JP3861493B2 - 溶媒除去装置、溶媒除去システム、溶媒除去方法、及び静電荷像現像用トナ―の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造時に溶媒を含有する静電荷像像現像用トナーの懸濁液のような溶媒懸濁液から溶媒を除去する装置、溶媒除去システム、及び溶媒除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー微粒子を製造する方法(電子写真法または静電記録法により形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーを含む)において、近年、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液( トナー材料の混合液等) を水系媒体中に分散懸濁させ、得られる溶媒懸濁液を加熱するか又は溶媒懸濁液を有する雰囲気を減圧する等によって溶媒を除去することにより、粒子化させる方法(特公昭61-28688号公報、特開昭63-25664号公報、特開平7-152202号公報、特開平9-15902 号公報等)が提案されている。
【0003】
これらの方法における溶媒の除去は、溶媒をポリマー成分の液滴から水系媒体中に移行させる液中乾燥により行われ、水系媒体中の溶媒は、懸濁液と気体との接触界面において溶媒を気化させることにより除去されている。この、溶媒の気化を効果的に促進させるためには、懸濁液と気体との接触面積を上げ、かつ効率的に懸濁液に熱エネルギーを与え、さらに蒸発界面での気化した溶媒を効率よく除去することが必要である。
【0004】
また、ポリマー粒子の粒度分布をシャープに保つためには、溶媒を除去する過程でポリマー成分の液滴にストレスが加わらないことが必要であり、形状を均一に保つためには偏差的な応力が加わらないことが必要である。これは、溶媒を除去する前の段階では、ポリマー粒子は液滴でありストレスがかかると容易に分裂し、微粒子が発生することにより粒度分布がブロードになるためであり、また、ポリマー粒子の液滴から溶媒が除去されていく過程の中でポリマー粒子が弾性変形域から塑性変形域に移った段階で偏差的な応力により押し潰されてしまうとそのままの形状でポリマー粒子が形成されてしまうためである。
【0005】
さらに、懸濁液と気体との接触界面において溶媒の除去速度に対して、接触界面の交換速度が遅いと、懸濁液と気体との接触界面に膜を形成し溶媒除去が進行しなくなるため、溶媒除去速度に見合った接触界面の交換速度が必要である。
【0006】
従って、これらの方法でのポリマー成分の液滴における溶媒の除去を効果的に行うには、単位体積当たりの懸濁液と気体との接触面積を増大させ、気化した溶媒を運ぶキャリアガス量を増大させ、その蒸発熱量に見合う熱量を付与しうる単位体積当たりの懸濁液の加熱面積を増大させることが必要であり、さらにその際の付加ストレス及び付加応力を最小限にしつつ溶媒除去速度に見合った懸濁液と気体との接触界面の交換速度を与えることが必要である。
ところが、これらの条件をすべて満足させるには、実験室規模では加熱されたフラスコにポリマー成分の懸濁液を少量入れ、ストレスがかからないようにゆっくりと混合し、蒸発した蒸気を取除くことで比較的容易に達成できるが、工業化規模では困難を極める。
【0007】
具体的には、市販のフラスコ及び重合釜を使用した場合、実験室規模では通常10-4m 3 の懸濁液に対して、単位体積当たりの気体との接触面積は28m 2 /m3 程度であり、また10-3m 3 の懸濁液に対して11m 2 /m3 程度である。また、ベンチ規模又はパイロット規模では、通常10-2m 3 の懸濁液に対して4.5m2 /m3 程度であり、また10-1m 3 の懸濁液に対して2m2 /m3 程度である。さらにこれを工業化規模で実施するには、通常1m3 の懸濁液に対して0.8m2 /m3 程度、また10m 3 の懸濁液に対して0.4m2 /m3 程度、80m 3 の懸濁液に対して0.2m2 /m3 程度である。このように懸濁液は、その処理量を増加させるにつれて、単位体積当たりの気体との接触面積が減少し、同様にして単位体積当たりの加熱面積も減少する。例えば、温度、圧力及びその他の条件を同一にした場合でも、懸濁液からの溶媒除去時間は、10-4m 3 の溶媒を除去する時間と比べると、それぞれ10-2m 3 では6 倍、10-1m 3 では14倍、1m3 では35倍、10m 3 では70倍、80m 3 では140 倍を要することになる。
【0008】
このような溶液と気体との接触面積を増大させる装置として、例えば、薄膜蒸発装置、薄膜脱泡装置、充填塔、気液向流接触装置等の市販の装置が使用されるが、これらの装置を用いて溶媒除去を行う場合も、懸濁液量が増えると実験室規模よりも単位体積当たりの気体との接触面積は小さくなって効率が悪化すると共に、懸濁液に対するストレスや応力の付加等が避けられない。また、懸濁液を噴霧させることにより効率的に気体との接触面積を増大させる方法も提案されているが、この方法においても懸濁液に対する大きなストレスは避けられない。
【0009】
上記した液中乾燥以外の方法としては、懸濁液を直接乾燥させる方法があり、そのスラリー状の懸濁液を乾燥させる装置としては、スプレードライヤー、フラッシュドライヤー等の市販の装置が用いられる。この方法では、媒体の水も乾燥させる必要があるため、このため、通常100 ℃以上の気体と接触させており、この場合には、処理量に比べて装置が大型化して熱効率が低く、その上に運転コストが大幅に高い等の欠点があった。また、懸濁液を直接乾燥させる方法以外の方法に用いる装置としては、振動乾燥機、流動床乾燥機、パドルドライヤー、スチームチューブドライヤー等の市販の装置があるが、これらはケーク状物を乾燥させるものであり、原理的に使用できない。
【0010】
一方、本発明の他の目的でもある、電子写真法または静電記録法により形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーを含むポリマー微粒子を製造する方法について、従来より幾つか知られている方法がある。その中には、モノマーを出発原料として、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により、直接ポリマー微粒子を製造する方法がある。しかし、これらの重合法で製造されるポリマー微粒子は、残存モノマー及び界面活性剤の除去が難しいこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が難しいこと、得られるポリマーの種類及び粒径範囲が限定されること及び材料組成が変更される毎に粒子化に最適な条件の検討を要すること等の問題がある。
【0011】
また、あらかじめ重合反応により作製したポリマーを微粒子化させることにより、ポリマー微粒子を製造する方法がある。その中で、溶融混練粉砕法は、あらかじめ粗粉砕したポリマーを機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級することによりポリマー微粒子を得る方法であり、現在では最も多用されている静電荷像現像用トナーの製造方法である。しかし、この方法で得られるポリマー微粒子は、不定形であり、その粒径も均一ではなく、粒度分布をシャープにするには分級工程を必要とする等の欠点がある。
【0012】
また、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液を霧状に噴霧することにより粒子化する方法が知られているが、この方法により製造されるポリマー微粒子は粒径が均一にならないこと及び製造装置が大きくなる等の欠点がある。
同じく、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液に貧溶媒を添加するか、または、あらかじめ溶媒に加熱溶解したポリマー溶液を冷却することにより、ポリマー微粒子を析出させる方法が知られているが、この方法は、得られる粒子の形状制御が難しいこと及び粒径が不均一である等の欠点がある。
【0013】
さらに、加熱溶融したポリマーを、その融点以上に加熱した媒体中に分散させた後、冷却することによりポリマー微粒子を得る方法(特開昭50−120632号公報等)も知られているが、この方法では、媒体が水系であると殆んどの場合に加圧を必要とし、また、媒体が油系であると洗浄が難しくなること及び形状の制御が困難である等の欠点がある。
【0014】
近年、残存モノマーが無いこと、界面活性剤を使用していないためにこれを除去する必要がないこと、着色剤、帯電制御剤及び離型剤等の不溶材料の内添が容易であること、材料組成が変更されても粒子化に最適な条件の検討を要さないこと、粒度分布がシャープであること、水系媒体の洗浄が容易であること等の数多くの利点を有することから、前記の、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液( トナー材料の混合液等) を水系媒体中に分散懸濁させ、これを加熱するか又は減圧する等によって溶媒を除去することにより、粒子化させる方法(特公昭61-28688号公報、特開昭63-25664号公報、特開平7-152202号公報、特開平9-15902 号公報等)がトナーの製造方法として提案されている。
しかしながら、従来法の中ではトナー性能向上や製造適性の面で好適な方法と考えられるこの製法でさえ、溶媒除去工程においては、前記した理由から、工業化規模では困難を極める。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における上記のような実状に鑑みてなされたものである。 すなわち、本発明の目的は、トナー材料を含む溶媒懸濁液から粒度分布及び形状を悪化させることなく効率良く溶媒を除去し、生産効率が高い良好な静電荷像現像用トナーを製造するのに好適な溶媒除去装置、溶媒除去システムおよび溶媒除去方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、溶媒混合液を水系媒体中に分散懸濁させて得られる溶媒懸濁液から溶媒を除去する方法について鋭意検討した結果、溶媒懸濁液から溶媒を除去する際に、溶媒懸濁液を一定の条件下に気体と接触させることにより、溶媒除去に要する時間を大幅に短縮させ、かつ粒度分布がシャープで形状の均一な静電荷像現像用トナー等の粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明の溶媒除去装置は、トナー粒子を含有する溶媒懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去装置であって、底部に複数の開孔を有する液保持部材が垂直方向に間隔をおいて複数段設けられており、一つの段の前記液保持部材の底部に設けられた開孔と該開孔を有する液保持部材の下方に隣接する液保持部材に設けられた開孔が垂直方向においてそれぞれ互いにずれて配置されており、上方側の液保持部材から下方側に隣接する液保持部材に落下する溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有し、溶媒懸濁液の落下の過程で気相と接触するように構成したことを特徴とする。
前記下部の液保持部材は、底部に開孔を有し、前記溶媒除去ユニット中での落下の過程における溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有するようになっている。
また、前記液保持部材の底部に設けられた孔一つあたりの溶媒懸濁液の流量が400cc/min以下となるように孔の径が設定されていることが好ましい。
さらに、前記溶媒除去ユニット内の前記液保持部材が水平に配置され、かつ液保持部材が垂直方向に複数段設けてなることが好ましい。
さらには、前記液保持部材の下に、 ガスを吹出させることが可能な多孔質部材または多孔部材によりなる管を有することが好ましい。
また、前記液保持部材の最上段に溶媒懸濁液を均一に供給する処理液供給機構を設けたことが望ましく、溶媒除去ユニットと共にガス排出管を容器内に有することが好ましい。
本発明の溶媒除去システムは、上記の溶媒除去装置と、撹拌手段を有する液受け容器と、熱交換器と、を備え、これらの間で溶媒懸濁液を循環させるラインを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の溶媒除去方法は、トナー粒子を含有する溶媒懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去装置であって、底部に複数の開孔を有する液保持部材が垂直方向に間隔をおいて複数段設けられており、一つの段の前記液保持部材の底部に設けられた開孔と該開孔を有する液保持部材の下方に隣接する液保持部材に設けられた開孔が垂直方向においてそれぞれ互いにずれて配置されており、上方側の液保持部材から下方側に隣接する液保持部材に落下する溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有し、溶媒懸濁液の落下の過程で気相と接触するように構成したことを特徴とする。
前記溶媒懸濁液の落下過程における気液界面において、溶媒懸濁液を気相と0.1m/sec 以上5m/sec 以下の風速下で接触させることにより溶媒を除去することが好ましい。
また、前記溶媒懸濁液から溶媒を除去する際に、溶媒懸濁液を落下させる高さが50cm以下であることが好ましい。
さらに、前記溶媒を除去する工程の後に、溶媒懸濁液を攪拌する工程を有し、該攪拌工程中の攪拌の周速度が70m/min 以下であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、上記の溶媒除去方法における溶媒懸濁液が、トナー粒子を含有することを特徴とする。
また、本発明に用いられる静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および着色剤を溶媒中に溶解若しくは分散する混合工程、該混合工程で得られた混合液を水系媒体中に添加し、分散懸濁させて分散懸濁液を得る工程、得られた分散懸濁液から溶媒を除去する工程を有することが好ましい。
さらに、前記分散懸濁液の気液界面において、気相と0.1m/sec 以上5m/sec 以下の風速下で接触させることにより溶媒を除去することが好ましい。
また、前記分散懸濁液から溶媒を除去する際に、分散懸濁液を落下させる高さが50cm以下であることが好ましい。
また、前記溶媒を除去する工程の後に、分散懸濁液を攪拌する工程を有し、該攪拌工程中の攪拌の周速度が70m/min以下であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明の溶媒除去装置の主要部分は、溶媒懸濁液を分割し気体との接触部分を確保する部材と分割された溶媒懸濁液に効率良くキャリアガスを接触させる部材とによって構成される。また、溶媒懸濁液を分割する液保持部材は、溶媒懸濁液の処理量に応じてその大きさ及び段数が決定される。
本発明の溶媒除去装置は、上記の部材をガス排出管を有する筒状の容器内に、溶媒懸濁液の処理量に応じて複数設置し、さらに、液保持部材への液供給ラインに加熱部を設けることによって構成される。
【0020】
図1は本発明の溶媒除去システムの一実施の形態を示す全体構成図である。この溶媒除去システムは、溶媒除去装置10と、処理液受けタンク12と、二重管式熱交換器14と、から主として構成されており、溶媒除去装置10と処理液受けタンク12は切換弁16を備えたパイプ18を介して接続され、処理液受けタンク12と二重管式熱交換器14は、切換弁20、送液ポンプ22および三方弁24を備えたパイプ26により接続され、二重管式熱交換器14と溶媒除去装置10はパイプ28により接続され、これによって溶媒懸濁液は、溶媒除去装置10と、処理液受けタンク12と、二重管式熱交換器14との間を循環可能となっている。
【0021】
溶媒除去装置10は、円筒状のケーシング30に上面蓋32が開閉可能に設けられており、円筒状のケーシング30の中心部には下端が開口されたガス排出管34が設けられ、このガス排出管34は、図示していないケーシング30外部のガス排出管に連通している。また、ケーシング30内には、溶媒除去ユニット36A、36Bが配置されている。
【0022】
図3は、図1のケーシング10内の概略的平面図であって、ガス排出管34の周囲に等間隔に対称的に溶媒除去ユニット36A、36Bの他に溶媒除去ユニット36C、36D、36E、36Fが配置されている。さらにそれぞれの溶媒除去ユニットには、特に図示していないが、それぞれ溶媒懸濁液を供給するためのパイプ28が接続され、不活性ガス供給ノズル38が接続されている。
【0023】
図2は、それぞれの溶媒除去ユニットの好ましい実施の形態を示す概略的構成図である。図2において、溶媒除去ユニットは、中心部にガス噴出部材38を有し、このガス噴出部材38の軸方向に所定の間隔をおいて、液保持部材40A、40B、40C、40D、40Eが設置されている。液保持部材40Aは、図4(A)示す円盤42と図4(B)示す円盤44がボス46に固定されており、図4(C)に示すように円盤42,44の周縁部には環状の側壁48が設けられた構造を有し、これによって、液保持部材40Aは、ボス46を介してガス噴出部材38に固定され、円盤42と円盤44との間には、液を一時的に滞留する領域が形成され、溶媒懸濁液を下方に均一に供給する機構となっている。
【0024】
ガス噴出部材38は、多孔質部材または多孔部材からなる。多孔質部材は、例えば、ガス噴出部材の長手方向にできるだけ直交する方向に多数の連通孔を有する焼結体からなるパイプ等が挙げられ、多孔部材は、例えば、プラスチック性、金属性等のパイプの軸方向に直交する方向に微細孔が穿孔されたパイプ等が挙げられる。
【0025】
液保持部材40Aの円盤42は、溶媒懸濁液を下方に落下させるための孔50が多数形成されており、円盤42の上方に設置されるパイプ28の下方付近(想像線で示す領域)には孔が設けられていない構造となっている。また、円盤44には、多数の孔52が形成されており、円盤42と円盤44にそれぞれ形成される孔50と孔52の位置は互いにずれた関係となっている。さらに、円盤44においては、ボス46に近い側の孔50の位置は、これらの孔50に隣接する孔50に対して順次互い違いの位置に配置されている。
【0026】
また、液保持部材40B、40C、40D、40Eは、いずれも液保持部材40Aにおける円盤42が設けられておらず、円盤44が設けられた構造となっており、液保持部材40Aと液保持部材40B、液保持部材40Bと液保持部材40C、液保持部材40Cと液保持部材40D、液保持部材40Dと液保持部材40Eにおける孔はそれぞれ互いにずれた位置関係となっている。
【0027】
上記した溶媒除去装置および溶媒除去システムは、好ましい一実施の形態を示すものであって、溶媒懸濁液の種類および量に応じて、円盤の大きさ、円盤に形成される孔の数、液保持部材の段数、液保持部材間の間隔等を任意に変更することができる。
また、本発明において、溶媒懸濁液は、液保持部材からその下方に配置される液保持部材に対して実質的に他部材に接触することなく、少なくとも柱状の部分を有するように落下することが好ましく、そのための円盤に形成される孔径、液保持部材間の間隔等が選定される。ここで、実質的に他部材に接触することなく、とは、液保持部材からその下方に配置される液保持部材の間で、ある種の部材に沿って流下する態様は除くものであって、液保持部材からその下方に配置される液保持部材の間の一部で他部材に沿って薄膜状に流下する部分があってもよいが、他の大部分は、柱状となって落下することを意味する。更に、少なくとも柱状の部分を有するように落下する、とは、溶媒懸濁液が柱状の部分を有するように落下する領域が大部分を占め、残りの領域では、他部材に沿って薄膜状に流下する部分があってもよく、また液滴の状態で落下する部分があってもよいことを意味する。
したがって、溶媒懸濁液が上記のような状態で落下するように、円盤に形成される孔の径、液保持部材間の間隔等が選定される。
【0028】
次に上記のような溶媒除去装置、溶媒除去システムに基づいて溶媒除去方法の好ましい実施の形態を説明する。
溶媒懸濁液は、処理液受けタンク12に入れられ、送液ポンプ22を介し溶媒除去装置10内のそれぞれの溶媒除去ユニット36A、36B、36C、36D、36E、36Fに送られる。この際、溶媒除去装置10内における溶媒除去効率を高めるため、溶媒懸濁液は二重管式熱交換器14において、熱エネルギーが付与されるが、この場合熱エネルギーの程度は、溶媒懸濁液の種類等により任意に選定される。
【0029】
この溶媒除去ユニット36A、36B、36C、36D、36E、36Fにおいて、溶媒懸濁液は処理液は黒矢印で示されたように溶媒懸濁液供給ノズル29より供給され、液保持部材40Aの円盤42上で広がりながら、円盤42に形成された孔50から均一に円盤44上に流下し、液保持部材40Aに一時的に滞留する。
【0030】
次に液保持部材40Aに滞留した溶媒懸濁液は、円盤44に形成されたそれぞれ孔52から柱状となって均一に真下の液保持部材40Bに落下する。このように、液保持部材40Aは、溶媒除去ユニットに溶媒懸濁液を供給する際の流動エネルギーを緩和し、溶媒懸濁液の落下の主体を位置エネルギーとするための溶媒懸濁液供給機構として機能する。そして、以下、順次液保持部材40C、液保持部材40D、液保持部材40E上にそれぞれ柱状となって溶媒懸濁液がストレスを受けることなく、均一に落下する。この間に多孔質部材または多孔部材からなるガス噴出部材38のガス噴出孔から放射状にガスが噴出され、柱状に落下した溶媒懸濁液と効率的に接触するため、気液界面は常にフレッシュなガスで置換されることになり、最も効率のよい溶媒懸濁液からの溶媒除去が可能となる。
【0031】
この場合、液保持部材に設けられる孔を通過する流量が400cc/min以下であることが好ましく以下に記載する溶媒懸濁液の形態を保つためには、10cc/min以上400cc/min以下であることが特に好ましい。前記流量が400cc/minを越えると落下の際の溶媒懸濁液に付加される衝撃力が過大となり、溶媒懸濁液中の粒子が粉砕され好ましくない。また、前記流量が10cc/min未満であると、柱状を保つことができず、液滴になりストレスを受けやすい。
【0032】
また、前記落下の過程における溶媒懸濁液が落下する際の溶媒懸濁液の形態において、落下の際の溶媒懸濁液に付加される衝撃力が少ないこと、気体との接触面積が大きいこと、吹きつける気相の流れに安定であること、液中への気体の巻込みが少なく発泡が抑えられること等から、溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有するように落下するようになっていることが好ましい。
【0033】
さらに上記した多孔質部材または多孔部材からなるガス噴出部材38を用いると、溶媒懸濁液の気液界面から蒸発した溶媒を取り除き、効率よく溶媒除去を促進させ、かつ溶媒懸濁液にストレスを付加することなく、均等にキャリアガスを吹き付けることができる。ガス噴出部材38から噴出させるガスは、溶媒懸濁液の種類によって選定されるべきものであって、溶媒懸濁液中の成分と化合するものや溶媒懸濁液中の成分を変性させるものは好ましくなく、好適には不活性ガスが使用される。ガス噴出部材38から噴出させるガス(不活性ガス)は溶媒懸濁液から除去された溶媒蒸気をガス排出管34を介して外部に運ぶ。そして、図示していない分離装置により不活性ガスと溶媒蒸気は分離され、分離された不活性ガスは回収された後、再び、ガス噴出部材38に供給される。ここで、円筒状ケーシング30内にガス排出管34を設け、その下端部よりガスを排出するようになっているので、蒸発した溶媒蒸気による外部汚染をなくす、溶媒回収を可能にする、キャリアガスのショートパスをなくし、液保持部材上の溶媒懸濁液の蒸発を促進させる、等の利点がある。
【0034】
溶媒が除去された溶媒懸濁液は、溶媒除去装置10の底部に滞留した後、切換弁16を介して処理液受けタンク12に導かれる。処理液受けタンク12では、溶媒懸濁液の温度分布を均一にするために、攪拌翼13で溶媒懸濁液が攪拌されるが、このとき、攪拌翼の周速度が速いと、溶媒懸濁液にストレスがかかるので周速度は70m/min以下が望ましい。
【0035】
処理液受けタンク12内の溶媒懸濁液は、送液ポンプ22を介して、二重管式熱交換器14に送られる。二重管式熱交換器14では、溶媒懸濁液に含有される成分の特性を損なわない範囲で溶媒除去効率を高めるための熱エネルギーが付与される。二重管式熱交換器14で加熱された溶媒懸濁液は、再びそれぞれの溶媒除去ユニットに導入される。これらの一連の操作により溶媒懸濁液から所望量の溶媒が除去されると、三方弁26が操作され、溶媒が除去された処理液がラインから取り出される。
【0036】
次に本発明に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法について詳細に説明する。
なお、溶媒除去工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法については、前記したように種々挙げられるが、その主たる例として以下、結着樹脂および着色剤を溶媒中に溶解若しくは分散する混合工程、該混合工程で得られた混合液を水系媒体中に添加し、分散懸濁させた分散懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去工程、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法について詳細に説明する。
【0037】
本発明に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法について、前記した各工程を順次説明する。
まず、本発明における第1 の工程は、トナー材料を溶液中で混合させてトナー材料の混合液を得る混合工程である。この混合工程においては、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含むトナー材料を溶媒中に溶解もしくは分散させて、トナー材料の混合液を得るものである。
【0038】
そのトナー材料には、結着樹脂及び着色剤の他に、必要に応じてトナー粒子に通常添加される離型剤及び帯電制御剤等を適宜配合してもよい。トナー材料の混合液は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤及び帯電制御剤等を混練させたものを、溶媒中に溶解もしくは分散させてもよいし、または結着樹脂を溶媒中に溶解させた後、着色剤、離型剤及び帯電制御剤等をボールミル、サンドミル等のメディア入り分散機または高圧分散機等を用いて分散させてもよい。この混合工程においては、結着樹脂が溶媒中に溶解して着色剤が分散している限り、如何なる方法により混合したものでもよい。
【0039】
本発明に係わる静電潜像現像剤用トナーの結着樹脂としては、特に制限されるものではなくトナー用樹脂として一般に用いられる樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等であるが、定着時の溶融性と得られた画像の平滑性の観点から、より好ましいのはポリエステル樹脂である。
【0040】
ポリエステル樹脂の重合単量体としては次のものを挙げることができる。アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、トリス−(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、2,2,4−トリメチロールペンタン−1,3−ジオールなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂の特性付与のため、前記アルコール成分にさらに、ヒドロキシカルボン酸成分を加えることができる。
例えばp−オキシ安息香酸、バニリン酸、ジメチロールプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等である。
【0041】
酸成分の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸モノメチルエステル、テトラヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンテトラカルブン酸、ジフェノール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロペンタンジカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、トリメリット酸無水物と4,4−ジアミノフェニルメタンから得られるジイミドカルボン酸、トリス−(β−カルボキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌレート環含有ポリイミドカルボン酸、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量化反応物とトリメリット酸無水物から得られるイソシアネート環含有ポリイミドカルボン酸などであり、これらの一種または二種以上が使用される。これらのなかで三価以上の多価カルボン酸、多価アルコールなどの架橋成分を用いると定着強度、耐オフセット性などの安定性の点で好ましい場合がある。
【0042】
これらの原材料から得られるポリエステル樹脂は通常の方法で製造される。ガラス転移温度は40℃〜80℃に設定するのが都合良く、さらに好ましくは50℃〜70℃である。本発明の樹脂には上記ポリエステル樹脂を二種類以上組み合せてもよいし、更に本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の樹脂を組み合せても良い。他の樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等がある。本発明においてはポリエステル樹脂を主成分として、その他の樹脂はトナー中に0〜30重量部の量で添加するのが好ましい。
【0043】
本発明において、前述の熱可塑性樹脂中に分散させる着色剤としては、公知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性染料を使用することができる。例えばC.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45432)、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体これらの混合物等を挙げることができる。更にはシリカ、酸化アルミニウム、マグネタイトや各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、および酸化マグネシウムなどの種々の金属酸化物およびこれらの適宣の混合物などが挙げられる。
【0044】
これらの着色剤は、充分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合で含有されることが必要であり、トナー粒径や現像量に依存するが、一般にトナー100重量部に対して1〜100重量部程度の割合が適切である。
【0045】
本発明においては、必要によりトナーに帯電制御剤を加えても良い。使用できる帯電制御剤としては、粉体トナーに於て使用されている、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩からなる群より選ばれる化合物、さらにこれらの適宣組み合わせたものが好ましく使用できる。
【0046】
トナーに対するこれら帯電制御剤の添加量は、一般に0.1重量%〜10重量%より好ましくは、0.5〜8重量%の範囲である。0.1重量%を下回ると帯電制御効果が不十分であり、また10重量%を越えると、トナー抵抗の過度の低下を引き起こし使いにくくなるからである。
【0047】
さらに、上記帯電制御剤と共に、金属石鹸、無機または有機金属塩を併用することができる。そのような金属石鹸としては、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、バリウム、カルシウム、鉛及び亜鉛のステアリン酸塩、またはコバルト、マンガン、鉛及び亜鉛のリノレン酸塩、アルミニウム、カルシウム、コバルトのオクタン酸塩、カルシウムとコバルトのオレイン酸塩、パルミチン酸亜鉛、カルシウム、コバルト、マンガン、鉛及び亜鉛のナフテン酸塩、カルシウム、コバルト、マンガン鉛及び亜鉛のレジン酸塩等を用いることができる。また、無機及び有機金属塩としては、例えば金属塩中のカチオン性成分は、周期律表の第Ia族、第IIa族、および第III a族の金属からなる群より選ばれ、該酸のアニオン性の成分はハロゲン、カーボネート、アセテート、サルフェート、ボレート、ニトレート、およびホスフェートからなる群より選ばれる塩である。これら帯電制御あるいはクリーニング助剤は、一般に、トナーあたり0.1重量%〜10重量%、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲である。0.1重量%を下回ると所望する効果が不十分であり、また10重量%を越えると、トナー粉体流動性の低下等を引き起こし、いずれも好ましくない。
【0048】
本発明において、トナー材料の溶解もしくは分散に用いる溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、結着樹脂を溶解できるものであって、かつ、水に溶解する割合が0 〜30重量% 程度のものであることが好ましい。また、工業化を行うにあたり、作業上の安全性、コスト及び生産性等をも考慮すると、結着樹脂がポリオレフィンである場合にはシクロヘキサンを用い、また、その他の結着樹脂の場合には酢酸エチルを用いることが特に好ましい。これらの溶剤は、トナー材料の混合液の粘度が、20℃において1 〜10000mPa・s の範囲になるように用いられ、好ましくは1 〜2000mPa ・s の範囲である。
【0049】
次に、本発明における第2 の工程は、トナー材料混合液を分散及び懸濁させる分散懸濁工程である。この分散懸濁工程においては、上記混合工程で得られたトナー材料の混合液を、水系媒体中に導入して懸濁液を得るものである。
【0050】
その水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散させたものを用いることが好ましい。また、トナー粒子の粒度分布を均一にするためには、水中に無機分散剤を分散させるとともに、水に溶解する高分子分散剤を添加することが好ましい。この無機分散剤は、ボールミルのようなメディアの入った分散機、高圧分散機または超音波分散機等を用いて水中に分散させる。また、高分子分散剤は、水中に均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。また、本発明に用いる水は、通常、イオン交換水、蒸留水または純水である。
【0051】
上記の無機分散剤としては、親水性分散剤を用いることが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等を挙げることができるが、炭酸カルシウムが特に好ましい。また、これらの無機分散剤は、その粒子表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されているものがより好ましい。このような重合体で被覆されたものを用いると、安定したトナー粒子を製造することができる。また、上記のカルボキシル基を有する重合体としては、数平均分子量が1000〜200000の範囲のものを用いることが好ましく、例えば、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、フマール酸系樹脂、マレイン酸系樹脂等が代表的なものとして挙げられ、これらの樹脂の構成モノマーであるアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸等の単独重合体又はそれらの共重合体及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体も使用することができ、また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。
これらの無機分散剤としては、平均粒子径が1 〜1000nmの範囲のものが用いられるが、好ましくは5 〜100nm の範囲のものである。また、その無機分散剤の使用量は、トナー100 重量部に対して1 〜500 重量部の範囲であり、好ましくは10〜200 重量部の範囲である。
【0052】
上記の高分子分散剤としては、親水性のものを用いることが好ましく、カルボキシル基を有するものの中でヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等の親油基を持たないものが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテルが用いられるが、特に、カルボキシメチルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エーテル化度が0.6 〜1.5 であり、平均重合度が50〜3000のものである。また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。
【0053】
分散懸濁工程に使用される装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製) 、ポリトロン( キネマティカ社製) 、TKオートホモミクサー( 特殊機化工業社製) 、ナショナルクッキングミキサー( 松下電器産業社製) 等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー( 荏原製作所社製) 、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー( 特殊機化工業社製) 、コロイドミル( 神鋼パンテック社製) 、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機( 三井三池化工機製) 、キャビトロン( ユーロテック社製) 、ファインフローミル( 太平洋機工社製) 等の連続式乳化機、クレアミックス( エムテクニック社製) 、フィルミックス( 特殊機化工業社製) 等のバッチ又は連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー( みづほ工業社製) 、ナノメーカー、ナノマイザー( ナノマイザー社製) 、APV ゴウリン( ゴウリン社製) 等の高圧乳化機、膜乳化機( 冷化工業社製) 等の膜乳化機、バイブロミキサー( 冷化工業社製) 等の振動 式乳化機、超音波ホモジナイザー( ブランソン社製) 等の超音波乳化機等が挙げられる。
【0054】
次に、本発明における第3 の工程は、第2工程で得られた懸濁液の溶媒除去工程である。この溶媒除去工程においては、上記分散懸濁工程で得られた懸濁液中の溶媒を除去してトナー分散液を得るものである。この工程において得られるトナー分散液は、乾燥させることなく、トナー材料及び無機分散剤等が分散した液体であることが必要である。また、この懸濁液の溶媒除去は、分散懸濁工程の直後に行なってもよいが、得られるトナー粒子の粒度分布をより均一にするには、粒度分布を安定させるため、分散懸濁工程終了後、懸濁液を1 〜5 分放置した後に溶媒除去を行うことが好ましい。
【0055】
本発明に用いられる静電荷現像用トナーの製造方法において、上記した溶媒除去装置、溶媒除去システムを適用することによって、工業化規模でトナー材料を含む懸濁液から粒度分布及び形状を悪化させることなく効率良く溶媒を除去することができる。上記懸濁液は、溶媒懸濁液又は分散懸濁液ともいう。
【0056】
また、分散懸濁液を液保持部材から下方の液保持部材への落下の過程における分散懸濁液を落下させる際の分散懸濁液の形態として、落下の際の分散懸濁液に付加される衝撃力が少ないこと、気体との接触面積が大きいこと、吹きつける不活性ガスの流れに安定であること、液中への気体の巻込みが少なく発泡が抑えられること等から、分散懸濁液が少なくとも柱状の部分を有するように落下させることが好ましい。
【0057】
また、蒸発した溶媒を除去し効率良く溶媒除去を促進させるためには、気液界面において不活性ガスと0.1m/sec以上5m/sec 以下の風速下で接触させることが好ましい。それらの風速が0.1m/sec 未満であると蒸発した溶媒が停滞し、効率良く溶媒除去が促進されず、5m/secを越えると分散懸濁液が柱状の形態を保てなくなるため好ましくない。
【0058】
さらにこの時、分散懸濁液に付加するストレスを抑えるため、分散懸濁液を落下させる高さが50cm以下であることが好ましく、分散懸濁液を効率良く落下させるためには、0.3cm以上50cm以下の範囲であることがより好ましい。それらの高さが50cmを越えると分散懸濁液の落下時の速度が過大となり液面到達時に過大なストレスが付与されるため、トナー粒子が分裂し、微粒子が発生することにより粒度分布がブロードになるため好ましくない。
【0059】
また、この溶媒除去装置後の工程中での撹拌翼の周速度は分散懸濁液に付加するストレスを抑えるため、70m/min 以下であることが好ましく、処理液受けタンク内の懸濁液の混合性から10m/min以上70m/min 以下であることがより好ましい。それらの速度が70m/minを越えると撹拌機による過大なストレスにより、トナー粒子が分裂し、微粒子が発生することにより粒度分布がブロードになるため好ましくない。
【0060】
本発明に用いられる静電荷現像用トナーの製造方法に用いられる気体としては、懸濁液中に溶剤が含まれているために、不活性気体が好ましく、コストも考慮すると安価な窒素ガスが特に好ましい。
不活性気体の純度は、酸素濃度が爆発限界以下の濃度となる純度より高ければよい。また、不活性気体と、空気を酸素濃度が爆発限界以下の濃度となるように混合して使ってもよい。
また、溶媒除去装置に分散懸濁液を供給する前に懸濁液に熱エネルギーを付与する場合、分散懸濁液中のバインダー樹脂のガラス転移温度以下の範囲で、高い温度の方が溶媒除去の効率を上げることができるが、安全性を見込むと、分散懸濁液中のバインダー樹脂のガラス転移温度よりも10〜25℃程度低い温度が好ましい。
【0061】
本発明における静電荷像現像用トナーの製造方法には、必要に応じて、以下の工程が付加される。まず、上記第3の溶媒除去工程で得られたトナー分散液から水系媒体を除去した後、洗浄し脱水して、トナーケークを得る工程(洗浄、脱水工程)である。この洗浄及び脱水工程では、溶媒除去工程で得られたトナー分散液を酸処理して無機分散剤を溶解させ、次に水で洗浄して脱水する。ただし、酸処理の後に、アルカリ処理を追加してもよい。
さらに、その次の工程は、上記洗浄脱水工程で得られたトナーケークを乾燥させた後、篩分及び外添して静電荷像現像用トナーを作製する工程(乾燥、篩分工程)である。これらの工程においては、トナーが凝集や粉砕を起こさない方法である限り、上記の乾燥、篩分及び外添は如何なる方法で行なってもよい。
【0062】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において「部」はすべて「重量部」を意味する。
上記成分をボールミルで24時間分散することによりポリエステル樹脂が溶解したトナー材料混合液500 部を得た。
【0063】
[ 分散懸濁工程]
アクリル酸- マレイン酸共重合体( Mn:10000)
で被覆された炭酸カルシウム( 平均粒径:80nm) 10部
イオン交換水 90部
上記成分を超音波分散機に導入し、これを撹拌して水系媒体を調整した。この水系媒体20kgをウルトラタラックス(IKA社製) により周速度23.6m/sec で撹拌している中に、上記トナー材料混合液10kgを投入し、3 分間撹拌した後停止し、懸濁液30kgを得た。
【0064】
[ 溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 を図1に示す本発明の溶媒除去システムの処理液受けタンク12に入れ、送液ポンプ22により懸濁液を20×10-3m 3 /secでそれぞれの溶媒除去ユニットへ供給した。この時、懸濁液の落下の形態は柱状であった。また、液保持部材の底部に設けられた孔1つあたりの流量は、50cc/minであった。それと同時に窒素ガスを20m 3 /H の条件でガス噴出部材38より導入した。この窒素ガスの懸濁液界面の風速は1.0m/secであった。さらに、懸濁液を溶媒除去ユニットへ供給する過程で、二重管式熱交換機14に35℃の温水を通水し、懸濁液に熱エネルギーを供給した。また、この時の液保持部材間の距離(すなわち懸濁液の落下高さ)は10cmであり、攪拌翼13における攪拌の周速度は50m/min であった。
この条件では、トナー分散液は約1 時間で得られた。
【0065】
[ 洗浄、脱水工程]
溶媒除去工程で得られたトナー分散液の200 重量部に10規定塩酸40重量部を加え、さらに吸引濾過によるイオン交換水洗浄を4 回繰り返して、トナーケークを得た。
[ 乾燥、篩分工程]
脱水工程で得られたトナーケークを真空乾燥機で乾燥し、45μm メッシュで篩分して、静電荷像現像用トナーを得た。
得られたトナーの粒度分布は非常にシャープであり、トナー形状は均一であった。
【0066】
(実施例2 〜10)
実施例1 の方法において、溶媒除去工程の溶媒除去時における懸濁液の気液接触形態、液保持部材の底部に設けられた孔一つあたりの流量、懸濁液界面の風速、落下高さ、撹拌の周速度を下記表1に示す様にした以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。以下の表1に、これらの条件及び結果を併せて示す。
【0067】
比較例1
実施例1の方法において、溶媒除去工程を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。
[ 溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 を図1に示す処理液受けタンク12と同様な容器に入れ、35℃の温水で容器周囲を加熱しつつ、周速度50m/min で撹拌しながらブロワーにより懸濁液面上の気体を強制更新した。この時の気液界面の風速は3.5m/sec であった。
この条件で、トナー分散液を得るには、38時間を要した。なお、得られたトナーの粒度分布はシャープであり、トナー形状は均一であった。
【0068】
比較例2
実施例1の方法において、溶媒除去工程を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。
[ 溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 を2.4 ×10-3m 3 /min 、窒素ガスを2kgf/cm2 の条件で二流体噴霧ノズルに供給し、懸濁液の上面に向かって噴霧した。この時35℃の温水で容器周囲を加熱しつつ、撹拌は、周速度30m/min で行い、液落下高さは、30cmであり、気液界面の平均風速は約2.0m/sec であった。
この条件で、トナー分散液を得るには、2時間を要した。なお、得られたトナーの粒度分布はブロードであり、トナー形状はやや不均一であった。
【0069】
比較例3
実施例1の方法において、溶媒除去工程を下記のようにした以外は、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。
[ 溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 の内3 ×10- 4 m 3 をビーカーに入れ、35℃の温水で加熱しつつ、大きめの撹拌羽根で周速度200m/min で撹拌した。この時懸濁液は撹拌羽根と供回りとなり遠心力によりビーカー壁面に押しつけられ薄膜状となっていた。
この条件下、ブロワーにより懸濁液面上の気体を強制更新した。この時の気液界面の風速は3.5m/sec であった。
この条件で、トナー分散液を得るには、2時間を要した。なお、得られたトナーの粒度分布はブロードであり、トナー形状は不均一であった。
【0070】
結果を表1に示すが、表中のトナー粒子の粒度分布、トナー粒子形状の均一性の評価は次の通りである。
〔トナー粒子の粒度分布〕
トナーの粒径およびその粒度分布を、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定した値において、粒度分布の幅を示す尺度としてGSD(Geometrical Standard
Deviation、(全トナー粒子数の50%個数平均粒径)/(全トナー粒子数の84%個数平均粒径))により算出される値が、1.6未満を◎、1.6以上1.8未満を○、1.8以上2.5未満を△、2.5以上を×として評価した。
〔トナー粒子形状の均一性〕
トナーの1000倍に拡大した走査型電子顕微鏡写真において、無作為に選んだトナー撮像100個の内、明らかに他粒子と形状が異なる粒子の存在率が5%未満を◎、5%以上15%未満を○、15%以上30%未満を△、30%以上を×として評価した。
【0071】
【表1】
【0072】
実施例11
[ 混合工程]
スチレン−n−ブチルアクリレート樹脂 100 部
酢酸エチル 400部
上記成分を撹拌機で6時間撹拌しスチレン−n−ブチルアクリレート樹脂が溶解した溶液500 部を得た。
[ 分散懸濁工程]
アクリル酸- マレイン酸共重合体( Mn:10000)
で被覆された炭酸カルシウム( 平均粒径:80nm) 10 部
イオン交換水 90部
上記成分を超音波分散機に導入し、これを撹拌して水系媒体を調整した。この水系媒体20kgをウルトラタラックス(IKA社製) により周速度23.6m/sec で撹拌している中に、上記樹脂溶解液10kgを投入し、3 分間撹拌した後停止し、懸濁液30kgを得た。
【0073】
[ 溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 を図1に示す本発明の溶媒除去システムの処理液受けタンク12に入れ、送液ポンプ22により懸濁液を20×10-3m 3 /secで溶媒除去ユニットへ供給した。この時、懸濁液の落下の形態は柱状であった。それと同時に窒素ガスを20m 3 /H の条件でガス噴出部材38より導入した。この窒素ガスの懸濁液界面の風速は1.0m/secであった。さらに、懸濁液を溶媒除去ユニットへ供給する過程で、二重管式熱交換機14に35℃の温水を通水し、懸濁液に熱エネルギーを供給した。また、この時の液保持部材間の距離(懸濁液の落下高さ)は10cmであり、処理受けタンク12における攪拌の周速度は50m/min であった。
この条件では、樹脂分散液は約1 時間で得られた。
【0074】
[ 洗浄、脱水工程]
溶媒除去工程で得られたトナー分散液の200 重量部に10規定塩酸40重量部を加え、さらに吸引濾過によるイオン交換水洗浄を4 回繰り返して、樹脂ケークを得た。
[ 乾燥、篩分工程]
脱水工程で得られた樹脂ケークを真空乾燥機で乾燥し、45μm メッシュで篩分して、樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子の粒度分布は非常にシャープであり、粒子形状は均一であった。
【0075】
実施例12
[ 混合工程]
アイソパーM(エクソン化学社製)35重量部とメチルエチルケトン100重量部の混合液にラウリルメタクリレート・スチレン共重合体(Mw=6×104 )95重量部及び油溶性界面活性剤(花王社製、ホモゲノールL−18乾燥品)0.1重量部を加えて溶解した。これに磁性粉(戸田工業社製、EPT−1000)100重量部を入れてサンドミルで3時間分散させた。次に、この分散液100重量部に対してポリイソシアネート(武田薬品社製、タケネートD110N)20重量部、及び、メチルエチルケトン10重量部を加えて十分に混合した。(この液をA液とする。)
一方、イオン交換水200重量部にヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製、メトローズ65SH50)10重量部を溶解させ、5℃まで冷却した。(この液をB液とする。)
【0076】
[ 分散懸濁・カプセル化前処理工程]
乳化機ウルトラタラックス(IKA社製) でB液を攪拌し、この中にA液をゆっくり投入して乳化を行った。このようにして乳化液中の油滴粒子の平均粒径が12μmのO/Wエマルジョンを得た。次いで、乳化機の代わりにプロペラ型の攪拌羽根を備えた攪拌機を用いて400回転/分で攪拌した。10分後、この中に第2のカプセル殻形成単量体であるジエチレントリアミンの2.5%水溶液100重量部を滴下した。
【0077】
[ 反応・溶媒除去工程]
前工程で得られた懸濁液30×10-3m 3 を図1に示す本発明の溶媒除去システムの処理液受けタンク12に入れ、送液ポンプ22により懸濁液を20×10-3m 3 /secで溶媒除去ユニットへ供給した。この時、懸濁液の落下の形態は柱状であった。それと同時に窒素ガスを20m 3 / H の条件でガス噴出部材38より導入した。この窒素ガスの懸濁液界面の風速は1.0m/secであった。さらに、懸濁液を溶媒除去ユニットへ供給する過程で、二重管式熱交換機14に35℃の温水を通水し、懸濁液に熱エネルギーを供給した。また、この時の液保持部材間の距離(懸濁液の落下高さ)は10cmであり、処理受けタンク12における攪拌の周速度は50m/min であった。
この条件では、カプセルトナー分散液は約1 時間で得られた。
[ 洗浄、脱水工程]
前工程で得られたトナー分散液に吸引濾過によるイオン交換水洗浄を7回繰り返して、トナーケークを得た。
[ 乾燥、篩分工程]
脱水工程で得られたトナーケークを真空乾燥機で乾燥し、45μm メッシュで篩分して、トナー粒子を得た。
得られた樹脂粒子の粒度分布は非常にシャープであり、粒子形状は均一であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の溶媒除去装置、溶媒除去システムおよび溶媒除去方法によれば、溶媒懸濁液に過度のストレス及び応力を与えることなく、生産規模に影響されずに、高効率で溶媒懸濁液から溶媒除去を行うことができ、かつ、粒度分布がシャープでかつ形状の均一な粒子を得ることが可能となる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によれば、生産規模に影響されずに、高効率で粒度分布がシャープでかつ形状の均一な優れた特性を有する静電荷像現像用トナーを作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶媒除去システムの構成例を示す側面概略構成図である。
液保持部材の例を示す上面概略図である。
【図2】 本発明の溶媒除去装置における溶媒除去ユニットの構成例を示す概略平面構成図である。
液保持部材の例を示す側面概略図である。
【図3】 本発明の溶媒除去装置におけるケーシング内の側面概略図である。
【図4】 (A)および(B)は本発明の溶媒除去装置における溶媒除去ユニットの液保持部材の円盤を示す平面図、(C)は液保持部材の側面断面図である。
【符号の説明】
10・・・溶媒除去装置、12・・・処理液受けタンク、14・・・二重管式熱交換器、30・・・ケーシング、32・・・上面蓋、34・・・ガス排出管、36A、36B、36C、36D、36E、36F・・・溶媒除去ユニット、38・・・ガス噴出部材、40A、40B、40C、40D、40E・・・液保持部材、42、44・・・円盤、46・・・ボス
Claims (4)
- トナー粒子を含有する溶媒懸濁液から溶媒を除去する溶媒除去装置であって、底部に複数の開孔を有する液保持部材が垂直方向に間隔をおいて複数段設けられており、一つの段の前記液保持部材の底部に設けられた開孔と該開孔を有する液保持部材の下方に隣接する液保持部材に設けられた開孔が垂直方向においてそれぞれ互いにずれて配置されており、上方側の液保持部材から下方側に隣接する液保持部材に落下する溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有し、溶媒懸濁液の落下の過程で気相と接触するように構成したことを特徴とする溶媒除去装置。
- 溶媒懸濁液の高さが0.3cm以上50cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶媒除去装置。
- 請求項1に記載の溶媒除去装置と、攪拌手段を有する液受け容器と、熱交換器と、を備え、これらの間で溶媒懸濁液を循環させるラインを有することを特徴とする溶媒除去システム。
- トナー粒子を含有する溶媒懸濁液から溶媒を除去する方法であって、底部に複数の開孔を有する液保持部材が垂直方向に間隔をおいて複数段設けられており、一つの段の前記液保持部材の底部に設けられた開孔と該開孔を有する液保持部材の下方に隣接する液保持部材に設けられた開孔が垂直方向においてそれぞれ互いにずれて配置されており、上方側の液保持部材から下方側に隣接する液保持部材に落下する溶媒懸濁液が少なくとも柱状の部分を有し、溶媒懸濁液の落下の過程で気相と接触する工程を有することを特徴とする溶媒除去方法。
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