JP3861247B2 - 覆工板の締結装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地下工事中に仮の路面として使用される覆工板を覆工受け桁に固定するための締結装置と、この締結装置の製造方法に関する。
従来の覆工板は、覆工板と覆工受け桁との締結を、直接ボルトによって行ったり、平板状の挟み版を介して締結することにより行っていた。このため、覆工受け桁に締結用の孔を形成する必要があり、断面の異なる覆工受け桁毎に覆工板を加工する必要があった。さらに、覆工受け桁の歪や振動等で締結が緩むことがあった。さらにまた、ボルトやナットを締め付けるために覆工板の下方に専用足場を組む必要があり、そのための工費、工期がかかるという問題があった。
そこで、覆工受け桁のフランジ下面に面接触可能な板体からなる締結クリップを水平面内で回動可能となるように覆工板底面にねじ部材を介して離脱可能に取り付け、かつこのねじ部材はコイルばねによりクランプ方向に付勢するように、つまりクランプ力を基本的にコイルばねの反発力により得るようにして、その上方の覆工板上面に形成した操作孔より締結作業、つまり締結クリップを下方に押しやりながら回動させてその向きを覆工受け桁方向に向ける作業を行えるようにしたものが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
また、ズレ止め部材を介して覆工板相互の連結を行うようにしたものも提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開平7−317007号公報 特開平7−332321号公報 特開平9−111709号公報
一般に路面は、側溝等への水はけを良くするために横断方向の断面でみて、中央部(センターライン部)が高い凸形の湾曲形状をしている。したがって、仮の路面として使用される覆工板も本来あるべき湾曲ラインに沿って配置されることが望ましい。このため、これを下方で支持する覆工受け桁からなる構造物は、横断方向の断面でみて中央部が高い段々状に構築される。この結果、高さの異なる2つの覆工受け桁間に覆工板を架設支持する部分が発生する。このような高さの異なる2つの覆工受け桁間に架設支持される覆工板は、2つの覆工受け桁への載置部である両辺部が各覆工受け桁の上面に対し平行にならず、締結クリップを回動させて覆工受け桁のフランジ下面に面接触させることで締結する締結方式では、前述のように高さの異なる2つの覆工受け桁間に覆工板が架設される場合、換言すれば覆工受け桁に対し覆工板が傾斜配置される場合、締結クリップの上面と覆工受け桁のフランジ下面とが平行とならず、締結クリップの回動時に、締結クリップと覆工受け桁のフランジのエッジとの間で干渉が発生する。これを回避するためには締結クリップの下方への移動可能量を大きくしなければならず、そのためにコイルばねの反発力を弱くする必要が生じ、これが覆工板特定部分の浮き上がりを発生させる要因となっていた。
さらに、この回動による締結方式のものにあっては、覆工受け桁に対する覆工板側の締結クリップの設置位置(回動軸位置)が固定されてしまうため、覆工受け桁の断面形状(例えばフランジ幅)が異なると適用できず、断面形状の異なる覆工受け桁毎に締結クリップの設置位置を対応させた覆工板を製作する必要があり、コスト高となっていた。
また、覆工板相互の連結を行うことは周知技術であるが、この覆工板相互の連結と、覆工板と覆工受け桁との連結、つまり路面覆工として縦横の固定を同時平行して行うことはできず、どちらかへの偏りが起り、路面修正作業のために交通対策上の不便や危険が多く発生していた。
本発明の技術的課題は、覆工受け桁のフランジの歪や各種のフランジ幅を吸収でき、かつ覆工板と覆工受け桁との締結だけでなく、隣接する覆工板相互の連結も同時並行的に覆工板上面から吊り孔を利用して容易に行うことができて、縦ズレや横ズレのない面一な覆工路面を得られるようにすることにある。
(1)本発明に係る覆工板の締結装置は、下記の構成からなるものである。すなわち、覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成し、この長穴には、覆工板下面と共に覆工受け桁のフランジを挟み込む締結クリップをスライド機構を介し一体化して取り付けるとともに、覆工板の上面における前記長穴に対向する位置に吊り孔を形成した覆工板の締結装置において、スライド機構は、覆工板底面の長穴の幅よりも大径で予めナットが取り付けられ一端側が締結クリップに溶接接合されたねじ部材を有し、このねじ部材には、他端に前記ナットの抜け止め軸部が形成されているとともに、そのねじ部両側外周面にこのねじ部を長穴に嵌入可能とする平坦面が形成されて成るものである。
(2)本発明に係る覆工板の締結装置において、前記締結クリップは、板体からなり、その覆工受け桁のフランジと接する先端部が、フランジ面に向けて逆への字状に折り曲げられているとともに、その覆工板下面と接する後端部が、覆工板下面側に向けてL状に折り曲げ形成されてなるものである。
(3)本発明に係る覆工板の締結装置は、ねじ部材が螺入可能なねじ穴を有する保護部材を更に備え、この保護部材を締結クリップの中央部の上面に溶接接合し、前記保護部材に螺入したねじ部材を該保護部材に溶接接合したものである。
(4)本発明に係る覆工板の締結装置は、前記覆工板底面の長穴内を摺動する前記スライド機構の覆工受け桁側終端位置の上方に、吊り孔の中心部が位置するように設定したものである。
(5)本発明に係る覆工板の締結装置は、覆工板底面の長穴に沿わせて締結クリップのガイドを設けたものである。
(6)本発明に係る覆工板の締結装置は、前記覆工板上面の吊り孔際の側面に、隣接覆工板相互を締結するための側孔を設けたものである。
(7)本発明に係る覆工板の締結装置の製造方法は、覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成し、一端側にねじ部、他端側にナットの抜け止め軸部を有し、前記長穴の幅よりも大径のねじ部材の前記ねじ部両側外周面に、該ねじ部を前記長穴に嵌入可能とする平坦面を刻設し、前記ねじ部材が螺入可能なねじ穴を有する保護部材を締結クリップに溶接接合し、前記ねじ部材にナットを螺入し、該ねじ部材のナット貫通部を前記覆工板底面の長穴に上方から差し込んでから、該ねじ部材の長穴貫通部の先端に前記保護部材を螺入することで締結クリップを装着し、締結クリップの先端が覆工板底面の長穴延長方向を向くように、ねじ部材に対する該締結クリップの回転角度位置を調整した後、前記保護部材とねじ部材を溶接接合することで、締結クリップと長穴内でスライダ機能を有するねじ部材とを一体化することを特徴としている。
(1)本発明に係る覆工板の締結装置においては、覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成し、この長穴には、覆工板下面と共に覆工受け桁のフランジを挟み込む締結クリップをスライド機構を介し一体化して取り付けるとともに、覆工板の上面における長穴に対向する位置に吊り孔を形成しているので、覆工受け桁に対応させて締結クリップの設置位置を自在に変更することができる。このため、断面形状(例えばフランジ幅)が異なる覆工受け桁への適用が可能となり、覆工板に汎用性を持たせることができる。
また、覆工板上から吊り孔を利用して締結クリップの角度調整無しに、締結クリップを覆工受け桁の長手方向に直交する方向にスライドさせるだけで締結のためのセッティングが完了するので、作業効率および安全性を向上させることができる。
更に、路面覆工作業の際に、路下に作業用の足場が不要となり、その分、費用を圧縮することができる。
また、スライド機構が、覆工板底面の長穴の幅よりも大径で予めナットが取り付けられ一端側が締結クリップに溶接接合されたねじ部材を有し、このねじ部材には、他端に前記ナットの抜け止め軸部が形成されているとともに、そのねじ部両側外周面に該ねじ部を前記長穴に嵌入可能とする平坦面が形成されているので、締め付けストロークを規定するねじ部を摺接ガイドとなる長穴内に直接嵌入させてスライダとして機能させることができる。このため、スライド機構の縦寸法の圧縮化を図りながら締め付けストロークを大きくすることができる。
また、長穴の長手方向に沿う面内でねじ部材を揺動させることができるため、この揺動によって、ねじ部材と一体の締結クリップの先端開口間隔(締結クリップの先端縁と覆工板下面との間の間隔)を、締め付けストロークの調整無しで容易に調整(拡縮)させることができる。このため、締結クリップを覆工受け桁のフランジに噛み付かせる作業、及びその後の締め付け作業が容易となる。
(2)本発明に係る覆工板の締結装置においては、板体からなる締結クリップの両端部が折り曲げられ、覆工受け桁のフランジと覆工板下面側に線接触して当接するので、単位面積当たりの締め付け荷重を大きくでき、かつ締結クリップの剛性を高めながらこれにスプリング効果を発揮させることもできる。このため、覆工路面における高さ方向のズレの発生を抑制でき、また高さ方向のズレが発生しても修正が容易となる。
(3)本発明に係る覆工板の締結装置においては、ねじ部材を保護部材を介して締結クリップの中央部の上面に溶接接合しているので、締結時に覆工受け桁のフランジのエッジと最も干渉しやすいねじ下部を保護することができて、フランジのエッジとの衝突によるねじ山の潰れ等の事故を未然に防ぐことができる。このため、繰り返し使用が可能となり、装置の長寿命化を図ることができる。
(4)本発明に係る覆工板の締結装置においては、覆工板底面の長穴内を摺動するスライド機構の覆工受け桁側終端位置の上方に、吊り孔の中心部が位置するように設定しているので、締結クリップの締め付け作業や解除作業が容易となる。
(5)本発明に係る覆工板の締結装置においては、覆工板底面の長穴に沿わせて締結クリップのガイドを設けているので、締結クリップに、平坦面を有するねじ部材と同様にスライダ機能を持たせることができる。
(6)本発明に係る覆工板の締結装置においては、覆工板上面の吊り孔際の側面に、隣接覆工板相互を締結するための側孔を設けているので、覆工板上から同一の吊り孔を利用して、覆工受け桁との締結作業および隣接覆工板相互の連結作業を行うことができる。このため、路面覆工として縦横の固定を同時平行して行うことができ、どちらかへの偏りがなくなって、路面修正作業が不要となり、作業効率および安全性を一層向上させることができる。
(7)本発明に係る覆工板の締結装置の製造方法においては、覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成し、一端側にねじ部、他端側にナットの抜け止め軸部を有し、前記長穴の幅よりも大径のねじ部材の前記ねじ部両側外周面に、該ねじ部を前記長穴に嵌入可能とする平坦面を刻設し、前記ねじ部材が螺入可能なねじ穴を有する保護部材を締結クリップに溶接接合し、前記ねじ部材にナットを螺入し、該ねじ部材のナット貫通部を前記覆工板底面の長穴に上方から差し込んでから、該ねじ部材の長穴貫通部の先端に前記保護部材を螺入することで締結クリップを装着し、締結クリップの先端が覆工板底面の長穴延長方向を向くように、ねじ部材に対する該締結クリップの回転角度位置を調整した後、前記保護部材とねじ部材を溶接接合することで、締結クリップと長穴内でスライダ機能を有するねじ部材とを一体化するようにしているので、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴内でスライダ機能を有する締結装置を容易に得ることができる。
図1乃至図7は何れも本発明の一実施形態に係る覆工板の締結装置を示すもので、図1はその覆工受け桁との締結前および隣接覆工板相互の連結前の状態と覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す斜視図、図2はその覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を拡大して示す斜視図、図3はその締結装置の分解斜視図、図4はその覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す側面図、図5はその覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す正面図、図6はその長穴と締結クリップとガイドの関係を覆工受け桁との締結後の状態で示す下面図、図7は覆工受け桁間への覆工板の架設状態を覆工板を透過させて示す斜視図である。
図において、1はI姿勢に設置されたH形鋼からなる覆工受け桁、2は例えば複数のH形鋼I姿勢に並列に並べてフランジ相互を溶接接合して基体が構成されてなる矩形の覆工板、3は覆工板2の4個所の角部底面2aに形成されて覆工受け桁1の長手方向に直交する方向に延びる長穴、4は長穴3にスライド機構5を介して離脱不可能に一体化して取り付けられた締結クリップであって、覆工板下面と共に覆工受け桁1のフランジ1aを挟み込む機能を有する。6は覆工板2の上面2bにおける長穴3に対向する位置に形成された吊り孔、7はこの吊り孔6際の覆工板側面2cに形成された側孔であり、覆工板上から吊り孔6を利用して側孔7にボルト8及びナット9を挿通させて、隣接覆工板2,2相互を締結するようになっている。つまり、吊り孔6は、路面覆工作業時に覆工板2をクレーン車で吊り上げる際に利用される他、締結クリップ4の締結作業および覆工板2,2相互の締結作業時にも利用されるようになっている。
これを更に詳述すると、締結クリップ4は、図3及び図4に示すように板体からなり、その覆工受け桁1のフランジ1aと接する先端部4aが、フランジ面に向けて逆への字状に折り曲げられているとともに、その覆工板2の下面と接する後端部4bが、覆工板下面側に向けてL状に折り曲げ形成されている。
スライド機構5は、図3及び図4に示すように覆工板底面2aの長穴3の幅よりも大径で予めナット11とスプリングワッシャ12がねじ部13a側より取り付けられて、一端側(ねじ部13a側)が締結クリップ4の中央部4cの上面に保護部材14を介して溶接接合されたねじ部材13を有し、このねじ部材13には、他端に前記ナットの抜け止め軸部13bが形成されているとともに、そのねじ部13aの両側外周面(図では一側外周面側の平坦面のみ示す)にねじ部13aを長穴3に嵌入可能とするための平坦面(図では一側外周面側の平坦面のみ示す)13c,13cが形成されている。また、保護部材14には、ねじ部材13が螺入可能なねじ穴14aが形成されている。
また、図5及び図6に示すように覆工板底面2aの長穴3に沿わせてその両側に締結クリップ4のガイド15,16が設けられていて、締結クリップ4に、平坦面13c,13cを有するねじ部材13と同様のスライダ機能を持たせることができるようになっている。すなわち、スライド機構5のスライダとして機能するねじ部材13の平坦面13c,13cは、幅を大きくする程、摺動時のかじりの発生が少なくなってスライダとしての機能が安定する。しかし、平坦面を形成するために肉を盗めば盗む程、締結強度が低下する。逆に平坦面13c,13cの幅を狭くすると、締結強度は大きくなるものの、摺動時のかじりの発生が多くなってスライダとしての機能が不安定となるだけでなく、最悪の場合、締結時の締め付け力によって平坦面13c,13cのエッジあるいは長穴3のエッジが潰れ、ねじ部材13が工具と共回りして締結クリップ4の向きが変動し、覆工受け桁のフランジから外れ、さらにねじ山も広範囲に亘って潰れてしまう。したがって、覆工板底面2aの長穴3に沿わせて締結クリップ4のガイド15,16を設け、締結クリップ4にもスライダ機能を持たせることで、締結クリップ4の回動を防止し、締結クリップ4と一体のねじ部材13の回動をも補助的に防止するようになっている。つまり、ガイドとスライダをそれぞれ2段構成として、ねじ部材13の平坦面13c,13cの幅をできる限り狭くし、ねじ部材13の肉厚とねじ部(螺合部)13aのエリアを広く確保して、締結強度を高めている。
また、覆工板2と覆工受け桁1のフランジ1aとの間には、スプリングワッシャ12と共に締結時に反発力を付与する比較的硬度が硬いゴム板17が配置されており、このゴム板17及びスプリングワッシャ12によって緩みが防止されて締結力が保持されさるようになっている。
次に、前述のように構成される覆工板の締結装置の製造方法について図3に基づき図4を参照しながら説明する。まず、覆工板2の角部底面に、覆工受け桁1の長手方向に直交する方向に延びる長穴3を形成する。次に、一端側にねじ部13a、他端側にナット11の抜け止め軸部13bを有し、長穴3の幅よりも大径のねじ部材13のねじ部両側外周面に、ねじ部13aを長穴3に嵌入可能とする平坦面13c,13cを刻設する。次いで、ねじ部材13が螺入可能なねじ穴14aを有する保護部材14を締結クリップ4の中央部4cの上面に溶接接合する。次いで、ねじ部材13にねじ部13a側よりナット11を螺入するとともにスプリングワッシャ12を嵌め込み、ねじ部材13のナット11貫通部を覆工板底面2aの長穴3に上方から差し込んでから、ねじ部材13の長穴貫通部の先端に保護部材14を螺入することで締結クリップ4を装着し、締結クリップ4の先端部4aが覆工板底面2aの長穴3延長方向(覆工受け桁)を向くように、ねじ部材13に対する締結クリップ4の回転角度位置を調整した後、保護部材14とねじ部材13を溶接接合することで、締結クリップ4と長穴3内でスライダ機能を有するねじ部材13とを一体化する。
このように、ねじ部材13を保護部材14のねじ穴14aに螺入させてから締結クリップ4の中央部4cの上面に溶接接合するので、心出し作業が簡単となり、覆工受け桁1の長手方向に直交する方向に延びる長穴3内でスライダ機能を有する締結装置を容易に得ることができる。
また、覆工受け桁1のフランジ1aのエッジと干渉する可能性の高いねじ部材13のねじ部13aを保護部材14によって保護することでねじ山が潰れるのを防止することができる。なお、ナット11は締め付け時にねじ部材13の下部まで移動することはないので、保護部材14は必ずしも必要でなく、図2に示すように締結クリップ4の中央部4cの上面に直接ねじ部材13を溶接接合してもよい。
次に、前述のように構成される覆工板の締結装置の現場での使用方法について図1乃至7に基づき説明する。まず、底面の角部に覆工受け桁1の長手方向に直交する方向に進退自在なスライド機構5を介して締結クリップ4が一体化されているとともに、これに対応する上面の角部に吊り孔6が形成されてなる覆工板2を、覆工受け桁1上の据付位置に載置した後、吊り孔6から図示しない締結工具を差し込み、締結工具によって締結クリップ4を覆工受け桁1の長手方向に直交する方向にスライドさせ、そのまま締め付ける。これにより、覆工受け桁1への締結作業が終了する。このため、覆工受け桁1への締結作業を極めて容易に行うことができる。
また、本実施形態においては、覆工板2上面の吊り孔6際の側面2cに、隣接覆工板相互を締結するための側孔7(図1)を設けているので、覆工板2上から同一の吊り孔6を利用して、覆工受け桁1との締結作業だけでなく隣接覆工板相互の連結作業を行うことができる。このため、路面覆工として縦横の固定を同時平行して行うことができ、どちらかへの偏りがなくなって、路面修正作業が不要となり、作業効率および安全性を向上させることができる。更に、路面覆工作業の際に、路下に作業用の足場が不要となり、その分、費用を圧縮することができる。
また、ここでは覆工板底面2aの長穴3に沿わせてその両側に締結クリップ4のガイド15,16を設けて、締結クリップ4に、平坦面13c,13cを有するねじ部材13と同様のスライダ機能を持たせることで、ガイドとスライダをそれぞれ2段構成としたものを図4〜図6に示して説明したが、ガイド15,16に覆工板2の覆工受け桁1に対する位置決め機能を持たせることもできる。この場合、覆工受け桁1の断面形状(例えばフランジ幅)が異なる覆工受け桁への適用ができず、汎用性が失われるが、本発明の適用は可能である。
締結クリップ4の位置はスライド機構5によって長穴3内で自在に変更できるため、図1、図2及び図7に示すようにガイド15,16無しの構成とすれば、覆工受け桁1の断面形状(例えばフランジ幅)が異なる覆工受け桁への適用が可能となり、覆工板2に汎用性を持たせることができる。
また、本実施形態においては、板体からなる締結クリップ4の両端部が折り曲げられ、覆工受け桁1のフランジ1aと覆工板下面側にそれぞれ線接触して当接するので、単位面積当たりの締め付け荷重を大きくでき、かつ締結クリップ4の剛性を高めながらこれにスプリング効果を発揮させることもできる。このため、覆工路面における高さ方向のズレの発生を抑制でき、また高さ方向のズレが発生しても修正が容易となる。
また、本実施形態においては、スライド機構5のねじ部材13のねじ部両側外周面にねじ部13aを長穴3に嵌入可能とする平坦面を形成しているので、締め付けストロークを規定するねじ部13aを摺接ガイドとなる長穴3内に直接嵌入させてスライダとして機能させることができる。このため、スライド機構5の縦寸法の圧縮化を図りながら締め付けストロークを大きくすることができる。
更に、長穴3の長手方向に沿う面内でねじ部材13を揺動させることができるため、この揺動によって、ねじ部材13と一体の締結クリップ4の先端開口間隔、つまり締結クリップ4の先端縁4aと覆工板下面との間の間隔を、締め付けストロークの調整無しで容易に調整(拡縮)させることができる。このため、締結クリップ4を覆工受け桁1のフランジ1aに噛み付かせる作業、及びその後の締め付け作業が容易となる。
なお、覆工板底面2aの長穴3内を摺動するスライド機構5の覆工受け桁1側終端位置の上方に、吊り孔6の中心部が位置するように設定すれば、締結クリップ4の締め付け作業や解除作業が容易となる。しかし、この場合、スライド機構5の覆工受け桁1側終端位置が固定されてしまい汎用性が失われるので、汎用性を持たせるために、吊り孔6の形状を長穴3に沿うような楕円形としてもよい。
本発明の一実施形態に係る覆工板の締結装置の覆工受け桁との締結前および隣接覆工板相互の連結前の状態と覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を拡大して示す斜視図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の分解斜視図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す側面図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の覆工受け桁との締結後および隣接覆工板相互の連結後の状態を示す正面図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の長穴と締結クリップとガイドの関係を覆工受け桁との締結後の状態で示す下面図である。 本実施形態に係る覆工板の締結装置の覆工受け桁間への覆工板の架設状態を覆工板を透過させて示す斜視図である。
符号の説明
1 覆工受け桁
1a 覆工受け桁のフランジ
2 覆工板
2a 覆工板底面
3 長穴
4 締結クリップ
4a 締結クリップの先端部
4b 締結クリップの後端部
4c 締結クリップの中央部
5 スライド機構
6 吊り孔
7 側孔
11 ナット
13 ねじ部材
13a ねじ部
13b 抜け止め軸部
13c 平坦面
14 保護部材
14a 保護部材のねじ穴
15,16 ガイド

Claims (7)

  1. 覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成し、該長穴には、覆工板下面と共に覆工受け桁のフランジを挟み込む締結クリップをスライド機構を介し一体化して取り付けるとともに、覆工板の上面における前記長穴に対向する位置に吊り孔を形成した覆工板の締結装置において、
    前記スライド機構は、覆工板底面の長穴の幅よりも大径で予めナットが取り付けられ一端側が締結クリップに溶接接合されたねじ部材を有し、このねじ部材には、他端に前記ナットの抜け止め軸部が形成されているとともに、そのねじ部両側外周面に該ねじ部を前記長穴に嵌入可能とする平坦面が形成されて成ることを特徴とする覆工板の締結装置。
  2. 締結クリップは、板体からなり、その覆工受け桁のフランジと接する先端部が、フランジ面に向けて逆への字状に折り曲げられているとともに、その覆工板下面と接する後端部が、覆工板下面側に向けてL状に折り曲げ形成されてなることを特徴とする請求項1記載の覆工板の締結装置。
  3. ねじ部材が螺入可能なねじ穴を有する保護部材を締結クリップの中央部の上面に溶接接合し、前記保護部材に螺入したねじ部材を該保護部材に溶接接合したことを特徴とする請求項記載の覆工板の締結装置。
  4. 覆工板底面の長穴内を摺動するスライド機構の覆工受け桁側終端位置の上方に、吊り孔の中心部が位置するように設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の覆工板の締結装置。
  5. 覆工板底面の長穴に沿わせて締結クリップのガイドを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の覆工板の締結装置。
  6. 覆工板上面の吊り孔際の側面に、隣接覆工板相互を締結するための側孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の覆工板の締結装置。
  7. 覆工板の角部底面に、覆工受け桁の長手方向に直交する方向に延びる長穴を形成する工程と、
    一端側にねじ部、他端側にナットの抜け止め軸部を有し、前記長穴の幅よりも大径のねじ部材の前記ねじ部両側外周面に、該ねじ部を前記長穴に嵌入可能とする平坦面を刻設する工程と、
    前記ねじ部材が螺入可能なねじ穴を有する保護部材を締結クリップに溶接接合する工程と、
    前記ねじ部材にナットを螺入し、該ねじ部材のナット貫通部を前記覆工板底面の長穴に上方から差し込んでから、該ねじ部材の長穴貫通部の先端に前記保護部材を螺入することで締結クリップを装着する工程と、
    締結クリップの先端が覆工板底面の長穴延長方向を向くように、ねじ部材に対する該締結クリップの回転角度位置を調整した後、前記保護部材とねじ部材を溶接接合することで、締結クリップと長穴内でスライダ機能を有するねじ部材とを一体化する工程と、
    を有することを特徴とする覆工板の締結装置の製造方法。
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