JP4390909B2 - 弾性体膜取付具及びこれを用いた粉体材料噴霧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性体膜取付具及びこれを用いた粉体噴霧装置に関し、特に、弾性体膜をたるませることなく張った状態に、容易に、取り付けることができるようにした、弾性体膜取付具及びこれを用いた粉体噴霧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイアフラム(弾性体膜)を用いた装置や、貫通孔を有する弾性体膜を用いた粉体材料噴霧装置が、種々、提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような弾性体膜を用いた装置にあっては、弾性体膜がたるんだ状態で取り付けられていると、その装置の機能を十分に発揮できない、という問題がある。
【0004】
更には、そのような装置を、長期に亘って、使用していると、弾性体膜が振動により、次第に弛んできて、装置としての機能が、経時的に劣化するという問題もある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、弾性体膜を、容易且つ簡単に、均等に張った状態にすることができ、しかも、長期に亘って、使用しても、弾性体膜が、いつまでも、たるむことがない、弾性体膜取付具、及び、これを用いた粉体噴霧装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の弾性体膜取付具は、中空を有する台座と、台座の表面上に起立するように設けられ、中空を有する突き上げ部材と、突き上げ部材の外周よりやや大きめの中空をする押さえ部材とを備え、台座の表面には、台座に形成された中空の外方の、突き上げ部材の外周より外側の位置に、台座に形成された中空をリング状に取り囲むように設けられたV溝が形成されており、押さえ部材の、台座に向き合う表面には、台座の表面に設けられたV溝に嵌まり合うように、且つ、リング形状の、V字形状の突起が設けられており、台座の表面に、突き上げ部材を載置し、突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、突き上げ部材及び弾性体膜をともに覆うように、押さえ部材を台座に対して締め付けることで、弾性体膜を、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げすることにより、その内方側から外周側に引き伸ばした状態にし、突き上げ部材により引き伸ばされた弾性体膜の外周部分を、突き上げ部材の外周と、押さえ部材の中空を形成する面との間と挟持するとともに、台座の表面に設けられたV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられたV字形状の突起との間でさらに引き伸ばしながら挟持するようにしている。
【0007】
この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられる。この結果、弾性体膜は、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされる。
【0008】
最初のうちは、突き上げ部材により、引き伸ばされた弾性体膜は、突き上げ部材の外周面と、押さえ部材の中空を形成する面(内周面)との間の隙間を介して、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に嵌挿されていく。
【0009】
更に、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材の外周面と、押さえ部材の中空を形成する面(内周面)との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材により、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされ、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に嵌挿された部分が、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に、挟持される。
【0010】
以上により、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜を、均等に張った状態にすることができる。
【0011】
請求項2に記載の弾性体膜取付具は、請求項1に記載の弾性体膜取付具の、突き上げ部材には、その外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている。
【0012】
この弾性体膜取付具では、突き上げ部材の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面を設けているので、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座の表面に、リング状に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起との間に、移行し易い。
【0013】
以上によっても、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜を、均等に張った状態にすることができる。
【0014】
また、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、突き上げ部材の外周の傾斜面と、押さえ部材の中空の内周面との間隔が次第に狭くなるので、押さえ部材の外周面と、押さえ部材の中空の内周面との間に、しっかりと挟持されるため、押さえ部材を台座に締め付けた後において、弾性体膜が弛むことがない。
【0015】
これにより、例えば、装置に、ダイアフラムを張る際や、粉体材料噴霧装置の弾性体膜を張る際に、この弾性体膜取付具により、弾性体膜を張るようにすれば、使用中に、弾性体膜が弛むことがないため、長期に亘って、装置の正確な動作を維持できる。
【0016】
請求項3に記載の粉体材料噴霧装置は、一端と他端とを備える導管と、導管の途中に接続された粉体貯留ホッパーとを備え、粉体貯留ホッパーの排出口に、請求項1又は請求項2に記載の弾性体膜取付具を取付け、弾性体膜取付具に取り付ける弾性体膜として、貫通孔を有する弾性体膜を取付け、導管の一端から、正圧の脈動空気振動波を供給し、貫通孔を有する弾性体膜を振動させることで、粉体貯留ホッパー内に収容された粉体材料を、導管内に排出し、導管内で、導管内に排出された粉体材料を、導管内に供給されている、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散し、導管の他端から、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散された粉体材料を噴霧するようにした。
【0017】
ここで、本明細書で用いる用語、「脈動空気振動波」は、空気の流れに、圧力が高い部分と、圧力の低い部分とが交互に現れる、脈動する空気の波をいう。
【0018】
また、「正圧」は、装置内の圧力が、装置外の圧力に比べて、高い状態にあることを意味する。
【0019】
また、「正圧の脈動空気振動波」は、振動の山と谷とが、ともに正圧の脈動空気振動波と、振動の山が正圧で、振動の谷が大気圧の脈動空気振動波との双方を含む。
【0020】
この粉体材料噴霧装置では、導管の一端から、導管内に、正圧の脈動空気振動波を供給しているので、導管の途中に接続された粉体貯留ホッパーの排出口に設けられている、弾性体膜が、正圧の脈動空気振動波に同期して、上下に振動し、これにより、弾性体膜に設けられた貫通孔から、導管内に、粉体貯留ホッパー内に収容された粉体材料が排出される。
【0021】
ところで、この粉体材料噴霧装置では、請求項1又は請求項2に記載の弾性体膜取付具を用いて、弾性体膜を粉体貯留ホッパーの排出口に取り付けるようにしている。
【0022】
これにより、粉体貯留ホッパーの排出口に、弾性体膜を弛ませることなく、取り付けることができるため、弾性体膜は、導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波に依存して振動することになる。これにより、導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波が一定である限り、弾性体膜の振動は、一義的になる。この結果、この粉体材料噴霧装置では、導管の一端から、導管内に供給する、正圧の脈動空気振動波を一定にしている限り、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量も一定になる。
【0023】
更に、導管内に排出された粉体材料は、導管内に供給されている正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した状態になって、導管の他端まで、気力輸送されるが、この粉体材料噴霧装置では、弾性体膜に設けられた貫通孔から導管内に排出された粉体材料を、正圧の脈動空気振動波によって、導管の他端まで気力輸送するようにしている結果、粉体材料を気力輸送する媒体として、導管内に、定常圧流の空気を供給する場合に見られるような、導管内における、粉体材料の堆積や、粉体材料の吹き抜け現象が生じない。
【0024】
これにより、弾性体膜の貫通孔から導管内に排出された粉体材料の殆ど全てが、導管の他端まで気力輸送される結果、導管の他端から噴霧される粉体材料の噴霧量も一定になる。
【0025】
即ち、この粉体材料噴霧装置は、定量フィーダ装置として適している。
【0026】
請求項4に記載の粉体材料噴霧装置は、請求項3に記載の粉体材料噴霧装置の、弾性体膜取付具の下方に、分散室を設け、導管を、その途中において、分散室を経由するように設け、導管の一端から供給される、正圧の脈動空気振動波が、分散室の下方の位置で、分散室内に、概ね、接線方向から導入され、分散室の上方の位置で、分散室から、概ね、接線方向に、導管の他端側に、排出されるようにされている。
【0027】
分散室は、弾性体膜取付具に対して、気密に取り付けられる。
【0028】
この粉体材料噴霧装置では、分散室内に、分散室の下方の位置から、概ね、接線方向から正圧の脈動空気振動波を導入し、分散室の上方の位置から、概ね、接線方向に、正圧の脈動空気振動波を排出するようにしているので、正圧の脈動空気振動波は、分散室内で、分散室の下方の位置から、分散室の上方の位置へ向かって、渦巻き状に旋回する。
【0029】
分散室内で、分散室の下方の位置から、分散室の上方の位置へ向かって、渦巻き状に旋回している、正圧の脈動空気振動波により、分散室は、サイクロンと同様の分粒機能を有する。
【0030】
これにより、弾性体膜の貫通孔から分散室内に、凝集した大粒の粉体材料が、排出されても、そのような凝集した大粒の粉体材料は、分散室の下方の位置を旋回し続けるため、凝集した大粒の粉体材料が導管の他端から噴霧されることがない。
【0031】
従って、この粉体材料噴霧装置を用いれば、導管の他端から、粒径の揃った、一定量の粉体材料を噴霧できる。
【0032】
また、凝集した大粒の粉体材料は、分散室内で、正圧の脈動空気振動波の旋回流に巻き込まれることで、小粒の粉体材料に分散される。そして、このようにして、所定の粒径になる迄分散された粉体材料は、正圧の脈動空気振動波の旋回流に乗って、分散室外へと排出されるため、分散室内に、凝集した大粒の粉体材料が堆積され難い。
【0033】
請求項5に記載の粉体材料噴霧装置は、粉体材料が、圧縮成形時に使用される滑沢剤又は離型剤である。
【0034】
この粉体材料噴霧装置は、導管の他端から、一定量の滑沢剤又は離型剤を噴霧できるので、例えば、打錠機の上杵、下杵及び臼の各々の表面上に滑沢剤を塗布する装置や、金型の鋳型面上に、離型剤を塗布する装置として、適している。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾性体膜取付具及びこれを用いた粉体材料噴霧装置について、更に、詳しく説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る弾性体膜取付具に、弾性体膜を取り付けた状態を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図であり、また、図3は、図1に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。
【0037】
この弾性体膜取付具1は、台座2と、突き上げ部材3と、押さえ部材4とを備える。
【0038】
台座2には、中空h1が設けられており、中空h1の外周には、突き上げ部材3を載置するための、リング状の載置面S1が設けられている。更に、台座2には、中空h1をリング状に取り囲むようにV溝Dvが設けられている。
【0039】
突き上げ部材3は、中空h2を有する。この例では、突き上げ部材3は、図3に示すように、その下面に、段差部Plが設けられており、台座2上に、突き上げ部材3を載置すると、段差部Plが、台座2の載置面S1上に位置するようにされている。
【0040】
また、この例では、突き上げ部材3を台座2上に載置した際に、突き上げ部材3の段差部Plより下方に延設するように設けられている下方延設部P2が、台座2の中空h1内に収まるようにされている。即ち、突き上げ部材3の下方延設部P2は、その外径D2が、台座2の中空h1の内径D1に等しいか、やや小さい寸法に精密加工されている。
【0041】
更に、この例では、突き上げ部材3は、その上方部P3の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている。
【0042】
押さえ部材4は、中空h3を有する。また、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面S4には、台座2の表面に設けられたV溝Dvに嵌まり合うように、リング形状の、V字形状の突起Cvが設けられている。
【0043】
尚、図1及び図2中、5で示す部材は、ボルト等の締付手段を示している。
【0044】
また、図2中、h4で示す孔は、台座2に形成された、締付手段5の固定孔を、また、h6で示す孔は、押さえ部材4に形成された、締付手段5の固定孔を、各々、示している。また、図2中、h5で示す孔は、台座2に形成され、目的とする装置へ、弾性体膜取付具1を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、また、h7で示す孔は、押さえ部材4に形成され、目的とする装置へ、弾性体膜取付具1を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、各々、示している。
【0045】
この例では、押さえ部材4の中空h3の内径D4は、突き上げ部材3の外径D3に等しいか、やや大きい寸法に精密加工されている。
【0046】
次に、この弾性体膜取付具1に弾性体膜を取り付ける手順について説明する。
【0047】
弾性体膜取付具1に弾性体膜Etを取り付ける際には、まず、台座2の表面に、突き上げ部材3を載置する。
【0048】
次いで、突き上げ部材3上に、弾性体膜Etを載置する。
【0049】
図4は、弾性体膜Etを概略的に示す平面図である。
【0050】
この例では、弾性体膜取付具1を粉体材料噴霧手段(定量フィーダ)に用いる場合を示しており、弾性体膜Etとして、図4に示すように、その中央部に、貫通するようにスリット孔h8を有するものを用いている。
【0051】
次に、突き上げ部材3及び弾性体膜Etをともに覆うように、突き上げ部材3上に押さえ部材4を載置する。この時、台座2に形成された固定孔h4・・・の各々と、押さえ部材4に形成された固定孔h6・・・の各々とを整列させるようにする。
【0052】
次に、ボルト等の締付手段5・・・の各々を、固定孔h4・・・、及び、固定孔h6・・・の各々に螺合等することで、台座2に対して、押さえ部材4を締め付けていく。
【0053】
この弾性体膜取付具1では、台座2上に載置した突き上げ部材3上に、弾性体膜Etを載置し、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくと、弾性体膜Etは、突き上げ部材3により、押さえ部材4方向に突き上げられる。この結果、弾性体膜Etは、押さえ部材4方向により突き上げられることで、弾性体膜Etの内側から外周側に引き伸ばされる。
【0054】
最初のうちは、突き上げ部材3により、引き伸ばされた弾性体膜Etは、突き上げ部材3の外周面P3と、押さえ部材4の中空h3を形成する面(内周面)との間の隙間を介して、台座2の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に嵌挿されていく。
【0055】
更に、ボルト等の締付手段5・・・の各々により、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくと、弾性体膜Etは、突き上げ部材3により、押さえ部材4方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材3の外周面P3と、押さえ部材4の中空h3の内周面との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材3により、押さえ部材4方向により突き上げられることで、弾性体膜Etの内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座2の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、挟持される。
【0056】
即ち、この弾性体膜取付具1では、台座2上に載置した突き上げ部材3上に、弾性体膜Etを載置し、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくと、弾性体膜Etが、突き上げ部材3により、押さえ部材4方向に突き上げられ、これにより、弾性体膜Etが、その内方側から外周側に引き伸ばされた状態にされ、更に、このようにして、突き上げ部材3により引き伸ばされた弾性体膜Etの外周部分が、台座2の表面に設けられたV溝Dvと、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面に設けられたV字形状の突起Cvに挟持される結果、この弾性体膜取付具1では、台座2上に載置した突き上げ部材3上に、弾性体膜Etを載置し、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜Etを、ピンと張った状態にすることができる。
【0057】
更に、この弾性体膜取付具1では、突き上げ部材3の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面P3を設けている。
【0058】
この傾斜面P3は、この弾性体膜取付具1では、重要な要素になっているので、この作用について、以下に詳しく説明する。
【0059】
即ち、この弾性体膜取付具1では、突き上げ部材3の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面P3を設けているので、弾性体膜Etは、押さえ部材4方向により突き上げられることで、弾性体膜Etの内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座2の表面に、リング状に設けられているV溝Dvと、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、移行し易い。
【0060】
より具体的に説明すると、突き上げ部材3の傾斜面P3の外径が、押さえ部材4の中空h3の内径D4より十分に小さい関係にある時は、弾性体膜Etは、突き上げ部材3の傾斜面P3と、押さえ部材4の中空h3を形成している表面との間の隙間(間隔)が十分にあるため、突き上げ部材3により、弾性体膜Etの内側から外側に引き伸ばされた部分は、この隙間(間隔)を通って、台座2の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ、たやすく、誘導される。
【0061】
また、突き上げ部材3の外周に設けられている傾斜面P3は、断面視した場合、上側から下側が広がるようにされているので、突き上げ部材3により、弾性体膜Etの内側から外側に引き伸ばされた部分は、この傾斜面P3の表面に沿って、台座2の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ誘導される。
【0062】
そして、ボルト等の締付手段5・・・の各々を、固定孔h4・・・、及び、固定孔h6・・・の各々に螺合等することで、台座2に対して、押さえ部材4を締め付けていくことで、突き上げ部材3の傾斜面P3の外径が、押さえ部材4の中空h3の内径D4に次第に接近し、突き上げ部材3の傾斜面P3の傾斜面P3と、押さえ部材4の中空h3を形成している表面との間の隙間(間隔)が、概ね、弾性体膜Etの厚み(肉厚)程度になると、弾性体膜Etは、突き上げ部材3の傾斜面P3と、押さえ部材4の中空h3を形成している表面との間に挟持されることになる。
【0063】
以上の作用によっても、この弾性体膜取付具1では、台座2上に載置した突き上げ部材3上に、弾性体膜Etを載置し、その後、ボルト等の締付手段5・・・の各々を用いて、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜Etを、均等に張った状態にすることができる。
【0064】
また、ボルト等の締付手段5・・・の各々を用いて、押さえ部材4を台座2に対して締め付けていくと、突き上げ部材3の外周の傾斜面P3と、押さえ部材4の中空の内周面との間隔が次第に狭くなり、突き上げ部材3の外周面P3と、押さえ部材4の中空h3の内周面との間に、しっかりと挟持されるため、押さえ部材4を台座2に締め付けた後において、弾性体膜Etが弛むことがない。
【0065】
また、この弾性体膜取付具1では、弾性体膜Etを取り付ければ、弾性体膜Etが、突き上げ部材3の傾斜面P3と、押さえ部材4の中空h3を形成している表面との間と、押さえ部材4の、台座2に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvと、台座2に、リング状に設けられているV字形状の溝Dvとの間とに、2重にロックされた状態になるため、押さえ部材4を台座2に締め付けた後において、弾性体膜Etが弛むことがない。
【0066】
これにより、例えば、ダイアフラムを用いた装置(例えば、図19に示す、圧電振動ノズル71を参照。)や、弾性体膜を用いた粉体材料噴霧装置(例えば、図9、図15及び図16の各々に示す、粉体材料噴霧装置31、31V1、31V2を参照。)に、これらの装置を構成する弾性体膜Etを張る際に、この弾性体膜取付具1により、弾性体膜Etを張るようにすれば、使用中に、弾性体膜Etが弛むことがないため、長期に亘って、これらの装置の正確な動作を維持できる。
【0067】
次に、この弾性体膜取付具1の具体的な使用例について、例示的に説明する。
【0068】
図5は、弾性体膜取付具1が用いられた、外部滑沢式打錠機を概略的に示す全体構成図である。
【0069】
この外部滑沢式打錠機11は、脈動空気振動波発生装置21と、粉体材料噴霧装置31と、ロータリ型打錠機41の所定の位置に設けられた、滑沢剤噴霧室51と、滑沢剤噴霧室51から噴霧された滑沢剤の中、余分な滑沢剤を除去する滑沢剤吸引装置61と、この外部滑沢式打錠機11全体を制御・統括する演算処理装置71とを備える。
【0070】
尚、弾性体膜取付具1は、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31に取り付けられている(図5中、一点鎖線IXで囲まれる部分を参照)。
【0071】
脈動空気振動波発生装置21は、ブロア等の圧縮空気源22と、圧縮空気源22により発生させた圧縮空気を、正圧の脈動空気振動波に変換する脈動空気振動波変換装置23とを備える。尚、図5中、24で示す部材装置は、必要により設けられ、電磁弁等で構成され、圧縮空気源22により発生させた圧縮空気の流量を調整する、流量制御装置を示している。
【0072】
この例では、圧縮空気源22と流量制御装置24とは、導管T3により接続され、また、流量制御装置24と脈動空気振動波変換装置23とは、導管T4により接続され、圧縮空気源22より発生させた圧縮空気は、導管T3を介して、流量制御装置24に供給され、流量制御装置24により、所定の流量に調整された後、導管T4を介して、脈動空気振動波変換装置24に供給されるようになっている。
【0073】
尚、図5中、25で示す部材装置は、圧縮空気を脈動空気振動波に変換する、回転カム(図7に示す回転カム29を参照。)を回転駆動するため、モータ等の回転駆動手段を示している。
【0074】
脈動空気振動波発生装置21(より特定的には、脈動空気振動波変換装置23)と、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31とは、導管T1により接続されており、脈動空気振動波発生装置21により発生させた、正圧の脈動空気振動波が、導管T1を介して、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31に供給されるようになっている。
【0075】
粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と、滑沢剤噴霧室51とは、導管T2により接続されており、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31から排出され、導管T2内で、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散された滑沢剤(粉末)が、導管T2を介して、滑沢剤噴霧室51に供給されるようになっている。
【0076】
次に、ロータリ型打錠機41の構成について説明する。
【0077】
図6は、ロータリ型打錠機41を概略的に示す平面図である。
【0078】
尚、ロータリ型打錠機41としては、通常のロータリ型打錠機を用いている。即ち、このロータリ型打錠機41は、回転軸に対して回転可能に設けられた回転テーブル44と、複数の上杵42・・・と、複数の下杵43・・・とを備える。
【0079】
回転テーブル44には、複数の臼45・・・が形成されており、複数の臼45・・・の各々に対応するように、組となる上杵42・・・と、下杵43・・・とが設けられており、複数の上杵42・・・と、複数の下杵43・・・と、複数の臼45・・・とは、同期して回転するようになっている。
【0080】
また、複数の上杵42・・・は、カム機構(図示せず。)によって、所定の位置で、回転軸の軸方向に上下に移動可能にされており、また、複数の下杵43・・・も、カム機構50によって、所定の位置で、回転軸の軸方向に上下に移動可能にされている。
【0081】
尚、図5及び図6中、46に示す部材装置は、成形材料を臼45・・・の各々内に充填するフィードシューを、47で示す部材装置は、臼45・・・の各々内に充填された成形材料を一定量にするための摺り切り板を、又、48で示す部材装置は、製造された錠剤tを排出シュート49へ排出するために設けられている錠剤排出用スクレーパを、各々、示している。
【0082】
また、図6中、R1で示す位置は、滑沢剤噴霧ポイントであり、この外部滑沢式打錠機11では、滑沢剤噴霧ポイントR1に、滑沢剤噴霧室51が設けられている。より詳しく説明すると、滑沢剤噴霧室51は、回転テーブル44上に固定的に設けられており、回転テーブル44、複数の上杵42・・・、及び、複数の下杵43・・・が回転することで、滑沢剤噴霧室51に順次収容される、臼45・・・、上杵42・・・及び下杵43・・・の各々の表面に、滑沢剤が塗布されるようになっている。尚、滑沢剤噴霧室51における、臼45・・・、上杵42・・・及び下杵43・・・の各々の表面への滑沢剤の塗布については、後ほど、詳しく説明する。
【0083】
また、図6中、R2で示す位置は、成形材料充填ポイントであり、成形材料充填ポイントR2において、フィードシュー46により、臼45及び臼45内に所定の位置まで挿入されている下杵43により形成されている空間内に、成形材料mが充填されるようになっている。
【0084】
また、図6中、R3で示す位置は、予備打錠ポイントであり、予備打錠ポイントR3において、臼45及び下杵43により形成されている空間内に充填され、摺り切り板47によりこすり削られることで、所定の量にされた成形材料が、組となる上杵42と下杵45により、予備打錠されるようになっている。
【0085】
また、図6中、R4で示す位置は、本打錠ポイントであり、本打錠ポイントR4において、予備打錠された成形材料が、組となる上杵42と下杵45により、本格的に圧縮され、錠剤tに圧縮成形されるようになっている。
【0086】
また、図6中、R5で示す位置は、錠剤排出ポイントであり、錠剤排出ポイントR5において、下杵43の上面が臼45の上端まで挿入されることで、臼45外に排出された錠剤tが、錠剤排出用スクレーパ48により、排出シュート49へ排出されるようになっている。
【0087】
次に、脈動空気振動波発生装置21を構成する脈動空気振動波変換装置23の構成について更に詳しく説明する。
【0088】
図7は、脈動空気振動波発生装置21の構成を、脈動空気振動波変換装置23を中心にして、概略的に示す断面図である。
【0089】
脈動空気振動波変換装置21は、空気供給ポート26aと、空気排出ポート26bとを備える中空室26と、中空室26内に設けられた弁座27と、弁座27を開閉するための弁体28と、弁座27に対して弁体28を開閉させるための回転カム29とを備える。
【0090】
空気供給ポート26aには、導管T4が接続されており、また、空気排出ポート26bには、導管T1が接続されている。
【0091】
また、図7中、26cで示す部分は、中空室26に、必要により設けられる、圧力調整ポートを示しており、圧力調整ポート26cには、圧力調整弁30が、大気との導通・遮断をするように設けられている。
【0092】
弁体28は、軸体28aを備え、軸体28aの下端には、回転ローラ28cが回転可能に設けられている。
【0093】
また、脈動空気振動波変換装置23の装置本体23aには、弁体28の軸体28aを、気密に且つ上下方向に移動可能に収容するための、軸体収容孔h9が形成されている。
【0094】
回転カム29は、内側回転カム29aと、外側回転カム29bとを備える。
【0095】
内側回転カム29a及び外側回転カム29bの各々には、回転ローラ28cの概ね直径分の距離を隔てるようにして、所定の凹凸パターンが形成されている。
【0096】
回転カム29は、滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い凹凸パターンを有するものが用いられる。
【0097】
回転カム29の内側回転カム29aとの外側回転カム29bとの間には、回転ローラ28cが、回転可能に、嵌挿されている。
【0098】
尚、図7中、axで示す部材は、モータ等の回転駆動手段25の回転軸を示しており、回転軸axには、回転カム29が、交換可能に取り付けられるようになっている。
【0099】
次に、脈動空気振動波発生装置21により、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する方法について説明する。
【0100】
導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する際には、まず、回転駆動手段25の回転軸axに、滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い凹凸パターンを有する回転カム29を取り付ける。
【0101】
次に、空気源22を駆動することにより、導管T3内へ、圧縮空気を供給する。
【0102】
導管T3内へ供給された圧縮空気は、流量制御装置24が設けられている場合にあっては、流量制御装置24により、所定の流量に調整された後、導管T4に送られ、導管T4に送られた、所定の流量の圧縮空気は、空気供給ポート26aから中空室26内へと供給される。
【0103】
また、空気源22を駆動するとともに、回転駆動手段25を駆動することで、回転駆動手段25の回転軸axに取り付けた回転カム29を所定の回転速度で回転させる。
【0104】
これにより、回転ローラ28cが、所定の回転速度で回転駆動している回転カム29の内側回転カム29aとの外側回転カム29bとの間で、回転し、回転カム29に設けられている凹凸パターンに従って、再現性良く、上下運動する結果、弁体28が、回転カム29に設けられている凹凸パターンに従って、弁座28を開閉する。
【0105】
また、中空室26に、圧力調整ポート26cや圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート26cに設けられている圧力調整弁30を適宜調整することにより、導管T1に供給する、正圧の脈動空気振動波の圧力を調節する。
【0106】
以上の操作により、導管T1に、正圧の脈動空気振動波が供給される。
【0107】
尚、導管T1内に供給される正圧の脈動空気振動波の波長は、回転カム29に設けられている凹凸パターン及び/又は回転カム29の回転速度により、適宜調節される。また、正圧の脈動空気振動波の波形は、回転カム29に設けられている凹凸パターンにより、調節することができ、正圧の脈動空気振動波の振幅は、空気源22の駆動量を調節したり、流量制御装置24が設けられている場合にあっては、流量制御装置24の調節をしたり、圧力調整ポート26cや圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート26cに設けられている圧力調整弁30を適宜調整したり、又は、これらを組み合わせて調節すること等により調節できる。
【0108】
図8は、以上のような操作により、導管T1内に供給される、正圧の脈動空気振動波を例示的に示す説明図である。
【0109】
導管T1内に供給される、正圧の脈動空気振動波は、図8(a)に示すように、脈動空気振動波の振幅の山が正圧で、谷が大気圧であるような脈動空気振動波であっても良く、又、図8(b)に示すように、脈動空気振動波の振幅の山と谷とがともに正圧の脈動空気振動波であっても良い。
【0110】
次に、外部滑沢式打錠機11を構成する粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31の構成について更に詳しく説明する。
【0111】
図9は、図5中、一点鎖線IXで囲まれる部分を拡大して概略的に示す断面図である。
【0112】
図5及び図9を参照しながら説明すると、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31は、滑沢剤(粉末)を貯留する粉体貯留ホッパー32と、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、粉体貯留ホッパー32の底面をなすように設けられた弾性体膜Etと、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、弾性体膜Etを介して気密に取り付けられた分散室33とを備える。
【0113】
粉体貯留ホッパー32の材料投入口には、蓋体(図5に示す蓋体32b)が、着脱自在に且つ気密に取り付けられるようになっている。
【0114】
尚、より特定的に説明すると、この例では、図9に示すように、粉体貯留ホッパー32の排出口32aには、円筒体34が接続され、弾性体膜Etが、円筒体34の底面をなすように設けられている。
【0115】
弾性体膜Etは、図1、図2及び図3に示した弾性体膜取付具1に取り付けられ、また、弾性体膜取付具1の上端(押さえ部材4)が、円筒体34の下端に気密に取り付けられ、弾性体膜取付具1の下端(台座2)に、分散室33が、気密に、取り付けられている。
【0116】
円筒体34の上部筒体部34a内には、材料切出弁35が設けられており、材料切出弁35は、後述するレベルセンサー36の情報に基づいて、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを開閉することで、粉体貯留ホッパー32内に貯留された滑沢剤(粉末)の切り出しができるようになっている。
【0117】
円筒体34の下部筒体部34bは、透明な樹脂で製されている。より特定的に説明すると、下部筒体部34bは、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の光透過性を有する材料で製されている。
【0118】
そして、下部筒体部34bには、図9に示すように、下部筒体部34bの弾性体膜Et上に堆積貯留する滑沢剤(粉末)の量を検出するレベルセンサー36が付設されている。レベルセンサー36は、赤外線や可視光線等の光を発光する発光素子36aと、発光素子36aより照射された光を受光する受光素子36bとを備える。発光素子36aと、受光素子36bとは、下部筒体部34bを挟むようにして、対向配置されている。
【0119】
そして、レベルセンサー36を設ける位置(弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられる位置の高さ)Hthで、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量を検出できるようになっている。
【0120】
即ち、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量が、レベルセンサー36を設ける位置(弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられる位置の高さ)Hthを超えると、発光素子36aから照射された光が、滑沢剤(粉末)により遮られ、受光素子36bで受光できなくなる(オフになる。)ので、この時、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の弾性体膜Et上からの高さHが、高さHthを超えていることが検出できる(H>Hth)。
【0121】
また、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の量が、レベルセンサー36を設ける位置(弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられる位置の高さ)Hth未満になると、発光素子36aから照射された光が、受光素子36bで受光できる(オンになる。)ので、この時、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に堆積貯留される滑沢剤(粉末)の弾性体膜Et上からの高さHが、高さHth未満になっていることが検出できる(H<Hth)。
【0122】
この例では、材料切出弁35は、レベルセンサー36の検出値に応じて、上下に移動して、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じたり、開いたりできるようになっている。より詳しく説明すると、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を駆動している間、レベルセンサー36の発光素子36aを点灯した状態にしておき、発光素子36aから照射された光を、受光素子36bで受光できなくなる(オフになる。)と、材料切出弁35を上方に移動させて、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じ、発光素子36aから照射された光を、受光素子36bで受光しするオンになる。)と、材料切出弁35を下方に移動させて、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを、受光素子36bで受光できなくなる(オフになる。)まで、開いた状態にすることで、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を駆動している間、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に、常に、概ね一定量の滑沢剤(粉末)が貯留堆積するようにしてある。
【0123】
分散室33は、その内部において、正圧の脈動空気振動波が旋回流になり易いように、その内部の形状が、概ね円筒形状にされている。尚、ここでは、分散室33の内部の形状が、概ね円筒形状にされている例を示しているが、分散室33の内部の形状は、その内部において、正圧の脈動空気振動波が旋回流になり易い形状にされておればよく、その内部の形状は、必ずしも、概ね円筒形状にされている場合に限定されることはない。
【0124】
また、分散室33には、その下方の位置に、分散室33の内周面の概ね接線方向に、脈動空気振動波導入口33aが設けられ、その上方の位置に、分散室33の内周面の概ね接線方向に、排出口33bが設けられている。脈動空気振動波導入口33aには、導管T1が接続され、また、排出口33bには、導管(図5に示す導管T2)が接続されている。
【0125】
ここで、分散室33に設ける脈動空気振動波導入口33aの位置について、図10を用いて、更に、詳しく説明する。
【0126】
図10は、分散室33を平面視した場合の、分散室33に設ける脈動空気振動波導入口33aの位置を模式的に示す平面図であり、図10(a)は、分散室33に対する、脈動空気振動波導入口33aの好ましい取付位置を説明する説明図であり、図10(b)は、分散室33に対する、脈動空気振動波導入口33aの実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【0127】
尚、図10(a)及び図10(b)の各々に、曲線で示す矢印は、分散室33内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。
【0128】
分散室33内に、正圧の脈動空気振動波の旋回流を発生させるためには、分散室33に対して、脈動空気振動波導入口33aは、分散室33の内周面に対して、概ね、接線方向(図10(a)中、破線Ltで示される方向)に設けられていることが好ましい(図10(a)を参照)。
【0129】
しかしながら、脈動空気振動波導入口33aは、図10(a)に示すように、分散室33の内周面に対して、概ね、接線方向に設けられている必要はなく、脈動空気振動波導入口33aは、分散室33内に、支配的な1個の旋回流を形成できる限り、図10(b)に示すように、分散室33の内周面に対して、概ね、接線方向(例えば、図10(b)中、破線Ltで示される方向)と等価な方向(即ち、分散室33の内周面の接線方向(例えば、図10(b)中、破線Lt)に平行な方向)に設けられていてもよい。
【0130】
尚、脈動空気振動波導入口33aを、図10(b)中に、想像線Lcで示すように、分散室33の中心線方向に設けた場合には、分散室33内の形状が、概ね円筒形状の場合には、いずれが支配的とも言えない2個の旋回流が発生するので、このような方向に設けるのは、分散室33内に、正圧の脈動空気振動波の旋回流を発生させることを考慮した場合には、あまり好ましいとは、言えない。
【0131】
次いで、分散室33に設ける脈動空気振動波導入口33aと排出口33bとの位置関係について、図11を用いて、詳しく説明する。
【0132】
図11は、分散室33を平面視した場合の、分散室33に設ける脈動空気振動波導入口33aと排出口33bとの位置を模式的に説明する図であり、図11(a)は、分散室33に対する、脈動空気振動波導入口33aと排出口33bとの好ましい取付位置を説明する説明図であり、図11(b)は、分散室33に対する、脈動空気振動波導入口33aと排出口33bとの実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【0133】
尚、図11(a)及び図11(b)の各々に、曲線で示す矢印は、分散室33内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。
【0134】
分散室33に、排出口33bを、図11(a)に示すような位置に設けた場合には、分散室33内に発生する、脈動空気振動波の旋回流の向き(空気の進行方向)と逆方向に排出口33bが設けられる関係になり、この場合には、排出口33bにおける、空気に分散させて流動化させた滑沢剤(粉末)の排出効率を低く設定できる。
【0135】
これとは逆に、排出口33bにおける、空気に分散させて流動化させた滑沢剤(粉末)の排出効率を高くしたい場合には、図11(b)に例示的に示す、排出口33b1又は排出口33b2のように、分散室33内に発生する、正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きと順方向に排出口33bを設けるのが好ましい。
【0136】
尚、図9中、37で示す部材装置は、材料切出弁35の動作を確認するために設けられたCCDカメラ等に撮像手段を、38で示す部材装置は、レーザ光線等の光を照射するとともに、粉体貯留ホッパー32の排出口32aより落下する滑沢剤(粉末)(図示せず。)により散乱した散乱光を受光することにより、粉体貯留ホッパー32の排出口32aより落下する滑沢剤(粉末)(図示せず。)の状態を調べるセンサーを、また、39で示す部材装置は、レーザ光線等の光を照射するとともに、弾性体膜Etの孔部(この例では、スリット孔)h8より落下し、分散室33内に発生させている、旋回流にされている、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれ、混和し、分散し、流動化している滑沢剤(粉末)(図示せず。)により、散乱した散乱光を受光することにより、分散室33内の滑沢剤(粉末)(図示せず。)の状態を調べるセンサーを、各々、示している。
【0137】
また、40で示す部材装置は、発光素子40aと受光素子40bとを備えて構成されたレベルセンサーを示しており、この例では、このレベルセンサー40により、粉体貯留ホッパー32内に貯留した滑沢剤(粉末)の残量を検出するようにしている。
【0138】
尚、これらの部材装置37、38、39、40は、必要により設けられるものであり、必須の構成部材ではない。
次に、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31の動作について説明する。
【0139】
まず、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を用いて、滑沢剤噴霧室51に、滑沢剤(粉末)を定量的に供給する際には、まず、粉体貯留ホッパー32内に、滑沢剤(粉末)を収容し、粉体貯留ホッパー32の材料投入口に、蓋体32bを気密に取り付ける。
【0140】
また、脈動空気振動波変換装置23の回転駆動手段25の回転軸axに、滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い凹凸パターンを有する回転カム29を取り付ける。
【0141】
次に、空気源22を駆動するとともに、脈動空気振動波変換装置23の回転駆動手段25を所定の回転速度で回転させることにより、導管T1内へ、所望の流量、圧力、波長、波形の、正圧の脈動空気振動波を供給する。レベルセンサー36を動作状態にする。
【0142】
レベルセンサー36を動作状態にすると、発光素子36aから光が照射さ、発光素子36aから照射された光が、受光素子36bにより受光されるので、この時には、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに設けられている材料切出弁35は、下方に移動し、排出口32aを開いた状態にするので、粉体貯留ホッパー32内に貯留した滑沢剤(粉末)は、粉体貯留ホッパー32の排出口32aから、円筒体34内へ排出され、弾性体膜Et上に堆積する。
【0143】
弾性体膜Et上に堆積した滑沢剤(粉末)が、弾性体膜Etからの高さHが、レベルセンサー36の設けられている位置の高さHthを超えると、発光素子40aから照射された光が、弾性体膜Et上に堆積した滑沢剤(粉末)により遮られるため、受光素子36bが、発光素子36aから照射された光を受光しなくなる。これにより、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに設けられている材料切出弁35は、上方に移動し、排出口32aを閉じた状態になるので、滑沢剤(粉末)は、弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられている位置の高さHthになるまで、弾性体膜Et上に堆積する。
【0144】
導管T1内へ供給された、正圧の脈動空気振動波は、図9に示すように、脈動空気振動波導入口33aから分散室33内に供給され、分散室33内で、下方から上方に向かって、竜巻のような渦巻き流のように旋回する、正圧の脈動空気振動波となり、排出口33bから排出される。
【0145】
この分散室33内において発生した、旋回する、正圧の脈動空気振動波は、脈動空気振動波としての性質は失われていないため、弾性体膜Etは、正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形に従って振動する。
【0146】
図12は、分散室33内に、正圧の脈動空気振動波を送り込んだ際に、弾性体膜Etに生じる現象を模式的に説明する説明図である。
【0147】
例えば、分散室33内に送り込まれる、正圧の脈動空気振動波が山の状態になり、分散室33内の圧力Pr33が、粉体貯留ホッパー32内の圧力Pr32に比べて高くなった場合(圧力Pr33>圧力Pr32)には、弾性体膜Etは、図12(a)に示すように、その中央部が上方に湾曲した形状に弾性変形する。
【0148】
この時、孔部(スリット孔)h8は、断面視した場合、孔部(スリット孔)h8の上側が開いた、概ねV字形状になり、このV字形状になった孔部(スリット孔)h8内に、粉体貯留ホッパー32内に貯留した滑沢剤(粉末)の一部が落下する。
【0149】
次いで、例えば、分散室33内に送り込まれる、正圧の脈動空気振動波が山の状態から谷の状態へと移行して、分散室33内の圧力Pr33が下がり、粉体貯留ホッパー32内の圧力Pr32に概ね等しくなった場合(圧力Pr33=圧力Pr32)には、上方に湾曲した形状になっていた弾性体膜Etは、その復元力により、元の状態に戻ってくる。
【0150】
この時、上側が開いて、概ねV字形状になっていた孔部(スリット孔)h8も元の状態に戻ろうとするため、孔部(スリット孔)h8が、上側が開いた、概ねV字形状になった際に、孔部(スリット孔)h8内に落下した、滑沢剤(粉末)の一部が、孔部(スリット孔)h8内に挟み込まれた状態になる(図12(b)を参照)。
【0151】
次いで、例えば、分散室33内に送り込まれる、正圧の脈動空気振動波が谷の状態になり、分散室33内の圧力Pr33が、粉体貯留ホッパー32内の圧力Pr32に比べて低くなった場合(圧力Pr33<圧力Pr32)には、弾性体膜Etは、図12(c)に示すように、その中央部が下方に湾曲した形状に弾性変形する。
【0152】
この時、孔部(スリット孔)h8は、断面視した場合、孔部(スリット孔)h8の下側が開いた、概ね逆V字形状になり、孔部(スリット孔)h8内に挟み込まれていた滑沢剤(粉末)の一部が、分散室33内へと落下する。
【0153】
そして、分散室33内へ落下した滑沢剤(粉末)は、分散室33内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散し、流動化して、排出口33bより、正圧の脈動空気振動波とともに、導管T2内へ送り出される。
【0154】
導管T2内へ、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した状態で送り出された、滑沢剤(粉末)は、正圧の脈動空気振動波により気力輸送され、導管T2の他端(図5及び図6中に示す導管T2の他端e2を参照)から、滑沢剤噴霧室51内へと供給される。
【0155】
尚、以上のような弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて行われる、分散室33内への滑沢剤(粉末)の排出は、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を動かしている間、繰り返し行われる。
【0156】
また、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を動かしている間、レベルセンサー36の発光素子36aは点灯状態にされ、受光素子36bが、発光素子36aから照射される光を受光するようになれば、材料切出弁35を下方に移動させて、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを開き、受光素子36bが、発光素子36aから照射される光を受光しなくなると、材料切出弁35を上方に移動させて、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じた状態にするという動作により、弾性体膜Et上に、常に、概ね、一定量(レベルセンサー36を設ける位置(弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられる位置の高さHth)の滑沢剤(粉末)が存在するようにされている。
【0157】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、弾性体膜Etの、その中央部を振動の腹として、外周部を振動の節とする、上下方向の振動は、分散室33内へ供給される、正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形に従って、一義的に振動する。従って、分散室33内へ供給される、正圧の脈動空気振動波を一定にしている限り、常に、一定量の滑沢剤(粉末)が、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて、分散室33内へ精度良く排出されるので、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31は、例えば、一定量の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧室51)に供給する装置として優れている。
【0158】
また、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31には、分散室33内へ供給する正圧の脈動空気振動波の周波数、振幅、波形を制御すれば、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧室51)に供給する粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の量を容易に変更することができるという利点をも合わせ持っている。
【0159】
更に、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、分散室33内において、正圧の脈動空気振動波を、下方から上方に向かう旋回流にしているので、分散室33内に排出された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))中に、たとえ、粒径の大きい粒子が含まれていたとしても、その多くは、分散室33内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、小さな粒径になるまで砕かれる。
【0160】
のみならず、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、分散室33内において、正圧の脈動空気振動波を、下方から上方に向かう旋回流にしているため、分散室33は、サイクロンと同様の、分級機能を有している。これにより、概ね所定の粒径の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が、排出口33bから導管T2内へと排出される。一方、凝集した粒径の大きい粒子は、分散室33内の下方の位置を旋回し続け、分散室33内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、凝集塊が分散されつつ所定の粒径まで調整されてから、排出口33bから、導管T2内へと排出される。
【0161】
従って、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を用いれば、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧室51)に、粒径の揃った粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の一定量を供給できるという利点もある。
【0162】
また、導管T2内へ供給された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))は、導管T2の他端e2まで、正圧の脈動空気振動波により気力輸送されることになる。
【0163】
これにより、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、導管T2内へ供給された粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、導管T2の他端e2まで、一定流量の定常圧空気により気力輸送するような装置に見られるような、導管T2内における、粉体の堆積現象や、導管T2内における、粉体の吹き抜け現象が発生し難い。
【0164】
したがって、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、分散室33の排出口33bから導管T2内へ排出された当初の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の濃度が維持された状態で、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が、導管T2の他端e2から排出されるので、導管T2の他端e2から噴霧される粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の定量性を精密にコントロールすることができる。
【0165】
更に、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を動かしている間、弾性体膜Et上に、常に、概ね、一定量(レベルセンサー36を設ける位置(弾性体膜Etからレベルセンサー36の設けられる位置の高さHth)の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が存在するようにしているので、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8から排出される粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の排出量が、弾性体膜Et上に存在する、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の量が変動することで、変動するという現象が生じない。これによっても、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31は、例えば、一定量の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を、目的とする場所(この例では、滑沢剤噴霧室51)に供給する装置として優れている。
【0166】
また、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を用いれば、分散室33内に、たとえ、凝集した大粒の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が排出されたとしても、その大部分が、分散室33内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、凝集塊が分散されつつ所定の粒径まで調整されて排出口33bから、導管T2内へと排出されるため、分散室33内に、凝集した大粒の粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が堆積し難い。
【0167】
これにより、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を、長時間、駆動しても、分散室33内に、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が堆積することが無いため、分散室33内を清掃する作業回数を減らすことができる。
【0168】
したがって、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を外部滑沢式打錠機1に取り付けた場合には、外部滑沢式打錠機1を用いて、連続打錠を行っている最中に、分散室33内を清掃する作業が、殆ど不要となるために、外部滑沢式打錠機1を用いれば、外部滑沢錠剤(錠剤の内部に、滑沢剤を含まない錠剤)を、効率良く、製造することができるという効果もある。
【0169】
のみならず、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31では、弾性体膜Etを、図1、図2及び図3に示した弾性体膜取付具1を用いることにより、張った状態にしているので、弾性体膜Etの弛みが原因となって、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)の定量性が損なわれることもない。
【0170】
次に、滑沢剤噴霧室51の構成について詳しく説明する。
【0171】
図13は、図6中、XIII−XIII線に従う、滑沢剤噴霧室51の構成を概略的に示す断面図である。
【0172】
滑沢剤噴霧室51は、回転テーブル44に形成されている臼43・・・の直径よりやや大きめの直径を有しており、その下面S51aと上面S51bの各々が開口した形状になっている。滑沢剤噴霧室51の起立壁W51の上方には、上杵42・・・の回転軌道方向に、上杵42・・・を滑沢剤噴霧室51内に収容するための上杵収容凹部51aが、必要により形成される。
【0173】
滑沢剤噴霧室51の起立壁W51には、導管T2の先端e2が接続されており、この先端e2から、滑沢剤噴霧室51内に、導管T2を介して供給されてくる、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))が、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧されるようになっている。
【0174】
また、滑沢剤噴霧室51の起立壁W51には、滑沢剤吸引装置61の吸引手段62に接続された吸引ダクトT5の一端e5が接続されており、吸引手段62を駆動すれば、この一端e5から、滑沢剤噴霧室51内に噴霧された、粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の中、余分な粉体(この例では、滑沢剤(粉末))を吸引することができるようになっている。
【0175】
滑沢剤噴霧室51は、滑沢剤噴霧ポイントR1に、回転テーブル44上に、回転テーブル44に形成された臼45・・・の回転軌道に位置するように、固定的に設けられている。そして、滑沢剤噴霧室51の下面S51aは、回転テーブル44に表面S44上に接するように、且つ、回転テーブル44を回転させると、回転テーブル44の表面S44が、下面S51aに対して、摺動するようにされている。
【0176】
この滑沢剤噴霧室51では、上杵42・・・、下杵43・・・、及び、臼45・・・への滑沢剤(粉末)の塗布は、以下のようにして行われる。
【0177】
まず、導管T2の先端e2から、滑沢剤噴霧室51内に、正圧の空気脈動波に混和し、分散させた、滑沢剤(粉末)を、噴霧する。また、吸引手段62の駆動量を適宜調節して、吸引手段62を駆動することで、滑沢剤噴霧室51内に噴霧された滑沢剤(粉末)の中、余分な滑沢剤(粉末)を、吸引ダクトT5の一端e5から吸引する。これにより、滑沢剤噴霧室51内は、一定濃度の滑沢剤(粉末)が、正圧の空気脈動波に混和し、分散した状態に保たれる。
【0178】
そして、回転テーブル44、上杵42・・・、及び、下杵43・・・を同期するように回転させることで、滑沢剤噴霧室51の下方に送られてくる、臼45内に所定の位置まで挿入されている下杵43の表面(上面)S43、及び、臼45の内周面S45の下杵43の表面(上面)S43より上の部分、及び、滑沢剤噴霧室51内に送られてくる上杵42の表面(下面)S42に、順次、滑沢剤(粉末)が塗布される。
【0179】
この滑沢剤噴霧室51では、下杵43の表面(上面)S43、臼45の内周面S45の下杵43の表面(上面)S43より上の部分、及び、上杵42の表面(下面)S42に、正圧の空気脈動波の存在下で、滑沢剤(粉末)を塗布するようにしているので、たとえ、下杵43の表面(上面)S43、臼45の内周面S45の下杵43の表面(上面)S43より上の部分、及び/又は、上杵42の表面(下面)S42に、余分な滑沢剤(粉末)が付着したとしても、正圧の空気脈動波が山側になった時に、下杵43の表面(上面)S43や、臼45の内周面S45の下杵34の表面(上面)S43より上の部分や、上杵42の表面(下面)S42に余分に付着した滑沢剤(粉末)が、吹き飛ばされる。更に、このようにして、吹き飛ばされた滑沢剤(粉末)は、吸引ダクトT5の一端e5から吸引されるため、下杵43の表面(上面)S43、臼45の内周面S45の下杵43の表面(上面)S43より上の部分、及び、上杵42の表面(下面)S42に、必要最小限の滑沢剤(粉末)が均一に塗布される。
【0180】
次に、滑沢剤吸引装置61の構成について詳しく説明する。
【0181】
図14は、図5に示す滑沢剤吸引装置61の部分を中心にして拡大して概略的に示す構成図である。
【0182】
滑沢剤吸引装置61は、ブロア等の吸引手段62と、吸引手段62に接続された、吸引ダクトT5とを備える。
【0183】
吸引ダクトT5は、その一端(図5中に示す吸引ダクトT5の一端e2を参照)は、滑沢剤噴霧室51に接続されており、途中で、2つの分岐管T5a、T5bにされ、更に、途中で、1本の導管T5cにまとめられてから、吸引手段62に接続されている。
【0184】
分岐管T5aには、吸引ダクトT5の一端e2に近い方から吸引手段62方向に、電磁バルブ等の導管開閉手段v1と、光透過式粉体濃度測定手段63が設けられており、
光透過式粉体濃度測定手段63は、測定セル64と、光透過式測定装置65とを備える。
【0185】
測定セル64は、石英等で製されており、分岐管T5aの途中に接続されている。
【0186】
光散乱式測定装置65は、レーザー光線を照射するレーザ光線照射系装置65aと、レーザ光線照射系装置65aから照射され、被検出体により散乱した光を受光する散乱光受光系装置65bとを備え、Mie理論に基づいて、被検出体の流量、粒径、粒度分布及び濃度等を測定できるようになっている。この例では、レーザ光線照射系装置65aと、散乱光受光系装置65bとは、測定セル64を挟むようにして、概ね対向配置されており、測定セル64の部分で、分岐管T5a内を流れる粉体(この例では、滑沢剤(粉末))の流量、粒径、粒度分布及び濃度等を測定できるようにされている。
【0187】
また、分岐管T5aには、電磁バルブ等の導管開閉手段v1が設けられている。
【0188】
また、導管T5cには、電磁バルブ等の導管開閉手段v1が設けられている。
【0189】
滑沢剤吸引装置61を用いて、滑沢剤噴霧室51内の、滑沢剤(粉末)の濃度を調節する際には、導管開閉手段v1と導管開閉手段v2とを開いた状態にし、導管開閉手段v3を閉じた状態にし、吸引手段62を駆動する。
【0190】
また、脈動空気振動波発生装置21及び粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を各々駆動することで、導管T2の先端e2から、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した、滑沢剤(粉末)を、正圧の脈動空気振動波とともに、滑沢剤噴霧室51内に供給する。
【0191】
すると、滑沢剤噴霧室51内に供給された滑沢剤(粉末)の一部は、滑沢剤噴霧室51内に送り込まれてきている、上杵42・・・の各々の表面(下面)S42、下杵43・・・の各々の表面(上面)S43、及び、臼45・・・の各々の内周面S45への塗布に用いられるが、余分な滑沢剤(粉末)は、吸引ダクトT5の一端e5から、分岐管T5a及び導管T5cを通って、吸引手段62へと吸引される。
【0192】
このとき、光透過式粉体濃度測定手段63を構成する光透過式測定装置65を駆動させることで、測定セル64内、即ち、分岐管T5a内を流れる滑沢剤(粉末)の流量、粒径、粒度分布及び濃度等を測定する。
【0193】
そして、光透過式測定装置65の測定値に基づいて、吸引手段62の駆動量や、脈動空気振動波発生装置21の駆動量を、適宜、調節することで、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度等を調節する。
【0194】
尚、以上のような操作を行っていると、測定セル64の内周面に、滑沢剤(粉末)が付着し、光透過式測定装置65が、測定セル64の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響を受けて、分岐管T5a内を流れる、滑沢剤(粉末)の流量等を正確に測定できなくなるという問題が生じる。かかる場合には、光透過式測定装置65の測定値から、測定セル64の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を除去する補正が必要になるが、この装置61では、測定セル64の内周面に付着した滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定する際には、吸引手段62を駆動した状態に維持して、導管開閉手段v2を閉じ、導管開閉手段v3を開いた状態にする。すると、吸引ダクトT5の一端e5から、吸引ダクトT5内に吸引された、滑沢剤(粉末)は、分岐管T5b及び導管T5cを通って、吸引手段62へと吸引され、分岐管T5a内へは、滑沢剤(粉末)が通らなくなる。
【0195】
この時、光透過式測定装置65を駆動させれば、測定セル64へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定できる。
【0196】
この測定セル64へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定値は、例えば、演算処理装置71の記憶手段に一時記憶させる。
【0197】
その後、吸引手段62を駆動した状態に維持して、導管開閉手段v2を開き、導管開閉手段v3を閉じた状態にし、分岐管T5a内へ、滑沢剤(粉末)を通すようにし、粉体濃度測定装置63を駆動し、分岐管T5a内を通る、滑沢剤(粉末)の流量等を測定し、予め、演算処理装置71の記憶手段に記憶させている、補正プログラムと、粉体濃度測定装置63へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)の測定値とに基づいて、光透過式測定装置65の測定値から、測定セル64へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を除去した補正値を算出し、この補正値に基づいて、吸引手段62の駆動量や、脈動空気振動波発生装置21の回転速度または/及び供給空気量駆動量を、適宜、調節することで、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度等を調節する。
【0198】
尚、図5に示す外部滑沢式打錠機11では、演算処理装置71と流量制御装置25との間が、信号線L1により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、流量制御装置25を調節できるようにされている。また、演算処理装置71と回転駆動手段25との間が、信号線L2により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、回転駆動手段25の回転軸(図7に示す回転軸axを参照)の回転速度を制御できるようにされている。
【0199】
また、この外部滑沢式打錠機11では、演算処理装置71と吸引手段62との間が、信号線L3により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、吸引手段62の駆動量を制御できるようにされている。また、演算処理装置71と光透過式粉体濃度測定手段63(より特定的に説明すれば、光透過式測定装置65)との間が、信号線L2により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、粉体濃度測定手段63を駆動したり、粉体濃度測定手段63の測定値を、適宜、演算処理装置71の記憶手段に記憶したり、演算処理装置71の記憶手段に、予め記憶された処理プログラムにより、粉体濃度測定手段63の測定値に基づいて、吸引手段62の駆動量を調節したり、脈動空気振動波発生装置21の回転数または/及び供給空気量を、適宜、調節したりすることで、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度等を調節できるようにされている。また、演算処理装置71と導管開閉手段v1との間が、信号線L5により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、導管開閉手段v1を開いたり閉じたりすることができるようになっている。また、演算処理装置71と導管開閉手段v2との間が、信号線L6により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、導管開閉手段v2を開いたり閉じたりすることができるようになっている。また、演算処理装置71と導管開閉手段v3との間が、信号線L7により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、導管開閉手段v3を開いたり閉じたりすることができるようになっている。
【0200】
更に、この外部滑沢式打錠機11では、演算処理装置71とロータリ型打錠機41との間が、信号線(図示せず。)により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、ロータリ型打錠機41の駆動と停止とができるようになっている。また、演算処理装置71と空気源22との間が、信号線(図示せず。)により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、空気源の駆動と停止並びに空気量の調節ができるようになっている。
【0201】
更にまた、演算処理装置71とレベルセンサー36との間が、信号線(図示せず。)により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、レベルセンサー36の駆動と停止とができるようになっており、且つ、レベルセンサー36が駆動状態になっている場合には、レベルセンサー36を構成する受光素子36bが検知した信号が、演算処理装置71に送出されるようになっている。
【0202】
また、演算処理装置71と材料切出弁35との間が、信号線(図示せず。)により接続されており、演算処理装置71からの指令信号によって、材料切出弁35は、上下に移動して、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じたり、開いたりできるようになっている。この例では、上述したように、レベルセンサー36が駆動状態になっている場合に、演算処理装置71が、受光素子36bから、発光素子36aから照射された光を受光したという信号を受信した場合には、演算処理装置71は、材料切出弁35に対し、材料切出弁35を下方向に移動させる信号を出力するようにされている。材料切出弁35は、演算処理装置71から材料切出弁35を下方向に移動させる信号を受信すると、材料切出弁35を、下に移動し、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを開いた状態にするようにされている。また、レベルセンサー36が駆動状態になっている場合に、演算処理装置71が、受光素子36bから、発光素子36aから照射された光を受光しなくなったという信号を受信した場合には、演算処理装置71は、材料切出弁35に対し、材料切出弁35を上方向に移動させる信号を出力するようにされている。材料切出弁35は、演算処理装置71から材料切出弁35を上方向に移動させる信号を受信すると、材料切出弁35を、上に移動し、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じた状態にするようにされている。
【0203】
次に、図5に示す外部滑沢式打錠機11を用いて、外部滑沢錠(錠剤の内部に、滑沢剤を含まない錠剤)を製造する、外部滑沢錠の製造方法について説明する。
【0204】
この外部滑沢式打錠機11を用いて、錠剤tを製造する際には、フィードシュー46内に、錠剤tとなる成形材料を充填する。外部滑沢錠を製造する場合には、成形材料は、薬効成分(主薬又は活物質)と、滑沢剤を除く他の添加剤(賦形剤や、必要により添加される崩壊剤や安定化剤や補助剤等)を充填する。
【0205】
また、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を構成する粉体貯留ホッパー32内に滑沢剤(粉末)を収容し、粉体貯留ホッパー32の材料投入口に、蓋体32bを気密に取り付ける。
【0206】
次いで、演算処理装置71から、レベルセンサー36を駆動する命令信号を出力する。すると、レベルセンサー36を構成する発光素子36aが点灯する。
【0207】
円筒体34の下部筒体部34b内には、滑沢剤(粉末)が収容されていない場合にあっては、発光素子36aから照射される光が、受光素子36bで受光されるので、材料切出弁35は、下方に移動し、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを開いた状態にすることで、粉体貯留ホッパー32内に貯留されている滑沢剤(粉末)が、排出口32aを通じて、下部筒体部34b内へ排出され、弾性体膜Et上に貯留・堆積する。
【0208】
弾性体膜Et上に貯留・堆積した滑沢剤(粉末)の量(高さH)が、レベルセンサー36の設けられている位置(高さHth)になると、発光素子36aから照射される光が、受光素子36bで受光されなくなるので、材料切出弁35が、上方に移動し、粉体貯留ホッパー32の排出口32aを閉じた状態にする。これにより、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に、滑沢剤(粉末)の一定量が貯留・堆積した状態になる。
【0209】
また、脈動空気振動波変換装置23の回転駆動手段25の回転軸(図7に示す回転軸ax)に、使用する滑沢剤(粉末)の物性に応じて、滑沢剤(粉末)が混和し、分散し易い、正圧の脈動空気振動波を発生させることができる凹凸パターンを有する回転カム(図7に示す回転カム29)を取り付ける。
【0210】
また、演算処理装置71から、脈動空気振動波発生装置21の回転駆動手段25に対し、回転駆動手段25の駆動信号を出力する。これにより、回転駆動手段25は、予め設定された駆動量で、駆動する。また、演算処理装置71から、空気源22に対し、空気源22の駆動信号を出力する。これにより、空気源22は、予め設定された駆動量で、駆動する。
【0211】
次に、演算処理装置71から、導管開閉手段v1に、導管T5cを開く信号を送出し、また、導管開閉手段v2に、分岐管T5aを開く信号を送出する。また、演算処理装置71から、導管開閉手段v3に、分岐管T5bを閉じる信号を送出する。その後、演算処理装置71から、吸引手段62に対し、吸引手段62の駆動信号を出力する。これにより、吸引手段62は、予め設定された駆動量で、駆動する。
【0212】
脈動空気振動波発生装置21から、導管T1内へ、所定の、正圧の脈動空気振動波が供給されると、導管T1内へ供給された、正圧の脈動空気振動波が、脈動空気振動波導入口33aから分散室33内へと供給され、分散室33内で、排出口33bへ向かう旋回流となる。
【0213】
分散室33内へ正圧の脈動空気振動波が供給されると、弾性体膜Etが、正圧の脈動空気振動波によって、上下に繰り返し振動(図12(a)、図12(b)及び図12(c)を参照)することで、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上に貯留・堆積している滑沢剤(粉末)が、分散室33内へと排出される。また、演算処理装置71から、ロータリ型打錠機41の駆動信号を出力し、回転テーブル44と、複数の上杵42・・・と、複数の下杵43・・・とを、所定の回転速度で同期させて回転させる。
【0214】
尚、脈動空気振動波発生21を駆動することで、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31が駆動状態にされている間に、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8から弾性体膜Et上に貯留・堆積している滑沢剤(粉末)の排出が行われ、弾性体膜Et上に貯留・堆積した滑沢剤(粉末)の量(高さH)が、レベルセンサー36の設けられている位置(高さHth)未満になると(H<Hth)、発光素子36aから照射される光が、受光素子36bにより受光されるため、材料切出弁35が、下方に移動し、粉体貯留ホッパー32内に貯留されている滑沢剤(粉末)が下部筒体部34b内の弾性体膜Et上への排出が行われ、弾性体膜Et上に貯留・堆積した滑沢剤(粉末)の量(高さH)が、レベルセンサー36の設けられている位置(高さHth)になり、受光素子36bが、発光素子36aから照射される光を受光しなくなると、材料切出弁35が、上方に移動し、粉体貯留ホッパー32から、下部筒体部34bへの排出が止められるという動作が繰り返し行われるので、脈動空気振動波発生21を駆動することで、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31が駆動状態にされている間、下部筒体部34b内の弾性体膜Et上には、常に、概ね、一定量の滑沢剤(粉末)が貯留・堆積した状態に保たれる。
【0215】
分散室33内へ排出された滑沢剤(粉末)は、分散室33内を旋回している、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散し、流動化して、正圧の脈動空気振動波とともに、排出口33bから導管T2内へと排出される。
【0216】
尚、滑沢剤(粉末)中に含まれる凝集した大粒のものは、分散室33内の下方の位置を旋回し続けるため、凝集した大粒の滑沢剤(粉末)が、導管T2内へと排出されることはない。
【0217】
また、凝集した大粒の滑沢剤(粉末)の大部分のものは、混分散室33内において、正圧の脈動空気振動波に巻き込まれ、分散室33内の下方の位置を旋回し続けている間に、所定の粒径の粒子に分散されてから、導管T2内へと排出されるため、分散室33内に、大粒の滑沢剤(粉末)が堆積するといったような現象は、殆ど、生じない。
【0218】
導管T2内へ排出された滑沢剤(粉末)は、正圧の脈動空気振動波により気力輸送され、導管T2の他端e2から、滑沢剤噴霧室51内へ、正圧の脈動空気振動波とともに噴霧される。
【0219】
滑沢剤噴霧室51に供給された滑沢剤(粉末)は、滑沢剤噴霧室51内に収容されている、上杵42・・・の各々の表面、下杵43・・・の各々の表面、及び、臼45・・・の各々の表面へ噴霧される。
【0220】
そして、滑沢剤噴霧室51内に噴霧された滑沢剤(粉末)のうち、余分な滑沢剤(粉末)は、吸引ダクトT5を通じて、滑沢剤噴霧室51外へと吸引除去される。
【0221】
これにより、滑沢剤噴霧ポイントR1において、上杵42・・・の各々の表面、下杵43・・・の各々の表面、及び、臼45・・・の各々の表面に、順次、滑沢剤(粉末)が均一に塗布される。
【0222】
次に、成形材料充填ポイントR2において、フィードシュー48を用いて、臼45及び臼45内に所定の位置まで挿入されている下杵43により形成する空間内に、成形材料を、順次、充填する。
【0223】
臼45内に充填された成形材料は、摺り切り板47により、その内容量が一定量にされた後、予備打錠ポイントR3に送られ、予備打錠ポイントR3において、臼45内に充填された成形材料を、組となる上杵42と下杵45により、予備打錠された後、本打錠ポイントR4において、予備打錠された成形材料を、組となる上杵42と下杵45により、本格的に圧縮され、錠剤tにされる。 以上により製造された錠剤tは、その後、順次、錠剤排出ポイントR5に送られ、錠剤排出ポイントR5において、錠剤排出用スクレーパ48により、排出シュート49へ、順次、排出される。
【0224】
作業者は、排出シュート49に排出された錠剤t・・・を観察する。
【0225】
そして、錠剤t・・・に、スティッキングやキャッピングやラミネーティングが発生したものが含まれている場合には、例えば、圧縮空気源22の駆動量や、吸引手段62の駆動量等を、適宜、調節したり、又は、流量制御装置24が設けられている場合にあっては、流量制御装置24を、適宜、調節したり、並びに、圧力調整ポート26cに、圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整弁30を、適宜、調節したりすることによって、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度を高くなるように調節して、製造される錠剤t・・・に、スティッキングやキャッピングやラミネーティング等の打錠障害が発生する頻度を低下させるようにする。更には、弾性体膜Etを、孔部(スリット孔)h8のサイズの大きい
ものに取り替えても良い。
【0226】
これにより、この外部滑沢式打錠機11を用いれば、従来、工業的な生産ベースでは製造するのが困難であった、外部滑沢錠を、工業的な生産ベースで、安定して、大量生産することができる。
【0227】
一方、製造される錠剤t・・・に、スティッキングやキャッピングやラミネーティング等の打錠障害は、発生はしていない場合であっても、錠剤t・・・の組成を分析し、錠剤の組成中、滑沢剤の量が、予定量に比べ多くなっている場合には、例えば、圧縮空気源22の駆動量や、吸引手段62の駆動量等を、適宜、調節したり、又は、流量制御装置24が設けられている場合にあっては、流量制御装置24を、適宜、調節したり、並びに、圧力調整ポート26cに、圧力調整弁30が設けられている場合にあっては、圧力調整弁30を、適宜、調節したりすることによって、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度が一定になるように調節し、上杵42・・・の各々の表面、下杵43・・・の各々の表面、及び、臼45・・・の各々の表面に、塗布される滑沢剤(粉末)の量を一定になるように調節することで、上杵42・・・の各々の表面、下杵43・・・の各々の表面、及び、臼45・・・の各々の表面から、錠剤t・・・の各々の表面に転写される滑沢剤(粉末)の量を減らすようにする。更には、弾性体膜Etを、孔部(スリット孔)h8のサイズの小さいものに取り替えても良い。
【0228】
外部滑沢錠にあっては、錠剤t・・・の各々の表面に付着している滑沢剤(粉末)は、錠剤t・・・の崩壊性に影響する。
【0229】
即ち、外部滑沢錠は、内部滑沢錠(錠剤を圧縮成形する際に、製造される錠剤に、スティッキングやキャッピングやラミネーティング等の打錠障害が発生するのを防止するために、成形材料中に、予め、滑沢剤(粉末)を配合・分散したものを用いて製造される錠剤)に比べ、錠剤の崩壊速度を速くすることができるという利点を有するものである。しかしながら、外部滑沢錠といえども、その錠剤表面に付着している滑沢剤(粉末)の量が多いと、滑沢剤(粉末)は、撥水性を有するため、錠剤t・・・の各々の表面に付着している滑沢剤(粉末)の量が多いと、滑沢剤(粉末)の撥水性が原因して、錠剤t・・・の崩壊速度が遅くなる傾向があるが、この外部滑沢式打錠機11では、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度を、容易に、所望の濃度に調節できるため、錠剤表面に付着している、滑沢剤(粉末)の量が少ない、優れた崩壊特性を有する外部滑沢錠を、製造される錠剤に、スティッキングやキャッピングやラミネーティング等の打錠障害が発生するのを防止しつつ、工業的な生産ベースで、安定して、大量生産することができる。
【0230】
以上の調節作業が終了すれば、外部滑沢式打錠機11の演算処理措置71の記憶部に、以上の錠剤の製造条件を記憶させる。
【0231】
この外部滑沢式打錠機11では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31に、弾性体膜Etを取り付ける際に、弾性体膜取付具1を用いるようにしているので、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を長時間運転しても、弾性体膜Etが、弛むことがない。
【0232】
これにより、この外部滑沢式打錠機11の演算処理措置71の記憶部に、錠剤の製造条件を記憶させれば、演算処理措置71の記憶部に記憶させた錠剤の製造条件に従って、所望の外部滑沢錠を長時間に亘って、安定して生産することができる。
【0233】
尚、この外部滑沢式打錠機11では、錠剤tを製造している間、適宜、粉体濃度測定手段63により、導管T5内を通過する滑沢剤(粉末)をモニターすることで、滑沢剤噴霧室51内の滑沢剤(粉末)の濃度等が調節できるようにされているが、この外部滑沢式打錠機11では、上述したように、測定セル64へ付着している滑沢剤(粉末)の影響分(ノイズ)を測定する際に、脈動空気振動波発生装置21、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、ロータリ型打錠機41及び吸引手段62を停止する必要が無いため、錠剤を、生産効率の良く、製造することができるという効果もある。
【0234】
尚、上記の発明の実施の形態では、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31に、弾性体膜Etを取り付ける際に、弾性体膜取付具1を用いた例について説明したが、これは、単に好ましい例を説明したに過ぎず、弾性体膜Etを用いた粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)は、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31に限定されることはなく、種々の変形例が考えられる。
【0235】
図15は、そのような弾性体膜Etを用いた粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0236】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1は、以下の点を除けば、図9に示す粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様であるので、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1を構成する部材装置中、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を構成する部材装置に相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0237】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1は、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、直接、弾性体膜Etを取り付けた弾性体膜取付具1を取り付け、且つ、弾性体膜取付具1の台座2を、導管Tの途中の位置に、直接、接続した構造を備えている。導管Tの一端には、脈動空気振動波発生装置21が接続されるようになっており、導管Tの一端Taから、脈動空気振動波発生装置21により発生させた、正圧の脈動空気振動波を、導管T内に供給すると、この正圧の脈動空気振動波により、弾性体膜取付具1に取り付けられている弾性体膜Etを上下に振動するようになっており、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて、導管T内に、直接、排出されるようになっている。更に、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて導管T内に排出された、滑沢剤(粉末)は、導管T内に供給されている正圧の脈動空気振動波に、混和し、分散し、流動化して、正圧の脈動空気振動波により、導管Tの他端Tbまで、気力輸送され、導管Tの他端Tbから、滑沢剤(粉末)が、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧されるようになっている。
【0238】
尚、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1では、弾性体膜取付具1の押さえ部材4を、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、直接、取り付けた例を示しているが、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、円筒体34を接続し、円筒体34に、弾性体膜取付具1の押さえ部材4を取り付け、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様に、円筒体34の上部筒体部34a内に、材料切出弁35を設けるとともに、発光素子36aと受光素子36bとを備えるレベルセンサー36を、円筒体34の下部筒体部34bを挟むように、発光素子36aと受光素子36bとを、対向配置し、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様に、弾性体膜Et上に貯留・堆積する滑沢剤(粉末)の量を、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1を動作させている間、常に、概ね、一定量に維持できるようにしてもよい。
【0239】
また、図16は、弾性体膜Etを用いた粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)の他の一例を概略的に示す図であり、図16(a)は、その縦断面図を、また、図16(b)は、その横断面図を、各々、示している。
【0240】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2は、以下の点を除けば、図9に示す粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様であるので、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2を構成する部材装置中、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31を構成する部材装置に相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0241】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2は、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、直接、弾性体膜Etを取り付けた弾性体膜取付具1を取り付け、且つ、弾性体膜取付具1の台座2の下方に、分散室33V1を気密に取り付けた構造になっている。
【0242】
分散室33V1には、脈動空気導入管T6が取り付けられている。
【0243】
また、分散室33V1には、概ねL字形状に設けられた、気力輸送管T7が、分散室33V1内に突出するように設けられ、図示するように、気力輸送管T7の排出口T7aが、脈動空気導入管T6の脈動空気導入口T6aの方向と整列しないようにされている。より特定的に説明すると、この例では、気力輸送管T7の排出口T7aが、下方を向くようにされている。
【0244】
この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2では、脈動空気導入管T6の一端T6bに、脈動空気振動波発生装置21が接続されるようになっており、脈動空気振動波発生装置21により発生させた、正圧の脈動空気振動波を、脈動空気導入管T6を介して、その一端T6bから分散室33V1内に供給すると、分散室33V1内に供給された、正圧の脈動空気振動波により、弾性体膜取付具1に取り付けられている弾性体膜Etが上下に振動し、弾性体膜Etの孔部(スリット孔)h8を通じて、分散室33V1内に、滑沢剤(粉末)が排出されるようになっている。分散室33V1内に排出された滑沢剤(粉末)は、分散室33V1内に供給されている、正圧の脈動空気振動波に、混和し、分散し、流動化して、正圧の脈動空気振動波により、導管T7の他端T7bまで、気力輸送され、導管T7の他端T7bから、滑沢剤(粉末)が、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧されるようになっている。
【0245】
尚、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2には、気力輸送管T7の排出口T7aが、脈動空気導入管T6の脈動空気導入口T6aの方向と整列しないように、即ち、気力輸送管T7の排出口T7aが、下方を向くように設けているので、分散室33V1内に排出された、滑沢剤(粉末)のうち、大粒のものは、分散室33V1内に堆積するので、導管T7の他端T7bから、大粒の滑沢剤(粉末)が、噴霧されることがない、という長所がある。
【0246】
尚、この粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V2においても、粉体貯留ホッパー32の排出口32aに、円筒体34を接続し、円筒体34に、弾性体膜取付具1の押さえ部材4を取り付け、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様に、円筒体34の上部筒体部34a内に、材料切出弁35を設けるとともに、発光素子36aと受光素子36bとを備えるレベルセンサー36を、円筒体34の下部筒体部34bを挟むように、発光素子36aと受光素子36bとを、対向配置し、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31と同様に、弾性体膜Et上に貯留・堆積する滑沢剤(粉末)の量を、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31V1を動作させている間、常に、概ね、一定量に維持できるようにしてもよい。
【0247】
また、以上の例では、弾性体膜Etには、孔部(スリット孔)h8が一つ設けられたものを中心にして説明したが、弾性体膜Etは、孔部(スリット孔)h8が一つ設けられたものに限られることはなく、例えば、図17に示すような、複数の貫通孔h9・・・を有する弾性体膜EtAを用いてもよい。
【0248】
更にまた、上記の発明の実施の形態では、脈動空気振動波発生装置21を構成する脈動空気振動波変換装置23として、回転カム29を回転させることにより、弁体28を、回転カム29に設けられた凹凸パターンに従って、上下に移動させ、弁体28により、弁座27を開閉することで、所望の正圧の脈動空気振動波を導管T1内に供給するようにしたものについて説明したが、これは、所望の正圧の脈動空気振動波を、正確に、導管T1内に供給できるようにした、好ましい例を示したに過ぎず、脈動空気振動波変換装置としては、例えば、図18に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置61や、図19に示すようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置71を用いてもよい。
【0249】
図18に示す脈動空気振動波発生装置21Aは、図7に示す脈動空気振動波発生装置21とは、脈動空気振動波変換装置の構成が異なっている以外は、同様の構成であるので、相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
【0250】
脈動空気振動波発生装置21Aの脈動空気振動波変換装置61は、円筒形の筒状体62と、筒状体62内の中空室63を概ね2分割するように、筒状体62の中心軸を回転軸62aとして、回転軸62aに取り付けられたロータリ弁63とを備える。回転軸62aは、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、所定の回転速度で回転するようになっている。
【0251】
筒状体62の外周壁には、導管T4と、導管T1とが、所定の隔たりを設けて、接続されている。
【0252】
脈動空気振動波発生装置21Aを用いて、導管T1内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、圧縮空気源22を駆動して、導管T3内に、所定の圧縮空気を供給する。流量制御装置24が設けられている場合にあっては、流量制御装置24を適宜調節することで、導管T4内へ供給する圧縮空気の流量を調節する。
【0253】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸62aを所定の回転速度で回転させることで、回転軸62aに取り付けられたロータリ弁63を所定の回転速度で回転させる。
【0254】
すると、例えば、ロータリ弁63が実線で示すような位置にあるときは、導管T4と、導管T1とが導通状態になっているので、圧縮空気源22より発生させた圧縮空気は、導管T4から導管T1へと供給される。
【0255】
また、例えば、ロータリ弁63が想像線で示すような位置にあるときは、導管T4と、導管T1とが、ロータリ弁63により、遮断された状態になる。
【0256】
この時、筒状体62内の、ロータリ弁63により仕切られた一方の空間S1には、導管T4から圧縮空気が供給され、この空間S1では空気の圧縮が行われる。
【0257】
一方、筒状体62内の、ロータリ弁63により仕切られた一方の空間S2では、空間S2内に蓄えられていた圧縮空気が、導管T1内へと供給される。
【0258】
このような動作が、ロータリ弁63の回転により繰り返し行われることにより、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
【0259】
図19は、脈動空気振動波発生装置21Bを、その要部である、ロータリ型の脈動空気振動波変換装置71を中心にして、概略的に示す分解斜視図である。
【0260】
脈動空気振動波発生装置21Bの脈動空気振動波変換装置71は、円筒形の筒状体72と、筒状体72内に、回転可能に設けられた回転弁体73とを備える。
【0261】
筒状体72は、一方端72aが開口し、他方端が、蓋体72bにより閉じられた構造になっており、その側周面には、吸気口72e1と、送波口72e2とを備える。
【0262】
吸気口72e1には、圧縮空気源22に接続された導管T4が接続され、送波口72e2には、粉体材料噴霧装置31、31V1、31V2等に接続される導管T1が接続される。
【0263】
尚、図19中、72cで示す部分は、回転弁体73を枢着する回転軸受け孔を示している。
【0264】
回転弁体73は、中空h10を有する円筒形状をしており、その側周面S73には、開口部h11が設けられている。また、回転弁体73は、一方端73aが、開口しており、他方端が、蓋体73bにより閉じられた構造になっている。
【0265】
また、回転弁体73は、その回転中心軸に、回転軸74が延設されている。回転軸74には、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)が接続されており、回転駆動手段(図示せず。)を駆動すると、回転弁体73が、回転軸74を中心にして回転するようになっている。
【0266】
回転弁体73の側周面S73の外径は、筒状体72の内径に概ね一致しており、回転弁体73を、筒状体72内に収容し、回転弁体73を回転させると、回転弁体73の側周面S73が、筒状体72の内周面に沿って摺動するようになっている。
【0267】
尚、図19中、73cで示す部分は、筒状体72の蓋体72bに設けられている回転軸受け孔72cに回転可能に収容される回転軸を示している。
【0268】
回転弁体73は、筒状体72内に、回転軸73cを回転軸受け孔72cに取り付けた状態で、回転可能に設けられている。
【0269】
脈動空気振動波発生装置21Bを用いて、導管T1内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、圧縮空気源(図示せず。)を駆動して、導管T4内へ圧縮空気を供給する。
【0270】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸74を所定の回転速度で回転させることで、回転弁体73を所定の回転速度で回転させる。
【0271】
すると、例えば、回転弁体73の開口部h11が、送波口72e2の位置にある時には、導管T4と導管T1とが導通状態になり、この時、導管T1に圧縮空気が送り出される。
【0272】
また、例えば、回転弁体73の側周面S73が、送波口72e2の位置にある時は、導管T4と導管T1との間が、側周面S73により遮断されるので、この時、導管T1に圧縮空気が送り出されない。
【0273】
このような動作が、回転弁体73の回転により繰り返し行われることにより、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
【0274】
上述した粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2では、脈動空気振動波発生装置としては、図7に示す脈動空気振動波発生装置21、及び、図18及び図19の各々に示す脈動空気振動波発生装置21A、21Bのいずれをも用いることができる。しかしながら、正圧の脈動空気振動波には、減衰する性質があるため、この減衰する性質を考慮した場合には、脈動空気振動波発生装置から、オンオフがはっきりした切れの良い、正圧の脈動空気振動波を発生する方が好ましい。このようなオンオフがはっきりした切れの良い、正圧の脈動空気振動波を発生するには、どちらかというと、図18や図19に例示するようなロータリ型の脈動空気振動波変換装置61、71よりも、図7に示すような回転カム型の脈動空気振動波変換装置23を用いる方が好ましい。
【0275】
また、上述した粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2では、粉体貯留ホッパー3内に、滑沢剤(粉末)を貯留した場合を例にして説明したが、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2は、滑沢剤噴霧用の滑沢剤噴霧装置に限られることはなく、種々の粉体の定量フィーダ装置として用いることができる。
【0276】
例えば、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2を、射出成形機の金型近傍位置に付設し、粉体貯留ホッパー3内に、離形剤(粉末)を貯留し、射出成形機の、ノズルタッチ工程、型締めされた金型内へ溶融樹脂を射出する射出工程、金型内へ射出された溶融樹脂を冷却する冷却工程、及び、金型を開いて、金型内で成形された樹脂成型品を取り出す、取り出し工程の射出成形サイクルにおいて、金型の鋳型面へ樹脂成型品が付着するのを防止するために、取り出し工程において、金型が開かれ、金型内で、成形された樹脂成型品を取り出しが行われた直後に、可動型及び固定型の間の型締めエリア内に、ロボット手段等により、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2の噴霧口を接近させて、可動型の鋳型面及び固定型の鋳型面の各々に、離形剤(粉末)を噴霧し、その後、可動型と固定型との間の型締めエリア内から、噴霧口を型締めエリア外へ退避させるようにした、射出成形金型用の離形剤噴霧装置として、好適に用いることができる。
【0277】
また、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2の粉体貯留ホッパー3内に、食品、樹脂、化学物質等の各種粉体を収容すれば、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2を、そのような粉体の定量フィーダ装置として使用することができる。
【0278】
また、粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)31、31V1、31V2では、いずれも、弾性体膜Etを、正圧の脈動空気振動波で振動させる場合について説明したが、本発明に係る弾性体膜取付具は、インクジェットプリンターの印字ヘッド等の圧電振動ノズルのノズルプレート(弾性体膜)の取付具として、好適に用いることができる。
図20は、本発明に係る弾性体膜取付具を用いた、圧電振動ノズルを概略的に示す断面図である。
【0279】
この圧電振動ノズル81は、金属製の本体85と、本体85に形成されたインク等の液体を収容する部屋(chamber)86と、ノズルプレート(弾性体膜)Etbと、ノズルプレート(弾性体膜)Etbの外側の表面上に設けられた圧電変換素子(piezoelectric transducer)82とを備える。
【0280】
尚、本体85に形成されたインク等の液体を収容する部屋(chamber)86の大きさを、参考までに説明すると、直径は、5ミリメータ(mm)から15ミリメータ(mm)程度であり、その深さは、1ミリメータ(mm)から5ミリメータ(mm)程度である。
【0281】
ノズルプレート(弾性体膜)Etbは、薄い金属膜で製されており、その厚さは、30マイクロメータ(μm)から100マイクロメータ(μm)程度であり、本体85の表面に、部屋(chamber)86を覆うように、弾性体膜取付具1を用いて取り付けられている。
【0282】
また、ノズルプレート(弾性体膜)Etbは、その中央部に、外側に向かって湾曲した突部cを有しており、突部cには、複数の貫通孔h12が設けられている。参考までに説明すると、複数の貫通孔h10の各々の直径は、30マイクロメータ(μm)から100マイクロメータ(μm)程度である。
【0283】
ノズルプレート(弾性体膜)Etbの表面には、圧電変換素子(piezoelec-
tric transducer)82が接着されている。
【0284】
圧電変換素子(piezoelectric transducer)82は、リング形状にされている。参考までに説明すると、圧電素子(piezoelectric transducer)82の外径の直径は、5ミリメータ(mm)から15ミリメータ(mm)程度であり、その内径の直径は、2ミリメータ(mm)から8ミリメータ(mm)程度である。また、圧電変換素子(piezoelectric transducer)82の厚さは、0.5ミリメータ(mm)から2ミリメータ(mm)程度である。
【0285】
圧電変換素子(piezoelectric transducer)82の表裏面の各々には、フィルム状の電極93、94が取り付けられている。
【0286】
部屋(chamber)86には、インク等の液体を、部屋(chamber)86へ供給する液体供給管89が接続されている。
【0287】
また、部屋(chamber)86には、空気室(図示せず。)に接続された導管81が接続されている。尚、図19中、88aで示す部材及び88bで示す部材の各々は、電極83、84の各々に接続される電線を示している。
【0288】
この圧電振動ノズル81を用いてインク等の液体を噴霧する際には、液体供給管89を通じて、部屋(chamber)86に、インク等の液体を供給し、電極83、84に通電する。すると、圧電変換素子(piezoelectric transducer)82が振動し、この振動により、ノズルプレート(弾性体膜)Etbが振動し、その中央部に設けられた突部cに形成されている複数の貫通孔h10からインク等の液体が噴霧される。
【0289】
この圧電振動ノズル81でも、ノズルプレート(弾性体膜)Etbを、弾性体膜取付具1を用いて、本体85に取り付けているので、ノズルプレート(弾性体膜)Etbが、弛むことなく、本体85に取り付けられているので、電極93、94に通電時に、ノズルプレート(弾性体膜)Etbが乱れることなく、一定に振動する結果、複数の貫通孔h10からインク等の液体が安定した状態で噴霧される。
【0290】
尚、弾性体膜取付具1は、弾性膜体(振動板)の大きさによって、その構成部材である、台座2、突き上げ部材3及び押さえ部材4の大きさも異なってくる。
【0291】
台座2、突き上げ部材3及び押さえ部材4の大きさや加工部分(V溝Dvや、突起Cv等)の大きさが、例えば、ミリメータオーダ以上(0.01mm以上)であれば、鋳造方法や切削研磨加工により、台座2、突き上げ部材3及び押さえ部材4を容易に且つ精度良く製造することができる。
【0292】
その一方、上記した圧電振動ノズル81のように、弾性膜体(振動板)が小さい場合には、台座2、突き上げ部材3及び押さえ部材4の大きさを小さくする必要があり、加工部分(V溝Dvや、突起Cv等)をマイクロメータ(μm)オーダ(サブミクロン単位)で、精密加工する必要が生じるが、このような場合にあっては、マイクロマシーン等の製造分野で用いられている、例えば、LIGA法(半導体装置の製造分野で用いられているリソグラフィと、リソグラフィにより、レジストに形成したレジストパターンを鋳型として、電鋳により、レジストパターンを鋳型として、金属等を堆積することによって、微細な機械部品を製造する方法)等により、台座2、突き上げ部材3及び押さえ部材4を製造すればよい。
【0293】
本発明に係る弾性体膜取付具1は、弾性膜体(振動板)を弛ませることなく張ることができるので、各種のダイアフラムや弾性体膜を用いた装置の、ダイアフラムや弾性体膜の取付具として、好適に用いることができる。
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられる。この結果、弾性体膜は、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされる。そして、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に嵌挿される。
【0294】
更に、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材の外周面と、押さえ部材の中空の内周面との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材により、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に、挟持される。
【0295】
以上により、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜を、ピンと張った状態にすることができる。
【0296】
請求項2に記載の弾性体膜取付具では、突き上げ部材の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面を設けているので、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座の表面に、リング状に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起との間に、移行し易い。
【0297】
以上によっても、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜を、ピンと張った状態にすることができる。
【0298】
また、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、突き上げ部材の外周の傾斜面と、押さえ部材の中空の内周面との間隔が次第に狭くなるので、押さえ部材の外周面と、押さえ部材の中空の内周面との間に、しっかりと挟持されるため、押さえ部材を台座に締め付けた後において、弾性体膜が弛むことがない。
【0299】
これにより、例えば、ダイアフラムを用いた装置や、粉体材料噴霧装置の弾性体膜を張る際に、この弾性体膜取付具により、弾性体膜を張るようにすれば、使用中に、弾性体膜が弛むことがないため、長期に亘って、これらの装置の正確な動作を維持できる。
【0300】
請求項3に記載の粉体材料噴霧装置では、導管の一端から、導管内に、正圧の脈動空気振動波を供給しているので、導管の途中に接続された粉体貯留ホッパーの排出口に設けられている、弾性体膜が、正圧の脈動空気振動波に同期して、上下に振動し、これにより、弾性体膜に設けられた貫通孔から、導管内に、粉体貯留ホッパー内に収容された粉体材料が排出される。
【0301】
ところで、この粉体材料噴霧装置では、請求項1又は請求項2に記載の弾性体膜取付具を用いて、弾性体膜を粉体貯留ホッパーの排出口に取り付けるようにしている。
【0302】
これにより、粉体貯留ホッパーの排出口に、弾性体膜を弛ませることなく、取り付けることができるため、弾性体膜は、導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波に依存して振動することになる。これにより、導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波が一定である限り、弾性体膜の振動は、一義的になる。この結果、この粉体材料噴霧装置では、導管の一端から、導管内に供給する、正圧の脈動空気振動波を一定にしている限り、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量も一定になる。
【0303】
更に、導管内に排出された粉体材料は、導管内に供給されている正圧の脈動空気振動波に混和し、分散した状態になって、導管の他端まで、気力輸送されるが、この粉体材料噴霧装置では、弾性体膜に設けられた貫通孔から導管内に排出された粉体材料を、正圧の脈動空気振動波によって、導管の他端まで気力輸送するようにしている結果、粉体材料を気力輸送する媒体として、導管内に、定常圧流の空気を供給する場合に見られるような、導管内における、粉体材料の堆積や、粉体材料の吹き抜け現象が生じない。
【0304】
これにより、弾性体膜の貫通孔から導管内に排出された粉体材料の殆ど全てが、導管の他端まで気力輸送される結果、導管の他端から噴霧される粉体材料の噴霧量も一定になる。
【0305】
即ち、この粉体材料噴霧装置は、定量フィーダ装置として適している。
【0306】
請求項4に記載の粉体材料噴霧装置では、分散室内に、分散室の下方の位置から、概ね、接線方向から正圧の脈動空気振動波を導入し、分散室の上方の位置から、概ね、接線方向に、正圧の脈動空気振動波を排出するようにしているので、正圧の脈動空気振動波は、分散室内で、分散室の下方の位置から、分散室の上方の位置へ向かって、渦巻き状に旋回する。
【0307】
分散室内で、分散室の下方の位置から、分散室の上方の位置へ向かって、渦巻き状に旋回している、正圧の脈動空気振動波により、分散室は、サイクロンと同様の分粒機能を有する。
【0308】
これにより、弾性体膜の貫通孔から分散室内に、大粒の粉体材料が、排出されても、そのような大粒の粉体材料は、分散室の下方の位置を旋回し続けるため、大粒の粉体材料が導管の他端から噴霧されることがない。
【0309】
従って、この粉体材料噴霧装置を用いれば、導管の他端から、粒径の揃った、一定量の粉体材料を噴霧できる。
【0310】
また、大粒の粉体材料は、分散室内で、正圧の脈動空気振動波の旋回流に巻き込まれることで、小粒の粉体材料に砕かれる。そして、このようにして、所定の粒径になる迄砕かれた粉体材料は、正圧の脈動空気振動波の旋回流に乗って、分散室外へと排出されるため、分散室内に、大粒の粉体材料が堆積され難い。
【0311】
請求項5に記載の粉体材料噴霧装置は、粉体材料が、滑沢剤又は離型剤である。
【0312】
この粉体材料噴霧装置は、導管の他端から、一定量の滑沢剤又は離型剤を噴霧できるので、例えば、打錠機の上杵、下杵及び臼の各々の表面上に滑沢剤を塗布する装置や、金型の鋳型面上に、離型剤を塗布する装置として、適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性体膜取付具に、弾性体膜を取り付けた状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図であ
【図3】図1に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】弾性体膜を概略的に示す平面図である。
【図5】本発明に係る弾性体膜取付具が用いられた、外部滑沢式打錠機を概略的に示す全体構成図である。
【図6】本発明に係る弾性体膜取付具が用いられた、外部滑沢式打錠機の、ロータリ型打錠機を概略的に示す平面図である。
【図7】図5に示す外部滑沢式打錠機の、脈動空気振動波発生装置21の構成を、脈動空気振動波変換装置23を中心にして、概略的に示す断面図である。
【図8】導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波を例示的に示す説明図であり、図8(a)及び図8(b)は、導管内に供給される、正圧の脈動空気振動波を例示的に示している。
【図9】図5中、一点鎖線IXで囲まれる部分を拡大して概略的に示す断面図である。
【図10】分散室を平面視した場合の、分散室に設ける脈動空気振動波導入口の位置を模式的に示す平面図であり、図10(a)は、分散室に対する、脈動空気振動波導入口の好ましい取付位置を説明する説明図であり、図10(b)は、分散室に対する、脈動空気振動波導入口の実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【図11】分散室を平面視した場合の、分散室に設ける脈動空気振動波導入口と排出口との位置を模式的に説明する図であり、図11(a)は、分散室に対する、脈動空気振動波導入口と排出口との好ましい取付位置を説明する説明図であり、図11(b)は、分散室に対する、脈動空気振動波導入口と排出口との実質的な取付可能位置を説明する説明図である。
【図12】分散室内に、正圧の脈動空気振動波を送り込んだ際に、弾性体膜に生じる現象を模式的に説明する説明図である。
【図13】図6中、XIII−XIII線に従う、滑沢剤噴霧装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図14】図5に示す滑沢剤吸引装置の部分を中心にして拡大して概略的に示す構成図である。
【図15】弾性体膜を用いた粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)の他の一例を概略的に示す断面図である。
【図16】弾性体膜を用いた粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)の他の一例を概略的に示す図であり、図16(a)は、その縦断面図を、また、図16(b)は、その横断面図を、各々、示している。
【図17】弾性体膜の他の一例を例示的に示す概略的な平面図である。
【図18】脈動空気振動波発生装置の他の一例を概略的に説明する説明図である。
【図19】脈動空気振動波発生装置の他の一例を概略的に説明する説明図である。
【図20】本発明に係る弾性体膜取付具を用いた、圧電振動ノズルを概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 弾性体膜取付具
2 台座
3 突き上げ部材
4 押さえ部材
31、31V1、31V2 粉体材料噴霧装置(定量フィーダ装置)
32 粉体貯留ホッパー
32a 粉体貯留ホッパーの排出口
33 分散室
h1 台座の中空
h2 突き上げ部材の中空
h3 押さえ部材の中空
h8 弾性体膜の孔部(スリット孔)
Cv 突起
Dv V溝
Et 弾性体膜
P3 突き上げ部材の傾斜面
T、T1、T2 導管

Claims (4)

  1. 中空を有する台座と、
    前記台座の表面上に起立するように設けられ、その外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている、中空を有する突き上げ部材と、
    前記突き上げ部材の外周よりやや大きめの中空を有する押さえ部材とを備え、
    前記台座の表面には、前記台座に形成された中空の外方の、前記突き上げ部材の外周より外側の位置に、前記台座に形成された中空をリング状に取り囲むように設けられたV溝が形成されており、
    前記押さえ部材の、前記台座に向き合う表面には、前記台座の表面に設けられたV溝に嵌まり合うように、且つ、リング形状の、V字形状の突起が設けられており、
    前記台座の表面に、突き上げ部材を載置し、
    前記突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、
    前記突き上げ部材及び前記弾性体膜をともに覆うように、前記押さえ部材を前記台座に対して締め付けることで、
    前記弾性体膜を、前記突き上げ部材により、前記押さえ部材方向に突き上げすることにより、その内方側から外周側に引き伸ばした状態にし、
    前記突き上げ部材により引き伸ばされた弾性体膜の外周部分を、前記突き上げ部材の外周と、前記押さえ部材の中空を形成する面との間に挟持するとともに、
    前記台座の表面に設けられたV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられたV字形状の突起との間でさらに引き伸ばしながら挟持するようにしている、弾性体膜取付具。
  2. 一端と他端とを備える導管と、
    前記導管の途中に接続された粉体貯留ホッパーとを備え、
    前記粉体貯留ホッパーの排出口に、請求項に記載の弾性体膜取付具を取付け、
    前記弾性体膜取付具に取り付ける弾性体膜として、貫通孔を有する弾性体膜を取付け、
    前記導管の一端から、正圧の脈動空気振動波を供給し、
    前記貫通孔を有する弾性体膜を振動させることで、前記粉体貯留ホッパー内に収容された粉体材料を、前記導管内に排出し、
    前記導管内で、前記導管内に排出された粉体材料を、前記導管内に供給されている、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散し、
    前記導管の他端から、前記正圧の脈動空気振動波に混和し、分散された粉体材料を噴霧するようにした、粉体材料噴霧装置。
  3. 前記弾性体膜取付具の下方に、分散室を設け、
    前記導管を、その途中において、分散室を経由するように設け、
    前記導管の一端から供給される、正圧の脈動空気振動波が、前記分散室の下方の位置で、前記分散室内に、概ね、接線方向から導入され、
    前記分散室の上方の位置で、前記分散室から、概ね、接線方向に、前記導管の他端側に、排出されるようにされている、請求項に記載の粉体材料噴霧装置。
  4. 前記粉体材料が、圧縮成形時に用いられる滑沢剤または離型剤である、請求項又は請求項に記載の粉体材料噴霧装置。
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