JP4311830B2 - 滑沢剤塗布装置及び錠剤の製造方法 - Google Patents

滑沢剤塗布装置及び錠剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるロータリ型打錠機の複数の臼の内周面、複数の上杵の下面及び複数の下杵の上面に、順次、滑沢剤を塗布して、成形材料を、複数の臼、複数の上杵及び複数の下杵を用いて錠剤化するようにした外部滑沢式打錠機の滑沢剤塗布装置に関し、特に、交換作業が簡単で、ロータリ型打錠機により製造される錠剤に打錠障害が発生し難い、滑沢剤塗布装置、及び、そのような滑沢剤塗布装置を用いた、錠剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臼、上杵及び下杵を用いて、成形材料を圧縮成形して錠剤を製造する際には、一般に、製造される錠剤に、スティッキングやキャッピングやラミネーティング等の打錠障害(以下、単に、「打錠障害」という。)が発生することを防止するために、成形材料中に、ステアリン酸塩(Al、K、Na、Ca、Mg等の金属塩)や、ステアリン酸や、ラウリル硫酸ナトリウムといったような滑沢剤を予め添加するようにされている。
【0003】
しかしながら、製造される錠剤に打錠障害が発生しないようにするためには、成形材料中に、相当量の滑沢剤を添加する必要がある。
【0004】
その結果、滑沢剤を添加した成形材料を用いて製造された錠剤は、錠剤中に含まれる滑沢剤の撥水性が原因となって、錠剤の崩壊時間や溶解時間が遅くなるという問題がある。
【0005】
製造される錠剤に、打錠障害が発生することを防止するために、臼の表面(内周面)、上杵の表面(下面)及び下杵の表面(上面)と、成形材料の間に、滑沢剤が存在していればよく、成形材料全体に、滑沢剤が含まれている必要はない。
【0006】
かかる観点から、近時、成形材料中には滑沢剤を添加せず、滑沢剤塗布装置を用い、臼の表面(内周面)、上杵の表面(下面)及び下杵の表面(上面)に、滑沢剤を塗布し、滑沢剤が塗布された臼、上杵及び下杵を用いて、滑沢剤を添加していない成形材料を圧縮成形することで、錠剤の崩壊時間や溶解時間が遅くなることを防止するようにした、錠剤の製造方法が、種々、提案されている。
【0007】
図31は、ロータリ型打錠機の、複数の臼の各々の表面(内周面)、複数の上杵の各々の表面(下面)、及び、複数の下杵の各々の表面(上面)に、順次、滑沢剤を塗布するために、既に提案されている、滑沢剤塗布装置を概略的に示す断面図である。
【0008】
滑沢剤塗布装置201は、ロータリ型打錠機211の回転テーブル212の滑沢剤噴霧位置(滑沢剤噴霧位置は、錠剤排出位置と成形材料充填位置との間にある。)に設けられるものである。
【0009】
更に詳しく説明すると、滑沢剤塗布装置201は、滑沢剤噴霧位置に、その下面が、回転テーブル212の表面から所定の距離を離れるようにして、固定的に取り付けられている。複数の上杵215・・・は、滑沢剤塗布装置201の上面の上を、順次、通過するようにされている。
【0010】
また、滑沢剤塗布装置201は、滑沢剤噴霧室201aと、滑沢剤噴霧室201aに仕切壁を介在して隣接するように設けられた滑沢剤吸引室201bとを備える。
【0011】
滑沢剤噴霧室201aは、その下面に、下杵用滑沢剤噴霧口h201を備え、且つ、その上面に、上杵用滑沢剤噴霧口h202を備える。
【0012】
また、滑沢剤吸引室201bは、その下面に、下杵用吸引口h203を備え、且つ、その上面に、上杵用吸引口h204を備える。
【0013】
下杵用吸引口h203は、下杵用滑沢剤噴霧口h201に対し、回転テーブル212の回転方向(図31中に示す白抜き矢印の方向を参照。)と順方向に、所定の間隔を離して設けられている。
【0014】
また、上杵用吸引口h204は、上杵用滑沢剤噴霧口h202に対し、回転テーブル212の回転方向(図31中に示す矢印の方向を参照。)と順方向に、所定の間隔を離して設けられている。
【0015】
尚、図31中、213で示す部分は、ロータリ型打錠機の回転テーブルの周方向に沿って設けられている、複数の臼の中の一つの臼を示しており、214で示す部材は、ロータリ型打錠機に設けられている、複数の下杵の中の、臼213と組にされている、ある下杵を、また、215で示す部材は、ロータリ型打錠機に設けられている、複数の上杵の中の、臼213と組にされている、ある上杵を示している。
【0016】
上杵213及び下杵214の各々は、回転テーブル212(より特定的には、臼213)と同期して回転するようにされており、且つ、カム機構(図示せず。)により、所定の位置で、上下方向に移動するようにされている。
【0017】
次に、この滑沢剤塗布装置201を用いて、臼213の内周面(より特定的には、成形材料に接触する接触表面)S213、下杵の上面(より特定的には、成形材料に接触する接触表面)S214、及び、上杵215の上面(より特定的には、成形材料に接触する接触表面)S215の各々に、滑沢剤を塗布する塗布方法(動作・原理)について説明する。
【0018】
図32は、滑沢剤塗布装置201の、臼213の内周面S213、下杵の上面S214、及び、上杵215の上面S215の各々への滑沢剤(粉末)の塗布動作を模式的に説明するタイムチャートである。
【0019】
滑沢剤塗布装置201を用いて、臼213の内周面S213、下杵14の上面S214、及び、上杵215の上面S215の各々に、滑沢剤を塗布する際には、滑沢剤噴霧室201aに、空気に混和した滑沢剤(粉末)を供給し、滑沢剤吸引室201bに接続されている吸引手段(図示せず。)を駆動する。
【0020】
滑沢剤噴霧室201aに供給された、空気に混和した滑沢剤(粉末)は、空気とともに、下杵用滑沢剤噴霧口h201及び上杵用滑沢剤噴霧口h202の各々から噴霧される。
【0021】
下杵用滑沢剤噴霧口h201から空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)は、回転テーブル212の回転によって、下杵用滑沢剤噴霧口h201の下方の位置に送られてきた臼213内に所定の位置まで挿入されている下杵214の上面S214に吹き付けられ、臼213の内周面S213、及び、下杵214の上面S214に塗布される。
【0022】
また、下杵用滑沢剤噴霧口h201から空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)の中、下杵用滑沢剤噴霧口h201と、臼213との間に、雲のような状態になって漂っている滑沢剤(粉末)は、下杵用吸引口h203から滑沢剤吸引室201b内へと吸引除去される。
【0023】
上杵用滑沢剤噴霧口h203から空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)は、回転テーブル212の回転によって、上杵用滑沢剤噴霧口h202の上方の位置に送られてきた上杵215の下面S215に吹き付けられ、上杵215の下面S215に塗布される。
【0024】
また、上杵用滑沢剤噴霧口h202から空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)の中、上杵用滑沢剤噴霧口h202と、上杵215との間に、雲のような状態になって漂っている滑沢剤(粉末)は、上杵用吸引口h204から滑沢剤吸引室201b内へと吸引除去される。
【0025】
この滑沢剤噴霧装置201を用いれば、下杵用滑沢剤噴霧口h201から、下杵214の上面S214に対して、空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)の中、余分な滑沢剤(粉末)は、下杵用滑沢剤噴霧口h201から下杵用吸引口h203に向かう気流Ac1によって、滑沢剤吸引室201b内へと吸引除去されるため、下杵214の上面S214及び臼213の内周面S213の各々に、余分な滑沢剤が塗布されることなく、必要最小限の滑沢剤を塗布することができる。且つ、上杵用滑沢剤噴霧口h202から、上杵215の下面S215に対して、空気とともに噴霧された滑沢剤(粉末)の中、余分な滑沢剤(粉末)は、上杵用滑沢剤噴霧口h202から上杵用吸引口h204に向かう気流Ac2によって、滑沢剤吸引室201b内へと吸引除去されるため、上杵215の下面S215にも、余分な滑沢剤が塗布されることなく、必要最小限の滑沢剤を塗布することができる。
【0026】
この結果、この滑沢剤噴霧装置201により、内周面S213に滑沢剤(粉末)が塗布された臼213、上面S214に滑沢剤(粉末)が塗布された下杵214、及び、下面S215に滑沢剤(粉末)が塗布された上杵215を用いて、成形材料を圧縮成形して得られる錠剤(図示せず。)は、錠剤(図示せず。)の表面に、必要最小限の滑沢剤(粉末)が付着しているに過ぎないため、滑沢剤(粉末)の撥水性の影響により、崩壊時間や溶解時間が遅くなるといったことのない錠剤を製造することができるとされている。
【0027】
更には、電磁弁(図示せず。)及び電磁弁(図示せず。)の開閉を制御する、電磁弁開閉制御手段を設け、滑沢剤噴霧口h201、h202から、滑沢剤(粉末)を断続的に噴霧(クロックパルスブロウイング)するようにした技術も既に提案されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、滑沢剤噴霧装置201のような、従来公知の滑沢剤噴霧装置では、図31に示すように、装置が一体成形されているため、ロータリ型打錠機で、別の錠剤を製造するためや、設置した滑沢剤噴霧装置では、製造される錠剤に打錠障害が発生する頻度が高い等の理由から、既に、ロータリ型打錠機の所定の位置に設置されている滑沢剤噴霧装置を別のタイプの滑沢剤噴霧装置に交換する際に、わざわざ、ロータリ型打錠機の所定の位置に既に設置されている滑沢剤噴霧装置を取り外してから、別のタイプの滑沢剤噴霧装置を、ロータリ型打錠機の所定の位置に設置するという、手間のかかる作業が必要である、という問題がある。
【0029】
また、滑沢剤噴霧装置201のような、従来公知の滑沢剤噴霧装置では、図31からも明らかなように、下杵214の上面S214への滑沢剤(粉末)の塗布方法と、上杵215の下面S215への滑沢剤(粉末)の塗布方法とが、ともに、滑沢剤噴霧口h201、h202からの、空気に混和した滑沢剤の噴霧という、同じ方法で塗布される(加圧雰囲気下における塗布)ようにされているため、重力の関係で、上杵215の下面S215へは、滑沢剤(粉末)が塗布され難い、という問題がある。
【0030】
また、下杵214の上面S214及び臼213の内周面S213への滑沢剤の塗布時間と、上杵215の下面S215への滑沢剤の塗布時間とが、概ね等しいため、重力の関係で、上杵215の下面S215へは、滑沢剤(粉末)が塗布され難い、という問題もある。
【0031】
これとは逆に、重力の関係で、下杵214の上面S214へは、余分な滑沢剤(粉末)が堆積しがちになる。
【0032】
この滑沢剤噴霧装置201では、下杵214の上面S214へ余分に堆積しがちになる滑沢剤(粉末)を効率的に除去するためや、回転テーブル212の表面S212の臼213の周辺に付着した滑沢剤(粉末)を効率的に除去するために、下杵用吸引口h203と、回転テーブル212の表面S212との間の距離L1が、上杵215が、上杵用吸引口h204の上方位置にきた時の、上杵215の下面S215と、上杵用吸引口h204との間の距離L2に比べ、短くなるようにしてはいるものの、この方法では、上杵215の下面S215と、上杵用吸引口h204との間の距離L2を設定すると、下杵用吸引口h203と、回転テーブル212の表面S212との間の距離L1が一義的に決まってしまい、距離L1の自由度が少なく、この距離L1と距離L2との関係によって、下杵用吸引口h203の吸引力と、上杵用吸引口h204の吸引力との吸引力の比が、一義的に決まってしまい、下杵用吸引口h203の吸引力と、上杵用吸引口h204の吸引力とを、別個独立に調整することができない、という問題もある。
【0033】
のみならず、この滑沢剤噴霧装置201では、図31及び図32より明らかなように、下杵用滑沢剤噴霧口h201と、下杵用吸引口h203との間が常に導通する関係になっている。
【0034】
即ち、この滑沢剤噴霧装置201では、下杵214の上面S214や、臼213の内周面S214への滑沢剤の塗布を行いながら、下杵214の上面S214や、臼213の内周面S214に余分に付着した滑沢剤の除去や、臼213の付近や下杵214の付近に漂っている滑沢剤の除去を行っている。また、この滑沢剤噴霧装置201では、下杵214の上面S214や、臼213の内周面S214への滑沢剤の塗布を行いながら、上杵215の下面S215に余分に付着した滑沢剤の除去や、上杵215の付近に漂っている滑沢剤の除去を行っている。
【0035】
このため、下杵214の上面S214へ余分に堆積している滑沢剤(粉末)を除去するためや、回転テーブル212の表面S212の臼213の周辺に付着した滑沢剤(粉末)を除去するために、下杵用吸引口h203に接続されている吸引手段(図示せず。)の駆動量を上げると、図31中に示す、下杵用滑沢剤噴霧口h201から下杵用吸引口h203に向かって発生する気流Ac1が強くなり、この気流Ac1によって、下杵用滑沢剤噴霧口h201から下杵214の上面S214に到達する滑沢剤(粉末)の量が少なくなり、今度は、下杵214の上面S214に塗布される滑沢剤(粉末)の量が著しく少なくなるといった、下杵用吸引口h203に接続されている吸引手段(図示せず。)の駆動量と、下杵用滑沢剤噴霧口h201から下杵214の上面S214に到達する滑沢剤(粉末)の量との間に、密接な相関関係があり、下杵用滑沢剤噴霧口h201からの滑沢剤(粉末)の噴霧量と、吸引手段(図示せず。)の駆動量との調整が難しい、という問題もある。
【0036】
また、この滑沢剤噴霧装置201では、1つの滑沢剤吸引室201bに、下杵用吸引口h203と、上杵用吸引口h204とを設けるという構成にされている。
【0037】
このため、重力の関係で、下杵214の上面S214へ余分に堆積している滑沢剤(粉末)を除去するためや、回転テーブル212の表面S212の臼213の周辺に付着した滑沢剤(粉末)を除去するために、下杵用吸引口h203に接続されている吸引手段(図示せず。)の駆動量を上げると、図31中に示す、上杵用滑沢剤噴霧口h202から上杵用吸引口h204に向かって発生する気流Ac2が強くなり、重力の関係で、滑沢剤が付着し難い、上杵215の下面S215へ到達する滑沢剤の量が減少し、上杵215の下面S215へ滑沢剤が十分に塗布されないという問題がある。
【0038】
更にまた、錠剤は、一般に、その表面側に、会社コード、医薬品コード、割線等の刻印が設けられ、その裏面側には、そのような刻印が設けられていない、という形状を有している。
【0039】
以下、錠剤の、会社コードC1や、医薬品コードC2等の刻印が設けられる側の表面を、錠剤の裏面と区別して説明する必要があるときは、「錠剤表面」という。
【0040】
図33、図34及び図35の各々は、錠剤の錠剤表面側に設けられる刻印と、そのような錠剤の錠剤表面に設ける刻印を形成するために、上杵の下面に形成される鋳型面との関係を説明する説明図である。
【0041】
例えば、図33(a)に示すように、錠剤tの錠剤表面Saに刻印が設けられていない錠剤を製造する場合には、図33(b)に示すように、上杵215の下面S215には、凹凸面を設ける必要はない。
【0042】
しかしながら、図34(a)に示すような、錠剤tの錠剤表面Saに、会社コードC1や、医薬品コードC2のような刻印を設けた錠剤を製造する場合にあっては、図34(b)に示すように、上杵の下面には、会社コードC1を形成するための雄型M1や、医薬品コードC2を形成するための雄型M2が設けられる。
【0043】
更に、図35(a)に示すような、錠剤tの錠剤表面Saに、会社コードC1や、医薬品コードC2の他に、更に、割線C3を設けた錠剤を製造する場合にあっては、図35(b)に示すように、上杵の下面に、会社コードC1を形成するための雄型M1、医薬品コードC2を形成するための雄型M2の他に、割線C3を形成すための雄型M3が設けられるため、上杵215の下面S215は、複雑な凹凸面を有した形状になる。
【0044】
ところで、製錠時に錠剤tに発生する打錠障害の原因については、種々の原因が考えられるが、錠剤に発生する打錠障害は、錠剤tの角部に発生し易い傾向にあり、図34(b)や図35(b)に示すような複雑な凹凸面が形成された下面を有する上杵215を用いた場合には、錠剤tの錠剤表面Saと、刻印が設けられた部分C1、C2、C3との角部において打錠障害が発生し易い傾向がある。
【0045】
図34(a)や図35(a)に示すような、錠剤tに発生する打錠障害を防止するためには、複雑な凹凸面が形成されている、上杵215の下面S215の凹凸面の角部に対して、滑沢剤(粉末)を十分に且つ均一に塗布する必要がある。
【0046】
しかしながら、滑沢剤噴霧装置201のような、従来公知の滑沢剤噴霧装置では、一般に、図31に示すように、下杵用滑沢剤噴霧口h202の形状と、上杵用滑沢剤噴霧口h202の形状とが、概ね同じ形状にされているため、複雑な凹凸面が形成されている上杵215の下面S215への滑沢剤(粉末)の塗布量が十分でない。このため、滑沢剤噴霧装置201のような、従来公知の滑沢剤噴霧装置を用いた場合には、錠剤の、刻印が設けられている錠剤表面側に、打錠障害が生じ易いという問題がある。
【0047】
その結果、滑沢剤噴霧装置201のような、従来公知の滑沢剤噴霧装置を用いた場合には、製造される錠剤中に、打錠障害が発生した不良品の発生頻度が高く、工業的な生産ベースでは、錠剤を製造するのには、尚、十分ではない、という問題もある。
【0048】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであって、ロータリ型打錠機の所定の位置に既に設置されている滑沢剤噴霧装置を簡単に別のタイプの滑沢剤噴霧装置に代えることができるようにするとともに、複雑な形状が設けられることがあり、且つ、重力の関係で、滑沢剤(粉末)が塗布され難い、上杵の下面への滑沢剤(粉末)の塗布方法と、重力の関係で、余分な滑沢剤(粉末)が堆積しがちな、下杵の上面への滑沢剤(粉末)の塗布方法とを異ならせ、上杵の下面へは、上杵の下面へ滑沢剤を塗布するのに最適な滑沢剤の塗布方法を用いて、滑沢剤(粉末)を塗布できるようにし、且つ、下杵の上面へは、下杵の上面へ滑沢剤を塗布するのに最適な滑沢剤の塗布方法を用いて、滑沢剤(粉末)を塗布できるようにした、滑沢剤塗布装置を提供すること、及び、そのような滑沢剤塗布装置を用いることにより、製造される錠剤中に、打錠障害が発生した不良品の発生頻度を低くして、工業的な生産ベースで、錠剤内部に滑沢剤を含まない、錠剤を製造することのできる、錠剤の製造方法を提供することを目的としている。
【0049】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記した問題を解決するための技術について、鋭意、検討・努力した結果、一旦、ロータリ型打錠機の所定の位置に取り付けた後は、下杵用滑沢剤塗布装置部分は、交換する必要が殆どないのに対し、上杵用滑沢剤塗布装置部分については、上杵の下面に設けられる、錠剤の錠剤表面に形成する刻印を形成するための凹凸パターンによって、最適な形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布装置部分に交換した方が良いことを知見するに至った。
【0050】
また、滑沢剤噴霧装置は、一体成形する必要がないことにも知見し、下杵用滑沢剤塗布装置部分については、一旦、ロータリ型打錠機の所定の位置に取り付けた後は、これを取り外さず、上杵用滑沢剤塗布装置部分をユニット化し、ユニット化した、上杵用滑沢剤噴霧口の形状の異なる上杵用滑沢剤塗布装置部分を、予め、複数個、用意し、下杵用滑沢剤塗布装置部分に、複数個のユニット化した上杵用滑沢剤塗布装置部分を交換可能に取り付けられるようにし、そのような複数個のユニット化した上杵用滑沢剤塗布装置部分の中から、上杵の下面に設けられる、錠剤の錠剤表面に形成する刻印を形成するための凹凸パターンによって、最適な形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布装置部分を、下杵用滑沢剤塗布装置部分に取り付けるようにすれば、簡単に、滑沢剤噴霧装置を簡単に別のタイプの滑沢剤噴霧装置に代えることができることを見い出した。
【0051】
のみならず、重力との関係で、余分な滑沢剤(粉末)が堆積し易い、下杵の上面には、圧力が変動する、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤(粉末)を吹き付け、下杵の上面に吹き付けられる空気の強弱により、下杵の上面に、余分に堆積しがちな滑沢剤(粉末)を下杵の上面から吹き飛ばすようにするのが好ましい一方、重力との関係で、滑沢剤(粉末)が塗布され難い、上杵の下面には、上杵の下面方向に向かう気流に乗って送られてくる滑沢剤(粉末)を、時間をかけて、上杵の下面に衝突させるようにすれば好ましいことを、実験により見い出し、鋭意、努力した結果、本発明を完成するに至った。
【0052】
また、下杵用滑沢剤塗布装置部分の下面を、回転テーブルの表面から離設させて設けるのではなく、下杵用滑沢剤塗布装置部分の下面を、回転テーブルに設けられている複数の臼の回転軌道上に、回転テーブルの表面に接するように設け、且つ、下杵用滑沢剤塗布装置部分の下面を、回転テーブルの表面が摺動するようにすれば、回転テーブルに設けられている複数の臼の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた時に、下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤(粉末)が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に、所定の位置まで挿入されている下杵の上面に噴霧され、回転テーブルに設けられている複数の臼以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきている時には、下杵用滑沢剤噴霧口が閉じられた状態になり、複数の下杵の各々が、下杵用滑沢剤塗布装置部分の下面に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきたときに、下杵用滑沢剤噴霧口から、滑沢剤(粉末)を断続的に噴霧(クロックパルスブロウイング)するようにする技術を用いなくても、この技術と同様の効果が達成できる。
【0053】
のみならず、下杵用滑沢剤噴霧口とは、導通される関係がないようにして、下杵用滑沢剤噴霧口から、複数の臼の各々の内周面及び複数の下杵の各々の上面に、順次、滑沢剤を塗布した後に、順次、複数の臼の各々の内周面及び複数の下杵の各々の上面及び回転テーブルの表面に、余分に付着している滑沢剤を、吸引除去できることを知見して、本発明を完成するに至った。
【0054】
即ち、請求項1に記載の滑沢剤塗布装置は、周方向に、複数の臼が形成された回転テーブルと、回転テーブルに形成された複数の臼の各々と組にされ、回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の上杵と、回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の下杵とを備え、回転テーブルと、複数の上杵と、複数の下杵とを同期させて回転させ、回転テーブルの回転によって、成形材料充填位置に送られてきた臼内に、順次、成形材料を充填し、圧縮成形位置において、成形材料充填位置において、臼内に充填された成形材料を、その臼と組にされている上杵と下杵とを用いて、順次、圧縮し、錠剤化し、錠剤排出位置において、圧縮成形位置において、臼内に製造した錠剤を、順次、目的とする場所に排出するようにされているロータリ型打錠機の、錠剤排出位置と成形材料充填位置との間の滑沢剤噴霧位置に固定的に設けられる、滑沢剤塗布装置であって、塗布装置本体と、塗布装置本体に交換可能に取り付けられる、上杵用滑沢剤塗布ユニットとを備え、塗布装置本体は、その下面に、回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにするように、回転テーブル上に、固定的に取り付けられ、塗布装置本体は、その下面に、下杵用滑沢剤噴霧口を備え、下杵用滑沢剤噴霧口は、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に位置するようにされており、回転テーブルの回転によって、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置に送られてきた臼の各々内に所定の位置迄挿入されている下杵の各々の上面に、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を、順次、吹き付けるようにされており、塗布装置本体は、複数の下杵の各々の上面に、下杵用滑沢剤噴霧口から吹き付けられた滑沢剤の中、余剰分の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導するようになっており、上杵用滑沢剤塗布ユニットは、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に、複数の上杵の回転方向に概ね一致するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備え、上杵用滑沢剤噴霧口から、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく、複数の上杵の各々の下面の各々に、前記塗布装置本体から供給されてくる、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するようにされている。
【0055】
この滑沢剤塗布装置では、まず、第1に、塗布装置本体に、上杵用滑沢剤塗布ユニットを交換可能に取り付けられるようにしている。
【0056】
滑沢剤塗布装置では、この構成を採用した結果、滑沢剤塗布装置を、滑沢剤噴霧位置に固定的に取り付けた後において、この滑沢剤塗布装置を別のタイプの滑沢剤塗布装置を交換する必要がある場合に、一旦、塗布装置本体を、ロータリ型打錠機の滑沢剤噴霧位置に固定的に取り付けた後は、この塗布装置本体を交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを、別のタイプの上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換するだけで、別のタイプの滑沢剤塗布装置を交換することができる。
【0057】
この結果、この滑沢剤塗布装置では、従来の一体成形型の滑沢剤塗布装置に比べ、容易且つ簡単に、ロータリ型打錠機の滑沢剤噴霧位置に取り付けられた滑沢剤塗布装置を、別のタイプの上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換することができる。
【0058】
また、第2に、この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体の下面に、回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにしている。
【0059】
即ち、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの表面に、塗布装置本体の下面が概ね接するように、回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に、塗布装置本体を取り付けている。
【0060】
より詳しく説明すると、回転テーブルの表面に、塗布装置本体の下面が接触しているか、近接していることが好ましい。
【0061】
この構成を採用した結果、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた際に、その塗布装置本体の下面に、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に所定の位置まで挿入されている、下杵の上面に、順次、滑沢剤が噴霧される。
【0062】
その一方、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきている際には、下杵用滑沢剤噴霧口が、回転テーブルの表面により閉じられた状態になるので、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に、不要な滑沢剤が吹き付けられることがない。
【0063】
これにより、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に付着している滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0064】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0065】
また、第3に、この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。
【0066】
ここに、本明細書において用いる用語、「脈動空気振動波」とは、空気流に圧力の高い部分と低い部分とが交互に現れる、脈動する空気の波をいう。
【0067】
また、「正圧」とは、滑沢剤塗布装置の塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、滑沢剤とともに噴霧される空気の圧力が、大気圧に等しいか、大気圧よりも高いことを意味する。
【0068】
また、「正圧の脈動空気振動波」とは、脈動空気振動波の振幅の山が、大気圧よりも高く、その振幅の谷が、大気圧に等しいか、概ね等しい、脈動空気振動波と、脈動空気振動波の振幅の山と谷との双方が、大気圧よりも高い脈動空気振動波との双方を含む。
【0069】
また、この滑沢剤噴霧装置では、正圧の脈動空気振動波として、その周波数(波長)は、使用する滑沢剤の物性に基づいて、滑沢剤が空気に混和し易い周波数(波長)のものが選択される。
【0070】
この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの回転によって、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面に、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。このため、この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、重力との関係で、下杵の上面に余分に付着しがちな滑沢剤が吹き飛ばされる結果、下杵の上面に滑沢剤が余分に付着することがない。
【0071】
また、正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、下杵の上面から吹き飛ばされた滑沢剤は、臼の内周面(より特定的には、臼の成形材料接触面、更に特定的には、臼の内周面の、下杵の上面よりも上方の表面)に、付着する。
【0072】
且つ、この滑沢剤塗布装置では、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導しているので、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤が、下杵の上面及び臼の内周面に、付着することがない。
【0073】
以上により、この滑沢剤塗布装置を用いれば、下杵の上面及び臼の内周面に、順次、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0074】
更に、第4に、この滑沢剤塗布装置では、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、上杵の下面には、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するために、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を設けている。
【0075】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、上杵の下面には、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく間に、時間をかけて、順次、塗布できるので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面にも、必要量の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0076】
請求項2に記載の滑沢剤塗布装置は、周方向に、複数の臼が形成された回転テーブルと、回転テーブルに形成された複数の臼の各々と組にされ、回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の上杵と、回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の下杵とを備え、回転テーブルと、複数の上杵と、複数の下杵とを同期させて回転させ、回転テーブルの回転によって、成形材料充填位置に送られてきた臼内に、順次、成形材料を充填し、圧縮成形位置において、成形材料充填位置において、臼内に充填された成形材料を、その臼と組にされている上杵と下杵とを用いて、順次、圧縮し、錠剤化し、錠剤排出位置において、圧縮成形位置において、臼内に製造した錠剤を、順次、目的とする場所に排出するようにされているロータリ型打錠機の、錠剤排出位置と前記成形材料充填位置との間の滑沢剤噴霧位置に固定的に設けられる、滑沢剤塗布装置であって、塗布装置本体と、塗布装置本体に交換可能に取り付けられる、上杵用滑沢剤塗布ユニットとを備え、塗布装置本体は、その下面に、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に、回転テーブルの回転によって、滑沢剤噴霧位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面に、順次、正圧の脈動空気振動波に混和させた滑沢剤を噴霧する下杵用滑沢剤噴霧口と、下杵用滑沢剤噴霧口から、回転テーブルの回転によって、滑沢剤噴霧位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面に、順次、噴霧された滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに供給する、滑沢剤供給通路とを備え、回転テーブルは、その表面を、塗布装置本体の下面に、摺動させて回転されるようにされており、下杵用滑沢剤噴霧口は、回転テーブルに設けられている複数の臼の回転軌道上に位置するようにされており、上杵用滑沢剤塗布ユニットは、その上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように湾曲し且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備え、上杵用滑沢剤噴霧口から、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく、複数の上杵の各々の下面の各々に、塗布装置本体の滑沢剤供給通路を通じて供給されてくる、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するようにされている。
【0077】
請求項2に記載の滑沢剤塗布装置は、請求項1に記載の滑沢剤塗布装置の機能的構成を、構造的に規定するものである。
【0078】
即ち、この滑沢剤塗布装置では、請求項1に記載の滑沢剤塗布装置の、下杵用滑沢剤噴霧口から吹き付けられた滑沢剤の中、余剰分の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導する手段が、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間に、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとを導通するように設けられた滑沢剤供給通路であることを規定している。
【0079】
この滑沢剤供給通路は、塗布装置本体内を、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように貫通する貫通孔であってもよく、また、塗布装置本体の下面に、下杵用滑沢剤噴霧口と上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように設けられた凹状の溝であってもよい。
【0080】
しかしながら、塗布装置本体の清浄のし易さの観点からは、滑沢剤供給通路は、外部に露呈していることが好ましく、塗布装置本体のを清浄のし易さを考慮した場合には、滑沢剤供給通路は、塗布装置本体内を、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように貫通する貫通孔とするよりは、塗布装置本体の下面に、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように設けられた凹状の溝とする方が、好ましい。
【0081】
尚、滑沢剤供給通路を、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように設けられた凹状の溝とした場合には、下杵用滑沢剤噴霧口から正圧の脈動空気振動波とともに噴霧された滑沢剤は、塗布装置本体の下面に、下杵用滑沢剤噴霧口と、上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように設けられた凹状の溝と、回転テーブルの表面とにより形成される通路を通って、上杵用滑沢剤塗布ユニット側へと供給される。
【0082】
この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に、下杵用滑沢剤噴霧口と上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように、滑沢剤供給通路を設けているので、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきており、下杵用滑沢剤噴霧口が回転テーブルの表面により閉じられた状態になっている時にも、滑沢剤供給通路を通じて、塗布装置本体側から上杵用滑沢剤塗布ユニット側に、連続的に、滑沢剤が供給される。
【0083】
これにより、この滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に設けられているスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口からは、常に、一様に、滑沢剤が噴霧され続けるので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を時間をかけて移動する間に、滑沢剤が均一に塗布される。
【0084】
また、この滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に設けられている上杵用滑沢剤噴霧口を、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けたスリット形状にしている。これにより、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動することになるため、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に、効率良く、滑沢剤が塗布される。
【0085】
請求項3に記載の滑沢剤塗布装置は、請求項1又は請求項2に記載の滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットが、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって最適な、異なった形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有している。
【0086】
この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に交換可能に取り付けられる上杵用滑沢剤塗布ユニットとして、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって最適な、異なった形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有した上杵用滑沢剤塗布ユニットを複数個、予め、用意しているので、そのように、予め、用意されている、複数個の上杵用滑沢剤塗布ユニットの中から、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって、最適な形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有した上杵用滑沢剤塗布ユニットを選択し、これを塗布装置本体に取り付けることで、打錠障害が発生していない錠剤を、工業的生産ベースで、製造することができる。
【0087】
請求項4に記載の滑沢剤塗布装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置の、上杵用滑沢剤塗布ユニットは、前記スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口に沿って、複数の上杵を、順次、収容する上杵収容溝を備える。
【0088】
この滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口に沿って、上杵収容溝を設け、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝内に止まるようにしているので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面へ、複数の上杵の各々が、上杵収容溝内の、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方に沿って移動する間に、効率良く、滑沢剤が塗布される。
【0089】
また、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝内に止まるようにしているので、ロータリ型打錠機の、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵収容溝以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0090】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0091】
請求項5に記載の滑沢剤塗布装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置の、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、更に、上杵用吸引手段が接続され、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を備える。
【0092】
「正圧の脈動空気振動波」は、脈動空気振動波発生源からの距離に比例して、減衰するという正確がある。また、脈動空気振動波発生源から、正圧の脈動空気振動波の進行方向より遠方位置に、空気吸引手段を設け、この空気吸引手段を駆動させると、この空気吸引手段を駆動させることによって、発生した吸引雰囲気の空気流によって、更に、速く減衰する。
【0093】
この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に交換可能に設けられた、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、更に、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設けている。これにより、上杵用吸引手段を駆動することで、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流を発生させると、塗布装置本体から上杵用滑沢剤塗布ユニット側へ、滑沢剤を送る、正圧の脈動空気振動波は、急激に、その脈動空気振動波としての性質が減衰し、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口からは、滑沢剤は、概ね、通常の定常圧流の空気に混和した状態で、且つ、上杵用吸引手段を駆動することにより、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流との協働によって、上杵用吸引口内へと移動する。
【0094】
上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に設けられているので、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方には、そのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の始端から終端まで、概ね一様の上杵用吸引口へ向かう気流が発生している。
【0095】
また、上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置を移動する、複数の上杵の下面より、上方位置に設けられている。
【0096】
これにより、回転テーブルと同期して回転する複数の上杵は、順次、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動する間に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から上杵用吸引口に向かう気流に乗って移動する滑沢剤に晒されることになり、複数の上杵の各々の下面へ、滑沢剤が衝突することで、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に対しても、順次、滑沢剤が均一に塗布される。
【0097】
また、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、複数の上杵の各々の下面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布することが可能になる。
【0098】
のみならず、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、ロータリ型打錠機の、滑沢剤塗布装置以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0099】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0100】
また、上杵用吸引手段の駆動量を調整することで、複数の下杵の各々の上面、及び、複数の臼の各々の内周面の各々に塗布する滑沢剤の塗布量を調整することも可能である。
【0101】
請求項6に記載の滑沢剤塗布装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置の、塗布装置本体は、余剰滑沢剤除去用吸引手段が接続された下杵用吸引口を更に備え、下杵用吸引口は、塗布装置本体の下面に、下杵用滑沢剤噴霧口が設けられた位置から、回転テーブルの回転方向と順方向になる位置に、且つ、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、下杵用吸引口と、下杵用滑沢剤噴霧口とが導通されることがないような、下杵用滑沢剤噴霧口から離設した位置に設けられている。
【0102】
この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するために、塗布装置本体の下面の、回転テーブルの回転方向と順方向となる位置に、余剰滑沢剤除去用吸引手段を設けているが、塗布装置本体の下面に設けた下杵用滑沢剤噴霧口と、余剰滑沢剤除去用吸引手段の下杵用吸引口とが、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通しないように、下杵用吸引口を、下杵用滑沢剤噴霧口から離れた位置に設けている。
【0103】
この下杵用吸引口と下杵用滑沢剤噴霧口との位置関係により、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面へ、下杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される、滑沢剤の噴霧量に、一切、影響を与えることなく、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を任意に調整できるので、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するのに最適な駆動量にすることができる。
【0104】
これにより、この滑沢剤塗布装置を用いれば、重力との関係で、余分な滑沢剤が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できるので、錠剤の表面全体に、最小限の滑沢剤が付着した錠剤を効率良く製造することができる。
【0105】
請求項7に記載の錠剤の製造方法は、複数の臼が形成された回転テーブルと、複数の上杵と、複数の下杵とを同期させて回転させ、内周面に滑沢剤が塗布された臼、下面に滑沢剤が塗布された上杵、及び、上面に滑沢剤が塗布された下杵を用い、成形材料を、順次、圧縮成形し、連続的に錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、回転テーブルの上方の所定の位置に、塗布装置本体を固定的に設け、塗布装置本体の下面に、回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにし、複数の臼の各々の内周面、及び、複数の下杵の各々の上面には、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を、回転テーブルの回転により、下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面に吹き付けることで、下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面に、順次、塗布し、複数の上杵の各々の上面には、塗布装置本体に交換可能に取り付けられるようにされており、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けられた、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備える、上杵用滑沢剤塗布ユニットを用い、複数の上杵の各々が、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を、順次、移動する間に、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、回転テーブルの回転により、下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼の内周面及び下杵の上面に吹き付けられた滑沢剤の中、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から連続的に噴霧して、時間をかけて、順次、塗布するようにし、且つ、製造する錠剤の錠剤表面に設けられる刻印のパターンによって、塗布装置本体は交換することなく、塗布装置本体に交換可能に取り付けられるようにされた上杵用滑沢剤塗布ユニットを、製造する錠剤の錠剤表面に設けられる刻印のパターンに最適な、異なった形状のスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換するようにした。
【0106】
この錠剤の製造方法では、まず、第1に、塗布装置本体に対し、上杵用滑沢剤塗布ユニットを、交換可能に取付けできるようにしている。
【0107】
これにより、この錠剤の製造方法では、一旦、塗布装置本体を回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に取り付けた後は、塗布装置本体は交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを交換すればよいので、一体成形された滑沢剤噴霧装置を交換する場合に比べ、滑沢剤噴霧位置を別のタイプの滑沢剤噴霧装置に、極めて簡単に交換できる。
【0108】
即ち、この錠剤の製造方法では、一旦、塗布装置本体を回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に取り付けた後は、塗布装置本体は交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを、製造する錠剤の錠剤表面に設けられる刻印のパターンに最適な形状のスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換することで、打錠障害のない錠剤を製造することができるため、打錠障害が発生していない錠剤を、工業的生産ベースで、製造することができる。
【0109】
また、第2に、この錠剤の製造方法では、滑沢剤塗布装置を、塗布装置本体の下面が、回転テーブルの表面に接するように、回転テーブル上の滑沢剤塗布位置に固定的に、取り付けている。
【0110】
この構成を採用した結果、この錠剤の製造方法では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた際に、その塗布装置本体の下面に、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に所定の位置まで挿入されている、下杵の上面に、順次、滑沢剤が噴霧される。
【0111】
その一方、この錠剤の製造方法では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきている際には、下杵用滑沢剤噴霧口が、回転テーブルの表面により閉じられた状態になるので、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に、不要な滑沢剤が吹き付けられることがない。
【0112】
これにより、この錠剤の製造方法に従えば、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に付着している滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0113】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0114】
また、第3に、この錠剤の製造方法では、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしているので、この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、重力との関係で、下杵の上面に余分に付着しがちな滑沢剤が吹き飛ばされる結果、下杵の上面に滑沢剤が余分に付着することがない。
【0115】
また、正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、下杵の上面から吹き飛ばされた滑沢剤は、臼の内周面(より特定的には、臼の成形材料接触面、更に特定的には、臼の内周面の、下杵の上面よりも上方の表面)に、付着する。
【0116】
且つ、この錠剤の製造方法では、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導しているので、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤が、下杵の上面及び臼の内周面に、付着することがない。
【0117】
以上により、この錠剤の製造方法を用いれば、下杵の上面及び臼の内周面に、順次、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0118】
更に、第4に、この錠剤の製造方法では、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、上杵の下面には、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するために、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように湾曲するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を設けている。
【0119】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状にされた上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動していく間に、滑沢剤が、時間をかけて、順次、塗布される。
【0120】
この結果、この錠剤の製造方法を用いれば、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面にも、必要量の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0121】
請求項8に記載の錠剤の製造方法は、請求項7に記載の錠剤の製造方法で用いられる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような形状の上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設け、複数の上杵の各々の下面に、順次、滑沢剤を塗布する際に、上杵用吸引手段を駆動するようにした。
【0122】
この錠剤の製造方法では、塗布装置本体に交換可能に設けられた、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、更に、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設けている。これにより、上杵用吸引手段を駆動することで、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流を発生させると、塗布装置本体から上杵用滑沢剤塗布ユニット側へ、滑沢剤を送る、正圧の脈動空気振動波は、急激に、その脈動空気振動波としての性質が減衰し、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口からは、滑沢剤は、概ね、通常の定常圧流の空気に混和した状態で、且つ、上杵用吸引手段を駆動することにより、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流との協働によって、上杵用吸引口内へと移動する。
【0123】
上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に設けられているので、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方には、そのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の始端から終端まで、概ね一様の上杵用吸引口へ向かう気流が発生している。
【0124】
また、上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置を移動する、複数の上杵の下面より、上方位置に設けられている。
【0125】
これにより、回転テーブルと同期して回転する複数の上杵は、順次、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動する間に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から上杵用吸引口に向かう気流に乗って移動する滑沢剤に晒されることになり、複数の上杵の各々の下面へ、滑沢剤が衝突することで、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に対しても、順次、滑沢剤が均一に塗布される。
【0126】
また、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、複数の上杵の各々の下面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布することが可能になる。
【0127】
のみならず、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、ロータリ型打錠機の、滑沢剤塗布装置以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0128】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0129】
また、上杵用吸引手段の駆動量を調整することで、複数の下杵の各々の上面、及び、複数の臼の各々の内周面の各々に塗布する滑沢剤の塗布量を調整することも可能である。
【0130】
請求項9に記載の錠剤の製造方法は、請求項7又は請求項8に記載の錠剤の製造方法で用いる、塗布装置本体の下面に、下杵用滑沢剤噴霧口が設けられた位置から、回転テーブルの回転方向と順方向になる位置に、且つ、下杵用滑沢剤噴霧口とは、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通されることがないような離設した位置に下杵用吸引口を有する余剰滑沢剤除去用吸引手段を設け、余剰滑沢剤除去用吸引手段を駆動することにより、下杵用滑沢剤噴霧口から、複数の臼の各々の内周面、下杵の各々の上面に、順次、滑沢剤を塗布した後に、順次、複数の臼の各々の内周面、複数の下杵の各々の上面及び回転テーブルの表面に、余分に付着している滑沢剤を、下杵用吸引口から、順次、除去するようにした。
【0131】
この錠剤の製造方法では、塗布装置本体に、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するために、塗布装置本体の下面の、回転テーブルの回転方向と順方向となる位置に、余剰滑沢剤除去用吸引手段を設けているが、塗布装置本体の下面に設けた下杵用滑沢剤噴霧口と、余剰滑沢剤除去用吸引手段の下杵用吸引口とが、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通しないように、下杵用吸引口を、下杵用滑沢剤噴霧口から離れた位置に設けている。
【0132】
この下杵用吸引口と下杵用滑沢剤噴霧口との位置関係により、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面へ、下杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される、滑沢剤の噴霧量に、一切、影響を与えることなく、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を任意に調整できるので、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の内周面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するのに最適な駆動量にすることができる。
【0133】
これにより、この錠剤の製造方法を用いれば、重力との関係で、余分な滑沢剤が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面や、複数の臼の各々の内周面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できるので、錠剤の表面全体に、最小限の滑沢剤が付着した錠剤を効率良く製造することができる。
【0134】
のみならず、この錠剤の製造方法を用いれば、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を完全に除去することができるので、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0135】
この結果、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0136】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい例を、図面を参照しながら、更に、詳しく説明する。
【0137】
図1は、本発明に係る滑沢剤噴霧装置の一例を概略的に示す斜視図である。
【0138】
また、図2は、本発明に係る滑沢剤噴霧装置の一例のコンセプトを概略的に示す分解斜視図である。
【0139】
この滑沢剤塗布装置1は、塗布装置本体1aと、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bとを備える。
【0140】
この滑沢剤塗布装置1では、図2と図31との対比より明らかなように、塗布装置本体1aと、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bとを一体成形品とするのではなく、塗布装置本体1aに対して、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bを、別体に設け、塗布装置本体1aに対して、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bを交換可能にしているという、新規な構成を備えている。
【0141】
この例では、塗布装置本体1aは、所定の位置に、溝や凹部が設けられた樹脂ブロックになっており、また、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bも、所定の位置に、溝や凹部が設けられた樹脂ブロックになっている。
【0142】
尚、塗布装置本体1a及び上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの詳しい形状・構造については、後程、詳述する。
【0143】
図3は、滑沢剤塗布装置1が取り付けられる場所を概略的に説明する平面図である。
【0144】
より具体的に説明すると、図3は、ロータリ型打錠機11を、ロータリ型打錠機11を構成する回転テーブル12を中心にして、概略的に示す平面図である。
【0145】
ロータリ型打錠機11は、回転軸に対して回転可能に設けられた、回転テーブル12を備える。
【0146】
この回転テーブル12には、その周方向には、複数の臼13・・・が設けられている。
【0147】
複数の臼13・・・の各々には、複数の臼13・・・の各々に対応するように、複数の下杵(図5、図6及び図14等に示す複数の下杵14・・・を参照)と、複数の上杵(図5、図6及び図14等に示す複数の上杵15・・・を参照)とが設けられている。
【0148】
複数の下杵(図5、図6及び図14等に示す複数の下杵14・・・を参照)の各々と、複数の上杵(図5、図6及び図14等に示す複数の上杵15・・・を参照)の各々とは、回転テーブル12、より詳しくは、回転テーブル12の周方向に設けられている複数の臼13・・・と同期して回転するようにされている。
【0149】
且つ、複数の下杵(図5、図6及び図14等に示す複数の下杵14・・・を参照)と、複数の上杵(図5、図6及び図14等に示す複数の上杵15・・・を参照)とは、カム機構(図示せず。)によって、回転テーブル12の所定の位置で、回転軸方向に、上下方向に移動するようになっている。
【0150】
尚、図3中、21で示す部材装置は、成形材料を臼13・・・の各々内に充填するフィードシューを、22で示す部材装置は、フィードシュー21から臼13・・・の各々内に充填された成形材料を一定量にするためのスクレーパを、又、23で示す部材装置は、製造された錠剤tを排出シート24へ排出するために設けられている錠剤排出用スクレーパを、各々、示している。
【0151】
また、図3中、R1で示す位置は、滑沢剤噴霧位置である。
【0152】
また、R2で示す位置は、成形材料充填位置であり、このロータリ型打錠機11では、成形材料充填位置R1には、フィードシュー21が取り付けられている。
【0153】
また、R3で示す位置は、予備打錠位置であり、このロータリ型打錠機11では、予備打錠位置R3において、臼13・・・の各々内に充填された成形材料が、臼13・・・の各々と組にされた、下杵14・・・の各々及び上杵15・・・の各々により、順次、予備打錠されるようになっている。
【0154】
また、R4で示す位置は、本打錠位置であり、このロータリ型打錠機11では、本打錠位置R4において、予備打錠位置R3において予備打錠された、臼13・・・の各々内に充填されている成形材料が、臼13・・・の各々と組にされた、下杵14・・・の各々及び上杵15・・・の各々により、本格的に圧縮成形され、順次、錠剤t・・・にされるようになっている。
【0155】
また、R5で示す位置は、錠剤排出位置であり、このロータリ型打錠機11では、錠剤排出位置R5において、下杵14・・・の各々が、臼13・・・の各々内を上昇し、臼13・・・の各々内において製造されている錠剤t・・・が、順次、錠剤排出用スクレーパ23により、排出シート24へ排出されるようになっている。
【0156】
次に、本発明に係る滑沢剤塗布装置1の構成及びロータリ型打錠機11への取付方法について、説明する。
【0157】
本発明に係る滑沢剤塗布装置1は、錠剤排出位置R5と成形材料充填位置R2との間の位置、即ち、滑沢剤噴霧位置R1に設けられる。
【0158】
図4は、ロータリ型打錠機11の滑沢剤噴霧位置R1に取り付けられた滑沢剤塗布装置1を拡大して概略的に示す平面図を示している。
【0159】
また、図5は、図4中に示した、V−V線に従う、滑沢剤塗布装置1の概略的な断面図である。
【0160】
滑沢剤塗布装置1を構成する塗布装置本体1aは、取付台p1aを有している。
【0161】
塗布装置本体1aを、回転テーブル12上に取り付ける際には、取付台p1aを、回転テーブル12から外方に張り出すようにし、回転テーブル12の外方の所定の位置に設けられているスタンド等の塗布装置本体取付具(図示せず)に、取付台p1aを取り付ける。
【0162】
また、塗布装置本体1aを回転テーブル12上に取り付ける際には、図5に示すように、塗布装置本体1aの下面S1a2が、回転テーブル12の表面S12に概ね接するようにして、塗布装置本体1aを回転テーブル12上に取り付ける。
【0163】
塗布装置本体1aの下面S1a2は、回転テーブル12がその表面S12を塗布装置本体1aの下面S1a2に接してスムーズに回転できるように、十分に研磨されている。
【0164】
塗布装置本体1aの下面S1a2は、回転テーブル12の表面S12に接触しているか、近接していることが好ましい。
【0165】
塗布装置本体1aの下面S1a2は、回転テーブル12の表面S12に近接させる場合には、塗布装置本体1aの下面S1a2と、回転テーブル12の表面S12との間の隙間は、狭ければ狭い程、好ましい。
【0166】
より具体的に説明すると、塗布装置本体1aの下面S1a2と、回転テーブル12の表面S12との間の隙間は、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下、特に好ましくは、30μm以下である。
【0167】
このように、塗布装置本体1aの下面S1a2と、回転テーブル12の表面S12との間の隙間を狭くすると、この隙間を通って、滑沢剤粉末が、外部へ飛散するという現象を防ぐことができる。
【0168】
また、塗布装置本体1aの下面S1a2には、回転テーブル12の表面S12上又は臼13・・・内に付着している汚れ(残余の成形材料及び/又は残余の滑沢剤粉末)を除去し、回転テーブル12の表面及び臼13・・・内を清浄するための吸引凹所h7が設けられている。
【0169】
尚、この例では、接続口j6は、上杵用吸引口h6と、吸引凹所h7との双方に接続されており、接続口j6に接続された余剰滑沢剤吸引手段(図14に示す余剰滑沢剤吸引手段101)を駆動すれば、上杵用吸引口h6に、上杵用吸引口h6内に向かう、吸引雰囲気の空気流と、吸引凹所h7に、吸引凹所h7内に向かう、吸引雰囲気の空気流との双方が発生するようにしてあるが、これは、単なる例示であって、接続口j6は、必ずしも、上杵用吸引口h6と、吸引凹所h7との双方に接続されている必要はなく、接続口j6が上杵用吸引口h6にのみ接続され、吸引凹所h7には、接続口j6とは別の接続口(図示せず。)を接続するようにし、吸引凹所h7には、別の接続口(図示せず。)に接続した吸引手段(図示せず。)を接続し、接続口j6に接続された余剰滑沢剤吸引手段(図14に示す余剰滑沢剤吸引手段101)を駆動すれば、上杵用吸引口h6に、上杵用吸引口h6内に向かう、吸引雰囲気の空気流が発生し、吸引凹所h7に接続された別の接続口(図示せず。)に接続した吸引手段を駆動すれば、吸引凹所h7に、吸引凹所h7内に向かう、吸引雰囲気の空気流との双方が発生するようにしてもよい。
【0170】
塗布装置本体1aは、その下面S1a2に、下杵用滑沢剤噴霧口h1を備える。
【0171】
下杵用滑沢剤噴霧口h1は、回転テーブル12の周方向に設けられた複数の臼13・・・の回転軌道上に位置するように設けられる。
【0172】
この下杵用滑沢剤噴霧口h1は、塗布装置本体1aの下面S1a2に対し、垂直方向又は概ね垂直方向を向いている。
【0173】
また、塗布装置本体1aは、その下面S1a2に、 下杵用滑沢剤噴霧口h1から、回転テーブル12の回転によって、滑沢剤噴霧位置R1に送られてきた臼13の内周面S13及びその臼13内に所定の位置まで挿入されている下杵14の上面S14に、順次、噴霧された滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bに供給する、滑沢剤供給通路h2を備える。
【0174】
この例では、塗布装置本体1aは、その下面S1a2に、下杵用滑沢剤噴霧口h1と上杵用滑沢剤塗布ユニット1bとの間を導通するように設けられた凹状の溝を有しており、滑沢剤供給通路h2は、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられた凹状の溝と、回転テーブル12の表面S12とにより形成されている。
【0175】
尚、この例では、塗布装置本体1aの、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bが取り付けられる部分には、上部が開口した中空室h3が設けられており、滑沢剤供給通路h2は、下杵用滑沢剤噴霧口h1と中空室h3とを導通するように、下杵用滑沢剤噴霧口h1と中空室h3との間に設けられている。
【0176】
また、この例では、中空室h3は、平面視した場合、複数の臼13・・・の回転軌道と一致または概ね一致するような湾曲した形状を有している。
【0177】
更に、この例では、塗布装置本体1aは、その下面S1a2の、回転テーブル12の回転方向と順方向となる側に、下杵用吸引口h4を備える。
【0178】
下杵用吸引口h4には、ブロア等で構成された、余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)が接続されており、余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)を駆動すると、下杵用吸引口h4内に向かう吸引雰囲気の空気流が発生するようになっている。
【0179】
この下杵用吸引口h4は、回転テーブル12の回転により、塗布装置本体1aの下方を移動する臼13・・・の各々により、下杵用吸引口h4と、下杵用滑沢剤噴霧口h1とが導通されることがないような、下杵用滑沢剤噴霧口h1から離設した位置に設けられている。
【0180】
より具体的に説明すると、この例では、下杵用吸引口h4は、下杵用吸引口h4と下杵用滑沢剤噴霧口h1との間の距離L1が、臼13・・・の各々の直径L13より長くなる関係の位置に設けられている(L1>L13)。
【0181】
また、下杵用吸引口h4は、回転テーブル12の回転軸から外方向に向かう、長いスリット孔にされている。
【0182】
このスリット孔にされている下杵用吸引口h4は、回転テーブル12の、複数の臼13・・・の各々の周辺の表面に、付着した余分な滑沢剤を効率良く除去できるようにするために、回転テーブル12の回転によって、下杵用吸引口h4の下方位置を通過する、複数の臼13・・・の各々を跨ぐような長さにされている。
【0183】
上杵用滑沢剤塗布ユニット1bは、上述したように、塗布装置本体1aに、交換可能に取り付けられるようになっている。
【0184】
図1及び図2では、塗布装置本体1aに、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bを取り付けた例を示しているが、より詳しくは、製造する錠剤の錠剤表面の刻印や割線の有無等により、例えば、塗布装置本体1aには、後程、詳細に説明する、図6、図7、図8、図9及び図10の各々に示すような、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0、1b−1、1b−2、1b−3、1b−4が、交換可能に取り付けられる。
【0185】
この例では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bは、ボルトv、v等の固定手段により、塗布装置本体1aに取り付けられるようになっている。
【0186】
図2中、h11、h11で示す孔は、ボルトv、v等の固定手段を挿通するために、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bに設けられたボルト挿通孔を、また、h12、h12で示す孔は、ボルトv、v等の固定手段を螺合するためのボルト螺合孔を示している。
【0187】
上杵用滑沢剤塗布ユニット1bは、その上面側S1b1側に、上杵用滑沢剤噴霧口h5を備える。
【0188】
この上杵用滑沢剤噴霧口h5は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って長く設けられたスリット孔(貫通孔)になっている。
【0189】
より特定的に説明すると、上杵用滑沢剤噴霧口h5は、複数の上杵15・・・の回転軌道に一致又は概ね一致するように且つ長区設けられたスリット孔(貫通孔)になっている。
【0190】
そして、この滑沢剤塗布装置1では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bを塗布装置本体1aに取り付けた後の状態において、上杵用滑沢剤噴霧口h5が、塗布装置本体1aに設けられている、上部が開口した中空室h3の上方に位置するようになっており、中空室h3と、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bとの間が導通するようになっている。
【0191】
この構成により、この滑沢剤塗布装置1では、下杵用滑沢剤噴霧口h1から噴霧され、塗布装置本体1aの下杵用滑沢剤噴霧口h1と導通するように設けられた滑沢剤供給通路h2を介して、中空室h3に送られてきた滑沢剤が、上杵用滑沢剤噴霧口h5から噴霧されるようになっている。
【0192】
更に、この例では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bは、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5に沿って、複数の上杵15・・・を、順次、収容する上杵収容溝Dを備える。
【0193】
この例では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵収容溝Dの底面に、上杵用滑沢剤噴霧口h5が設けられている。
【0194】
この滑沢剤塗布装置1では、1台の塗布装置本体1aに対して、上杵用滑沢剤噴霧口h5の形状が異なる複数の上杵用滑沢剤塗布ユニットがそのように、予め、用意されている。
【0195】
図6〜図10の各々に示す図は、そのような複数の上杵用滑沢剤塗布ユニットの各々を例示的に示す概略的な平面図である。
【0196】
図6に示す上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0は、図33(a)に示したような、錠剤表面Saに刻印が設けられていない錠剤tを製造するのに適した、標準タイプの錠剤製造用の上杵用滑沢剤塗布ユニットを提案している。
【0197】
この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面の中央部に、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って、比較的、幅の広い、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口(このタイプの上杵用滑沢剤噴霧口5hを、図6中では、上杵用滑沢剤噴霧口h5−0と表している。)を有している。
【0198】
したがって、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0を用いれば、複数の上杵15・・・の各々が、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−0)の始端esから終端eeまで移動する間に、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−0)から供給される滑沢剤が、常に、上杵15・・・の各々の下面S15の概ね中心部分に、衝突し、その後、上杵15・・・の各々の下面S15に従って、滑沢剤が、上杵15・・・の各々の下面S15の外周側に移行するので、上杵15・・・の各々の下面S15全体に、万遍なく、滑沢剤が塗布される。
【0199】
この結果、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0を用いれば、図33(a)に示したような、錠剤表面Saに刻印が設けられていない錠剤tを、錠剤表面Saに打錠障害を発生させることなく、効率よく、製造することができる。
【0200】
また、図7に示す上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−1は、図34(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印が設けられている錠剤tや、図35(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印や、割線C3が設けられている錠剤tを製造するのに適した、刻印入りタイプの錠剤製造用の上杵用滑沢剤塗布ユニットを提案している。
【0201】
この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−1は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面に、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って、階段状のスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5(このタイプの上杵用滑沢剤噴霧口5hを、図7中では、上杵用滑沢剤噴霧口h5−1と表している。)を有している。
【0202】
したがって、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−1を用いれば、複数の上杵15・・・の各々が、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−1)の始端esから終端eeまで移動する間に、まず、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面の、医薬品コードC2の刻印を形成する雄型M2が通過する、上杵収容溝Dの底面の中央部からずれた位置に設けられた、第1段部dl−1から供給される滑沢剤により、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に設けられている、医薬品コードC2の刻印を形成する雄型M2が設けられている部分が十分に塗布され、次いで、上杵収容溝Dの底面の中央部に設けられている第2段部dl−2から供給される滑沢剤により、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・の中央部、又は、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に、割線C3形成する雄型M3が設けられている場合にあっては、この雄型M3が設けられている部分が十分に塗布され、最後に、上杵収容溝Dの底面の、上杵収容溝Dの底面の中央部から、第1段部dl−1とは逆方向にずれた位置に設けられている、第3段部dl−3から供給される滑沢剤により、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に設けられている、会社コードC1の刻印を形成する雄型M1が設けられた部分が十分に塗布される。
【0203】
この結果、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−1を用いれば、図34(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印が設けられている錠剤tや、図35(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印や、割線C3が設けられている錠剤tを、錠剤表面Saに打錠障害を発生させることなく、効率よく、製造することができる。
【0204】
また、図8に示す上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−2は、錠剤表面Saに、割線が設けられている分割錠剤tを製造するのに適した、刻印入りタイプの錠剤製造用の上杵用滑沢剤塗布ユニットを提案している。
【0205】
この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−2は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面の中央部に、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って、図6に示す、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0に設けられている上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−0)に比べ、幅の狭いスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5(このタイプの上杵用滑沢剤噴霧口5hを、図8中では、上杵用滑沢剤噴霧口h5−2と表している。)を有している。
【0206】
したがって、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−2を用いれば、複数の上杵15・・・の各々が、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−2)の始端esから終端eeまで移動する間に、この幅の狭いスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−2)から供給される滑沢剤により、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−0)を用いた場合に比べ、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に設けられている割線C3を形成する雄型M3が設けられている部分が十分に塗布される。
【0207】
この結果、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−2を用いれば、錠剤表面Saに、割線C3が設けられている錠剤tを、錠剤表面Saに打錠障害を発生させることなく、効率よく、製造することができる。
【0208】
また、図9に示す上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−3は、錠剤表面Saに、割線社が設けられた錠剤tや、図35(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印や、割線C3が設けられている錠剤tを製造するのに適した、刻印入りタイプの錠剤製造用の上杵用滑沢剤塗布ユニットを提案している。
【0209】
この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−3は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面の中央部に、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿うように設けられた、スリット形状の上杵用滑沢剤主噴霧口hmと、この上杵用滑沢剤主噴霧口hmの途中から、所定の間隔を隔てるようにして、上杵用滑沢剤主噴霧口hmに対し、両側に、概ね垂直方向に分岐するように形成された、複数の上杵用滑沢剤分岐噴霧口hb・・・とを備える、上杵用滑沢剤噴霧口h5(このタイプの上杵用滑沢剤噴霧口5hを、図9中では、上杵用滑沢剤噴霧口h5−3と表している。)を有している。
【0210】
したがって、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−3を用いれば、複数の上杵15・・・の各々が、上杵用滑沢剤噴霧口h5(h5−3)の始端esから終端eeまで移動する間に、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝Dの底面の中央部に設けられた、上杵用滑沢剤主噴霧口hmから供給される滑沢剤により、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に設けられている割線C3を形成する雄型M3が設けられている部分が十分に塗布される。また、上杵用滑沢剤主噴霧口hmの所々に設けられている、複数の上杵用滑沢剤分岐噴霧口hb・・・から供給される滑沢剤により、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に設けられている、会社コードC1の刻印を形成する雄型M1が設けられている部分や、医薬品コードC2の刻印を形成する雄型M2が設けられている部分が十分に塗布される。
【0211】
更に、この滑沢剤噴霧装置1では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5の概ね上方位置に、上杵用吸引手段(図示せず。)が接続された、上杵用吸引口h6が設けられるようになっている。
【0212】
また、図10に示す上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−4は、錠剤表面Saに、割線社が設けられた錠剤tや、図35(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印や、割線C3が設けられている錠剤tを製造するのに適した、刻印入りタイプの錠剤製造用の上杵用滑沢剤塗布ユニットを提案している。
【0213】
この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−4は、上杵用滑沢剤噴霧口h5を、スリット形状にするのではなく、複数の噴霧孔hs・・・を、上杵15・・・の回転軌道に沿って、配列している。
【0214】
このように、上杵用滑沢剤噴霧口h5を、複数の噴霧孔hs・・・で構成した場合には、複数の噴霧孔hs・・・の各々から、空気とともに噴霧される滑沢剤に、ある種の整流作用のような作用が働き、複数の噴霧孔hs・・・の上を、上杵15が移動する間に、上杵15の下面S15に、滑沢剤が均一に塗布される。
【0215】
また、複数の噴霧孔hs・・・は、1列に設けても良いが、複数列にして設けるようにしてもよい。
【0216】
また、複数の噴霧孔hs・・・を、複数列にして設ける場合にあっては、列毎に設けられる噴霧孔hs・・・の各々を、隣接する列に設けられる噴霧孔hs・・・の各々の間に位置する関係に設けることが好ましい。
【0217】
この例では、複数の噴霧孔hs・・・を3列にして設けている。
【0218】
また、中心の列に設けられる複数の貫通孔hs・・・の各々を、この中心の列を挟むようにして設けられている2つの列の各々に設けられる複数の貫通孔hs・・・の各々の間に位置するように設けている。
【0219】
このように、複数の噴霧孔hs・・・を、複数列にして設ける場合にあっては、列毎に設けられる噴霧孔hs・・・の各々を、隣接する列に設けられる噴霧孔hs・・・の各々の間に位置する関係(互い違いの関係)に配置した場合には、上杵用滑沢剤噴霧口h5を、ジグザグ形状に設けた場合と同様の効果が得られる。
【0220】
したがって、この上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−4は、錠剤表面Saに、割線社が設けられた錠剤tや、図35(a)に示したような、錠剤表面Saに、会社コードC1の刻印や、医薬品コードC2の刻印や、割線C3が設けられている錠剤tを製造するのに適している。
【0221】
また、上杵用吸引口h6は、上杵用滑沢剤噴霧口h5の全体を覆うような形状になっている。
【0222】
尚、この例では、上杵用吸引口h6は、上杵収容溝Dの側壁の一部をなすように設けられており、その入り口は、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って、湾曲した形状になっている。
【0223】
この構成により、上杵用吸引手段(図示せず。)を駆動することで、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5の始端esから終端eeの上方に、概ね一様な、上杵用滑沢剤噴霧口h5から上杵用吸引口h6に向かう、空気流を形成できるようになっている。
【0224】
尚、図1、図2、図3、図4及び図5中、j1で示す部材は、塗布装置本体1aの下杵用滑沢剤噴霧口h1に、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を供給する導管が接続される接続口を、j4で示す部材は、下杵用吸引口h4と余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)との間を接続する導管が接続される接続口を、また、j6で示す部材は、上杵用吸引口h6と上杵用吸引手段(図示せず。)との間を接続する導管が接続される接続口を示している。
【0225】
この例では、接続口j1、j4、j6の各々への導管の接続を簡単に行えるように、接続口j1、j4、j6を、いずれも、塗布装置本体1aの取付台p1aの上面側に設けている。
【0226】
次に、ロータリ型打錠機11の錠剤を製造する際の動作について説明する。
【0227】
まず、このロータリ型打錠機11を用いて、錠剤を製造する際には、塗布装置本体1aを、滑沢剤噴霧位置R1に取り付ける。
【0228】
この時、塗布装置本体1aを、回転テーブル12上の、滑沢剤噴霧位置R1に、塗布装置本体1aの下面S1a2が、回転テーブル12の表面S12に接するように、且つ、下杵用滑沢剤噴霧口h1が、回転テーブル12の周方向に設けられている、複数の臼13・・・の回転軌道上に位置するように、固定的に取り付ける。
【0229】
次に、製造する錠剤の形状、より特定的には、錠剤の錠剤表面Saに設けられる、会社コードC1の刻印の有無、医薬品コードC2の刻印の有無、及び/又は、割線C3の有無等により、最適の形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5を有する、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b(この例では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0、1b−1、1b−2、1b−3、1b−4のいずれか)を取り付ける。
【0230】
また、接続口j1に接続された導管を介して接続された、滑沢剤供給源(図示せず。)から、正圧の脈動空気振動波の混和した滑沢剤を、下杵用滑沢剤噴霧口h1に供給する。
【0231】
ここで、本発明で用いている、「正圧の脈動空気振動波」について、説明する。
【0232】
図11は、本発明で用いている、「正圧の脈動空気振動波」を模式的に示す説明図である。
【0233】
ここに、本明細書において用いる用語、「脈動空気振動波」とは、空気流に圧力の高い部分と低い部分とが交互に現れる、脈動する空気の波をいう。
【0234】
また、「正圧」とは、滑沢剤塗布装置の塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、滑沢剤とともに噴霧される空気の圧力が、大気圧に等しいか、大気圧よりも高いことを意味する。
【0235】
本発明で用いる、「正圧の脈動空気振動波」は、図11(a)に示すような、脈動空気振動波の振幅の山が、大気圧よりも高く、その振幅の谷が、大気圧に等しいか、概ね等しい、脈動空気振動波であってもよく、また、図11(b)に示すような、脈動空気振動波の振幅の山と谷との双方が、大気圧よりも高い脈動空気振動波であってもよい。
【0236】
また、この滑沢剤噴霧装置1では、正圧の脈動空気振動波として、その周波数(波長)は、使用する滑沢剤の物性に基づいて、滑沢剤が空気に混和し易い周波数(波長)のものが選択される。
【0237】
より詳しく説明すると、本発明で用いる正圧の脈動空気振動波は、滑沢剤の物性によっても異なるため、一概には限定できないものの、例えば、10Hz以上40Hz以下の周波数のものを用いるのが好ましい。
【0238】
上記した周波数を有する、正圧の脈動空気振動波を用いた場合には、この脈動空気振動波の振幅を調整することで、従来の、定常圧流を用いた粉体材料の空気輸送等では調整(ハンドリング)が困難であった、滑沢剤の微量定量供給、より特定的には、滑沢剤の200mg/分以上2000mg/分以下の微量定量供給を行うことができる。
【0239】
尚、正圧の脈動空気振動波に、滑沢剤を混和する滑沢剤供給装置(定量フィーダ)の詳しい構成については、後程、詳しく説明する。
【0240】
次に、回転テーブル12、複数の下杵14・・・、及び、複数の上杵15・・・を所定の回転速度で、各々が、互いに、同期するようにして回転させる。
【0241】
また、フィードシュー21に、錠剤化する、成形材料を供給する。
【0242】
尚、このフィードシュー21に供給される成形材料中には、ロータリ型打錠機11によって製造される錠剤に、いわゆる打錠障害が発生するのを防ぐことを目的とした滑沢剤は、添加しない。
【0243】
しかしながら、成形材料の流動性を高めることを目的としたり、あるいは、成滑沢剤が添加された成形材料を用いて製造された錠剤と、崩壊特性や溶解特性を、概ね一致したものとするために、成形材料中に、滑沢剤を、添加することを何ら禁じるものではない。
【0244】
また、接続口j6に接続された導管を介して接続されている、上杵用吸引手段(図示せず。)を所定の駆動量で駆動する。
【0245】
また、塗布装置本体1aに下杵用吸引口h4が設けられている場合にあっては、下杵用吸引口h4に接続されている、余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)を所定の駆動量で駆動する。
【0246】
更に、上杵用吸引口h6が、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5の概ね上方位置に設けられている場合にあっては、上杵用吸引口h6に接続されている、上杵用吸引手段(図示せず。)を所定の駆動量で駆動する。
【0247】
次に、以上の工程により、この滑沢剤噴霧装置1により行われる、回転テーブル12に設けられている複数の臼13・・・の各々の内周面S13、複数の下杵14・・・の各々の下面S14・・・、及び、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・へ滑沢剤を塗布する塗布方法(動作原理)について、以下に、説明する。
【0248】
図12は、この滑沢剤噴霧装置1の動作原理を概略的に説明する説明図である。
【0249】
また、図13は、滑沢剤塗布装置1の、臼13の内周面S13、下杵14の上面S14、及び、上杵15の上面S15の各々への滑沢剤(粉末)の塗布方法(動作・原理)を模式的に説明するタイムチャートである。
【0250】
回転テーブル12、複数の下杵14・・・、及び、複数の上杵15・・・を回転させると、回転テーブル12に設けられている複数の臼13・・・、複数の下杵14・・・、及び、複数の上杵15・・・が、順次、滑沢剤噴霧位置R1へ送られてくる。
【0251】
まず、この滑沢剤塗布装置1の塗布装置本体1aの、複数の臼13・・・の各々の内周面S13・・・、及び、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・へ滑沢剤を塗布する動作・原理について説明する。
【0252】
図12(a)は、そのようにして、滑沢剤噴霧位置R1に送られてきた、複数の臼13、13、複数の下杵14、14、及び、複数の上杵15、15を例示的に表している。
【0253】
より詳しく説明すると、図12(a)は、図示されている、2個の上杵15、15の中、想像線で示した上杵15と組になる臼13が、丁度、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口h1の下位置に送られてきて、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下位置に送られてきた臼13内に所定の位置まで挿入されている下杵14の表面S14に、状態を示しており、正圧の脈動空気振動波に混和された滑沢剤が、噴霧されている状態を示している。
【0254】
図12(a)に示す状態では、下杵用滑沢剤噴霧口h1が、塗布装置本体1aの下面S1a2に対し、垂直方向又は概ね垂直方向を向いているので、下杵用滑沢剤噴霧口h1から、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧される滑沢剤は、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下位置に送られてきている、臼13内に所定の位置まで挿入されている下杵14の表面S14に、概ね垂直方向に吹き付けられる。
【0255】
この滑沢剤塗布装置1では、回転テーブル12の回転によって、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置にきた臼13内に所定の位置まで挿入されている下杵14の上面S14に、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。このため、この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、重力との関係で、下杵14の上面S14に余分に付着しがちな滑沢剤が吹き飛ばされる結果、下杵14の上面S14に滑沢剤が余分に付着することがない。
【0256】
また、正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、下杵14の上面S14から吹き飛ばされた滑沢剤は、臼13の内周面(より特定的には、臼の成形材料接触面、更に特定的には、臼の内周面の、下杵の上面よりも上方の表面)S13に、付着する。
【0257】
且つ、この滑沢剤塗布装置1では、滑沢剤供給通路h2を、下杵用滑沢剤噴霧口h1と、中空室h3とを導通するように設けているので、下杵14の上面S14及び臼13の内周面S13にとって、余剰の滑沢剤は、正圧の脈動空気振動波とともに、滑沢剤供給通路h2を通って、中空室h3へと送られる。
【0258】
更に、この滑沢剤塗布装置1では、上杵用吸引手段(図示せず。)を所定の駆動量で駆動することで、滑沢剤供給通路h2に、下杵用滑沢剤噴霧口h1から中空室h3へ向かう気流を発生させているので、下杵14の上面S14及び臼13の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bに誘導される。
【0259】
この結果、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、下杵14の上面S14及び臼13の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bに誘導しているので、下杵14の上面S14及び臼13の内周面S13にとって、余剰の滑沢剤が、下杵の上面及び臼の内周面に、付着することがない。
【0260】
また、この滑沢剤塗布装置1では、上杵用吸引口h6を、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5の全体を覆うような形状にしている。この結果、上杵用吸引手段(図示せず。)を所定の駆動量で駆動すると、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿って、湾曲するように、スリット形状にされている上杵用滑沢剤噴霧口h5の始端esから終端eeまでの間に、上杵用滑沢剤噴霧口h5から上杵用吸引口h6に向かう、一様な気流が発生するので、この一様な気流に乗って、上杵用滑沢剤噴霧口h5の始端esから終端eeまでの間から、滑沢剤が万遍なく噴霧される。
【0261】
図12(b)は、図12(a)の状態から、所定の時間が経過した状態を示している。
【0262】
より詳しく説明すると、図12(b)は、図12(a)に図示した、2個の上杵15、15の中、想像線で示した上杵15と組になる臼13が、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口h1の下流側の、下杵用滑沢剤噴霧口h1と下杵用吸引口h4との間に送られた状態を示している。
【0263】
この状態では、下杵用滑沢剤噴霧口h1は、回転テーブル12の表面S12により閉じられた状態になっているので、回転テーブル12に設けられている臼13・・・、及び、これらの臼13・・・の各々内に所定の位置まで挿入されている、複数の下杵14・・・への、滑沢剤の噴霧は行われない。
【0264】
したがって、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、回転テーブル12の臼13・・以外の場所に、滑沢剤が塗布されることがない。
【0265】
これにより、この滑沢剤塗布装置1では、回転テーブル12の、複数の臼13・・・の各々の周辺の表面に付着している滑沢剤が、成形材料充填位置R2において、臼13・・・内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0266】
従って、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0267】
また、この滑沢剤塗布装置1では、例えば、この滑沢剤塗布装置1に、電磁弁(図示せず。)及び電磁弁(図示せず。)の開閉を制御する、電磁弁開閉制御手段を設け、回転テーブル12の回転によって、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に、臼13・・・の各々が来たときに、断続的に滑沢剤を噴霧(クロックパルスブロウイング)するようにしなくても、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に、複数の臼13・・・の各々が来たときにのみ、回転テーブル12に設けられている臼13・・・、及び、これらの臼13・・・の各々内に所定の位置まで挿入されている、複数の下杵14・・・への、滑沢剤の噴霧が行われるため、装置を複雑化することなく、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に、臼13・・・の各々が来たときに、断続的に滑沢剤を噴霧(クロックパルスブロウイング)するのと同様の効果を得ることができる。
【0268】
これにより、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、ロータリ型打錠機11の臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・、及び、上杵15・・・の各々の表面(下面)S15・・・以外の場所が、滑沢剤(粉末)によって汚染されることが防がれる。
【0269】
また、この滑沢剤塗布装置1では、塗布装置本体1aの下面S1a2と、回転テーブル12の表面S12とが接するようにされているので、図31に示したような、滑沢剤塗布装置の下面を、回転テーブル212の表面から所定の距離を離れるようにして設けている、滑沢剤塗布装置201では、必然的に発生する、下杵用滑沢剤噴霧口h201から空気とともに噴霧され、下杵用滑沢剤噴霧口h201と、臼213との間に、雲のような状態に滑沢剤(粉末)が、発生しない。
【0270】
これによっても、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、ロータリ型打錠機11の臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・、及び、上杵15・・・の各々の表面(下面)S15・・・以外の場所が、滑沢剤(粉末)によって汚染されることが防がれる。
【0271】
一方、図12(b)から明らかなように、この滑沢剤塗布装置1では、滑沢剤供給通路h2を、下杵用滑沢剤噴霧口h1と、中空室h3とを導通するように設けているので、複数の臼13・・・の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に来ておらず、下杵用滑沢剤噴霧口h1から複数の臼13・・・の各々内への滑沢剤の噴霧が行われていない時にも、滑沢剤は、正圧の脈動空気振動波とともに、滑沢剤供給通路h2を通って、中空室h3へと送られる。
【0272】
これにより、下杵用滑沢剤噴霧口h1から複数の臼13・・・の各々内への滑沢剤の噴霧が行われていない時にも、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5から、連続的に、滑沢剤が噴霧される。
【0273】
図12(c)は、図12(b)の状態から、更に、所定の時間が経過した状態を示している。
【0274】
より詳しく説明すると、図12(c)は、図12(b)に図示した、2個の上杵15、15の中、想像線で示した上杵15と組になる臼13が、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用吸引口h4の下方位置に送られた状態を示している。
【0275】
図12(c)に示す状態では、下杵用吸引口h4に接続されている余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)を駆動することにより、下杵用吸引口h4内に向かう吸引雰囲気の気流により、下杵用吸引口h4の下方位置に送られてきた臼13の内周面S13に余分に付着している滑沢剤、及び/又は、この臼13内に所定の位置まで挿入されている下杵14の上面S14に余分に付着している滑沢剤の除去が行われる。
【0276】
のみならず、この例では、図12(b)と図12(c)との関係を見れば明らかなように、下杵用吸引口h4は、回転テーブル12の回転により、塗布装置本体1aの下方を移動する臼13・・・の各々により、下杵用吸引口h4と、下杵用滑沢剤噴霧口h1とが導通されることがないような、下杵用滑沢剤噴霧口h1から離設した位置に設けられている。
【0277】
この結果、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、図13からも明らかなように、この下杵用吸引口h4と下杵用滑沢剤噴霧口h1との位置関係により、回転テーブル12の回転により、塗布装置本体1bの下方を移動する臼13・・・の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵14・・・の各々の上面S14・・・へ、下杵用滑沢剤噴霧口h1から噴霧される、滑沢剤の噴霧量に、一切、影響を与えることなく、余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)の駆動量を任意に調整できるので、余剰滑沢剤除去用吸引手段(図示せず。)の駆動量を、重力との関係で、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブル12の、複数の臼13・・・の各々の内周面S13・・・や、回転テーブル12の、複数の臼13・・・の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するのに最適な駆動量にすることができる。
【0278】
これにより、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、重力との関係で、余分な滑沢剤が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できるので、錠剤の表面全体に、最小限の滑沢剤が付着した錠剤を効率良く製造することができる。
【0279】
のみならず、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、回転テーブル12の、複数の臼13・・・の各々の周辺に付着した滑沢剤を完全に除去することができるので、複数の臼13・・・の各々の周辺に付着した滑沢剤が、成形材料充填位置R2において、臼13・・・内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0280】
この結果、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0281】
一方、図12(c)から明らかなように、この滑沢剤塗布装置1では、滑沢剤供給通路h2を、下杵用滑沢剤噴霧口h1と、中空室h3とを導通するように設けているので、複数の臼13・・・の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に来ておらず、下杵用滑沢剤噴霧口h1から複数の臼13・・・の各々内への滑沢剤の噴霧が行われていない時にも、滑沢剤は、正圧の脈動空気振動波とともに、滑沢剤供給通路h2を通って、中空室h3へと送られる。
【0282】
これにより、下杵用滑沢剤噴霧口h1から複数の臼13・・・の各々内への滑沢剤の噴霧が行われていない時にも、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5から、連続的に、滑沢剤が噴霧される。
【0283】
次に、この滑沢剤塗布装置1の上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・へ滑沢剤を塗布する動作・原理について説明する。
【0284】
まず、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bとして、製造する錠剤の錠剤表面に設けられる、会社コード(図34(a)や図35(a)に示す、会社コードC1を参照)の刻印の有無や、医薬品コード(図34(a)や図35(a)に示す、医薬品コードC2を参照)の刻印の有無や、割線(図35(a)に示す、割線C3を参照)の有無によって、最適な上杵用滑沢剤塗布ユニット1b(例えば、図6、図7、図8、図9及び図10の各々に示す、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0、1b−1、1b−2、1b−3、1b−4を参照)を選択する。
【0285】
次に、滑沢剤塗布装置1の塗布装置本体1aは、滑沢剤塗布位置R1に固定したままの状態で、塗布装置本体1aに、選択した上杵用滑沢剤塗布ユニット1b(例えば、図6、図7、図8、図9及び図10の各々に示す、上杵用滑沢剤塗布ユニット1b−0、1b−1、1b−2、1b−3、1b−4のいずれか)を取り付ける。
【0286】
この滑沢剤塗布装置1では、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・への滑沢剤の塗布は、以下のようにして行われる。
【0287】
まず、この例では、図12(a)に示すように、図示されている、2個の上杵15、15の中、想像線で示した上杵15と組になる臼13が、丁度、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方位置に送られてきた状態においては、塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方に位置する臼13と組にされている上杵(図12(a)中、想像線で示す上杵15)の下面S15への滑沢剤の塗布は、既に、終了している。
【0288】
塗布装置本体1aの下面S1a2に設けられている下杵用滑沢剤噴霧口h1の下方に臼13が位置している時に、この例では、次の上杵(図12(a)中、実線で示す上杵)15の下面S15への滑沢剤の塗布が開始される。
【0289】
且つ、上杵用吸引口h6は、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵用滑沢剤噴霧口h5上を通過する、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・の上方となる位置に設けられているので、上杵(図12(a)中、実線で示す上杵)15は、このスリット形状にされた上杵用滑沢剤噴霧口h5上を、その始端esから終端eeまで移動していく間に、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・には、滑沢剤が、時間をかけて、順次、塗布されることになる。
【0290】
即ち、この滑沢剤塗布装置1では、図13からも明らかなように、重力との関係で、滑沢剤が付着し難い、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に対しては、重力との関係で、滑沢剤が付着しやすい、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・に比べ、長い時間を費やして、滑沢剤の塗布を行うようにしている。
【0291】
この結果、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bを用いれば、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面にも、必要量の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0292】
のみならず、上述したように、この例では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上方に、上杵用滑沢剤噴霧口h5の全体を覆うよう、上杵用吸引口h6を設けているので、上杵用吸引口h6に接続された上杵用吸引手段(図示せず。)を駆動すれば、複数の上杵15・・・の回転軌道に沿うように湾曲するように、且つ、長く設けられたスリット状の上杵用吸引口h6の始端esから終端eeに至るまで、万遍なく、上杵用滑沢剤噴霧口h5から上杵用吸引口h6に向かう、一様の空気流(この空気流は、上杵用滑沢剤噴霧口h5から上杵用吸引口h6に向かう、概ね、層流になっている。)が発生する。
【0293】
これにより、回転テーブル12と同期して回転する複数の上杵15・・・は、順次、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5上を、その始端esから終端eeまで移動する間に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h5から上杵用吸引口h6に向かう気流に乗って移動する滑沢剤に晒されることになり、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・へ、滑沢剤が衝突することで、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に対しても、順次、滑沢剤が均一に塗布される。
【0294】
即ち、この滑沢剤塗布装置1では、図13からも明らかなように、重力との関係で、滑沢剤が付着し難い、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に対しては、吸引雰囲気下で滑沢剤の塗布を行い、重力との関係で、滑沢剤が付着しやすい、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・に対しては、加圧雰囲気下で滑沢剤の塗布を行うというように、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・への滑沢剤の塗布方法と、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・への滑沢剤の塗布方法とを、異ならせている。
【0295】
この滑沢剤塗布装置1では、重力の関係を考慮して、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・への滑沢剤の塗布を、最適な塗布方法を用いて、塗布するようにしているので、重力との関係で、滑沢剤が付着し難い、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に対しても、滑沢剤が均一に塗布される。
【0296】
また、複数の上杵15の各々の下面S15・・・にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口h6内に、吸引除去されるので、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布することが可能になる。
【0297】
のみならず、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口h6内に、吸引除去されるので、ロータリ型打錠機の、滑沢剤塗布装置1以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0298】
従って、この滑沢剤噴霧装置1を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0299】
また、上杵用吸引手段(図示せず。)の駆動量を調整することで、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・、及び、複数の臼13・・・の各々の内周面S13・・・の各々に塗布する滑沢剤の塗布量を調整することも可能である。
【0300】
また、この滑沢剤塗布装置1では、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h6に沿って、上杵収容溝Dを設け、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h6から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝D内に止まるようにしているので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・へ、複数の上杵15・・・の各々が、上杵収容溝D内の、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h6の上方に沿って移動する間に、効率良く、滑沢剤が塗布される。
【0301】
また、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口h6から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝D内に止まるようにしているので、ロータリ型打錠機の、上杵用滑沢剤塗布ユニット1bの上杵収容溝D以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0302】
従って、この滑沢剤塗布装置1を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0303】
次に、本発明で用いている、「正圧の脈動空気振動波」を発生する、脈動空気振動波発生装置、この脈動空気振動波発生装置を駆動することにより発生させた、正圧の脈動空気振動波中に、定量的に、滑沢剤(粉末)を混和する、定量フィーダ装置、及び、滑沢剤噴霧装置1による、複数の臼13・・・の各々の内周面S13・・・、複数の下杵14・・・の各々の上面S14・・・、及び、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・の各々への滑沢剤(粉末)の塗布量を調整するための、滑沢剤(粉末)の濃度測定装置について、概説する。
【0304】
図14は、本発明に係る滑沢剤塗布装置1を備える、外部滑沢式打錠機の構成を概略的に示す全体構成図である。
【0305】
この外部滑沢式打錠機Aは、ロータリ型打錠機11と、ロータリ型打錠機11の滑沢剤塗布位置に設けられた滑沢剤噴霧装置1と、脈動空気振動波発生装置31と、脈動空気振動波発生装置31を駆動することにより発生させた、正圧の脈動空気振動波に、定量的に、滑沢剤(粉末)を混和し、分散する、定量フィーダ装置61と、定量フィーダ装置61により、正圧の脈動空気振動波中に混和した滑沢剤の濃度を測定するための滑沢剤濃度測定手段91と、余剰滑沢剤吸引手段101と、この外部滑沢式打錠機Aの全体を制御・統括する演算処理装置111とを備える。
【0306】
脈動空気振動波発生装置31は、ブロア等の圧縮空気源32と、圧縮空気源32により発生させた圧縮空気を、正圧の脈動空気振動波に変換する脈動空気振動波変換装置33とを備える。尚、図14中、34で示す部材装置は、必要により設けられ、電磁弁等で構成され、圧縮空気源32により発生させた圧縮空気の流量を調整する、流量制御装置を示している。
【0307】
流量制御装置34は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令によって、導管T2内へ流す空気の流量を調整できるようになっている。
【0308】
この例では、圧縮空気源32と流量制御装置34とは、導管T1により接続されており、また、流量制御装置34と脈動空気振動波変換装置33とは、導管T2により接続されており、圧縮空気源32より発生させた圧縮空気は、導管T1を介して、流量制御装置34に供給され、流量制御装置34により、所定の流量に調整された後、導管T2を介して、脈動空気振動波変換装置33に供給されるようになっている。
【0309】
尚、図14中、35で示す部材装置は、圧縮空気を脈動空気振動波に変換する、回転カム(図24に示す回転カム39を参照。)を回転駆動するための、モータ等の回転駆動手段を示している。
【0310】
この回転駆動手段35は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令によって、回転駆動手段35の回転軸(図24に示す回転軸axを参照)の回転速度を制御できるようにされている。
【0311】
脈動空気振動波発生装置31と、定量フィーダ装置61とは、導管T3により接続されており、脈動空気振動波発生装置31により発生させた、正圧の脈動空気振動波が、導管T3を介して、定量フィーダ装置61に供給されるようになっている。
【0312】
より具体的に説明すると、脈動空気振動波発生装置31の脈動空気振動波変換装置33には、導管T3の一端T3aが接続されており、導管T3の他端T3bが、定量フィーダ装置61の分散室63の脈動空気振動波供給口63e1に接続されている。
【0313】
定量フィーダ装置61と、滑沢剤塗布装置1とは、導管T4により接続されており、定量フィーダ装置61から排出され、導管T4内で、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散された滑沢剤(粉末)が、導管T4を介して、滑沢剤塗布装置1に供給されるようになっている。
【0314】
より具体的に説明すると、定量フィーダ装置61を構成する分散室63の排出口63e2には、導管T4の一端が接続されており、導管T4の他端T4bが、滑沢剤塗布装置1の、下杵用滑沢剤噴霧口(図5に示す下杵用滑沢剤噴霧口h5)に接続されている接続口(図1、図2、図3、図4及び図5に示す接続口j1)に接続されている。
【0315】
余剰滑沢剤吸引手段91は、導管T5を介して、滑沢剤噴霧装置1の上杵用吸引口h6の接続口j6に接続される。
【0316】
導管T5は、途中で、2本の分岐管T5a、T5bに分岐した後、再び、1本の導管T5cにされ、導管T5cにされている。
【0317】
そして、余剰滑沢剤吸引手段101は、導管T5cに接続されている。
【0318】
滑沢剤濃度測定手段91は、導管T5の分岐管T5aに設けられている。
【0319】
演算処理装置111は、信号線を介して、ロータリ型打錠機11、脈動空気振動波発生装置31、定量フィーダ装置61、余剰滑沢剤吸引手段91、及び、滑沢剤濃度測定手段91の各々と接続されており、ロータリ型打錠機11、脈動空気振動波発生装置31、定量フィーダ装置61、及び、余剰滑沢剤吸引手段91、滑沢剤濃度測定手段91の各々と信号のやりとりを行うことで、ロータリ型打錠機11、脈動空気振動波発生装置31、定量フィーダ装置61、余剰滑沢剤吸引手段91、及び、滑沢剤濃度測定手段101の各々を集中制御できるようになっている。
【0320】
尚、図14では、演算処理装置111とロータリ型打錠機11との間を接続している信号線については、図示するのを省略している。また、この例では、演算処理装置111と、ロータリ型打錠機11、脈動空気振動波発生装置31、定量フィーダ装置61、滑沢剤濃度測定手段91、及び、余剰滑沢剤吸引手段101の各々とを信号線で接続したものを例示しているが、演算処理装置111と、ロータリ型打錠機11、脈動空気振動波発生装置31、定量フィーダ装置61、滑沢剤濃度測定手段91、及び、余剰滑沢剤吸引手段101の各々との間は、信号のやりとりができればよく、有線であっても、また、無線であってもよい。
【0321】
次に、定量フィーダ装置61の構成について、更に詳しく説明する。
【0322】
図15は、本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な定量フィーダを概略的に示す構成図である。
【0323】
この定量フィーダ装置61は、粉体材料を貯留する粉体材料貯蔵ホッパー62と、分散室63と、粉体材料貯蔵ホッパー62と分散室63との間をつなぐ筒状管64と、弾性体膜65と、弾性体膜取付具71とを備える。
【0324】
粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aには、材料切出弁66が設けられており、材料切出弁66により、材料排出口h62aの開閉ができるようになっている。
【0325】
筒状管64は、上開口部h64aと、下開口部h64bとを備える。
【0326】
筒状管64は、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aに上開口部h64aを接続するようにして、粉体材料貯蔵ホッパー62の下方に気密に取り付けられている。
【0327】
また、筒状管64の下開口部h64bには、弾性体膜65が、筒状管64の下開口部h64の底面をなすように、弾性体膜取付具71を用いて、気密に、取り付けられている。
【0328】
更に、筒状管64の下開口部h64bには、弾性体膜取付具71により、筒状管64の下開口部h64bに取り付けられた弾性体膜65を介在させて、分散室63が気密に接続されている。
【0329】
筒状管64内には、筒状管64内の圧力を検出するための圧力センサーs1が設けられている。
【0330】
圧力センサーs1は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、圧力センサーs1が検出した筒状管64内の圧力の値は、演算処理装置111に送られるようになっている。
【0331】
筒状管64は、上部筒状管部64aと、下部筒状管部64bとを備える。
【0332】
そして、上述した材料切出弁66は、上部筒状管部64a内に収容されている。
【0333】
また、下部筒状管部64bは、透明な樹脂で製されている。
【0334】
より詳しく説明すると、下部筒状管部64bは、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の光透過性を有する材料で製されている。
【0335】
また、下部筒状管部64bの内周面S64bは、内周面S64bに、滑沢剤(粉末)が付着するのを防止するために、鏡面加工されている。
【0336】
尚、下部筒状管部64bの内周面S64bへの滑沢剤(粉末)の付着を防ぐという観点からは、下部筒状管部64bは、上記した材料中では、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。尚、このことは、本発明者等の実験データに基づいている。
【0337】
下部筒状管部64bには、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留する滑沢剤(粉末)の量を検出するレベルセンサーs2が付設されている。
【0338】
圧力センサーs2は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、圧力センサーs2の検出値は、演算処理装置111に送られるようになっている。
【0339】
このレベルセンサーs2は、赤外線や可視光線等の光を発光する発光素子s2aと、発光素子s2aより照射された光を受光する受光素子s2bとを備える。発光素子s2aと、受光素子s2bとは、下部筒状管部64bを挟むようにして、対向配置されている。
【0340】
そして、レベルセンサーs2を設ける位置(弾性体膜65からレベルセンサーs2の設けられる位置の高さ)Hthで、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量を検出できるようになっている。
【0341】
即ち、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量が、レベルセンサーs2を設ける位置(弾性体膜65からレベルセンサーs1の設けられている位置の高さ)Hthを超えると、発光素子s2aから照射された光が、滑沢剤(粉末)により遮られ、受光素子s2bで受光できなくなる(オフになる。)ので、この時、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の弾性体膜65上からの高さHが、高さHthを超えていることが検出できる(H>Hth)。
【0342】
また、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量が、レベルセンサーs2を設ける位置(弾性体膜65からレベルセンサーs2の設けられている位置の高さ)Hth未満になると、発光素子s2aから照射された光が、受光素子s2bで受光できる(オンになる。)ので、この時、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の弾性体膜65上からの高さHが、高さHth未満になっていることが検出できる(H<Hth)。
【0343】
したがって、レベルセンサーs2の検出値に基づいて、発光素子s2aから照射された光を、受光素子s2bが受光している(オンになっている)間は、材料切出弁66を下方に移動して、粉体貯留ホッパー62の排出口h62aを開いた状態にし、発光素子s2aから照射された光が、受光素子s2bで受光できなくなったとき(オフになったとき)、材料切出弁66を上方に移動して、粉体貯留ホッパー62の排出口62aを閉じた状態にすれば、定量フィーダ装置61を駆動している間、下部筒状管部64b内の弾性体膜65上に、常に、概ね一定量の滑沢剤(粉末)が貯留堆積するように制御することができる。
【0344】
次に、粉体材料貯蔵ホッパー62の構成について説明する。
【0345】
図16は、粉体材料貯蔵ホッパー62を概略的に説明する説明図であり、図16(a)は、粉体材料貯蔵ホッパー62の一部を切り欠いて概略的に示す一部切欠き斜視図を、また、図16(b)は、粉体材料貯蔵ホッパー62の概略的な平面図である。
【0346】
図15及び図16を参照しながら説明すると、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料投入口h62bには、蓋体62aが、着脱自在に、且つ、気密に取り付けられるようになっている。
【0347】
また、粉体材料貯蔵ホッパー62のコーン部62cには、ガス噴射ノズル手段n、nが設けられている。
【0348】
ガス噴射ノズル手段n、nの各々は、そのガス噴射口hn、hnが、粉体材料貯蔵ホッパー62の内周面に対し、概ね接線方向を向くように、設けられている。
【0349】
より特定的に説明すると、この例では、ガス噴射口hn、hnの各々は、粉体材料貯蔵ホッパー62の内周面に対し、概ね接線方向を向くように、且つ、一方向を向くように設けられており、ガス噴射ノズル手段n、nの各々から、ガスを噴射すると、粉体材料貯蔵ホッパー62内に、ガス噴射ノズル手段n、nの各々ガス噴射口hn、hn方向に旋回する、空気流が発生するようになっている。
【0350】
また、粉体材料貯蔵ホッパー62には、導管T6が接続されている。
【0351】
導管T6は、大気に導通するようになっており、その途中には、圧力調整弁vp1と、開閉バルブ(ガス抜き弁)v1とが設けられている。
【0352】
圧力調整弁vp1及び開閉バルブv1の各々は、ソレノイド式の電磁弁で構成されている。
【0353】
また、圧力調整弁vp1及び開閉バルブv1の各々は、演算処理装置111に信号線を介して接続されており、演算処理装置111からの指令信号に基づいて、開閉するようになっている。
【0354】
また、粉体材料貯蔵ホッパー62には、導管T7が接続されている。
【0355】
導管T7は、粉体材料貯蔵ホッパー62と導管1とを接続するように設けられており、その途中には、圧力調整弁vp2と、開閉バルブv2とが設けられている。
【0356】
圧力調整弁vp2及び開閉バルブv2の各々は、ソレノイド式の電磁弁で構成されている。
【0357】
また、圧力調整弁vp2及び開閉バルブv2の各々は、演算処理装置111に信号線を介して接続されており、演算処理装置111からの指令信号に基づいて、開閉するようになっている。
【0358】
また、ガス噴射ノズル手段n、nの各々には、導管T8が接続されている。
【0359】
尚、図14及び図15では、ガス噴射ノズル手段n、nの一方に接続されている導管T8のみを図示しているが、実際には、ガス噴射ノズル手段n、nの他方にも、導管T8が接続されている。
【0360】
ガス噴射ノズル手段n、nの各々に接続される導管T8は、導管1に接続されている。ガス噴射ノズル手段n、nの各々に接続される導管T8の各々の途中には、圧力調整弁vp3が設けられている。
【0361】
圧力調整弁vp3は、ソレノイド式の電磁弁で構成されている。
【0362】
また、圧力調整弁vp3は、演算処理装置111に信号線を介して接続されており、演算処理装置111からの指令信号に基づいて、開閉するようになっており、且つ、導管1内に、圧縮空気源32から供給されている圧縮空気を所定の流量の空気流にして、粉体材料貯蔵ホッパー62内に設けられている、ガス噴射ノズル手段n、nの各々から、ガスを噴射したり、ガスの噴射を停止したりすることができるようになっている。
【0363】
尚、この例では、粉体材料貯蔵ホッパー62内に、2つのガス噴射ノズル手段n、nを設けた例を示しているが、ガス噴射ノズル手段nは、1個であってもよく、3個以上設けられていてもよい。
【0364】
また、粉体材料貯蔵ホッパー62には、圧力センサーs2が設けられており、圧力センサーs3により、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力が測定できるようになっている。
【0365】
圧力センサーs3は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、圧力センサーs3の測定値が、演算処理装置111に送られるようになっている。
【0366】
また、この例では、材料切出弁66として、材料切出弁本体66bと、可動部66aとを備えるものを用いている。
【0367】
この可動部66aは、空気圧によって上下に動くようにされている。
【0368】
より詳しく説明すると、材料切出弁本体66bは、導管T9を介して、導管T1に接続されている。
【0369】
この例では、導管T9は、3方向弁v3によって、2本の分岐管T9a、T9bにされ、材料切出弁本体66bに接続されている。
【0370】
3方向弁v3は、ソレノイド式の電磁弁で構成されている。
【0371】
この3方向弁v3は、演算処理装置111に信号線を介して接続されており、演算処理装置111からの指令信号に基づいて、分岐管T9aを開閉したり、分岐管T9bを開閉したりすることができるようになっている。
【0372】
より具体的に説明すると、この定量フィーダ装置61では、レベルセンサーs2を動作状態にした際に、発光素子s2aから照射された光を、受光素子s2bが受光している(オンになっている)間は、演算処理装置111からの指令により、3方向弁v3が、分岐管T9aを開いた状態にし、分岐管T9bを閉じた状態にし、材料切出弁66の可動部66aが下方向に移動させて、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが開いた状態になるようにされている。
【0373】
また、この定量フィーダ装置61では、発光素子s2aから照射された光を、受光素子s2bが受光しなくなる(オフになる)と、演算処理装置111からの指令により、3方向弁v3が、分岐管T9bを開いた状態にし、分岐管T9aを閉じた状態にし、材料切出弁66の可動部66aが上方向に移動させて、可動部66aにより、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが閉じた状態になるようにされている。
【0374】
また、レベルセンサーs2を停止状態にすると、3方向弁v3により、分岐管T9bを開いた状態にし、分岐管T9aを閉じた状態にし、材料切出弁66の可動部66aが上方向に移動させて、可動部66aにより、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが閉じた状態になるようにされている。
【0375】
次に、この定量フィーダ装置61で用いる弾性体膜65の構成について説明する。
【0376】
図17は、弾性体膜65を概略的に示す平面図である。
【0377】
弾性体膜65には、貫通孔h65が設けられている。
【0378】
この例では、貫通孔h65は、弾性体膜65の中央部に、スリット形状に設けられている。
【0379】
尚、図17では、弾性体膜65の中央部に、スリット形状の貫通孔h65を有するものを示したが、これは、単なる例示であって、定量フィーダ装置61で用いる
弾性体膜は、貫通孔が設けられておればよく、弾性体膜65に限定されることはなく、例えば、図18に示すような、複数の貫通孔h65・・・を有する弾性体膜65Aのようなものであってもよい。
【0380】
尚、弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、図18に示すように、複数の貫通孔の各々は、互いに、ランダムに設けられていてもよい。また、複数の貫通孔の各々の形状・大きさは、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
【0381】
また、弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、複数の貫通孔を、弾性体膜の同一円周上に、設けても良い。この場合、複数の貫通孔の各々をスリット形状にし、スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、各々の長さ方向を、円周の接線方向に設けることが好ましい。
【0382】
更に、弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、複数の貫通孔の各々をスリット形状にし、スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、弾性体膜に設けた、複数の同心円の各々に、スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、各々の長さ方向を、複数の同心円の各々の円周の接線方向に設けてもよい。
【0383】
次に、弾性体膜取付具71の構成について、説明する。
【0384】
図19は、弾性体膜取付具71を概略的に示す斜視図であり、弾性体膜65が既に取り付けられた状態を示している。
【0385】
また、図20は、図19に示す弾性体膜取付具71の構成を概略的に示す分解斜視図であり、また、図21は、図19に示す弾性体膜取付具71の構成を概略的に示す断面図である。
【0386】
この弾性体膜取付具71は、図20及び図21に図示されるように、台座72と、突き上げ部材73と、押さえ部材74とを備える。
【0387】
台座72には、中空h71が設けられており、中空h71の外周には、突き上げ部材73を載置するための、リング状の載置面S71が設けられている。更に、台座72には、中空h71をリング状に取り囲むようにV溝Dvが設けられている。
【0388】
突き上げ部材73は、中空h72を有する。この例では、突き上げ部材73は、図21に示すように、その下面に、段差部Plが設けられており、台座72上に、突き上げ部材73を載置すると、段差部Plが、台座72の載置面S71上に位置するようにされている。
【0389】
また、この例では、突き上げ部材73を台座72上に載置した際に、突き上げ部材73の段差部P1より下方に延設するように設けられている下方延設部P2が、台座72の中空h71内に収まるようにされている。即ち、突き上げ部材73の下方延設部P2は、その外径d2が、台座72の中空h71の内径d1に等しいか、やや小さい寸法に精密加工されている(d2≦d1)。
【0390】
更に、この例では、突き上げ部材73は、その上方部P3の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている。
【0391】
押さえ部材74は、中空h73を有する。また、押さえ部材74の、台座72に向き合う表面S74には、台座72の表面に設けられたV溝Dvに嵌まり合うように、リング形状の、V字形状の突起Cvが設けられている。
【0392】
尚、図19及び図20中、75で示す部材は、ボルト等の締付手段を示している。
【0393】
また、図20中、h74で示す孔は、台座72に形成された、締付手段75の固定孔を、また、h75で示す孔は、押さえ部材74に形成された、締付手段75の固定孔を、各々、示している。また、図20中、h76で示す孔は、台座72に形成され、目的とする装置(この例では、図14に示す、分散室63の上部33a)へ、弾性体膜取付具71を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、また、h77で示す孔は、押さえ部材74に形成され、目的とする装置(この例では、図14に示す、筒状管64の下部筒状管部64b)へ、弾性体膜取付具71を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、各々、示している。
【0394】
この例では、押さえ部材74の中空h73の内径d4は、突き上げ部材73の外径d3に等しいか、やや大きい寸法に精密加工されている(d4≧d3)。
【0395】
次に、この弾性体膜取付具71に弾性体膜65を取り付ける手順について説明する。
【0396】
弾性体膜取付具71に弾性体膜65を取り付ける際には、まず、台座72の表面に、突き上げ部材73を載置する。
【0397】
次いで、突き上げ部材73上に、弾性体膜65を載置する。
【0398】
次に、突き上げ部材73及び弾性体膜65をともに覆うように、突き上げ部材73上に押さえ部材74を載置する。この時、台座72に形成された固定孔h74・・・の各々と、押さえ部材74に形成された固定孔h75・・・の各々とを整列させるようにする。
【0399】
次に、ボルト等の締付手段75・・・の各々を、固定孔h75・・・の各々に挿通し、固定孔h75・・・の各々に挿通した締付手段75・・・の各々を、固定孔h74・・・の各々に螺合等することで、台座72に対して、押さえ部材4を締め付けていく。
【0400】
この弾性体膜取付具71では、台座72上に載置した突き上げ部材73上に、弾性体膜65を載置しているので、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくと、弾性体膜65は、突き上げ部材73により、押さえ部材74方向に突き上げられる。
【0401】
この結果、弾性体膜65は、押さえ部材74方向により突き上げられることで、弾性体膜65の内側から外周側に引き伸ばされる。
【0402】
最初のうちは、突き上げ部材73により、引き伸ばされた弾性体膜65は、突き上げ部材73の外周面P3と、押さえ部材74の中空h73を形成する面(内周面)との間の隙間を介して、台座72の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材74の、台座72に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に嵌挿されていく。
【0403】
更に、ボルト等の締付手段75・・・の各々により、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくと、弾性体膜65は、突き上げ部材73により、押さえ部材74方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材73の外周面P3と、押さえ部材74の中空h73の内周面との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材73により、押さえ部材74方向により突き上げられることで、弾性体膜65の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座72の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材74の、台座72に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、挟持される。
【0404】
即ち、この弾性体膜取付具71では、まず、台座72上に載置した突き上げ部材73上に、弾性体膜65を載置し、次いで、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくようにしているので、弾性体膜65が、突き上げ部材73により、押さえ部材74方向に突き上げられ、これにより、弾性体膜65が、その内方側から外周側に引き伸ばされた状態にされ、更に、このようにして、突き上げ部材73により引き伸ばされた弾性体膜65の外周部分が、台座72の表面に設けられたV溝Dvと、押さえ部材74の、台座2に向き合う表面に設けられたV字形状の突起Cvに挟持される。この結果、この弾性体膜取付具71では、台座72上に載置した突き上げ部材73上に、弾性体膜65を載置し、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜65を、ピンと張った状態にすることができる。
【0405】
更に、この弾性体膜取付具71では、突き上げ部材73の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面P3を設けている。
【0406】
この傾斜面P3は、この弾性体膜取付具71では、重要な要素になっているので、この作用について、以下に詳しく説明する。
【0407】
即ち、この弾性体膜取付具71では、突き上げ部材73の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面P3を設けているので、弾性体膜65は、押さえ部材74方向により突き上げられることで、弾性体膜65の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座72の表面に、リング状に設けられているV溝Dvと、押さえ部材74の、台座72に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、移行し易い。
【0408】
より具体的に説明すると、突き上げ部材73の傾斜面P3の外径が、押さえ部材74の中空h73の内径d4より十分に小さい関係にある時は、弾性体膜65は、突き上げ部材73の傾斜面P3と、押さえ部材74の中空h73を形成している表面との間の隙間(間隔)が十分にあるため、突き上げ部材73により、弾性体膜65の内側から外側に引き伸ばされた部分は、この隙間(間隔)を通って、台座72の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ、たやすく、誘導される。
【0409】
また、突き上げ部材73の外周に設けられている傾斜面P3は、断面視した場合、上側から下側が広がるようにされているので、突き上げ部材73により、弾性体膜65の内側から外側に引き伸ばされた部分は、この傾斜面P3の表面に沿って、台座72の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ誘導される。
【0410】
そして、ボルト等の締付手段75・・・の各々を、固定孔h75・・・の各々に挿通し、、固定孔h75・・・の各々に挿通した締付手段75・・・の各々を、固定孔h74・・・の各々に螺合等して、台座72に対して、押さえ部材74を締め付けていくことで、突き上げ部材73の傾斜面P3の外径が、押さえ部材74の中空h73の内径d4に次第に接近し、突き上げ部材73の傾斜面P3の傾斜面P3と、押さえ部材74の中空h73を形成している表面との間の隙間(間隔)が、概ね、弾性体膜65の厚み(肉厚)程度になると、弾性体膜65は、突き上げ部材73の傾斜面P3と、押さえ部材74の中空h73を形成している表面との間に挟持されることになる。
【0411】
以上の作用によっても、この弾性体膜取付具71では、台座72上に載置した突き上げ部材73上に、弾性体膜65を載置し、その後、ボルト等の締付手段75・・・の各々を用いて、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜65を、ピンと張った状態にすることができる。
【0412】
また、ボルト等の締付手段75・・・の各々を用いて、押さえ部材74を台座72に対して締め付けていくと、突き上げ部材73の外周の傾斜面P3と、押さえ部材74の中空の内周面との間隔が次第に狭くなり、突き上げ部材73の外周面P3と、押さえ部材74の中空h73の内周面との間に、しっかりと挟持されるため、押さえ部材74を台座72に締め付けた後において、弾性体膜65が弛むことがない。
【0413】
また、この弾性体膜取付具71では、弾性体膜65を取り付ければ、弾性体膜65が、突き上げ部材73の傾斜面P3と、押さえ部材74の中空h73を形成している表面との間と、押さえ部材74の、台座72に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvと、台座72に、リング状に設けられているV字形状の溝Dvとの間とに、2重にロックされた状態になるため、押さえ部材74を台座72に締め付けた後において、弾性体膜65が弛むことがない。
【0414】
従って、弾性体膜65を張る際に、この弾性体膜取付具71により、弾性体膜65を張るようにすれば、粉体材料噴霧装置1の使用中に、弾性体膜65が弛むことがないため、長期に亘って、これらの装置の正確な動作を維持できる。
【0415】
以上により、弾性体膜取付具71への弾性体膜65の取付作業が終了すれば、図15に示すように、弾性体膜65が取り付けられた弾性体膜取付具71の押さえ部材74を、筒状管64の下部筒状管部64bに、気密に取り付け、台座72を、分散室33の上部33aに、気密に取り付ける。
【0416】
次に、分散室63の構成について説明する。
【0417】
分散室63には、図15に示すように、分散室63内に、正圧の脈動空気振動波を供給する、脈動空気振動波供給口63e1と、排出口63e2とが設けられている。
【0418】
脈動空気振動波供給口63e1には、図14に示す、導管T3が接続されるようになっており、導管T3を介して、分散室63内に、正圧の脈動空気振動波が供給されるようになっている。
【0419】
また、排出口63e2には、図14に示す、導管T4の一端T4aが接続されるようになっており、導管T4の他端T4bから、滑沢剤(粉末)が、正圧の脈動空気振動波に混和し分散した状態で、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧されるようになっている。
【0420】
尚、この例では、導管T4の他端T4bは、図15に示すように、滑沢剤噴霧装置1の塗布装置本体1bの下杵用滑沢剤噴霧口h1に接続されている接続口j1に接続されている。
【0421】
また、分散室63は、その内部において、正圧の脈動空気振動波が旋回流になり易いように、その内部の形状が、概ね円筒形状にされている。尚、ここでは、分散室63の内部の形状が、概ね円筒形状にされている例を示しているが、分散室63の内部の形状は、その内部において、正圧の脈動空気振動波が旋回流になり易い形状にされておればよく、その内部の形状は、必ずしも、概ね円筒形状にされている場合に限定されることはない。
【0422】
また、この例では、脈動空気振動波供給口63e1は、分散室63には、その下方の位置に、分散室63の内周面の概ね接線方向に設けられている。
【0423】
また、排出口63e2は、分散室63の上方の位置に、分散室63の内周面の概ね接線方向に設けられている。
【0424】
ここで、分散室63に設ける脈動空気振動波供給口63e1の取付位置の方向について、図22を用いて、更に、詳しく説明する。
【0425】
図22は、分散室63を平面視した場合の、分散室63に設ける脈動空気振動波供給口63e1の取付位置の方向を模式的に示す平面図であり、図22(a)は、分散室63に対する、脈動空気振動波供給口63e1の好ましい取付位置の方向を説明する説明図であり、図22(b)は、分散室63に対する、脈動空気振動波供給口63e1の実質的な取付可能位置の方向を説明する説明図である。
【0426】
尚、図22(a)及び図22(b)の各々に、曲線で示す矢印は、分散室63内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。
【0427】
分散室63内に、正圧の脈動空気振動波の旋回流を発生させるためには、分散室63に対して、脈動空気振動波供給口63e1は、分散室63の内周面に対して、概ね、接線方向(図22(a)中、破線Ltで示される方向)に設けられていることが好ましい。
【0428】
しかしながら、脈動空気振動波供給口63e1は、図22(a)に示すように、分散室63の内周面に対して、概ね、接線方向に設けられている必要はなく、脈動空気振動波供給口63e1は、分散室63内に、支配的な1個の旋回流を形成できる限り、図22(b)に示すように、分散室63の内周面に対して、概ね、接線方向(例えば、図22(b)中、破線Ltで示される方向)と等価な方向(即ち、分散室63の内周面の接線方向(例えば、図22(b)中、破線Lt)に平行な方向)に設けられていてもよい。
【0429】
尚、脈動空気振動波供給口63e1を、図22(b)中に、想像線Lcで示すように、分散室63の中心線方向に設けた場合には、分散室63内の形状が、概ね円筒形状の場合には、いずれが支配的とも言えない2個の旋回流が発生するので、このような方向に設けるのは、分散室63内に、正圧の脈動空気振動波の旋回流を発生させることを考慮した場合には、あまり好ましいとは言えない。
【0430】
以上のことを勘案すると、例えば、分散室63の接線(図22(b)に示す、破線で示す、ある接線Lt)と中心線(図22(b)に想像線で示す中心線Lc)との間の距離をLt-cとすると、脈動空気振動波供給口63e1は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから脈動空気振動波供給口63e1までの距離Lt-63e1が、距離Lt-cの、2/3以下の位置にあることが好ましい(0≦距離Lt-63e1≦2/3×距離Lt-c)。
【0431】
より特定的には、脈動空気振動波供給口63e1は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから脈動空気振動波供給口63e1までの距離Lt-63e1が、距離Lt-cの、1/2以下の位置にあることが更に好ましい(0≦距離Lt-63e1≦1/2×距離Lt-c)。更に言えば、脈動空気振動波供給口63e1は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから脈動空気振動波供給口63e1までの距離Lt-4aが、距離をLt-cの、1/3以下の位置にあることが尚一層好ましい(0≦距離Lt-63e1≦1/3×距離Lt-c)。
【0432】
次いで、分散室63に設ける脈動空気振動波供給口63e1と排出口63e2との位置関係について、図23を用いて、詳しく説明する。
【0433】
図23は、分散室63を平面視した場合の、分散室63に設ける脈動空気振動波供給口63e1と排出口63e2との位置を模式的に説明する図であり、図23(a)は、分散室63に対する、脈動空気振動波供給口63e1と排出口63e2との好ましい取付位置を説明する説明図であり、図23(b)は、分散室63に対する、脈動空気振動波供給口63e1と排出口63e2との実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【0434】
尚、図23(a)及び図23(b)の各々に、曲線で示す矢印は、分散室63内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。
【0435】
分散室63に、排出口63e2を、図23(a)に示すような位置に設けた場合には、分散室63内に発生する、脈動空気振動波の旋回流の向き(空気の進行方向)と逆方向に排出口63e2が設けられる関係になり、この場合には、排出口63e2における、空気に分散させて流動化させた滑沢剤(粉末)の排出効率を低く設定できる。
【0436】
これとは逆に、排出口63e2における、空気に分散させて流動化させた滑沢剤(粉末)の排出効率を高くしたい場合には、図23(b)に例示的に示す、排出口63e2a又は排出口63e2bのように、分散室63内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きと順方向に排出口63e2を設けるのが好ましい。
【0437】
また、例えば、分散室63の接線(図23(a)に示す、破線で示す、ある接線Lt)と中心線(図23(a)に想像線で示す中心線Lc)との間の距離をLt-cとすると、排出口63e2は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口63e2までの距離Lt-63e2が、距離Lt-cの、2/3以下の位置にあることが好ましい(0≦距離Lt-63e2≦2/3×距離Lt-c)。
【0438】
より特定的には、排出口63e2は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口63e2までの距離Lt-63e2が、距離Lt-cの、1/2以下の位置にあることが更に好ましい(0≦距離Lt-63e2≦1/2×距離Lt-c)。更に言えば、排出口63e2は、接線Ltに一致しているか、接線Ltから排出口4bまでの距離Lt-63e2が、距離をLt-cの、1/3以下の位置にあることが尚一層好ましい(0≦距離Lt-63e2≦1/3×距離Lt-c)。
【0439】
更に、この定量フィーダ装置61には、筒状管64と、分散室63との間に、バイパス管Tvが設けられている。
【0440】
このバイパス管Tvは、分散室63内に、正圧の脈動空気振動波を供給した際に、筒状管64内の圧力と、分散室63内の圧力とが、速やかに平衡に達するようにすることで、分散室63内に供給される、正圧の脈動空気振動波によって、上下に振動する弾性体膜65の振動が、正圧の脈動空気振動波に追従するようにするために設けられている。
【0441】
尚、このバイパス管Tvは、定量フィーダ装置61にとって、必須の構成部材ではないことを付記しておく。
【0442】
次に、脈動空気振動波発生装置の構成について、以下に説明する。
【0443】
図24は、脈動空気振動波発生装置31の構成を、脈動空気振動波変換装置33を中心にして、概略的に示す断面図である。
【0444】
脈動空気振動波変換装置33は、空気供給ポート36aと、空気排出ポート36bとを備える中空室36と、中空室36内に設けられた弁座37と、弁座37を開閉するための弁体38と、弁座37に対して弁体38を開閉させるための回転カム39とを備える。
【0445】
空気供給ポート36aには、導管T4が接続されており、また、空気排出ポート36bには、導管T2が接続されている。
【0446】
また、図24中、36cで示す部分は、中空室36に、必要により設けられる、圧力調整ポートを示しており、圧力調整ポート36cには、圧力調整弁40が、大気との導通・遮断をするように設けられている。
【0447】
弁体38は、軸体38aを備え、軸体38aの下端には、回転ローラ38bが回転可能に設けられている。
【0448】
また、脈動空気振動波変換装置33の装置本体33aには、弁体38の軸体38aを、気密に且つ上下方向に移動可能に収容するための、軸体収容孔h33が形成されている。
【0449】
回転カム39は、内側回転カム39aと、外側回転カム39bとを備える。
【0450】
内側回転カム39a及び外側回転カム39bの各々には、回転ローラ38bの概ね直径分の距離を隔てるようにして、所定の凹凸パターンが形成されている。
【0451】
回転カム39は、滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い凹凸パターンを有するものが用いられる。
【0452】
回転カム39の内側回転カム39aとの外側回転カム39bとの間には、回転ローラ38bが、回転可能に、嵌挿されている。
【0453】
尚、図24中、axで示す部材は、モータ等の回転駆動手段(図15に示す回転駆動手段35)の回転軸を示しており、回転軸axには、回転カム39が、交換可能に取り付けられるようになっている。
【0454】
次に、脈動空気振動波発生装置31により、導管T3内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する方法について説明する。
【0455】
導管T3内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する際には、まず、回転駆動手段35の回転軸axに、滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い凹凸パターンを有する回転カム39を取り付ける。
【0456】
次に、圧縮空気源32を駆動することにより、導管T3内へ、圧縮空気を供給する。
【0457】
導管T3内へ供給された圧縮空気は、流量制御装置34が設けられている場合にあっては、流量制御装置34により、所定の流量に調整された後、導管T4に送られ、導管T4に送られた、所定の流量の圧縮空気は、空気供給ポート36aから中空室36内へと供給される。
【0458】
また、圧縮空気源32を駆動するとともに、回転駆動手段35を駆動することで、回転駆動手段35の回転軸axに取り付けた回転カム39を所定の回転速度で回転させる。
【0459】
これにより、回転ローラ38bが、所定の回転速度で回転駆動している回転カム39の内側回転カム39aとの外側回転カム39bとの間で、回転し、回転カム39に設けられている凹凸パターンに従って、再現性良く、上下運動する結果、弁体38が、回転カム39に設けられている凹凸パターンに従って、弁座38を開閉する。
【0460】
また、中空室36に、圧力調整ポート36cや圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート36cに設けられている圧力調整弁40を適宜調整することにより、導管T3に供給する、正圧の脈動空気振動波の圧力を調節する。
【0461】
以上の操作により、導管T3に、正圧の脈動空気振動波が供給される。
【0462】
尚、導管T3内に供給される正圧の脈動空気振動波の波長は、回転カム39に設けられている凹凸パターン及び/又は回転カム39の回転速度により、適宜調節される。また、正圧の脈動空気振動波の波形は、回転カム39に設けられている凹凸パターンにより、調節することができ、正圧の脈動空気振動波の振幅は、圧縮空気源32の駆動量を調節したり、流量制御装置34が設けられている場合にあっては、流量制御装置34の調節をしたり、圧力調整ポート36cや圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート36cに設けられている圧力調整弁40を適宜調整したり、又は、これらを組み合わせて調節すること等により、任意に、調節できる。
【0463】
次に、滑沢剤濃度測定手段91の構成について詳しく説明する。
【0464】
図25は、図14に示す、滑沢剤濃度測定手段91の部分を中心にして拡大して概略的に示す構成図である。
【0465】
導管T5は、その一端(図14中に示す、導管T5の一端eT5)は、滑沢剤噴霧室1の塗布装置本体(図1、図2、図3及び図4の各々中に示す、塗布装置本体1b)の下杵用滑沢剤噴霧口(図5に示す、下杵用滑沢剤噴霧口h6)に接続されている接続口(図1、図2、図3、図4及び図5に示す、接続口j1)に接続されており、且つ、途中で、2つの分岐管T5a、T5bにされ、更に、途中で、1本の導管T5cにまとめられてから、余剰滑沢剤吸引手段101に接続されている。
【0466】
余剰滑沢剤吸引手段101は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令によって、余剰滑沢剤吸引手段101の駆動量を制御できるようにされている。
【0467】
分岐管T5aには、滑沢剤塗布装置1に近い方から余剰滑沢剤吸引手段101方向に、電磁バルブ等の導管開閉手段v4と、滑沢剤濃度測定手段91とが設けられている。
【0468】
導管開閉手段v4は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令に基づいて、分岐管T5aを開閉できるようになっている。
【0469】
また、この例では、滑沢剤濃度測定手段91として、光透過式粉体濃度測定手段を用いている。
【0470】
滑沢剤濃度測定手段(光透過式粉体濃度測定手段)91は、測定セル92と、光透過式測定装置s4とを備える。
【0471】
測定セル92は、石英等で製されており、分岐管T5aの途中に接続されている。
【0472】
光透過式測定装置s4は、レーザー光線を照射するレーザ光線照射系装置s4aと、レーザ光線照射系装置s4aから照射され、被検出体により散乱した光を受光する散乱光受光系装置s4bとを備え、Mie理論に基づいて、被検出体の流量、粒径、粒度分布及び濃度等を測定できるようになっている。この例では、レーザ光線照射系装置s4aと、散乱光受光系装置s4bとは、測定セル92を挟むようにして、概ね対向配置されており、測定セル92の部分で、分岐管T5a内を流れる粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の流量、粒径、粒度分布及び濃度等を測定できるようにされている。
【0473】
光透過式測定装置s4は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、光透過式測定装置s4と演算処理装置111との間で、信号のやりとりができるようになっている。
【0474】
また、分岐管T5bには、電磁バルブ等の導管開閉手段v5が設けられている。
【0475】
導管開閉手段v5は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令に基づいて、分岐管T5bを開閉できるようになっている。
【0476】
また、導管T5cには、電磁バルブ等の導管開閉手段v6が設けられている。
【0477】
導管開閉手段v6は、信号線を介して、演算処理装置111に接続されており、演算処理装置111からの指令に基づいて、分岐管T5cを開閉できるようになっている。
【0478】
次に、滑沢剤濃度測定手段(光透過式粉体濃度測定手段)91の動作について、説明する。
【0479】
外部滑沢式打錠機Aを用いて、錠剤を製造する際には、滑沢剤濃度測定手段(光透過式粉体濃度測定手段)91の光透過式測定装置s4は、動作状態にされる。
【0480】
また、導管開閉手段v1と導管開閉手段v3とを開いた状態にし、導管開閉手段v2を閉じた状態にし、余剰滑沢剤吸引手段101を駆動する。
【0481】
また、脈動空気振動波発生装置31及び定量フィーダ装置61を各々駆動することで、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散させた滑沢剤を、滑沢剤塗布装置1内に供給する。
【0482】
滑沢剤塗布装置1内に供給された滑沢剤(粉末)の一部は、滑沢剤噴霧室61内に送り込まれてきている、上杵42・・・の各々の表面(下面)S42、下杵43・・・の各々の表面(上面)S43、及び、臼45・・・の各々の内周面S45への塗布に用いられるが、余分な滑沢剤(粉末)は、上杵用吸引口(図5に示す、上杵用吸引口h6)から、導管T5、分岐管T5a及び導管T5cを通って、余剰滑沢剤吸引手段101へと吸引される。
【0483】
このとき、滑沢剤濃度測定手段(光透過式粉体濃度測定手段)91を構成する光透過式測定装置s4によって、測定セル92内、即ち、分岐管T5a内を流れる滑沢剤(粉末)の流量、粒径、粒度分布及び濃度等が測定され、この測定値が演算処理装置111に送られる。
【0484】
そして、光透過式測定装置s4の測定値に基づいて、流量制御装置(図14、図15及び図24に示す、流量制御装置34)を調整したり、脈動空気振動波発生装置31を構成する圧縮空気源32の駆動量を、適宜、調節したりすることで、滑沢剤噴霧装置1内の滑沢剤(粉末)の濃度等を調節する。
【0485】
尚、以上のような操作を行っていると、測定セル92の内周面に、滑沢剤(粉末)が付着し、光透過式測定装置s4が、測定セル92の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響を受けて、分岐管T5a内を流れる、滑沢剤(粉末)の流量等を正確に測定できなくなるという問題が生じる。かかる場合には、光透過式測定装置s4の測定値から、測定セル92の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を除去する補正が必要になるが、この外部滑沢式打錠機装置Aでは、測定セル92の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定する際には、余剰滑沢剤吸引手段111は駆動した状態に維持して、導管開閉手段v4を閉じ、導管開閉手段v5を開いた状態にする。すると、上杵用吸引口(図5に示す、上杵用吸引口h6)から、上杵用吸引口(図5に示す、上杵用吸引口h6)内に吸引された、滑沢剤(粉末)は、導管T5、分岐管T5b及び導管T5cを通って、余剰滑沢剤吸引手段111へと吸引される。この結果、分岐管T5a内へは、滑沢剤(粉末)が通らなくなる。
【0486】
この時、光透過式測定装置s4を駆動させれば、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定できる。
【0487】
この測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定値は、例えば、演算処理装置111の記憶手段に一時記憶させる。
【0488】
その後、余剰滑沢剤吸引手段101を駆動した状態に維持して、導管開閉手段v4を開き、導管開閉手段v5を閉じた状態にし、分岐管T5a内へ、滑沢剤(粉末)を、再び、通すようにし、光透過式測定装置s4を駆動し、測定セル92内を通る、滑沢剤(粉末)の流量等を測定し、予め、演算処理装置111の記憶手段に記憶させている、補正プログラムと、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定値とに基づいて、光透過式測定装置s4の測定値から、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を除去した補正値を算出する。この補正値に基づいて、流量制御装置34を調整したり、脈動空気振動波発生装置31を構成する圧縮空気源31の駆動量を、適宜、調節したりすれば、滑沢剤噴霧装置1内の滑沢剤(粉末)の濃度等を、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響(ノイズ)を受けることなく、所望の濃度に調節できる。
【0489】
また、この外部滑沢式打錠機装置Aでは、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定する際にも、上杵用吸引口(図5に示す、上杵用吸引口h6)からの吸引を停止する必要がないので、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定している間も、錠剤の製造を続けることができる、という効果がある。
【0490】
次に、外部滑沢式打錠機Aの動作について、例示的に、以下に、説明する。
【0491】
図26は、この外部滑沢式打錠機Aの演算処理装置111の記憶部(図示せず。)に予め記憶されている、外部滑沢式打錠機Aの動作プログラムを概略的に示すフローチャートである。
【0492】
また、図27は、外部滑沢式打錠機Aの定量フィーダ装置61の粉体材料貯蔵ホッパー62に設けられているガス噴射ノズル手段n、nの動作、及び、材料切出弁64の動作を概略的に説明する説明図である。
【0493】
尚、この外部滑沢式打錠機Aの滑沢剤塗布装置1による、回転テーブル12に設けられている複数の臼13・・・の各々の内周面S13・・・、複数の下杵14の各々の上面S14・・・、及び、複数の上杵15・・・の各々の下面S15・・・へ滑沢剤を塗布する塗布方法(動作・原理)、及び、回転テーブル12に設けられている複数の臼13・・・、複数の下杵14・・・、及び、複数の上杵15・・・により、成形材料を錠剤化する錠剤の製造方法については、既に、説明したので、ここでは、脈動空気振動波発生装置31により発生させる、正圧の脈動空気振動波の発生工程、定量フィーダ装置61により、脈動空気振動波発生装置31により発生させた、正圧の脈動空気振動波に、滑沢剤(粉末)を混和し、分散させる工程、及び、定量フィーダ装置61により、正圧の脈動空気振動波中に混和し、分散された滑沢剤が、正圧の脈動空気振動波とともに、滑沢剤塗布装置1を構成する塗布装置本体1aの下杵用滑沢剤噴霧口h1に接続されている接続口j1まで、導管T4を介して、気力輸送される工程を中心にして説明する。
【0494】
この外部滑沢式打錠機Aでは、定量フィーダ装置61の粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aは、材料切出弁66により、閉じられた状態になっている(図27(a)を参照)。
【0495】
まず、この外部滑沢式打錠機Aを用いて錠剤を製造する際には、既に、説明したように、ロータリ型打錠機11のフィードシュー21に、錠剤化する、成形材料を供給する。
【0496】
また、定量フィーダ装置61を構成する粉体材料貯蔵ホッパー62内に、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料投入口h62bから滑沢剤(粉末)を収容する。
【0497】
次に、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料投入口h62bに、蓋体62aを気密に取り付ける。
【0498】
また、脈動空気振動波変換装置33の回転駆動手段35の回転軸axに、粉体材料貯蔵ホッパー62内に貯留する滑沢剤(粉末)の物性に応じて、この滑沢剤(粉末)が空気に混和し、分散し易い、波形の正圧の脈動空気振動波を発生させることのできる、凹凸パターンを有する回転カム39を取り付ける。
【0499】
また、圧力調整弁vp1、vp2を調整する。
【0500】
また、流量制御装置34を調整する。
【0501】
また、圧縮空気源32を動作状態にする。
【0502】
この状態では、脈動空気振動波変換装置33の圧力調整弁40は、開いた状態にされており、圧縮空気源32を駆動することにより発生させた圧縮空気は、導管T1、流量制御装置32、導管T2を介して、脈動空気振動波変換装置33へ至り、圧力調整ポート36cから大気中へと放出され、導管T3内へとは送り込まれないようになっている。
【0503】
また、レベルセンサーs2を動作状態にする(図26に示す、ステップ1を参照)。
【0504】
また、筒状管64内に設けられている、圧力センサーs1を動作状態にする(図26に示す、ステップ2を参照)。
【0505】
また、粉体材料貯蔵ホッパー62に設けられている、圧力センサーs3を動作状態にする(図26に示す、ステップ3を参照)。
【0506】
この外部滑沢式打錠機Aでは、レベルセンサーs2、圧力センサーs1及び圧力センサーs3がいずれも動作状態にされたことが確認されると、以下の動作が開始される。
【0507】
定量フィーダ装置61の筒状管64内の弾性体膜65の上には、最初は、滑沢剤(粉末)が堆積・貯留されていないので、レベルセンサーs2を動作状態にされると、発光素子s2aから照射された光が、受光素子s2bによって受光される。
【0508】
この時、演算処理装置111は、弾性体膜65上の滑沢剤(粉末)の量(高さ)Hが、しきい値(Hth)以下である(H<Hth)と判断する(ステップ4を参照)。
【0509】
この場合、演算処理装置111は、圧力調整弁vp3を所定の調整量で、一定時間、開いた状態にし、その後、再び、閉じた状態にする。
【0510】
圧力調整弁vp3が、開いた状態にされると、圧縮空気源32から供給されてくるガス噴射ノズル手段n、nへ送られ、ガス噴射ノズル手段n、nの各々のガス噴射口hn、hnから、噴射される。ガス噴射口hn、hnの各々は、粉体材料貯蔵ホッパー62の内周面に対し、概ね接線方向を向くように、且つ、一方向を向くように設けられているので、ガス噴射ノズル手段n、nの各々のガス噴射口hn、hnから噴射された、圧縮空気は、粉体材料貯蔵ホッパー62内で、一方向に旋回する、空気流となる(図27(b)を参照)。
【0511】
このガス噴射ノズル手段n、nの各々のガス噴射口hn、hnから噴射され、粉体材料貯蔵ホッパー62内で、一方向に旋回する、空気流により、たとえ、粉体材料貯蔵ホッパー62のコーン部62cの付近で、滑沢剤(粉末)が固結して固結部が生じていたとしても、滑沢剤(粉末)のそのような固結部が、砕かれ、且つ、コーン部62cの付近の滑沢剤(粉末)中に、空気が含まれた状態となるので、材料切出弁66が材料排出口h62aを開いた状態にされた場合に、材料排出口h62aから粉体材料貯蔵ホッパー62内に貯留された滑沢剤(粉末)が、ファンネルフロウを生じることなく、材料排出口h62aからスムーズに定量的に排出されることになる。
【0512】
演算処理装置111は、ガス噴射ノズル手段n、nからの圧縮空気の噴射が終了したことを確認すると、筒状管64内に設けられている圧力センサーs1の検出値(筒状管64内の圧力Pr64)と、粉体材料貯蔵ホッパー62内に設けられている圧力センサーs3の検出値(粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62)とを比較する(ステップ7を参照)。
【0513】
ステップ7において、演算処理装置111が、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62が、筒状管64内の圧力Pr64に比べて高い(圧力Pr62>圧力Pr64)と判断した場合には、演算処理装置111は、開閉バルブ(ガス抜き弁)v1が、開いた状態にする。これにより、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力が下がる。尚、開閉バルブ(ガス抜き弁)v1は、演算処理装置111からの指令によって、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62と、筒状管64内の圧力Pr64との圧力が等しくなるまで開いた状態にされ、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62と、筒状管64内の圧力Pr64との圧力が等しくなると、閉じた状態にされる(ステップ8を参照)。
【0514】
ステップ7において、演算処理装置111が、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62が、筒状管64内の圧力Pr64に比べて低い(圧力Pr62<圧力Pr64)と判断した場合には、演算処理装置111は、開閉バルブv2を、開いた状態にする。これにより、圧縮空気源32から供給される圧縮空気が、筒状管64内に供給され、筒状管64内の圧力Pr64が高くなる。尚、開閉バルブv2は、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62と、筒状管64内の圧力Pr64との圧力が等しくなるまで開いた状態にされ、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62と、筒状管64内の圧力Pr64との圧力が等しくなると、閉じた状態にされる(ステップ9を参照)。
【0515】
ステップ7において、演算処理装置111が、粉体材料貯蔵ホッパー62内の圧力Pr62と、筒状管64内の圧力Pr64とが等しい(圧力Pr62=圧力Pr64)と判断した場合には、演算処理装置111は、3方向弁v3を分岐管T9aを開いた状態にし、分岐管T9bを閉じた状態にする。これにより、材料切出弁66の可動部66aが下方向に移動し、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが開いた状態にされる(図27(c)を参照)。
【0516】
上述したように、粉体材料貯蔵ホッパー62のコーン部62cの付近の滑沢剤(粉末)に固結部が生じていたとしても、そのような固結部は、ガス噴射ノズル手段n、nの各々のガス噴射口hn、hnから噴射された空気によって、崩され、空気を含んだ状態にされているため、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが開いた状態にされると、ファンネルフロウを生じることなく、定量的に、滑沢剤(粉末)が、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aから筒状管64内へと排出される。
【0517】
粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aから筒状管64内へと排出された、滑沢剤(粉末)は、弾性体膜65上に堆積して行く。
【0518】
そして、弾性体膜65上に堆積した滑沢剤(粉末)の量(高さH)が、レベルセンサーs2が設けられている位置の高さHthを超えると、発光素子s2aから照射された光が、滑沢剤(粉末)により遮られ、受光素子s2bで受光できなくなる(オフになる。)。
【0519】
この時、演算処理装置111は、3方向弁v3を分岐管T9aを閉じた状態にし、分岐管T9bを開いた状態にする。これにより、材料切出弁66の可動部66aが上方向に移動し、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが閉じた状態にされる。
【0520】
これにより、材料切出弁66の可動部66aが、上方向に移動して、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aが閉じた状態になるので、粉体材料貯蔵ホッパー62内から筒状管64内への滑沢剤(粉末)の排出が、停止する。
【0521】
以上により、筒状管64内の弾性体膜65の上には、滑沢剤(粉末)が、弾性体膜65の上から高さHthの位置まで堆積した状態になる。
【0522】
以上の状態になった後、脈動空気振動波発生装置31を駆動状態にする。
【0523】
即ち、脈動空気振動波発生装置31の脈動空気振動波変換装置33の回転駆動手段35を所定の回転速度で回転駆動し、この回転駆動手段35の回転軸axに取り付けられている回転カム(図24に示す回転カム39を参照。)を所定の回転速度で回転させる。
【0524】
回転カム(図24に示す回転カム39を参照。)を所定の回転速度で回転させると、弁体38が、回転カム39に設けられている凹凸パターンに従って、上下運動をし、弁座37を開閉する。
【0525】
また、圧力調整弁40が、所定の調整量で、閉じられた状態にされる。
【0526】
これにより、脈動空気振動波変換装置33の空気排出ポート36bから、導管T3内に、所定の周期、振幅、波形及び振動数の、正圧の脈動空気振動波が送出される。
【0527】
尚、正圧の脈動空気振動波の、周期、振幅、波形及び振動数は、圧縮空気源32の駆動量を適宜調節したり、流量制御装置34を適宜調節したり、脈動空気振動波変換装置33の回転駆動手段35を所定の回転速度を適宜調整したり、余剰滑沢剤吸引手段101の駆動量を適宜調整したり、あるいは、これらの少なくとも2つを組み合わせて調整したりすることによって、調整できる。
【0528】
脈動空気振動波変換装置33の空気排出ポート36bから、導管T3内に送出された、正圧の脈動空気振動波は、導管T3を介して、脈動空気振動波供給口63e1から、定量フィーダ装置61の分散室63内へと供給される。
【0529】
次に、定量フィーダ装置61の動作について説明する。
【0530】
図28は、定量フィーダ装置61の弾性体膜65の動作を模式的に示す説明図である。
【0531】
導管T3内へ供給された、正圧の脈動空気振動波は、脈動空気振動波供給口63e1から分散室63内に供給され、分散室63内で、下方から上方に向かって、竜巻のような渦巻き流のように旋回する、正圧の脈動空気振動波となり、排出口63e2から排出される。
【0532】
この分散室63内において発生した、旋回する、正圧の脈動空気振動波は、脈動空気振動波としての性質は失われていないため、弾性体膜65は、正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形に従って振動する。
【0533】
例えば、分散室63内に送り込まれる、正圧の脈動空気振動波が山の状態になり、分散室63内の圧力Pr63が、筒状管64内の圧力Pr64に比べて高くなった場合(圧力Pr63>圧力Pr64)には、弾性体膜65は、図28(a)に示すように、その中央部が上方に湾曲した形状に弾性変形する。
【0534】
この時、貫通孔h65は、断面視した場合、貫通孔h65の上側が開いた、概ねV字形状になり、このV字形状になった貫通孔h65内に、筒状管64内の弾性体膜65上に貯留した滑沢剤(粉末)の一部が落下する。
【0535】
また、この定量フィーダ装置61では、分散室63と筒状管64との間に、新たに、バイパス管Tvを設けているので、弾性体膜65は、その初期の張り状態を中立状態にして、上下のほぼ均等の振幅で、上下振動するので、振動が精度よく行える。
【0536】
即ち、この定量フィーダ装置61では、筒状管64と分散室63との間の空気流通路を、弾性体膜65に設けられた貫通孔h65と、バイパス管Tvの2系統にしているので、空気は、流通し易い方を通じて、筒状管64と分散室63との間を流れる。
【0537】
即ち、図28(a)に示したように、弾性体膜65の貫通孔h65を通じて、分散室63から筒状管64へ空気が流入する際には、バイパス管Tv内に、筒状管64から分散室63へと流れる気流が発生するため、バイパス管Tvが無いものに比べ、弾性体膜65の貫通孔h65を通じて、分散室63から筒状管64へ空気が流入が、スムーズに行われる。
【0538】
次いで、分散室63内に送り込まれる、正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷に向かうにつれ、分散室63内の圧力Pr63と、筒状管64内の圧力Pr64とが等しくなってくると(圧力Pr63=圧力Pr64)には、弾性体膜65は、その復元力により、その中央が上方向に湾曲した形状から、元の状態に戻ってくる。この時、貫通孔h65の形状も、上側が開いた、概ねV字形状から元の形状に戻るが、貫通孔h65が、上側が開いた、概ねV字形状になった際に、貫通孔h65内に落下した、粉体材料が、貫通孔h65に挟み込まれた状態になる(図28(b)を参照)。
【0539】
この定量フィーダ装置1では、筒状管64と分散室63との間の空気流通路を、弾性体膜65に設けられた貫通孔h65と、バイパス管Tvの2系統にしているので、空気は、流通し易い方を通じて、筒状管64と分散室63との間を流れる。
【0540】
即ち、分散室63と筒状管64との間における空気の流通が、バイパス管Tvと、弾性体膜65に設けられた貫通孔h65との双方の協働によって行われるため、分散室63内の圧力Pr63と、筒状管64の圧力Pr65とが、バイパス管Tvが無いものに比べ、速く平衡状態になる。
【0541】
このことを、別の表現で説明すると、図28(b)に示したように、弾性体膜65の貫通孔h65を通じて、筒状管64から分散室63へ空気が流入する際には、貫通孔h65が閉塞しても、バイパス管Tvを通じて、筒状管64から分散室63へと空気が流れるため、バイパス管Tvが無いものに比べ、分散室63の圧力と筒状管64の圧力とが、速やかに平衡状態になる。
【0542】
次いで、分散室63内に供給されている、正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷になり、分散室63の圧力が、低くなると、弾性体膜65は、その中央が下方向に湾曲した形状に、弾性変形する。この時、貫通孔h65は、断面視した場合、下側が開いた、概ね逆V字形状になる。そして、貫通孔h65が、概ね逆V字形状になった際に、貫通孔h65内に挟み込まれていた、粉体材料が、分散室63内に落下する(図28(c)を参照)。
【0543】
分散室63内へ、貫通孔h65内に挟み込まれていた、粉体材料が、排出される際に、この装置1では、筒状管64と分散室63との間の空気流通路を、弾性体膜65に設けられた貫通孔h65と、バイパス管Tvの2系統にしているので、空気は、流通し易い方を通じて、筒状管64と分散室63との間を流れる。
【0544】
即ち、図28(c)に示したように、弾性体膜65が、その中央が下方に湾曲した形状となり、筒状管64の体積が大きくなった際には、バイパス管Tvを通じて、分散室63から筒状管64へ、空気が流れ込むため、貫通孔h65を通じての、分散室63から筒状管64への空気の流れ込みは、生じない。これにより、貫通孔h65を通じての粉体材料の排出が、バイパス管Tvが無いものに比べ、スムーズに行われる。
【0545】
このように、この定量フィーダ装置61では、分散室63内に、正圧の脈動空気振動波を供給した際に、筒状管64内の圧力と分散室63内の圧力との平衡になるのに要する時間が速くなり、正圧の脈動空気振動波の振動に対して、弾性体膜がの上下の振動の応答性が優れている。この結果、貫通孔h65を通じて行われる粉体の排出が、正圧の脈動空気振動波に応答して、定量的に、行われる。
【0546】
更に、この定量フィーダ装置61では、分散室63内へ落下した滑沢剤(粉末)は、分散室63内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散し、流動化して、排出口63e2より、正圧の脈動空気振動波とともに、導管T4内へ送り出される。
【0547】
導管T4内へ、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した状態で送り出された、滑沢剤(粉末)は、正圧の脈動空気振動波により気力輸送され、導管T4の他端(図14に示す導管T4の他端T4b)から、滑沢剤噴霧装置1内へと供給される。
【0548】
次に、ロータリ型打錠機11を駆動する。
【0549】
滑沢剤噴霧装置1による、ロータリ型打錠機11の回転テーブル12に設けられている臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・への滑沢剤(粉末)の塗布状態、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・への滑沢剤(粉末)の塗布状態、及び、上杵15・・・の各々の表面(上面)S15・・・への滑沢剤(粉末)の塗布状態が、最適になれば、フィードシュー21から、臼13・・・の各々内へ、成形材料を供給し、臼13・・・の各々と、臼13・・・の各々と組になる下杵14・・・及び上杵15・・・を用いて、成形材料を圧縮成形して、錠剤t・・・を連続的に製造する。
【0550】
滑沢剤噴霧装置1による、ロータリ型打錠機11の回転テーブル12に設けられている臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・、及び、上杵15・・・の各々の表面(上面)S15・・・への滑沢剤(粉末)の塗布を行っている間、圧力センサーs1、レベルセンサーs2及び圧力センサーs3は動作状態にされ、レベルセンサーs2の発光素子s2aより照射された光を受光素子s2bが受光すると、図26及び図27に示した手順により、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aに設けられている材料切出弁66が開き、材料排出口h62aから、粉体材料貯蔵ホッパー62内に貯留した滑沢剤(粉末)の筒状管64への排出が行われ、レベルセンサーs2の発光素子s2aより照射された光を受光素子s2bが受光しなくなると、粉体材料貯蔵ホッパー62の材料排出口h62aに設けられている材料切出弁66が閉じた状態となり、粉体材料貯蔵ホッパー62内に貯留した滑沢剤(粉末)の筒状管64への排出が停止するという動作が繰り返し行われ、これにより、滑沢剤噴霧装置1による、ロータリ型打錠機11の回転テーブル12に設けられている臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・、及び、上杵15・・・の各々の表面(上面)S15・・・への滑沢剤(粉末)の塗布を行っている間、筒状管64内の弾性体膜65上の滑沢剤(粉末)の量(高さH)が、常に、一定量(一定の高さHth)に維持されるようになっている。
【0551】
尚、滑沢剤噴霧装置1による、ロータリ型打錠機11の回転テーブル12に設けられている臼13・・・の各々の表面(内周面)S13・・・、下杵14・・・の各々の表面(上面)S14・・・、及び、上杵15・・・の各々の表面(上面)S15・・・への滑沢剤(粉末)の塗布方法、及び、ロータリ打錠機11の動作については、既に、詳しく説明したので、ここでの説明は、省略する。
【0552】
この定量フィーダ装置61では、弾性体膜65の、その中央部を振動の腹として、外周部を振動の節とする、上下方向の振動は、分散室63内へ供給される、正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形に従って、一義的に振動する。従って、分散室63内へ供給される、正圧の脈動空気振動波を一定にしている限り、常に、一定量の滑沢剤(粉末)が、弾性体膜65の貫通孔h65を通じて、分散室63内へ精度良く排出されるので、この定量フィーダ装置61は、例えば、一定量の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧装置1)に供給する装置として優れている。
【0553】
また、この定量フィーダ装置61には、分散室63内へ供給する正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形を制御すれば、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧装置1)に供給する粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の量を容易に変更することができるという利点をも合わせ持っている。
【0554】
更に、この定量フィーダ霧装置61では、分散室63内において、正圧の脈動空気振動波を、下方から上方に向かう旋回流にしているので、分散室63内に排出された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))中に、たとえ、凝集した粒径の大きい粒子が含まれていたとしても、その多くは、分散室63内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、小さな粒径になるまで分散される。
【0555】
のみならず、この定量フィーダ装置61では、分散室63内において、正圧の脈動空気振動波を、下方から上方に向かう旋回流にしているため、分散室63は、サイクロンと同様の、分粒機能を有している。これにより、概ね所定の粒径の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が、排出口63e2から導管T2内へと排出される。一方、凝集した粒径の大きい粒子は、分散室63内の下方の位置を旋回し続け、分散室63内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、所定の粒径まで分散されてから、排出口63e2から、導管T2内へと排出される。
【0556】
従って、この定量フィーダ装置61を用いれば、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧装置1)に、粒径の揃った粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の一定量を供給できるという利点もある。
【0557】
また、導管T4内へ供給された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))は、導管T4の他端T4bまで、正圧の脈動空気振動波により気力輸送されることになる。
【0558】
これにより、この定量フィーダ装置61では、導管T4内へ供給された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、導管T4の他端T4bまで、一定流量の定常圧空気により気力輸送するような装置に見られるような、導管T4内における、粉体の堆積現象や、導管T4内における、粉体の吹き抜け現象が発生し難い。
【0559】
したがって、この定量フィーダ装置61では、分散室63の排出口63e2から導管T4内へ排出された当初の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の濃度が維持された状態で、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が、導管T4の他端T4bから排出されるので、導管T4の他端T4bから噴霧される粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の定量性を精密にコントロールすることができる。
【0560】
更に、この定量フィーダ装置61では、粉体材料噴霧装置1を動かしている間、弾性体膜65上に、常に、概ね、一定量(レベルセンサーs2を設ける位置(弾性体膜65からレベルセンサーs2の設けられる位置の高さHth)の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が存在するようにしているので、弾性体膜65の貫通孔h65から排出される粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の排出量が、弾性体膜65上に存在する、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の量が変動することで、変動するという現象が生じない。これによっても、この定量フィーダ装置61は、例えば、一定量の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧装置1)に供給する装置として優れている。
【0561】
また、この定量フィーダ装置61を用いれば、分散室63内に、たとえ、大粒の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が排出されたとしても、その大部分が、分散室63内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、所定の粒径まで砕かれて、排出口63e2から、導管T4内へと排出されるため、分散室63内に、大粒の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が堆積し難い。
【0562】
これにより、この定量フィーダ装置61では、この定量フィーダ装置61を、長時間、駆動しても、分散室63内に、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が堆積することが無いため、分散室63内を清掃する作業回数を減らすことができる。
【0563】
したがって、この定量フィーダ装置61を備える外部滑沢式打錠機Aには、外部滑沢式打錠機Aを用いて、連続打錠を行っている最中に、分散室63内を清掃する作業が、殆ど不要となる。このため、外部滑沢式打錠機Aを用いれば、外部滑沢錠剤(錠剤の内部に、滑沢剤を含まない錠剤)を、効率良く、製造することができるという効果もある。
【0564】
のみならず、この粉体材料噴霧装置1では、弾性体膜65を、図19、図20及び図21に示した弾性体膜取付具71を用いることにより、張った状態にしているので、弾性体膜65の弛みが原因となって、この定量フィーダ装置61の定量性が損なわれることもない。
【0565】
これにより、この外部滑沢式打錠機Aの演算処理措置111の記憶部に、錠剤の製造条件を記憶させれば、演算処理措置11の記憶部に記憶させた錠剤の製造条件に従って、所望の外部滑沢錠を長時間に亘って、安定して生産することができる。
【0566】
尚、この外部滑沢式打錠機Aでは、錠剤tを製造している間、適宜、光透過式濃度測定装置91により、測定セル92内を通過する滑沢剤(粉末)をモニターすることで、滑沢剤噴霧装置1内の滑沢剤(粉末)の濃度等が調節できるようにされているが、この外部滑沢式打錠機Aでは、上述したように、測定セル92へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定する際に、脈動空気振動波発生装置31定量フィーダ装置61、ロータリ型打錠機11及び余剰滑沢剤吸引手段101を停止する必要が無いため、錠剤を、生産効率良く、製造することができるという効果もある。
【0567】
尚、上記の発明の実施の形態では、脈動空気振動波発生装置31を構成する脈動空気振動波変換装置33として、回転カム39を回転させることにより、弁体38を、回転カム39に設けられた凹凸パターンに従って、上下に移動させ、弁体38により、弁座37を開閉することで、所望の正圧の脈動空気振動波を導管T3内に供給するようにしたものについて説明したが、これは、所望の正圧の脈動空気振動波を、正確に、導管T3内に供給できるようにした、好ましい例を示したに過ぎず、脈動空気振動波変換装置としては、例えば、図29に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置31Aや、図30に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置31Bを用いてもよい。
【0568】
図29に示す脈動空気振動波発生装置31Aは、図24に示す脈動空気振動波発生装置31とは、脈動空気振動波変換装置の構成が異なっている以外は、同様の構成であるので、相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0569】
脈動空気振動波発生装置31Aの脈動空気振動波変換装置33Aは、円筒形の筒状体122と、筒状体122内の中空室123を概ね2分割するように、筒状体122の中心軸を回転軸122aとして、回転軸122aに取り付けられたロータリ弁124とを備える。回転軸122aは、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、所定の回転速度で回転するようになっている。
【0570】
筒状体122の外周壁には、導管T2と、導管T3とが、所定の隔たりを設けて、接続されている。
【0571】
脈動空気振動波発生装置31Aを用いて、導管T3内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、圧縮空気源32を駆動して、導管T1内に、所定の圧縮空気を供給する。流量制御装置34が設けられている場合にあっては、流量制御装置34を適宜調節することで、導管T2内へ供給する圧縮空気の流量を調節する。
【0572】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸122aを所定の回転速度で回転させることで、回転軸122aに取り付けられたロータリ弁124を所定の回転速度で回転させる。
【0573】
すると、例えば、ロータリ弁124が実線で示すような位置にあるときは、導管T2と、導管T3との間が導通状態になっているので、圧縮空気源32より発生させた圧縮空気は、導管T2から導管T3へと供給される。
【0574】
また、例えば、ロータリ弁124が想像線で示すような位置にあるときは、導管T2と、導管T3との間が、ロータリ弁124により、遮断された状態になる。
【0575】
この時、筒状体122内の、ロータリ弁124により仕切られた一方の空間Sp1には、導管T2から圧縮空気が供給され、この空間Sp1では空気の圧縮が行われる。
【0576】
一方、筒状体122内の、ロータリ弁124により仕切られた一方の空間Sp2では、空間Sp2内に蓄えられていた圧縮空気が、導管T3内へと供給される。
【0577】
このような動作が、ロータリ弁93の回転により繰り返し行われることにより、導管T3内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
【0578】
次に、図30に示す脈動空気振動波発生装置31Bについて、概略的に説明する。
【0579】
図30は、脈動空気振動波発生装置31Bを、概略的に示す分解斜視図である。
【0580】
尚、図30に示す脈動空気振動波発生装置31Bは、図24に示す脈動空気振動波発生装置31とは、脈動空気振動波変換装置33Bの構成が異なっている以外は、同様の構成であるので、相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0581】
脈動空気振動波発生装置31Bの脈動空気振動波変換装置33Bは、円筒形の筒状体132と、筒状体132内に、回転可能に設けられた回転弁体133とを備える。
【0582】
筒状体132は、一方端132e1が開口し、他方端132e2が、蓋体132cにより閉じられた構造になっており、その側周面には、吸気口132aと、送波口132bとを備える。
【0583】
吸気口132aには、圧縮空気源(図14に示す圧縮空気源32を参照)に接続される導管T2が接続され、送波口132bには、定量フィーダ装置61に接続される導管T3が接続される。
【0584】
尚、図30中、132dで示す部分は、回転弁体133を枢着する回転軸受け孔を示している。
【0585】
回転弁体133は、中空h133aを有する円筒形状をしており、その側周面S133には、開口部h133b、h133bが設けられている。また、回転弁体133は、一方端133e1が、開口しており、他方端133e2が、蓋体133cにより閉じられた構造になっている。
【0586】
また、回転弁体133は、その回転中心軸に、回転軸134が延設されている。回転軸134には、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)が接続されており、回転駆動手段(図示せず。)を駆動すると、回転弁体133が、回転軸134を中心にして回転するようになっている。
【0587】
回転弁体133の側周面S133の外径は、筒状体132の内径に概ね一致しており、回転弁体133を、筒状体132内に収容し、回転弁体133を回転させると、回転弁体133の側周面S133が、筒状体132の内周面に沿って摺動するようになっている。
【0588】
尚、図30中、133dで示す部分は、筒状体132の蓋体132cに設けられている回転軸受け孔132dに回転可能に収容される回転軸を示している。
【0589】
回転弁体133は、筒状体132内に、回転軸133dを回転軸受け孔132dに取り付けた状態で、回転可能に設けられている。
【0590】
脈動空気振動波発生装置31Bを用いて、導管T3内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、圧縮空気源32を駆動して、導管T1及び導管T2内へ圧縮空気を供給する。
【0591】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸134を所定の回転速度で回転させることで、回転弁体133を所定の回転速度で回転させる。
【0592】
すると、例えば、回転弁体133の開口部h133aが、送波口132bの位置にある時には、導管T2と導管T3との間が導通状態になり、この時、導管T3に圧縮空気が送り出される。
【0593】
また、例えば、回転弁体133の側周面S133が、送波口132bの位置にある時は、導管T2と導管T3との間が、側周面S133により遮断されるので、この時、導管T3内に圧縮空気が送り出されない。
【0594】
このような動作が、回転弁体133の回転により繰り返し行われることにより、導管T3内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
【0595】
尚、正圧の脈動空気振動波の減衰する性質を考慮した場合には、脈動空気振動波発生装置から、オンオフがはっきりした切れの良い、正圧の脈動空気振動波を発生する方が好ましい。このようなオンオフがはっきりした切れの良い、正圧の脈動空気振動波を発生するには、どちらかというと、図29に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置33Aや、図30に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置33Bよりも、図24に示すような回転カム型の脈動空気振動波変換装置23を用いる方が好ましい。
【0596】
また、上述した発明の実施の形態では、粉体材料貯蔵ホッパー62内に、滑沢剤(粉末)を貯留した場合を例にして説明したが、定量フィーダ装置61は、滑沢剤噴霧用の滑沢剤噴霧室に限られることはなく、種々の粉体の定量フィーダ装置として用いることができる。
【0597】
例えば、定量フィーダ装置61を、射出成形機の金型近傍位置に付設し、粉体材料貯蔵ホッパー62内に、離形剤(粉末)を貯留し、射出成形機の、ノズルタッチ工程、型締めされた金型内へ溶融樹脂を射出する射出工程、金型内へ射出された溶融樹脂を冷却する冷却工程、及び、金型を開いて、金型内で成形された樹脂成型品を取り出す、取り出し工程の射出成形サイクルにおいて、金型の鋳型面へ樹脂成型品が付着するのを防止するために、取り出し工程において、金型が開かれ、金型内で、成形された樹脂成型品を取り出しが行われた直後に、可動型及び固定型の間の型締めエリア内に、ロボット手段等により定量フィーダ装置61の噴霧口T4bを接近させて、可動型の鋳型面及び固定型の鋳型面の各々に、離形剤(粉末)を噴霧し、その後、可動型と固定型との間の型締めエリア内から、噴霧口T4bを型締めエリア外へ退避させるようにした、射出成形金型用の離形剤噴霧用定量フィーダ装置として、好適に用いることができる。
【0598】
また、定量フィーダ装置31の粉体材料貯蔵ホッパー62内に、食品、樹脂、化学物質等の各種粉体を収容すれば、定量フィーダ装置31を、そのような粉体の定量フィーダ装置として使用することができる。
【0599】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の滑沢剤塗布装置では、まず、第1に、塗布装置本体に、上杵用滑沢剤塗布ユニットを交換可能に取り付けられるようにしている。
【0600】
滑沢剤塗布装置では、この構成を採用した結果、滑沢剤塗布装置を、滑沢剤噴霧位置に固定的に取り付けた後において、この滑沢剤塗布装置を別のタイプの滑沢剤塗布装置を交換する必要がある場合に、一旦、塗布装置本体を、ロータリ型打錠機の滑沢剤噴霧位置に固定的に取り付けた後は、この塗布装置本体を交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを、別のタイプの上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換するだけで、別のタイプの滑沢剤塗布装置を交換することができる。
【0601】
この結果、この滑沢剤塗布装置では、従来の一体成形型の滑沢剤塗布装置に比べ、容易且つ簡単に、ロータリ型打錠機の滑沢剤噴霧位置に取り付けられた滑沢剤塗布装置を、別のタイプの上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換することができる。
【0602】
また、第2に、この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体の下面に、回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにするようにしている。
【0603】
即ち、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの表面に、塗布装置本体の下面が接するように、回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に、塗布装置本体を取り付けている。
【0604】
この構成を採用した結果、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた際に、その塗布装置本体の下面に、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に所定の位置まで挿入されている、下杵の上面に、順次、滑沢剤が噴霧される。
【0605】
その一方、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきている際には、下杵用滑沢剤噴霧口が、回転テーブルの表面により閉じられた状態になるので、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に、不要な滑沢剤が吹き付けられることがない。
【0606】
これにより、この滑沢剤塗布装置では、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に付着している滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0607】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0608】
また、第3に、この滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。このため、この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、重力との関係で、下杵の上面に余分に付着しがちな滑沢剤が吹き飛ばされる結果、下杵の上面に滑沢剤が余分に付着することがない。
【0609】
また、正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、下杵の上面から吹き飛ばされた滑沢剤は、臼の内周面(より特定的には、臼の成形材料接触面、更に特定的には、臼の内周面の、下杵の上面よりも上方の表面)に、付着する。
【0610】
且つ、この滑沢剤塗布装置では、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導しているので、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤が、下杵の上面及び臼の内周面に、付着することがない。
【0611】
以上により、この滑沢剤塗布装置を用いれば、下杵の上面及び臼の内周面に、順次、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0612】
更に、第4に、この滑沢剤塗布装置では、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、上杵の下面には、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するために、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を設けている。
【0613】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、上杵の下面には、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく間に、時間をかけて、順次、塗布できるので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面にも、必要量の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0614】
請求項2に記載の滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に、下杵用滑沢剤噴霧口と上杵用滑沢剤塗布ユニットとの間を導通するように、滑沢剤供給通路を設けているので、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきており、下杵用滑沢剤噴霧口が回転テーブルの表面により閉じられた状態になっている時にも、滑沢剤供給通路を通じて、塗布装置本体側から上杵用滑沢剤塗布ユニット側に、連続的に、滑沢剤が供給される。
【0615】
これにより、この滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に設けられているスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口からは、常に、一様に、滑沢剤が噴霧され続けるので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を時間をかけて移動する間に、滑沢剤が均一に塗布される。
【0616】
また、この滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に設けられている上杵用滑沢剤噴霧口を、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けたスリット形状にしている。これにより、複数の上杵の各々が、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動することになるため、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に、効率良く、滑沢剤が塗布される。
【0617】
請求項3に記載の滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に交換可能に取り付けられる上杵用滑沢剤塗布ユニットとして、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって最適な、異なった形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有した上杵用滑沢剤塗布ユニットを複数個、予め、用意しているので、そのように、予め、用意されている、複数個の上杵用滑沢剤塗布ユニットの中から、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって、最適な形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有した上杵用滑沢剤塗布ユニットを選択し、これを塗布装置本体に取り付けることで、打錠障害が発生していない錠剤を、工業的生産ベースで、製造することができる。
【0618】
請求項4に記載の滑沢剤塗布装置では、上杵用滑沢剤塗布ユニットの、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口に沿って、上杵収容溝を設け、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝内に止まるようにしているので、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面へ、複数の上杵の各々が、上杵収容溝内の、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方に沿って移動する間に、効率良く、滑沢剤が塗布される。
【0619】
また、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される滑沢剤が、直ちに分散することなく、上杵収容溝内に止まるようにしているので、ロータリ型打錠機の、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵収容溝以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0620】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0621】
請求項5に記載の滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に交換可能に設けられた、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、更に、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設けている。これにより、上杵用吸引手段を駆動することで、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流を発生させると、塗布装置本体から上杵用滑沢剤塗布ユニット側へ、滑沢剤を送る、正圧の脈動空気振動波は、急激に、その脈動空気振動波としての性質が減衰し、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口からは、滑沢剤は、概ね、通常の定常圧流の空気に混和した状態で、且つ、上杵用吸引手段を駆動することにより、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流との協働によって、上杵用吸引口内へと移動する。
【0622】
上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に設けられているので、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方には、そのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の始端から終端まで、概ね一様の上杵用吸引口へ向かう気流が発生している。
【0623】
また、上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置を移動する、複数の上杵の下面より、上方位置に設けられている。
【0624】
これにより、回転テーブルと同期して回転する複数の上杵は、順次、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動する間に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から上杵用吸引口に向かう気流に乗って移動する滑沢剤に晒されることになり、複数の上杵の各々の下面へ、滑沢剤が衝突することで、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に対しても、順次、滑沢剤が均一に塗布される。
【0625】
また、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、複数の上杵の各々の下面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布することが可能になる。
【0626】
のみならず、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、ロータリ型打錠機の、滑沢剤塗布装置以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0627】
従って、この滑沢剤塗布装置を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0628】
また、上杵用吸引手段の駆動量を調整することで、複数の下杵の各々の上面、及び、複数の臼の各々の内周面の各々に塗布する滑沢剤の塗布量を調整することも可能である。
【0629】
請求項6に記載の滑沢剤塗布装置では、塗布装置本体に、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するために、塗布装置本体の下面の、回転テーブルの回転方向と順方向となる位置に、余剰滑沢剤除去用吸引手段を設けているが、塗布装置本体の下面に設けた下杵用滑沢剤噴霧口と、余剰滑沢剤除去用吸引手段の下杵用吸引口とが、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通しないように、下杵用吸引口を、下杵用滑沢剤噴霧口から離れた位置に設けている。
【0630】
この下杵用吸引口と下杵用滑沢剤噴霧口との位置関係により、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面へ、下杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される、滑沢剤の噴霧量に、一切、影響を与えることなく、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を任意に調整できるので、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するのに最適な駆動量にすることができる。
【0631】
これにより、この滑沢剤塗布装置を用いれば、重力との関係で、余分な滑沢剤が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できるので、錠剤の表面全体に、最小限の滑沢剤が付着した錠剤を効率良く製造することができる。
【0632】
請求項7に記載の錠剤の製造方法では、まず、第1に、塗布装置本体に対し、上杵用滑沢剤塗布ユニットを、交換可能に取付けできるようにしている。
【0633】
これにより、この錠剤の製造方法では、一旦、塗布装置本体を回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に取り付けた後は、塗布装置本体は交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを交換すればよいので、一体成形された滑沢剤噴霧装置を交換する場合に比べ、滑沢剤噴霧位置を別のタイプの滑沢剤噴霧装置に、極めて簡単に交換できる。
【0634】
即ち、この錠剤の製造方法では、一旦、塗布装置本体を回転テーブルの滑沢剤噴霧位置に取り付けた後は、塗布装置本体は交換することなく、上杵用滑沢剤塗布ユニットのみを、製造する錠剤の錠剤表面に設けられる刻印のパターンに最適な形状のスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換することで、打錠障害のない錠剤を製造することができるため、打錠障害が発生していない錠剤を、工業的生産ベースで、製造することができる。
【0635】
また、第2に、この錠剤の製造方法では、滑沢剤塗布装置を、塗布装置本体の下面が、回転テーブルの表面に接するように、回転テーブル上の滑沢剤塗布位置に固定的に、取り付けている。
【0636】
この構成を採用した結果、この錠剤の製造方法では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた際に、その塗布装置本体の下面に、回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきた臼内に所定の位置まで挿入されている、下杵の上面に、順次、滑沢剤が噴霧される。
【0637】
その一方、この錠剤の製造方法では、回転テーブルの回転によって、複数の臼の各々以外の部分が、下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置にきている際には、下杵用滑沢剤噴霧口が、回転テーブルの表面により閉じられた状態になるので、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に、不要な滑沢剤が吹き付けられることがない。
【0638】
これにより、この錠剤の製造方法に従えば、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺の表面に付着している滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0639】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0640】
また、第3に、この錠剤の製造方法では、塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしているので、この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、重力との関係で、下杵の上面に余分に付着しがちな滑沢剤が吹き飛ばされる結果、下杵の上面に滑沢剤が余分に付着することがない。
【0641】
また、正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、下杵の上面から吹き飛ばされた滑沢剤は、臼の内周面(より特定的には、臼の成形材料接触面、更に特定的には、臼の内周面の、下杵の上面よりも上方の表面)に、付着する。
【0642】
且つ、この錠剤の製造方法では、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導しているので、下杵の上面及び臼の内周面にとって、余剰の滑沢剤が、下杵の上面及び臼の内周面に、付着することがない。
【0643】
以上により、この錠剤の製造方法を用いれば、下杵の上面及び臼の内周面に、順次、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0644】
更に、第4に、この錠剤の製造方法では、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、上杵の下面には、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するために、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように湾曲するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を設けている。
【0645】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、複数の上杵の各々の下面に、複数の上杵の各々が、スリット形状にされた上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動していく間に、滑沢剤が、時間をかけて、順次、塗布される。
【0646】
この結果、この錠剤の製造方法を用いれば、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面にも、必要量の滑沢剤を均一に塗布できる。
【0647】
請求項8に記載の錠剤の製造方法では、塗布装置本体に交換可能に設けられた、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、更に、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設けている。これにより、上杵用吸引手段を駆動することで、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流を発生させると、塗布装置本体から上杵用滑沢剤塗布ユニット側へ、滑沢剤を送る、正圧の脈動空気振動波は、急激に、その脈動空気振動波としての性質が減衰し、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口からは、滑沢剤は、概ね、通常の定常圧流の空気に混和した状態で、且つ、上杵用吸引手段を駆動することにより、上杵用吸引口内へ向かう吸引雰囲気の空気流との協働によって、上杵用吸引口内へと移動する。
【0648】
上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に設けられているので、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方には、そのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の始端から終端まで、概ね一様の上杵用吸引口へ向かう気流が発生している。
【0649】
また、上杵用吸引口は、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置を移動する、複数の上杵の下面より、上方位置に設けられている。
【0650】
これにより、回転テーブルと同期して回転する複数の上杵は、順次、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口上を、その始端から終端まで移動する間に、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から上杵用吸引口に向かう気流に乗って移動する滑沢剤に晒されることになり、複数の上杵の各々の下面へ、滑沢剤が衝突することで、重力との関係で、滑沢剤が塗布され難い、複数の上杵の各々の下面に対しても、順次、滑沢剤が均一に塗布される。
【0651】
また、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、複数の上杵の各々の下面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布することが可能になる。
【0652】
のみならず、複数の上杵の各々の下面にとって余剰分となる滑沢剤は、上杵用吸引口内に、吸引除去されるので、ロータリ型打錠機の、滑沢剤塗布装置以外の部分が、滑沢剤により汚染されることがない。
【0653】
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0654】
また、上杵用吸引手段の駆動量を調整することで、複数の下杵の各々の上面、及び、複数の臼の各々の内周面の各々に塗布する滑沢剤の塗布量を調整することも可能である。
【0655】
請求項9に記載の錠剤の製造方法では、塗布装置本体に、重力との関係で、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するために、塗布装置本体の下面の、回転テーブルの回転方向と順方向となる位置に、余剰滑沢剤除去用吸引手段を設けているが、塗布装置本体の下面に設けた下杵用滑沢剤噴霧口と、余剰滑沢剤除去用吸引手段の下杵用吸引口とが、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通しないように、下杵用吸引口を、下杵用滑沢剤噴霧口から離れた位置に設けている。
【0656】
この下杵用吸引口と下杵用滑沢剤噴霧口との位置関係により、回転テーブルの回転により、塗布装置本体の下方を移動する臼の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面へ、下杵用滑沢剤噴霧口から噴霧される、滑沢剤の噴霧量に、一切、影響を与えることなく、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を任意に調整できるので、余剰滑沢剤除去用吸引手段の駆動量を、複数の下杵の各々の上面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の内周面に余分に堆積した滑沢剤や、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を除去するのに最適な駆動量にすることができる。
【0657】
これにより、この錠剤の製造方法を用いれば、重力との関係で、余分な滑沢剤が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面や、複数の臼の各々の内周面に、必要最小限の滑沢剤を均一に塗布できるので、錠剤の表面全体に、最小限の滑沢剤が付着した錠剤を効率良く製造することができる。
【0658】
のみならず、この錠剤の製造方法を用いれば、回転テーブルの、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤を完全に除去することができるので、複数の臼の各々の周辺に付着した滑沢剤が、成形材料充填位置において、臼内に落下するという現象が生じないため、成形材料中に、滑沢剤が含まれることがない。
【0659】
この結果、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤内部が、滑沢剤によって汚染されていない、錠剤を製造することができる。
【0660】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る滑沢剤噴霧装置の一例を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る滑沢剤噴霧装置の一例のコンセプトを概略的に示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る滑沢剤塗布装置が取り付けられる場所を概略的に説明する平面図である。
【図4】本発明に係る滑沢剤塗布装置が、ロータリ型打錠機の滑沢剤噴霧位置に取り付けられた状態を拡大して概略的に示す平面図である。
【図5】図4中に示した、V−V線に従う、本発明に係る滑沢剤塗布装置の概略的な断面図である。
【図6】本発明に係る滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの一例を概略的に示す平面図である。
【図7】本発明に係る滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの他の一例を概略的に示す平面図である。
【図8】本発明に係る滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの他の一例を概略的に示す平面図である。
【図9】本発明に係る滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの他の一例を概略的に示す平面図である。
【図10】本発明に係る滑沢剤塗布装置で用いる、上杵用滑沢剤塗布ユニットの他の一例を概略的に示す平面図である。
【図11】本発明で用いている、「正圧の脈動空気振動波」を模式的に示す説明図であり、図11(a)は、脈動空気振動波の振幅の山が、大気圧よりも高く、その振幅の谷が、大気圧に等しいか、概ね等しい、脈動空気振動波を例示的に示しており、また、図11(b)は、脈動空気振動波の振幅の山と谷との双方が、大気圧よりも高い脈動空気振動波を例示的に示している。
【図12】本発明に係る滑沢剤噴霧装置の動作原理を概略的に説明する説明図である。
【図13】本発明に係る滑沢剤塗布装置の、臼の内周面、下杵の上面、及び、上杵の上面の各々への滑沢剤(粉末)の塗布方法(動作・原理)を模式的に説明するタイムチャートである。
【図14】本発明に係る滑沢剤塗布装置を備える、外部滑沢式打錠機の構成を概略的に示す全体構成図である。
【図15】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、定量フィーダ装置を概略的に示す構成図である。
【図16】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、粉体材料貯蔵ホッパーを概略的に説明する説明図であり、図16(a)は、粉体材料貯蔵ホッパーの一部を切り欠いて概略的に示す一部切欠き斜視図を、また、図16(b)は、粉体材料貯蔵ホッパーの概略的な平面図である。
【図17】図15に示す、定量フィーダ装置で用いられている、弾性体膜の一例を概略的に示す平面図である。
【図18】図15に示す、定量フィーダ装置で用いられている、弾性体膜の他の一例を概略的に示す平面図である。
【図19】図15に示す、定量フィーダ装置で用いられている、弾性体膜取付具を概略的に示す斜視図であり、弾性体膜が既に取り付けられた状態を示している。
【図20】図19に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図21】図19に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。
【図22】図15に示す、定量フィーダ装置の分散室を平面視した場合の、分散室に設ける脈動空気振動波供給口の取付位置の方向を模式的に示す平面図であり、図22(a)は、分散室に対する、脈動空気振動波供給口の好ましい取付位置の方向を説明する説明図であり、図22(b)は、分散室に対する、脈動空気振動波供給口の実質的な取付可能位置の方向を説明する説明図である。
【図23】図15に示す、定量フィーダ装置の分散室を平面視した場合の、分散室に設ける脈動空気振動波供給口と排出口との位置を模式的に説明する図であり、図23(a)は、分散室に対する、脈動空気振動波供給口と排出口との好ましい取付位置を説明する説明図であり、図23(b)は、分散室に対する、脈動空気振動波供給口と排出口との実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【図24】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、脈動空気振波発生装置の構成を、脈動空気振動波変換装置を中心にして、概略的に示す断面図である。
【図25】図14に示す、滑沢剤濃度測定手段の部分を中心にして拡大して概略的に示す構成図である。
【図26】本発明に係る滑沢剤塗布装置を備える、外部滑沢式打錠機の演算処理装置の記憶部に予め記憶されている、外部滑沢式打錠機の動作プログラムを概略的に示すフローチャートである。
【図27】本発明に係る滑沢剤塗布装置を備える、外部滑沢式打錠機の定量フィーダ装置の粉体材料貯蔵ホッパーに設けられているガス噴射ノズル手段の動作、及び、材料切出弁の動作を概略的に説明する説明図である。
【図28】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、定量フィーダ装置の弾性体膜の動作を模式的に示す説明図である。
【図29】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、脈動空気振動波発生装置の他の一例の構成を、一部を切り欠いて、概略的説明する、構成図である。
【図30】本発明に係る滑沢剤塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な、脈動空気振動波発生装置の他の一例の構成を、概略的説明する、分解斜視図である。
【図31】一般に用いられている、ロータリ型打錠機の、複数の臼の各々の表面(内周面)、複数の上杵の各々の表面(下面)、及び、複数の下杵の各々の表面(上面)に、順次、滑沢剤を塗布するために、既に提案されている、滑沢剤塗布装置を概略的に示す断面図である。
【図32】従来の、滑沢剤塗布装置の、臼の内周面、下杵の上面、及び、上杵の上面の各々への滑沢剤(粉末)の塗布動作を模式的に説明するタイムチャートである。
【図33】錠剤の錠剤表面側に設けられる刻印と、そのような錠剤の錠剤表面に設ける刻印を形成するために、上杵の下面に形成される鋳型面との関係を説明する説明図である。
【図34】錠剤の錠剤表面側に設けられる刻印と、そのような錠剤の錠剤表面に設ける刻印を形成するために、上杵の下面に形成される鋳型面との関係を説明する説明図である。
【図35】錠剤の錠剤表面側に設けられる刻印と、そのような錠剤の錠剤表面に設ける刻印を形成するために、上杵の下面に形成される鋳型面との関係を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 滑沢剤噴霧装置
1a 塗布装置本体
1b、1b−0、1b−1、1b−2、1b−3、1b−4 上杵用滑沢剤塗布ユニット
11 ロータリ型打錠機
12 回転テーブル
13 臼
14 下杵
15 上杵
es 上杵用滑沢剤噴霧口の始端
ee 下杵用滑沢剤噴霧口の終端
h1 下杵用滑沢剤噴霧口
h2 滑沢剤供給通路
h3 中空室
h4 下杵用吸引口
h5 上杵用滑沢剤噴霧口
hs 噴霧孔
D 上杵収容溝
S13 臼の内周面
S14 下杵の上面
S15 下杵の下面
61 定量フィーダ
62 粉体材料貯蔵ホッパー
h62a 材料排出口
63 分散室
63e1 脈動空気振動波供給口
63e2 排出口
65 弾性体膜
64 筒状管
64a 上部筒状管部
64b 下部筒状管部
h65 貫通孔
66 材料切出弁
71 弾性体膜取付具
72 台座
73 突き上げ部材
74 押さえ部材
h71 台座の中空
h72 突き上げ部材の中空
h3 押さえ部材の中空
Cv 突起
Dv V溝
Tv バイパス管

Claims (9)

  1. 周方向に、複数の臼が形成された回転テーブルと、前記回転テーブルに形成された複数の臼の各々と組にされ、前記回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の上杵と、前記回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の下杵とを備え、前記回転テーブルと、前記複数の上杵と、前記複数の下杵とを同期させて回転させ、前記回転テーブルの回転によって、成形材料充填位置に送られてきた臼内に、順次、成形材料を充填し、圧縮成形位置において、前記成形材料充填位置において、臼内に充填された成形材料を、その臼と組にされている上杵と下杵とを用いて、順次、圧縮し、錠剤化し、錠剤排出位置において、前記圧縮成形位置において、臼内に製造した錠剤を、順次、目的とする場所に排出するようにされているロータリ型打錠機の、前記錠剤排出位置と前記成形材料充填位置との間の滑沢剤噴霧位置に固定的に設けられる、滑沢剤塗布装置であって、
    塗布装置本体と、
    前記塗布装置本体に交換可能に取り付けられる、上杵用滑沢剤塗布ユニットとを備え、
    前記塗布装置本体は、その下面に、前記回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにするように、前記回転テーブル上に、固定的に取り付けられ、
    前記塗布装置本体は、
    その下面に、下杵用滑沢剤噴霧口を備え、
    前記下杵用滑沢剤噴霧口は、
    前記回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に位置するようにされており、
    前記回転テーブルの回転によって、前記下杵用滑沢剤噴霧口の下方位置に送られてきた臼の各々内に所定の位置迄挿入されている下杵の各々の上面に、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を、順次、吹き付けるようにされており、
    前記塗布装置本体は、前記複数の下杵の各々の上面に、前記下杵用滑沢剤噴霧口から吹き付けられた滑沢剤の中、余剰分の滑沢剤を、前記上杵用滑沢剤塗布ユニットに誘導するようになっており、
    前記上杵用滑沢剤塗布ユニットは、
    その上面側に、複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備え、
    前記上杵用滑沢剤噴霧口から、前記上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく、複数の上杵の各々の下面の各々に、前記塗布装置本体から供給されてくる、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するようにされている、滑沢剤塗布装置。
  2. 周方向に、複数の臼が形成された回転テーブルと、前記回転テーブルに形成された複数の臼の各々と組にされ、前記回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の上杵と、前記回転テーブルと同期するようにして回転するようにされている複数の下杵とを備え、前記回転テーブルと、前記複数の上杵と、前記複数の下杵とを同期させて回転させ、前記回転テーブルの回転によって、成形材料充填位置に送られてきた臼内に、順次、成形材料を充填し、圧縮成形位置において、前記成形材料充填位置において、臼内に充填された成形材料を、その臼と組にされている上杵と下杵とを用いて、順次、圧縮し、錠剤化し、錠剤排出位置において、前記圧縮成形位置において、臼内に製造した錠剤を、順次、目的とする場所に排出するようにされているロータリ型打錠機の、前記錠剤排出位置と前記成形材料充填位置との間の滑沢剤噴霧位置に固定的に設けられる、滑沢剤塗布装置であって、
    塗布装置本体と、
    前記塗布装置本体に交換可能に取り付けられる、上杵用滑沢剤塗布ユニットとを備え、
    前記塗布装置本体は、
    その下面に、
    前記回転テーブルに設けられた複数の臼の回転軌道上に、
    前記回転テーブルの回転によって、前記滑沢剤噴霧位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面に、順次、正圧の脈動空気振動波に混和させた滑沢剤を噴霧する下杵用滑沢剤噴霧口と、
    前記下杵用滑沢剤噴霧口から、前記回転テーブルの回転によって、前記滑沢剤噴霧位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の上面に、順次、噴霧された滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットに供給する、滑沢剤供給通路とを備え、
    前記回転テーブルは、その表面を、前記塗布装置本体の下面に、摺動させて回転されるようにされており、
    前記下杵用滑沢剤噴霧口は、前記回転テーブルに設けられている複数の臼の回転軌道上に位置するようにされており、
    前記上杵用滑沢剤塗布ユニットは、
    その上面側に、前記複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように湾曲し且つ長く設けられたスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備え、
    前記上杵用滑沢剤噴霧口から、前記上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動していく、複数の上杵の各々の下面の各々に、前記塗布装置本体の滑沢剤供給通路を通じて供給されてくる、滑沢剤を、時間をかけて、順次、塗布するようにされている、滑沢剤塗布装置。
  3. 前記上杵用滑沢剤塗布ユニットが、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって最適な、異なった形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有している、請求項1又は請求項2に記載の滑沢剤塗布装置。
  4. 前記上杵用滑沢剤塗布ユニットは、前記スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口に沿って、複数の上杵を、順次、収容する上杵収容溝を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置。
  5. 前記上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、
    更に、上杵用吸引手段が接続され、上杵用滑沢剤塗布ユニットの上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような上杵用吸引口を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置。
  6. 前記塗布装置本体は、余剰滑沢剤除去用吸引手段が接続された下杵用吸引口を有するを更に備え、
    前記下杵用吸引口は、
    前記塗布装置本体の下面に、
    前記下杵用滑沢剤噴霧口が設けられた位置から、前記回転テーブルの回転方向と順方向になる位置に、且つ、
    前記回転テーブルの回転により、前記塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、前記下杵用吸引口と、前記下杵用滑沢剤噴霧口とが導通されることがないような、前記下杵用滑沢剤噴霧口から離設した位置に設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の滑沢剤塗布装置。
  7. 複数の臼が形成された回転テーブルと、複数の上杵と、複数の下杵とを同期させて回転させ、内周面に滑沢剤が塗布された臼、下面に滑沢剤が塗布された上杵、及び、上面に滑沢剤が塗布された下杵を用い、成形材料を、順次、圧縮成形し、連続的に錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、
    前記回転テーブルの上方の所定の位置に、塗布装置本体を固定的に設け、
    前記塗布装置本体の下面に、前記回転テーブルが、その表面を概ね摺動させながら回転するようにし、
    前記複数の臼の各々の内周面、及び、前記複数の下杵の各々の上面には、
    前記塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、正圧の脈動空気振動波に混和した滑沢剤を、前記回転テーブルの回転により、前記下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面に吹き付けることで、前記下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼の内周面及びその臼内に所定の位置まで挿入されている下杵の各々の上面に、順次、塗布し、
    前記複数の上杵の各々の上面には、前記塗布装置本体に交換可能に取り付けられるようにされており、前記複数の上杵の回転軌道に概ね一致するように且つ長く設けられた、スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を備える、上杵用滑沢剤塗布ユニットを用い、
    前記複数の上杵の各々が、前記上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の上方を、順次、移動する間に、前記塗布装置本体の下面に設けられた下杵用滑沢剤噴霧口から、前記回転テーブルの回転により、前記下杵用滑沢剤噴霧口の下方の位置に送られてきた臼の内周面及び下杵の上面に吹き付けられた滑沢剤の中、余剰の滑沢剤を、上杵用滑沢剤塗布ユニットのスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口から連続的に噴霧して、時間をかけて、順次、塗布するようにし、且つ、
    製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンによって、前記塗布装置本体は交換することなく、前記塗布装置本体に交換可能に取り付けられるようにされた上杵用滑沢剤塗布ユニットを、製造する錠剤の表面に設けられる刻印のパターンに最適な、異なった形状のスリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口を有する上杵用滑沢剤塗布ユニットに交換するようにした、錠剤の製造方法。
  8. 前記上杵用滑沢剤塗布ユニットの上方位置に、且つ、上杵用滑沢剤噴霧口の上方を移動する、複数の上杵の各々の下面よりも上方位置となる位置に、
    前記スリット形状の上杵用滑沢剤噴霧口の全体を覆うような形状の上杵用吸引口を有する上杵用吸引手段を設け、前記複数の上杵の各々の下面に、順次、滑沢剤を塗布する際に、前記上杵用吸引手段を駆動するようにした、請求項7に記載の錠剤の製造方法。
  9. 前記塗布装置本体の下面に、前記下杵用滑沢剤噴霧口が設けられた位置から、前記回転テーブルの回転方向と順方向になる位置に、且つ、前記下杵用滑沢剤噴霧口とは、前記回転テーブルの回転により、前記塗布装置本体の下方を移動する臼の各々により、導通されることがないような離設した位置に下杵用吸引口を有する余剰滑沢剤除去用吸引手段を設け、前記余剰滑沢剤除去用吸引手段を駆動することにより、前記下杵用滑沢剤噴霧口から、前記複数の臼の各々の内周面、前記下杵の各々の上面に、順次、滑沢剤を塗布した後に、順次、前記複数の臼の各々の内周面、前記複数の下杵の各々の上面及び前記回転テーブルの表面に、余分に付着している滑沢剤を、前記下杵用吸引口から、順次、除去するようにした、請求項7又は請求項8に記載の錠剤の製造方法。
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