JP3860480B2 - ガスコンロ用バーナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナ本体と、それに載置させた載置状態に組み付けられるバーナキャップとが設けられ、
前記バーナ本体に備えさせる本体側嵌合部と前記バーナキャップに備えさせるキャップ側嵌合部とが、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記載置状態に向けて接近移動させることにより嵌合して、前記バーナ本体に対する前記バーナキャップの水平方向での位置決めを行うように構成されているガスコンロ用バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるガスコンロ用バーナは、バーナ本体にバーナキャップを載置状態に組み付けるようにして、バーナキャップをバーナ本体に対して着脱自在なように構成し、清掃等を行い易いようにしてある。
そして、バーナキャップをバーナ本体に載置状態に組み付けるときには、バーナキャップをバーナ本体に対して載置状態に向けて接近移動させることにより、バーナ本体に備えさせた本体側嵌合部とバーナキャップに備えさせたキャップ側嵌合部とを嵌合させて、バーナ本体に対するバーナキャップの水平方向での位置決めを行うように構成してある。
又、バーナキャップをバーナ本体に載置状態に組み付けるときには、バーナキャップをバーナ本体に対して上下方向に沿う上下軸心周りでの特定位相に位相調整する必要がある。これは、例えば、下記のような理由による。つまり、バーナ本体とバーナキャップとにより周方向に複数の炎口を形成するが、五徳の爪の存在箇所に対応する部分等は、他の部分よりも小さい炎が形成されるように、炎口形成形態を異ならせることから、バーナキャップの周方向で炎口形成形態が異なるためである。
【0003】
従来では、バーナキャップをバーナ本体に対して、特定位相に位相調整して載置状態に組み付けるために、本体側嵌合部及びキャップ側嵌合部とは別に、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位置決めするために、バーナ本体に本体側位相位置決め部を設け、バーナキャップには、本体側位相位置決め部に係合自在なキャップ側位相位置決め部を設けていた。
例えば、図19に示すように、バーナキャップBcにキャップ側位相位置決め部として、上下方向に沿って延びるように位置決めピン41を設け、バーナ本体Bmに、本体側位相位置決め部として、位置決めピンを挿通自在なピン挿通穴42を設けていた。尚、図19に示す従来のガスコンロ用バーナでは、本体側嵌合部Smは、上下軸心方向に沿って延びる本体側嵌合部用円穴43として構成し、キャップ側嵌合部Scは、本体側嵌合部用円筒状体43に内嵌自在なキャップ側嵌合部用円筒状体44として構成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、本体側嵌合部及びキャップ側嵌合部とは別に、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位置決めするために、本体側位相位置決め部及びキャップ側位相位置決め部を設けていたことから、構成が複雑となり、コストアップの要因となっていた。
又、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位置決めした状態で載置状態に組み付けるためには、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを嵌合させることに加えて、本体側位相位置決め部とキャップ側位相位置決め部とを係合させる必要があり、バーナキャップの組み付け作業が複雑となって、バーナキャップの組み付けがし難いものとなっていた。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低価格でしかもバーナキャップを組み付け易いガスコンロ用バーナを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の特徴構成は、前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを上下方向に沿う上下軸心周りでの特定位相に位相調整したときに、前記バーナキャップが前記載置状態となる適正嵌合状態に嵌合し、且つ、前記特定位相以外の位相では前記適正嵌合状態に嵌合しないように構成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位相調整して、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを嵌合させると、それらが適正嵌合状態に嵌合されることとなり、その適正嵌合状態では、バーナキャップはバーナ本体に対して、特定位相に位置決めされた状態で載置状態に組み付けられ、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相以外の位相に調整した状態では、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とは適正嵌合状態に嵌合しない。
つまり、本体側嵌合部及びキャップ側嵌合部を用いて、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位置決めした状態で水平方向に位置決めするように構成することにより、従来の如き本体側位相位置決め部及びキャップ側位相位置決め部を省略することができるので、構成を簡略化することができ、コストダウンを図ることが可能となる。
又、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位置決めした状態で載置状態に組み付けるに当たって、従来必要としていた本体側位相位置決め部とキャップ側位相位置決め部とを係合させる作業を不要とすることが可能となり、バーナキャップの組み付け作業を簡略化することができるようになった。
従って、低価格でしかもバーナキャップを組み付け易いガスコンロ用バーナを提供することができるようになった。
又、請求項1に記載の特徴構成は、前記キャップ側嵌合部が、前記バーナキャップが備えるキャップ本体から下方に前記上下軸心に沿って延びる円筒状体又は円柱状体として構成され、前記本体側嵌合部が、前記キャップ側嵌合部が嵌合自在な円柱状体又は円筒状体として構成され、
前記キャップ側嵌合部の先端と前記本体側嵌合部における前記キャップ側嵌合部の先端に対向する対向箇所とに、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記特定位相に位相調整したときに前記上下軸心方向に係合して、前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部との前記適正嵌合状態への嵌合を許容する凹凸部が形成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、上下軸心に沿って延びる円筒状体又は円柱状体として構成されたキャップ側嵌合部を、円柱状体又は円筒状体として構成された本体側嵌合部に嵌合させて、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位相調整すると、キャップ側嵌合部の先端と本体側嵌合部におけるキャップ側嵌合部の先端に対向する対向箇所とに設けられた凹凸部が上下軸心方向に係合して、バーナキャップをバーナ本体に対して接近移動させることができるようになって、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることができる。
つまり、従来から、キャップ側嵌合部が上下軸心に沿って延びる円筒状体又は円柱状体として構成され、本体側嵌合部がキャップ側嵌合部が嵌合自在な円柱状体又は円筒状体として構成される場合があるが、その場合に、キャップ側嵌合部の先端と本体側嵌合部におけるキャップ側嵌合部の先端に対向する対向箇所とに、バーナ本体に対してバーナキャップを特定位相に位相調整したときに上下軸心方向に係合するように、凹凸部を設けるだけの軽微な変更で、本発明を実施することが可能となる。
従って、軽微な変更で本発明を実施することが可能となるので、バーナキャップを組み付け易いガスコンロ用バーナを一段と低価格にて提供することができる。
【0007】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の特徴構成は、前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、それらが前記適正嵌合状態に嵌合する前の非適正嵌合状態における互いの接当により、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記上下軸心周りで案内するように構成されていることにある。
請求項2に記載の特徴構成によれば、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを互いに接当させることにより、本体側嵌合部にて案内される状態で、バーナキャップを上下軸心周りに回転させて、バーナ本体に対して特定位相に位相調整しながら、バーナキャップをバーナ本体に対して接近移動させて、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることができ、もって、バーナキャップをバーナ本体に対して、特定位相に位置決めされた状態で載置状態に組み付けることができる。
つまり、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させるに当たって、水平方向での移動が略規制された状態で、バーナキャップを上下軸心周りに回転させて、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位相調整することができると共に、バーナキャップをバーナ本体に対して接近移動させることができるので、水平方向でのバーナキャップの移動がフリーな状態で行う場合に比べて、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることが行い易くなる。
従って、バーナキャップの組み付けが一層行い易くなった。
【0008】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の特徴構成は、前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、前記非適正嵌合状態においては、前記上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状又は円状となる面同士の互いの接当により、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記上下軸心周りで案内するように構成されていることにある。
請求項3に記載の特徴構成によれば、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状又は円状となる面同士にて互いに接当させることにより、本体側嵌合部にて案内される状態で、バーナキャップを上下軸心周りに回転させて、バーナ本体に対して特定位相に位相調整しながら、バーナキャップをバーナ本体に対して接近移動させて、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることができ、もって、バーナキャップをバーナ本体に対して、特定位相に位置決めされた状態で載置状態に組み付けることができる。
つまり、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させるに当たって、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状又は円状となる面同士にて互いに接当させることにより、バーナキャップの上下軸心周りでの回転を案内するので、水平方向での移動が一段と規制された状態で、バーナキャップを上下軸心周りに回転させて、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相に位相調整することができると共に、バーナキャップをバーナ本体に対して接近移動させることができるので、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることが一段と行い易くなる。
従って、バーナキャップの組み付けが一段と行い易くなった。
【0009】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の特徴構成は、前記本体側嵌合部及び前記キャップ側嵌合部は、前記非適正嵌合状態においては、点火動作による点火が不可能となるように、前記バーナキャップを前記バーナ本体から離間させるように構成されていることにある。
請求項4に記載の特徴構成によれば、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とが非適正嵌合状態に嵌合される状態においては、点火動作による点火が不可能となるように、バーナキャップがバーナ本体から離間されているので、非適正嵌合状態において、点火動作を行っても点火させることができない。
つまり、点火動作は点火プラグを用いて行うように構成する。
そして、非適正嵌合状態においては、点火プラグにより点火動作を行っても、点火が不可能となるように、バーナキャップをバーナ本体から離間させるように、本体側嵌合部及びキャップ側嵌合部を構成することにより、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とが非適正嵌合状態に嵌合された状態で、バーナキャップがバーナ本体に組み付けられた場合には、点火動作を行っても点火することが無いので、そのことにより、使用者は、バーナキャップの組付けが不適正であることを容易に視認することができる。
従って、バーナキャップの不適性な組み付けを容易に視認することが可能なようにすることができた。
【0011】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載の特徴構成は、前記本体側嵌合部に案内部が、前記キャップ側嵌合部に前記案内部にて案内される被案内部がそれぞれ設けられ、
前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記載置状態に向けて接近移動させるに伴って、前記バーナキャップを前記特定位相以外の位相から前記特定位相に向けて位相調整するように、前記案内部及び前記被案内部のうちのいずれか一方が傾斜状に構成されていることにある。
請求項に記載の特徴構成によれば、バーナキャップをバーナ本体に対して載置状態に向けて接近移動させるに伴って、キャップ側嵌合部の被案内部が本体側嵌合部の案内部に案内されることにより、バーナキャップが特定位相以外の位相から特定位相に向けて位相調整されて、キャップ側嵌合部が本体側嵌合部に適正嵌合状態にて嵌合される。
つまり、バーナキャップをバーナ本体に対して載置状態に向けて接近移動させることにより、バーナキャップが特定位相以外の位相から特定位相に向けて自動的に位相調整されて、キャップ側嵌合部が本体側嵌合部に適正嵌合状態に嵌合されるので、本体側嵌合部とキャップ側嵌合部とを適正嵌合状態に嵌合させることが一段と行い易くなる。
しかも、バーナキャップをバーナ本体に対して特定位相以外の位相にて載置すると、キャップ側嵌合部の被案内部が本体側嵌合部の案内部にて案内される状態で、バーナキャップが自重にて下降して、特定位相以外の位相から特定位相に向けて位相調整されて、キャップ側嵌合部が自動的に本体側嵌合部に適正嵌合状態にて嵌合されるようにすることも可能となる
従って、バーナキャップの組み付けが一段と行い易くなった。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のガスコンロ用バーナ(以下、単にバーナと称する場合がある)を設けたビルトインタイプのガスコンロを示し、このガスコンロは、3台のバ−ナBとグリルGを備える本体部Mと、その本体部Mの上面を覆うトッププレ−ト21と、このトッププレ−ト21に載置される五徳22とを備えて構成してある。
本体部Mの奥側には、グリルGにおける燃焼排ガスを排気する排気口(図示省略)を設け、本体部Mの前面部には、バ−ナBやグリルGの点火及び消火操作や火力調節を行う複数種の操作具Rや、グリルGの開閉扉Dを設けてある。
【0015】
図2及び図3に示すように、トッププレ−ト21には、各バーナBの設置位置に対応させて、円形の二次空気流路用凹部21aを形成すると共に、その凹部21aの略中央部に位置させて、バーナBの上部を挿通させる円形のバ−ナ用貫通孔21bを形成し、その凹部21aの外周部に、周方向に間隔を開けて複数の二次空気流入口21cを形成し、並びに、グリルGの前記排気口を挿通させる排気用貫通孔21e(図1参照)を開口してある。
トッププレート21には、各二次空気流路用凹部21aに対応させて、リング状の汁受け皿23を、その内周部をトッププレ−ト21と間隔を開けて二次空気吐出口24を形成する状態で、外周部をトッププレート21上に載置支持させて設けて、トッププレート21と汁受け皿23との間に、外周側の複数の二次空気流入口21cから流入させた二次空気を内周側の二次空気吐出口24から吐出させてバーナBに供給するように通流させる概ねドーナツ状の二次空気流路25を形成してある。
五徳22は、鍋等を載置する6本の爪22aを備え、6本の爪22aとバーナBとの周方向における相対位置関係が所定の設定位置関係になるように位置決めされた状態で、汁受け皿23を介してトッププレート21に載置するように構成してある。
【0016】
3台のバーナBは、それぞれ同様に、バーナ本体Bmと、それに載置させた載置状態に組み付けられるバーナキャップBcとを備えて構成し、バーナ本体Bmに備えさせる本体側嵌合部SmとバーナキャップBcに備えさせるキャップ側嵌合部Scとを、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを載置状態に向けて接近移動させることにより嵌合して、バーナ本体Bmに対するバーナキャップBcの水平方向での位置決めを行うように構成してある。
【0017】
そして、図3、図6及び図7に示すように、バーナキャップBcをバーナ本体Bmに対して載置状態に組み付けた状態で、内部に混合ガス分配室1が区画形成され、その混合ガス分配室1に連通する多数の主炎口2及び保炎流路3が周方向に交互に並ぶ状態で形成され、並びに、点火プラグ14に対応して点火炎口20が形成されるように構成してある。
主炎口2は、周方向において、略等間隔に並ぶように形成してあるが、五徳22の爪22aに対応する部分の主炎口2は、他の部分の主炎口2よりも流路横断面積が狭くなるように形成して、五徳22の爪22aに対応する部分の主炎口2からのガス噴出量が少なくなるようにして、五徳22の爪22aが過熱されるのを抑制するようにしてある。又、各主炎口2は斜め上向きに向くように形成してある。
【0018】
図1に示すように、3台のバーナBとして、燃焼量が最も大きい高火力バーナB1と、その高火力バーナB1よりも燃焼量が少なく、鍋底の温度を検出する温度センサ4を備えた標準バーナB2と、燃焼量が最も小さい小バーナB3とを設けてあり、以下の説明において、3台のバーナBを区別して説明する必要がある場合は、高火力バーナB1、標準バーナB2、小バーナB3とそれぞれ称して説明する。
【0019】
先ず、バーナキャップBcについて説明を加える。
図4、図6、図10及び図11に基づいて、標準バーナB2のバーナキャップBcについて説明する。
標準バーナB2のバーナキャップBcは、軸心が上下方向に向く円環状のキャップ本体5と、そのキャップ本体5の孔と連通する状態で、軸心が上下方向を向いてキャップ本体5の下方に連なるキャップ側嵌合部用円筒状体6を一体的に備えるように、アルミニウムを材料としてダイカストにて成形して製作してある。
そして、キャップ側嵌合部用円筒状体6にて、キャップ側嵌合部Scを構成する。
【0020】
キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端は、その略半周部分を上下軸心方向に沿って後退させるように形成して、キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端に凹凸部6Aを形成してある。
【0021】
キャップ本体5の外周側には、下方に突出する状態の円環状の厚肉部5Aを設け、その厚肉部5Aの下面は、外側ほど上方に位置する傾斜面に形成してある。
そして、キャップ本体5の厚肉部5Aの下面には、主炎口形成用の多数の主炎口用縦溝5aを周方向に間隔を隔てて形成すると共に、主炎口用縦溝5a同士の間には保炎流路用凹部5bを形成してある。ちなみに、図3に示すように、キャップ本体5の厚肉部5Aの下面において、点火プラグ14の側方に対応する箇所には、点火炎口20を形成するための点火炎口用溝5dを形成してある。
【0022】
主炎口用縦溝5aは、厚肉部5Aの外周側及び内周側の両方で開口するように形成し、保炎流路用凹部5bは、厚肉部5Aの外周側で閉じ、内周側で開くと共にその内周側の開口部を保炎流路用凹部5bの内部空間よりも狭くして絞り入口5cに形成してある。尚、五徳22の爪22aに対応する部分の主炎口用縦溝5aの深さを、他の部分の主炎口用縦溝5aの深さよりも浅くして、五徳22の爪22aに対応する部分の主炎口2の流路横断面積が他の部分の主炎口2よりも狭くなって、ガス噴出量が少なくなるようにしてある。
【0023】
図7に示すように、高火力バーナB1のバーナキャップBcは、標準バーナB2のバーナキャップBcと同様に、キャップ本体5及びキャップ側嵌合部用円筒状体6を備えるが、更に、キャップ本体5の上方に、間隔を隔てた状態で、キャップ本体5の孔を覆うように汁受け部7を備えるように、アルミニウムを材料としてダイカストにて成形して製作してある。
キャップ本体5及びキャップ側嵌合部用円筒状体6は、標準バーナB2のバーナキャップBcと同様であるので説明を省略する。
【0024】
図8及び図9に示すように、小バーナB3のバーナキャップBcは、軸心が上下方向に向く円盤状のキャップ本体5と、そのキャップ本体5の下方に軸心が上下方向を向いて連なるキャップ側嵌合部用円筒状体8を一体的に備えるように、アルミニウムを材料としてダイカストにて成形して製作してある。そして、キャップ側嵌合部用円筒状体8にて、キャップ側嵌合部Scを構成する。
【0025】
キャップ側嵌合部用円筒状体8は、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状となる割れ筒状に形成すると共に、割れ筒状のキャップ側嵌合部用円筒状体8の割れ部を、後述する本体側嵌合部Smを構成する突出部17を挿入する開口部9として機能させるように構成してある。
更に、キャップ側嵌合部用円筒状体8の割れ部の割れ幅を、キャップ側嵌合部用円筒状体8における先端側ほど広くなるようにして、開口部9の開口幅が、キャップ側嵌合部用円筒状体8における先端側に位置する部分ほど広くなるようにしてある。
【0026】
小バーナB3のキャップ本体5は、標準バーナB2のキャップ本体5と同様に、厚肉部5Aを設けると共に、その厚肉部5Aに、主炎口用縦溝5a、保炎流路用凹部5b及び絞り入口5cを形成してある。
【0027】
次に、バーナ本体Bmについて説明を加えるが、高火力バーナB1及び標準バーナB2のバーナ本体Bmは同様の構成であるので、高火力バーナB1及び標準バーナB2のバーナ本体Bmについては、標準バーナB2を対象にして、図3ないし図6に基づいて説明し、小バーナB3のバーナ本体Bmについては、図8及び図9に基づいて説明する。
【0028】
図3ないし図6に示すように、高火力バーナB1及び標準バーナB2のバーナ本体Bmは、混合管10と、その混合管10に接続されるバーナベース11とを一体的に備えるように、アルミニウムを材料としてダイカストにて成形して製作してある。
混合管10は、ガスノズル(図示省略)からガス燃料が噴出供給されると共に、そのガス燃料の噴出供給に伴って一次空気が吸引される供給口10iを備えて、その供給口10iから供給されるガス燃料と一次空気とを混合させるように構成してある。
バーナベース11は、軸心が上下方向に向く円筒状の内周壁12を備えて、上方が開口した概ね円環状の混合ガス分配室1を内部に形成する概ね円環状に形成し、その混合ガス分配室1に、混合管10から混合ガスが供給されるように構成してある。そして、バーナベース11の円筒状の内周壁12は、バーナキャップBcのキャップ側嵌合部用円筒状体6を内嵌させることが可能なように形成して、その内周壁12を、本体側嵌合部Smを構成する本体側嵌合部用円筒状体12として機能させるように構成し、その本体側嵌合部用円筒状体12の内周面には、その半周にわたって、内方側に向かって突出する突条部12aを設けてある。
【0029】
バーナベース11において、円環状の混合ガス分配室1の上部開口部の外周を囲む円環状のベース面13は、外方側ほど上方に位置する傾斜状に形成してある。
ベース面13の外周部側には、略全周にわたる状態で凹溝13aを形成し、その凹溝13aの外側を囲む突条部13bの高さは、凹溝13aの内側を囲む側壁部分13cの高さと略同高さにしてあり、更に、凹溝13aの外側を囲む突条部13bの外周には、その突条部13bよりも高さを低くした下がり段部13dを略全周にわたる状態で設けてある。
【0030】
更に、図3に示すように、バーナベース11の混合ガス分配室1の外側には、点火プラグ14を縦向きに挿通するプラグ挿通孔15を形成すると共に、そのプラグ挿通孔15の上部開口の上方を覆うようにプラグカバー16を設け、そのプラグカバー16には、点火プラグ14の放電電極14aに対向するターゲット電極16aを設けてある。
【0031】
図8及び図9に示すように、小バーナB3のバーナ本体Bmは、高火力バーナB1及び標準バーナB2のバーナ本体Bmと同様に、混合管10と、その混合管10に接続されたバーナベース11とを一体的に備えるように、アルミニウムを材料としてダイカストにて成形して製作してある。
小バーナB3の混合管10は、高火力バーナB1及び標準バーナB2の混合管10と同様に構成してある。
小バーナB3のバーナベース11は、上部が開口した概ね有底円筒状に形成し、その内部を混合ガス分配室1として、混合管10から混合ガスが供給されるように構成してある。
小バーナB3のバーナベース11には、内周壁から張り出す張り出し部17と、その張り出し部17の張り出し方向の先端から上方に延びる円柱状の本体側嵌合部用軸体18とを設けてある。本体側嵌合部用軸体18は、バーナキャップBcのキャップ側円筒状状体8を外嵌させることが可能なように形成してある。
そして、張り出し部17を、本体側嵌合部用軸体18の周方向の一部から突出する突出部17として機能させ、本体側嵌合部Smを本体側嵌合部用軸体18と突出部17とを備えて構成してある。
【0032】
小バーナB3のバーナベース11において、混合ガス分配室1の上部開口部を外周を囲む円環状のベース面13、そのベース面13の外周部側の凹溝13a、その凹溝13aの外側を囲む突条部13b、その突条部13bの外周の下がり段部13d、プラグ挿通孔15、プラグカバー16、及び、ターゲット電極(図示省略)は、高火力バーナB1及び標準バーナB2と同様であるので、説明を省略する。
【0033】
次に、バーナキャップBcをバーナ本体Bmに載置状態に組み付ける方法について説明する。
図3、図4、図6及び図7に示すように、高火力バーナB1及び標準バーナB2においては、バーナキャップBcのキャップ側嵌合部用円筒状体6をバーナ本体Bmの本体側嵌合部用円筒状体12に内嵌させ、バーナキャップBcを、本体側嵌合部用円筒状体12の内周面とキャップ側嵌合部用円筒状体6の外周面との接当により、バーナ本体Bmにて上下方向に沿う上下軸芯周りに案内される状態で回転させて、特定位相に位相調整する。
バーナキャップBcをバーナ本体Bmに対して特定位相に位相調整すると、キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端の凹凸部6Aの凹部に、本体側嵌合部用円筒状体12の突条部12aが係合して、バーナキャップBcをバーナ本体Bmに対して接近移動させることが可能となり、キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端の凹凸部6Aの凹部の底面に、本体側嵌合部用円筒状体12の突条部12aが接当する状態となり(この状態が適正嵌合状態に相当する)、バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して特定位相に位置決めした状態で水平方向に位置決めされた状態で固定され、もって、バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して、特定位相に位置決めされた状態で載置状態に組み付けられる。
【0034】
バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して特定位相以外の位相に位相調整されて、キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端の凹凸部6Aの凸部が、本体側嵌合部用円筒状体12の突条部12aに接当した状態(非適性嵌合状態に相当する)では、点火プラグ14により点火動作を行っても点火が不可能となるように、バーナキャップBcをバーナ本体Bmから離間させるべく、キャップ側嵌合部用円筒状体6の先端の凹凸部6A及び本体側嵌合部用円筒状体12の突条部12aを設定してある。
【0035】
尚、高火力バーナB1及び標準バーナB2においては、本体側嵌合部Sm及びとキャップ側嵌合部Scを同様の構成としてあるが、高火力バーナB1と標準バーナB2では、バーナキャップBc等の形状が異なるので、バーナキャップBcを高火力バーナB1と標準バーナB2とで載せ間違うことを防止することができる。
【0036】
図8及び図9に示すように、小バーナB3においては、バーナキャップBcのキャップ側嵌合部用円筒状体8をバーナ本体Bmの本体側嵌合部用軸18に外嵌させ、バーナキャップBcを、本体側嵌合部用軸体18の外周面とキャップ側嵌合部用円筒状体8の内周面との接当により、バーナ本体Bmにて上下方向に沿う上下軸芯周りに案内される状態で回転させて、特定位相に位相調整する。
バーナキャップBcをバーナ本体Bmに対して特定位相に位相調整すると、キャップ側嵌合部用円筒状体8の開口部9に、本体側嵌合部用軸体18の周方向の一部から突出する突出部17を入れ込んで、バーナキャップBcをバーナ本体Bmに対して接近移動させることが可能となり、キャップ側嵌合部用円筒状体8の開口部9の上面に、突出部17が接当する状態となって、バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して特定位相に位置決めした状態で水平方向に位置決めされた状態で固定され、もって、バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して、特定位相に位置決めされた状態で載置状態に組み付けられる。
【0037】
バーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して特定位相以外の位相に位相調整されて、キャップ側嵌合部用円筒状体8の先端が、突出部17に接当した状態(非適性嵌合状態に相当する)では、点火プラグ14により点火動作を行っても点火が不可能となるように、バーナキャップBcをバーナ本体Bmから離間させるべく、開口部9及び突出部17を設定してある。
【0038】
そして、上述のようにバーナキャップBcがバーナ本体Bmに対して組み付けられると、高火力バーナB1、標準バーナB2及び小バーナB3においては、同様に、図12ないし図14にも示すように、バーナキャップBcのキャップ本体5の主炎口用縦溝5a及び保炎流路用凹部5bと、バーナ本体Bmのバーナベース11のベース面13とにより、混合ガス分配室1に連通する主炎口2、保炎流路3及び点火炎口20が形成される。
【0039】
又、バーナベース11のベース面13の突条部13bは、キャップ本体5の厚肉部5Aの外周縁の下方に沿うように位置させて、ベース面13の凹溝13aをキャップ本体5の厚肉部5Aの外周縁よりも内方側に位置させることにより、凹溝13aを、主炎口2及び保炎流路3に連通させてある。
更に、突条部13bの高さを凹溝13aの内側を囲む側壁部分13cの高さと略同高さとすることにより、バーナベース11のベース面13とキャップ本体5の厚肉部5Aの下面との間に、略全周にわたり、且つ、主炎口2及び保炎流路3に連通する状態で隙間を形成して、その隙間を保炎口19として機能させるように構成してある。
【0040】
つまり、高火力バーナB1、標準バーナB2及び小バーナB3においては、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとを、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBmを上下方向に沿う上下軸心周りでの特定位相に位相調整したときに、バーナキャップBmが載置状態となる適正嵌合状態に嵌合し、且つ、特定位相以外の位相では適正嵌合状態に嵌合しないように構成してある。
又、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとを、それらが適正嵌合状態に嵌合する前の非適正嵌合状態における互いの接当により、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを上下軸心周りで案内するように構成してある。
更に、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとを、非適正嵌合状態においては、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状の面と円状の面との互いの接当により、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを上下軸心周りで案内するように構成してある。
【0041】
又、本体側嵌合部Sm及びキャップ側嵌合部Scは、非適正嵌合状態においては、点火動作による点火が不可能となるように、バーナキャップBcをバーナ本体Bmから離間させるように構成してある。
【0042】
又、高火力バーナB1及び標準バーナB2においては、本体側嵌合部Smを構成する本体側嵌合部用円筒状体12の内周に設けた突条部12aは、キャップ側嵌合部Scを構成するキャップ側嵌合部用円筒状体6の先端に対向する対向箇所に相当し、その突条部12aにより、本体側嵌合部用円筒状体12においてキャップ側嵌合部用円筒状体6の先端に対向する対向箇所に形成される凹凸部12Aを構成する。
つまり、高火力バーナB1及び標準バーナB2においては、キャップ側嵌合部Scを、上下軸心に沿って延びる円筒状体6として構成し、本体側嵌合部Smを、キャップ側嵌合部Scが内嵌自在な円筒状体12として構成し、キャップ側嵌合部Scの先端と本体側嵌合部Smにおけるキャップ側嵌合部Scの先端に対向する対向箇所とに、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整したときに上下軸心方向に係合して、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとの適正嵌合状態への嵌合を許容する凹凸部6A,12Aを形成してある。
【0043】
又、小バーナB3においては、本体側嵌合部Smを、上下軸心方向に沿って延びる本体側嵌合部用軸体18と、その本体側嵌合部用軸体18の周方向の一部から突出する突出部17とを備えて構成し、キャップ側嵌合部Scを、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状で、本体側嵌合部用軸体18に外嵌されるキャップ側嵌合部用円筒状体8にて構成し、そのキャップ側嵌合部用円筒状体8に、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整したときに、突出部17を入れ込んで上下軸心方向でのバーナキャップBcの移動を許容する開口部9を設けてある。
【0044】
次に、高火力バーナB1、標準バーナB2及び小バーナB3における燃焼形態について、図12ないし図14に基づいて説明するが、二次空気の供給形態が異なる以外は、高火力バーナB1、標準バーナB2及び小バーナB3のいずれも燃焼形態は同様であるので、一括して説明する。ちなみに、高火力バーナB1、標準バーナB2及び小バーナB3のいずれも、トッププレート21と汁受け皿23との間に形成される二次空気流路25を通じて二次空気が供給されるが、高火力バーナB1及び標準バーナB2では、互いに連通する環状のバーナキャップBcの孔及び環状のバーナベース11の孔を通じて、二次空気が供給される。
【0045】
混合ガス分配室1に混合ガスが供給されると、混合ガスが主炎口2及び点火炎口20から噴出すると共に、絞り入口5cから保炎流路3に流入して、保炎流路3において減圧された状態で、保炎口19から吐出し、点火プラグ14にて点火動作を行うと、点火炎口20から噴出する混合ガスが燃焼して点火炎が形成され、その点火炎により、主炎口2及び保炎口19から噴出する混合ガスに火移りして、主炎口2により主炎F1が形成され、保炎口19により保炎F2が形成されて、全体に燃焼する。
この場合、保炎流路3を流れる混合ガスの一部が、主炎口2間の保炎口19から吐出して、主炎口2間に保炎F2が形成され、並びに、主炎口2を流れる混合ガスのエジェクター作用により、保炎流路3を流れる混合ガスの一部が凹溝13aを通じて、主炎口2の下方の保炎口19にも流れてそこから吐出して、主炎口2の下方にも保炎F2が形成されるので、保炎F2が略全周にわたって形成される。
従って、主炎口2の下方に保炎F2が形成されて、主炎口2から噴出する混合ガスが保炎F2にて保炎される状態で燃焼するので、リフトが抑制されて安定燃焼する。
又、主炎口2の下方にも保炎F2が形成されることで、主炎口2間に形成される保炎F2を小さくできるので、主炎F1にスムーズに二次空気を供給することができて、燃焼の安定性を更に向上することが可能となる。
又、保炎流路3には、絞り入口5cを通じて混合ガスが供給されることで、保炎流路3においては混合ガスが減圧されるので、保炎流路3から混合ガスが、より均一化された圧力で凹溝13a及び保炎口19に供給されることとなり、保炎口19からの混合ガスの吐出が安定するので、保炎F2が安定して形成され、このことからも燃焼の安定性を更に向上することが可能となる。
【0046】
以下、本発明の第2ないし第4の各実施形態を説明するが、各実施形態においては、本体側嵌合部Sm及びキャップ側嵌合部Scの構成が異なる以外は、第1実施形態と同様であるので、同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、説明及び図示を省略し、主として、本体側嵌合部Sm及びキャップ側嵌合部Scについて説明する。
【0047】
〔第2実施形態〕
上記の第1実施形態のように、キャップ側嵌合部Scを上下軸心に沿って延びる円筒状体6として構成し、本体側嵌合部Smを、キャップ側嵌合部Scが内嵌自在な円筒状体12として構成する場合に、図15及び図16に示すように、キャップ側嵌合部Scの先端と本体側嵌合部Smにおけるキャップ側嵌合部Scの先端に対向する対向箇所とに形成する凹凸部6A,12Aを、バーナキャップBcをそのバーナキャップBcに対応するバーナ本体Bmに組み付けた場合には、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整したときに上下軸心方向に係合して、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとの適正嵌合状態への嵌合を許容し、且つ、バーナキャップBcをそのバーナキャップBcに対応するバーナ本体Bmとは異なるバーナ本体Bmに組み付けた場合には、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整しても、上下軸心方向に係合しないようにして、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとの適正嵌合状態での嵌合を阻止するように構成しても良い。
【0048】
尚、図15及び図16は、異なるバーナBの本体側嵌合部Sm及びキャップ側嵌合部Scを示し、各図において(イ)は、本体側嵌合部Smの円筒状体12の横断面図を示し、(ロ)は、キャップ側嵌合部Scの円筒状体6を示す。
つまり、本体側嵌合部Smの凹凸部12Aを形成すべく円筒状体12の内周部に形成する突条部12bを、バーナBが異なると周方向での位相が異なるように形成する。
【0049】
〔第3実施形態〕
図17に示すように、本体側嵌合部Smに案内部32を設け、キャップ側嵌合部Scに、本体側嵌合部Smの案内部32にて案内される傾斜状の被案内部31を設け、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを載置状態に向けて接近移動させるに伴って、バーナキャップBcを特定位相以外の位相から特定位相に向けて位相調整するように、本体側嵌合部Smの案内部32にてキャップ側嵌合部Scの傾斜状の被案内部31が案内されるように構成してある。
【0050】
具体的には、キャップ側嵌合部Scを構成するキャップ側嵌合部用円筒状体6において、先端に凹凸部6Aを形成するに当たって、段差間を傾斜状に形成して、その傾斜部分を傾斜状の被案内部31として機能させ、本体側嵌合部Smを構成する本体側嵌合部用円筒状体12の内周に設けた突条部12aの両端部を案内部32として機能させる。
【0051】
〔第4実施形態〕
図18に示すように、キャップ側嵌合部Scを、本体側嵌合部Smを構成する本体側嵌合部用円筒状体12に内嵌自在な円柱状体33として構成し、その円柱状体33の先端を、本体側嵌合部用円筒状体12の内周に設けた突条部12aにて構成される凹凸部12Aに係合自在な凹凸部33Aに形成しても良い。
【0052】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 本体側嵌合部Sm及びキャップ側嵌合部Scは、上記の各実施形態において例示した構成以外に種々に構成することが可能である。
例えば、上記の第1実施形態においては、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとを、非適正嵌合状態においては、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状の面と円状の面との互いの接当により、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを上下軸心周りで案内するように構成したが、上下軸心方向に直交する断面形状が円状の面同士の互いの接当により、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを上下軸心周りで案内するように構成しても良い。
【0053】
又、上記の第1実施形態において、キャップ側嵌合部Sc構成する円筒状体6及び本体側嵌合部Smを構成する円筒状体12を、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状となる割れ筒状に形成し、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとを、非適正嵌合状態においては、上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状となる面同士の互いの接当により、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを上下軸心周りで案内するように構成しても良い。
【0055】
又、キャップ側嵌合部Scを、上下軸心に沿って延びる円筒状体として構成し、本体側嵌合部Smを、キャップ側嵌合部Scが外嵌自在な円柱状体又は円筒状体として構成し、キャップ側嵌合部Scの先端と本体側嵌合部Smにおけるキャップ側嵌合部Scの先端に対向する対向箇所とに、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整したときに上下軸心方向に係合して、本体側嵌合部Smとキャップ側嵌合部Scとの前記適正嵌合状態への嵌合を許容する凹凸部を形成しても良い。
【0056】
又、上記の第1実施形態の小バーナB3においては、本体側嵌合部Smを、上下軸心方向に沿って延びる本体側嵌合部用軸体18と、その本体側嵌合部用軸体18の周方向の一部から突出する突出部17とを備えて構成し、キャップ側嵌合部Scを、上下軸心方向に直交する断面形状が円状で、本体側嵌合部用軸体18に外嵌されるキャップ側嵌合部用円筒状体にて構成し、そのキャップ側嵌合部用円筒状体に、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを特定位相に位相調整したときに、突出部17を入れ込んで上下軸心方向でのバーナキャップBcの移動を許容する開口部を設けても良い。
【0057】
(ロ) 本体側嵌合部Smに案内部32を、キャップ側嵌合部Scに、本体側嵌合部Smの案内部32にて案内される被案内部31をそれぞれ設け、バーナ本体Bmに対してバーナキャップBcを載置状態に向けて接近移動させるに伴って、バーナキャップBcを特定位相以外の位相から特定位相に向けて位相調整するように、案内部32及び被案内部31のうちのいずれか一方を傾斜状に構成するに当たって、上記の第3実施形態においては、被案内部31を傾斜状に構成する場合について例示したが、これに代えて、案内部32を傾斜状に構成しても良い。
【0058】
(ハ) 本発明は、上記の実施形態において例示した如き3台のバ−ナBを備えた所謂三口のガスコンロ以外に、2台のバ−ナBを備えた所謂二口のガスコンロや、1台のバ−ナBを備えた所謂一口のガスコンロ等、種々のガスコンロのガスコンロ用バーナに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスコンロ用バーナを設けたガスコンロの斜視図
【図2】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナを設けたガスコンロの要部の平面図
【図3】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナを設けたガスコンロの要部の縦断面図
【図4】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の分解斜視図
【図5】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナのバーナ本体を示す平面図
【図6】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の縦断面図
【図7】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の縦断面図
【図8】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の分解斜視図
【図9】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の縦断面
【図10】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナのバーナキャップの平面図
【図11】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナのバーナキャップの底面図
【図12】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の縦断面図
【図13】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の縦断面図
【図14】第1実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の斜視図
【図15】第2実施形態に係るガスコンロ用バーナを示す図
【図16】第2実施形態に係るガスコンロ用バーナを示す図
【図17】第3実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の分解斜視図
【図18】第4実施形態に係るガスコンロ用バーナの要部の分解斜視図
【図19】 従来のガスコンロ用バーナの要部の分解斜視図
【符号の説明】
6 円筒状体
6A 凹凸部
8 キャップ側嵌合部用円筒状体
9 開口部
12 円筒状体
12A 凹凸部
17 突出部
18 本体側嵌合部用軸体
31 被案内部
32 案内部
33 円柱状体
33A 凹凸部
Bc バーナキャップ
Bm バーナ本体
Sc キャップ側嵌合部
Sm 本体側嵌合部

Claims (5)

  1. バーナ本体と、それに載置させた載置状態に組み付けられるバーナキャップとが設けられ、
    前記バーナ本体に備えさせる本体側嵌合部と前記バーナキャップに備えさせるキャップ側嵌合部とが、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記載置状態に向けて接近移動させることにより嵌合して、前記バーナ本体に対する前記バーナキャップの水平方向での位置決めを行うように構成されているガスコンロ用バーナであって、
    前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを上下方向に沿う上下軸心周りでの特定位相に位相調整したときに、前記バーナキャップが前記載置状態となる適正嵌合状態に嵌合し、且つ、前記特定位相以外の位相では前記適正嵌合状態に嵌合しないように構成され
    前記キャップ側嵌合部が、前記バーナキャップが備えるキャップ本体から下方に前記上下軸心に沿って延びる円筒状体又は円柱状体として構成され、前記本体側嵌合部が、前記キャップ側嵌合部が嵌合自在な円柱状体又は円筒状体として構成され、
    前記キャップ側嵌合部の先端と前記本体側嵌合部における前記キャップ側嵌合部の先端に対向する対向箇所とに、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記特定位相に位相調整したときに前記上下軸心方向に係合して、前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部との前記適正嵌合状態への嵌合を許容する凹凸部が形成されているガスコンロ用バーナ。
  2. 前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、それらが前記適正嵌合状態に嵌合する前の非適正嵌合状態における互いの接当により、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記上下軸心周りで案内するように構成されている請求項1記載のガスコンロ用バーナ。
  3. 前記本体側嵌合部と前記キャップ側嵌合部とが、前記非適正嵌合状態においては、前記上下軸心方向に直交する断面形状が円弧状又は円状となる面同士の互いの接当により、前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記上下軸心周りで案内するように構成されている請求項2記載のガスコンロ用バーナ。
  4. 前記本体側嵌合部及び前記キャップ側嵌合部は、前記非適正嵌合状態においては、点火動作による点火が不可能となるように、前記バーナキャップを前記バーナ本体から離間させるように構成されている請求項2又は3記載のガスコンロ用バーナ。
  5. 前記本体側嵌合部に案内部が、前記キャップ側嵌合部に前記案内部にて案内される被案内部がそれぞれ設けられ、
    前記バーナ本体に対して前記バーナキャップを前記載置状態に向けて接近移動させるに伴って、前記バーナキャップを前記特定位相以外の位相から前記特定位相に向けて位相調整するように、前記案内部及び前記被案内部のうちのいずれか一方が傾斜状に構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスコンロ用バーナ
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