JP3863125B2 - 組合せ計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の物品を計量し、所定重量又は所定個数の集合体を得る組合せ計量装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、組合せ計量装置は、複数の容器にそれぞれ物品を収納し、その状態で物品の重量を計量して組合せ演算を行うと共に、最適組合せに選択された物品を容器から排出して集合させることにより、該物品を目標重量に計量するものである。しかし、このような組合せ計量装置は、自由落下で物品の移送を行うものが一般的であり、物品と装置又は物品同士の衝突のために物品が損傷することがあった。また、組合せ計量装置は、複数のホッパやフィーダ等の複雑な構成の部材を備えているので清掃作業も困難であり、特に粘着性の物品を扱う場合に、物品の装置への付着による清掃作業が一層面倒なものであった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、容器ごと物品を搬送するものが特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の組合せ計量装置は、複数のコンベアを水平面上に平行に配置した構造である。このようなコンベアとして、物品が収納された容器を装置に供給するコンベア、コンベアをストックするコンベア、容器集合用のコンベア、容器排出用のコンベア等を備えている。供給された容器は、計量された後順次ストックコンベア上にストックされる。次に、ストックされた容器に収納された物品に対する組合せ演算を行い、組合せに選択された物品を収納した容器は、押板でそれぞれ集合コンベアに押し出される。集合コンベアでは、選択された容器を一箇所に集合させ、続いて排出コンベアを介して排出口に向けて容器を倒すことで物品を集合・排出させる。
【0005】
また、特許文献2に記載の組合せ計量装置は、複数の搬送トレイを有し、該搬送トレイを垂直に搬送させる循環搬送路を備えたものである。計量した物品は搬送トレイに供給され、循環搬送路に沿って搬送される。次に、計量値に基づいて循環搬送路内の複数の搬送トレイに収納された物品ついての組合せ演算を行い、組合せ選択された物品は循環搬送路下方に複数個並べられたプールホッパを介して直下方に配設された搬出コンベアに排出される。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−29242(図1)
【特許文献2】
特開2002−156276(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1の計量装置は、選択された容器を集合コンベアで1箇所に集合させるので、集合場所から遠くに位置する容器が選択された場合には、集合に時間が掛かりすぎるという問題がある。一方、特許文献2に記載の計量装置も同様に、選択されて搬送トレイから排出された物品をコンベアで1箇所に集合させるので、高速計量に向かない。
【0008】
さらに、特許文献1に記載の計量装置は、ストックコンベアにおいて計量された順に容器を貯留するので、組合せに参加させる容器の数の増加に伴って設置スペースも増大する。一方、設置スペースが小さく、組合せに参加する容器の数が少ない場合、物品の計量精度が低下する。
【0009】
そこで、本発明では、計量精度を低下することなく、高速計量を可能にする組合せ計量装置の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。まず、本願の請求項1に記載の発明は、複数の容器にそれぞれ物品を収納し、その状態で物品の重量を計量して組合せ演算を行うと共に、最適組合せに選択された物品を容器から排出して集合させることにより、該物品を目標重量に計量する組合せ計量装置であって、容器に収納された物品の重量を計量する計量手段と、計量済みの物品を収納した容器を複数個ストックするストック手段とを有する計量ユニットが複数台備えられていると共に、各計量ユニットのストック手段にストックされている全ての物品の重量を組合せ演算に参加させ、各ユニットから最大1個の容器を選択して最適組合せを求める演算手段と、最適組合せに選択されて各ユニットのストック手段から取り出された容器を1箇所の集合部へ搬出する搬出手段とが設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、各ユニットから最大1個の容器を選択して最適組合せを求める演算手段を備えたことにより、各ユニットから選択された最大1個の容器が同時に集合部に搬出されると共に物品が排出されるので、1回の組合せ演算に際して排出までに要する時間が容器の個数に関係なくなり、特許文献1のように順次容器をストックする場合の容器1個分の時間で済み、高速計量が可能となる。さらに、各ユニット内に組合せに参加させる容器を複数個ストックすることができるので、計量精度の確保と高速計量の両立を図ることができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の組合せ計量装置において、前記ストック手段は容器を縦方向にストックする構造であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、ストック手段は容器を縦方向にストックする構造とすることにより、装置をコンパクトに構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置Aは、第1〜第4計量ユニット1,2,3,4を備え、食品や工業製品などの物品を上部に開口を有する複数の容器に供給し、その状態で物品の重量を計量して組合せ演算を行うと共に、最適組合せに選択された物品を容器から排出して集合させることにより、該物品を目標重量に計量する。
【0015】
各計量ユニット1,2,3,4には、それぞれの下部に第1〜第4排出シュート1a,2a,3a,4aが設けられており、該第1〜第4排出シュート1a,2a,3a,4a下方に集合シュート10が配置されている。
【0016】
図2及び図3に第1計量ユニット1の該略図を示す。図2は第1計量ユニット1の正面図であり、図3は第1計量ユニット1の平面図である。なお、第2〜第4計量ユニット2,3,4については、第1計量ユニット1と同様の構成であるため説明を省略する。
【0017】
第1計量ユニット1は、主として、リフト20、計量部21、ストック部22、排出部23、移送装置24、各部を支えるフレーム25、及び第1排出シュート1aにより構成されている。
【0018】
リフト20は、第1計量ユニット1の下部から上部にかけて設けられ、後述する移送装置24から前回の計量で排出済みの空の容器Cが第1計量ユニット1の計量部21へと送られる。この移送装置24から排出されて計量部21に移送する間に、供給フィーダ(図示せず)により自動的に、あるいは、作業者の手により物品が容器Cに投入される。
【0019】
計量部21は、容器Cを矢印X1方向に搬送しながら容器C内の物品の重量を計量する部分であり、リフト20に隣接して設けられている。
【0020】
ストック部22は、計量済みの物品を収納した容器Cをストックする部分である。ストック部22は、図2に示すように、縦方向に設けられた5つの層30a,30b,30c,30d,30eで構成される。なお、図3においては、ストック部22の最上層30aのみを示しているが、他の層30b,30c,30d,30eも同様の構成である。以下、図3に基づいて、ストック部22の最上層30aについて説明する。
【0021】
ストック部22の最上層30aは、水平面内で環状の通路を形成しており、ストックされる容器Cは環状の通路を巡回することができる。また、ストック部22と計量部21との間には、搬送部31が設けられている。該搬送部31は、第1計量ユニット1の上下に亘って設けられて矢印X2方向に回転する支柱32と該支柱32に備えられて上下に移動可能な搬送部材33とを有する。計量部21を通過した容器Cは、前記搬送部材33によって縁部を支持されて、支柱32を中心に矢印X2方向に回転しながらストック部22の各層30a,30b,30c,30d,30eに搬送することができる。
【0022】
ストック部22にストックされる容器Cは、図示しない駆動源により各層30a,30b,30c,30d,30e内を回転しながらストックされる(図3の矢印Y1参照)。そして、各層30a,30b,30c,30d,30eの近傍に備えられた選択レバー34a,34b,34c,34d,34e(選択レバー34aのみ図3に図示)を動作させることにより回転していた容器Cが遠心力で接線方向(図3の矢印Y2方向)に飛び出して排出部23へ排出される。
【0023】
排出部23は、第1計量ユニット1の上部から下部に亘って垂直方向に設けられた通路であり、ストック部22から排出された容器Cを移送装置24へ送る。
【0024】
移送装置24は、第1計量ユニット1の下部に設けられ、排出部23から排出された容器Cに収納された状態で供給される物品を排出シュート1aへ移送する装置である。
【0025】
排出シュート1aは、上面と底面とが開口している箱状の部材であり、移送装置24から移送された物品を第1計量ユニット1の下方に設けられた集合シュート10へ排出する。なお、各排出シュート1a,2a,3a,4aは、組合せ計量装置Aの比較的下部の中心側にそれぞれ隣接するように位置している。
【0026】
移送装置24は、図2に示すように、旋回機構40、回転部41a,41b,41c及び筐体42により構成される。
【0027】
旋回機構40は、物品を収納した容器Cを旋回軸43周りに垂直面内で旋回させる機構であり、主として、旋回軸43に組み付けられた旋回部材44と旋回軸43を駆動する筐体42内部に配置された図示しない旋回モータ(図5参照)M1とにより構成される。
【0028】
図2に示すように、回転部41a,41b,41cは、物品を収納した容器Cを回転させる機構であり、それぞれ旋回部材44を構成する3つのアーム部材44a,44b,44cの先端付近に構成されている。各回転部41a,41b,41cは筐体42の内部に収容された回転モータM2,M3,M4(図5参照)によって、それぞれ個別に制御される。
【0029】
図4に示すように、移送装置24には、供給される物品を収納した容器Cを受け取って支持する部材ホルダー45a,45b,45cが備えられている。それぞれアーム部材44a,44b,44cの先端付近に設けられている。このホルダー45a,45b,45cは、前記回転部41a,41b,41cによって駆動され、アーム部材44a,44b,44cに対して回転自在とされる。
【0030】
排出部23から排出された容器Cは、移送装置24のホルダー45a,45b,45cのいずれかに保持される(図例では、ホルダー45aに保持される)。次に、図4に示すように、容器Cが所定角度旋回すると、旋回により物品Bに生じる遠心力ベクトル(実線矢印Z)の向きと容器Cの開口とが一致するように容器Cを図示しない回転軸を中心に回転させる。すると、それまで物品Bを支えていた容器Cの側面あるいは底面が、容器Cの開口と入れ替わる。支えるものがなくなった物品Bは、遠心力により容器Cから排出される。
【0031】
物品Bが排出されて空になった容器Cはさらに旋回して容器Cが移送装置24下方を通過する際にホルダー45a,45b,45cから離れ、移送装置24から排出される。移送装置24から排出された空の容器Cは、物品が供給され、リフト20により再び計量部21へと移送される。
【0032】
一方、移送装置24から排出された物品Bは、排出シュート1aに供給され、集合シュート10へと排出される。集合シュート10では、組合せ演算結果に基づいて他の計量ユニット2,3,4から排出された物品も同時に排出されるので、これらの物品が合計されて所定重量の物品が排出されることになる。
【0033】
図5に示すように、制御部50は、この組合せ計量装置Aを総括的に制御するもので、CPU、ROM、RAM、HDD等から構成され、各計量ユニット1,2,3,4のリフト20、計量部21、ストック部22、移送装置24、搬送部31、及び選択レバー34a,34b,34c,34d,34eが接続されている。制御部50は、容器C内の物品の計量値を組合わせた合計が所定範囲内の値となる容器Cの組合せを選択する組合せ演算を行う。そして、特徴的なこととして、制御部50は、各計量ユニット1,2,3,4から最大1つの容器Cを選択し、選択した容器Cをストック部22から排出部23に排出させる。このとき、選択された層30a,30b,30c,30d,30eに備えられた選択レバー34a,34b,34c,34d,34eが駆動される。次に、制御部50は、移送装置24を制御して容器Cから物品を排出シュート1aに排出させる。
【0034】
次に、本実施の形態に係る組合せ計量装置Aが図6に示すような組合せ計量を行う場合に、制御部50が行う制御について説明する。一例として、第1計量ユニット1の場合、まず、容器Cがリフト20により第1計量ユニット1の上部にまで運ばれる間に容器Cに物品が投入されると、計量部21は容器Cに収納された物品の重量を計量し、計量データを制御部50へ出力する。計量後、容器Cは搬送部材33に支持されてストック部22に搬送され、容器Cを各層30a,30b,30c,30d,30eに一旦ストックする。このとき、第2〜第4計量ユニット2,3,4でも同様の動作が行われる。
【0035】
制御部50は、入力された計量データに基づいて各計量ユニット1,2,3,4のそれぞれ5つの層30a,30b,30c,30d,30eにストックされた全ての容器Cを参加させて、組合せ演算を行う。すなわち、制御部50は、各計量ユニット1,2,3,4にストックされた容器Cの中から組合せ重量が目標重量と一致する、あるいは許容範囲内で目標重量に近くなる最適な組合せとなる容器Cを選択する。このとき、各計量ユニット1,2,3,4からそれぞれ最大1つの容器Cが選択される(つまり、各計量ユニット1,2,3,4から1個または0個の容器Cが選択される)。ここでは、図6に示すように、第1計量ユニット1からは第5層30eの容器C、第2計量ユニット2からは第2層30bの容器C、第3計量ユニット3からはなし、第4計量ユニット4からは第3層30cの容器Cがそれぞれ選択され、1回の計量に際して全体として3つの容器Cが選択された場合である。
【0036】
そして、第1計量ユニット1の選択レバー34e、第2計量ユニット2の選択レバー34b、第4計量ユニットの選択レバー34cを図3に示す2点鎖線で示すように駆動することで、第1計量ユニット1の第5層30e、第2計量ユニット2の第2層30b、第4計量ユニット4の第3層30cにストックされた容器Cはそれぞれストック部22から排出部23に排出される。このとき、第3計量ユニット3からは選択なし(0個)のため、該ユニット3に備えられた選択レバー34a,34b,34c,34d,34eは全て図3に実線で示す位置に維持される。なお、ここでは3つの容器Cを選択する場合について述べたが、もちろん選択する容器Cの数(この場合は1〜4個)は任意に設定することができる。また、一回の計量ごとに、選択する容器Cの数(この場合は1〜4個)を任意に変更することもできる。
【0037】
そして、選択された容器Cは移送装置24に送られるが、このとき、旋回機構40を旋回モータM1で回転することによって、容器Cはいずれかのホルダー45a,45b,45cに保持される。そして、旋回部材44が所定角度旋回するまでは回転モータM2,M3,M4で旋回部材44の回転による遠心力で物品が容器Cから排出されないようにモータM2,M3,M4の駆動を制御し、所定角度を超えると回転モータM2,M3,M4の駆動を制御することで、遠心力によって容器C内の物品を排出シュート1a,2a,3aに排出する。
【0038】
このように、本実施の形態に係る組合せ計量装置Aは、複数台(この場合4台)の計量ユニット1,2,3,4を備えたことにより、ランダムに容器Cの搬出・集合を行うことができる構成となる。これによって、複数個の容器Cを同時に搬出・排出することができるので、従来の順次集合・排出を行う装置では必要であった容器Cを1箇所に集合するための待ち時間を省略することができ、高速計量が可能になる。また、1回の組合せ演算で各計量ユニット1,2,3,4から選択される容器Cの数を最大1つに制限することによって、1回の組合せ演算に際して排出までに要する時間が容器Cの個数に関係なくなり、従来の装置のように順次容器Cをストックする場合の容器C1個分の時間で済み、一層高速計量が可能となる。さらに、各計量ユニット1,2,3,4内に組合せに参加させる容器Cを複数個(この場合5個)ストックすることができるので、組合せ演算に参加する容器Cの数を十分に確保することができるので、計量精度の確保と高速計量の両立を図ることができる。
【0039】
さらに、各計量ユニット1,2,3,4でそれぞれ5つの層30a,30b,30c,30d,30eを縦方向に配置することで、装置Aをコンパクトに構成することができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る組合せ計量装置Aは、備えるユニット数を4つとしたが、5つ以上のユニットでを備えたものでもよく、このようにユニット数を多くすれば組合せ演算に参加する容器Cの数が多くなり、計量精度を向上することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上、本発明によると、各計量ユニットから最大1個の容器を選択して最適組合せを求める演算手段を備えたことにより、各ユニットから選択された最大1個の容器が同時に集合部に搬出されると共に物品が排出されるので、1回の組合せ演算に際して排出までに要する時間が容器の個数に関係なくなり、従来の装置のように順次容器をストックする場合の容器1個分の時間で済み、高速計量が可能となる。さらに、各ユニット内に組合せに参加させる容器を複数個ストックすることができるので、計量精度の確保と高速計量の両立を図ることができる。
【0042】
また、ストック手段は容器を縦方向にストックする構造とすることにより、装置をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の概略斜視図である。
【図2】 第1計量ユニットの正面図である。
【図3】 第1計量ユニットの最上層の平面図である。
【図4】 容器から物品を排出するときを示す移送装置の正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置のブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る組合せ選択の例を表す図である。
【符号の説明】
1 第1計量ユニット
2 第2計量ユニット
3 第3計量ユニット
4 第4計量ユニット
10 集合シュート(集合部)
21 計量部(計量手段)
22 ストック部(ストック手段)
24 移送装置(搬出手段)
50 制御部(演算手段)
A 組合せ計量装置
B 物品
C 容器
Claims (2)
- 複数の容器にそれぞれ物品を収納し、その状態で物品の重量を計量して組合せ演算を行うと共に、最適組合せに選択された物品を容器から排出して集合させることにより、該物品を目標重量に計量する組合せ計量装置であって、容器に収納された物品の重量を計量する計量手段と、計量済みの物品を収納した容器を複数個ストックするストック手段とを有する計量ユニットが複数台備えられていると共に、各計量ユニットのストック手段にストックされている全ての物品の重量を組合せ演算に参加させ、各ユニットから最大1個の容器を選択して最適組合せを求める演算手段と、最適組合せに選択されて各ユニットのストック手段から取り出された容器を1箇所の集合部へ搬出する搬出手段とが設けられていることを特徴とする組合せ計量装置。
- 前記ストック手段は容器を縦方向にストックする構造であることを特徴とする請求項1に記載の組合せ計量装置。
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