JP3861800B2 - 回路板製造用基材処理装置及び基材たるみ検出方法 - Google Patents

回路板製造用基材処理装置及び基材たるみ検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板用内層材の製造時等において行われる、長尺のシート状基材に回路板を製造するための薬液による処理を施す際に用いる回路板製造用基材処理装置及び基材たるみ検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多層プリント配線板用内層材として使用する回路板は、所定サイズ(例えば500mm角等)の銅張積層板等のシート状基材の表面に感光性材料を配設し、露光処理、現像処理を経てシート状基材上にレジストパターンを形成し、次いでエッチング液を用いたエッチング処理、剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理を経て、シート状基材の表面に導体回路を形成して製造している。その際、現像処理、エッチング処理、エッチングレジスト剥離処理等の工程では、複数の搬送ロールによって1枚ずつ搬送されているシート状基材に、薬液を噴射して処理することが行われている。
【0003】
近年、多層プリント配線板の薄型化に伴い、銅張積層板等が長尺のシート状基材として供給されるようになり、長尺のシート状基材を長手方向に搬送しながら、薬液による処理や乾燥処理を施して、回路板を製造することが行われるようになってきている。例えば、特開2001−127402号公報(特許文献1)には、長尺のシート状基材に薬液処理や乾燥処理を施して回路板を製造する際に使用する回路板製造用基材処理装置として、図5に示すものが開示されている。図5に示す回路板製造用基材処理装置では長尺のシート状基材1の搬送路が設定されていて、搬送路の上流側から順に基材繰出部3、繰出側のアキュームレータ4a、現像部2a、エッチング部2b、中間のアキュームレータ4b、剥離部2c、乾燥部2d、巻取側のアキュームレータ4c、基材巻取部5が配設されている。そして、この回路板製造用基材処理装置では、長尺のシート状基材1として、両面金属箔張積層板の表面にドライフィルム等の感光性材料を配設し、この感光性材料にレジストパターン形成用の露光処理を施したものを使用する。この長尺のシート状基材1を、基材繰出部3の基材繰出リール6にセットして、そこから搬送路に繰出すと共に、搬送路で回路板を製造するための各種処理を施した後、基材巻取部5の基材巻取リール7に巻き取るようにしている。なお、基材繰出リール6と、基材巻取リール7とは、駆動源からの駆動力によって回転駆動可能な支軸に取り付けている。
【0004】
各種処理については、まず、現像部2aで、シート状基材1に、現像液8を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、露光処理が施されている感光性材料を現像して、レジストパターンを形成する。次に、エッチング部2bで、シート状基材1にエッチング液10を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、露出している金属箔を除去する。次に、剥離部2cで、シート状基材1に剥離液11を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、シート状基材1の表面に残存する感光性材料の硬化物(エッチングレジスト)を除去する。次に、乾燥部2dで、薬液による処理を終えたシート状基材1を乾燥するようにしている。
【0005】
上記の各処理部(2a、2b、2c、2d)には、回転することにより搬送路上のシート状基材1を搬送する搬送ロール12が複数本、搬送路の上下に配設され、各処理部の搬送ロール12は、各処理部にそれぞれ備えているモータ(13a、13b、13c、13d)で駆動されるようになっている。そして、現像部2aのモータ13aとエッチング部2bのモータ13bとは、回転速度の制御が連動しているのが一般的である。また、剥離部2cのモータ13cと乾燥部2dのモータ13dとは、回転速度の制御が連動しているのが一般的である。そして、現像部2a及びエッチング部2bに備わるモータ13a、13bと、剥離部2c及び乾燥部2dに備わるモータ13c、13dとは、回転速度の制御は独立して行うのが一般的である。中間のアキュームレータ4dに備わる、昇降自在なバランスロール14(ダンサーロールとも呼ばれる)の位置によって、後工程である剥離部2c及び乾燥部2dに備わるモータ13c、13dの回転速度の調整を行って、前工程(現像部2aとエッチング部2b)でのシート状基材1の搬送速度と、後工程(剥離部2cと乾燥部2d)でのシート状基材1の搬送速度をバランスさせるようになっている。
【0006】
そして、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送している長尺のシート状基材1には、それら複数の搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている。すなわち、現像部2a及びエッチング部2bに備わる複数の搬送ロール12はその回転速度の制御が連動していて、これらの搬送ロール12の両側には、繰出側のアキュームレータ4aに備わるバランスロール14と、中間のアキュームレータ4bに備わるバランスロール14が配設されていて、搬送しているシート状基材1には両側からこれらバランスロール14の荷重がかかるようになっている。同様に、剥離部2c及び乾燥部2dに備わる複数の搬送ロール12はその回転速度の制御が連動していて、これらの搬送ロール12の両側には、中間のアキュームレータ4bに備わるバランスロール14と巻取側のアキュームレータ4cに備わるバランスロール14が配設されていて、搬送しているシート状基材1には両側からこれらバランスロール14の荷重がかかるようになっている。
【0007】
なお、各バランスロール14は、その上方に配設されていて、シート状基材1の移動に連動して回転するフリーロール15、15間にあって、昇降自在となっている。
【0008】
上記の回路板製造用基材処理装置の問題点について、後工程(剥離部2cと乾燥部2d)を示す概略図である図6、図7に基いて説明する。図6、図7に示す回路板製造用基材処理装置では、剥離部2c及び乾燥部2dに備わる搬送ロール12は、制御部16bに接続されているモータ13c又は13dによって駆動される。そして、剥離部2cと乾燥部2dに備わる搬送ロール12は、制御部16bの操作によって回転速度の制御は連動して行う。
【0009】
その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12中の一部が、図6に示すように、膨潤等によってロール径が大きくなった場合には、複数の搬送ロール12の中間で搬送しているシート状基材1にたるみが発生して、基材折れ、基材切断等のトラブルが生じることがあった。また、例えば図7に示すように、剥離部2cと乾燥部2dにそれぞれ備わるモータ13c、13dで駆動される、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12中の一部の表面に、薬液成分の結晶等が付着する等して、搬送しているシート状基材1に下流にある巻取側アキュームレータ4cに備わるバランスロール14の荷重による張力が伝わらない部分が生じた場合には、やはり、複数の搬送ロール12の途中で搬送しているシート状基材1にたるみが発生して、基材折れ、基材切断等のトラブルが生じることがあった。
【0010】
そして、回路板を製造するための薬液による処理(現像処理、エッチング処理、エッチングレジスト剥離処理等)は、シート状基材1の出入り口以外は密閉された状態の処理部で行われるので、搬送しているシート状基材1にたるみが発生していても、外部から基材たるみの発生を検出することは困難であるのが現状である。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−127402号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールで長尺のシート状基材を搬送しながら、回路板を製造するための薬液による処理を行っているときに、搬送しているシート状基材にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる基材たるみ検出方法を提供すること及びその回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールで長尺のシート状基材を搬送しながら、回路板を製造するための薬液による処理を行っているときに、搬送しているシート状基材にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる回路板製造用基材処理装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールによって、長手方向に搬送していて、前記複数の搬送ロールの両側にそれぞれ配設しているバランスロールによる荷重がかけられている長尺のシート状基材に、回路板を製造するための薬液による処理を施す回路板製造用基材処理装置であって、
前記複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び前記複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、各フリーロールを所定時間内に通過したシート状基材の長さを検出する長さ検出手段をそれぞれのフリーロールに付設していて、
これらの長さ検出手段によって検出した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしている回路板製造用基材処理装置である。
【0014】
請求項2に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、前記複数の搬送ロールと、その下流側にあって長さ検出手段を付設しているフリーロールとの間に、開閉自在であって、閉じた際にシート状基材を挟み込んで、牽引することのできる駆動可能なピンチロールを設けていて、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、ピンチロールを閉じると共に駆動させて、前記複数の搬送ロールで搬送されているシート状基材をこのピンチロールで牽引しながら、ピンチロールの下流側に送り出すようにしていることを特徴とする請求項1記載の回路板製造用基材処理装置である。
【0015】
請求項3に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、前記長さ検出手段が、フリーロールの軸に付設したエンコーダを用いた長さ検出手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路板製造用基材処理装置である。
【0016】
請求項4に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、回路板を製造するための薬液による処理が、現像液を用いた現像処理、エッチング液を用いたエッチング処理及び剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理からなる群の中から選ばれた少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の回路板製造用基材処理装置である。
【0017】
請求項5に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(2T)から下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)を差し引いた差(2T−A)をタルミ量とし、このタルミ量と、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)とを下記式に代入して得られた値(H)が、所定値以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の回路板製造用基材処理装置である。
【0018】
【数3】
Figure 0003861800
【0019】
請求項6に係る発明の回路板製造用基材処理装置は、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)が、シート状基材の搬送方向における搬送ロールのロール間ピッチに等しくなるようにしていることを特徴とする請求項5記載の回路板製造用基材処理装置である。
【0020】
請求項7に係る発明の基材たるみ検出方法は、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールによって、長手方向に搬送していて、前記複数の搬送ロールの両側にそれぞれ配設しているバランスロールによる荷重がかけられている長尺のシート状基材に、回路板を製造するための薬液による処理を施す際に発生する基材たるみを検出する基材たるみ検出方法であって、
前記複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び前記複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、同一時期の同一所定時間内に各フリーロールを通過したシート状基材の長さをそれぞれのフリーロールに付設した長さ検出手段で検出し、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差によって、基材たるみの発生を検出するようにした基材たるみ検出方法である。
【0021】
請求項8に係る発明の基材たるみ検出方法は、前記長さ検出手段が、フリーロールの軸に付設したエンコーダを用いた長さ検出手段であることを特徴とする請求項7記載の基材たるみ検出方法である。
【0022】
請求項9に係る発明の基材たるみ検出方法は、長さ検出手段で測定した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定の許容値以上となった際に、基材たるみが発生しているとの警報を発するようにしていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の基材たるみ検出方法である。
【0023】
請求項10に係る発明の基材たるみ検出方法は、回路板を製造するための薬液による処理が、現像液を用いた現像処理、エッチング液を用いたエッチング処理及び剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理からなる群の中から選ばれた少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項7〜請求項9の何れかに記載の基材たるみ検出方法である。
【0024】
請求項11に係る発明の基材たるみ検出方法は、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(2T)から下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)を差し引いた差(2T−A)をタルミ量とし、このタルミ量と、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)とを下記式に代入して得られた値(H)によって、基材たるみの発生を検出するようにしていることを特徴とする請求項7〜請求項10の何れかに記載の基材たるみ検出方法である。
【0025】
【数4】
Figure 0003861800
【0026】
請求項12に係る発明の基材たるみ検出方法は、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)が、シート状基材の搬送方向における搬送ロールのロール間ピッチに等しくすることを特徴とする請求項11記載の基材たるみ検出方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る回路板製造用基材処理装置の一実施の形態の全体を示す概略図であり、図2は、本発明に係る回路板製造用基材処理装置の一実施の形態の要部を示す概略図である。
【0028】
図1に示す回路板製造用基材処理装置では、長尺のシート状基材1として、両面金属箔張積層板の表面にドライフィルム等の感光性材料を配設し、この感光性材料にレジストパターン形成用の露光処理を施したものを使用する。なお、本発明における、薬液による処理を施す長尺のシート状基材1としては、回路板を製造するための薬液による処理の種類に応じて選定すればよく、レジストパターン形成用の露光処理を施したものに限定されるものではない。
【0029】
また、図1に示す回路板製造用基材処理装置では長尺のシート状基材1の搬送路を設定していて、搬送路の上流側から順に基材繰出部3、繰出側のアキュームレータ4a、現像部2a、エッチング部2b、中間のアキュームレータ4b、剥離部2c、乾燥部2d、巻取側のアキュームレータ4c、基材巻取部5を備えている。この回路板製造用基材処理装置では、長尺のシート状基材1を、基材繰出部3の基材繰出リール6にセットして、そこから搬送路に繰出すと共に、搬送路で回路板を製造するための各種処理を施した後、基材巻取部5の基材巻取リール7に巻き取るようにしている。なお、基材繰出リール6と、基材巻取リール7とは、駆動源からの駆動力によって回転駆動可能な支軸(図示せず)に取り付けられている。
【0030】
上記の各処理部(2a、2b、2c、2d)には、回転することにより搬送路上のシート状基材1を搬送する搬送ロール12が複数本、搬送路に配設されている。各処理部の搬送ロール12は、各処理部にそれぞれ備えているモータ(13a、13b、13c、13d)で駆動されて回転するようになっている。複数本の搬送ロール12を同一のモータで駆動するための接続手段については、特に限定はないが、例えば隣接している搬送ロール12同士をベルト等によって接続することによって、最終的に複数本の搬送ロール12が同一のモータで駆動する状態にすることができる。
【0031】
そして、図1に示す回路板製造用基材処理装置では、現像部2aとエッチング部2bにそれぞれ備わるモータ13a、13bは、制御部16aに接続されていて、それらの駆動状態の制御は連動して行われる。従って、現像部2aとエッチング部2bに備わる複数の搬送ロール12(符号Aで示す領域にある搬送ロール12)は、その回転速度の制御を制御部16aによって連動して行うようにしている。また、剥離部2cと乾燥部2dにそれぞれ備わるモータ13c、13dは、制御部16bに接続されていて、それらの駆動状態の制御は連動して行われる。従って、剥離部2cと乾燥部2dに備わる複数の搬送ロール12(符号Bで示す領域にある搬送ロール12)は、その回転速度の制御を制御部16bによって連動して行うようにしている。
【0032】
領域Aにある、回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送されている長尺のシート状基材1に、現像部2aでは現像液8を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、露光処理が施されている感光性材料を現像して、レジストパターンを形成する。次に、エッチング部2bで、シート状基材1にエッチング液10を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、露出している金属箔を除去する。一方、領域Bにある、回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送されている長尺のシート状基材1に、剥離部2cでは剥離液11を両面から噴射し、さらに洗浄水9で洗浄して、シート状基材1の表面に残存する感光性材料の硬化物(エッチングレジスト)を除去する。次に、乾燥部2dで、薬液による処理を終えたシート状基材1を乾燥する。
【0033】
そして、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送している長尺のシート状基材1には、それら複数の搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている。すなわち、現像部2a及びエッチング部2bに備わる複数の搬送ロール12(領域Aにある搬送ロール12)はその回転速度の制御が連動していて、これらの搬送ロール12の両側には、繰出側のアキュームレータ4aに備わるバランスロール14と、中間のアキュームレータ4bに備わるバランスロール14が配設されていて、搬送しているシート状基材1には両側からこれらバランスロール14の荷重がかかるようになっている。同様に、剥離部2c及び乾燥部2dに備わる複数の搬送ロール12(領域Bにある搬送ロール12)はその回転速度の制御が連動していて、これらの搬送ロール12の両側には、中間のアキュームレータ4bに備わるバランスロール14と巻取側のアキュームレータ4cに備わるバランスロール14が配設されていて、搬送しているシート状基材1には両側からこれらバランスロール14の荷重がかかるようになっている。なお、各バランスロール14は、その上方に固定されていて、シート状基材1の移動に連動して回転するフリーロール15、15間にあって、昇降自在となっている。
【0034】
図1に示す回路板製造用基材処理装置は、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送している長尺のシート状基材1に、それら複数の搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている領域が2箇所ある(領域Aと領域B)。本発明の回路板製造用基材処理装置は、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送している長尺のシート状基材1に、それら複数の搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている領域が1箇所あれば適用できるので、以下、この実施形態の回路板製造用基材処理装置の後半部を示している図2によって、さらに説明する。
【0035】
図2に示すように、領域Bではその回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に長尺のシート状基材1を搬送していて、この搬送している長尺のシート状基材1には、領域Bにある搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている。そして、領域Bにある搬送ロール12と、その上流側に配設しているバランスロール14との間及び領域Bにある搬送ロール12とその下流側に配設しているバランスロール14との間にそれぞれ、バランスロール14の上方に固定されていて、シート状基材1に当接していて、シート状基材1の移動に連動して回転するフリーロール15を設けている。そして、所定時間内に搬送ロール12とバランスロール14との間に設けている各フリーロール15を通過したシート状基材1の長さを検出する長さ検出手段17(17c、17d)を、前記フリーロール15のそれぞれに付設している。
【0036】
この実施形態では、長さ検出手段17として、フリーロール15の軸にベルトを介して接続しているエンコーダ18を備えていて、フリーロール15を所定時間内に通過したシート状基材1の長さをエンコーダ18を用いて検出する。このエンコーダ18は、ロータリエンコーダであって、シャフトに装着した円周部に多数のスリットを形成している円盤と、シャフトの回転に伴って回転する円盤のスリットに光線を照射する発光部と、スリットを通過した光線を受光する受光部とを備え、シャフトの回転状態に応じてパルス信号を発生して、シャフトの回転量や回転速度を検出できる機器である。この実施形態では、エンコーダ18のシャフトとフリーロール15の軸とをベルトによって接続しているので、エンコーダ18を用いることによって、フリーロール15を所定時間内に通過したシート状基材1の長さをエンコーダ18を接続している制御部16bで検出することができる。なお、長さ検出手段が、エンコーダ18を用いた長さ検出手段である場合、検出する長さの精度が良好であるという利点がある。
【0037】
そして、長さ検出手段17(17c、17d)からの信号を、制御部16bに送る。そして、これらの信号を基に、制御部16bで、同一時期の同一所定時間内における、領域Bにある搬送ロール12の上流側にあって、長さ検出手段17cを付設しているフリーロール15を通過したシート状基材1の長さと、領域Bにある搬送ロール12の下流側にあって、長さ検出手段17dを付設しているフリーロール15を通過したシート状基材1の長さとを求め、さらに、上流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを差し引いた差を求めるようにしている。また、この差が、所定長さ以上となったときには、搬送しているシート状基材1に基材たるみが発生しているとの信号を制御部16bから発するようにしている。この信号は警報装置(図示せず)で警報を発するのに使用してもよく、また、後述するピンチロール20によるシート状基材1の牽引を開始する信号として使用してもよい。
【0038】
この実施形態の長さ検出手段17は、フリーロール15に付設したエンコーダ18を用いた長さ検出手段であるが、本発明における長さ検出手段17としては、エンコーダ18の代りに例えば回転体をフリーロール15上のシート状基材1に接触させて、所定時間内にフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを、この回転体の回転数を連続的に測定して検出する等の他の手段とすることも可能である。
【0039】
上記で説明した構成を供える回路板製造用基材処理装置であれば、回路板を製造するための薬液による処理(現像処理、エッチング処理、エッチングレジスト剥離処理等)を、シート状基材1の出入り口以外は密閉された状態の処理部で行っているときに、搬送しているシート状基材1にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる。
【0040】
さらに、この実施形態の回路板製造用基材処理装置には、基材たるみが発生したときに、そのたるみを解消するための手段として以下に説明する駆動可能なピンチロール20も備えている。図2に示すように、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12(領域Bにある搬送ロール12)と、その下流側にあって、長さ検出手段17dを付設しているフリーロール15との間に、開閉自在であって、閉じた際にシート状基材1を挟み込んで、牽引することのできる駆動可能なピンチロール20を設けている。そして、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、例えば予め設定した時間だけ、ピンチロール20を閉じると共に駆動させて、搬送ロール12で搬送されているシート状基材1をこのピンチロール20で牽引しながら、ピンチロール20の下流側に送り出すようにしている。
【0041】
同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロール15上を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15上を通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、ピンチロール20によって、ピンチロールの下流側に、通常のライン速度より速い速度で、シート状基材1を送り出すようにピンチロール20の駆動状態を設定すると、発生したシート状基材のたるみを解消することができる。なお、ピンチロール20による牽引を解除するのは、例えば予め設定した時間後としてもよく、また、長さ検出手段17c、17dを用いて、ピンチロール20駆動開始後の上流側のフリーロール15を通過するシート状基材1の状況と、下流側のフリーロール15を通過するシート状基材の状況を検出し、その検出結果に基いて解除してもよく、特に制限はない。
【0042】
このように、この実施形態の基材処理装置によれば、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12で長尺のシート状基材1を搬送しながら、薬液による処理を行う際に、複数の搬送ロール12で搬送しているシート状基材1にたるみが発生しても、そのたるみを解消することが可能となる。
【0043】
図2に基いて、この実施形態の基材処理装置を説明したが、図1に示すように、この実施形態の基材処理装置では、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12によって、長手方向に搬送していて、複数の搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重が両側からかけられている長尺のシート状基材1に、回路板を製造するための薬液による処理を施す部分が全体としては2箇所(領域Aと領域B)あり、それぞれにおいて、上記で説明した構成を備えるようにしている。
【0044】
図1に示す実施形態の基材処理装置では、現像液を用いた現像処理と、エッチング液を用いたエッチング処理と、剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理とを連続して行える処理装置となっているが、本発明の基材処理装置としては、回路板を製造するための何らかの薬液による処理を1種以上行うものであればよく、また、薬液による処理の種類については特に制限はない。
【0045】
以上のように上記の実施形態においては、長さ検出手段17によって検出した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしているが、以下のようにしてもよい。
【0046】
すなわち図3(a)に示すように、上流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さ(これを巻出し量「2T」とする)から下流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さ(これを巻取り量「A」とする)を差し引いた差(2T−A)をタルミ量とすると、通常、このタルミ量は2〜8mm程度の小さな値となり、異常を直感的に認識するのが困難な場合がある。ここで、タルミ量は小さな値であっても、シート状基材1は搬送方向に対してほぼ垂直方向に大きくたわんでいるので、このたわみを直接観察するようにすれば異常を直感的に認識するのが容易となるが、上記のたわみは密閉された状態の処理部(2a、2b、2c、2d)において発生するので、その様子を外部から観察することはできない。そこで、タルミ量「2T−A」と巻取り量「A」を用いて上記のたわみを高さ「H」として数値化すると、異常を直感的に認識することが可能となる。そして、この高さ「H」が所定値(例えば、10mm)以上となったときには、搬送しているシート状基材1に基材たるみが発生しているとの信号を制御部16bから発するようにして、良否判断を行うようにしてもよい。
【0047】
上記の高さ「H」を数値化するにあたっては、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、図3(b)に示すようにシート状基材1の搬送方向における搬送ロール12のロール間ピッチを仮想的に「A」とおくと、たわみは通常、搬送ロール12間の中央付近に発生すると考えられることから、「A」を底辺、「H」を高さとする二等辺三角形を想定することができる。そしてこの二等辺三角形から「T」、「A÷2」、「H」を3辺とする三角形を図3(c)に示すように抜き出すと、この三角形は「T」を斜辺とする直角三角形となって、三平方の定理を利用することができる。つまり、上記直角三角形において次の[数5]が成立し、これを[数6]と変形することができる。
【0048】
【数5】
Figure 0003861800
【0049】
【数6】
Figure 0003861800
【0050】
ここで、既述のとおり2T−A=タルミ量であるから、これを「T」について解くと、T=(A+タルミ量)÷2となる。これを上記の[数6]に代入して「T」を消去すると、下記の[数7]となり、引き続き[数8]のように変形した後に、これを「H」について解くと、最終的には[数9]を得ることができる。
【0051】
【数7】
Figure 0003861800
【0052】
【数8】
Figure 0003861800
【0053】
【数9】
Figure 0003861800
【0054】
そして、タルミ量と、巻取り量「A」とを[数9]に代入することによって、高さ「H」を数値として得ることができるものである。ここで、タルミ量=2mm、8mm、20mm、35mm、55mm、A=180mm(一定)として、高さ「H」を具体的に求めると、表1に示すようになる。また、横軸にタルミ量をとり、縦軸に高さをとって、[数9]をグラフで表すと、図4に示すようになる。なお、H=30mm以上の領域は実用的ではないので破線で表示してある。
【0055】
【表1】
Figure 0003861800
【0056】
図4に示すグラフから明らかなように、タルミ量が小さくなるほどグラフの傾きは大きくなり、特に、タルミ量が数mmとなるところではグラフの傾きは急激に大きくなる。つまり、タルミ量が小さいところでは高さの変化が大きくなるので、良否判断が容易となるものである。
【0057】
なお、高さ「H」を数値化するにあたっては、図3(b)に示すように、シート状基材1の搬送方向における搬送ロール12のロール間ピッチを仮想的に「A」とおいたが、このように巻取り量「A」が、搬送ロール12のロール間ピッチに等しくなるようにしていると、[数9]から計算して得た高さ「H」が、外部からは観察することができない処理部(2a、2b、2c、2d)において実際に発生しているたわみの高さとほぼ等しくなるものであり、計算値からどの程度シート状基材1がたわんでいるかをイメージすることが容易となり、異常を直感的に認識しやすくなるものである。
【0058】
次に、本発明に係る基材たるみ検出方法の実施の形態を、上述した、図2に示す基材処理装置によって説明する。
【0059】
この実施形態の基材たるみ検出方法は、図2に示すように、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロール12(領域Bにある搬送ロール12)によって、長手方向に搬送していて、領域Bにある搬送ロール12の両側にそれぞれ配設しているバランスロール14による荷重がかけられている長尺のシート状基材1に、回路板を製造するための薬液による処理を施す際に使用するものである。なお、本発明の基材たるみ検出方法における回路板を製造するための薬液による処理については、現像液を用いた現像処理、エッチング液を用いたエッチング処理、剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理等が例示できるが、回路板を製造するための何らかの薬液による処理であればよく、薬液による処理の種類については特に制限はない。
【0060】
そして、この実施形態の基材たるみ検出方法では、図2に示すように、領域Bにある搬送ロール12とその上流側に配設しているバランスロール14との間及び領域Bにある搬送ロール12とその下流側に配設しているバランスロール14との間にそれぞれ、シート状基材1に当接していて、シート状基材1の移動に連動して回転するフリーロール15を設けると共に、各フリーロール15を所定時間内に通過したシート状基材1の長さをそれぞれのフリーロール15に付設した長さ検出手段17(17c、17d)で検出する。そして、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロール15上を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15上を通過したシート状基材1の長さを差し引いた差によって、基材たるみの発生を検出するようにしている。どの時点で基材たるみの発生有りと判断するかについては、例えば上記の差し引いた差が、予め決めていた所定長さと以上なったときとする等適宜設定することができる。
【0061】
そして、上記の差し引いた差が、予め決めていた許容値以上となったときに、領域Bにある搬送ロール12の途中に基材たるみが発生しているとの警報用信号を制御部16bから発し、その警報用信号に基いて警報装置(図示せず)で警報を発するようにしておくと、薬液による処理工程で異常が発生したことを、周囲にいる人に知らせることができるので、工程管理等にとって有用である。
【0062】
この実施形態の基材たるみ検出方法では、図2に示すように、フリーロール15に付設した長さ検出手段17は、フリーロール15の軸に付設したエンコーダ18を用いた長さ検出手段としている。このエンコーダ18を用いた長さ検出手段については、基材処理装置の実施の形態の説明で説明したので省略する。また、本発明の基材たるみ検出方法における長さ検出手段17としては、エンコーダ18の代りに例えば回転体をフリーロール15上のシート状基材1に接触させて、所定時間内にフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを、この回転体の回転数を連続的に測定して検出する等の他の手段とすることも可能である。
【0063】
以上説明したように、この実施形態の基材たるみ検出方法によれば、回路板を製造するための薬液による処理(現像処理、エッチング処理、エッチングレジスト剥離処理等)を、シート状基材1の出入り口以外は密閉された状態の処理部で行っている場合に、搬送しているシート状基材1にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる。
【0064】
以上のように上記の実施形態においては、長さ検出手段17によって検出した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さから、下流側のフリーロール15を通過したシート状基材1の長さを差し引いた差によって、基材たるみの発生を検出するようにしているが、以下のようにしてもよい。
【0065】
すなわち既述のように、タルミ量「2T−A」と巻取り量「A」を用いてシート状基材1のたわみを高さ「H」として数値化し、この高さ「H」が所定値以上となったときには、搬送しているシート状基材1に基材たるみが発生しているとの信号を制御部16bから発するようにして、良否判断を行うようにしてもよい。このようにすると、タルミ量が小さいところでは高さの変化が大きくなるので、良否判断が容易となるものである。
【0066】
なお、高さ「H」を数値化するにあたっては、既述のように巻取り量「A」が、搬送ロール12のロール間ピッチに等しくなるようにしていると、[数9]から計算して得た高さ「H」が、外部からは観察することができない処理部(2a、2b、2c、2d)において実際に発生しているたわみの高さとほぼ等しくなるものであり、計算値からどの程度シート状基材1がたわんでいるかをイメージすることが容易となり、異常を直感的に認識しやすくなるものである。
【0067】
【発明の効果】
請求項1〜請求項4に係る発明の回路板製造用基材処理装置では、複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、各フリーロールを所定時間内に通過したシート状基材の長さを検出する長さ検出手段をそれぞれのフリーロールに付設していて、これらの長さ検出手段によって検出した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしているので、請求項1〜請求項4に係る発明の回路板製造用基材処理装置によれば、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールで長尺のシート状基材を搬送しながら、回路板を製造するための薬液による処理を行っているときに、搬送しているシート状基材にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる。
【0068】
請求項2に係る発明の回路板製造用基材処理装置では、複数の搬送ロールと、その下流側にあって長さ検出手段を付設しているフリーロールとの間に、開閉自在であって、閉じた際にシート状基材を挟み込んで、牽引することのできる駆動可能なピンチロールを設けていて、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、ピンチロールを閉じると共に駆動させて、搬送ロールで搬送されているシート状基材をこのピンチロールで牽引しながら、ピンチロールの下流側に送り出すようにしているので、請求項2に係る発明の回路板製造用基材処理装置によれば、上記の請求項1、請求項3、請求項4に係る発明の効果に加えて、シート状基材を搬送しながら、薬液による処理を行う際に、搬送しているシート状基材にたるみが発生しても、そのたるみを解消することが可能となり、搬送している長尺のシート状基材に、たるみが原因による基材折れや基材切断等のトラブルが発生することを防止することが可能となるという効果も奏する。
【0069】
請求項5に係る発明の回路板製造用基材処理装置によれば、上記の請求項1〜請求項4に係る発明の効果に加えて、タルミ量が小さいところでは高さの変化が大きくなることによって、良否判断が容易となるものである。
【0070】
請求項6に係る発明の回路板製造用基材処理装置によれば、上記の請求項5に係る発明の効果に加えて、[数1]から計算して得られた高さ「H」が、実際に発生しているたわみの高さとほぼ等しくなり、どの程度シート状基材がたわんでいるかをイメージすることが容易となるものである。
【0071】
請求項7〜請求項10に係る発明の基材たるみ検出方法では、複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、同一時期の同一所定時間内に各フリーロールを通過したシート状基材の長さを、それぞれのフリーロールに付設した長さ検出手段で検出し、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差によって、基材たるみの発生を検出するようにしているので、請求項7〜請求項10に係る発明の基材たるみ検出方法によれば、その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールで長尺のシート状基材を搬送しながら、回路板を製造するための薬液による処理を行っているときに、搬送しているシート状基材にたるみが発生しているか否かを容易に検出することができる。
【0072】
請求項9に係る発明の基材たるみ検出方法では、長さ検出手段で測定した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定の許容値以上となった際に、基材たるみが発生しているとの警報を発するようにしているので、請求項9に係る発明の基材たるみ検出方法によれば、上記の請求項7、請求項8、請求項10に係る発明の基材処理方法の効果に加えて、警報によって、薬液による処理工程で異常が発生したことを、周囲にいる人に知らせることができるという効果も奏する。
【0073】
請求項11に係る発明の基材たるみ検出方法によれば、上記の請求項7〜請求項10に係る発明の基材処理方法の効果に加えて、タルミ量が小さいところでは高さの変化が大きくなることによって、良否判断が容易となるものである。
【0074】
請求項12に係る発明の基材たるみ検出方法によれば、上記の請求項11に係る発明の基材たるみ検出方法の効果に加えて、[数1]から計算して得られた高さ「H」が、実際に発生しているたわみの高さとほぼ等しくなり、どの程度シート状基材がたわんでいるかをイメージすることが容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路板製造用基材処理装置の一実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明の回路板製造用基材処理装置の一実施の形態の要部を示す概略図である。
【図3】巻取り量「A」、巻出し量「2T」、タルミ量「2T−A」、高さ「H」の長さの関係を示すものであり、(a)は巻取り量「A」、巻出し量「2T」、タルミ量「2T−A」の長さの関係を示す説明図、(b)は巻取り量「A」が搬送ロールのロール間ピッチに等しいと仮想したときの巻取り量「A」、高さ「H」、巻出し量「2T」の長さの関係を示す説明図、(c)は三平方の定理によって高さ「H」を計算するために用いた直角三角形を示す説明図である。
【図4】タルミ量と高さの関係を示すグラフである。
【図5】従来の回路板製造用基材処理装置の概略図である。
【図6】従来の回路板製造用基材処理装置の要部を示す概略図である。
【図7】従来の回路板製造用基材処理装置の要部を示す他の概略図である。
【符号の説明】
1 シート状基材
2a 現像部
2b エッチング部
2c 剥離部
2d 現像部
3 基材繰出部
4a 繰出側のアキュームレータ
4b 中間のアキュームレータ
4c 巻取側のアキュームレータ
6 基材繰出リール
7 基材巻取リール
8 現像液
9 洗浄水
10 エッチング液
11 剥離液
12 搬送ロール
13a、13b、13c、13d モータ
14 バランスロール
15 フリーロール
16a、16b 制御部
17、17a、17b、17c,17d 長さ検出手段
18 エンコーダ
20 ピンチロール
A、B 領域

Claims (12)

  1. その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールによって、長手方向に搬送していて、前記複数の搬送ロールの両側にそれぞれ配設しているバランスロールによる荷重がかけられている長尺のシート状基材に、回路板を製造するための薬液による処理を施す回路板製造用基材処理装置であって、
    前記複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び前記複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、各フリーロールを所定時間内に通過したシート状基材の長さを検出する長さ検出手段をそれぞれのフリーロールに付設していて、
    これらの長さ検出手段によって検出した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしている回路板製造用基材処理装置。
  2. 前記複数の搬送ロールと、その下流側にあって長さ検出手段を付設しているフリーロールとの間に、開閉自在であって、閉じた際にシート状基材を挟み込んで、牽引することのできる駆動可能なピンチロールを設けていて、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定長さ以上となったときに、ピンチロールを閉じると共に駆動させて、前記複数の搬送ロールで搬送されているシート状基材をこのピンチロールで牽引しながら、ピンチロールの下流側に送り出すようにしていることを特徴とする請求項1記載の回路板製造用基材処理装置。
  3. 前記長さ検出手段が、フリーロールの軸に付設したエンコーダを用いた長さ検出手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路板製造用基材処理装置。
  4. 回路板を製造するための薬液による処理が、現像液を用いた現像処理、エッチング液を用いたエッチング処理及び剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理からなる群の中から選ばれた少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の回路板製造用基材処理装置。
  5. 上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(2T)から下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)を差し引いた差(2T−A)をタルミ量とし、このタルミ量と、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)とを下記式に代入して得られた値(H)が、所定値以上となったときに、基材たるみが発生しているとの信号を発するようにしていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の回路板製造用基材処理装置。
    Figure 0003861800
  6. 下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)が、シート状基材の搬送方向における搬送ロールのロール間ピッチに等しくなるようにしていることを特徴とする請求項5記載の回路板製造用基材処理装置。
  7. その回転速度の制御が連動している複数の搬送ロールによって、長手方向に搬送していて、前記複数の搬送ロールの両側にそれぞれ配設しているバランスロールによる荷重がかけられている長尺のシート状基材に、回路板を製造するための薬液による処理を施す際に発生する基材たるみを検出する基材たるみ検出方法であって、
    前記複数の搬送ロールとその上流側に配設しているバランスロールとの間及び前記複数の搬送ロールとその下流側に配設しているバランスロールとの間にそれぞれ、シート状基材に当接していて、シート状基材の移動に連動して回転するフリーロールを設けると共に、同一時期の同一所定時間内に各フリーロールを通過したシート状基材の長さをそれぞれのフリーロールに付設した長さ検出手段で検出し、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差によって、基材たるみの発生を検出するようにした基材たるみ検出方法。
  8. 前記長さ検出手段が、フリーロールの軸に付設したエンコーダを用いた長さ検出手段であることを特徴とする請求項7記載の基材たるみ検出方法。
  9. 長さ検出手段で測定した、同一時期の同一所定時間内における、上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さから、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さを差し引いた差が、所定の許容値以上となった際に、基材たるみが発生しているとの警報を発するようにしていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の基材たるみ検出方法。
  10. 回路板を製造するための薬液による処理が、現像液を用いた現像処理、エッチング液を用いたエッチング処理及び剥離液を用いたエッチングレジスト剥離処理からなる群の中から選ばれた少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項7〜請求項9の何れかに記載の基材たるみ検出方法。
  11. 上流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(2T)から下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)を差し引いた差(2T−A)をタルミ量とし、このタルミ量と、下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)とを下記式に代入して得られた値(H)によって、基材たるみの発生を検出するようにしていることを特徴とする請求項7〜請求項10の何れかに記載の基材たるみ検出方法。
    Figure 0003861800
  12. 下流側のフリーロールを通過したシート状基材の長さ(A)が、シート状基材の搬送方向における搬送ロールのロール間ピッチに等しくすることを特徴とする請求項11記載の基材たるみ検出方法。
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