JPWO2003051621A1 - 回転式粉末圧縮成形機 - Google Patents
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Abstract
回転盤に取り付けた臼の臼孔内に充填した粉末を上杵下端面及び下杵上端面間で圧縮成形するようにした回転式粉末圧縮成形機において、粉末滑沢剤を噴射する粉末滑沢剤噴射手段が、凹面を有し粉末滑沢剤のそれぞれの供給位置において上杵及び下杵のそれぞれの端面に対向し粉末滑沢剤Lを凹面に案内させてほぼ一方向に噴射する噴射ノズルと、上杵下端面近傍に空気流を噴射して噴射ノズルから噴射された粉末滑沢剤の上方向への飛散を阻止する空気流供給機構と、噴射ノズルから噴射される際に粉末滑沢剤を帯電させるとともに、帯電している粉末滑沢剤とは反対極性に少なくとも上杵、下杵及び臼を帯電させる帯電装置とを具備する。
Description
技術分野
本発明は、粉末を圧縮して錠剤等を成形するための回転式粉末圧縮成形機に関する。
背景技術
従来、この種の回転式粉末圧縮成形機を用いて、医薬品錠剤を製造する場合、薬物処方成分のみで錠剤の原料粉末を構成すると、杵や臼に錠剤の原料粉末や錠剤がこびりつくといったいわゆるスティッキング等の障害が生じる場合がある。この障害を防止するため、ステアリン酸マグネシウム等の粉末滑沢剤を薬物処方成分に混合して錠剤の原料粉末を構成し打錠する方法が、錠剤の製造上容易であるため、従来一般的に用いられている。
一方、近年、老人医療分野が重要視されつつあることとあいまって、老人等が飲み下しやすいように口の中で溶けやすくした錠剤や、嚥下後直ぐに溶けて薬効を発揮し得る錠剤の需要が増加している。しかしながら、上述した従来の製法による錠剤では、混入している粉末滑沢剤が、錠剤の崩壊、溶融を阻止するため、このような需要に対応することが難しかった。また、粉末滑沢剤の混入によって錠剤が割れやすくなるという不具合もあった。
スティッキングの防止という粉末滑沢剤の目的を考慮すれば、粉末滑沢剤は、薬物処方成分に混合させる必要はなく、杵表面等のスティッキングの生じる部位にのみ付着させ、薬物処方成分のみからなる原料粉末を用いることができるはずである。この点に着目し、打錠前に上杵、下杵、臼孔にあらかじめ粉末滑沢剤をスプレー塗布するようにしたものや、あるいは打錠前に粉末滑沢剤のみをダミーで圧縮し、上杵、下杵、臼孔に粉末滑沢剤が被覆されるようにしたものが考えられている。
しかしながら、例えば前者のものであれば、スプレー塗布する際に粉末滑沢剤が周囲に飛散し、薬物処方成分に混入したり、逆に薬物処方成分がスプレー時に粉末滑沢剤に混入したりするいわゆるコンタミネーションの問題が生じる上、粉末滑沢剤が均一に杵等に付着しない場合がある。また、飛散を防止するために、粉末滑沢剤をスプレー塗布する位置において杵の周辺を包囲することが考えられるが、上杵に対してはその包囲に粉末滑沢剤が通過する開口を設ける必要があり、効果的に飛散を抑えることが難しかった。
また、後者のものであれば、粉末滑沢剤を圧縮するための圧縮機構が必要となるため、装置の大型化を招き、打錠速度も通常の半分程度に落ちるという問題が生じる。この他にも種々の方法が考えられているが、いずれも、実際に錠剤製造を行う場合に同様な問題点を有している。
発明の開示
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る回転式粉末圧縮成形機は、フレーム内に回転盤を立シャフトを介して回転可能に配設し、その回転盤に臼孔を有する臼を設けるとともに、臼の上下に上杵及び下杵を上下摺動可能に保持させておき、杵先を臼孔内に挿入した状態で上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動、押圧することにより、臼孔内に充填した粉末を上杵下端面及び下杵上端面間で圧縮成形するようにした回転式粉末圧縮成形機において、上杵と下杵とのそれぞれの端面及び臼孔に、粉末の充填に先立って粉末滑沢剤を噴射する粉末滑沢剤噴射手段を具備してなり、粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の噴射位置において杵の端面に対向する凹面を有し、粉末滑沢剤を凹面に案内させてほぼ杵の端面の方向に噴射する噴射ノズルと、上杵の下端面近傍に空気を噴射して噴射ノズルから噴射された粉末滑沢剤の上方向への飛散を阻止する空気流供給機構と、噴射ノズルから噴射される際に粉末滑沢剤を帯電させるとともに、帯電している粉末滑沢剤とは反対極性に少なくとも上杵、下杵及び臼を帯電させる帯電装置とを具備することを特徴とする。
本発明における粉末滑沢剤とは、ステアリン酸、ステアリン酸塩(Al,K,Na,Ca,Mg等の金属塩)、あるいはラウリル硫酸ナトリウム等の撥水性を有する粉体を指すものであり、粉末圧縮成形機において例えば錠剤を圧縮成形する場合に、粉末である薬剤原料が臼孔内や上下杵の先端に付着することを抑制するためのものである。
このような構成のものであれば、噴射ノズルが凹面を有して、その凹面により粉末滑沢剤をほぼ杵の端面の方向に噴射することになるので、上杵の下端面、下杵の上端面及び臼孔に効率よく粉末滑沢剤を到達させることが可能なものとなる。また、噴射ノズルから噴射される粉末滑沢剤は、帯電装置により帯電されており、しかも少なくとも上杵、下杵及び臼が噴射された粉末滑沢剤とは反対極性に帯電されているので、粉末滑沢剤は静電力により引かれて上杵と下杵との端面及び臼孔の内周面にほぼ均一に静電付着する。これにより、粉末滑沢剤の付着効率を確実に向上させることが可能になる。
加えて、空気流供給機構により上杵の下端面近傍に空気流を形成するので、上杵の下端面に付着しなかった余剰の粉末滑沢剤の上昇が阻止され、粉末滑沢剤の飛散を防ぐことが可能になる。したがって、それらの余剰の粉末滑沢剤が、上杵の下端面以外の部分に付着するのを防止することが可能になり、上杵の下端面にのみ粉末滑沢剤を効率よく付着させることが可能になる。
しかも、このように粉末滑沢剤の飛散を阻止すると、上杵の下端面以外の部位等に余剰の粉末滑沢剤が付着することを未然に防止することができるので、粉末滑沢剤の付着により上杵が作動する際の摩擦力となって上杵の円滑な作動が妨げられると言った不具合を防止することが可能になる。加えて、このような余剰の粉末滑沢剤が付着して成長し、その後その成長した粉末滑沢剤が落下して圧縮成形する粉末内に混入することを未然に回避することが可能になる。
帯電装置としては、噴射ノズルから噴射される粉末滑沢剤が通過する電界を形成する電極を備えてなるものが好ましい。このような電極を有することにより、効率よく粉末滑沢剤を帯電させることが可能になる。この場合、電界が、噴射ノズルの凹面で形成される空間内に形成されるものが好ましい。このように電界を形成することにより、噴射ノズルから噴射された直後に噴射ノズルの凹面に沿って案内される粉末滑沢剤のほぼ全量を確実に帯電させることが可能になる。
粉末滑沢剤噴射手段は、空気流供給機構により上方への移動を阻止された粉末滑沢剤を吸引する粉末吸引機構をさらに具備してなるものが好適である。このように、余剰の粉末滑沢剤を吸引するようにすれば、余剰の粉末滑沢剤の効率よく回収することが可能になる。
また、余剰の粉末滑沢剤の飛散を最小限にするためには、粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の供給位置を包囲する箱体をさらに具備し、噴射ノズルの凹面をその箱体内に配設し、箱体内から飛散した余剰の粉末滑沢剤を空気流供給機構による空気流を介して箱体内を通過して粉末吸引機構により吸引するものが好ましい。
粉末滑沢剤をほぼ一方向にほぼ均等に案内するためには、噴射ノズルの凹面が、三次元曲面に形成されているものが好ましい。
粉末滑沢剤を安定して供給するためには、粉末滑沢剤噴射手段に粉末滑沢剤を圧送する粉末滑沢剤噴射装置をさらに備え、粉末滑沢剤噴射手段と粉末滑沢剤噴射装置とが静電気の影響を取り除いた供給管路により連通されるものが好適である。このように、粉末滑沢剤噴射手段と粉末滑沢剤噴射装置とを前記供給管路で連通することにより、静電気の影響で粉末滑沢剤が供給管路内に付着することなく流れ、連続して粉末滑沢剤を噴射することが可能となる。
このような供給管路としては、内部を粉末滑沢剤が通る絶縁素材からなる内管と、その内管を被覆する導電素材からなる外管とからなり、外管が電気的に接地されるものが好ましい。
圧縮成形する粉末への粉末滑沢剤の混入を最小限に抑えるには、回転盤の上面に、絶縁層を形成してなるものが望ましい。また、さらに粉末滑沢剤の混入を減少させるためには、臼の上面に、臼孔の近傍を除いて絶縁層を形成してなるものが好ましい。
加えて、余分な粉末滑沢剤を効率よく回収するためには、臼の上面に残留する粉末滑沢剤を除電する除電用空気流を回転盤の上面に供給する吹き出し口と、除電された粉末滑沢剤を吸入する吸い込み口とを具備するものが好適である。このようにして、粉末の圧縮成形に供しない粉末滑沢剤を回収することにより、実際の使用した粉末滑沢剤の使用量を正確に把握することが可能になり、粉末滑沢剤の使用効率を向上させることが可能になる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の回転式粉末圧縮成形機の全体構成を示している。この回転式粉末圧縮成形機は、粉末滑沢剤Lを噴射する粉末滑沢剤噴射装置LS(第9図)を具備してなり、フレーム1内に回転盤3を立シャフト2を介して水平回転可能に配設し、その回転盤3に複数の臼4を所定のピッチで設けるとともに、各臼4の上下に上杵5及び下杵6を上下摺動可能に保持させてある。
詳述すれば、フレーム1のほぼ中央部には軸受21により軸支された立シャフト2が配設してあり、この立シャフト2の下端近傍にウォームホィール22が固定してあって、このウォームホィール22にウォーム23及びベルト24を介してモータ25の回転駆動力が伝達されるようになっている。そして、この立シャフト2のヘッド近傍に、2つの機能部分に分けられる回転盤3が固定してある。
回転盤3は、その上側部分に設けられて上杵5を上下摺動可能に保持する上杵保持部32と、その下側部分に設けられて下杵6を上下摺動可能に保持するとともに、前記上杵保持部32に対面する位置に臼4を着脱可能に嵌装するための臼取付孔を同一円周上に複数個設けてなる臼部33とから構成されている。
上杵保持部32には上杵5を、臼部33には下杵6を、それぞれ摺動移動可能に保持する杵保持孔がそれぞれ複数穿設されている。この回転盤3において、下杵6と上杵5と臼4とが、各中心線を一致させて上下に配置されるように、それぞれの杵保持孔と臼取付孔とが穿設されている。
上杵5の上端部、下杵6の下端部には、第3図に示すように、それぞれ大径部を設けてあり、この大径部を後述する各カム等に係合案内させて、上下動するように構成してある。臼4には上杵5、下杵6の杵先を挿入させるための臼孔41が上下に貫通させてある。また、上杵5の下端部分には、後述する粉末滑沢剤Lが上杵5の胴部分に付着しないように、上杵保持部32の下面に上端が固定され下端が上杵5下端部に設けられた環状溝5mに嵌合して、上杵5が突出した際にその胴部を被覆する蛇腹5nが設けてある(第5図)。
この回転式粉末圧縮成形機には、第2図〜第3図に示すように、粉末充填部7と、粉末摺切部8と、圧縮成形部9と、製品取出部10と、粉末滑沢剤噴射部Kとが、回転盤3の回転方向に沿って順次に設けてある。
粉末充填部7は、下杵6を低下器71により降下させて回転盤3上に供給された粉末をフィードシュー72により臼4内に導入するようにしたもので、回転盤3上への粉末の供給は、粉末供給機構73により行われる。
粉末摺切部8は、分量レール82により下杵6を所定位置まで上昇させるとともに下杵6の上昇により臼4内から溢れ出た粉末を摺切板83により臼4上から除去するようにしたものである。
圧縮成形部9は、上杵5を下り傾斜面に沿わせて降下させその杵先を臼4内に挿入させるための上杵降下カム91と、杵先を臼4内に挿入した上杵5と下杵6とを上下から拘束して臼4内の粉末を予備的に圧縮する上、下予圧縮ロール92、93と、前記上杵5と下杵6とを上下から拘束して臼4内の粉末を本格的に圧縮する上、下本圧縮ロール94、95とを具備してなる。
製品取出部10は、第2図〜第3図に示すように、上杵5を上り傾斜面に沿わせて上昇させその杵先を臼4から抜き取るための上杵上昇カム100と、下杵6を上方に付勢して臼4内の製品Qを完全に臼4外に押出す押上レール106と、押出された製品Qを側方に案内してシュート104に導く案内板105とを具備してなる。
粉末滑沢剤噴射部Kは、製品取出部10と粉末充填部7との間に設けるものである。この粉末滑沢剤噴射部Kは、第5図に示すように、上杵5の下端面5a、下杵6の上端面6a及び臼孔41の内周面に粉末滑沢剤Lを飛散を防止して供給するように、上杵5のための粉末滑沢剤Lが通過する貫通孔K1及び空気流であるエアカーテンACが吸入される吸入口K2を除いて粉末滑沢剤Lが連続して噴射される空間を包囲する箱体BXを有してなり、その箱体BX内に上杵5に粉末滑沢剤Lを噴射する上側ノズルNUと、下杵6及び臼孔に粉末滑沢剤Lを噴射する下側ノズルNBとの先端を内包し、貫通孔K1の上方をエアカーテンACが吸入孔K2に向かって噴射されるように構成されている。
すなわち、粉末滑沢剤噴射部Kにおいて上杵5、下杵6及び臼孔に粉末滑沢剤Lを供給する粉末滑沢剤噴射手段は、第5図〜第9図に示すように、凹面NUa,NBaを有し粉末滑沢剤Lのそれぞれの供給位置において上杵5及び下杵6のそれぞれの端面に対向し粉末滑沢剤Lを凹面NUa,NBaに案内させてほぼ一方向に噴射する噴射ノズルたる上側ノズルNU及び下側ノズルNBと、上杵下端面5a近傍に空気流を噴射して上側ノズルNU及び下側ノズルNBから噴射されて余剰となった粉末滑沢剤Lの上方向への飛散を阻止するエアカーテンACを生成する空気流供給機構ACSとを具備するものである。上側ノズルNU及び下側ノズルNBは箱体BXに取り付けられ、ごく微量の粉末滑沢剤Lを計量し加圧気体により圧送する粉末滑沢剤噴射装置LSに接続してある。
上側及び下側ノズルNU,NBは、例えばフッ素樹脂製であり、そのノズル先端NU1,NB1がノズル本体NU2,NB2から取り外しできるようになっている。なお、この上側及び下側ノズルNU,NBには、例えばフッ素樹脂製の配管部材つまりホースSEにより、粉末滑沢剤Lが供給されるようにしてある。ノズル先端NU1,NB1は、第7図及び第8図に示すように、三次元曲面からなる凹面NUa,NBaを有しており、その凹面NUa,NBaに連通するように導入孔NUc,NBcが設けてある。導入孔NUc,NBcは、その内周面が凹面NUa,NBaと面一にはなっておらず、凹面NUa,NBaとの間でわずかに段差を形成するように凹面NUa,NBa側に開口している。このような構造により、粉末滑沢剤Lは噴射の際に凹面NUa,NBaに付着することなく、目的の方向に案内されるものとなる。このノズル先端NU1,NB1は、その凹面NUa,NBaが上杵5及び下杵6に対向するようにして取り付けてある。すなわち、上側ノズルNUのノズル先端NU1は、その凹面NUaを上に向けてその取付軸を回転盤3に平行にして取り付けてあり、下側ノズルNBのノズル先端NB1は、その凹面NBaを下に向けて上側ノズルNUと同様に取り付けてある。上側ノズルNUにあっては、凹面NUaの先端側の部分がほぼ貫通孔K1の直下に来るように設定してある。
この下側ノズルNBと上側ノズルNUとにはそれぞれ、粉末滑沢剤Lを帯電させるための例えばステンレス製の電極EDが設けてある。具体的には、下側ノズルNBのノズル先端NB1及びノズル本体NB2と、上側ノズルNUのノズル先端NU1及びノズル本体NU2とには、導入孔NUc,NBcと平行に配置されて連通する貫通孔NUd,NBdが設けてあり、その貫通孔NUd,NBd内にそれぞれ丸棒状の電極EDが挿入してある。電極EDは、その先端EDaが円錐状あるいは針状に尖らせてあり、中心軸線の延長線上に位置している。
一方、電極EDが挿入される貫通孔NUd,NBdは、ノズル本体NB2,NU2の取付側の端部から、ノズル先端NB1,NU1のそれぞれの凹面NBa,NUaに対向する壁面にまで達するものである。貫通孔NUdは、上側ノズルNUが取り付けられた際に、導入孔NUcの上側に位置するもので、貫通孔NBdは、下側ノズルNBが取り付けられた際に、導入孔NBcの下側に位置するものである。
このような構造の貫通孔NUd,NBdに、ノズル体NB2,NU2の取付側の端部から電極EDを挿入し、その先端EDaを凹面NBa,NUaにより形成される空間に突出させて、凹面NBa,NUaの貫通孔NUd,NBdの中心軸線に対して横切るように位置する傾斜面NBaa,NUaaに対向させて電極EDは取り付けられるものである。このように、電極EDを配置して電極EDに高電圧を印加することにより、先端EDaと凹面NBa,NUaの傾斜面NBaa,NUaaとの間に電界を形成するものである。
箱体BXは、例えばフッ素樹脂等の合成樹脂製で、案内板105のフィードシュー72に対向する面に、回転盤3から電気的に絶縁された状態で固定されるものである。この箱体BXは、エアカーテン用空気の供給路SPが内部に設けられるとともに空気取入口BX1aが設けられた第1側壁BX1と、第1側壁BX1から水平方向に固定され上杵5の対応位置に貫通孔K1が設けられた第1上壁BX2と、第1上壁BX2に連続して設けられその連続する部分の近傍においてエアカーテンACを吸入する吸入口K2が設けられた第2上壁BX3と、エアカーテン用空気を供給路SPに案内する案内路を有して案内板105に平行になるように第1側壁に固定される第2側壁BX4と、第2側壁BX4に平面視直角に取り付けられる第3側壁BX5と、回転盤3と第1側壁BX1、上側及び下側ノズルNU,NBの下面部との間隙を封鎖する電気絶縁性を有する弾性部材BX6,BX7と、弾性部材BX6,BX7の内側に設けられて箱体BXの底部分を閉鎖する例えばフッ素樹脂製の底板BX8とからなる。
この箱体BXの第3側壁BX5には、上側ノズルNUと下側ノズルNBと吸塵用管路Pとが取り付けられる。第2側壁BX4の端面には、第3側壁BX5を介してエアカーテン用空気を導入する接続部CPが取り付けられる。底板BXの臼4の軌跡に対応する部位には、下側ノズルNBから噴射された粉末滑沢剤Lが通る、臼孔41より若干大径の供給孔BX8aが設けてある。このような底板BX8を有することにより、粉末滑沢剤Lは、回転盤3が帯電していても、この供給孔BX8aの幅の円環状にしか回転盤3に付着することがなく、回転盤3への付着を最小限に抑えている。また、接続部CPには、エアカーテンACを形成するための高圧空気を発生させるエアコンプレッサ(図示しない)に接続されるもので、エアコンプレッサ、供給路SP、接続部CPにより空気流供給機構ACSが構成されるものである。また、吸塵用管路Pには、吸塵機LS5が接続され、箱体BXとともに粉末吸引機構を構成するものである。
粉末滑沢剤噴射装置LSは、第9図に示すように、モータMにより駆動される回転ドラムDの外周面に付着した粉末滑沢剤Lを空気流により送出する粉末滑沢剤供給部LS1と、粉末滑沢剤供給部LS1から供給される粉末滑沢剤Lの流量を検知する流量検知部LS2と、上側及び下側ノズルNU,UBから噴射され上杵5、下杵6及び臼孔に付着せずに回収された粉末滑沢剤Lの量を検知する回収量検知部LS3と、流量検知部LS2と回収量検知部LS3とにおいて検知された粉末滑沢剤Lの検知量に基づいて粉末滑沢剤供給部LS1を制御する制御部LS4と、粉末吸塵機構を構成する吸塵機LS5と、粉末滑沢剤Lを帯電させるための帯電装置CDとを具備している。
粉末滑沢剤供給部LS1は、微量例えば1時間当たり5〜25gの粉末滑沢剤Lを、供給管路LS6を介して流量検知部LS2に送出するもので、流量検知部LS2において例えば光学的には低角度光拡散方式、電気的には静電容量方式等により粉末滑沢剤Lの流量を検知し、その検知量と回収量検知部LS3における検知量との差を制御部LS4で演算し、その演算結果に基づいて粉末滑沢剤Lの流量が所定量になるようにフィードバック制御されるものである。
供給管路LS6は、粉末滑沢剤Lの付着を防止するために、絶縁体例えばフッ素樹脂からなる内管LS6aと、その内管LS6aの外側を被覆する導電体例えばアルミニウムからなるシールド材LS6bとからなる。このシールド材LS6bは、接地されるものである。このように、供給管路LS6を内管LS6aとシールド材LS6bとで構成することにより、内管LS6a内を粉末滑沢剤Lが通過する際に両者の摩擦により内管LS6aが帯電することを防止することができる。これにより、内管LS6a内に粉末滑沢剤Lが付着し、粉末滑沢剤Lが円滑に供給できなかったり、付着した粉末滑沢剤Lが未回収となるために、粉末滑沢剤Lの使用量が正確に計算できない等の不具合を解消することができる。
帯電装置CDは、例えば100KVの直流電圧を発生する電源部PSと、電源部PSから出力される直流電圧を高電圧に変換する高電圧発生器HVと、高電圧発生器HVから出力される直流高電圧が印加される電極EDとを備えている。電源部PSは、上限を100KVとして連続的に出力電圧を変更するできる構成である。この電源部PSの負電圧の出力端子に、高電圧発生器HVが接続される。そして、この高電圧発生器HVを電極EDに対して直列に接続することにより、電極EDには、負の高電圧が印加される。また、電源部PSの正電圧の出力端子は、回転盤3を含む上杵5、下杵6及び臼4に電気的に接続される。したがって、電極EDに対して正の高電位となる。
粉末滑沢剤噴射装置LSは、粉末滑沢剤供給部LS1と帯電装置CDの電源部PSとが回転式粉末圧縮成形機の外側に設けてあり、流量検知部LS2、回収量検知部LS3、制御部LS4、集塵機LS5及び帯電装置CDを構成する電極EDが回転式粉末圧縮成形機内に配設される構成である。
このような構成において、粉末滑沢剤Lを噴射するにあたって、粉末滑沢剤噴射装置LSの電源が投入されると、電極EDは上杵5、下杵6、臼4及び回転盤3に対して負の高電位となる。この場合に、電源部PSを調整して、電極EDに印加される負高電圧を、例えば40〜60KVの間の電圧値例えば50KVに固定すると、電極EDと凹面NBa,NUaとの間の空間に不平等電界が形成される。これは、電極EDに対して、下側ノズルNB及び上側ノズルNUがフッ素樹脂製であるために負極性に帯電しているが、その電圧値は、電極EDに印加させる電圧値に比較して低く、両者の間に例えば49KV程度の電位差が生じているためである。
このように、ノズル先端NU1,NB1の凹面NUa,NBaにおける空間において不平等電界が形成されている状態で粉末滑沢剤Lを噴射すると、その不平等電界を粉末滑沢剤Lが通過する際に、粉末滑沢剤Lがさらに負に帯電するものである。この実施の形態においては、下側ノズルNBと上側ノズルNUとはフッ素樹脂で形成してあり、また下側ノズルNBと上側ノズルNUとまでの粉末滑沢剤L供給のための配管もフッ素樹脂製のホースSEであるので、粉末滑沢剤Lはフッ素樹脂との摩擦により、負に帯電される。そして、下側ノズルNBのノズル先端NB1及び上側ノズルNUのノズル先端NU1から噴射された直後に、電極EDと凹面NBa,NUaとの間の空間に形成された不平等電界を通過することにより、さらに負に強くつまり高電位に帯電される。
一方、粉末滑沢剤Lが噴射される上杵5、下杵6及び臼4は、帯電装置CDにより帯電された粉末滑沢剤Lより高い電位であるつまり正の高電圧に帯電しているので、負に帯電された粉末滑沢剤Lは上杵5、下杵6及び臼4に対して噴射されると、静電力によりそれぞれ上杵5、下杵6及び臼4の方向に引き付けられてそれぞれの目標とする表面つまり上杵の上杵下端面5a、下杵の下杵上端面6a、及び臼4の臼孔41の内周面に静電付着する。一旦上杵5、下杵6及び臼4のそれぞれの目標部位に付着した粉末滑沢剤Lは、静電吸着したままとなるので、目標部位から離脱しない。したがって、粉末を圧縮成形する場合に、上杵の上杵下端面5a、下杵の下杵上端面6a、及び臼4の臼孔41の内周面に圧縮する粉末が付着するのを効果的に防止することができる。また、仮に粉末滑沢剤Lが目標部位から剥離したとしても、その付着量自体がごく微量であるので、圧縮成形される粉末への混入は最小限に留めることができ、成形品の硬度に影響を及ぼすことを防止することができる。
この実施の形態において、粉末滑沢剤Lは、以下に説明するタイミングで噴射される。この噴射のタイミングを錠剤の成形工程を交えて第3図を参照して説明する。なお、同図中、符号T0〜T5は、位相を示している。製品取出部10を通過した段階での上杵5及び下杵6は、最も高い位置に保持される(T0)。その後、これら上杵5及び下杵6が回転盤3の回転により、上杵5及び下杵6が最も高い位置に保持されるまま滑沢剤噴射部Kに移行する(T1)。この位置で、まず上杵5に対して粉末滑沢剤Lが噴射される。次に、回転盤3が回転すると、下杵6は、低下器71の始端部において、製品Qの厚みに相当する分だけ降下する。この位置において、下杵6及び臼4に対して粉末滑沢剤Lが噴射される(T2)。したがって、下杵上端面6aと臼孔41の製品の厚みに相当する深さの内周面に、粉末滑沢剤Lが付着し得るようになる。
このように、上杵5が最も高い位置に保持された時点で、粉末滑沢剤Lが上側ノズルNUから噴射されるので、噴射された粉末滑沢剤Lが上杵下端面5aに集中的に静電付着する。すなわち、粉末滑沢剤Lは、帯電装置CDにより負に帯電しており、上杵下端面5aが正に帯電しているので、上杵下端面5aに引き寄せられて静電付着する。
この後、この上杵5と対をなす下杵6及び臼4が、上記した位置に保持された状態で下側ノズルNBの下を通過するので、下杵6と臼孔41の内周面に下側ノズルNBから噴射された粉末滑沢剤Lが付着する。すなわち、上杵下端面5aは、帯電装置CDにより正に帯電しているので、負に帯電している粉末滑沢剤Lは、下杵上端面6aと臼孔41の内周面とに引き寄せられて静電付着する。
粉末滑沢剤Lは、上側及び下側ノズルNU,NBの凹面NUa,NBaに案内されて噴射されるので、上杵下端面5a、下杵上端面6a及び臼孔41の内周面に対してほぼ均等に拡散する。すなわち、凹面NUa,NBaは、三次元曲面であるので、粉末滑沢剤Lが導入孔NUc,NBcから噴出してこの凹面NUa,NBaに衝突すると、導入孔NUc,NBcからの噴出方向及びその噴出方向を横切る方向のそれぞれの方向において、粉末滑沢剤Lは凹面NUa,NBaに沿って移動する。上側ノズルNUの場合、凹面NUaはその直上にある貫通孔K1に対向しているので、粉末滑沢剤Lはその貫通孔K1を通過して上杵下端面5aに達する。また、下側ノズルNBの場合、凹面NBaに案内された粉末滑沢剤Lが直接に下杵下端面6a及び臼孔41の内周面に達する。したがって、粉末滑沢剤Lは上杵下端面5aと下杵上端面6aと臼孔41の所定の深さの内周面のほぼ全面にそれぞれ、ほぼ均一に付着することになる。この場合、上杵下端面5aより上側に、上杵5を横切るようにエアカーテンACが存在するので、上杵下端面5aに付着しなかった粉末滑沢剤Lは、エアカーテンACの空気流に沿って吸入口K2に達し、吸塵管路Pから回収量検知部LS3を介して吸塵機LS5により回収される。また、下側ノズルNBの場合、凹面NBaは下側に向いており、下杵上端面6a及び回転盤3で反射して上昇した余剰の粉末滑沢剤Lは、第1上壁K1に沿って吸塵管路Pに流れるとともに、貫通孔K1から流出したものは上側ノズルNUの場合と同様にエアカーテンACの空気流により吸入口K2から吸塵管路Pへと流入する。
この後、下杵6が回転盤3の回転により粉末充填部7に移行すると、その下杵6がまず低下器71の前半部分の案内作用によって中段位置まで降下させられ、後半部分の案内作用によってさらに低い位置まで引き下げられる(T3)。その途上において、粉末供給機構73から回転盤3上に供給された粉末が、フィードシュー72の粉末案内作用によってまんべんなく導入される。しかる後、下杵6が分量レール82に乗り上げることによって、該下杵6が若干量持ち上げられて所定高さ位置に達し、臼4内に設定量の粉末が充填されることになる。この状態で摺切板83を通過することによって、臼4上に溢れ出た粉末が摺り切られ、回転盤3の中心寄りに集められる。この間、上杵5はガイドレール102によって最も高い位置に保持されている。
その後、上杵5が上杵降下カム91の案内作用により降下させられ(T4)、その杵先が臼4内に挿入される。そして、それら上杵5と下杵6が上、下予圧縮ローラ92、93間、及び、上、下本圧縮ローラ94、95間を通過することによって、臼4内の粉末が圧縮成形される(T5)。
成形後、製品取出部10においてまず上杵5が上杵上昇カム100の案内作用により上昇させられてその杵先が臼4から抜き取られ、しかる後に下杵6が押上106により押上げられて臼4内の製品Qが回転盤3上に押し出される。そして、その製品Qは、案内板105の案内作用よってシュート104上に導かれ、該圧縮成形機Aの外部に導出される。この後、上杵5は上杵上昇カム100に案内されて、さらに上昇する。以上のようにして、繰り返し連続的に粉末を圧縮成形して所定の製品Qを製造することができる。
このように構成した本実施例の回転式粉末圧縮成形機によれば、粉末圧縮を行う際に、粉末に接触する部分、すなわち上杵下端面5a、下杵上端面6a、及び臼孔41の内周面に、粉末の圧縮に先立って毎回粉末滑沢剤Lが上側ノズルNU及び下側ノズルNBのそれぞれの凹面NUa,NBaに案内されて噴射されるので、ほぼ均一な状態で粉末滑沢剤Lが静電力で付着し、確実にスティッキングを防止することができる。また、粉末滑沢剤Lは、噴射される量が、スティッキング防止のための必要最小限の微量であり、確実に目標部位に付着しているので、粉末滑沢剤Lの混合されてない粉末を用いて、十分な硬度に錠剤を製造することができる。
しかも、粉末滑沢剤噴射部Kにおける上杵5の位置の下端部近傍にエアカーテンACが設けてあり、かつ蛇腹5nが設けてあるので、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXから漏洩した余剰の粉末滑沢剤Lが上杵5に不必要に付着するのを確実に防止することができる。その上、上杵5及び下杵6の端面近傍で微量を噴射し、余剰の粉末滑沢剤LをエアカーテンACの空気流を利用して回収するようにしているので、コンタミ問題を防止できるだけでなく、余剰の粉末滑沢剤Lの飛散を確実に防止することができる。加えて、粉末滑沢剤が上杵下端面5a、下杵上端面6a、及び臼孔41の内周面に付着した状態を維持するので、粉末滑沢剤Lの消費量を減少させることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
電極EDに印加する高電圧は、使用する粉末滑沢剤Lの性状に応じて設定すればよい。具体的には、粉末滑沢剤Lの粒径が小さいものでは、電圧値を低く、逆に粒径の大きなものでは電圧値を高く設定する。このように、使用する粉末滑沢剤Lの種類に応じて電極EDに印加する電圧値を変更することにより、粉末滑沢剤Lの種類のいかんにかかわらず、粉末滑沢剤の静電吸着量をほぼ均等にすることができる。
また、電極は、第10図及び第11図に示すように、上側ノズルNUと下側ノズルNBとのそれぞれの凹面NUa,NUbのほぼ中央部分に、粉末滑沢剤Lが噴射される方向に向かって突出するように設けられるものであってもよい。この場合の電極ED100の先端形状も上記実施の形態と同じ形状であってよい。また、上側ノズルNUの場合を例に取ると、電極ED100の突出部分は、上に向かって、凹面NUaの底面に対してほぼ垂直に突出しているが、先端が凹面NUaの傾斜面側に傾いているように設けるものであってもよい。
また、上記実施の形態にあっては、1種類の粉末を圧縮成形するものを説明したが、内部に異なる粉末により圧縮成形された核錠を有する有核錠を成形するもの、あるいは成形品の中央部分に貫通孔の形成された成形品等を成形するものであってもよい。
加えて、上杵及び下杵としては、例えば製造会社のマークや文字等を、成形品の表面に刻印するために、その端面にマークや文字等に対応する凸部分あるいは凹部分があるものであってもよい。このような杵に対しても、粉末滑沢剤は静電力で端面に静電吸着するので、凸部分等のない上杵や下杵同様に、端面に粉末滑沢剤を付着させることができる。この場合、凸部分等の杵の中心軸とほぼ平行な表面においても、その中心軸を横切る表面と同様に、ほぼ均等に粉末滑沢剤を付着させることができる。
次に本発明の他の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同じ構成については、説明を省略するとともに、同じ符号を使用して引用する。
上記実施の形態のように、連続して粉末滑沢剤Lを噴射していると、回転盤3の上面にも少量ではあるが、供給孔BX8aの直径の幅で円環状に残留することがある。このような残留粉末滑沢剤の量をさらに低減するために、回転盤3の臼部33の上面に絶縁層ILを形成して、回転盤3に吸引される粉末滑沢剤Lを阻止するとともに、残留粉末滑沢剤の帯電を除去して回収するように構成すればよい。以下に、具体的な構成を説明する。
回転盤3は、それ自体が金属例えばステンレスで製作してあるので、粉末滑沢剤Lの付着を抑制するために、第12図に示すように、臼部33の上面33aを絶縁体素材例えばセラミックで形成される絶縁層ILにより被覆する。これにより、臼104を含む回転盤3の臼部33の上面33aに対して連続的に粉末滑沢剤Lを噴射した場合に、回転盤3の臼部33の上面33aに粉末滑沢剤Lが付着することを抑制する。なお、セラミックに代えて、例えばフッ素樹脂などを塗布することにより、臼部33の上面33aに絶縁層ILを形成するものであってもよい。
同様にして、臼104の上面についても、セラミックからなる絶縁層ILで被覆する。この絶縁層ILは、臼部33の絶縁層ILと一体に形成されるものであってよく、また臼4毎に形成されるものであってもよい。このように、臼104の上面に絶縁層ILを形成するために、臼104の上面の臼孔141の周囲には、所定幅の円環状に金属を露出させる金属露出部104aを形成して円環状の段差部104bが設けてある。段差部104bの深さは、絶縁層ILの厚みにほぼ等しい。また、この絶縁層ILの厚みは、臼部33の絶縁層ILとほぼ同じである。したがって、絶縁層ILの上面と金属露出部104aの上面とは、ほぼ面一になる。金属露出部104aを形成することにより、帯電した粉末滑沢剤Lが臼孔141方向に吸引され易くしている。この臼104の上面の絶縁層ILにあっても、例えばフッ素樹脂を使用するものであってもよい。
このように、回転盤3及び臼104の上面のほぼ全体に絶縁層ILを形成することにより、余剰の粉末滑沢剤Lが回転盤3上に残留することを最小限に押さえることができる。また、臼104の上面の臼孔141の周囲には、円環状の金属露出部104aが存在していることにより、臼104の上面に絶縁層ILを形成しても臼孔141に効率よく粉末滑沢剤Lを付着させることができる。
上記実施の形態における粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXは、その底板BX8の底面全体が常時回転盤3の上面33aと接触する構成であるが、耐久性を向上させるために、臼104の軌跡TRに対応する部分のみを接触する構成としている。以下に、箱体BXの底板BX8の底面形状を変更した例を、第13図及び第14図を参照して説明する。
この例の箱体BXは、その底板BX108の底面において、臼104の軌跡TRに対応する部位が、それ以外の部位より下側に突出している。すなわち、箱体BXの底板BX108において、回転盤3の上面33aと接触する部分である着脱可能な突出部BX108Aが形成してあり、その周囲部分の底面は回転盤3の上面33aに接触しないように、突出部BX108Aより底面が高くなっている。突出部BX108Aには、箱体BXの下側ノズルNBに対応する部位に粉末滑沢剤Lが通過する供給孔BX108aが設けてあるとともに、臼104の軌跡の回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lを箱体BX内に吸引するための第一及び第二の吸い込み口BX108m,BX108nと空気吹き出し口BX108pとが設けてある。以下の説明において、突出部BX108Aから見て、臼104が近づいて来る側を上流、臼104が遠ざかる側を下流とする。
供給孔BX108aは、突出部BX108Aにおける上流側端部に設けてある。供給孔BX108aの下流側には、供給孔BX108aに連続して第一の肉盗み部BX108qが形成してあるとともに、そのさらに下流側には、その第一の肉盗み部BX108qに連続して箱体BX内と連通する平面形状が半円形状の第一の吸い込み口BX108mが設けてある。第一の吸い込み口BX108mの下流には、回転盤3の上面33aと接触する部分を介して、第二の肉盗み部BX108sが設けてある。この第二の肉盗み部BX108sの下流側には、箱体BX内と連通する平面形状が半円形状の第二の吸い込み口BX108nが設けてある。また、第二の肉盗み部BX108sの下流側の端部には、箱体BXを介して回転盤3の上面33aに供給される除電用空気流DAFの空気吹き出し口BX108pが設けてある。そして、供給孔BX108aを包囲するとともに、第一の肉盗み部BX108q、第二の肉盗み部BX108s及び空気吹き出し口BX108pを包囲するように接触底面BX108tが設けてある。
除電用空気流DAFとは、帯電している粉末滑沢剤Lとは逆極性に帯電しているもので、回転盤3の上面33aに残留している帯電した粉末滑沢剤Lと接触することにより、粉末滑沢剤Lを電気的に中和、つまり帯電していない状態にするためのものである。除電用空気流DAFは、粉末滑沢剤Lとは逆極性に帯電した電極により形成される電界中に空気を通過させることにより生成する。この除電用空気流DAFは、図示しない除電用空気流発生装置から管路により箱体BXに導かれ、箱体BX内の空気通路ADTを介して空気吹き出し口BX108pから吹き出されるようにしてある。
上述の突出部BX108Aは、回転盤3との接触部分がほぼ環状の接触底面BX108tのみとなるため、回転盤3及び箱体BXの耐久性を向上させることができる。また、第一及び第二の吸い込み口BX108m,BX108n、並びに空気吹き出し口BX108pが設けてあるので、回転盤3の臼104周辺にある残留粉末滑沢剤を効率よく箱体BX内に取り入れることができる。すなわち、回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lは、まず、第一の吸い込み口BX108mと第二の肉盗み部BX108sとの間の部分が、回転盤3の上面33aと接触することにより、回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lがかき集められ第一の吸い込み口BX108mから吸い込まれる。
一方、第二の肉盗み部BX108sには、空気吹き出し口BX108pから噴射される除電用空気流DAFに接触することにより除電されて舞い上げられた回転盤3の上面33aに残っていた粉末滑沢剤Lが充満する。第二の肉盗み部BX108sは、接触部BX108tにより包囲されているので、舞い上げられた粉末滑沢剤Lは外部に散乱することなく、第二の吸い込み口BS108nから箱体BX内に吸い込まれる。したがって、臼孔141に付着した粉末滑沢剤L以外の回転盤3の上面33aにあった粉末滑沢剤Lは、ほぼ回収することが可能になる。
粉末滑沢剤Lの計量にあっては、上記した光学的に流量を計測するもの以外に、重量計具体的には電子天秤(以下、天秤と称する)SCL1,SCL2を使用して計量するものであってもよい。天秤SCL1,SCL2を使用した実施の形態を、第15図及び第16図を参照して以下に説明する。なお、この例の場合、上記した光学的な流量検知部LS2は省略してもよく、省略しない場合には、流量検知部LS2から出力される信号に基づいて、粉末滑沢剤Lが流通していることのみを検出するものとすればよい。つまり、この流量検知部LS2から出力される信号に基づいて粉末滑沢剤Lの流量を検知するものではなく、粉末滑沢剤Lが供給されないと言った粉末滑沢剤噴射装置LSの故障を検出するものとして利用するものであってよい。
粉末滑沢剤Lの計量は、粉末滑沢剤Lを供給する粉末滑沢剤供給部LS1の重量を計測する供給側天秤SCL1と、回収された粉末滑沢剤の重量を計測するために回収量検知部LS3の重量を計測する回収側天秤SCL2とにより行う。
供給側天秤SCL1には、粉末滑沢剤供給部LS1自体を載せ、粉末滑沢剤供給部LS1の自重を風袋として目盛調整を行う。この場合、粉末滑沢剤供給部LS1が供給管路LS6を介して外力を受けないように、供給管路LS6とは浮いた状態で接続してある。つまり、粉末滑沢剤供給部LS1と供給管路LS6とは、わずかな間隙を介して接続されるもので、供給管路LS6が何らかの理由で振動したりあるいは撓んだりしたような場合でも、それらの現象に起因する外力は、間隙により遮断されて、粉末滑沢剤供給部LS1へは伝わらない構造としてある。間隙は、供給管路LS6が粉末滑沢剤供給部LS1の出力管部分の外周に接続されて形成されるので、出ていく粉末滑沢剤Lがこの間隙から漏洩することはない。このような構造にすることにより、供給側天秤SCL1における風袋が粉末滑沢剤供給部LS1以外の影響で変化することを防ぐことができる。
一方、回収量検知部LS3は、第一サイクロンCY1と第一サイクロンCY1に接続される第二サイクロンCY2と、第一サイクロンCY1により回収された粉末滑沢剤Lを収容する第一回収容器RB1と第二サイクロンCY2により回収された粉末滑沢剤を含む粒子径の小さい粉末を収容する第二回収容器RB2とを含んでなるものである。そして、この回収量検知部LS3が、回収用天秤SCL2に載せられるものである。
第一サイクロンCY1と第二サイクロンCY2とは、第一サイクロンCY1の頂上部に設けられたフランジ付接続管CY1aと、第二サイクロンCY2の側面上部に取り付けられてフランジ付接続管CY1aと接続される連結用接続管CY2aとにより連通される。また、第一サイクロンCY1の側面上部には外部接続管CY1bが設けてあり、この外部接続管CY1bに、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXに連通する回収管CLDが、密着して接続されるのではなく、外部接続管CY1bとの間に間隙をあけて浮いた状態で接続されるものである。
一方、第一サイクロンCY1と第二サイクロンCY2との下端部分は、各別に、第一回収容器RB1及び第二回収容器RB2に連結される。第一及び第二回収容器RB1、RB2はそれぞれ、直方体形状の箱からなり、一体に形成してあり、上面には第一及び第二収容容器RB1、RB2に共通の取り外し可能な蓋体RBaが取り付けてある。この蓋体RBaにあけられた開口RB1b、RB2bに第一及び第二サイクロンCY1、CY2の下端部分がそれぞれ固定されるものである。また、それぞれの開口RB1b、RB2bの下側位置には、第一及び第二サイクロンCY1、CY2の下端と対向して、第一及び第二回収容器RB1、RB2内に回収された粉末滑沢剤Lが第一及び第二サイクロンCY1、CY2側に引き戻されないようにする円錐形状の邪魔板RB1c、RB2cが設けてある。この邪魔板RB1c、RB2cはそれぞれ、その取付高さが調整できるようになっている。
第二サイクロンCY2は、その上部にターボファン付ブロアモータBMを有するとともに、ブロアモータBMより下側に円筒形状のフィルタFLを備え、その側面の上部で第一サイクロンCY1と連通している。この第二サイクロンCY2は、第一サイクロンCY1で回収できなかった比較的粒子径の小さい粉末滑沢剤を回収するものである。ブロアモータBMが作動することにより、第二サイクロンCY2のフィルタFLの下側から上昇する気流が発生し、その気流によりフィルタFLの側面にはフィルタFLの外側に沿って流れる下向きの渦巻き流が生じる。
この回収量検知部LS3は、第二サイクロンCY2に内蔵されるブロアモータBMが作動することにより、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BX及び回収管CLDを介して粉末滑沢剤Lを、一体構造の第一回収容器RB1及び第二回収容器BR2に回収する。
回収される粉末滑沢剤Lは、第一サイクロンCY1によりそのほとんど、例えば回収量の約90〜95%が第一回収容器BR1に回収され、第一サイクロンCY1において回収されなかった比較的粒径の小さい粉末滑沢剤Lが第二サイクロンCY2により第二回収容器BR2に回収される。第二サイクロンCY2では、その内部のフィルタFLの外側表面に粉末滑沢剤Lが接触し、下向きの渦気流により第二回収容器RB2に回収するものである。
また、回収に際して、第一サイクロンCY1と回収管CLDとは、わずかな間隙を設けて接続してあるので、第一サイクロンCY1に外力が加わらない。つまり、第二サイクロンCY2のブロアモータBMが作動した際に第一及び第二サイクロンCY1、CY2内に発生する吸引力により、回収用天秤SCL2に載せられた回収量検知部LS3に回収管CLDが吸着することがない。したがって、回収量検知部LS3が回収管CLDに支持されて重量が軽くなることがなく、風袋が変化することが防止される。
このような構成において、粉末滑沢剤Lの使用量は、制御部LS4において、供給用天秤SCL1が計量した供給側の粉末滑沢剤Lの重量から、回収用天秤SCL2が計量した実際に回収された粉末滑沢剤Lの重量を減算して算出される。実際に回収された粉末滑沢剤Lの重量は、回収用天秤SCL2が、回収量検知部LS3の重量と回収された粉末滑沢剤Lとの合計重量を指示するので、風袋重量である回収量検知部LS3の重量を回収用天秤SCL2が示した重量から差し引いて求めるものである。この粉末滑沢剤Lの使用量の計量は、所定時間毎に行う。そして、制御部LS4は、計量された使用量を、粉末の圧縮成形の速度に応じて設定された設定値と比較し、使用量が設定値より多い場合は粉末滑沢剤供給部LS1を制御して粉末滑沢剤Lの供給量を減少させ、逆に使用量が設定値より少ない場合は粉末滑沢剤Lの供給量を増加させるように制御する。
このように、供給用天秤SCL1及び回収用天秤SCL2を使用することにより、粉末滑沢剤Lの使用量を正確に計量することができる。
その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明の回転式粉末圧縮成形機によれば、粉末滑沢剤を杵や臼に付着させる構成であり、その粉末滑沢剤の付着効率を確実に向上させることができ、粉末滑沢剤が圧縮成形させる粉末に混入することがほぼ皆無にできるので、錠剤や食品などを製造するのに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施の形態を示す回転式粉末圧縮成形機の全体正断面図。
第2図は、同実施の形態の回転盤上を示す模式的な平面図。
第3図は、同実施の形態の回転盤を転回して示す正断面図。
第4図は、同実施の形態の粉末滑沢剤噴射部を拡大して示す平面図。
第5図は、第4図のI−I線に沿った端面図。
第6図は、第4図のII−II線に沿った端面図。
第7図は、同実施の形態の上側(下側)ノズルのノズル先端の側面図。
第8図は、第7図のIII−III線に沿った断面図。
第9図は、同実施の形態の粉末滑沢剤供給装置の概略構成を示すブロック図。 第10図は、実施の形態における電極の変形例を示す上側(下側)ノズルのノズル先端の側面図。
第11図は、第10図のIV−IV線に沿った断面図。
第12図は、他の実施の形態における回転盤の要部を拡大して示す断面図。
第13図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤噴射部の箱体の要部の底面を示す平面図。
第14図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤噴射部の箱体の要部の断面図。
第15図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤供給装置の概略構成を示すブロック図。
第16図は、他の実施の形態の回収量検知部の概略を拡大して示す断面図。
本発明は、粉末を圧縮して錠剤等を成形するための回転式粉末圧縮成形機に関する。
背景技術
従来、この種の回転式粉末圧縮成形機を用いて、医薬品錠剤を製造する場合、薬物処方成分のみで錠剤の原料粉末を構成すると、杵や臼に錠剤の原料粉末や錠剤がこびりつくといったいわゆるスティッキング等の障害が生じる場合がある。この障害を防止するため、ステアリン酸マグネシウム等の粉末滑沢剤を薬物処方成分に混合して錠剤の原料粉末を構成し打錠する方法が、錠剤の製造上容易であるため、従来一般的に用いられている。
一方、近年、老人医療分野が重要視されつつあることとあいまって、老人等が飲み下しやすいように口の中で溶けやすくした錠剤や、嚥下後直ぐに溶けて薬効を発揮し得る錠剤の需要が増加している。しかしながら、上述した従来の製法による錠剤では、混入している粉末滑沢剤が、錠剤の崩壊、溶融を阻止するため、このような需要に対応することが難しかった。また、粉末滑沢剤の混入によって錠剤が割れやすくなるという不具合もあった。
スティッキングの防止という粉末滑沢剤の目的を考慮すれば、粉末滑沢剤は、薬物処方成分に混合させる必要はなく、杵表面等のスティッキングの生じる部位にのみ付着させ、薬物処方成分のみからなる原料粉末を用いることができるはずである。この点に着目し、打錠前に上杵、下杵、臼孔にあらかじめ粉末滑沢剤をスプレー塗布するようにしたものや、あるいは打錠前に粉末滑沢剤のみをダミーで圧縮し、上杵、下杵、臼孔に粉末滑沢剤が被覆されるようにしたものが考えられている。
しかしながら、例えば前者のものであれば、スプレー塗布する際に粉末滑沢剤が周囲に飛散し、薬物処方成分に混入したり、逆に薬物処方成分がスプレー時に粉末滑沢剤に混入したりするいわゆるコンタミネーションの問題が生じる上、粉末滑沢剤が均一に杵等に付着しない場合がある。また、飛散を防止するために、粉末滑沢剤をスプレー塗布する位置において杵の周辺を包囲することが考えられるが、上杵に対してはその包囲に粉末滑沢剤が通過する開口を設ける必要があり、効果的に飛散を抑えることが難しかった。
また、後者のものであれば、粉末滑沢剤を圧縮するための圧縮機構が必要となるため、装置の大型化を招き、打錠速度も通常の半分程度に落ちるという問題が生じる。この他にも種々の方法が考えられているが、いずれも、実際に錠剤製造を行う場合に同様な問題点を有している。
発明の開示
本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る回転式粉末圧縮成形機は、フレーム内に回転盤を立シャフトを介して回転可能に配設し、その回転盤に臼孔を有する臼を設けるとともに、臼の上下に上杵及び下杵を上下摺動可能に保持させておき、杵先を臼孔内に挿入した状態で上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動、押圧することにより、臼孔内に充填した粉末を上杵下端面及び下杵上端面間で圧縮成形するようにした回転式粉末圧縮成形機において、上杵と下杵とのそれぞれの端面及び臼孔に、粉末の充填に先立って粉末滑沢剤を噴射する粉末滑沢剤噴射手段を具備してなり、粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の噴射位置において杵の端面に対向する凹面を有し、粉末滑沢剤を凹面に案内させてほぼ杵の端面の方向に噴射する噴射ノズルと、上杵の下端面近傍に空気を噴射して噴射ノズルから噴射された粉末滑沢剤の上方向への飛散を阻止する空気流供給機構と、噴射ノズルから噴射される際に粉末滑沢剤を帯電させるとともに、帯電している粉末滑沢剤とは反対極性に少なくとも上杵、下杵及び臼を帯電させる帯電装置とを具備することを特徴とする。
本発明における粉末滑沢剤とは、ステアリン酸、ステアリン酸塩(Al,K,Na,Ca,Mg等の金属塩)、あるいはラウリル硫酸ナトリウム等の撥水性を有する粉体を指すものであり、粉末圧縮成形機において例えば錠剤を圧縮成形する場合に、粉末である薬剤原料が臼孔内や上下杵の先端に付着することを抑制するためのものである。
このような構成のものであれば、噴射ノズルが凹面を有して、その凹面により粉末滑沢剤をほぼ杵の端面の方向に噴射することになるので、上杵の下端面、下杵の上端面及び臼孔に効率よく粉末滑沢剤を到達させることが可能なものとなる。また、噴射ノズルから噴射される粉末滑沢剤は、帯電装置により帯電されており、しかも少なくとも上杵、下杵及び臼が噴射された粉末滑沢剤とは反対極性に帯電されているので、粉末滑沢剤は静電力により引かれて上杵と下杵との端面及び臼孔の内周面にほぼ均一に静電付着する。これにより、粉末滑沢剤の付着効率を確実に向上させることが可能になる。
加えて、空気流供給機構により上杵の下端面近傍に空気流を形成するので、上杵の下端面に付着しなかった余剰の粉末滑沢剤の上昇が阻止され、粉末滑沢剤の飛散を防ぐことが可能になる。したがって、それらの余剰の粉末滑沢剤が、上杵の下端面以外の部分に付着するのを防止することが可能になり、上杵の下端面にのみ粉末滑沢剤を効率よく付着させることが可能になる。
しかも、このように粉末滑沢剤の飛散を阻止すると、上杵の下端面以外の部位等に余剰の粉末滑沢剤が付着することを未然に防止することができるので、粉末滑沢剤の付着により上杵が作動する際の摩擦力となって上杵の円滑な作動が妨げられると言った不具合を防止することが可能になる。加えて、このような余剰の粉末滑沢剤が付着して成長し、その後その成長した粉末滑沢剤が落下して圧縮成形する粉末内に混入することを未然に回避することが可能になる。
帯電装置としては、噴射ノズルから噴射される粉末滑沢剤が通過する電界を形成する電極を備えてなるものが好ましい。このような電極を有することにより、効率よく粉末滑沢剤を帯電させることが可能になる。この場合、電界が、噴射ノズルの凹面で形成される空間内に形成されるものが好ましい。このように電界を形成することにより、噴射ノズルから噴射された直後に噴射ノズルの凹面に沿って案内される粉末滑沢剤のほぼ全量を確実に帯電させることが可能になる。
粉末滑沢剤噴射手段は、空気流供給機構により上方への移動を阻止された粉末滑沢剤を吸引する粉末吸引機構をさらに具備してなるものが好適である。このように、余剰の粉末滑沢剤を吸引するようにすれば、余剰の粉末滑沢剤の効率よく回収することが可能になる。
また、余剰の粉末滑沢剤の飛散を最小限にするためには、粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の供給位置を包囲する箱体をさらに具備し、噴射ノズルの凹面をその箱体内に配設し、箱体内から飛散した余剰の粉末滑沢剤を空気流供給機構による空気流を介して箱体内を通過して粉末吸引機構により吸引するものが好ましい。
粉末滑沢剤をほぼ一方向にほぼ均等に案内するためには、噴射ノズルの凹面が、三次元曲面に形成されているものが好ましい。
粉末滑沢剤を安定して供給するためには、粉末滑沢剤噴射手段に粉末滑沢剤を圧送する粉末滑沢剤噴射装置をさらに備え、粉末滑沢剤噴射手段と粉末滑沢剤噴射装置とが静電気の影響を取り除いた供給管路により連通されるものが好適である。このように、粉末滑沢剤噴射手段と粉末滑沢剤噴射装置とを前記供給管路で連通することにより、静電気の影響で粉末滑沢剤が供給管路内に付着することなく流れ、連続して粉末滑沢剤を噴射することが可能となる。
このような供給管路としては、内部を粉末滑沢剤が通る絶縁素材からなる内管と、その内管を被覆する導電素材からなる外管とからなり、外管が電気的に接地されるものが好ましい。
圧縮成形する粉末への粉末滑沢剤の混入を最小限に抑えるには、回転盤の上面に、絶縁層を形成してなるものが望ましい。また、さらに粉末滑沢剤の混入を減少させるためには、臼の上面に、臼孔の近傍を除いて絶縁層を形成してなるものが好ましい。
加えて、余分な粉末滑沢剤を効率よく回収するためには、臼の上面に残留する粉末滑沢剤を除電する除電用空気流を回転盤の上面に供給する吹き出し口と、除電された粉末滑沢剤を吸入する吸い込み口とを具備するものが好適である。このようにして、粉末の圧縮成形に供しない粉末滑沢剤を回収することにより、実際の使用した粉末滑沢剤の使用量を正確に把握することが可能になり、粉末滑沢剤の使用効率を向上させることが可能になる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の回転式粉末圧縮成形機の全体構成を示している。この回転式粉末圧縮成形機は、粉末滑沢剤Lを噴射する粉末滑沢剤噴射装置LS(第9図)を具備してなり、フレーム1内に回転盤3を立シャフト2を介して水平回転可能に配設し、その回転盤3に複数の臼4を所定のピッチで設けるとともに、各臼4の上下に上杵5及び下杵6を上下摺動可能に保持させてある。
詳述すれば、フレーム1のほぼ中央部には軸受21により軸支された立シャフト2が配設してあり、この立シャフト2の下端近傍にウォームホィール22が固定してあって、このウォームホィール22にウォーム23及びベルト24を介してモータ25の回転駆動力が伝達されるようになっている。そして、この立シャフト2のヘッド近傍に、2つの機能部分に分けられる回転盤3が固定してある。
回転盤3は、その上側部分に設けられて上杵5を上下摺動可能に保持する上杵保持部32と、その下側部分に設けられて下杵6を上下摺動可能に保持するとともに、前記上杵保持部32に対面する位置に臼4を着脱可能に嵌装するための臼取付孔を同一円周上に複数個設けてなる臼部33とから構成されている。
上杵保持部32には上杵5を、臼部33には下杵6を、それぞれ摺動移動可能に保持する杵保持孔がそれぞれ複数穿設されている。この回転盤3において、下杵6と上杵5と臼4とが、各中心線を一致させて上下に配置されるように、それぞれの杵保持孔と臼取付孔とが穿設されている。
上杵5の上端部、下杵6の下端部には、第3図に示すように、それぞれ大径部を設けてあり、この大径部を後述する各カム等に係合案内させて、上下動するように構成してある。臼4には上杵5、下杵6の杵先を挿入させるための臼孔41が上下に貫通させてある。また、上杵5の下端部分には、後述する粉末滑沢剤Lが上杵5の胴部分に付着しないように、上杵保持部32の下面に上端が固定され下端が上杵5下端部に設けられた環状溝5mに嵌合して、上杵5が突出した際にその胴部を被覆する蛇腹5nが設けてある(第5図)。
この回転式粉末圧縮成形機には、第2図〜第3図に示すように、粉末充填部7と、粉末摺切部8と、圧縮成形部9と、製品取出部10と、粉末滑沢剤噴射部Kとが、回転盤3の回転方向に沿って順次に設けてある。
粉末充填部7は、下杵6を低下器71により降下させて回転盤3上に供給された粉末をフィードシュー72により臼4内に導入するようにしたもので、回転盤3上への粉末の供給は、粉末供給機構73により行われる。
粉末摺切部8は、分量レール82により下杵6を所定位置まで上昇させるとともに下杵6の上昇により臼4内から溢れ出た粉末を摺切板83により臼4上から除去するようにしたものである。
圧縮成形部9は、上杵5を下り傾斜面に沿わせて降下させその杵先を臼4内に挿入させるための上杵降下カム91と、杵先を臼4内に挿入した上杵5と下杵6とを上下から拘束して臼4内の粉末を予備的に圧縮する上、下予圧縮ロール92、93と、前記上杵5と下杵6とを上下から拘束して臼4内の粉末を本格的に圧縮する上、下本圧縮ロール94、95とを具備してなる。
製品取出部10は、第2図〜第3図に示すように、上杵5を上り傾斜面に沿わせて上昇させその杵先を臼4から抜き取るための上杵上昇カム100と、下杵6を上方に付勢して臼4内の製品Qを完全に臼4外に押出す押上レール106と、押出された製品Qを側方に案内してシュート104に導く案内板105とを具備してなる。
粉末滑沢剤噴射部Kは、製品取出部10と粉末充填部7との間に設けるものである。この粉末滑沢剤噴射部Kは、第5図に示すように、上杵5の下端面5a、下杵6の上端面6a及び臼孔41の内周面に粉末滑沢剤Lを飛散を防止して供給するように、上杵5のための粉末滑沢剤Lが通過する貫通孔K1及び空気流であるエアカーテンACが吸入される吸入口K2を除いて粉末滑沢剤Lが連続して噴射される空間を包囲する箱体BXを有してなり、その箱体BX内に上杵5に粉末滑沢剤Lを噴射する上側ノズルNUと、下杵6及び臼孔に粉末滑沢剤Lを噴射する下側ノズルNBとの先端を内包し、貫通孔K1の上方をエアカーテンACが吸入孔K2に向かって噴射されるように構成されている。
すなわち、粉末滑沢剤噴射部Kにおいて上杵5、下杵6及び臼孔に粉末滑沢剤Lを供給する粉末滑沢剤噴射手段は、第5図〜第9図に示すように、凹面NUa,NBaを有し粉末滑沢剤Lのそれぞれの供給位置において上杵5及び下杵6のそれぞれの端面に対向し粉末滑沢剤Lを凹面NUa,NBaに案内させてほぼ一方向に噴射する噴射ノズルたる上側ノズルNU及び下側ノズルNBと、上杵下端面5a近傍に空気流を噴射して上側ノズルNU及び下側ノズルNBから噴射されて余剰となった粉末滑沢剤Lの上方向への飛散を阻止するエアカーテンACを生成する空気流供給機構ACSとを具備するものである。上側ノズルNU及び下側ノズルNBは箱体BXに取り付けられ、ごく微量の粉末滑沢剤Lを計量し加圧気体により圧送する粉末滑沢剤噴射装置LSに接続してある。
上側及び下側ノズルNU,NBは、例えばフッ素樹脂製であり、そのノズル先端NU1,NB1がノズル本体NU2,NB2から取り外しできるようになっている。なお、この上側及び下側ノズルNU,NBには、例えばフッ素樹脂製の配管部材つまりホースSEにより、粉末滑沢剤Lが供給されるようにしてある。ノズル先端NU1,NB1は、第7図及び第8図に示すように、三次元曲面からなる凹面NUa,NBaを有しており、その凹面NUa,NBaに連通するように導入孔NUc,NBcが設けてある。導入孔NUc,NBcは、その内周面が凹面NUa,NBaと面一にはなっておらず、凹面NUa,NBaとの間でわずかに段差を形成するように凹面NUa,NBa側に開口している。このような構造により、粉末滑沢剤Lは噴射の際に凹面NUa,NBaに付着することなく、目的の方向に案内されるものとなる。このノズル先端NU1,NB1は、その凹面NUa,NBaが上杵5及び下杵6に対向するようにして取り付けてある。すなわち、上側ノズルNUのノズル先端NU1は、その凹面NUaを上に向けてその取付軸を回転盤3に平行にして取り付けてあり、下側ノズルNBのノズル先端NB1は、その凹面NBaを下に向けて上側ノズルNUと同様に取り付けてある。上側ノズルNUにあっては、凹面NUaの先端側の部分がほぼ貫通孔K1の直下に来るように設定してある。
この下側ノズルNBと上側ノズルNUとにはそれぞれ、粉末滑沢剤Lを帯電させるための例えばステンレス製の電極EDが設けてある。具体的には、下側ノズルNBのノズル先端NB1及びノズル本体NB2と、上側ノズルNUのノズル先端NU1及びノズル本体NU2とには、導入孔NUc,NBcと平行に配置されて連通する貫通孔NUd,NBdが設けてあり、その貫通孔NUd,NBd内にそれぞれ丸棒状の電極EDが挿入してある。電極EDは、その先端EDaが円錐状あるいは針状に尖らせてあり、中心軸線の延長線上に位置している。
一方、電極EDが挿入される貫通孔NUd,NBdは、ノズル本体NB2,NU2の取付側の端部から、ノズル先端NB1,NU1のそれぞれの凹面NBa,NUaに対向する壁面にまで達するものである。貫通孔NUdは、上側ノズルNUが取り付けられた際に、導入孔NUcの上側に位置するもので、貫通孔NBdは、下側ノズルNBが取り付けられた際に、導入孔NBcの下側に位置するものである。
このような構造の貫通孔NUd,NBdに、ノズル体NB2,NU2の取付側の端部から電極EDを挿入し、その先端EDaを凹面NBa,NUaにより形成される空間に突出させて、凹面NBa,NUaの貫通孔NUd,NBdの中心軸線に対して横切るように位置する傾斜面NBaa,NUaaに対向させて電極EDは取り付けられるものである。このように、電極EDを配置して電極EDに高電圧を印加することにより、先端EDaと凹面NBa,NUaの傾斜面NBaa,NUaaとの間に電界を形成するものである。
箱体BXは、例えばフッ素樹脂等の合成樹脂製で、案内板105のフィードシュー72に対向する面に、回転盤3から電気的に絶縁された状態で固定されるものである。この箱体BXは、エアカーテン用空気の供給路SPが内部に設けられるとともに空気取入口BX1aが設けられた第1側壁BX1と、第1側壁BX1から水平方向に固定され上杵5の対応位置に貫通孔K1が設けられた第1上壁BX2と、第1上壁BX2に連続して設けられその連続する部分の近傍においてエアカーテンACを吸入する吸入口K2が設けられた第2上壁BX3と、エアカーテン用空気を供給路SPに案内する案内路を有して案内板105に平行になるように第1側壁に固定される第2側壁BX4と、第2側壁BX4に平面視直角に取り付けられる第3側壁BX5と、回転盤3と第1側壁BX1、上側及び下側ノズルNU,NBの下面部との間隙を封鎖する電気絶縁性を有する弾性部材BX6,BX7と、弾性部材BX6,BX7の内側に設けられて箱体BXの底部分を閉鎖する例えばフッ素樹脂製の底板BX8とからなる。
この箱体BXの第3側壁BX5には、上側ノズルNUと下側ノズルNBと吸塵用管路Pとが取り付けられる。第2側壁BX4の端面には、第3側壁BX5を介してエアカーテン用空気を導入する接続部CPが取り付けられる。底板BXの臼4の軌跡に対応する部位には、下側ノズルNBから噴射された粉末滑沢剤Lが通る、臼孔41より若干大径の供給孔BX8aが設けてある。このような底板BX8を有することにより、粉末滑沢剤Lは、回転盤3が帯電していても、この供給孔BX8aの幅の円環状にしか回転盤3に付着することがなく、回転盤3への付着を最小限に抑えている。また、接続部CPには、エアカーテンACを形成するための高圧空気を発生させるエアコンプレッサ(図示しない)に接続されるもので、エアコンプレッサ、供給路SP、接続部CPにより空気流供給機構ACSが構成されるものである。また、吸塵用管路Pには、吸塵機LS5が接続され、箱体BXとともに粉末吸引機構を構成するものである。
粉末滑沢剤噴射装置LSは、第9図に示すように、モータMにより駆動される回転ドラムDの外周面に付着した粉末滑沢剤Lを空気流により送出する粉末滑沢剤供給部LS1と、粉末滑沢剤供給部LS1から供給される粉末滑沢剤Lの流量を検知する流量検知部LS2と、上側及び下側ノズルNU,UBから噴射され上杵5、下杵6及び臼孔に付着せずに回収された粉末滑沢剤Lの量を検知する回収量検知部LS3と、流量検知部LS2と回収量検知部LS3とにおいて検知された粉末滑沢剤Lの検知量に基づいて粉末滑沢剤供給部LS1を制御する制御部LS4と、粉末吸塵機構を構成する吸塵機LS5と、粉末滑沢剤Lを帯電させるための帯電装置CDとを具備している。
粉末滑沢剤供給部LS1は、微量例えば1時間当たり5〜25gの粉末滑沢剤Lを、供給管路LS6を介して流量検知部LS2に送出するもので、流量検知部LS2において例えば光学的には低角度光拡散方式、電気的には静電容量方式等により粉末滑沢剤Lの流量を検知し、その検知量と回収量検知部LS3における検知量との差を制御部LS4で演算し、その演算結果に基づいて粉末滑沢剤Lの流量が所定量になるようにフィードバック制御されるものである。
供給管路LS6は、粉末滑沢剤Lの付着を防止するために、絶縁体例えばフッ素樹脂からなる内管LS6aと、その内管LS6aの外側を被覆する導電体例えばアルミニウムからなるシールド材LS6bとからなる。このシールド材LS6bは、接地されるものである。このように、供給管路LS6を内管LS6aとシールド材LS6bとで構成することにより、内管LS6a内を粉末滑沢剤Lが通過する際に両者の摩擦により内管LS6aが帯電することを防止することができる。これにより、内管LS6a内に粉末滑沢剤Lが付着し、粉末滑沢剤Lが円滑に供給できなかったり、付着した粉末滑沢剤Lが未回収となるために、粉末滑沢剤Lの使用量が正確に計算できない等の不具合を解消することができる。
帯電装置CDは、例えば100KVの直流電圧を発生する電源部PSと、電源部PSから出力される直流電圧を高電圧に変換する高電圧発生器HVと、高電圧発生器HVから出力される直流高電圧が印加される電極EDとを備えている。電源部PSは、上限を100KVとして連続的に出力電圧を変更するできる構成である。この電源部PSの負電圧の出力端子に、高電圧発生器HVが接続される。そして、この高電圧発生器HVを電極EDに対して直列に接続することにより、電極EDには、負の高電圧が印加される。また、電源部PSの正電圧の出力端子は、回転盤3を含む上杵5、下杵6及び臼4に電気的に接続される。したがって、電極EDに対して正の高電位となる。
粉末滑沢剤噴射装置LSは、粉末滑沢剤供給部LS1と帯電装置CDの電源部PSとが回転式粉末圧縮成形機の外側に設けてあり、流量検知部LS2、回収量検知部LS3、制御部LS4、集塵機LS5及び帯電装置CDを構成する電極EDが回転式粉末圧縮成形機内に配設される構成である。
このような構成において、粉末滑沢剤Lを噴射するにあたって、粉末滑沢剤噴射装置LSの電源が投入されると、電極EDは上杵5、下杵6、臼4及び回転盤3に対して負の高電位となる。この場合に、電源部PSを調整して、電極EDに印加される負高電圧を、例えば40〜60KVの間の電圧値例えば50KVに固定すると、電極EDと凹面NBa,NUaとの間の空間に不平等電界が形成される。これは、電極EDに対して、下側ノズルNB及び上側ノズルNUがフッ素樹脂製であるために負極性に帯電しているが、その電圧値は、電極EDに印加させる電圧値に比較して低く、両者の間に例えば49KV程度の電位差が生じているためである。
このように、ノズル先端NU1,NB1の凹面NUa,NBaにおける空間において不平等電界が形成されている状態で粉末滑沢剤Lを噴射すると、その不平等電界を粉末滑沢剤Lが通過する際に、粉末滑沢剤Lがさらに負に帯電するものである。この実施の形態においては、下側ノズルNBと上側ノズルNUとはフッ素樹脂で形成してあり、また下側ノズルNBと上側ノズルNUとまでの粉末滑沢剤L供給のための配管もフッ素樹脂製のホースSEであるので、粉末滑沢剤Lはフッ素樹脂との摩擦により、負に帯電される。そして、下側ノズルNBのノズル先端NB1及び上側ノズルNUのノズル先端NU1から噴射された直後に、電極EDと凹面NBa,NUaとの間の空間に形成された不平等電界を通過することにより、さらに負に強くつまり高電位に帯電される。
一方、粉末滑沢剤Lが噴射される上杵5、下杵6及び臼4は、帯電装置CDにより帯電された粉末滑沢剤Lより高い電位であるつまり正の高電圧に帯電しているので、負に帯電された粉末滑沢剤Lは上杵5、下杵6及び臼4に対して噴射されると、静電力によりそれぞれ上杵5、下杵6及び臼4の方向に引き付けられてそれぞれの目標とする表面つまり上杵の上杵下端面5a、下杵の下杵上端面6a、及び臼4の臼孔41の内周面に静電付着する。一旦上杵5、下杵6及び臼4のそれぞれの目標部位に付着した粉末滑沢剤Lは、静電吸着したままとなるので、目標部位から離脱しない。したがって、粉末を圧縮成形する場合に、上杵の上杵下端面5a、下杵の下杵上端面6a、及び臼4の臼孔41の内周面に圧縮する粉末が付着するのを効果的に防止することができる。また、仮に粉末滑沢剤Lが目標部位から剥離したとしても、その付着量自体がごく微量であるので、圧縮成形される粉末への混入は最小限に留めることができ、成形品の硬度に影響を及ぼすことを防止することができる。
この実施の形態において、粉末滑沢剤Lは、以下に説明するタイミングで噴射される。この噴射のタイミングを錠剤の成形工程を交えて第3図を参照して説明する。なお、同図中、符号T0〜T5は、位相を示している。製品取出部10を通過した段階での上杵5及び下杵6は、最も高い位置に保持される(T0)。その後、これら上杵5及び下杵6が回転盤3の回転により、上杵5及び下杵6が最も高い位置に保持されるまま滑沢剤噴射部Kに移行する(T1)。この位置で、まず上杵5に対して粉末滑沢剤Lが噴射される。次に、回転盤3が回転すると、下杵6は、低下器71の始端部において、製品Qの厚みに相当する分だけ降下する。この位置において、下杵6及び臼4に対して粉末滑沢剤Lが噴射される(T2)。したがって、下杵上端面6aと臼孔41の製品の厚みに相当する深さの内周面に、粉末滑沢剤Lが付着し得るようになる。
このように、上杵5が最も高い位置に保持された時点で、粉末滑沢剤Lが上側ノズルNUから噴射されるので、噴射された粉末滑沢剤Lが上杵下端面5aに集中的に静電付着する。すなわち、粉末滑沢剤Lは、帯電装置CDにより負に帯電しており、上杵下端面5aが正に帯電しているので、上杵下端面5aに引き寄せられて静電付着する。
この後、この上杵5と対をなす下杵6及び臼4が、上記した位置に保持された状態で下側ノズルNBの下を通過するので、下杵6と臼孔41の内周面に下側ノズルNBから噴射された粉末滑沢剤Lが付着する。すなわち、上杵下端面5aは、帯電装置CDにより正に帯電しているので、負に帯電している粉末滑沢剤Lは、下杵上端面6aと臼孔41の内周面とに引き寄せられて静電付着する。
粉末滑沢剤Lは、上側及び下側ノズルNU,NBの凹面NUa,NBaに案内されて噴射されるので、上杵下端面5a、下杵上端面6a及び臼孔41の内周面に対してほぼ均等に拡散する。すなわち、凹面NUa,NBaは、三次元曲面であるので、粉末滑沢剤Lが導入孔NUc,NBcから噴出してこの凹面NUa,NBaに衝突すると、導入孔NUc,NBcからの噴出方向及びその噴出方向を横切る方向のそれぞれの方向において、粉末滑沢剤Lは凹面NUa,NBaに沿って移動する。上側ノズルNUの場合、凹面NUaはその直上にある貫通孔K1に対向しているので、粉末滑沢剤Lはその貫通孔K1を通過して上杵下端面5aに達する。また、下側ノズルNBの場合、凹面NBaに案内された粉末滑沢剤Lが直接に下杵下端面6a及び臼孔41の内周面に達する。したがって、粉末滑沢剤Lは上杵下端面5aと下杵上端面6aと臼孔41の所定の深さの内周面のほぼ全面にそれぞれ、ほぼ均一に付着することになる。この場合、上杵下端面5aより上側に、上杵5を横切るようにエアカーテンACが存在するので、上杵下端面5aに付着しなかった粉末滑沢剤Lは、エアカーテンACの空気流に沿って吸入口K2に達し、吸塵管路Pから回収量検知部LS3を介して吸塵機LS5により回収される。また、下側ノズルNBの場合、凹面NBaは下側に向いており、下杵上端面6a及び回転盤3で反射して上昇した余剰の粉末滑沢剤Lは、第1上壁K1に沿って吸塵管路Pに流れるとともに、貫通孔K1から流出したものは上側ノズルNUの場合と同様にエアカーテンACの空気流により吸入口K2から吸塵管路Pへと流入する。
この後、下杵6が回転盤3の回転により粉末充填部7に移行すると、その下杵6がまず低下器71の前半部分の案内作用によって中段位置まで降下させられ、後半部分の案内作用によってさらに低い位置まで引き下げられる(T3)。その途上において、粉末供給機構73から回転盤3上に供給された粉末が、フィードシュー72の粉末案内作用によってまんべんなく導入される。しかる後、下杵6が分量レール82に乗り上げることによって、該下杵6が若干量持ち上げられて所定高さ位置に達し、臼4内に設定量の粉末が充填されることになる。この状態で摺切板83を通過することによって、臼4上に溢れ出た粉末が摺り切られ、回転盤3の中心寄りに集められる。この間、上杵5はガイドレール102によって最も高い位置に保持されている。
その後、上杵5が上杵降下カム91の案内作用により降下させられ(T4)、その杵先が臼4内に挿入される。そして、それら上杵5と下杵6が上、下予圧縮ローラ92、93間、及び、上、下本圧縮ローラ94、95間を通過することによって、臼4内の粉末が圧縮成形される(T5)。
成形後、製品取出部10においてまず上杵5が上杵上昇カム100の案内作用により上昇させられてその杵先が臼4から抜き取られ、しかる後に下杵6が押上106により押上げられて臼4内の製品Qが回転盤3上に押し出される。そして、その製品Qは、案内板105の案内作用よってシュート104上に導かれ、該圧縮成形機Aの外部に導出される。この後、上杵5は上杵上昇カム100に案内されて、さらに上昇する。以上のようにして、繰り返し連続的に粉末を圧縮成形して所定の製品Qを製造することができる。
このように構成した本実施例の回転式粉末圧縮成形機によれば、粉末圧縮を行う際に、粉末に接触する部分、すなわち上杵下端面5a、下杵上端面6a、及び臼孔41の内周面に、粉末の圧縮に先立って毎回粉末滑沢剤Lが上側ノズルNU及び下側ノズルNBのそれぞれの凹面NUa,NBaに案内されて噴射されるので、ほぼ均一な状態で粉末滑沢剤Lが静電力で付着し、確実にスティッキングを防止することができる。また、粉末滑沢剤Lは、噴射される量が、スティッキング防止のための必要最小限の微量であり、確実に目標部位に付着しているので、粉末滑沢剤Lの混合されてない粉末を用いて、十分な硬度に錠剤を製造することができる。
しかも、粉末滑沢剤噴射部Kにおける上杵5の位置の下端部近傍にエアカーテンACが設けてあり、かつ蛇腹5nが設けてあるので、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXから漏洩した余剰の粉末滑沢剤Lが上杵5に不必要に付着するのを確実に防止することができる。その上、上杵5及び下杵6の端面近傍で微量を噴射し、余剰の粉末滑沢剤LをエアカーテンACの空気流を利用して回収するようにしているので、コンタミ問題を防止できるだけでなく、余剰の粉末滑沢剤Lの飛散を確実に防止することができる。加えて、粉末滑沢剤が上杵下端面5a、下杵上端面6a、及び臼孔41の内周面に付着した状態を維持するので、粉末滑沢剤Lの消費量を減少させることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
電極EDに印加する高電圧は、使用する粉末滑沢剤Lの性状に応じて設定すればよい。具体的には、粉末滑沢剤Lの粒径が小さいものでは、電圧値を低く、逆に粒径の大きなものでは電圧値を高く設定する。このように、使用する粉末滑沢剤Lの種類に応じて電極EDに印加する電圧値を変更することにより、粉末滑沢剤Lの種類のいかんにかかわらず、粉末滑沢剤の静電吸着量をほぼ均等にすることができる。
また、電極は、第10図及び第11図に示すように、上側ノズルNUと下側ノズルNBとのそれぞれの凹面NUa,NUbのほぼ中央部分に、粉末滑沢剤Lが噴射される方向に向かって突出するように設けられるものであってもよい。この場合の電極ED100の先端形状も上記実施の形態と同じ形状であってよい。また、上側ノズルNUの場合を例に取ると、電極ED100の突出部分は、上に向かって、凹面NUaの底面に対してほぼ垂直に突出しているが、先端が凹面NUaの傾斜面側に傾いているように設けるものであってもよい。
また、上記実施の形態にあっては、1種類の粉末を圧縮成形するものを説明したが、内部に異なる粉末により圧縮成形された核錠を有する有核錠を成形するもの、あるいは成形品の中央部分に貫通孔の形成された成形品等を成形するものであってもよい。
加えて、上杵及び下杵としては、例えば製造会社のマークや文字等を、成形品の表面に刻印するために、その端面にマークや文字等に対応する凸部分あるいは凹部分があるものであってもよい。このような杵に対しても、粉末滑沢剤は静電力で端面に静電吸着するので、凸部分等のない上杵や下杵同様に、端面に粉末滑沢剤を付着させることができる。この場合、凸部分等の杵の中心軸とほぼ平行な表面においても、その中心軸を横切る表面と同様に、ほぼ均等に粉末滑沢剤を付着させることができる。
次に本発明の他の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同じ構成については、説明を省略するとともに、同じ符号を使用して引用する。
上記実施の形態のように、連続して粉末滑沢剤Lを噴射していると、回転盤3の上面にも少量ではあるが、供給孔BX8aの直径の幅で円環状に残留することがある。このような残留粉末滑沢剤の量をさらに低減するために、回転盤3の臼部33の上面に絶縁層ILを形成して、回転盤3に吸引される粉末滑沢剤Lを阻止するとともに、残留粉末滑沢剤の帯電を除去して回収するように構成すればよい。以下に、具体的な構成を説明する。
回転盤3は、それ自体が金属例えばステンレスで製作してあるので、粉末滑沢剤Lの付着を抑制するために、第12図に示すように、臼部33の上面33aを絶縁体素材例えばセラミックで形成される絶縁層ILにより被覆する。これにより、臼104を含む回転盤3の臼部33の上面33aに対して連続的に粉末滑沢剤Lを噴射した場合に、回転盤3の臼部33の上面33aに粉末滑沢剤Lが付着することを抑制する。なお、セラミックに代えて、例えばフッ素樹脂などを塗布することにより、臼部33の上面33aに絶縁層ILを形成するものであってもよい。
同様にして、臼104の上面についても、セラミックからなる絶縁層ILで被覆する。この絶縁層ILは、臼部33の絶縁層ILと一体に形成されるものであってよく、また臼4毎に形成されるものであってもよい。このように、臼104の上面に絶縁層ILを形成するために、臼104の上面の臼孔141の周囲には、所定幅の円環状に金属を露出させる金属露出部104aを形成して円環状の段差部104bが設けてある。段差部104bの深さは、絶縁層ILの厚みにほぼ等しい。また、この絶縁層ILの厚みは、臼部33の絶縁層ILとほぼ同じである。したがって、絶縁層ILの上面と金属露出部104aの上面とは、ほぼ面一になる。金属露出部104aを形成することにより、帯電した粉末滑沢剤Lが臼孔141方向に吸引され易くしている。この臼104の上面の絶縁層ILにあっても、例えばフッ素樹脂を使用するものであってもよい。
このように、回転盤3及び臼104の上面のほぼ全体に絶縁層ILを形成することにより、余剰の粉末滑沢剤Lが回転盤3上に残留することを最小限に押さえることができる。また、臼104の上面の臼孔141の周囲には、円環状の金属露出部104aが存在していることにより、臼104の上面に絶縁層ILを形成しても臼孔141に効率よく粉末滑沢剤Lを付着させることができる。
上記実施の形態における粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXは、その底板BX8の底面全体が常時回転盤3の上面33aと接触する構成であるが、耐久性を向上させるために、臼104の軌跡TRに対応する部分のみを接触する構成としている。以下に、箱体BXの底板BX8の底面形状を変更した例を、第13図及び第14図を参照して説明する。
この例の箱体BXは、その底板BX108の底面において、臼104の軌跡TRに対応する部位が、それ以外の部位より下側に突出している。すなわち、箱体BXの底板BX108において、回転盤3の上面33aと接触する部分である着脱可能な突出部BX108Aが形成してあり、その周囲部分の底面は回転盤3の上面33aに接触しないように、突出部BX108Aより底面が高くなっている。突出部BX108Aには、箱体BXの下側ノズルNBに対応する部位に粉末滑沢剤Lが通過する供給孔BX108aが設けてあるとともに、臼104の軌跡の回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lを箱体BX内に吸引するための第一及び第二の吸い込み口BX108m,BX108nと空気吹き出し口BX108pとが設けてある。以下の説明において、突出部BX108Aから見て、臼104が近づいて来る側を上流、臼104が遠ざかる側を下流とする。
供給孔BX108aは、突出部BX108Aにおける上流側端部に設けてある。供給孔BX108aの下流側には、供給孔BX108aに連続して第一の肉盗み部BX108qが形成してあるとともに、そのさらに下流側には、その第一の肉盗み部BX108qに連続して箱体BX内と連通する平面形状が半円形状の第一の吸い込み口BX108mが設けてある。第一の吸い込み口BX108mの下流には、回転盤3の上面33aと接触する部分を介して、第二の肉盗み部BX108sが設けてある。この第二の肉盗み部BX108sの下流側には、箱体BX内と連通する平面形状が半円形状の第二の吸い込み口BX108nが設けてある。また、第二の肉盗み部BX108sの下流側の端部には、箱体BXを介して回転盤3の上面33aに供給される除電用空気流DAFの空気吹き出し口BX108pが設けてある。そして、供給孔BX108aを包囲するとともに、第一の肉盗み部BX108q、第二の肉盗み部BX108s及び空気吹き出し口BX108pを包囲するように接触底面BX108tが設けてある。
除電用空気流DAFとは、帯電している粉末滑沢剤Lとは逆極性に帯電しているもので、回転盤3の上面33aに残留している帯電した粉末滑沢剤Lと接触することにより、粉末滑沢剤Lを電気的に中和、つまり帯電していない状態にするためのものである。除電用空気流DAFは、粉末滑沢剤Lとは逆極性に帯電した電極により形成される電界中に空気を通過させることにより生成する。この除電用空気流DAFは、図示しない除電用空気流発生装置から管路により箱体BXに導かれ、箱体BX内の空気通路ADTを介して空気吹き出し口BX108pから吹き出されるようにしてある。
上述の突出部BX108Aは、回転盤3との接触部分がほぼ環状の接触底面BX108tのみとなるため、回転盤3及び箱体BXの耐久性を向上させることができる。また、第一及び第二の吸い込み口BX108m,BX108n、並びに空気吹き出し口BX108pが設けてあるので、回転盤3の臼104周辺にある残留粉末滑沢剤を効率よく箱体BX内に取り入れることができる。すなわち、回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lは、まず、第一の吸い込み口BX108mと第二の肉盗み部BX108sとの間の部分が、回転盤3の上面33aと接触することにより、回転盤3の上面33aに残る粉末滑沢剤Lがかき集められ第一の吸い込み口BX108mから吸い込まれる。
一方、第二の肉盗み部BX108sには、空気吹き出し口BX108pから噴射される除電用空気流DAFに接触することにより除電されて舞い上げられた回転盤3の上面33aに残っていた粉末滑沢剤Lが充満する。第二の肉盗み部BX108sは、接触部BX108tにより包囲されているので、舞い上げられた粉末滑沢剤Lは外部に散乱することなく、第二の吸い込み口BS108nから箱体BX内に吸い込まれる。したがって、臼孔141に付着した粉末滑沢剤L以外の回転盤3の上面33aにあった粉末滑沢剤Lは、ほぼ回収することが可能になる。
粉末滑沢剤Lの計量にあっては、上記した光学的に流量を計測するもの以外に、重量計具体的には電子天秤(以下、天秤と称する)SCL1,SCL2を使用して計量するものであってもよい。天秤SCL1,SCL2を使用した実施の形態を、第15図及び第16図を参照して以下に説明する。なお、この例の場合、上記した光学的な流量検知部LS2は省略してもよく、省略しない場合には、流量検知部LS2から出力される信号に基づいて、粉末滑沢剤Lが流通していることのみを検出するものとすればよい。つまり、この流量検知部LS2から出力される信号に基づいて粉末滑沢剤Lの流量を検知するものではなく、粉末滑沢剤Lが供給されないと言った粉末滑沢剤噴射装置LSの故障を検出するものとして利用するものであってよい。
粉末滑沢剤Lの計量は、粉末滑沢剤Lを供給する粉末滑沢剤供給部LS1の重量を計測する供給側天秤SCL1と、回収された粉末滑沢剤の重量を計測するために回収量検知部LS3の重量を計測する回収側天秤SCL2とにより行う。
供給側天秤SCL1には、粉末滑沢剤供給部LS1自体を載せ、粉末滑沢剤供給部LS1の自重を風袋として目盛調整を行う。この場合、粉末滑沢剤供給部LS1が供給管路LS6を介して外力を受けないように、供給管路LS6とは浮いた状態で接続してある。つまり、粉末滑沢剤供給部LS1と供給管路LS6とは、わずかな間隙を介して接続されるもので、供給管路LS6が何らかの理由で振動したりあるいは撓んだりしたような場合でも、それらの現象に起因する外力は、間隙により遮断されて、粉末滑沢剤供給部LS1へは伝わらない構造としてある。間隙は、供給管路LS6が粉末滑沢剤供給部LS1の出力管部分の外周に接続されて形成されるので、出ていく粉末滑沢剤Lがこの間隙から漏洩することはない。このような構造にすることにより、供給側天秤SCL1における風袋が粉末滑沢剤供給部LS1以外の影響で変化することを防ぐことができる。
一方、回収量検知部LS3は、第一サイクロンCY1と第一サイクロンCY1に接続される第二サイクロンCY2と、第一サイクロンCY1により回収された粉末滑沢剤Lを収容する第一回収容器RB1と第二サイクロンCY2により回収された粉末滑沢剤を含む粒子径の小さい粉末を収容する第二回収容器RB2とを含んでなるものである。そして、この回収量検知部LS3が、回収用天秤SCL2に載せられるものである。
第一サイクロンCY1と第二サイクロンCY2とは、第一サイクロンCY1の頂上部に設けられたフランジ付接続管CY1aと、第二サイクロンCY2の側面上部に取り付けられてフランジ付接続管CY1aと接続される連結用接続管CY2aとにより連通される。また、第一サイクロンCY1の側面上部には外部接続管CY1bが設けてあり、この外部接続管CY1bに、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BXに連通する回収管CLDが、密着して接続されるのではなく、外部接続管CY1bとの間に間隙をあけて浮いた状態で接続されるものである。
一方、第一サイクロンCY1と第二サイクロンCY2との下端部分は、各別に、第一回収容器RB1及び第二回収容器RB2に連結される。第一及び第二回収容器RB1、RB2はそれぞれ、直方体形状の箱からなり、一体に形成してあり、上面には第一及び第二収容容器RB1、RB2に共通の取り外し可能な蓋体RBaが取り付けてある。この蓋体RBaにあけられた開口RB1b、RB2bに第一及び第二サイクロンCY1、CY2の下端部分がそれぞれ固定されるものである。また、それぞれの開口RB1b、RB2bの下側位置には、第一及び第二サイクロンCY1、CY2の下端と対向して、第一及び第二回収容器RB1、RB2内に回収された粉末滑沢剤Lが第一及び第二サイクロンCY1、CY2側に引き戻されないようにする円錐形状の邪魔板RB1c、RB2cが設けてある。この邪魔板RB1c、RB2cはそれぞれ、その取付高さが調整できるようになっている。
第二サイクロンCY2は、その上部にターボファン付ブロアモータBMを有するとともに、ブロアモータBMより下側に円筒形状のフィルタFLを備え、その側面の上部で第一サイクロンCY1と連通している。この第二サイクロンCY2は、第一サイクロンCY1で回収できなかった比較的粒子径の小さい粉末滑沢剤を回収するものである。ブロアモータBMが作動することにより、第二サイクロンCY2のフィルタFLの下側から上昇する気流が発生し、その気流によりフィルタFLの側面にはフィルタFLの外側に沿って流れる下向きの渦巻き流が生じる。
この回収量検知部LS3は、第二サイクロンCY2に内蔵されるブロアモータBMが作動することにより、粉末滑沢剤噴射部Kの箱体BX及び回収管CLDを介して粉末滑沢剤Lを、一体構造の第一回収容器RB1及び第二回収容器BR2に回収する。
回収される粉末滑沢剤Lは、第一サイクロンCY1によりそのほとんど、例えば回収量の約90〜95%が第一回収容器BR1に回収され、第一サイクロンCY1において回収されなかった比較的粒径の小さい粉末滑沢剤Lが第二サイクロンCY2により第二回収容器BR2に回収される。第二サイクロンCY2では、その内部のフィルタFLの外側表面に粉末滑沢剤Lが接触し、下向きの渦気流により第二回収容器RB2に回収するものである。
また、回収に際して、第一サイクロンCY1と回収管CLDとは、わずかな間隙を設けて接続してあるので、第一サイクロンCY1に外力が加わらない。つまり、第二サイクロンCY2のブロアモータBMが作動した際に第一及び第二サイクロンCY1、CY2内に発生する吸引力により、回収用天秤SCL2に載せられた回収量検知部LS3に回収管CLDが吸着することがない。したがって、回収量検知部LS3が回収管CLDに支持されて重量が軽くなることがなく、風袋が変化することが防止される。
このような構成において、粉末滑沢剤Lの使用量は、制御部LS4において、供給用天秤SCL1が計量した供給側の粉末滑沢剤Lの重量から、回収用天秤SCL2が計量した実際に回収された粉末滑沢剤Lの重量を減算して算出される。実際に回収された粉末滑沢剤Lの重量は、回収用天秤SCL2が、回収量検知部LS3の重量と回収された粉末滑沢剤Lとの合計重量を指示するので、風袋重量である回収量検知部LS3の重量を回収用天秤SCL2が示した重量から差し引いて求めるものである。この粉末滑沢剤Lの使用量の計量は、所定時間毎に行う。そして、制御部LS4は、計量された使用量を、粉末の圧縮成形の速度に応じて設定された設定値と比較し、使用量が設定値より多い場合は粉末滑沢剤供給部LS1を制御して粉末滑沢剤Lの供給量を減少させ、逆に使用量が設定値より少ない場合は粉末滑沢剤Lの供給量を増加させるように制御する。
このように、供給用天秤SCL1及び回収用天秤SCL2を使用することにより、粉末滑沢剤Lの使用量を正確に計量することができる。
その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明の回転式粉末圧縮成形機によれば、粉末滑沢剤を杵や臼に付着させる構成であり、その粉末滑沢剤の付着効率を確実に向上させることができ、粉末滑沢剤が圧縮成形させる粉末に混入することがほぼ皆無にできるので、錠剤や食品などを製造するのに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施の形態を示す回転式粉末圧縮成形機の全体正断面図。
第2図は、同実施の形態の回転盤上を示す模式的な平面図。
第3図は、同実施の形態の回転盤を転回して示す正断面図。
第4図は、同実施の形態の粉末滑沢剤噴射部を拡大して示す平面図。
第5図は、第4図のI−I線に沿った端面図。
第6図は、第4図のII−II線に沿った端面図。
第7図は、同実施の形態の上側(下側)ノズルのノズル先端の側面図。
第8図は、第7図のIII−III線に沿った断面図。
第9図は、同実施の形態の粉末滑沢剤供給装置の概略構成を示すブロック図。 第10図は、実施の形態における電極の変形例を示す上側(下側)ノズルのノズル先端の側面図。
第11図は、第10図のIV−IV線に沿った断面図。
第12図は、他の実施の形態における回転盤の要部を拡大して示す断面図。
第13図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤噴射部の箱体の要部の底面を示す平面図。
第14図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤噴射部の箱体の要部の断面図。
第15図は、他の実施の形態の粉末滑沢剤供給装置の概略構成を示すブロック図。
第16図は、他の実施の形態の回収量検知部の概略を拡大して示す断面図。
Claims (11)
- フレーム内に回転盤を立シャフトを介して回転可能に配設し、その回転盤に臼孔を有する臼を設けるとともに、臼の上下に上杵及び下杵を上下摺動可能に保持させておき、杵先を臼孔内に挿入した状態で上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動、押圧することにより、臼孔内に充填した粉末を上杵下端面及び下杵上端面間で圧縮成形するようにした回転式粉末圧縮成形機において、
上杵と下杵とのそれぞれの端面及び臼孔に、粉末の充填に先立って粉末滑沢剤を噴射する粉末滑沢剤噴射手段を具備してなり、
粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の噴射位置において杵の端面に対向する凹面を有し、粉末滑沢剤を凹面に案内させてほぼ杵の端面の方向に噴射する噴射ノズルと、
上杵の下端面近傍に空気を噴射して噴射ノズルから噴射された粉末滑沢剤の上方向への飛散を阻止する空気流供給機構と、
噴射ノズルから噴射される際に粉末滑沢剤を帯電させるとともに、帯電している粉末滑沢剤とは反対極性に少なくとも上杵、下杵及び臼を帯電させる帯電装置とを具備することを特徴とする回転式粉末圧縮成形機。 - 帯電装置が、噴射ノズルから噴射される粉末滑沢剤が通過する電界を形成する電極を備えてなることを特徴とする請求項1記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 電界が、噴射ノズルの凹面で形成される空間内に形成されることを特徴とする請求項2記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 粉末滑沢剤噴射手段が、空気流供給機構により上方への移動を阻止された粉末滑沢剤を吸引する粉末吸引機構をさらに具備してなることを特徴とする請求項1又は2記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 粉末滑沢剤噴射手段が、粉末滑沢剤の供給位置を包囲する箱体をさらに具備し、噴射ノズルの凹面をその箱体内に配設し、箱体内から飛散した余剰の粉末滑沢剤を空気流供給機構による空気流を介して箱体内を通過して粉末吸引機構により吸引することを特徴とする請求項1、2又は4記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 噴射ノズルの凹面が、三次元曲面に形成されていることを特徴とする請求項1、2、4又は5記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 粉末滑沢剤噴射手段に粉末滑沢剤を圧送する粉末滑沢剤噴射装置をさらに備え、粉末滑沢剤噴射手段と粉末滑沢剤噴射装置とが静電気の影響を取り除いた供給管路により連通されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 供給管路が、内部を粉末滑沢剤が通る絶縁素材からなる内管と、その内管を被覆する導電素材からなる外管とからなり、外管が電気的に接地されることを特徴とする請求項7記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 回転盤の上面に、絶縁層を形成してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 臼の上面に、臼孔の近傍を除いて絶縁層を形成してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の回転式粉末圧縮成形機。
- 臼の上面に残留する粉末滑沢剤を除電する除電用空気流を回転盤の上面に供給する吹き出し口と、除電された粉末滑沢剤を吸入する吸い込み口とを具備することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10いずれかに記載の回転式粉末圧縮成形機。
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