prediction and feedforward and feedback correction of overlay errors |
NL2017860B1 (en) * | 2015-12-07 | 2017-07-27 | Ultratech Inc | Systems and methods of characterizing process-induced wafer shape for process control using cgs interferometry |
CN109075093B (zh) * | 2016-03-30 | 2023-03-28 | 应用材料公司 | 用于基板变形测量的计量系统 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5227641A (en) * | 1989-05-26 | 1993-07-13 | Frontier Semiconductor Measurements, Inc. | System for measuring the curvature of a semiconductor wafer |
JPH03228347A (ja) * | 1990-02-02 | 1991-10-09 | Hitachi Ltd | 半導体素子内部応力制御方式 |
JPH05335217A (ja) * | 1992-05-29 | 1993-12-17 | Fujitsu Ltd | X線露光用マスクの製造方法 |
JPH06349917A (ja) * | 1993-06-04 | 1994-12-22 | Hitachi Ltd | 応力評価方法および応力評価用試料 |
US6031611A (en) * | 1997-06-03 | 2000-02-29 | California Institute Of Technology | Coherent gradient sensing method and system for measuring surface curvature |
-
2001
- 2001-04-27 WO PCT/US2001/013545 patent/WO2001082335A2/en not_active Application Discontinuation
- 2001-04-27 KR KR10-2002-7014431A patent/KR100497278B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2001-04-27 EP EP01928921A patent/EP1428242A2/en not_active Withdrawn
- 2001-04-27 AU AU2001255723A patent/AU2001255723A1/en not_active Abandoned
- 2001-04-27 JP JP2001579331A patent/JP3863779B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-02-08 JP JP2006031359A patent/JP2006189454A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2001082335A3 (en) | 2004-03-25 |
WO2001082335A2 (en) | 2001-11-01 |
KR20020093087A (ko) | 2002-12-12 |
EP1428242A2 (en) | 2004-06-16 |
JP2004501355A (ja) | 2004-01-15 |
JP2006189454A (ja) | 2006-07-20 |
AU2001255723A1 (en) | 2001-11-07 |
KR100497278B1 (ko) | 2005-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6924497B2 (en) | Systems for measuring stresses in line features formed on substrates | |
US6781702B2 (en) | Determining large deformations and stresses of layered and graded structures to include effects of body forces | |
US7363173B2 (en) | Techniques for analyzing non-uniform curvatures and stresses in thin-film structures on substrates with non-local effects | |
KR100750575B1 (ko) | 계층 구조 설계 및 제조 방법, 응력 분석 시스템 및 국소 응력 계산 방법 | |
JP6353891B2 (ja) | Cgs干渉分光法を用いた処理制御のためにプロセス誘導ウエハ形状を特徴化するシステムおよび方法 | |
JP2006189454A (ja) | 基板上に形成されたライン構造の応力界と特性のリアルタイム評価 | |
JP2009529785A (ja) | 基板の曲率および応力マッピングデータに基づくリソグラフィ位置ずれの判定方法 | |
US10788765B2 (en) | Method and apparatus for measuring a structure on a substrate | |
US7930113B1 (en) | Measuring stresses in multi-layer thin film systems with variable film thickness | |
US6885446B2 (en) | Method and system for monitoring a process of material removal from the surface of a patterned structure | |
US10598477B2 (en) | Dynamic determination of metal film thickness from sheet resistance and TCR value | |
JP2005337927A (ja) | 膜厚計測方法および膜厚計測装置 | |
Pustan et al. | Modern test methods for a comprehensive thermo-mechanical deformation analysis in area-array-assemblies | |
Houghton et al. | Strain and Surface Warping Detection of Interconnect Microstructures via Laser Diffraction | |
TWI251663B (en) | Determination of center of focus by cross-section analysis | |
Park | Stress and deformation of thin films and patterned lines on substrates |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041021 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051011 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060215 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060323 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060912 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060929 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |