JP3863687B2 - ポリイミド円筒膜の形成方法 - Google Patents

ポリイミド円筒膜の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の静電複写装置において、中間トナー担持体用無端ベルトとされるポリイミド円筒膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電複写装置において中間トナー担持体用無端ベルトとされる円筒膜は、耐熱性、難燃性、引っ張り強さ、曲げ強さ、電気安定性等の性質が要求されるので、かかる要求を満たすことができるポリイミドにより構成されている。このような円筒膜は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液の遠心塗布成形法により成形されている。
【0003】
遠心塗布成形法は、回転するアルミニウム、真鍮、ステンレス等より構成される円筒形の成形型の内面にスプレー塗布等の手段により樹脂溶液を流し込み、その遠心力で塗布液を軸方向に拡げて均一な円筒形膜を形成する成形方法である。樹脂溶液の遠心塗布成形法により成形された樹脂円筒膜は、乾燥し必要により硬化した後、円筒形の成形型から脱型して無端ベルトとされる。遠心塗布成形法によれば、(1) 膜厚の調整が塗布液量で任意に調整することができること、(2) 塗布液を必要量のみ塗布すればよいので効率的であること、(3) 円筒形の成形型の内部は、閉空間となっているので、溶剤除去の際には、排気経路に溶剤トラップを設けることにより、溶剤を効率よく外部に回収することができること、等の利点がある。
【0004】
ポリイミドは、接着性が良いために接着剤としても使用されるほどの樹脂であるため、これを直接遠心塗布成形して円筒膜を成形することはできない。そのために、従来においては、例えば、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸ともよばれている)の溶液をステンレス等の円筒成形型に遠心塗布して円筒膜を成形し、これを加熱乾燥した後、加熱硬化してイミド化することにより、ポリイミド円筒膜を成形している。ポリアミド酸の溶液は、例えば、無水ピロメリット酸及び4,4´−ジアミノジフェニルエーテルよりなる2種のモノマーをジメチルホルムアミドのような極性溶媒中で溶液重合させることにより得ている。
【0005】
ポリアミド酸を用いて遠心塗布成形法により成形して得た円筒膜は、加熱による溶剤乾燥が不十分であると柔らかくて成形型からの取り出す際に破れてしまい、また、加熱による溶剤乾燥をし過ぎたり、硬化し過ぎたりすると、成形型に密着し過ぎて成形型から取り出す際に破れが生じてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、従来においては、▲1▼円筒成形型の内面にフッ素樹脂等よりなる離型膜を設けること、▲2▼離型性材料で構成され円筒成形型を用いること、▲3▼遠心塗布成形されたポリアミド酸よりなる円筒膜を、適度に乾燥した後、細心の注意を払って円筒成形型から取り出し、次に、この円筒膜の中に別途準備した硬化用円筒型を挿入してから、該円筒膜を加熱硬化すること、等により、ポリイミド円筒膜を作成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内面にフッ素樹脂等よりなる離型膜を設けた円筒成形型を用いたり、また、離型性材料で構成され円筒成形型を用いたりする場合には、ポリアミド酸を円筒成形型の内面に塗布し乾燥してポリアミド酸円筒膜にするまでは、ポリアミド酸円筒膜が円筒成形型の内面にへばりついても問題はないが、かかる乾燥したポリアミド酸円筒膜を加熱硬化させてポリイミド円筒膜にしようとすると、該円筒膜の端部から浮き始め、甚だしい時には、円筒膜全体が浮いてしまい、さらに、浮いた部分は不均一に収縮するので、均一な径のポリイミド円筒膜が得られないという問題があった。
【0008】
そして、乾燥したポリアミド酸円筒膜を円筒成形型から取り出し、これに別途準備した硬化用円筒型に挿入してから、該ポリアミド酸円筒膜を加熱硬化することにより円筒膜を作成しようとする場合には、工程が多くなるという問題があり、さらには、硬化用円筒型と該ポリアミド酸円筒膜との間に空気が入るとその空気が抜け出せなくなって、硬化されたポリアミド酸円筒膜、即ち、ポリイミド円筒膜に空気による凸状の変形が生じてしまったり、また、かかる空気による凸状の変形を防止するためにクリアランスを大きくすると収縮が不均一になってポリイミド円筒膜にシワが発生してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、凸状変形、シワの発生等を防止した均一な径のポリイミド円筒膜の形成方法を、硬化用円筒型を別途用いることなく、提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来の問題点を考察したところ、次の事実がわかった。
1)円筒成形型に均一に塗布されたポリアミド酸円筒膜は、乾燥及び硬化の過程で加熱されているうちは収縮しないが、冷却時に収縮すること。
2)円筒成形型に均一に塗布されたポリアミド酸円筒膜は、遠心をかけている限り、溶剤を加熱乾燥しても円筒成形型から剥離しないこと。
3)乾燥したポリアミド酸円筒膜を加熱硬化させてポリイミド円筒膜に形成する際の浮きは、該円筒膜の端部から浮き始めること。
【0011】
本発明者は、かかる事実を踏まえて、従来の問題の解決を鋭意探求したところ、回転する円筒成形型の内面にポリアミド酸溶液を塗布した後充分に加熱乾燥してポリアミド酸円筒膜を形成し、続いて、該ポリアミド酸円筒膜を、その両端及び両端近傍の内側部分を円周方向にフッ素樹脂被覆金属リング、熱硬化性接着剤被覆金属箔等の非収縮性耐熱部材で覆うようにして、加熱硬化すれば、硬化用円筒型を別途用いなくても、凸状変形、シワの発生等を防止した均一な径のポリイミド円筒膜が形成できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、請求項1に記載された発明は、回転する円筒成形型の内面にポリアミド酸溶液を塗布した後加熱乾燥してポリアミド酸円筒膜を形成し、続いて、このポリアミド酸円筒膜を、その両端及び両端近傍の内側部分を非収縮性耐熱部材で円周方向に覆うようにして、加熱硬化させることを特徴とするポリイミド円筒膜の形成方法である。
【0013】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、非収縮性耐熱部材が表面にフッ素樹脂を被覆した金属リングであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、非収縮性耐熱部材が表面に熱硬化性接着剤を被覆した金属箔であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された発明において、円筒成形型がその内面に離型膜を有することを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、離型膜がフッ素樹脂皮膜よりなることを特徴とするものである。
【0017】
請求項6に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、離型膜が多孔性の陽極酸化皮膜及び該陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜よりなり、そして、該フッ素樹脂皮膜表面がバフ研磨処理されていることを特徴とするものでわる。
【0018】
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された発明において、円筒成形型が離型性材料で構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載された発明において、離型性材料がガラスであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載された発明において、円筒成形型の両端近傍内面にポリアミド酸溶液の流動を防止するための堰止めを着脱可能に設けたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項10に記載された発明は、請求項9に記載された発明において、堰止めを取り除いた後ポリアミド酸円筒膜乾燥することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態を示すポリイミド円筒膜の形成方法の断面説明図であって、(a)は、ポリアミド酸円筒膜を形成する状態を示し、(b)は、ポリアミド酸円筒膜を加熱硬化させてポリイミド円筒膜を形成する状態を示す。
【0023】
図1(a)に示すように、回転する円筒成形型1の内面にポリアミド酸溶液を塗布した後、充分に加熱乾燥してポリアミド酸円筒膜3を形成する。この際、円筒成形型1の両端近傍内面に塗布されたポリアミド酸溶液の流動を防止するための堰止め2を着脱可能に設けてもかまわない。堰止め2を設ける場合には、堰止め2を取り除いた後、充分に加熱乾燥する。このように、堰止め2を取り除いて溶剤を充分に加熱乾燥しておけば、ぼろぼろの凝集膜となることがなく、きれいに成膜することができる。
【0024】
続いて、図1(b)に示すように、充分に乾燥したポリアミド酸円筒膜3(図1(a)参照)を、その両端及び両端近傍の内側部分を非収縮性耐熱部材5で円周方向にで覆うようにして、加熱硬化させることにより、ポリイミド円筒膜4とすることができる。加熱硬化する時点では、従来通り円筒成形型1の回転を止め、これを別の炉に移して、ポリアミド酸円筒膜3を加熱硬化させることにより、ポリイミド円筒膜4としてもかまわない。このように充分に乾燥したポリアミド酸円筒膜3を、その両端及び両端近傍の内側部分を非収縮性耐熱部材5で円周方向にで覆うようにして、加熱硬化させると、加熱硬化時にポリアミド円筒膜の両端ないし両端内側部分に生じる浮きを抑えることができるので、凸状変形、シワの発生等を防止した均一な径のポリイミド円筒膜4が形成できる。
【0025】
前記非収縮性耐熱部材5は、例えば、表面にフッ素樹脂を被覆したアルミニウム、真鍮、ステンレス等の金属リング、及び、表面に熱硬化性接着剤を被覆したステンレス、真鍮、銅等の金属箔である。
【0026】
前記円筒成形型1は、その内面に離型膜(図示せず)を設けることができる。前記離型膜は、例えば、フッ素樹脂皮膜である。また、前記離型膜は、アルミニウム、又は、アルミニウム合金よりなる円筒成形型1の内表面を硬質陽極酸化処理して形成した多孔性の陽極酸化皮膜及び該多孔性の陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜よりなり、そして、該フッ素樹脂皮膜表面をバフ研磨処理したものとすることができる。このように円筒成形型1の内面に離型膜を設けると、ポリイミド円筒膜4を容易に剥離でき、そのために、離型時の剥離痕が残ることもない。また、前記「多孔性の陽極酸化皮膜及び該陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜」よりなる離型膜は、離型性とポリアミド酸円筒膜を形成するまでの密着性とが良好であるが、画像に悪影響を及ぼすことがある。しかし、該フッ素樹脂皮膜表面をバフ研磨処理することでこのような悪影響を回避することができる。
【0027】
前記円筒成形型1は、ガラス等の離型性材料で構成することができる。特に、ガラスは、優れた離型部材であるので、円筒成形型1に用いると、容易に剥離でき、そのために、離型時の剥離痕が残ることもない。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウムよりなる円筒成形型の内面にハードクロム処理し、続いて、フッ素樹脂被覆処理して円筒成形型を作成した。かかる処理は、テフロック(登録商標)処理として知られている。この円筒成形型の両端近傍内面にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)シートを張り付けて堰止めした。この堰止めした円筒成形型を回転させながらその内表面部分に、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液(トレニース#3000、東レ社製)と導電体であるカーボンブラックとを溶媒N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)で30%に希釈した溶液を、塗布し、そして、この円筒成形型を高速回転しながら塗布膜を均一にした後、これを80℃に加熱して溶剤乾燥した。この円筒成形型の回転を止めて円筒成形型を取り出し、そして、その堰止めをとり外した後、この円筒成形型を恒温槽に移し、これを100℃に加熱して、円筒成形型の内表面に塗布されたポリアミド酸円筒膜の溶剤を充分に除去した。溶剤の完全除去を行ったポリアミド酸円筒膜の両端及び両端近傍の内側部分を円周方向に、表面にフッ素樹脂を被覆したアルミニウムリングをはめ込み、そして、円筒成形型の内表面に塗布されたポリアミド酸円筒膜をさらに300℃に加熱硬化してポリイミド円筒膜を形成した。円筒成形型の内表面に形成されたポリイミド円筒膜を冷却し、該フッ素樹脂を被覆したアルミニウムリングを取り除いたが、浮きはなく、良好にポリイミド円筒膜が形成されていた。そして、このポリイミド円筒膜を円筒成形型より手で剥離したが、剥離はスムースに行うことができ、剥離跡も残らなかった。
【0029】
(実施例2)
ガラスよりなる円筒成形型の内面に実施例1と同じ成分の塗布液を実施例と同様に塗布し、この円筒成形型の内表面に塗布されたポリアミド酸円筒膜を90℃で溶剤を乾燥した後、実施例1と同様に加熱硬化させてポリイミド円筒膜を形成した。このように形成されたポリイミド円筒膜は、フッ素樹脂を被覆したアルミニウムリングを取り除いたが、浮きはなく、良好に型に張り付いていた。そして、このポリイミド円筒膜を円筒成形型より手で剥離したが、剥離はスムースに行うことができ、剥離跡も残らなかった。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同じ円筒成形型の内面に実施例1と同じ成分の塗布液を実施例と同様に塗布し、実施例1と同様に乾燥した後、円筒成形型の内表面に塗布されたポリアミド酸円筒膜の両端及び両端近傍の内側部分を表面に熱硬化性接着剤を被覆したステンレス鋼(SUS)箔により円周方向に覆うようにして張り付けた。この円筒成形型を恒温槽に移し、その内表面に塗布されたポリアミド酸円筒膜をさらに300℃に加熱硬化して、ポリイミド円筒膜を形成した。このように形成されたポリイミド円筒膜は、熱硬化性接着剤を被覆したSUS箔を取り除いたが、浮きはなく、良好に型に張り付いていた。そして、このポリイミド円筒膜の端部をナイフエッジで少し浮かし、円筒成形型より手で剥離したが、剥離はスムースに行うことができ、剥離跡も残らなかった。このようにして作成したポリイミド円筒膜の端部を切り落として、所定寸法の無端ベルトとし、これをリコー社製のフルカラー複写機プリテールに搭載して画像を評価したが、画像は良好であった。
【0031】
(比較例1)
ポリアミド酸円筒膜の両端及び両端近傍の内側部分に、表面にフッ素樹脂を被覆したアルミニウムリングをはめ込まないで、実施例1と同様のテフロック処理円筒成形型を用いて、実施例1と同様の処理をした。すると、該円筒成形型の表面に形成されたポリアミド円筒膜は、硬化時において、200℃を越えた頃から、その端部が浮き始め、硬化終了時には、ポリイミド円筒膜の半分が収縮してしまった。
【0032】
(比較例2)
ポリアミド酸円筒膜の両端及び両端近傍の内側部分に、表面にフッ素樹脂を被覆したアルミニウムリングをはめ込まないで、実施例2と同様のガラスよりなる円筒成形型を用いて、実施例2と同様の処理をした。すると、該円筒成形型の表面に形成されたポリイミド円筒膜は、硬化時において、180℃を越えた頃から、その端部が浮き始め、硬化終了時には、ポリイミド円筒膜の半分以上が収縮してしまった。
【0033】
(比較例3)
実施例1と同様のテフロック処理円筒成形型を用いて、堰止めを付けたまま乾燥と硬化処理を行った。該円筒成形型に形成されたポリアミド円筒膜は、乾燥するまでは、良好に存在していたが、硬化時においては、200℃を越えた頃から、堰止め部材のPTFEシートが収縮し始めて、ポリイミド円筒膜の端部が引きずられるように浮いてきた。硬化処理後は、ポリイミド円筒膜は、堰止め部材が円筒成形型の内部で宙に浮くような状態になって、両端から10cm位収縮した。
【0034】
以上、本発明の利点あげると次のとおりとなる。
請求項1〜3に記載された発明によれば、回転する円筒成形型の内面にポリアミド酸溶液を塗布した後加熱乾燥してポリアミド酸円筒膜を形成し、続いて、このポリアミド酸円筒膜を、その両端及び両端近傍の内側部分を、「表面にフッ素樹脂を被覆した金属リング」、「表面に熱硬化性接着剤を被覆した金属箔」等の非収縮性耐熱部材で円周方向に覆うようにして、加熱硬化させるので、加熱硬化時にポリイミド円筒膜の両端ないし両端内側部分に生じる浮きを抑えることができ、そのために、凸状変形、シワの発生等を防止した均一な径のポリイミド円筒膜が形成できる。
【0035】
請求項4,5に記載された発明によれば、円筒成形型がその内面に「フッ素樹脂皮膜」等の離型膜を有し、請求項6に記載された発明のよれば、「多孔性の陽極酸化皮膜及び該陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜よりなり、そして、該フッ素樹脂皮膜表面がバフ研磨処理されている」剥離膜をしているので、ポリイミド円筒膜を容易に剥離でき、そのために、離型時の剥離痕が残ることもない。また、請求項6に記載された発明のよれば、「多孔性の陽極酸化皮膜及び該陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜」よりなる離型膜は、離型性とポリアミド酸円筒膜を形成するまでの密着性とが良好であるが、画像に悪影響を及ぼすことがある。しかし、該フッ素樹脂皮膜表面をバフ研磨処理することでこのような悪影響を回避することができる。
【0036】
請求項7,8に記載された発明によれば、円筒成形型がガラス等の離型性材料で構成されているので、ポリイミド円筒膜を容易に剥離でき、そのために、離型時の剥離痕が残ることもない。
【0037】
請求項9,10に記載された発明によれば、円筒成形型の両端近傍内面にポリアミド酸溶液の流動を防止するための堰止めを着脱可能に設けたので、円筒成形型の両端近傍内面に塗布されたポリアミド酸溶液の流動を防止することができる。また、請求項10に記載された発明によれば、堰止めを取り除いた後ポリアミド酸円筒膜を乾燥するので、ポリイミド円筒膜は、ぼろぼろの凝集膜となることがなく、きれいに成膜することができる。
【0038】
【発明の効果】
加熱硬化時にポリイミド円筒膜の両端ないし両端内側部分に生じる浮きを抑えることができ、そのために、凸状変形、シワの発生等を防止した均一な径のポリイミド円筒膜の形成方法を、硬化用円筒型を別途用いることなく、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すポリイミド円筒膜の形成方法の断面説明図であって、(a)は、ポリアミド酸円筒膜を形成する状態を示し、(b)は、ポリアミド酸円筒膜を加熱硬化させてポリイミド円筒膜を形成する状態を示す。
【符号の説明】
1 円筒成形型
2 堰止め
3 ポリアミド酸円筒膜
4 ポリイミド円筒膜
5 非収縮性耐熱部材

Claims (10)

  1. 回転する円筒成形型の内面にポリアミド酸溶液を塗布した後加熱乾燥してポリアミド酸円筒膜を形成し、続いて、このポリアミド酸円筒膜を、その両端及び両端近傍の内側部分を非収縮性耐熱部材で円周方向に覆うようにして、加熱硬化させることを特徴とするポリイミド円筒膜の形成方法。
  2. 非収縮性耐熱部材が表面にフッ素樹脂を被覆した金属リングであることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  3. 非収縮性耐熱部材が表面に熱硬化性接着剤を被覆した金属箔であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  4. 円筒成形型がその内面に離型膜を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  5. 離型膜がフッ素樹脂皮膜よりなることを特徴とする請求項4記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  6. 離型膜が多孔性の陽極酸化皮膜及び該陽極酸化皮膜上に形成されたフッ素樹脂皮膜よりなり、そして、該フッ素樹脂皮膜表面がバフ研磨処理されていることを特徴とする請求項4記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  7. 円筒成形型が離型性材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  8. 離型性材料がガラスであることを特徴とする請求項7記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  9. 円筒成形型の両端近傍内面にポリアミド酸溶液の流動を防止するための堰止めを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
  10. 堰止めを取り除いた後ポリアミド酸円筒膜乾燥することを特徴とする請求項9に記載のポリイミド円筒膜の形成方法。
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