JP3858981B2 - ポリエチレンナフタレート繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンナフタレート繊維に関し、詳しくは機械物性、耐屈曲疲労性、耐加水分解性に優れたポリエチレンナフタレート繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンナフタレート(以下、PENということがある)の繊維は、ポリエチレンテレフタレートの繊維に比べて引張強度、ヤング率、耐加水分解性に優れており、産業用部材として高い注目を集めている。
【0003】
しかしながら、PEN繊維は糸の伸度、タフネスが低いことから耐屈曲疲労性や耐摩擦疲労性が低く、長期の連続使用に適していないという問題点がある。また、耐加水分解性に関しても、ポリエチレンテレフタレートに比して優れているものの、高温高湿度や水中といった過酷な環境での連続使用に耐えうるものではなかった。
【0004】
このようなPENの問題点に対して、耐屈曲疲労性の改善手段として、種々の共重合PENが提案されている。例えば、特開平10−17661号公報では、ダイマージオールを共重合したPENが、特開平10−101782号公報、特開平11−335452号公報では、芳香族ジオールアルキレンオキシド付加体成分を共重合したPENが、また特開2000−282324号公報ではイソフタル酸を共重合したPENが開示されている。
しかしながら、ダイマージオールを共重合したPENは耐屈曲疲労性の改善がなされるものの、ヤング率の低下があり、耐屈曲疲労性と高強度、高ヤング率とを併せ持つことが要求されるシートベルトなどの用途に対して適した材料とならない。また、芳香族ジオールアルキレンオキシド付加体成分を共重合したPEN、イソフタル酸を共重合したPENは、ヤング率を低下させることなく、耐屈曲疲労性が改善されているが、ガラス転移温度が低下するため、耐加水分解性はかえって低下するという問題点があった。
【0005】
このように、優れた機械物性、耐屈曲疲労性を有し、且つ耐加水分解性に優れたポリエチレンナフタレート繊維は未だ開発されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は前記の如き状況に鑑み、優れた機械物性、耐屈曲疲労性を有し、且つ耐加水分解性に優れたポリエチレンナフタレート繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール構成単位の90〜99モル%がエチレングリコール単位であり、1〜10モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であり、かつジカルボン酸構成単位の90モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位であるポリエステル樹脂を紡糸して得られるポリエチレンナフタレート繊維が、優れた機械物性、耐屈曲疲労性を有し、且つ耐加水分解性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のポリエチレンナフタレート繊維について詳細に説明する。
本発明のポリエチレンナフタレート繊維において、用いるポリエステル樹脂は、ジオール構成単位(ジオールに由来する構成単位)とジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール構成単位の90〜99モル%がエチレングリコール単位(エチレングリコールに由来する構成単位)であり、1〜10モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位(環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位)であることを必須とする。
ジオール構成単位の90モル%以上をエチレングリコール単位(エチレングリコールに由来するジオール単位)とすることで、本発明のポリエチレンナフタレート繊維は高い引張強度、ヤング率を発現する。
前記環状アセタール骨格を有するジオールとしては、一般式(1):
【0009】
【化3】
Figure 0003858981
【0010】
又は一般式(2):
【化4】
Figure 0003858981
【0011】
で表される化合物が好ましい。
一般式(1)と(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基を表す。R3は炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性体、例えばイソプロピル基、イソブチル基を表す。一般式(1)及び(2)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
【0012】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維に用いるポリエステル樹脂においては、環状アセタール骨格を有するジオール単位を1〜10モル%有することを必須とする。1モル%以上の場合に、本発明のポリエチレンナフタレート繊維は耐屈曲疲労性が向上し、10モル%以下の場合に、引張強度、ヤング率が高い値となる。
【0013】
環状アセタール骨格を有するジオールは剛直な分子構造を有するため、本発明のポリエステル樹脂はPENに比べて結晶性が低下し、ガラス転移温度が上昇するという特徴を有している。環状アセタール骨格を有するジオール単位を1〜10モル%とすることで、本発明に用いるポリエステル樹脂は適度に結晶性が低下し、引張強度、ヤング率などの機械強度を低下させることなく、引張伸度、結節強度を向上させることができ、耐屈曲疲労性が改善するものと思われる。
【0014】
また、従来技術で述べた共重合ポリエチレンナフタレートがガラス転移温度の低下に伴い、高温下での耐加水分解性が低下していたのに対して、本発明に用いるポリエステル樹脂では、環状アセタール骨格を有するジオール単位を含有することによりガラス転移温度はむしろ上昇し、本発明のポリエチレンナフタレート繊維は耐加水分解性が大幅に改善される。
【0015】
本発明では、ジオール構成単位として90〜99モル%のエチレングリコール単位と、1〜10モル%(前記モル%は、前記2種のジオールの合計量か、前記2種と他のジオールとの合計量に基づく)の環状アセタール骨格を有するジオール単位を必須とするが、これ以外のジオールを9モル%未満の範囲で含むことができる。該ジオールとしては、特に制限はされるものではないが、例えばトリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等ビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物及び芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
【0016】
また本発明のポリエステル樹脂のジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)は、90モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構成単位)であることを必須とし、さらには95モル%以上であることが好ましい。一方、10モル%未満の範囲で2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸単位を有していてもよい。
該2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル化物、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル化物が例示できる。
【0017】
本発明に用いるポリエステル樹脂を製造する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げることができる。また、固相重合を行うこともできる。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることが出来る。
【0018】
本発明に用いるポリエステル樹脂の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)は0.5〜1.5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2dl/gである。極限粘度が0.5dl/g以上である場合、機械強度が良好となり、1.5dl/g以下である場合には、紡糸性が良好となる。
【0019】
また、本発明に用いるポリエステル樹脂の末端カルボキシル基濃度は50meq/kg以下であることが好ましく、より好ましくは40meq/kg以下、更に好ましくは30meq/kg以下である。末端カルボキシル基濃度を50meq/kg以下とすることで、紡糸時の溶融安定性や本発明のポリエチレンナフタレート繊維の耐加水分解性がさらに良好となる。
尚、当該末端カルボキシル基濃度は、Makromolecular Chemie 26,226(1958)に記載の方法に準じて測定した。
【0020】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維を製造するに際して、溶融紡糸、延伸の工程は従来既知の方法で行うことができる。例えば、紡糸後、未延伸糸を巻き取り別途延伸する方法、未延伸糸をいったん巻き取ることなく連続して延伸を行う方法、溶融紡糸後、凝固浴中で未延伸糸を冷却固化させた後、加熱媒体中又は加熱ローラーなどの接触加熱下、あるいは非接触型ヒーターで延伸する方法などが挙げられる。
【0021】
延伸倍率は5.5〜8.0倍の範囲であることが好ましく、より好ましくは5.7〜7.5倍の範囲であり、更に好ましくは6.0〜7.0倍の範囲である。延伸工程は一段延伸のみでも、二段以上の延伸工程を経てもよく、最終的な延伸倍率が上記範囲であればよい。延伸倍率が上記範囲にある場合、繊維の強度と耐屈曲疲労性とを高い水準にて両立できると共に、延伸工程における断糸率も低く、生産性が向上する。
【0022】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維の製造で、紡糸時に使用する口金の形状は特に制限されるものではなく、例えば円形、異形、中実、中空等が挙げられる。
【0023】
本発明のポリエステル樹脂においては、カルボジイミド等の加水分解抑制剤、ビスオキサゾリン等の鎖延長剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、活剤、顔料、染料、繊維状もしくは板状無機強化剤などの各種添加剤を添加しても良い。また、ポリエチレンナフタレート以外の樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、各種エラストマーなどの樹脂を適宜添加しても良い。
【0024】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維のJIS L1070に基づく結節強度及び引掛強度はそれぞれ、4.0〜5.0g/de及び3.0〜5.0g/deであることが好ましい。結節強度及び引掛強度がそれぞれ上記範囲である場合に、耐屈曲疲労性に特に優れる。
【0025】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維のヤング率(JIS L1073に基づく)は、2000〜4000kg/mm2であることが好ましく、より好ましくは2100〜3000kg/mm2、更に好ましくは2200〜2800kg/mm2である。ヤング率が2000kg/mm2以上である場合、耐久性が向上するため好ましく、4000kg/mm2以下の場合繊維が適度な剛直性を有し好ましい。
【0026】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維の伸度(JIS L1070に基づく)は、10〜20%であることが好ましく、より好ましくは12〜18%である。伸度が10%以上である場合、耐屈曲疲労性に特に優れ、20%以下である場合、機械強度に特に優れる。
【0027】
更に本発明のポリエチレンナフタレート繊維延伸糸をオートクレーブ内で、135℃で40時間、飽和水蒸気中で湿熱処理し、湿熱処理前後のJIS L1070に基づく引張強度の強度保持率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは92%以上、特に好ましくは93%以上である。上記強度保持率が90%以上の場合、特に耐加水分解性に優れ、高温高湿度や水中といった過酷な環境での連続使用に好適に用いることができる。
【0028】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維は、良好な機械強度、耐屈曲疲労性、耐加水分解性を有しており、タイヤコード、ベルト材、キャンバス、スクリ−ン紗などの産業資材用途に好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【0030】
〔ポリエステル樹脂の評価方法〕
下記の製造例、比較製造例で得られたポリエステル樹脂の評価方法は以下の通りである。
(1)環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合
1H−NMR測定にて算出した。測定装置は日本電子(株)製JNM−AL400であり、400MHzで測定した。溶媒には重クロロホルムを用いた。
【0031】
(2)ガラス転移温度
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgm)は(株)島津製作所製、示差走査型熱量計(DSC/TA−50WS)を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中、昇温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。
【0032】
(3)極限粘度
極限粘度測定の試料はポリエステル樹脂0.5gをフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、25℃まで冷却して調製した。装置は(株)柴山科学機械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置(SS−300−L1)を用い、温度25℃で測定を行った。
【0033】
(4)末端カルボキシル基濃度
Makromolecular Chemie 26,226(1958)に記載の方法に準じて測定した。
【0034】
〔ポリエチレンナフタレート繊維の評価方法〕
次にポリエチレンナフタレート繊維の評価方法は以下の通りである。
(1)結節強度、引掛強度、引張強度、引張伸度
JIS L1070に準じて測定した。
【0035】
(2)ヤング率
JIS L1073に準じて測定した初期引張抵抗度から見掛けヤング率を算出した。
【0036】
(3)耐加水分解性
延伸糸をオートクレーブ内で、135℃で40時間、飽和水蒸気中で湿熱処理し、湿熱処理前後の延伸糸についてJIS L1070に準じて引張強度を測定し、強度保持率を算出し、耐加水分解性の評価とした。
【0037】
製造例1〜5、比較製造例1〜3(ポリエステル樹脂の合成)
第1表に記載の原料モノマーに、ジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルを添加して、窒素雰囲気下で200℃迄昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、エチレングリコールを留出させながら、最終的に280℃、0.1kPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。
【0038】
【表1】
Figure 0003858981
【0039】
【表2】
Figure 0003858981
*1 NDCM ; 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
*2 DMT ; テレフタル酸ジメチル
*3 SPG ; 3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
*4 EG ; エチレングリコール
*5 DOG ; 5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3−ジオキサン
【0040】
実施例1〜5、比較例1〜3
第2表に記載のポリエステル樹脂を粉砕、乾燥後、孔径0.27mm、6ホールの口金を用いて310℃で溶融紡糸を行い、400m/分で引き取った。この未延伸糸を150℃に加熱された供給ローラー上で6倍延伸し、続いて240℃に加熱された熱板上で定長熱処理し、70De/6filの熱延伸処理糸を得た。評価結果を第2表に示す。
【0041】
【表3】
Figure 0003858981
【0042】
【表4】
Figure 0003858981
【0043】
【発明の効果】
本発明のポリエチレンナフタレート繊維は、機械強度、耐屈曲疲労性、耐加水分解性に優れ、産業資材として広く用いることができ、本発明の工業的意義は大きい。

Claims (5)

  1. ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール構成単位の90〜99モル%がエチレングリコール単位であり、1〜10モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であり、かつジカルボン酸構成単位の90モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位であるポリエステル樹脂を紡糸して得られるポリエチレンナフタレート繊維。
  2. 環状アセタール骨格を有するジオールが一般式(1):
    Figure 0003858981
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
    又は一般式(2):
    Figure 0003858981
    (式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
    で表される請求項1に記載のポリエチレンナフタレート繊維。
  3. 環状アセタール骨格を有するジオールが3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3−ジオキサンである請求項2に記載のポリエチレンナフタレート繊維。
  4. 前記ポリエステル樹脂が、下記の(1)及び(2)に記載する物性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレンナフタレート繊維。
    (1)極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)が0.5〜1.5dl/gである。
    (2)末端カルボキシル基濃度が50meq/kgである。
  5. 下記の(1)〜(5)の物性を有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレンナフタレート繊維。
    (1)結節強度(JIS L1070に基づく)が4.0〜5.0g/de以上である。
    (2)引掛強度(JIS L1070に基づく)が3.0〜5.0g/de以上である。
    (3)ヤング率(JIS L1073に基づく)が2000〜4000kg/mm2である。
    (4)引張伸度(JIS L1070に基づく)が10〜20%である。
    (5)延伸糸をオートクレーブ内で、135℃で40時間、飽和水蒸気中で湿熱処理し、湿熱処理前後のJIS L1070に基づく引張強度の強度保持率が90%以上である。
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