JP3862567B2 - 包装生理用ナプキン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装生理用ナプキンに係り、詳しくは、バックシートとトップシートとの間に吸収体を挟んだ構造の生理用ナプキンを包装シートで包んだ包装生理用ナプキンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、生理用ナプキンについては、使用前の状態においてはそれが生理用ナプキンであるとは分からない程度にカムフラージュされた外観が要求され、使用後の状態でも吸収した経血等ができるだけ目立たない工夫が望まれている。
【0003】
この前者の要求を満たす工夫として個包装を利用した従来の包装生理用ナプキンの一例aを図7に示す。
【0004】
同図では包装生理用ナプキンaを、ナプキン本体bと、剥離フィルムcと、包装シートdに分離してこれらを下側から見る向きで示してある。
【0005】
ナプキン本体bは、不透液性のバックシートeの上に吸収体と透液性のトップシート等を重ねた構造になっており、このバックシートeには白色のポリエチレンシートを用いている。包装シートdは、白色の不透明又は半透明のポリエチレンシートの一方の面にほぼ余すところ無く絵柄fをカラー印刷したもので、その一端部にシールテープgを貼り付けてある。剥離フィルムcはその上面に粘着剤hが塗布されると共に、裏面の前後両端近くに接着材h′が塗布されていて、この接着材h′によって剥離フィルムcが包装シートdの上面に接着される。
【0006】
剥離フィルムcが接着された状態の包装シートdの上面にナプキン本体bを重ねた後、その全体を同図に矢印で示すように3つに折り畳むことで、ナプキン本体bを包装シートdで包み、最後に包装シートdの両側縁部iをシールする。これによって、ナプキン本体bが包装シートdで包装された包装生理用ナプキンaが出来上がる。
【0007】
剥離フィルムcに設けられている粘着剤hはナプキン本体bが剥離フィルムcに重ねられたときバックシートeに転写される。包装シートdの口はシールテープgで押える。
【0008】
このような形の包装生理用ナプキンaによれば、外装全体がほぼ不透明で、しかも、そのほぼ全面に絵柄fがあるおしゃれな外観を呈し、その形やサイズが所謂ポケットティッシュに似た形態になるため、これを見る者に生理用ナプキンであることを意識させない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の包装生理用ナプキンaでは、ナプキン本体bのバックシートeが単なる白色であるために、吸収体に吸収された経血などがバックシートeを通して生々しく見えてしまう。この状態はナプキン本体bを畳んでも隠すことはできない。このため、ナプキンを交換する度に不快な思いをするし、汚物入れに捨てる場合でさえ、人に見られたくないという心理から、ティッシュペーパーなどに幾重にも包んで捨てるという手間の掛かる処理をすることが多い。
【0010】
しかも、バックシートeが単に白色であったり、無地一色であるために、包装を解いてナプキン本体bを装用する際、人によっては非常に無機質な感じを受けて、生理の憂鬱さを高めてしまうという問題もある。
【0011】
そこで、包装シートdだけで無く、バックシートeにもおしゃれな絵柄を印刷することが考えられ無くもないが、そうすると、印刷のコストがアップしてしまう。
【0012】
また、この包装生理用ナプキンaでは、包装シートdに絵柄fが印刷されているために、絵柄fがはっきり見え過ぎて目立ち易いという問題があり、多くの者が利用するようになってその絵柄fが知れ渡れば、結局、その絵柄fが生理用ナプキンであることの表示になってしまうので、生理用ナプキンであることをカムフラージュする効果が希釈されてしまう。
【0013】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、絵柄の印刷を一つの部材に施すだけで、吸収体が吸収した経血のシミを絵柄でカムフラージュすることができると共に、包装を解いた状態では勿論、包装を解く前の状態においてもその絵柄を外に見せることができて外観もカムフラージュすることができる新規な包装生理用ナプキンを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載した包装生理用ナプキンは、透液性のトップシートと不透液性のバックシートとの間に吸収体を設けたナプキン本体と、前記ナプキン本体をバックシートが外側となる状態に畳んで包装した包装シートとを具備する包装生理用ナプキンにおいて、
前記バックシートは、左右両側縁における中間部から装用時にショーツの外面へ折り重ねてズレを防止するためのウイングを有し、前記トップシートは、不織布又は多数の孔を形成したプラスチック製のメッシュシートからなるとともに、前記バックシートのウイングに対応した張出し部が一体に形成された左右2枚のサイドトップシートを含み、
前記バックシートの吸収体面側全体に絵柄を印刷し、該絵柄を外面側から透かして見えるようにするとともに、前記包装シートを透して前記バックシートに設けた絵柄を視認できるように前記包装シートの透明度を設定したことを特徴とするものである。
【0015】
この包装生理用ナプキンにあっては、ナプキン本体のバックシートの吸収体面側に絵柄が印刷されているので、吸収体が吸収した経血のシミがバックシートの外面から見えたとしても、そのシミは絵柄に紛れることで一見しただけでは分からない。
【0016】
前記バックシートに印刷されている絵柄は、包装を解いた状態においては勿論視認できるし、包装を解く前の状態でも包装シートの外から視認できるので、それが生理用ナプキンであることを意識させない外観を持たせることができる。また、絵柄をバックシートに印刷するだけで、経血のカムフラージュと、包装を解く前の状態におけるナプキン本体のカムフラージュの両方を果たすことができ、コストの上昇を防ぐことができるし、装用時に無機質な感じを与えることも無く、使用後にティッシュペーパー等で過剰に包むような処理もしなくて済む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る包装生理用ナプキンの各実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
〔1.第一の実施の形態〕(図1〜図4)
図1から図4は、第一の実施の形態に係る包装生理用ナプキン1を示すものである。
【0019】
〔A.各部の形状等〕
この包装生理用ナプキン1は、ナプキン本体3と、これを3つ折りに畳んだ状態で包装した包装シート21と、これらの間に介挿された縦横2枚の剥離フィルム11、15とで構成されている。
【0020】
ナプキン本体3は、不透液性のバックシート5と、このバックシート5の一方の面に保持された吸収体7と、この吸収体7を挟んでバックシート5に重ねられた透液性のトップシート9とから成る多層構造になっている。
【0021】
バックシート5は、前後方向に長い概ね瓢箪形を為す主部5aと、前記主部5aの左右両側縁における中間部から互いに反対側へ張り出した台形状のウイング5bとが一体に形成されている。ウイング5bは、装用時にショーツの外面へ折り重ねてズレを防止するための部位である。
【0022】
このバックシート5の材料としては、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等が用いられ、望ましくは、不透液性を有し且つ通気性が良いもの、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練したものを延伸処理した微多孔性シートを用いる。
【0023】
吸収体7は、綿状パルプや合成パルプ等を比較的軽い坪量で積層した積繊パルプ製のもので、全面ほぼ均一な厚さのシート状を為すように形成されている。
【0024】
吸収体7の平面形状は、バックシート5の主部5aよりほぼ一回り小さくて前後方向に長いほぼ長方形状を為し、吸収体7の前後両端縁7aは、バックシート3の前後両端縁とほぼ相似形の円弧を為している。吸収体7の左右幅は、成人女性の股間隔に合わせて概ね50〜80ミリ程度にしてある。
【0025】
このような吸収体7はバックシート5の主部5aの上面に接着される。この接着は、ホットメルトなどの接着剤によって行われ、吸収体7の前後両脇と左右両脇のそれぞれにおいて同じ大きさでバックシート5がはみ出すように位置合わせされる。
【0026】
トップシート9は、これが取り付けられた状態においてはバックシート5と同じ大きさを為しているが、吸収体7と略同じ大きさのメイントップシート9aと左右2枚のサイドトップシート9bとに分けて形成されている。メイントップシート9aとサイドトップシート9bはいずれも、不織布や多数の孔を形成したプラスチック製のメッシュシートなどで形成されている。サイドトップシート9bにはバックシート5のウイング5bに対応した張出し部が一体に形成されている。
【0027】
メイントップシート9aは吸収体7に重ねて接着され、サイドトップシート9bはその直線状の側端部がメイントップシート9aの側端部に重なった状態でバックシート5に接着される。
【0028】
これらの接着もホットメルトなどの接着剤やヒートシールなどによって行われる。
【0029】
尚、吸収体7の形状を保持したり、吸収体7が吸収した経血の拡散を防止したりするために、例えばクレープ紙などの吸収シートで吸収体7を包んだり、或いは、吸収体7の上にそのような吸収シートを重ねても良い。
【0030】
剥離材としての剥離フィルム11及び15は、白色半透明のプラスチック製フィルムを基材としてその一方の面に剥離剤をコーティングしたものである。前後方向に長い一方の剥離フィルム11は、吸収体7よりほぼ一回り程度小さい矩形のシート状を為しており、左右方向に長い他方の剥離フィルム15は、左右のウイング5bを両端とする大きさの矩形のシート状を為している。
【0031】
剥離フィルム11及び15の基材としては、例えばポリエチレンフィルムを使用し、剥離剤としては例えばシリコンが用いられ、透明度はヘイズ値約59程度になっている。剥離フィルム11及び15は無色透明(ヘイズ値0)が好ましいが、白色半透明である場合はヘイズ値を95以下のものが好ましく、より好ましく60以下である。
【0032】
これら剥離フィルム11、15は、剥離剤がコーティングされた面を上面として用いる。
【0033】
一方の剥離フィルム11には、その上面に長手方向へ互いに平行に延びる状態に粘着材13が付与されると共に、下面の両端部には接着材14が付与されている。この接着材14には接着剤又は両面接着テープ等を用いる。また、他方の剥離フィルム15には、その上面の両端部に粘着材17が付与されている。粘着材13、17はいずれもバックシート5に転写するもので、例えばホットメルトを印刷塗布することで設ける。
【0034】
尚、この粘着材13、17の強度は、綿布に貼り付けた状態で2kgのローラーで一往復させた後180゜の角度まで剥離させたとき1kg以上の粘着強度をもつものが良い。特に、25g/m2から50g/m2の粘着強度の範囲が望ましい。
【0035】
包装シート21は、ヘイズ値60程度の透明度を持つSMS不織布によって略長方形状に形成されたものである。包装シート21の前後長はバックシート5の前後長とほぼ同じで、左右幅はバックシート5の主部5aの一番幅広の部分における左右幅より多少大きい。この包装シート21の長手方向における一端部には、シールテープ25が一部はみ出した状態に貼り付けられている。
【0036】
包装シート21としては、SMS不織布のほかに、スパンボンド、スパンレース、エアースルーなどが適する。
【0037】
〔B.ナプキン本体の包装〕
一方の剥離フィルム11は、バックシート5の裏面に粘着される。この粘着は、剥離フィルム11の中央部とバックシート5の主部5aの中央部とが一致するように位置合わせした状態で、粘着剤13により行われる。
【0038】
この粘着が行われた後、他方の剥離フィルム15がバックシート5の裏面に粘着される。この粘着は、剥離フィルム15の両端部が左右のウイング5bに各別に重なるように位置合わせして、粘着剤17により行われる。従って、この剥離フィルム15は、その中間部が一方の剥離フィルム11に下から重なる状態に設けられる。
【0039】
尚、粘着剤13、17は剥離フィルム11、15の剥離剤コーティング面に付与されているので、剥離フィルム11、15がバックシート5に重なることで、粘着材3、17がバックシート5の下面に転写される。粘着材3、17によってバックシート5をショーツに貼り付けることで生理用ナプキンがずれるのを防止する。
【0040】
このようにして剥離フィルム11、15が粘着された状態のナプキン本体3は、そのウイング部27(図2参照)、即ち、バックシート5のウイング5bとサイドトップシート9bの張出し部及び剥離フィルム15の両端部から成るウイング部27を、バックシート5の下面に重なるように折り畳み、この状態で包装シート21の上面に重ねて接着する。この接着は、図4に示すように一方の剥離フィルム11の下面に設けられている接着材14によって行われる。
【0041】
この状態から、包装シート21をナプキン本体3と一緒に3つに折り畳む。この折り畳みは、バックシート5がナプキン本体3の外側となる状態に、図2に示す矢印(1)、矢印(2)の順で行う。即ち、先ず、シールテープ25と反対側ほぼ4分の1を折り畳み、次いで、シールテープ25側ほぼ3分の1を折り畳む。これにより、図1に示すように、包装シート21のシールテープ25側の端部がこれと反対側の端部に上から重なって、ナプキン本体3が包装シート21で完全に覆われた状態になる。この包装シート21の端部どうしの重なり部はシールテープ25で閉じる。
【0042】
そして、包装シート21の左右両側縁部21aを重なった部分どうしをヒートシールすることで、ナプキン本体3を完全包装する。
【0043】
ナプキン本体と包装シートをこのような形態に折り畳んで包装を完成することについては、後述する第二、第三の各実施の形態においても同様である。
【0044】
〔C.絵柄、視認効果〕
バックシート5の下面には、その全体にバランス良く配置された状態に、絵柄31が多数印刷されている。この実施の形態では、絵柄31として、比較的大柄の葉や蔓性草花をデザインした形を選んでいて、例えば、緑色やオレンジ色などでカラー印刷してある。絵柄31の総面積は、バックシート5の面積に対して約50%にしてある。この絵柄31の総面積のバックシート5の面積に対する割合は10%から80%の範囲で調節する。
【0045】
また、絵柄31は生理用ナプキン1を装着した状態で排血口に対応する部位を含めて備えられ、ナプキン本体3の長手方向に間隔をおいて間欠的に絵柄31が配置されている。このように絵柄31を配置することで、経血のシミをカモフラージュする効果が上がることになる。
【0046】
なお絵柄31は単色でもよいが、2色以上を用いた方が美観や経血のシミのカモフラージュにおいてより良い効果を得られるので望ましい。
【0047】
前記したように、ナプキン本体3は、バックシート5が外側になる状態に3つに折りに畳まれた状態で包装シート21に包装されているので、バックシート5に印刷されている絵柄31は、包装シート21による包装を解いた状態では直接視認できるのは勿論、包装を解く前の状態でも、包装シート21と剥離フィルム11、15を透して視認することができる。即ち、包装シート21は絵柄31を透視できる透明度に設定されている。
【0048】
本実施の形態においては、包装シート21と剥離フィルム11、15とが重なった部分のヘイズ値が90になるように設定している。なお、このヘイズ値は95以下に設定する。
【0049】
包装シート21と剥離フィルム11、15を介してナプキン本体3を透視する場合、包装シート21の透明度がヘイズ値約60で、剥離フィルム11、15の透明度がヘイズ値約59になっていることによりナプキン本体3の外形がぼやけるため、外観上、中身のナプキン本体3を意識することは殆ど無いし、絵柄3がばやけて見える。
【0050】
また、使用によって吸収体7が吸収した経血のシミがバックシート5に現れても、そのシミは絵柄31によってカムフラージュされる。
【0051】
尚、生理中にナプキンを交換する際、新たに包装を解いた包装シートで使用済みのナプキンを包むことがよく行われるが、この場合も、使用済みのナプキン本体3をそのバックシート5が外側になる状態に畳めば、経血のシミを絵柄31でカムフラージュした外観で捨てることができる。
【0052】
剥離フィルム11、15の色や透明度の違いによる絵柄の見え方について評価したテスト結果を表1に示す。
【0053】
このテスト結果によると、ヘイズ値約59の剥離フィルムを使用したサンプル番号1、2が最も良い評価「◎」を得ており、その次に良い評価「○」は、ヘイズ値約89から86程度の剥離フィルムを使用したサンプル番号1乃至7が得た。そして、ヘイズ値95以上の剥離フィルムを使用したサンプル番号9は最も悪い評価「×」を受け、ヘイズ値94余りの剥離フィルムを使用したサンプル番号8も比較的悪い評価「△」になった。
【0054】
【表1】
【0055】
〔2.第二の実施の形態〕(図5)
図5は、第二の実施の形態に係る包装生理用ナプキン1Aを示すものである。この包装生理用ナプキン1Aが前記包装生理用ナプキン1と相違するところは、主として、剥離フィルムを有しないことと、バックシートにウイングが無いこと、バックシートに設けた絵柄とその割合等である。従って、説明はこれら相違点だけについて行い、その他の部分については、図面の各部に前記包装生理用ナプキン1における同様の部位に付した符号と同じ符号、又はそれにダッシュ記号を付けた符号を付することで重複説明を避ける。このような符号の使い方とその意味は、後述する第三の実施の形態においても同様とする。
【0056】
この包装生理用ナプキン1Aにおいては、バックシート5の下面に、星形様の比較的小さい絵柄31′を多数散りばめたデザインで、赤又はオレンジ系の色でカラー印刷してある。バックシート5の面積に対する絵柄31′の総面積の割合は、およそ15%である。
【0057】
また、包装シート21′としては、SMS不織布の一方の面に剥離剤をコーティングした剥離不織布を使用していて、その剥離剤によって粘着剤13と包装シート21′との易剥離を可能にしている。この結果、バックシート5と包装シート21′との間には剥離フィルムが存在しないので、その分、バックシート5に印刷されている絵柄31′が包装シート21′を透して見易くなっているが、絵柄31′の総面積が小さいために、絵柄31′が強調され過ぎることは無い。
【0058】
〔3.第三の実施の形態〕(図6)
図6は、第三の実施の形態に係る包装生理用ナプキン1Bを示すものである。この包装生理用ナプキン1Bが前記包装生理用ナプキン1Aと相違するところは、主として、バックシート5′には絵柄を印刷しないで、所望の絵柄を印刷したデザインシート41をバックシート5′と吸収体7との間に挟んだことだけである。
【0059】
デザインシート41は、ポリエチレンシートのラミネート面の全体に細かい格子模様の絵柄43をカラー印刷したもので、吸収体7とほぼ同じ大きさになっている。このデザインシート41は、絵柄43が印刷された面をバックシート5′の上面に重ねた状態で前記バックシート5′に接着され、このデザインシート41の上に吸収体7が接着される。即ち、デザインシート41はバックシート5′と吸収体7との間に備えられている。
【0060】
バックシート5′にはヘイズ値が90程度のものを使用している。従って、デザインシート41の絵柄43は、バックシート5′の下面のほぼ全体に多少ぼやけた状態で透けて見えるので、デザインシート41に透明度の高い材料を使用した場合でも、吸収体7が吸収した経血のシミは絵柄43にカムフラージュされる。また、ナプキン本体3′が包装シート21′で包装されている状態でも、デザインシート41の絵柄43は、バックシート5′と包装シート21′を透して外から見えるので、中身が生理用ナプキンであることを殆ど意識させない。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0062】
例えば、実施の形態において、バックシートに絵柄を印刷した場合は、いずれもその印刷面を下面にしたが、場合によっては、印刷面を上にして用い、絵柄を下面から透かして見せるようにしても良い。
【0063】
剥離フィルム11及び15はプラスチック製のものに限らず、紙製のものを用いてもよい。
【0064】
上記実施の形態では、剥離フィルム11、15を備えた包装生理用ナプキンを示したが、本発明はこれに限定されず、剥離フィルムを具備しない構成のものでもよく、この場合には包装シートのみを透してバックシートに設けられた絵柄を視認する。かかる構成とした場合には、包装シート単体のヘイズ値を95以下に設定する。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、絵柄の印刷を一つの部材に施すだけで、吸収体が吸収した経血のシミを絵柄でカムフラージュすることができる。また、包装を解いた状態では勿論、包装を解く前の状態においてもその絵柄を外に見せることができて外観もカムフラージュすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態に係る包装生理用ナプキンを、包装を解く前の状態で示す斜視図である。
【図2】 図1に示す包装生理用ナプキンを、包装シートを開いて、且つ、一部をめくり上げた状態で示す斜視図である。
【図3】 図1に示す包装生理用ナプキンを分解した斜視図である。
【図4】 図1に示す包装生理用ナプキンの底面図である。
【図5】 本発明の第二の実施の形態に係る包装生理用ナプキンを、包装を一部解いた状態で示す斜視図である。
【図6】 本発明の第三の実施の形態に係る包装生理用ナプキンを、包装シートを開いた状態で示す斜視図である。
【図7】 従来の包装生理用ナプキンの一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…包装生理用ナプキン、3…ナプキン本体、5…バックシート、7…吸収体 、9…トップシート、11…剥離フィルム、13…粘着材、15…剥離フィルム、17…粘着材、21…包装シート、31…絵柄、1A…包装生理用ナプキン、3′…ナプキン本体、21′…包装シート、31′…絵柄、1B…包装生理用ナプキン、41…デザインシート、43…絵柄
Claims (1)
- 透液性のトップシートと不透液性のバックシートとの間に吸収体を設けたナプキン本体と、前記ナプキン本体をバックシートが外側となる状態に畳んで包装した包装シートとを具備する包装生理用ナプキンにおいて、
前記バックシートは、左右両側縁における中間部から装用時にショーツの外面へ折り重ねてズレを防止するためのウイングを有し、前記トップシートは、不織布又は多数の孔を形成したプラスチック製のメッシュシートからなるとともに、前記バックシートのウイングに対応した張出し部が一体に形成された左右2枚のサイドトップシートを含み、
前記バックシートの吸収体面側全体に絵柄を印刷し、該絵柄を外面側から透かして見えるようにするとともに、前記包装シートを透して前記バックシートに設けた絵柄を視認できるように前記包装シートの透明度を設定したことを特徴とする包装生理用ナプキン。
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