JP3862141B2 - 粉体材料の吐出装置及び粉体材料の吐出方法 - Google Patents

粉体材料の吐出装置及び粉体材料の吐出方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、粉体材料の吐出装置及び粉体材料の吐出方法に関し、特に、粉体材料を所望の粒径にして、一定量の粉体材料を一定量の空気に分散させた状態で、目的とする場所に連続して供給できるようにした、粉体材料の吐出装置及び粉体材料の吐出方法に関する。
背景技術
本発明者等は、一定量の空気に一定量の粉体材料を分散して、目的とする場所に粉体材料を連続して供給できるようにした、粉体材料の吐出装置を既に提案している(特開平10−81302号公報を参照)。
また、図9は、そのような粉体材料の吐出装置の一例を概略的に示す図であり、図9(a)は、その縦断面図を、又、図9(b)は、その横断面図を、各々、示している。
この粉体材料の吐出装置101は、粉体材料pを貯留する粉体材料貯留室102と、弾性膜体103と、分散室104とを備える。
粉体材料貯留室102は、その下方に、粉体材料貯留室102に貯留した粉体材料pを排出する排出口102aを有している。
分散室104は、孔部103aを有する弾性膜体103を介在させて、粉体材料貯留室102の下方に接続されている。
図10は、弾性膜体103を概略的に示す平面図である。
弾性膜体103の孔部103aは、図10に示すように、弾性膜体103の中央に設けられており、その形状が、スリット形状にされている。
また、分散室104は、図9に示すように、空気脈動波を分散室104内に送り込む空気脈動波導入口104aと、排出口104bとを備えている。
排出口104bは、下方に向けられている。
次に、この吐出装置101の動作について説明する。
まず、この吐出装置101を用いて、目的とする場所に、空気に混和し、分散し、流動化した粉体材料pを供給するには、粉体材料貯留室102内に、粉体材料pを収容し、空気脈導波導入口104aを、例えば、導管(図示せず)等により、空気脈動波発生源(図示せず)に接続する。また、排出口104bと、目的とする場所とを、例えば、導管(図示せず)等により接続する。
次に、空気脈動波発生源(図示せず)を駆動して、所望の周波数、振幅、波形を有する空気脈動波を発生させ、空気脈動波導入口104aより、分散室104内に、空気脈動波を送り込む。
図11は、分散室104内に、空気脈動波を送り込んだ際に、弾性膜体103に生じる現象を模式的に説明する説明図である。
例えば、分散室104内に送り込まれる空気脈動波が山の状態になり、分散室104内の圧力が高くなると、弾性膜体103が、図11(a)に示すように、弾性変形して、上方に湾曲する。
このとき、スリット103aの上側が開いた状態になり、スリット103aの開いた状態にされた部分に、粉体材料貯留室102内に貯留されている粉体材料pの一部が落下する。
次いで、例えば、分散室104内に送り込まれる空気脈動波が山から谷へ移行して、分散室104内の圧力が下がってくると、弾性変形して、上方に湾曲していた弾性膜体103が復元力により、元の状態に戻ってくる。
このとき、上側が開いた状態にされていたスリット103aも元の状態に戻るため、スリット103aの上側が開いた状態にされた部分に落下した粉体材料pの一部がスリット103aに挟み込まれた状態になる(図11(b)を参照)。
次いで、例えば、分散室104内に送り込まれる空気脈動波が谷側へ移行して、分散室104内の圧力が下がってくると、図11(c)に示すように、元の状態に戻っていた弾性膜体103が、復元力並びに分散室内の圧力が下がるのに対応して、弾性変形して、下方に湾曲する。
このとき、スリット103aの下側が開いた状態になり、スリット103a内に挟まれていた粉体材料pが、分散室104内に落下する。
そして、分散室104内に落下した粉体材料pは、空気脈動波に混和し、分散して、流動化して、排出口104bより空気とともに、目的とする場所に送り出される。
この吐出装置101では、空気脈動波の周波数、振幅、波形に応じて、弾性体膜103の周波数、振幅、波形が定まって振動するので、空気脈動波の周波数、振幅、波形を制御するだけで、目的とする場所に、一定量の粉体材料を空気とともに安定して供給することができるという利点がある。
このような利点を生かして、この吐出装置は、例えば、ロータリ式の打錠機のような連続打錠機の上杵の下面、下杵の上面、臼の内周面に、一定量の滑沢剤を塗布したい場合の滑沢剤供給装置等として、好適に用いることができるものである。
ところで、この吐出装置101では、図9に示すように、分散室104内に設ける排出口104bは、空気脈動波導入口104aより送りこまれる空気脈動波が、直接、排出口104b内へ送り込まれないようにするため、空気脈動波導入口104aと、排出口104bとが対向しない位置関係になるように、分散室104に、空気脈動波導入口104aと、排出口104bとを設置する必要がある。
また、排出口104bを上に向けた場合には、弾性膜体103が、空気脈動波によって振動することで開閉するスリット103aから落下してくる粉体材料pが、空気に混和されずに、排出口104b内に落下し、空気への粉体材料の混和が十分にされていない粉体材料が、目的とする場所に送り込まれたり、排出口104bと目的とする場所とを接続している導管(図示せず)内に滞留するといった現象を生じたりするという問題がある。
このような問題を解決するために、従来は、排出口104bを必然的に下側に向けて設けていた。
そして、このように、排出口104bを下側に向けて設けると、弾性膜体103が、空気脈動波によって振動することで開閉するスリット103aから落下してくる粉体材料p中の大粒の粒子であって、空気と混和しない粒子は、分散室104の底に落下堆積するので、空気と混和することができないような大粒の粒子を、分散室104の底に堆積(図9に示す粉体材料pcを参照)させ、空気と混和しない粒子を分散室104内で分別できるようにするためにも、排出口104bを下側に向けて設けるのが、ベストモードであると考えられていた。
しかしながら、従来の粉体材料の吐出装置101では、尚、常に一定量の粉体材料を排出口104bより安定して排出できないという問題や、粒径の大きな粉体材料が、排出口104bより排出される場合があるという問題があった。
このように、排出口104bより排出される粉体材料の排出量にバラツキや、排出口104bより排出される粉体材料p中に、大粒の粉体材料pcが含まれている場合には、例えば、粉体材料として滑沢剤粉末を用い、この排出口104bを錠剤等を打錠する打錠機の杵や臼の表面に滑沢剤を塗布する滑沢剤塗布室に接続し、この装置を、滑沢剤噴霧用の定量フィーダとして用いた場合にあっては、杵や臼の表面に滑沢剤が均一に塗布できず、連続打錠する際に、杵や臼にギシツキを生じたり、製造する錠剤に、スティッキング、ラミネーティング、キャッピング等の打錠障害を生じるという問題がある。
また、従来の粉体材料の吐出装置101のように、分散室104内に、空気と混和しない粒子を堆積させるようにした場合には、分散室104内に、一定量の粉体粒子が堆積すると、分散室104から堆積した粉体粒子を取り出して、分散室104内を清掃する必要がある。
このような清掃を行うためには、吐出装置101の運転を一時停止しなければならないという問題がある。
この問題をより具体的に説明すると、例えば、この装置101を、連続打錠機(図示せず)の滑沢剤の供給装置として用いた場合に、連続打錠機(図示せず)を運転して、錠剤を打錠している最中に、分散室104内に粉体材料pcが所定量以上堆積すると、分散室104内に堆積している粉体材料pcを取り除くためには、連続打錠機(図示せず)の運転も停止しなければならないこととなり、錠剤を製造する際の生産性が極めて悪くなるという問題がある。
発明の開示
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、分散室の排出口から目的とする場所に、常に一定量の粉体材料を、所望の粒径にして、安定して連続的に送り込んだり、分散室内に、空気と混和しない粉体材料を殆ど堆積させることが無い、粉体材料の吐出装置及び粉体材料の吐出方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記した問題が生じない、粉体材料の吐出装置の開発研究を行ってきた。
その結果、分散室104内に、空気と混和せずに堆積している粉体材料pcは、わずかな衝撃が加われば、殆どの粒子が砕けて、所望の粒径の粉体材料に戻ることを知見するに至り、分散室104内に落下した粉体材料中の大きな粒径の粉体材料pcを、分散室104内で、所望の粒径の粉体材料に砕くことができる技術を研究した結果、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の粉体材料の吐出装置は、下方に排出口を有する粉体材料貯留室と、粉体材料貯留室の排出口に、孔部を有する弾性膜体を介在させて、接続した分散室とを備え、分散室に空気脈動波導入口から空気脈動波を送り込み、空気脈動波により弾性膜体を強制振動させ、孔部を開閉することで、粉体材料貯留室に貯留した粉体材料を分散室内に落下させ、分散室内で、空気脈動波に混和して分散し、分散室内に設けられた排出口より、空気に分散された粉体材料を排出するようにした粉体材料の吐出装置であって、分散室の下方の位置に、分散室の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に、空気脈動波導入口を設け、且つ、分散室の上方の位置に、排出口を設けた。
ここに、本明細書で用いる用語、「分散室の内周面の接線方向又はこれと等価な方向」中の「これと等価な方向」は、空気脈動波導入口が、分散室の内周面の接線方向にのみ位置することに限定されず、接線に平行に位置していてもよい、ということを意味する。
この粉体材料の吐出装置では、粉体材料貯留室の排出口に、孔部を有する弾性膜体を介在させて、接続した分散室に、空気脈動波導入口を分散室の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に設けているので、空気脈動波導入口より導入された空気脈動波は、分散室内において旋回流になる。
このように、分散室内において、旋回流の空気脈動波を発生させることを考慮した場合は、分散室内の形状は、概ね円筒形状にするのが、更に好ましい。
ここに、「概ね円筒形状」は、平面視した場合、完全な円形状を有する円筒形状であることが好ましいが、平面視した場合、楕円等の不完全な円形状を有する円筒形状であってもよい、ということを含む意味である。
また、この粉体材料の吐出装置では、分散室の下方の位置に、分散室の内周面の接線方向に、空気脈動波を送り込む空気脈動波導入口を設け、分散室の上方の位置に、空気に分散した粉体材料を分散室から排出する排出口を設けている。
このような構成により、この粉体材料の吐出装置では、空気脈動波導入口より分散室内に送り込まれた空気脈動波は、分散室内で、分散室の下方に設けられた空気脈動波導入口から、分散室の上方に設けられた排出口に向かう、下方から上方に向かう旋回流(竜巻のような渦巻き流)の空気脈動波になる。
分散室内に発生する、旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の性質は失われていないため、弾性膜体は、空気脈動波の周波数、振幅、波形等の性質に従って強制的に振動するので、孔部が開閉することで、分散室内に、空気脈動波の性質に従った量の粉体材料が落下する。
更に、この装置では、分散室内において、空気脈動波が、下方から上方に向かう旋回流にされているので、分散室内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子(従来の吐出装置では、分散室内に堆積させていた粒子)の多くは、この旋回流に巻き込まれ、所望の粒径まで砕かれて、排出口より排出される。
また、分散室内に、下方から上方に向かう旋回流を発生させたので、分散室はサイクロンと同様の、分粒機能を有している。これにより、旋回流によって砕かれなかった大きな粒子は、分散室内の下方の位置に、所定の粒径になるまで、滞留するので、大きな粒子が目的とする場所に送り込まれることがない。
したがって、この装置を用いれば、常に概ね一定量の粉体材料を、安定して連続的に、しかも、粉体材料の粒径を均一にして、排出口より排出できる。
また、この装置を用いれば、従来の吐出装置では、分散室内に堆積させていた、粒径の大きい粒子の大部分が、旋回流にされた空気脈動波によって、所望の大きさに砕かれ、排出口より排出されるので、分散室内に粒径の大きい粒子が堆積し難い。
これにより、分散室内を清掃するという作業回数を減らすことができる。
したがって、例えば、この装置を、連続打錠機の滑沢剤供給装置として使用している場合には、連続打錠工程を行っている最中に、分散室内を清掃するという作業を行う必要がなくなるので、錠剤を製造する際の生産性が極めて高くなる。
また、空気脈動波導入口を分散室の下方に設け、排出口を分散室の上方に設けているので、分散室内において、空気脈動波導入口と排出口とが、互いに、対向しない。
これにより、空気脈動波導入口より送り込まれた空気脈動波が、直接、排出口に入らず、必ず、分散室内を旋回した後に、排出口に入るため、分散室内において、空気脈動波を有効利用できる。
また、排出口を、分散室の内周面に設けているので、排出口に、弾性膜体の孔部から落下した粉体材料が、空気と混和せずに、直接、排出口内に入るという現象も生じない。
更にまた、従来の吐出装置では、廃棄していた、粒子の大きい粉体材料の大部分を使用できるので、粉体材料を有効利用できるという効果もある。
請求項2に記載の粉体材料の吐出装置は、請求項1に記載の粉体材料の吐出装置の、粉体材料貯留室に、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を検出するセンサーを更に設け、粉体材料貯留室の上方に粉体材料供給ホッパー手段を、粉体材料切出手段を介在させて接続し、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量を超えることを検出した場合には、粉体材料切出手段を閉じ、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量未満であることを検出した場合には、粉体材料切出手段を開き、粉体材料貯留室に、常に、概ね一定量の粉体材料が貯留されるようにした。
粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が少なくなると、弾性膜体の孔部が開いたときに、粉体材料貯留室内に貯留されている粉体材料に吹抜けを生じ、弾性膜体の孔部からの粉体材料の排出がうまく行えなくなる場合や、粉体材料貯留室内に貯留されている粉体材料が、空気と混和し、分散し、流動化し、弾性膜体の孔部から排出されやすくなってしまい、空気脈動波を一定にしていても、弾性膜体の孔部から排出される粉体材料の量に変化が生じる場合がある。
これとは逆に、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が多くなると、粉体材料が自重によって凝集して、弾性膜体の孔部から排出され難くなったり、粉体材料の重さによって、弾性膜体の振動パターンが変化し、空気脈動波を一定にしていても、弾性膜体の孔部から排出される粉体材料の量に変化が生じる場合がある。
このようなことを考慮した場合には、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量は、空気脈動波により弾性膜体を強制振動させて、弾性膜体の孔部より、粉体材料を排出している間、常に、概ね一定量に保たれるようにすることが好ましい。
この粉体材料の吐出装置では、粉体材料貯留室に、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を検出するセンサーを更に設け、粉体材料貯留室の上方に粉体材料供給ホッパー手段を、粉体材料切出手段を介在させて接続し、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量を超えることを検出した場合には、粉体材料切出手段を閉じ、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量未満であることを検出した場合には、粉体材料切出手段を開くようにして、粉体材料貯留室に、常に、概ね一定量の粉体材料が貯留されるようにしているので、空気脈動波を一定にすることで、常に、一定量の粉体材料を、弾性膜体の孔部より排出することができる。
尚、このようなセンサーとしては、種々のものを用いることができるが、装置構成を簡単にし、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を精度よく検出するには、例えば、レベルセンサーを用いるのが好ましい。
レベルセンサーを用いる場合には、発光素子と受光素子とを備えるものが好ましい。
この場合、粉体材料貯留室を光透過性の材料を用いて作製し、粉体材料貯留室の側方に、発光素子と受光素子とを粉体材料貯留室を挟むようにして対向配置し、弾性膜体からの高さで、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を検出するようにする。
このようにレベルセンサーを用いた場合には、レベルセンサーを設けた高さまで、粉体材料貯留室内に粉体材料が供給されると、発光素子から照射される光が、粉体材料によって遮られ、受光素子がオフになるので、この時、粉体材料切出手段を閉じ、空気脈動波によって、弾性膜体を強制振動させることにより、弾性膜体の孔部より、粉体材料貯留室内に貯留された粉体材料が排出され、発光素子から照射される光が、再び、粉体材料によって遮られなくなり、受光素子が、発光素子から照射される光を受光してオンになれば、この時、粉体材料切出手段を開くようにするというようにして、空気脈動波によって、弾性膜体を強制振動させることにより、弾性膜体の孔部より、粉体材料貯留室内に貯留された粉体材料が排出する際に、レベルセンサーの検出値に基づいて、粉体材料切出手段を制御すれば、粉体材料貯留室内に、常に、概ね、一定量の粉体材料を維持できる。
請求項3に記載の粉体材料の吐出装置は、請求項1に記載の粉体材料の吐出装置の、弾性膜体の孔部が、弾性膜体の中央に形成されており、且つ、スリット形状にされている。
この粉体材料の吐出装置では、弾性膜体の孔部を、スリット形状にしているので、弾性膜体が、空気脈動波により強制振動されない期間は、孔部が完全に閉じた状態になる。
これにより、空気脈動波により強制振動されない期間の粉体材料の漏れ落ちが生じない。
したがって、この装置を用いれば、空気脈動波に応じて、粉体材料の排出を正確に制御できる。
請求項4に記載の粉体材料の吐出装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体材料の吐出装置の好ましい用途を提案するもので、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体材料の吐出装置の、粉体材料貯留室に貯留する粉体材料が、滑沢剤粉末である。
即ち、この粉体材料の吐出装置の分散室の排出口を、例えば、ロータリ型錠剤機の杵や臼の表面に滑沢剤を噴霧する滑沢剤噴霧室に接続した場合には、ロータリ型錠剤機の杵や臼を用いて、成形材料を圧縮成形して錠剤を製造する間、常に、杵や臼の表面にむらなく一定量の滑沢剤を塗布できる。
これにより、打錠工程において、杵や臼にギシツキを生じたり、製造される錠剤にスティッキングやラミネーティングやキャッピング等の打錠障害を生じるのを防ぐことができるので、錠剤を効率よく製造することができる。
且つ、圧縮成形する成形材料中には、滑沢剤を添加しない、いわゆる外部滑沢錠剤を工業的な生産ベースで製造することも可能になる。
請求項5に記載の粉体材料の吐出方法は、下方に排出口を有する粉体材料貯留室と、粉体材料貯留室の排出口に、孔部を有する弾性膜体を介在させて、接続した分散室とを備え、分散室に空気脈動波を送り込み、分散室内に、空気脈動波の旋回流を発生させ、空気脈動波により弾性膜体を強制振動させ、孔部を開閉することで、粉体材料貯留室に貯留した粉体材料を分散室内に落下させるとともに、分散室内に発生している空気脈動波の旋回流により、分散室内に落下させた粉体材料を、空気に分散させた状態で、目的とする場所に供給する。
この粉体材料の吐出方法では、分散室内に、空気脈動波の旋回流を発生させている。
この分散室内に発生させた旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の本来の性質が失われていないので、空気脈動波を一定に保つと、これにより、弾性膜体が、空気脈動波に応じて一義的に強制的に振動することとなり、弾性膜体の孔部より、常に、概ね一定量に粉体材料が排出される。
この方法では、このようにして、分散室内に排出された粉体材料は、分散室内で旋回流にされている空気脈動波に巻き込まれ、分散室内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子の多くが、所望の粒径まで砕かれるので、整粒された粉体材料が、空気に混和し、分散した状態で、目的とする場所へ供給される。
したがって、この方法を用いれば、目的とする場所に、一定量の空気に対し、常に、概ね一定量の粉体材料を、概ね一定の粒径にして、連続的に供給できるようになる。
請求項6に記載の粉体材料の吐出方法は、請求項5に記載の粉体材料の吐出方法の、粉体材料貯留室に貯留する粉体材料の量を概ね一定量に保つことを特徴とする。
この粉体材料の吐出方法では、粉体材料貯留室に貯留する粉体材料の量を概ね一定量に保っているので、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料の量が少なくなって、粉体材料自体に吹抜けを生じ、弾性膜体に設けられた孔部から、粉体材料がうまく排出されなかったり、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料が空気に混和し、分散し、流動化し、これにより、弾性膜体に設けられた孔部から、予定量より多くの粉体材料が排出されたりすることがない。
且つ、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料の量が多くなって、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料が、粉体材料の自重によって凝集して、弾性膜体の孔部から排出され難くなったり、粉体材料の重さによって、弾性膜体の振動パターンが変化し、空気脈動波を一定にしていても、弾性膜体の孔部から排出される粉体材料の量に変化が生じたりすることがない。
請求項7に記載の粉体材料の吐出方法は、請求項5又は請求項6に記載の粉体材料の吐出方法で用いる、弾性膜体の孔部が、弾性膜体の中央に形成されており、且つ、スリット形状にされている。
この粉体材料の吐出方法では、弾性膜体の孔部を、スリット形状にしているので、弾性膜体が、空気脈動波により強制振動されない期間は、孔部が完全に閉じた状態になる。
これにより、空気脈動波により強制振動されない期間の粉体材料の漏れ落ちが生じない。
請求項8に記載の粉体材料の吐出方法は、請求項5〜7のいずれかに記載の粉体材料の吐出方法の、粉体材料貯留室に貯留する粉体材料が、滑沢剤粉末である。
この粉体材料の吐出方法では、粉体材料として滑沢剤粉末を用いている。
これにより、打錠機の杵や臼の表面に、常に一定量で均一な粒径の滑沢剤粉末を均一に塗布できるので、打錠工程において、杵や臼にギシツキを生じたり、製造される錠剤にスティッキングやラミネーティングやキャッピング等の打錠障害を生じるのを防ぐことができるので、錠剤を効率よく製造することができる。
且つ、圧縮成形する成形材料中には、滑沢剤を添加しない、いわゆる外部滑沢錠剤を工業的な生産ベースで製造することも可能になる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係る粉体材料の吐出装置について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
(発明の実施の形態1)
図1は、本発明に係る粉体材料の吐出装置の一例を槻略的に示す図であり、図1(a)は、その縦断面図を、又、図1(b)は、その横断面図を、各々、示している。
この粉体材料の吐出装置1は、粉体材料pを貯留する粉体材料貯留室2と、弾性膜体3と、分散室4とを備える。
粉体材料貯留室2は、その下方に、粉体材料貯留室2に貯留した粉体材料pを排出する排出口2aを有している。
分散室4は、弾性膜体3を介在させて、粉体材料貯留室2の下方に接続されている。
弾性膜体3は、その中央部にスリット3aを有している。
以上の構成は、従来の粉体材料の吐出装置101と同様であるが、この粉体材料の吐出装置1では、以下の点で、従来の粉体材料の吐出装置101と異なっている。
まず、この例では、分散室4の形状を、分散室4内に旋回流を発生させやすいように、概ね円筒形状にしている。
尚、この例では、分散室4の形状を概ね円筒形状にした例を示したが、分散室4内に旋回流を発生できる限り、分散室4の形状は、特に限定されることはない。
また、分散室4に設ける、空気脈動波導入口4a及び排出口4bの位置を、従来の粉体材料の吐出装置101の空気脈動波導入口104a及び排出口104bの位置とは異なる位置に設けている。
即ち、この装置1では、分散室4の下方の位置に、分散室4の内周面の接線方向に、空気脈動波を送り込む空気脈動波導入口4aを設けている。
且つ、この装置1では、円筒形状にされた分散室4の上方の位置に、分散室4の内周面の接線方向に、空気に混和され、分散され、流動化した粉体材料を分散室4から排出する排出口4bを設けている。
ここで、分散室4に設ける空気脈動波導入口4aの位置について、図2を用いて、更に、詳しく説明する。
図2は、分散室4を平面視した場合の、分散室4に設ける空気脈動波導入口4aの位置を模式的に示す平面図であり、図2(a)は、空気脈動波導入口4aの理想的な取付け位置を説明する図であり、また、図2(b)は、空気脈動波導入口4aの実質的に可能な取付け位置及び不適当な取付け位置を説明する図である。
尚、図2(a)及び図2(b)の各々に、曲線で示す矢印は、分散室4内に発生する空気脈動波旋回流の向きを模式的に示している。
分散室4内に、旋回流を発生させるためには、空気脈動波導入口4aは、図2(a)に示すように、分散室4の接線方向に設けるのが好ましい。
しかしながら、空気脈動波導入口4aは、図2(a)に示すように、分散室4の接線方向に厳密に設けられる必要はなく、分散室4内に、支配的な1個の旋回流を形成できる限り、図2(b)に示すように、図2(a)に示した分散室4の接線Lt方向と等価な方向(即ち、分散室4のある接線Ltに平行な方向)に空気脈動波導入口4aが設けられていてもよい。
より具体的に説明すると、例えば、分散室4の接線(図2(b)に示す、破線で示す、ある接線Lt)と中心線(図2(b)に想像線で示す中心線Lc)との間の距離をLt−cとすると、空気脈動波導入口4aは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから空気脈動波導入口4aまでの距離Lt−4aが、距離Lt−cの、2/3以下の位置にあることが好ましい(0≦距離Lt−4a≦2/3×距離Lt−c)。
より特定的には、空気脈動波導入口4aは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから空気脈動波導入口4aまでの距離Lt−4aが、距離Lt−cの、1/2以下の位置にあることが更に好ましい(0≦距離Lt−4a≦1/2×距離Lt−c)。更に言えば、空気脈動波導入口4aは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから空気脈動波導入口4aまでの距離Lt−4aが、距離をLt−cの、1/3以下の位置にあることが尚一層好ましい(0≦距離Lt−4a≦1/3×距離Lt−c)。
尚、空気脈動波導入口4aを、図2(b)に示すように、従来の吐出装置101と同様に、分散室4の中心線(図2(b)に想像線で示す中心線Lcを参照)方向に設けた場合には、分散室4内の形状が円筒形状の場合、いずれが支配的とも言えない2個の旋回流が発生するので好ましくない。
ついで、分散室4に設ける空気脈動波導入口4aと排出口4bとの位置関係について、図3を用いて、更に、詳しく説明する。
分散室4に設ける空気脈動波導入口4aと排出口4bは、図3(a)のように設けられていてもよいが、分散室4に、排出口4bを、図3(a)に示すような位置に設けた場合には、分散室4に発生する空気脈動波の旋回流の向き(空気の進行方向)と逆方向に排出口4bが設けられる関係になる。
これに対し、排出口4bにおける、図3(b)に例示的に示す、排出口4b1又は排出口4b2のように、分散室4に発生する空気脈動波の旋回流の向き(空気の進行方向)と順方向に、排出口4bが設けられる関係になっている場合には、排出口4b内に、分散室4に発生している旋回流の空気脈動波が排出されやすく、排出効率を考慮した場合には、分散室4に発生する空気脈動波の旋回流の向き(空気の進行方向)と順方向に、排出口4bが設けるのが好ましい。
また、例えば、分散室4の接線(図3(a)に示す、破線で示す、ある接線Lt)と中心線(図3(a)に想像線で示す中心線Lc)との間の距離をLt−cとすると、排出口4bは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口4bまでの距離Lt−4bが、距離Lt−cの、2/3以下の位置にあることが好ましい(0≦距離Lt−4b≦2/3×距離Lt−c)。
より特定的には、排出口4bは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口4bまでの距離Lt−4bが、距離Lt−cの、1/2以下の位置にあることが更に好ましい(0≦距離Lt−4b≦1/2×距離Lt−c)。更に言えば、排出口4bは、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口4bまでの距離Lt−4bが、距離をLt−cの、1/3以下の位置にあることが尚一層好ましい(0≦距離Lt−4b≦1/3×距離Lt−c)。
次に、この吐出装置1の動作について説明する。
まず、この吐出装置1を用いて、目的とする場所に、空気に混和し、分散し、流動化した粉体材料pを供給するには、粉体材料貯留室2内に、粉体材料pを収容し、空気脈動波導入口4aを、例えば、導管(図示せず)等により、空気脈動波発生源(図示せず)に接続する。また、排出口4bと、目的とする場所とを、例えば、導管(図示せず)等により接続する。
次に、空気脈動波発生源(図示せず)を駆動して、所望の周波数、振幅、波形を有する空気脈動波を発生させ、空気脈動波導入口4aより、分散室4内に、空気脈動波を送り込む。
この粉体材料の吐出装置1では、特に、分散室4の下方の位置に、分散室4の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に、空気脈動波を送り込む空気脈動波導入口4aを設け、分散室4の上方の位置に、分散室4の内周面に、分散室4内で旋回流になっている空気脈動波の進行方向に対し、概ね順方向に、空気に混和し、分散し、流動化した粉体材料を分散室4から排出する排出口4bを設けているので、空気脈動波導入口4aより分散室4内に送り込まれた空気脈動波は、図1(a)に示すように、分散室4内で、空気脈動波導入口4aから、排出口4bに向かう、下方から上方に向かう旋回流(竜巻のような渦巻き流)の空気脈動波になる。
この分散室4内で発生した、旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の性質は失われていないため、弾性膜体3は、空気脈動波の周波数、振幅、波形に従って振動するので、孔部(スリット)3aが開閉することで、分散室4内に、空気脈動波の性質に従った量の粉体材料pが落下する(図11を参照)。
更に、この装置1では、分散室4内において、空気脈動波が、下方から上方に向かう旋回流にされているので、分散室4内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子(従来の吐出装置101では、分散室104内に堆積させていた粒子pc)の多くは、この旋回流に巻き込まれ、所望の粒径まで砕かれて、排出口4bより排出される。
また、分散室4内に、下方から上方に向かう旋回流を発生させたので、分散室4はサイクロンと同様の、分粒機能を有している。これにより、旋回流によって砕かれなかった大きな粒子は、分散室4内の下方の位置に、所定の粒径に砕かれる迄で滞留するので、大きな粒子が目的とする場所に送り込まれることがない。
したがって、この装置1を用いれば、常に概ね一定量の粉体材料を、安定して連続的に、しかも、粉体材料の粒径を均一にして、排出口4bより排出できる。
また、この装置1を用いれば、従来の吐出装置101では、分散室104内に堆積させていた、粒径の大きい粒子の大部分が、旋回流にされた空気脈動波によって、所望の大きさに砕かれ、排出口より排出されるので、分散室4内に粒径の大きい粒子が堆積し難い。
これにより、分散室4内を清掃するという作業回数を減らすことができる。
したがって、例えば、この装置1を、連続打錠機の滑沢剤供給装置として使用している場合には、連続打錠工程を行っている最中に、分散室4内を清掃するという作業を行う必要がなくなるので、錠剤を製造する際の生産性が極めて高くなる。
また、空気脈動波導入口4aを分散室4の下方に設け、排出口4bを分散室の上方に設けているので、分散室4内において、空気脈動波導入口4と排出口4bとが、互いに、対向しない。
これにより、空気脈動波導入口4aより送り込まれた空気脈動波が、直接、排出口4bに入らず、必ず、分散室4内を旋回した後に、排出口4bに入るため、分散室4内において、空気脈動波を有効利用できる。
また、排出口4bを、分散室4の内周面に設けているので、排出口4bに、弾性膜体3の孔部(スリット)3aから落下した粉体材料pが、空気と混和せずに、直接、排出口4b内に入るという現象も生じない。
更にまた、従来の吐出装置101では、廃棄していた、粒子の大きい粉体材料pcの大部分を使用できるので、粉体材料を有効利用できるという効果もある。
この装置1は、以上のような優れた効果を有するので、例えば、常に、一定量の滑沢剤粉末を、一定の粒径で、連続して供給する必要がある、打錠機等の杵や臼の表面に滑沢剤を均一に塗布する必要がある、滑沢剤噴霧用の定量フィーダとして好適に用いることができる。
(発明の実施の形態2)
図4は、本発明に係る粉体材料の吐出装置の他の一例を概略的に示す全体構成図である。
より詳しく説明すると、図4は、本発明に係る粉体材料の吐出装置を打錠機(図示せず)の杵及び臼の表面に滑沢剤を塗布する装置に組み込んだ一例を概略的に示す全体構成図である。
この装置21は、図1に示したような粉体材料の吐出装置1と、コンプレッサー等の空気源5と、空気源5で発生させた圧縮空気の流量を調整する流量制御装置6と、空気源5で発生させ、流量制御装置6で、その流量が調整された輸送空気を、空気脈動波に変換する高圧脈動空気発生器7と、高圧脈動空気発生器7と吐出装置1の分散室4に設けられた空気脈動波導入口(図1に示す空気脈動波導入口4aを参照。)とを接続する空気輸送管8と、吐出装置1の分散室4に設けられた排出口(図1に示す排出口4bを参照。)と打錠機(図示せず)の所定の位置に設けられ、臼及び杵の表面に滑沢剤を塗布する滑沢剤噴霧室(図示せず)とを接続する滑沢剤供給管9とを備える。
ここに、高圧脈動空気発生器7に、高圧という用語を用いているのは、この高圧脈動空気発生器7が、正圧の空気脈動波を発生させる装置であることを意味している。
また、「正圧の空気脈動波」という用語中、「正圧」は、装置21内の気圧が装置21外の気圧と等しいか高いことを意味し、「正圧の空気脈動波」は、空気圧の山と谷とがともに正圧で一定周期で脈動する空気、または、空気圧の山が正圧で、谷が概ね大気圧で、一定周期で脈動する空気を意味する。
このような空気脈動波は、コンプレッサー等の空気源5によって発生させた一定圧の圧縮空気を電磁弁を開閉して空気脈動波にしたり、又は、コンプレッサー等の空気源5によって発生させた一定圧の圧縮空気を空気導入口より所定のケース内に供給し、ケース内に、ケースに設けられた排出口を開閉する、回転可能に設けられたロータリ型の弁体を設け、ロータリ型の弁体を回転させたりすることによっても発生させることができる。
しかしながら、このような方法で発生できる空気脈動波は、粉体材料の物性に応じて、粉体材料を効率よく空気に混和し、分散し、流動化させる、所望の波形、振幅、周期の空気脈動波を発生させるのが難しいという問題がある。
また、空気脈動波は、減衰しやすいという性格を有しているので、排出口の開閉をはっきりさせ難いロータリ型の弁体を回転させる空気脈動波発生装置は、この装置21の高圧脈動空気発生器7として必ずしも好適であるとは言えない。
そこで、この装置21では、高圧脈動空気発生器7として、図5に示すような装置を用いている。
この高圧脈動空気発生器7は、入力ポート71と出力ポート72との間に弁座73を設けた弁室74に、カム機構75によって開閉する弁体76とを備える。
カム機構75は、モーター等の駆動手段(図示せず)により回転可能に設けられた回転カム77と、弁体76の下端に回転可能に取り付けられたローラ78とを備える。
弁座73は、出力ポート72方向に先すぼんだ形状の孔部にされており、弁体76は、弁座73の形状に合わせた先すぼんだ逆すり鉢形状にされており、弁座73を気密に塞ぐことができるようになっている。
また、この例では、弁体76の軸部76aが、ケース体79の軸孔79h内に、空気がもれないように、且つ上下に移動自在に設けられている。
ローラ78は、回転カム77に、回転可能に挟持され、回転カム77を回転することで、回転カム77に設けられた凹凸パターンに従って、回転しながら上下動するようになっている。
より詳しく説明すると、回転カム77は、内側回転カム77aと外側回転カム77bとを備えている。
内側回転カム77a及び外側回転カム77bの各々には、凹凸パターンが、ロラー78の間隔を保持するように且つ互いに整列するように設けられている。
そして、ローラ78は、内側回転カム77aと外側回転カム77bとの間に挟持され、弁体76にハネを生じることがなく、回転カム77を回転させることで、内側回転カム77aと外側回転カム77bとに設けられた凹凸パターンに従って、回転しながら上下動するようになっている。
尚、この回転カム77に設ける凹凸パターンは、粉体材料pの物性に応じて、異なったパターンのものが選択される。
また、この例では、入力ポート71に流量制御装置6が接続されており、入力ポート71には、空気源5で発生させ、流量制御装置6により所定の流量に調整された圧縮空気が供給されるようになっている。
また、出力ポート72には、空気輸送管8の一端が接続されている。
尚、図5中、80は、必要により設けられる、流量調整ポートを示しており、流量調整ポート80には、出力ポート72より出力する、空気脈動波の圧力を調整する出力調整弁81が、大気との完全な連通状態から遮断状態迄の間で所望の状態に調整可能に設けられている。
次に、この高圧脈動空気発生器7を用いて所望の周期、振幅及び波形を有する、正圧の空気脈動波を発生させる動作手順について説明する。
まず、粉体材料pの物性に応じて、粉体材料pを空気に混和するのが容易な回転カム77を高圧脈動空気発生器7の駆動手段(図示せず)の回転軸Maに取り付ける。
次に、空気源5を駆動し、流量制御装置6を調整することで、入力ポート72に所定の流量の圧縮空気を供給する。
また、駆動手段(図示せず)を駆動することで、回転カム77を所定の回転速度で回転させる。
また、必要により、出力調整弁81を調整することで、出力ポート72より出力される空気脈動波の圧力を調整する。
回転カム77を所定の回転速度で回転させると、弁体76を回転カム77に設けられた凹凸パターンに従って上下する。これにより、弁座73を、例えば、回転カム77に設けられた凹凸パターンに従って、全開、半開、全開等に制御することで所望の波形の空気脈動波を出力ポート72から出力する。
尚、この高圧脈動空気発生器7では、出力ポート72から出力する空気脈動波の周期を所望の周期にするには、駆動手段(図示せず)を制御して、回転カム770回転速度を変えればよい。また、出力ポート72から出力する空気脈動波の振幅を所望の振幅にするには、空気源5、流量制御装置6及び/又は出力調整弁81を適宜調整すればよい。
次に、この装置21に設けられている、粉体材料の吐出装置の構成について説明する。
図6は、図4中、IV領域を拡大して、本発明に係る粉体材料の吐出装置を、更に詳しく説明する、概略的な断面図である。
この粉体材料の吐出装置31は、図1に示す粉体材料の吐出装置1の粉体材料貯留室2に、粉体材料貯留室2内に貯留する粉体材料の量を検出するレベルセンサー32を更に設け、粉体材料貯留室2の上方に粉体材料供給ホッパー手段10を、粉体材料切出手段(粉体材料切出弁)34を介在させて接続した構成になっている。
粉体材料切出手段(粉体材料切出弁)34は、レベルセンサー32の検出値に応じて、上下に移動して、粉体材料供給ホッパー手段10の排出口10aを閉じたり、開いたりできるようになっている。
尚、図6中、粉体材料の吐出装置31の他の部材装置は、図1に示す粉体材料の吐出装置1の部材装置と同様であるので、相当する部材装置には、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
粉体材料貯留室2は、光透過性を有するガラス、又はアクリル樹脂等の樹脂で製せられている。
また、この例では、レベルセンサー32として、赤外線等の光を発光する発光素子32aと、発光素子32aより照射された光を受光する受光素子32bとを備えるものを用いている。
発光素子32aと受光素子32bとは、粉体材料貯留室2を挟むようにして、対向配置されている。
そして、レベルセンサー32を設ける位置(弾性膜体3からレベルセンサー32の設けられる位置の高さ)Hthで、粉体材料貯留室2に貯留する粉体材料pの量を検出できるようになっている。
即ち、粉体材料貯留室2に貯留する粉体材料pの量が、レベルセンサー32を設ける位置(弾性膜体3からレベルセンサー32の設けられる位置の高さ)Hthを超えると、発光素子32aより照射された光が、粉体材料pに当り、受光素子32bで受光できなくなる(オフになる。)ので、この時、粉体材料貯留室2内の粉体材料pの弾性膜体3からの高さHが、高さHthを超えていることが検出できる(H>Hth)。
また、粉体材料貯留室2に貯留する粉体材料pの量が、レベルセンサー32を設ける位置(弾性膜体3からレベルセンサー32の設けられる位置の高さ)Hth未満になると、発光素子32aより照射された光が、受光素子32bで受光できる(オンになる。)ので、この時、粉体材料貯留室2内の粉体材料pの弾性膜体3からの高さHが、高さHth未満になっていることが検出できる(H<Hth)。
従って、レベルセンサー32の検出値がオフになれば、粉体材料切出手段34を上方に移動させて、粉体材料供給ホッパー手段10の排出口10aを閉じ、レベルセンサー32の検出値がオンになれば、粉体材料切出手段34を下方に移動させて、粉体材料供給ホッパー手段10の排出口10aを開くようにすれば、粉体材料貯留室2に、常に、概ね一定量の粉体材料pが貯留されるようになる。
尚、図6中、35に示す部材装置は、粉体材料切出手段34の動作を確認するために設けられたCCDカメラ等の撮像手段を、36に示す部材装置は、レーザ光線等の光を照射するとともに、粉体材料供給ホッパー手段10の排出口10aより落下する粉体材料(図示せず。)により散乱した散乱光を受光することにより、粉体材料供給ホッパー手段10の排出口10aより落下する粉体材料(図示せず。)の状態を調べるセンサーを、また、37に示す部材装置は、レーザ光線等の光を照射するとともに、弾性膜体3の孔部(スリット)3aより落下し、分散室4内に発生させている旋回流の空気脈動波に巻き込まれ、混和し、分散し、流動化している粉体材料(図示せず。)により散乱した散乱光を受光することにより、分散室4内の粉体材料(図示せず。)の状態を調べるセンサーを、各々、示している。
また、38で示す部材装置は、発光素子38aと受光素子38bとを備えて構成されたレベルセンサーを示しており、この例では、このレベルセンサー38により、粉体材料供給ホッパー手段10内の粉体材料の残量を検出するようにしている。
尚、これらの部材装置35、36、37、38は、必要により設けられるものである。
次に、この吐出装置31の動作について説明する。
まず、この吐出装置31を用いて、目的とする場所(この例では、打錠機(図示せず。)の滑沢剤噴霧室(図示せず。))に、空気に混和し、分散し、流動化した粉体材料pを供給する際には、まず、粉体材料(図示せず。)を、粉体材料供給ホッパー手段10に収容し、レベルセンサー32を動作状態にする。
この状態では、レベルセンサー32の発光素子32aから照射される赤外線等の光は、受光素子32bによって受光されているので、受光素子32bは、オンになっている。
次に、粉体材料切出手段34を開き、粉体材料貯留室2内に、粉体材料を落下させる。
粉体材料貯留室2内に、粉体材料が落下堆積し、粉体材料貯留室2内に堆積した粉体材料pの弾性膜体3からの高さHが、レベルセンサー32の設けられている位置の高さHthを超えると、発光素子32aから照射される赤外線等の光が、粉体材料貯留室2内に堆積した粉体材料pにより遮られるため、受光素子32bが、発光素子32aから照射される光を受光できなくなるので、受光素子32bは、オフなる。この時、自動的に、粉体材料切出手段34が閉じた状態になるので、粉体材料pが、弾性膜体3から概ね所定の高さHthになるまで収容される(H=Hth)。
また、粉体材料pの物性に応じて、粉体材料pが空気に混和し易い波形の空気脈動波を発生する凹凸パターンを有する回転カム77を駆動手段(図示せず)の回転軸Maに取り付ける。
次に、空気源5を駆動し、必要により、流量制御装置6や調整弁80を適宜調整するとともに、高圧脈動空気発生器7の駆動手段(図示せず)を駆動して、回転カム77を所定の回転速度で回転させる。
これにより、高圧脈動空気発生器7の出力ポート72より、空気輸送管8内に、所望の波形、振幅、周期を有する、正圧の空気脈動波が出力される。
空気輸送管8内に送出された正圧の空気脈動波は、分散室4に設けられた空気脈動波導入口4aより、分散室4内に送り込まれる。
この粉体材料の吐出装置31でも、分散室4の下方の位置に、分散室4の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に、空気脈動波を送り込む空気脈動波導入口4aを設け、且つ、分散室4の上方の位置に、分散室4の内周面に、分散室4内で、旋回流になっている空気脈動波の進行方向に、概ね順方向に排出口4bを設けているので、空気脈動波導入口4aより分散室4内に送り込まれた空気脈動波は、図1(a)に示すように、分散室4内で、空気脈動波導入口4aから、排出口4bに向かう、下方から上方に向かう旋回流(竜巻のような渦巻き流)の空気脈動波になる。
この分散室4内で発生した、旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の性質は失われていないため、弾性膜体3は、空気脈動波の周波数、振幅、波形に従って振動するので、空気脈動波によって強制的に弾性膜体3を振動させ、これにより、弾性膜体3に設けた孔部(スリット)3aを開閉させることで、分散室4内に、空気脈動波の性質に従った量の粉体材料が落下する。
更に、この装置31では、分散室4内において、空気脈動波が、下方から上方に向かう旋回流にされているので、分散室4内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子(従来の吐出装置では、分散室内に堆積させていた粒子)の多くは、この旋回流に巻き込まれ、所望の粒径まで砕かれて、排出口4bより排出される。
従って、この粉体材料の吐出装置31も、発明の実施の形態1で示した粉体材料の吐出装置1と同様の効果を奏する。
更に、この粉体材料の吐出装置31では、粉体材料貯留室2に、粉体材料貯留室2内に貯留する粉体材料の量を検出するレベルセンサー32を設け、粉体材料貯留室2の上方に粉体材料供給ホッパー手段10を、粉体材料切出手段34を介在させて接続し、レベルセンサー32の検出値がオフになれば、粉体材料切出手段34を閉じ、レベルセンサー32の検出値がオンになれば、粉体材料切出手段34を開き、粉体材料貯留室2に、常に、概ね一定量の粉体材料pが貯留されるようにしている。
これにより、空気脈動波を一定にすることで、常に、一定量の粉体材料pを、弾性膜体3の孔部(スリット)3aより排出することができる。
尚、発明の実施の形態2では、センサーとして、レベルセンサー32を用いたものを説明したが、これは、単に、好ましい例を説明したに過ぎず、粉体材料貯留室2内の粉体材料pの量を検出できるものであれば、重量センサー等の種々のセンサーを用いることができる。
次に、本発明を実験例に基づいて、説明する。
(分散法別の経時的な噴霧量変化の観察試験)
図6に示す粉体材料の吐出装置31と、図6に示す粉体材料の吐出装置31の分散室4を、概ね同じ形状で概ね同じ容量の、図9に示す粉体材料の吐出装置101の分散室104に変える以外は、粉体材料の吐出装置31と同様の装置を用い、各々の粉体材料供給ホッパー手段に、粉体材料(この例では、ステアリン酸マグネシウム粉末(局方品))を貯留し、各々の分散室4、104に、図5に示す高圧脈動空気発生器7を用い、供給空気量を25ニュートン・リットル/分(N・l/min)、供給空気圧を0.2Mpaとし、弁体76の振動数を20ヘルツ(Hz)として発生させた空気脈動波を分散室4、104に供給し、各々の排出口4b、104bより排出される粉体材料の量(噴霧量)の変化を経時的に測定した。尚、上記した供給空気量の数値及び供給空気圧の数値は、いずれも、流量制御装置6からの出力値であることを付記しておく(実験例1及び実験例2についても同様である)。
なお、この実験の間、レベルセンサー32の検出値に基づいて、各々の粉体材料貯留室2、2内に貯留する粉体材料の弾性膜体3からの高さは、30mm±2.5mmにコントロールした。
結果を表1及び図7に示す。
【表1】
Figure 0003862141
尚、表1及び図7中、新法は、本発明に係る粉体材料の吐出装置31を用いた場合の実験結果を、また、従来法は、粉体材料の吐出装置31の分散室4を、図9に示す従来の粉体材料の吐出装置101の分散室104に変えた場合の実験結果を示している。
尚、表1中の噴霧量は、1分間に各々の排出口4b、104bより排出される粉体材料の重量(mg)を示している。また、表1中のCVは、そのバラツキ(%)を示している。また、表1中のRは、その最大値と最小値の差(最大値−最小値)を示している。
表1及び図7の結果より、新法(本発明に係る粉体材料の吐出装置31を用いた場合)の方が、従来法(粉体材料の吐出装置31の分散室4を、図9に示す粉体材料の吐出装置101の分散室104に変えた場合)に比べ、排出される粉体材料の量(噴霧量)のバラツキが小さいことが明らかになった(新法のバラツキ<従来法のバラツキ)。
また、従来法では、分散室104内に、粉体材料の堆積が観察されたのに対し、新法では、分散室4内に、粉体材料の堆積が殆ど観察されなかった。
以上により、新法は、常に一定量の粉体材料を、連続して、安定して、排出口4bより排出できることが明らかになった。
また、新法では、分散室4内において、弾性膜体3の孔部(スリット)3aより排出された粉体材料は、旋回流となっている空気脈動波に均一に分散していた。
一方、従来法では、分散室4内において、弾性膜体3の孔部(スリット)3aより排出された粉体材料は、空気脈動波に均一に分散していなかった。
以上により、新法では、排出口4bより排出される粉体材料の粒径が、従来法の排出口104bより排出される粉体材料の粒径に比べ、均一化していることが明らかになった。
(噴面高さの違いによる噴霧量変化の観察試験)
(実験例1)
図6に示す粉体材料の吐出装置31を用い、また、粉体材料供給ホッパー手段10、10に、粉体材料(この例では、ステアリン酸マグネシウム粉末(局方品))を貯留し、この試験の間、レベルセンサー32の検出値に基づいて、粉体材料切出手段(粉体材料切出弁)34を開閉制御し、粉体材料貯留室2内に貯留する粉体材料の弾性膜体3からの高さを、常に、10mm±2.5mmにコントロールしつつ、供給空気量を25ニュートン・リットル/分(N・l/min)、供給空気圧を0.2Mpaとして、弁体72の振動数を20ヘルツ(Hz)として発生させた空気脈動波を分散室4内に供給し、排出口4bより排出される粉体材料の量(噴霧量)の変化を経時的に測定した。
(実験例2)
実験例1とは、弾性膜体3からの高さを、常に、70mm±2.5mmのコントロールする以外は、同様に実験を行い、排出口4bより排出される粉体材料の量(噴霧量)の変化を経時的に測定した。
結果を表2及び図8に示す。
【表2】
Figure 0003862141
表2及び図8より、同じ装置及び同じ空気脈動波を用いた場合であっても、弾性膜体3の孔部(スリット)3aより排出された粉体材料の量には違いがあることが明らかになった。
これにより、常に一定量の粉体材料を、連続的に、排出口4bより排出するには、粉体材料貯留室2内に貯留する粉体材料の弾性膜体3からの高さを、常に、概ね一定に維持するのが好ましいことが明らかになった。
産業上の利用可能性
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の粉体材料の吐出装置では、粉体材料貯留室の排出口に、孔部を有する弾性膜体を介在させて、接続した分散室に、空気脈動波導入口を分散室の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に設けているので、空気脈動波導入口より導入された空気脈動波は、分散室内において旋回流になる。
また、この粉体材料の吐出装置では、分散室の下方の位置に、分散室の内周面の接線方向に、空気脈動波を送り込む空気脈動波導入口を設け、分散室の上方の位置に、空気に分散した粉体材料を分散室から排出する排出口を設けている。
このような構成により、この粉体材料の吐出装置では、空気脈動波導入口より分散室内に送り込まれた空気脈動波は、分散室内で、分散室の下方に設けられた空気脈動波導入口から、分散室の上方に設けられた排出口に向かう、下方から上方に向かう旋回流(竜巻のような渦巻き流)の空気脈動波になる。
分散室内に発生する、旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の性質は失われていないため、弾性膜体は、空気脈動波の周波数、振幅、波形等の性質に従って強制的に振動するので、孔部が開閉することで、分散室内に、空気脈動波の性質に従った量の粉体材料が落下する。
更に、この装置では、分散室内において、空気脈動波が、下方から上方に向かう旋回流にされているので、分散室内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子(従来の吐出装置では、分散室内に堆積させていた粒子)の多くは、この旋回流に巻き込まれ、所望の粒径まで砕かれて、排出口より排出される。
また、分散室内に、下方から上方に向かう旋回流を発生させたので、分散室はサイクロンと同様の、分粒機能を有している。これにより、旋回流によって砕かれなかった大きな粒子は、分散室内に堆積するので、大きな粒子が目的とする場所に送り込まれることがない。
したがって、この装置を用いれば、常に概ね一定量の粉体材料を、安定して連続的に、しかも、粉体材料の粒径を均一にして、排出口より排出できる。
即ち、この装置は、例えば、常に一定量で、均一な粒径の滑沢剤を杵や臼に均一に塗布することが要求される打錠機の杵や臼への滑沢剤噴霧用の定量フィーダ等として好適に用いることができる。
また、この装置を用いれば、従来の吐出装置では、分散室内に堆積させていた、粒径の大きい粒子の大部分が、旋回流にされた空気脈動波によって、所望の大きさに砕かれ、排出口より排出されるので、分散室内に粒径の大きい粒子が堆積し難い。
これにより、分散室内を清掃するという作業回数を減らすことができる。
したがって、例えば、この装置を、連続打錠機の滑沢剤供給装置として使用している場合には、連続打錠工程を行っている最中に、分散室内を清掃するという作業を行う必要がなくなるので、錠剤を製造する際の生産性が極めて高くなる。
また、空気脈動波導入口を分散室の下方に設け、排出口を分散室の上方に設けているので、分散室内において、空気脈動波導入口と排出口とが、互いに、対向しない。
これにより、空気脈動波導入口より送り込まれた空気脈動波が、直接、排出口に入らず、必ず、分散室内を旋回した後に、排出口に入るため、分散室内において、空気脈動波を有効利用できる。
また、排出口を、分散室の内周面に設けているので、排出口の、弾性膜体の孔部から落下した粉体材料が、空気と混和せずに、直接、排出口内に入るという現象も生じない。
更にまた、従来の吐出装置では、廃棄していた、粒子の大きい粉体材料の大部分を使用できるので、粉体材料を有効利用できるという効果もある。
請求項2に記載の粉体材料の吐出装置では、粉体材料貯留室に、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を検出するセンサーを更に設け、粉体材料貯留室の上方に粉体材料供給ホッパー手段を、粉体材料切出手段を介在させて接続し、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量を超えることを検出した場合には、粉体材料切出手段を閉じ、センサーが、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量未満であることを検出した場合には、粉体材料切出手段を開くようにして、粉体材料貯留室に、常に、概ね一定量の粉体材料が貯留されるようにしているので、空気脈動波を一定にすることで、常に、一定量の粉体材料を、弾性膜体の孔部より排出することができる。
請求項3に記載の粉体材料の吐出装置では、弾性膜体の孔部を、スリット形状にしているので、弾性膜体が、空気脈動波により強制振動されない期間は、孔部が完全に閉じた状態になる。
これにより、空気脈動波により強制振動されない期間の粉体材料の漏れ落ちが生じない。
したがって、この装置を用いれば、空気脈動波に応じて、粉体材料の排出を正確に制御できる。
請求項4に記載の粉体材料の吐出装置では、粉体材料として滑沢剤粉末を用いている。
これにより、打錠機の杵や臼の表面に、常に一定量で均一な粒径の滑沢剤粉末を均一に塗布できるので、打錠工程において、杵や臼にギシツキを生じたり、製造される錠剤にスティッキングやラミネーティングやキャッピング等の打錠障害を生じるのを防ぐことができるので、錠剤を効率よく製造することができる。
且つ、圧縮成形する成形材料中には、滑沢剤を添加しない、いわゆる外部滑沢錠剤を工業的な生産ベースで製造することも可能になる。
請求項5に記載の粉体材料の吐出方法では、分散室内に、空気脈動波の旋回流を発生させている。
この分散室内に発生させた旋回流の空気脈動波は、空気脈動波の本来の性質が失われていないので、空気脈動波を一定に保つと、これにより、弾性膜体が、空気脈動波に応じて一義的に強制的に振動することとなり、弾性膜体の孔部より、常に、概ね一定量に粉体材料が排出される。
この方法では、このようにして、分散室内に排出された粉体材料は、分散室内で旋回流にされている空気脈動波に巻き込まれ、分散室内に落下した粉体材料中、粒径の大きい粒子の多くが、所望の粒径まで砕かれるので、整粒された粉体材料が、空気に混和し、分散した状態で、目的とする場所に供給される。
したがって、この方法を用いれば、目的とする場所に、一定量の空気に対し、常に、概ね一定量の粉体材料を、概ね一定の粒径にして、連続的に供給できるようになる。
請求項6に記載の粉体材料の吐出方法では、粉体材料貯留室に貯留する粉体材料の量を概ね一定量に保っているので、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料の量が少なくなって、粉体材料自体に吹抜けを生じ、弾性膜体に設けられた孔部から、粉体材料がうまく排出されなかったり、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料が空気に混和し、分散し、流動化し、これにより、弾性膜体に設けられた孔部から、予定量より多くの粉体材料が排出されたりすることがない。
且つ、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料の量が多くなって、粉体材料貯留室に貯留されている粉体材料が、粉体材料の自重によって凝集して、弾性膜体の孔部から排出され難くなったり、粉体材料の重さによって、弾性膜体の振動パターンが変化し、空気脈動波を一定にしていても、弾性膜体の孔部から排出される粉体材料の量に変化が生じたりすることがない。
請求項7に記載の粉体材料の吐出方法では、弾性膜体の孔部を、スリット形状にしているので、弾性膜体が、空気脈動波により強制振動されない期間は、孔部が完全に閉じた状態になる。
これにより、空気脈動波により強制振動されない期間の粉体材料の漏れ落ちが生じない。
したがって、この方法を用いれば、空気脈動波に応じて、粉体材料の排出を正確に制御できる。
請求項8に記載の粉体材料の吐出方法では、粉体材料として滑沢剤粉末を用いている。
これにより、打錠機の杵や臼の表面に、常に一定量で均一な粒径の滑沢剤粉末を均一に塗布できるので、打錠工程において、杵や臼にギシツキを生じたり、製造される錠剤にスティッキングやラミネーティングやキャッピング等の打錠障害を生じるのを防ぐことができるので、錠剤を効率よく製造することができる。
且つ、圧縮成形する成形材料中には、滑沢剤を添加しない、いわゆる外部滑沢錠剤を工業的な生産ベースで製造することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る粉体材料の吐出装置の一例を概略的に示す図であり、図1(a)は、その縦断面図を、又、図1(b)は、図1中、I−I線に従う横断面図を、各々、示している。
図2は、図1に示す分散室を平面視した場合の、分散室に設ける空気脈動波導入口4aの位置を模式的に示す平面図であり、図2(a)は、空気脈動波導入口4aの理想的な取付け位置を説明する図であり、また、図2(b)は、空気脈動波導入口の実質的に可能な取付け位置を説明する図である。
図3は、図1に示す分散室を平面視した場合の、分散室に設ける空気脈動波導入口と排出口との位置関係を模式的に説明する図であり、図3(a)は、排出口を旋回流の空気脈動波の向きと逆方向に設けた場合を説明する図であり、また、図3(b)は、排出口を旋回流の空気脈動波の向きと順方向に設けた場合を説明する図である。
図4は、本発明に係る粉体材料の吐出装置の他の一例を概略的に示す全体構成図である。
図5は、本発明に係る粉体材料の吐出装置の空気脈動波発生源として好ましい、高圧脈動空気発生装置の一例を概略的に示す断面図である。
図6は、図4中、IV領域を拡大して、本発明に係る粉体材料の吐出装置を、更に詳しく説明する、概略的な断面図である。
図7は、従来の粉体材料の吐出装置及び本発明に係る粉体材料の吐出装置の時間と、噴霧量との相関関係を示す折れ線グラフである。
図8は、粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が噴霧量に影響することを、時間と噴霧量との相関関係で示す折れ線グラフである。
図9は、従来の粉体材料の吐出装置の一例を概略的に示す図であり、図9(a)は、その縦断面図を、又、図9(b)は、図9(a)中、IX−IX線に従う横断面図を、各々、示している。
図10は、弾性膜体を概略的に示す平面図である。
図11は、分散室内に、空気脈動波を送り込んだ際に、弾性膜体に生じる現象を模式的に説明する説明図である。

Claims (4)

  1. 下方に排出口を有する粉体材料貯留室と、
    前記粉体材料貯留室の排出口に、孔部を有する弾性膜体を介在させて、接続した分散室とを備え、
    前記分散室に空気脈動波導入口から空気脈動波を送り込み、前記空気脈動波により前記弾性膜体を強制振動させ、前記孔部を開閉することで、前記粉体材料貯留室に貯留した粉体材料を前記分散室内に落下させ、
    前記分散室内で、前記空気脈動波に混和して分散し、
    前記分散室内に設けられた排出口より、空気に分散された粉体材料を排出するようにした粉体材料の吐出装置であって、
    前記分散室の下方の位置に、前記分散室の内周面の接線方向又はこれと等価な方向に、前記空気脈動波導入口を設け、且つ、
    前記分散室の上方の位置に、前記排出口を設けた、粉体材料の吐出装置。
  2. 前記粉体材料貯留室に、前記粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量を検出するセンサーを更に設け、
    前記粉体材料貯留室の上方に粉体材料供給ホッパー手段を、粉体材料切出手段を介在させて接続し、
    前記センサーが、前記粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量を超えることを検出した場合には、前記粉体材料切出手段を閉じ、
    前記センサーが、前記粉体材料貯留室内に貯留する粉体材料の量が所定量未満であることを検出した場合には、前記粉体材料切出手段を開き、
    前記粉体材料貯留室に、常に、概ね一定量の粉体材料が貯留されるようにした、請求項1に記載の粉体材料の吐出装置。
  3. 前記弾性膜体の孔部が、前記弾性膜体の中央に形成されており、且つ、スリット形状にされている、請求項1又は請求項2に記載の粉体材料の吐出装置。
  4. 前記粉体材料貯留室に貯留する粉体材料が、滑沢剤粉末である、請求項1〜3のいずれかに記載の粉体材料の吐出装置。
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