JP3861496B2 - 2段式分光器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分解能が改善された2段式分光器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2段式分光器の一例を図11に示す。
図11において、符号1は光源、符号2Aは入射スリット、符号2Bは出射スリット、符号2C、2Dは中間スリット、符号3は凹面鏡(入射部材)、符号4は回折格子、符号50は直角プリズム、符号60はレンズ、符号7は折り返し反射手段、符号8は受光器である。
以下の説明において、図面では凹面鏡3が2個設けられているように記載されているが、これは説明の便宜のためであり、実際は1個の凹面鏡であっても差し支えない。
【0003】
この2段式分光器では、光源1から出射された光が同一の回折格子4で2回回折され、出力光として受光器8に入射される。
[1回目の回折]
光源1から出射された広い波長帯域の源入射光1aは、入射スリット2Aを通過して凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射されて1回目入射光1bとして回折格子4に入射し、この回折格子4よって回折される。このとき1回目入射光1bは、波長によって、回折格子面内の格子と直角な方向(x軸)に対して異なる角度で反射される。そして1回目入射光1bのうち、格子と平行な軸(y軸)を回転軸とする回折格子4の回転角によって決まる特定の波長成分が、1回目出射光1cとして凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射され、反射光のうち中間スリット2Cを通過した波長成分がレンズ60を透過した後、折り返し反射手段入射光1dとして折り返し反射手段7に入射する。この従来例で、折り返し反射手段7は直角プリズム50からなっている。
【0004】
[2回目の回折]
前記折り返し反射手段7によって反射された折り返し反射手段出射光1eは、レンズ60を透過したのち、中間スリット2Dを通過した光が凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射された光が2回目入射光1fとして、再び前記の回折格子4に入射し回折される。このとき、2回目入射光1fは、波長によってx軸に対して異なる角度で反射され、回折格子4の回転角によって決まる特定の波長成分が2回目出射光1gとして凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射され、反射光のうち出射スリット2Bを通過した波長成分だけが出力光1hとして受光器8に入射し、これによって狭い波長帯域の光を得ることができる。
【0005】
従来の2段式分光器において、前記の折り返し反射手段7は直角プリズムではなく、平面鏡を組合わせて構成される場合もある。その一例を、凹面鏡を1枚用いた場合について図15に示す。
図15において、符号1は光源、符号2Aは入射スリット、符号2Bは出射スリット、符号2Cは中間スリット、符号3は凹面鏡、符号4は回折格子、符号6B、6C、6Dは平面鏡、符号7は折り返し反射手段、符号8は受光器である。
【0006】
この2段式分光器では、光源1から出射された広い波長帯域の源入射光1aは入射スリット2Aを通過して凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射されて1回目入射光1bとして回折格子4に入射し、この回折格子4よって回折される。このとき1回目入射光1bは、波長によって、回折格子面内の格子と直角な方向(x軸)に対して異なる角度で反射される。そして1回目入射光1bのうち、格子と平行な軸(y軸)を回転軸とする回折格子4の回転角によって決まる特定の波長成分が、1回目出射光1cとして凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射され折り返し反射手段入射光1dとして折り返し反射手段7に入射する。この従来例で、折り返し反射手段7は2枚の平面鏡6C、6Dと中間スリット2Cとからなっている。
【0007】
折り返し反射手段7を構成する平面鏡6Cで反射され、中間スリット2Cを通過し、平面鏡6Dで再び反射された光は、折り返し反射手段出射光1eとして凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射された光が2回目入射光1fとして、再び前記の回折格子4に入射し回折される。このとき、2回目入射光1fは、波長によってx軸に対して異なる角度で反射され、回折格子4の回転角によって決まる特定の波長成分が2回目出射光1gとして凹面鏡3に入射し、凹面鏡3で反射され、平面鏡6Bで反射され、反射光のうち出射スリット2Bを通過した波長成分だけが出力光1hとして受光器8に入射する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の2段式分光器においては、例えば図11で示した例について説明すると、折り返し反射手段入射光1dは、図12に示すように、回折格子4によって分散された波長の広がりの方向である光の分散方向X(図中、矢印が短波長側から長波長側に向いた2点鎖線で示す)が、中間スリット2Cのスリット孔2cの長さ方向であるY方向と直交している。すなわち、スリット孔2cの幅S方向に、例えば紫色光などの短波長光P側から例えば赤色光などの長波長光R側にかけての波長帯が分散している。
【0009】
この折り返し反射手段入射光1dは、図13に示すように、前記折り返し反射手段7に入射し、直角プリズム50によって2回反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとして出射される。このとき、光の分散方向Xは直角プリズム50を通過する過程で変化しない。また図15に示した2段式分光器においても、折り返し反射手段入射光1dは、前記折り返し反射手段7に入射し、平面鏡6C、6Dで2回反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとして出射される過程で光の分散方向Xは変化しない。従って、従来の2段式分光器による分光においては、1回目出射光1cと2回目入射光1fの光の分散方向Xは同一方向となっている。すなわち、回折格子4は同一分散方向Xの光を2回回折することとなり、この点で波長分解能に限界があった。
【0010】
また、これら従来の2段式分光器においては、折り返し反射手段7において直角プリズム50または2枚の平面鏡6C、6Dにおける二つの反射点の距離に起因して、回折格子4における分光に際して、1回目と2回目の前記入出射光の、回折格子の格子面に対する角度が変化する。この状態では光源1から受光器8に至る光路の構成が困難になるため、分光器内の光学系、特に凹面鏡3の焦点距離を十分に延ばして実質的に前記2回の入出射光の格子面に対する角度を近似的に同一とする必要があった。このため2段式分光器が実質的にかなり長くなるという問題もあった。
【0011】
さらに、2段式分光器において迷光を除去して十分な近傍ダイナミックレンジを得るためには、光路に挿入された複数のスリットのスリット幅や設置位置の精密な調整を必要とする。しかし従来の2段式分光器においては、回折波長を選択するため回折格子4を回転すると、その都度、光路の各経路に挿入されたスリット系を調整しなおす必要があって調整が煩雑であるという問題もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、十分な波長分解能が得られ、2段式分光器の実質長さを短縮し、またスリット系の調整を簡易化して良好な近傍ダイナミックレンジを得る2段式分光器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の2段式分光器は、源入射光を回折格子に1回目入射光として入射させ、得られた1回目出射光を折り返し反射手段において反射させたのち、再び前記回折格子に2回目入射光として入射させ、特定の波長を有する光のみを出力光として出力させる2段式分光器において、前記の折り返し反射手段は、光の分散方向を反射の前後で反転させる手段を有し、入射する光の前記分散方向と直交する直交方向の成分を反転する第1反射部材と、当該第1反射部材を介した光の前記直交方向の成分を反転する第2反射部材とを含み、前記回折格子が回転する際に生じる光の分散方向と直交する方向の変動を相殺するものであり、前記回折格子の格子面に対する前記2回目入射光の角度を、前記回折格子の格子面に対する前記1回目出射光の角度に一致させるものであることを特徴としている。
本発明によれば、回折格子は光をそれぞれ異なる分散方向で2回回折することとなり、十分な波長分解能が得られるようになる。また、分光器内の光学系、特に凹面鏡の焦点距離を短縮することができ、2段式分光器の実質長さが短縮される。更に、回折格子が回転しても前記回折格子から出射される1回目出射光の格子面に対する角度と回折格子に入射する2回目入射光の格子面に対する角度とを一致させることができ、スリットの調整を容易にすることができる。
【0015】
また、本発明の2段式分光器は、前記折り返し反射手段が、光の分散方向と直交する方向を反射の前後で同一とするものであることを特徴としている。この発明によれば、回折格子に入出射する1回目および2回目の光路を一致させることができ、波長分解能を更に高めることができる。
【0016】
また、本発明の2段式分光器は、前記源入射光を前記1回目入射光として前記回折格子に入射させる入射部材を備え、前記折り返し反射手段が、1回目の分光器通過の際に前記入射部材で生じる光の収差を、2回目の分光器通過において相殺するものであることを特徴としている。
【0019】
また、本発明の2段式分光器は、源入射光を制限する入射スリットと、出力光を制限する出射スリットとをそれぞれ独立に設けたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面を参照し実施例を示して詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の2段式分光器の一例を示した図である。図1において、符号1は光源であり、この2段式分光器で測定される被測定光である。符号2Aは入射スリット、符号2Bは出射スリット、符号2C、2Dは中間スリットであり、符号3は凹面鏡、符号4は回折格子、符号7は折り返し反射手段、符号8は光出力の受光器である。
【0021】
本発明の2段式分光器が、従来の2段式分光器と異なるところは、折り返し反射手段7が、光の分散方向Xを反射の前後で反転させるものであることである。
この2段式分光器では、折り返し反射手段7は、光の分散方向Xを反転させることが可能である任意の手段とされる。
【0022】
この実施例の2段式分光器において、入射スリット2Aは、光源1と凹面鏡3との間に設けられて入力スリットとされるものであり、出射スリット2Bは、凹面鏡3と受光器8との間に設けられて2回目出射光1gから特定の波長を選択し、2段式分光器の分解波長を選択するものである。
また、中間スリット2C、2Dは、凹面鏡3と折り返し反射手段7との間に設けられて2回目の回折における回折波長を選択するものである。
【0023】
これら入出射スリット2A、2Bおよび中間スリット2C、2Dは、これらに設けられているスリット穴の幅や位置などを、2段式分光器の波長分解能や近傍ダイナミックレンジなどに応じて調整して使用する。
この入出射スリット2A、2Bおよび中間スリット2C、2Dに使用されるスリットとしては、分光器などに一般に使用されているものを用いることができ、とくに限定されないが、平スリット、切替式スリット、可変式スリットなどが好ましい。
【0024】
本発明の2段式分光器による未知のスペクトルを有する光の分光では、従来の2段式分光器と同様に、1回目の回折および2回目の回折が行われたのち、出力光1hとして出射され、受光器8に出力されることにより分光される。
【0025】
分光時における折り返し反射手段入射光1dの分散方向Xは、回折格子4により波長毎に異なる角度で反射される際に決定される。
この折り返し反射手段入射光1dは、波長が短い方向に分散している短波長光Pおよび波長が長い方向に分散している長波長光Rを有し、その分散方向Xが、図2に示すように、折り返し反射手段7から見て右側を長波長光R、左側を短波長光Pとされた状態で、折り返し反射手段7に入射されて、反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとされる。
【0026】
このようにして得られた折り返し反射手段出射光1eの短波長光Pおよび長波長光Rの折り返し反射手段7から見た位置は、右側が短波長光P、左側が長波長光Rとされ、前記折り返し反射手段入射光1dを反転させた状態とされる。すなわち、光の分散方向Xは、折り返し反射手段7による反射の前後で反転される。
【0027】
このような2段式分光器においては、光の分散方向Xを反射の前後で反転させる折り返し反射手段7を備えてなるものであるので、分光するに際し、折り返し反射手段入射光1dを、折り返し反射手段7に反射させることによって、光の分散方向Xが反転された折り返し反射手段出射光1eとなり、2回目の分光器の通過によりさらに回折されるため、波長分解能を向上させることができるものとなる。
【0028】
すなわち、この2段式分光器による分光においては、前記折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段7によって反射された折り返し反射手段出射光1eの光の分散方向Xは、反転された方向となるため、1回目出射光1cと2回目入射光1fの分散方向Xは、異なるものとなる。
このため、1回目出射光1cと2回目入射光1fの分散方向Xは、回折格子4から見た場合においては、1回目出射光1cを進行方向と逆向きから見ることになり、逆となる。
【0029】
この2段式分光器の波長分解能Δλは、回折次数をm、凹面鏡3の焦点距離をf、出力光1hを出射する出射スリット2Bのスリット孔2cの幅をSとし、図14に示すように、回折格子4の溝4a間隔をd、回折格子4から出射される2回目出射光1gと1回目入射光1bとによって形成される面70と、回折格子4の面に対する法線20とがなす角度をα(2回目出射光1gと法線20とがなす角度および1回目入射光1bと法線20とがなす角度はαである)としたとき、以下の式(i)で得られる。
Δλ=(d/(2・m・f))・S・cosα ・・・(i)
【0030】
この2段式分光器における式(i)で示される波長分解能は、従来の2段式分光器における下記式(ii)で示される波長分解能と比較すると、前記式(i)中におけるcosαが、式(ii)中におけるcosβと同一値であれば、1/2となる。
Δλ=(d/(m・f))・S・cosβ ・・・(ii)
すなわち、この2段式分光器では、分光するに際し、折り返し反射手段7によって、折り返し反射手段入射光1dの分散方向Xが反転されるため、回折格子4から見た、1回目出射光1cと2回目入射光1fとの分散方向Xは、逆となるので、回折格子4によって反射される角度が1回目および2回目の回折において同じとなり、例えば、前記式(i)中におけるcosαと前記式(ii)中におけるcosβとの値を同一とした場合、従来の2段式分光器と比較して、波長分解能が1/2である優れた2段式分光器となる。
このように、光の分散方向Xを、折り返し反射手段7によって反転させることで、波長分解能を向上させることができる。
【0031】
また、この2段式分光器は、2回の回折による波長選択性が向上するとともに、中間スリット2C、2Dが備えられているものであるので、前記中間スリット2C、2Dにより迷光を除去することができ、近傍ダイナミックレンジを向上させることができるものとなる。
【0032】
(実施例2)
図3は、本発明の2段式分光器の第2の例を示した図である。
図3において、符号1は光源であり、符号2Aは入射スリット、2Bは出射スリット、符号2Eは中間スリット、符号3は凹面鏡、符号4は回折格子、符号7は折り返し反射手段、符号8は受光器である。
この2段式分光器は、折り返し反射手段7が、回折格子4によって分光される際の入出射光の角度を、1回目および2回目の回折において同一とするものである。
【0033】
このような2段式分光器に備えられている折り返し反射手段7としては、例えば、図5に示すように、光を反射させる平面鏡9a、9b、9c、9dと、中間スリット2Eとからなる手段などが好ましく使用される。
ここでの平面鏡9a、9dは、図3に示すように、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとが平行となるように、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となるように配置されている。
また、中間スリット2Eは、平面鏡9bと平面鏡9cとの間に、凹面鏡3の焦点位置と同様の位置となるように備えられている。
【0034】
この2段式分光器による光の分光では、実施例1の2段式分光器と同様に、1回目の回折および2回目の回折が行われたのち、出力光1hとして出射され、受光器8に出力されることにより分光される。
【0035】
この分光時における折り返し反射手段入射光1dは、図5に示すように、折り返し反射手段7に入射され、平面鏡9aおよび平面鏡9bで反射されたのち、中間スリット2Eに入射される。
そして、この中間スリット2Eに入射された光は、中間スリット2Eのスリット孔2cの幅Sで制限される波長分解能で波長選択されたのち、平面鏡9cを介して平面鏡9dで反射されて、折り返し反射手段出射光1eとされる。
【0036】
このとき、折り返し反射手段入射光1dは、その分散方向Xが、図5に示すように、右側を長波長光R、左側を短波長光Pとされた状態で、折り返し反射手段7に入射され、平面鏡9a、9b、9c、9dで反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとされる。
そして、得られた折り返し反射手段出射光1eの短波長光Pおよび長波長光Rの位置は、図5に示すように、右側が短波長光P、左側が長波長光Rとされ、前記折り返し反射手段入射光1dを反転させた状態とされる。すなわち、光の分散方向Xは、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30の延長面から見て、折り返し反射手段7による反射の前後で反転される。
【0037】
また、この2段式分光器による分光においては、折り返し反射手段7によって、折り返し反射手段出射光1eは、折り返し反射手段入射光1dと平行で、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となる方向に反射される。
【0038】
このような2段式分光器は、光の分散方向Xを反射の前後で反転させ、なおかつ、折り返し反射手段出射光1eを折り返し反射手段入射光1dと平行にするとともに、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30と、回折格子4の溝4a方向とを平行にしうる方向に反射させる折り返し反射手段7を備えてなるものであるので、分光するに際し、波長分解能を向上させることができるものとなり、かつ、以下のような効果がある。
(1)源入射光1aを通過させる入射スリット2Aと、2回目出射光1gを凹面鏡3を介して通過させる出射スリット2Bとを共用することができるものとなる。
(2)凹面鏡3の収差を軽減することができるものとなる。
【0039】
すなわち、この2段式分光器による分光においては、折り返し反射手段7によって、折り返し反射手段出射光1eは、折り返し反射手段入射光1dと平行で、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となる方向に反射されるため、回折格子4がいかなる角度に設定されていても、図3に示すように、回折格子4から出力される1回目出射光1cの回折格子4に対する出射角度φと、回折格子に入力される2回目入射光1fの回折格子4に対する入射角度ξは、同一となり、さらに、1回目および2回目の回折は、同一の回折格子4で回折されるので、1回目入射光1bの回折格子4に対する入射角度δと、2回目出射光1gの回折格子4に対する出射角度θも同一となる。
【0040】
したがって、1回目入射光1bと2回目出射光1gとは平行となり、かつ、1回目入射光1bと2回目出射光1gとによって形成される面40が、回折格子4の溝4a方向と平行となるので、図4に示す本発明の2段式分光器の他の例のように、源入射光1aを通過させる入射スリット2Aと、2回目出射光1gを凹面鏡3を介して通過させる出射スリット2Bとを共用する入出射スリット2Fとすることができる。
また、この2段式分光器においては、折り返し反射手段7によって、回折格子4に回折される入出射光の角度が、1回目および2回目の回折において同一となるので、凹面鏡3に対する入出射光の角度も、1回目および2回目の回折において同一となり、凹面鏡3の収差を最小限にすることが可能となる。
【0041】
(実施例3)
実施例2の2段式分光器に、図6に示すような折り返し反射手段7を備えてなる2段式分光器とした。
この2段式分光器は、折り返し反射手段7が、回折格子4が回転する際に生じる光の分散方向と直交する方向の変動を相殺するものである。
このような2段式分光器に備えられている折り返し反射手段7としては、例えば図6に示すような、折り返し反射手段7などが好ましく使用される。
図6において、符号9e、9fは、平面鏡であり、符号10a、10bはリフレクタ(第1、第2反射部材)であり、符号2Eは中間スリットである。
【0042】
ここでの平面鏡9e、9fは、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとが平行となるように、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となるように配置されている。
また、中間スリット2Eは、リフレクタ10aとリフレクタ10bとの間に、凹面鏡3の焦点位置と同様の位置となるように備えられている。
また、リフレクタ10a、10bは、前記リフレクタ10a、10bが有する2つの反射面の接している部分10cが、入射光の分散方向Xと平行となるように設置されることが好ましい。
【0043】
このような折り返し反射手段7を備えてなる2段式分光器による分光では、前記折り返し反射手段7に入射される折り返し反射手段入射光1dは、図6に示すように、平面鏡9eおよびリフレクタ10aで反射されたのち、スリット2に入射される。
そして、この中間スリット2Eに入射された光は、中間スリット2Eのスリット穴の幅で制限される波長分解能で波長選択されたのち、リフレクタ10bを介して平面鏡9fで反射されて、折り返し反射手段出射光1eとされる。
【0044】
このとき、折り返し反射手段入射光1dは、その分散方向Xが、右側を長波長光R、左側を短波長光Pとされた状態で、折り返し反射手段7に入射され、平面鏡9e、リフレクタ10a、リフレクタ10b、平面鏡9fで反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとされる。
そして、得られた折り返し反射手段出射光1eの短波長光Pおよび長波長光Rの位置は、図6に示すように、右側が短波長光P、左側が長波長光Rとされ、前記折り返し反射手段入射光1dを反転させた状態とされる。すなわち、光の分散方向Xは、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30の延長面から見て、折り返し反射手段7による反射の前後で反転される。
【0045】
また、折り返し反射手段入射光1dの前記分散方向Xと直交するY方向の成分は、折り返し反射手段7に入射され、平面鏡9eに反射されたのち、リフレクタ10aによって反転され、さらに、リフレクタ10bによって反転される。
つまり、折り返し反射手段入射光1dのY方向の成分が、例えば、上方へ変位している場合、前記折り返し反射手段7から出射される折り返し反射手段出射光1eも上方へ変位して出射される。
したがって、得られた折り返し反射手段出射光1eの前記Y方向の成分は、折り返し反射手段入射光1dと同一とされる。
【0046】
さらに、折り返し反射手段出射光1eは、折り返し反射手段入射光1dと平行で、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となる方向に反射される。
【0047】
このような2段式分光器は、例えば、分光時に、回折格子4が回転し、あおり角度が変位した回折格子4を経由させる場合や、源入射光1aが入射した入射スリット2Aに、2回目出射光1gを凹面鏡3を経由して入射させる際に、前記入射スリット2Aのスリット穴2cの長さ方向であるY方向の変動を、とくに軽減させたい場合などに好ましく使用される。
【0048】
このような2段式分光器にあっては、2つの反射面の接している部分10cが入射光の分散方向Xと平行となるように設置された2つのリフレクタ10a、10bを有する折り返し反射手段7を備えてなるものであるので、分光するに際し、反射手段入射光1dのY方向の成分が、折り返し反射手段7の有するリフレクタ10aによって反転され、さらに、リフレクタ10bによって反転されるため、結果的に反射手段入射光1dと同一のY方向の成分を有する折り返し反射手段出射光1eが得られ、受光器8におけるY方向の成分の変位をなくすことができるものとなる。
【0049】
例えば、あおり角度が変位した回折格子4を経由して、折り返し反射手段入射光1dのY方向の成分が変位した場合、折り返し反射手段7によって、折り返し反射手段出射光1eのY方向の成分が前記折り返し反射手段入射光1dと同一となり、Y方向の成分の変動が相殺されるため、2回目出射光1gがY方向の成分の変位を受けることがなく、源入射光1aが入射した入射スリット2Aに、2回目出射光1gを凹面鏡3を経由して入射させる際に、前記入射スリット2Aのスリット穴2cの長さ方向であるY方向の変動を軽減することができ、さらに、受光器8におけるY方向の成分の変位をなくすことができるものとなる。
【0050】
さらに、このような2段式分光器では、例えば、折り返し反射手段入射光1dのY方向の成分が上方向に変動した場合、折り返し反射手段7を直角プリズム50としたときのように、折り返し反射手段出射光1eのY方向の成分が下方向に変位することがなく、受光器8におけるY方向の成分の変位がないので、受光器8の位置変動に伴って行われる受光器8を観測する点の調整を不要とすることができる。
【0051】
このように、折り返し反射手段7が、光の分散方向と直交する方向の変動を、相殺する2段式分光器とすることで、より一層優れた2段式分光器となる。
【0052】
(実施例4)
実施例2の2段式分光器に、図7に示すような、折り返し反射手段7を備えてなる2段式分光器とした。
この2段式分光器は、折り返し反射手段7が、1回目の分光器通過(1回目の回折)の際に生じる光の収差を、2回目の分光器通過(2回目の回折)において相殺するものである。
このような2段式分光器に備えられている折り返し反射手段7としては、例えば、図7に示すような、折り返し反射手段7などが好ましく使用される。
図7において、符号9g、9h、9iは平面鏡であり、符号10は、リフレクタであり、符号2Eは、中間スリットである。
【0053】
ここでの平面鏡9g、9iは、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとが平行となるように、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となるように配置されている。
また、中間スリット2Eは、リフレクタ10と平面鏡9hとの間に、凹面鏡3の焦点位置と同様の位置となるように備えられている。
また、リフレクタ10は、前記リフレクタ10が有する2つの反射面の接している部分10cが、入射光の分散方向Xと平行となるように設置されることが好ましい。
【0054】
このような折り返し反射手段7を備えてなる2段式分光器による分光では、前記折り返し反射手段7に入射される折り返し反射手段入射光1dは、図7に示すように、平面鏡9gおよびリフレクタ10で反射されたのち、中間スリット2Eに入射され、中間スリット2Eのスリット穴2cの幅で制限される波長分解能で波長選択されたのち、平面鏡9hを介して平面鏡9iで反射されて、折り返し反射手段出射光1eとされる。
【0055】
このとき、折り返し反射手段入射光1dは、その分散方向Xが、図7に示すように、右側を長波長光R、左側を短波長光Pとされた状態で、折り返し反射手段7に入射され、平面鏡9g、リフレクタ10、平面鏡9h、平面鏡9iで反射されたのち、折り返し反射手段出射光1eとされる。
そして、得られた折り返し反射手段出射光1eの短波長光Pおよび長波長光Rの位置は、図7に示すように、右側が短波長光P、左側が長波長光Rとされ、前記折り返し反射手段入射光1dを反転させた状態とされる。すなわち、光の分散方向Xは、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30の延長面から見て、折り返し反射手段7による反射の前後で反転される。
【0056】
また、折り返し反射手段入射光1dは、折り返し反射手段7によって奇数回反射されて、折り返し反射手段出射光1eとされる。
【0057】
さらに、折り返し反射手段出射光1eは、折り返し反射手段入射光1dと平行で、なおかつ、折り返し反射手段入射光1dと折り返し反射手段出射光1eとによって形成される面30が、回折格子4の溝4a方向と平行となる方向に反射される。
【0058】
このような2段式分光器においては、折り返し反射手段7の反射面の数を奇数としたものであるので、分光する場合、折り返し反射手段7によって、収差の向きが逆向きとなり、偶数面とした場合のように、凹面鏡3を経由する際に、収差により出射スリット2Bの位置で結像する光の像がぼやけて、波長分解能を劣化させることがなく、1回目の回折で生じた収差と2回目の回折で生じた収差が足し合わされることもないものとなる。
【0059】
このように、折り返し反射手段7が、1回目の分光器通過(1回目の回折)の際に生じる光の収差を、2回目の分光器通過(2回目の回折)において相殺する2段式分光器とすることで、出射スリット2Bにおける光の結像がぼやけることを防ぎ、高い波長分解能を実現することができる優れた2段式分光器となる。
【0060】
本発明の2段式分光器では、上述した図1に示した例のように、入射スリット2Aを光源1と凹面鏡3との間に、中間スリット2C、2Dを凹面鏡3と折り返し反射手段7との間に、出射スリット2Bを凹面鏡3と受光器8との間に、それぞれ設けたものとすることができるが、所望の近傍ダイナミックレンジを得ることができればよく、これらのスリットの数および位置は、とくに限定されない。
【0061】
また、本発明の2段式分光器では、上述した図1に示した例のように、2つの凹面鏡3を備えたものとすることができるが、この凹面鏡3をレンズに変えたものとすることもできる。
さらに、本発明の2段式分光器では、必要に応じて、必要とされる位置に、レンズを設けてなるものとしてもよく、より一層、良好な2段式分光器となすることもできる。
【0062】
さらにまた、本発明の2段式分光器では、分光するに際し、上述した例に示した光の進行方向で折り返し反射手段7へ入射させることができるが、反対方向から入射させることもでき、とくに限定されない。
【0063】
また、本発明の2段式分光器では、折り返し反射手段7は、上述した図5、図6、図7に示した例のように、平面鏡9のみ、あるいは平面鏡9とリフレクタ10とに反射させる手段とすることができるが、これらの折り返し反射手段7を用いたときと同様に、折り返し反射手段入射光1dを折り返し反射手段出射光1eとして反射させることができれば、前記平面鏡9あるいは前記リフレクタ10を、平面鏡9、リフレクタ10、プリズム、または、これらを組み合わせたものなどに変えた手段とすることもできる。
さらに、反射面の数は、必要に応じて決定することができ、とくに限定されない。
【0064】
(実施例5)
図8は、本発明の2段式分光器の他の一例を示した図である。
図8において、符号1は光源であり、この2段式分光器で測定される被測定光である。符号2Aは入射スリット、符号3Aはレンズ(入射部材)、符号4は回折格子、符号3Bはレンズ、符号2Cは中間スリット、符号5はコリメートレンズ、符号6は平面鏡であってこの中間スリット2Cとコリメートレンズ5と平面鏡6とが折り返し反射手段7を構成する。符号9は平面鏡、符号2Bは最終の出射スリット、符号8は受光部である。
【0065】
本発明の2段式分光器による分光では、従来の2段式分光器と同様に、1回目の回折および2回目の回折が行われた後、出力光1hとして出射される。
図9に示すように、折り返し反射手段7において、コリメートレンズ5の光軸5aは、回折格子4により回折された1回目出射光1cの中心線と高さが異なる。そのためコリメートレンズ5への入射光は、コリメートレンズ5の光軸より下側(あるいは上側)を通過して平行光となり平面鏡6に反射される。平面鏡6の反射光はコリメートレンズ5の上側(あるいは下側)を再び通過して、折り返し反射光1fとなる。
【0066】
このように2段式分光器内のコリメートレンズ5と平面鏡6とで構成される折り返し反射手段7において、コリメートレンズ5を、回折格子4により回折された出射光1cの中心線に対して、回折格子3の回転軸方向(y)にのみ異なる位置に配置し、平面鏡により反射させることで、折り返し反射光1fは、分散方向Xが折り返し反射手段7による反射の前後で反転される。また、図10に示すように、回折格子4によって分光される際の入出射光の角度を、1回目および2回目の回折において同一とできる。
【0067】
2段式分光器において分光するに際し、折り返し反射手段7に反射させることにより光の分散方向Xが反転され、折り返し反射光1fとなり、2回目の分光器の通過によりさらに回折されるため、波長分解能が向上する。
【0068】
また、この2段式分光器の折り返し手段7は、回折格子4によって分光される際の入出射光の角度が、1回目および2回目の回折において同一となることから、分光器の1回目通過波長と2回目通過波長とを広い波長範囲にわたって一致させることができる。このことで中間スリット2Cや出射スリット2Bを横方向に移動させるなどの複雑な制御が不要となり、簡素に構成することができる。
【0069】
図8の2段式分光器における波長分解能Δλは、およそ次式で表される。
Δλ=(d/(2m・f))・S・cosβ・・・・・(iii)
ここで、dは回折格子の溝間隔、mは回折次数、fはコリメートレンズの焦点距離、Sはスリット幅、βは回折格子の反射光と回折格子の法線とのなす角度である。
【0070】
この2段式分光器において、折り返し反射手段7によって得られる折返し反射光の分散方向Xは反転されるため、回折格子4から見た、1回目出射光と2回目入射光との分散方向Xが逆となり、2回目の分光がさらに精細に回折されることになる。このとき、回折格子4の1回目反射光と回折格子4の法線とのなす角度および回折格子4の2回目反射光と回折格子4の法線とのなす角度を同一とすれば、式(iii)の波長分解能の関係式が成立する。
【0071】
式(iii)によれば、この2段式分光器は、コリメートレンズの焦点距離fを伸ばすことなく、あたかも焦点距離が2倍となった分光器を実現できることになる。すなわち、光の分散方向Xを、折返し反射手段7によって反転させることで、コリメートレンズの焦点距離を伸ばさずに波長分解能を向上させることができる。
【0072】
また、折り返し反射手段7において、平面鏡6はコリメートレンズ5の光軸の延長線上で、コリメートレンズ5からコリメートレンズ5の焦点距離分だけ離した焦点位置に配置することで、折り返し反射手段7に入出射する光を、欠くことなく縦方向に最大限に分離できる。このことにより、迷光を除去することができ、近傍ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0073】
また、この2段式分光器は、2回の回折による波長選択性が向上するとともに、中間スリットが備えられているものであるので、この中間スリットにより迷光を除去することができ、近傍ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0074】
この2段式分光器のように光の入射部側に受光部8が存在する場合、分光器へ入射する入射光と同一の方向へ反射するリトロー光が迷光を悪化させるため問題となる。しかし、図8の2段式分光器の折り返し手段7は、分散方向Xと垂直の方向(y)へ光を分離するため、分光器に入射される入射光の光路と、分光器から出力される出射光の光路とでは高さが異なる。すなわち、受光部8では入射光によるリトロー光を影響を受けにくいため、近傍ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0075】
この実施例の2段式分光器では、例えば前記図1に示した例のように、レンズ3A,3Bを凹面鏡3に変えることもできる。
また、前記の2段式分光器では、前記図8に示したツェルニ・ターナ型の光学配置を、リトロー型とすることもできる。
【0076】
さらにまた、前記の2段式分光器では、中間スリット2Cは、折り返し反射手段7による反射の前後どちらか一方、または反射の前後両方に配置してもいずれでもよい。
また、本発明の2段式分光器では、前記図8に示したように入射スリット2Aを介して分光器内に入射させてもよいが、入射スリット2Aの代わりに光ファイバを用いることもできる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の2段式分光器は、折り返し反射手段が、光の分散方向を反射の前後で反転させる手段を有してなるものであるので、波長分解能を向上させることができる。
また、本発明の2段式分光器は、折り返し反射手段が、回折格子の格子面に対する2回目入射光の角度を、回折格子の格子面に対する1回目出射光の角度に一致させるものであるので、2段式分光器の実質長さを短縮することができる。
更に、本発明の2段式分光器は、折り返し反射手段が、前記回折格子が回転する際に生じる光の分散方向と直交する方向の変動を相殺するものであるので、スリットの調整を容易にし良好な近傍ダイナミックレンジを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の2段式分光器の一例を示した図である。
【図2】 折り返し反射手段に入射される折り返し反射手段入射光ならびに折り返し反射手段出射光の分散方向を示した図である。
【図3】 本発明の2段式分光器の他の例を示した図である。
【図4】 本発明の2段式分光器の更に他の例を示した図である。
【図5】 図3に示した2段式分光器に備えられている折り返し反射手段を示した図である。
【図6】 実施例3の2段式分光器に備えられている折り返し反射手段を示した図である。
【図7】 実施例4の2段式分光器に備えられている折り返し反射手段を示した図である。
【図8】 実施例5の2段式分光器を示した図である。
【図9】 実施例5の2段式分光器に備えられている折り返し反射手段を示した図である。
【図10】 実施例5の回折格子における反射角を示した図である。
【図11】 従来の2段式分光器の一例を示した図である。
【図12】 中間スリットにおける光の分散方向と、前記分散方向と直交する方向を説明するための図である。
【図13】 図11に示した従来の2段式分光器に備えられている折り返し反射手段を示した図である。
【図14】 回折格子によって分光される光の状況の一例を示した斜視図である。
【図15】 従来の2段式分光器の他の一例を示した図である。
【符号の説明】
1・・・・光源
1a・・・源入射光
1b・・・1回目入射光
1c・・・1回目出射光
1d・・・折り返し反射手段入射光
1e・・・折り返し反射手段出射光
1f・・・2回目入射光
1g・・・2回目出射光
1h・・・出力光
2A・・・入射スリット
2B・・・出射スリット
2C、2D、2E・・・中間スリット
2F・・・入出射スリット
3・・・・凹面鏡
3A、3B・・・レンズ
4・・・・回折格子 4a・・・溝
5・・・・コリメートレンズ
6・・・・平面鏡
7・・・・折り返し反射手段
8・・・・受光器
9、9a、9b、9c、9d・・・平面鏡
10a、10b・・・リフレクタ
X・・・・光の分散方向
P・・・・短波長光
R・・・・長波長光
Claims (4)
- 源入射光を回折格子に1回目入射光として入射させ、得られた1回目出射光を折り返し反射手段において反射させたのち、再び前記回折格子に2回目入射光として入射させ、特定の波長を有する光のみを出力光として出力させる2段式分光器において、
前記の折り返し反射手段は、光の分散方向を反射の前後で反転させる手段を有し、
入射する光の前記分散方向と直交する直交方向の成分を反転する第1反射部材と、当該第1反射部材を介した光の前記直交方向の成分を反転する第2反射部材とを含み、前記回折格子が回転する際に生じる光の分散方向と直交する方向の変動を相殺するものであり、
前記回折格子の格子面に対する前記2回目入射光の角度を、前記回折格子の格子面に対する前記1回目出射光の角度に一致させるものである
ことを特徴とする2段式分光器。 - 前記折り返し反射手段は、光の分散方向と直交する方向を反射の前後で同一とするものであることを特徴とする請求項1記載の2段式分光器。
- 前記源入射光を前記1回目入射光として前記回折格子に入射させる入射部材を備え、
前記折り返し反射手段は、1回目の分光器通過の際に前記入射部材で生じる光の収差を、2回目の分光器通過において相殺するものであることを特徴とする請求項1記載の2段式分光器。 - 源入射光を制限する入射スリットと、出力光を制限する出射スリットとをそれぞれ独立に設けたことを特徴とする請求項1記載の2段式分光器。
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