JP3860462B2 - 回転型位置検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーステアリングや姿勢制御用システム等において、ステアリングの回転角度や車高を回転角度に変換して検出する等の用途に用いられる回転型位置検出装置に係り、特にその内部の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転型位置検出装置の一例として回転型エンコーダ20を図10〜図12に基づいて説明すると、図10は従来の回転型エンコーダの要部断面図、図11は該回転型エンコーダに備わるスピードナットの平面図、図12は該回転型エンコーダの要部拡大断面図である。
【0003】
回転型エンコーダ20が取り付けられる本体部30には、一部の壁部31から有底円筒状に突出して形成された円筒部32が形成されており、該円筒部32内には複数のボールを有するボールベアリング部からなる軸受部33が配置されている。また、円筒部32の側壁の中央には、円状の通孔32aが形成されている。
【0004】
回転型エンコーダ20は、2段の筒状部からなる筐体21と、回転軸22と、該回転軸22と共回りする磁性回転体23と、この磁性回転体23の近傍に対向して配置された磁気検出素子たるホール素子24と、該磁性回転体23が回転軸22から抜け落ちないように保持するスピードナット25等から構成されている。
【0005】
筐体21は、断面略凸型に形成され、側壁(図10中上方)に開口部21aが形成されて、筒状部の開放側がかしめ等の適宜手段によって本体部30に固定されている。また、開口部21aには、平板矩形状のプリント基板26が外方に突出するように取り付けられており、該プリント基板26にはホール素子24が検出回路(図示せず)等に接続された状態で取り付けられ、このホール素子24は、開口部21aに位置するようになっている。
【0006】
回転軸22は、径の大きい第1の軸部22aと、該第1の軸部22aの一端から突出するように形成されると共に、径の小さい第2の軸部22bとから構成されている。そして第1の軸部22aは、円筒部32の通孔32aを貫通した状態で軸受部33に回転可能に保持されており、また第2の軸部22bは、円筒部32から突出して、筐体21の内部に位置している。
【0007】
磁性回転体23は、円板状の永久磁石からなり、中央には貫通孔23aが形成されている。そしてこの磁性回転体23の貫通孔23aには、第2の軸部22bが遊嵌状態で挿通しており、この磁性回転体23の一面が、第1、第2の軸部22a,22bの境目に位置した段部である第1の軸部22aの先端面に当接している。
【0008】
スピードナット25は、金属製の円形平板から構成され、図11に示すように、円板状の基体25aと、両側に切り欠き25bを設けて基体25aから、中央に突出して形成された3つの舌片25cと、基体25aの中央に形成された円形状の貫通孔25dを有している。このような構成をしたスピードナット25は、第2の軸部22bに強嵌合されて、磁性回転体23の他面に押しつけられて、回転軸22から磁性回転体23が抜けるのを防止している。即ち、貫通孔25dに第2の軸部22bを挿通し、基体25aを第1の軸部22a方向へ押圧し、スピードナット25と第1の軸部22aとで磁性回転体23を挟みつけるようになっている。このとき、3つの舌片25cが押圧方向と反対方向(図10中左方)にそれぞれ撓むことによって第2の軸部22bに強嵌合する。こうして舌片25cが強嵌合すると、スピードナット25は軸線方向へ移動が不可能となり、結果として磁性回転体23の抜けが防止されると共に、スピードナット25と磁性回転体23が回転軸22と共回りするようになる。
【0009】
このとき、第2の軸部22bは、磁性回転体23の貫通孔23aに遊嵌状態となっているため、図12に示すように、磁性回転体23の回転軸線C1と第2の軸部22bの軸線C2とが、軸線方向と直交する方向においてずれたままスピードナット25により、第2の軸部22bと磁性回転体23との位置が決定してしまう。
【0010】
次に従来の回転型エンコーダ20の動作を説明すると、ステアリングシャフト(図示せず)を介して回転軸22が回転すると、その回転に伴って磁性回転体23が回転する。そして、ホール素子24により磁界の変化を検出し、プリント基板26に形成されている磁気検出回路(図示せず)によって、磁性回転体23の回転に応じた検出パルスを検出させるようになっている。そして、磁性回転体23の回転軸線C1と第2の軸部22bの軸線C2とがずれたまま回転軸22が回転すると、磁性回転体23が楕円を描いて回転してしまい、ホール素子24との距離が変わってしまい、正常なパルスが検出できなくなり、また、その値は回転型エンコーダR1毎に異なる値となってしまうので、精度良く回転角度を測定できないという恐れがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明した従来の回転型エンコーダ20において、スピードナット25は、第2の軸部22bに嵌合して、単に、磁性回転体23に当接するのみであるため、スピードナット25と磁性回転体23との位置がずれる恐れがある。このようにスピードナット25と磁性回転体23との間にズレが生ずると、第2の軸部22bの軸線C2と磁性回転体23の回転軸線C1の位置が決まらず、回転軸22を回転させると、磁性回転体23が楕円を描くように回転しまい、このため性能が悪化する。このズレを防止するため、磁性回転体23の貫通孔23aと第2の軸部22bとの精度を手作業で補正しようとすると、量産性が悪化する他、コスト高になるという問題がある。また、両者の寸法精度を高めるとコスト高になってしまうという問題もある。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、回転軸の軸線と磁性回転体の回転軸線とを一致させ、回転軸の回転に伴って磁性回転体が正確な円を描くように回転する回転型位置検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の回転型位置検出装置は、中央部に貫通孔が形成された磁性回転体と、前記貫通孔に挿入された回転軸と、前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面との間に嵌合され、前記回転軸と前記磁性回転体とを一体的に連結するスペーサと、前記磁性回転体の近傍に配置され、前記回転軸の回転により前記磁性回転体が回転する際の磁界変化を検出する磁気検出素子とを備え、前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面とのそれぞれには、前記回転軸の軸線に対し傾斜するテーパ面を形成し、前記スペーサの内周面と外周面との両面には、前記テーパ面に当接する傾斜面を設けたことを最も主要な特徴としている。
【0014】
また、本発明の回転型位置検出装置は、前記スペーサを前記回転軸を包囲するリング状に形成したことを特徴としている。
【0015】
また、本発明の回転型位置検出装置は、前記貫通孔の内周面に前記テーパ面を前記貫通孔の径が内部に向かって漸次小さくなるように形成し、前記スペーサの外周面に前記傾斜面を設け、該スペーサの内周面を前記回転軸の外周面に係合させたことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の回転型位置検出装置は、前記スペーサには、そのリング径が変わるように弾性変形可能とするためのスリットを設けたことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の回転型位置検出装置は、前記回転軸の端部には、前記磁性回転体の下端面と当接する鍔部を設けたことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の回転型位置検出装置は、前記テーパ面と前記傾斜面との間に接着剤を介在させたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転型位置検出装置の一実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1〜図9は本発明の一実施形態を説明するためのもので、図1は本発明の一実施形態に係わる回転型位置検出装置の平面図、図2は該回転型位置検出装置の底面図、図3は該回転型位置検出装置の断面図、図4は図2から下蓋と回転軸とを取り除いて示す底面図、図9は図3の要部拡大断面図、図6は該回転型位置検出装置に備わるスペーサの斜視図、図5、図7、図8は本発明の参考例である要部拡大断面図を示し、図7は図5に対して回転軸の軸径が小さい場合の要部拡大断面図である。
尚、本発明の実施例としては、構成部品である磁性回転体、回転軸、スペーサの具体的な構成は図9に要部拡大断面図で示す構成であるが、基本的な構成が同じなため本発明の回転型位置検出装置の一実施形態の説明においては、図5、図7に示す参考例も合わせて説明するものとする。
【0021】
筐体1は、合成樹脂の成型品からなり、基体2と、この基体2とスナップ結合するリング状の平板からなる下蓋3とから構成されている。基体2は、断面コ字状のリング状の壁部を有する筒状の収納部4と、該収納部4の側縁から連結して外方に突出した細長矩形状のコネクタ部5で構成されている。収納部4は、大径からなる外側壁4aと、小径からなる内側壁4bと、この外側壁4aと内側壁4bとを連結し、中央部に孔4cを有する平板状の壁部4dとで構成されている。内側壁4bには、図4を参照するに、2箇所が切り欠かれて凹状部4eが形成されている。また、コネクタ部5には、矩形状の窪みからなる受部5aが、収納部4に向かって形成されている。なお、外側壁4aの縁部には爪受孔4fが設けられている。
【0022】
下蓋3は、合成樹脂のリング状の平板から構成され、孔3aを有する中央部がリング状に凹んでいる。そして、この下蓋3は、収納部4の開放側を覆うようにスナップ結合されて固定される。即ち、収納部4の開放側から下蓋3を収納部4に被せ、下蓋3の外周縁に立設された取付脚(図示省略)の爪部が爪受孔4fに係合することで、スナップ結合がなされる。そして、下蓋3がスナップ結合されると、下蓋3と収納部4の内・外側壁4b,4aとの間でドーナツ状の中空部4gが形成されると共に、内側壁4bの内側と下蓋3とで収納用の窪み部4hが形成され、この窪み部4hはその上下が孔4c,3aによって開放された状態となっている。
【0023】
プリント基板6は、扇状で平板状のリジッドな絶縁基板からなり、またコネクタ部5は、90度折り曲がった4本の端子7を有している。端子7の一端は、プリント基板6を貫通した状態で半田付けされると共に、他端は受部5a内に突出している。また、図3,4に示すように、プリント基板6の内方部には磁気検出素子たるホール素子8が半田付け等の適宜手段によって、該プリント基板6に対して垂直に取り付けられている。そして、プリント基板6は、コネクタ部5に埋設された4本の端子7と半田付けされた状態で、収納部4の中空部4g内に固定されている。なお、ホール素子8は、図3,4に示すように、内側壁4bの凹状部4e内に収納されて、窪み部4h側に露出している。
【0024】
磁性回転体9は、プラスチックマグネット等のリング状の永久磁石10を合成樹脂等のモールド材11によってモールドして円筒状に形成したものであり、中央部に貫通孔11aが設けられ、永久磁石10には周方向にN極とS極とが交互となるように着磁が施されており、図9及び図5に示すように、貫通孔11aの内周面には貫通孔11aの径が内部に向かって漸次小さくなるような、すり鉢状のテーパ面12が形成されている。また、永久磁石10の上面と下面とにはリング状の凸部10aが形成され、磁性回転体9が高速で回転して大きな遠心力が加わっても永久磁石10を確実にモールド材11に保持でき、永久磁石10とモールド材11の剥がれを防止することができるようになっている。
【0025】
このように永久磁石10と一体となっている磁性回転体9は、筐体1の窪み部4hに収納されて、内側壁4bと対向するようになっている。このとき、永久磁石10がホール素子8と同じ高さになるように磁性回転体9を位置させ、永久磁石10の一部は、図3に示すように、凹状部4eに収納されたホール素子8に対向する状態となる。このような状態で収納された永久磁石10と一体になった磁性回転体9は、窪み部4h内で回転自在となっており、磁性回転体9と共回りする永久磁石10の磁界の変化をホール素子8が読み取るようになっている。
【0026】
回転軸13は、金属材からなり、本実施の形態では焼結金属によって形成されて、中心に軸孔13aが形成された円筒状を有しており、図9では外周面に全周に亘って面取りが施されてテーパ面13dが設けられ、図5では外周面が回転軸13の軸線C2に平行とされ、端部には円板状をなすフランジからなる鍔部13bが一体に形成されている。このような回転軸13は、磁性回転体9の貫通孔11aに挿入されて鍔部13bが磁性回転体9の下端面に当接しており、回転軸13の軸線C2に対し磁性回転体9のテーパ面12が傾斜した状態となっている。
【0027】
スペーサ14は、合成樹脂材等でリング状に形成されてなるもので、図6に示すように、一部分が切り欠かれてスリット14aが設けられ、上端部にフランジ部14bが形成されており、外周面には全周に亘って傾斜面15が形成され全体として厚みが下端に至るほど薄く断面楔形状に形成されている。このようなスペーサ14は、内周側に回転軸13を嵌入させて回転軸13の外周面と磁性回転体9の貫通孔11aのテーパ面12との間に嵌合されることによって回転軸13と磁性回転体9とを一体的に連結しており、スペーサ14の内周面が回転軸13の外周面に面と面で接触して当接し、傾斜面15が磁性回転体9のテーパ面12に面と面で接触して当接している。従って回転軸13に対して安定して磁性回転体9を保持することができる。
図9に示す実施例では、回転軸13の外周面には、全周に亘って面取りが施されテーパ面13dが形成されており、スペーサ14の内周面には、全周に亘って回転軸13の外周面テーパ面13dと当接する傾斜面14cが形成された構成となっている。
【0028】
ところで、回転軸13は焼結金属からなっているので十分な強度があり、比較的安価に製造可能であるが、径寸法にばらつきが生じやすく、磁性回転体9の内周面と回転軸13の外周面との隙間が大きい場合、小さい場合等あり、回転軸13の軸線C2に対し磁性回転体9の回転軸線C1がずれを生ずる恐れがある。しかし、磁性回転体20の貫通孔23aの内周面をすり鉢状のテーパ面12となし、スペーサ14にはテーパ面12と面接触して当接する傾斜面15とスリット14aとを形成したので、回転軸13の径寸法が小さい場合には、回転軸13の外周面と磁性回転体9の貫通孔11aのテーパ面12との間にスペーサ14を押し入れて嵌合させると、テーパ面12と傾斜面15との当接によりスリット14aが狭められてスペーサ14が小径に弾性変形し、この変形に回転軸13が追従するため、回転軸13の外周面と磁性回転体9のテーパ面12との間隔が全周に亘って均一となり、図7に示すように、スペーサ14が図9及び図5に示すよりも下方に位置して、磁性回転体9の回転軸線C1に回転軸13の軸線C2が一致するようになる。
【0029】
また、回転軸13の径寸法が大きい場合には、回転軸13の外周面と磁性回転体9の貫通孔11aのテーパ面12との間にスペーサ14を嵌合させると、内周側に嵌入された回転軸13によってスペーサ14が大径に弾性変形してテーパ面12と傾斜面15とが係合するので、図9及び図5に示すように、スペーサ14が図7に示すよりも上方に位置して、磁性回転体9の回転軸線C1に回転軸13の軸線C2が一致する。
【0030】
このスペーサ14を嵌合させる際、磁性回転体9の下端面が回転軸13の鍔部13bに当接しているので、磁性回転体9が回転軸13の軸線C2方向に移動するのを規制することができ、スペーサ14の嵌合作業をスムーズに行うことができると共に、回転軸13の軸線C2に対する磁性回転体9の傾きを抑えることができる。
【0031】
また、ペーサ14が嵌合された後には、スペーサ14の内周面が回転軸13の摩擦係数の高い粗面たる外周面と係合しているので、スペーサ14が回転軸13から抜け落ちるのを防止でき、スペーサ14の傾斜面15が磁性回転体9のテーパ面12を押圧し磁性回転体9を回転軸13の鍔部13bに押し付けるように作用するため、磁性回転体9を回転軸13に確実に保持することができる。
【0032】
なお、本実施例において、回転軸13の外周面とスペーサ14の内周面を面接触して当接するようにしているので、多少傾いた状態でスペーサ14が回転軸13に対して挿入されたとしても、一番安定する面接触状態となるよう挿入に伴って矯正される。また、スペーサ14の外周面と磁性回転体9の内周面についても同様のことが言えるので、これらの構成によって、回転軸13に対して磁性回転体9は傾くことなく保持される。
【0033】
さらに、本実施例においては鍔部13bに磁性回転体9の下面を当接させており、この部分でも傾きが防止されるので、より確実に、また簡単に回転軸13に対して磁性回転体9は傾くことなく保持されるが、該鍔部13bは省略しても良い。
【0034】
また本実施例においては、、回転軸13の径寸法が小さい場合においてはスペーサー14は小径となるようにしているが、常にスペーサー14の径が回転軸13に対して小さくなるように作成しておいてもよい。そのようにすれば、スペーサは14は回転軸13と面と面で密着するよう大径に変形するので、スペーサー14は回転軸13にガイドされ傾くことなく押し入れられるので、より簡単に磁性回転体9が傾くことなく回転軸13に保持することがで可能となる。
【0035】
次に上記したように構成された本発明の回転型位置検出装置の動作を図3に基づいて説明する。この回転型位置検出装置は、回転軸13の軸孔13aに駆動源たるステアリングシャフトに繋がるウォームギヤ等のシャフト16が圧入嵌合され、該シャフト16が回転軸13に固定された状態で使用される。
【0036】
そして、図示せぬステアリングシャフトが回転することによってシャフト16が回転すると、この回転に伴って回転軸13が回転する。回転軸13が回転すると、磁性回転体9が共回りする。そして、2個のホール素子8により磁界の変化を検出して2相の正弦波を出力し、プリント基板6に形成されているCPU等(図示せず)によって、磁性回転体9の永久磁石10の回転に応じた検出パルスを検出し、端子7から電気信号として出力するようになっている。
【0037】
尚、この実施形態にあっては、スペーサ14の嵌合作業性が低下するのを防止するために、スペーサ14を一連のリング状に形成し一体品として取り扱うことができるもので説明したが、例えばスペーサ14を120度間隔で分割しなる3つのピースで構成するようにしてもよく、スペーサ14にはリング状の一体品の他に複数ピースで構成する等の種々の変更が可能である。
【0038】
また、この実施形態にあっては、磁性回転体9のテーパ面12にスペーサ14の傾斜面15を面接触で当接させるようにしたが、テーパ面12と傾斜面15のうちの一方に小突起を複数個設け、この複数の小突起とテーパ面12と傾斜面15のうちの他方とを点接触で当接させるようにしてもよい。すなわち本発明においては面方向でのみ両者が滑りを生ずるような構成であればよく、そのためには複数個の突起によって実質的に1つの表面を形成してもよい。
【0039】
また、テーパ面12と傾斜面15との間に接着剤を介在させ、この接着剤でテーパ面12と傾斜面15とを接着するようにすると、磁性回転体9をより確実に保持することができる。
【0040】
図8に示す参考例では、磁性回転体9にテーパ面12を形成しスペーサ14に傾斜面15を設ける代わりに、回転軸13の外周面に全周に亘って面取りを施してテーパ面13cを形成し、スペーサ14の内周面に全周に亘って傾斜面14dを形成した場合の磁性回転体9とスペーサ14及び回転軸13の要部拡大断面図を示しており、その余の構成は前述した実施形態と同様である。このようにしても、磁性回転体9の回転軸線C1に回転軸13の軸線C2を一致させることができる。
【0041】
上述した本発明の実施例によれば、磁性回転体9とスペーサ14及び回転軸13の構成は、図9に示すように、磁性回転体9の貫通孔11aの内周面にテーパ面12を形成し、スペーサ14の外周面に全周に亘って傾斜面15を設け、さらに回転軸13の外周面に全周に亘って面取りを施してテーパ面13dを形成し、スペーサ14の内周面に全周に亘ってテーパ面13dと当接する傾斜面14cを形成した構成としており、このように構成してあることから、磁性回転体9の回転軸線C1に回転軸13の軸線C2を一致させることができ、また、回転軸13の外周面に形成したスペーサ14の挿入側で大径となるテーパ面13dとスペーサ14の内周面に形成した傾斜面14cとの係合によって回転軸13とスペーサ14との接触面積が増大し、またスペーサ14は回転軸13に遮られてスペーサ14が挿入した方向に回転軸13から抜け落ちるのを確実に防止できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0043】
本発明の回転型位置検出装置は、回転軸の外周面と磁性回転体の貫通孔の内周面との少なくとも一方には、前記回転軸の軸線に対し傾斜するテーパ面を形成し、前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面との間に嵌合されるスペーサには、前記テーパ面に当接する傾斜面を設けたので、前記磁性回転体の回転軸線に前記回転軸の軸線を一致させることができ、前記回転軸の回転に伴って前記磁性回転体が正確な円を描くように回転し、所望の出力を出す高性能な回転型位置検出装置を提供することができる。
【0044】
また、前記スペーサを前記回転軸を包囲するリング状に形成したので、前記スペーサを容易に取り扱うことができ、組立作業性が低下するのを防止することができる。
【0045】
また、前記貫通孔の内周面に前記テーパ面を前記貫通孔の径が内部に向かって漸次小さくなるように形成し、前記スペーサの外周面に前記傾斜面を設け、該スペーサの内周面を前記回転軸の外周面に係合させたので、前記傾斜面で前記テーパ面を押圧することができるため、前記スペーサが前記回転軸から抜け落ちるのを防止でき、前記磁性回転体を前記回転軸に確実に保持することができる。
【0046】
また、前記テーパ面を前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面とに夫々形成し、前記傾斜面を前記スペーサの内周面と外周面との両面に設けたので、前記回転軸と前記スペーサとの接触面積が増大し前記スペーサが前記回転軸から抜け落ちるのを一層確実に防止できる。
【0047】
また、前記スペーサには、そのリング径が変わるように弾性変形可能とするためのスリットを設けたので、前記回転軸の径寸法にばらつきが生じても前記磁性回転体の回転軸線に前記回転軸の軸線を一致させることができる。
【0048】
また、前記回転軸の端部には、前記磁性回転体の下端面と当接する鍔部を設けたので、前記磁性回転体が前記回転軸の軸線方向に移動するのを規制することができ、前記スペーサの嵌合作業をスムーズに行うことができると共に、前記回転軸の軸線に対する前記磁性回転体の傾きを抑制することができる。
【0049】
また、前記テーパ面と前記傾斜面との間に接着剤を介在させたので、前記磁性回転体をより確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる回転型位置検出装置の平面図である。
【図2】 該回転型位置検出装置の底面図である。
【図3】 該回転型位置検出装置の断面図である。
【図4】 図2から下蓋と回転軸とを取り除いて示す底面図である。
【図5】 本発明の参考例を説明する要部拡大断面図である。
【図6】 本発明の回転型位置検出装置に備わるスペーサの斜視図である。
【図7】 本発明の参考例を説明する回転軸の軸径が小さい場合の要部拡大断面図である。
【図8】 本発明の参考例を説明する要部拡大断面図である。
【図9】 本発明の図3の要部拡大断面図である。
【図10】 従来の回転型エンコーダの要部断面図である。
【図11】 従来の回転型エンコーダに備わるスピードナットの平面図である。
【図12】 従来の回転型エンコーダの要部断面図である。
Claims (6)
- 中央部に貫通孔が形成された磁性回転体と、前記貫通孔に挿入された回転軸と、前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面との間に嵌合され、前記回転軸と前記磁性回転体とを一体的に連結するスペーサと、前記磁性回転体の近傍に配置され、前記回転軸の回転により前記磁性回転体が回転する際の磁界変化を検出する磁気検出素子とを備え、前記回転軸の外周面と前記貫通孔の内周面とのそれぞれには、前記回転軸の軸線に対し傾斜するテーパ面を形成し、前記スペーサの内周面と外周面との両面には、前記テーパ面に当接する傾斜面を設けたことを特徴とする回転型位置検出装置。
- 前記スペーサを前記回転軸を包囲するリング状に形成したことを特徴する請求項1に記載の回転型位置検出装置。
- 前記貫通孔の内周面に前記テーパ面を前記貫通孔の径が内部に向かって漸次小さくなるように形成し、前記スペーサの外周面に前記傾斜面を設け、該スペーサの内周面を前記回転軸の外周面に係合させたことを特徴とする請求項2に記載の回転型位置検出装置。
- 前記スペーサには、そのリング径が変わるように弾性変形可能とするためのスリットを設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の回転型位置検出装置。
- 前記回転軸の端部には、前記磁性回転体の下端面と当接する鍔部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の回転型位置検出装置。
- 前記テーパ面と前記傾斜面との間に接着剤を介在させたことを特徴とする請求項1,2,3,4,又は5に記載の回転型位置検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2001353760A JP3860462B2 (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 回転型位置検出装置 |
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