JP3858184B2 - 自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤及び該硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤及び該硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は乳化安定性、耐食性、耐水性の優れた自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤及び該硬化剤を含有したエポキシ樹脂組成物に関するもので、水性塗料、接着剤、サイジング剤等に使用されるものである。
【0002】
【従来技術】
近年、大気汚染防止、作業環境改善等を含めた地球環境保全の観点から世界的にVOC総量規制の法制化ないし規制強化の方向に進んでいる。塗料分野、特に屋外で大量の有機溶剤を使用する重防食塗料分野においてはハイソリッド化、無溶剤化、弱溶剤化が進んでいるが、とりわけ水性樹脂は作業環境、取り扱い作業性などの面において有利であり、各種の水性樹脂組成物及びそれに用いられる水性樹脂硬化剤の開発が活発に行なわれている。
【0003】
上記の分野では一般にビスフェノールA型のエポキシ樹脂が使用されているが、エポキシ樹脂は一般に疎水性であり、これを水性化する方法として界面活性剤を添加して各種の乳化機で乳化分散させたエポキシ樹脂エマルションにするのが一般的である。しかし、通常の界面活性剤はエポキシ基と反応する官能基を持っていないため、乳化(分散)剤として使用した界面活性剤が硬化エポキシ樹脂中に単独で残り、耐水性、機械的な安定性を悪化させるという問題点がある。これらの問題点を解決する方法として、エポキシ樹脂に使用される硬化剤側に自己乳化機能を持たせることで界面活性剤を使用しない水性エポキシ樹脂組成物が提案されている。硬化剤としては通常アミン系硬化剤が用いられており、自己乳化機能を持たせるための手段としてポリエーテル結合を有するポリアミン化合物及びそのエポキシ樹脂アダクトなどが提案されており、界面活性剤が単独で残らないようにする工夫がなされているが、物理化学的特性が十分なレベルに達しているとは言い難く更なる性能の向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はエポキシ樹脂、及び水性エポキシ樹脂の硬化剤として用いることの出来る乳化機能に優れ、また耐食性、耐水性等に優れた硬化物が得られる自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、オキサゾリドン環を分子内に有することを特徴とするエポキシ基含有化合物と、ポリアミン類を反応させて得られる自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤がこれらの問題点を解決するのに最適な手段であることを見いだし本発明を完成するに到った。
【0006】
即ち本発明の要旨は、エポキシ基含有化合物(A)と、ポリアミン類(B)を反応させることにより得られる自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤であって、該エポキシ基含有化合物(A)は、ポリエチレングリコール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物(a)のイソシアネート基と、エポキシ樹脂(b)のエポキシ基との反応により得られ、自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤の全固形物に対するポリエチレングリコール化合物の含有量が5〜50重量%の範囲にあり、分子内にオキサゾリドン環を有していることを特徴とする自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤であり、更に該自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂組成物である。
【0007】
本発明で用いられるオキサゾリドン環を分子内に有することを特徴とするエポキシ基含有化合物(A)の中間体である末端イソシアネート基含有化合物(a)はポリエチレングリコール化合物とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基/水酸基の当量比が1.5〜3.0の割合で反応させることにより得ることができる。尚、イソシアネート基/水酸基の当量比が1.5より小さいと重合が進み分子量が大きくなり過ぎて自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤としたときに耐水性に悪影響を及ぼす為であり、3.0より大きいと反応に供しないポリイソシアネート化合物が多く残存するためである。
【0008】
本発明で用いられるポリエチレングリコール化合物は分子量500〜15,000が好ましい、より好ましくは2,000〜10,000である。分子量が500よりも小さいと乳化性が悪くなり、15,000よりも大きいと耐水性が損なわれるためである。
【0009】
本発明で用いられるポリイソシアネート化合物の代表的な例としては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートである。
【0010】
ポリエチレングリコール化合物とポリイソシアネート化合物の反応は公知の方法で行うことが出来る。具体的な方法としてはポリエチレングリコール化合物を溶融加熱して窒素ガスパージ、減圧により系内の水分を除去した後ポリイソシアネート化合物と触媒存在下、或いは無触媒で50℃〜150℃にて0.5〜10時間反応させることにより末端イソシアネート基含有化合物(a)を製造することが出来る。反応に用いられる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジンなどの3級アミン、ジブチルスズジラウレートなどの有機金属化合物等が挙げられる。反応に用いる触媒量は変性に用いられるポリイソシアネート化合物に対して10〜5,000ppm(重量)である。
【0011】
本発明で用いられるオキサゾリドン環を分子内に有することを特徴とするエポキシ基含有化合物(A)の原料であるエポキシ樹脂(b)は特に限定されることはなく、公知のエポキシ樹脂を使用することが出来る。このようなエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,6ヘキサンジオール等をエポキシ化した脂肪族ポリグリシジルエーテル、ビフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、臭素化BPA型エポキシ樹脂及びこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは分子内に2個以上のエポキシ基を有し、水酸基含有量が1.0meq/g以下のエポキシ樹脂である。水酸基含有量がこれ以上多いとオキサゾリドン環を生成しにくくなり好ましくない。より好ましくは水酸基含有量が0.5meq/g以下のエポキシ樹脂である。
【0012】
末端イソシアネート基含有化合物(a)とエポキシ樹脂(b)との反応はエポキシ基/イソシアネート基の当量比が1.5以上で行うことが好ましい。当量比が1.5より小さいとイソシアネート基同士の重合によりイソシアヌレート環が多量に生成しゲル化が起こり易くなることから好ましくない。
【0013】
末端イソシアネート基含有化合物(a)とエポキシ樹脂(b)の反応は公知の方法により行うことができる。具体的な反応方法としては得られた末端イソシアネート基含有化合物(a)にエポキシ樹脂(b)と触媒を添加して110℃〜200℃で1〜10時間反応させることによりオキサゾリドン環を分子内に有することを特徴とするエポキシ基含有化合物(A)を得ることが出来る。
【0014】
反応に用いられる触媒としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジンなどの3級アミン、トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムイオダイド等の4級アンモニウム塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
反応に用いられる触媒量は末端イソシアネート基含有化合物(a)に対して100〜100,000ppm(重量),好ましくは500〜10,000ppm(重量)である。
【0015】
本発明で用いられるポリアミン類(B)としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビスアミノヘキシルアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1,2プロピレンジアミン、1,3プロピレンジアミン、1,4ブタンジアミン、1,5ペンタンジアミン等が挙げられる。上記ポリアミン類は一種または二種以上の混合物で用いることもできる。また上記ポリアミン類を公知の方法によりエポキシアダクト化、ポリアミド化,マンニッヒ化した変性ポリアミン類を使用することもできる。
【0016】
オキサゾリドン環を分子内に有することを特徴とするエポキシ基含有化合物(A)とポリアミン類(B)との反応は公知の方法で行うことが出来る。エポキシ基含有化合物(A)とポリアミン類(B)の反応における比率は、(A)のエポキシ基に対して(B)のアミノ基の活性水素が過剰であれば特に規定されることはないが、(A)のエポキシ基1当量に対して(B)のアミノ基の活性水素が2当量以上で反応させることが好ましい。反応条件としては50℃〜130℃で1〜5時間反応させることにより自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を製造することが出来る。
【0017】
また本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤の全固形分に対するポリエチレングリコール化合物の含有量は5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%である。5重量%より少ないと乳化性ないし乳化物の安定性に劣る物となり、50重量%よりも多いと耐水性、塗膜物性が低下する等の問題が生じる。
【0018】
本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤はエポキシ樹脂又は水性エポキシ樹脂との組み合わせでエポキシ樹脂組成物とすることが出来る。エポキシ樹脂としては、一般の液状エポキシ樹脂、水性エポキシ樹脂としては強制乳化法により得られるエマルションタイプのエポキシ樹脂、自己乳化タイプの液状エポキシ樹脂、何れを用いることができる。
【0019】
本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤は必要に応じて水と混合して使用することが出来る。自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤と水の割合は特に制限はないが、重量比で30〜80:20〜70の範囲が好ましい。水分量が少なすぎると粘度が高くなりすぎて作業性が悪くなり、また多すぎると塗膜形成時の乾燥性が悪くなる傾向がある。
【0020】
また本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤は必要に応じて有機溶剤を使用することが出来る。その割合は目的により異なるが、通常自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤の固形分全体に対して重量比で0〜20の範囲が好ましい。
【0021】
また本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂又は水性エポキシ樹脂を用いて得られるエポキシ樹脂組成物は必要に応じてC12アルコールグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等の非反応性希釈剤より選ばれた1種又は2種以上の樹脂を所望の目的範囲で含有せしめることが出来る。また各種用途に応じてタルク、炭酸カルシウム、シリカ、カーボンなどの充填材や、ベンガラ、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化鉄などの顔料及び増粘剤、消泡剤、可塑剤などの添加剤を適量配合することが出来る。
【0022】
【発明の効果】
本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤は乳化機能に優れ、その硬化塗膜は密着性、耐食性、耐水性に優れたものである。
【0023】
【実施例及び比較例】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下において、「部」と「%」は重量基準であり、エポキシ樹脂の水酸基価は水酸基に過剰のフェニルイソシアネ−トを反応させた後、過剰のアミンを反応させて過塩素酸メチルセロソルブ溶液で滴定して求めたものである。
【0024】
製造例1
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入装置を備えた硝子製4ツ口の反応装置に分子量3,200のポリエチレングリコール480部(0.15モル)を仕込み、窒素ガスを導入しながら120℃まで加熱溶融、脱水した。その後70℃まで冷却し、コロネートT-80(日本ポリウレタン(株)製2,4TDI80%、2,6TDI20%含有品)55.7部(0.32モル)を仕込み、80℃で5時間保持した。次にエポトートYD-128(東都化成社製ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂;エポキシ当量187g/eq、水酸基価0.43meq/g)120部(0.32モル)を仕込み、120℃まで昇温し、触媒としてテトラメチルアンモニウムブロマイド0.6部を添加し、150℃で5時間反応させIR測定によるイソシアネート消失を確認した。得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物のエポキシ当量は2,190g/eqであった。
【0025】
製造例2
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入装置を備えた硝子製4ツ口の反応装置に分子量2,000のポリエチレングリコール300部(0.15モル)を仕込み、窒素ガスを導入しながら120℃まで加熱溶融、脱水した。その後70℃まで冷却し、コロネートT-80を55.7部(0.32モル)仕込み、80℃で5時間保持した。次にエポトートYD−128(エポキシ当量187g/eq、水酸基価0.43meq/g)180部(0.48モル)を仕込み120℃まで昇温し、触媒としてテトラメチルアンモニウムブロマイド0.9部を添加し、150℃で5時間反応させIR測定によるイソシアネート消失を確認した。得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物のエポキシ当量は875g/eqであった。
【0026】
実施例1
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入装置を備えた硝子製4ツ口の反応装置にエポトートYD−128(エポキシ当量187g/eq)50部及びメタキシリレンジアミン(MXDA)90部を仕込み、80℃で2時間反応してMXDAにエポキシアダクトした変性ポリアミンを得た。そこに製造例1で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部を仕込み、更に同温度で2時間反応させて活性水素当量106、ポリエチレングリコール含有量31%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0027】
実施例2
実施例1で製造例1で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部の代わりに製造例2で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部を用いる以外は実施例1と同様に反応して活性水素当量109、ポリエチレングリコール含有量23%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0028】
実施例3
実施例1と同じ反応装置に製造例2で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物150部に及びメタキシリレンジアミン(MXDA)90部を仕込み、80℃で3時間反応して活性水素当量100、ポリエチレングリコール含有量35%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0029】
実施例4
実施例1でメタキシリレンジアミン90部の代わりにノルボルナンジアミン90部を用いる以外は実施例1と同様に反応して活性水素当量122、ポリエチレングリコール含有量31%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0030】
実施例5
実施例1と同じ反応装置にバーサダイム288(ヘンケル白水社製 重合脂肪酸;酸価191)70部及びメタキシリレンジアミン90部を仕込み、200℃迄昇温して反応水を除去しながら2時間反応した。その後80℃迄冷却して製造例1で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部を仕込み、同温度で2時間反応させて活性水素当量111、ポリエチレングリコール含有量28%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0031】
比較例1
実施例1で製造例1で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部を10部に、エポトートYD−128 50部を90部に変更する以外は実施例1と同様に反応して活性水素当量91、ポリエチレングリコール含有量4%のエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0032】
比較例2
実施例1で製造例1で得られたオキサゾリドン環を分子内に有するエポキシ基含有化合物100部を400部に、エポトートYD−128 50部を20部に変更する以外は実施例1と同様に反応して活性水素当量223、ポリエチレングリコール含有量57%の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤を得た。
【0033】
実施例1〜5及び比較例1〜2で得られたエポキシ樹脂硬化剤とイオン交換水とを表1に示す配合で混合して十分に撹拌し乳化安定性を評価した。評価結果は○;完全に均一、△;微量水分離有り、×;完全分離の3段階で行った。
【0034】
次に表1に示す量でエポトートYD−128(エポキシ当量187g/eq)を配合し、得られた塗料を軟鋼版SPCC−SB(0.8×70×150mm)のメチルエチルケトンでの脱脂後にサンドブラスト処理(エメリー砂#180)を行ったものに、乾燥膜厚100μmになるように刷毛で塗装し、20℃で一週間乾燥させた(比較例1のエポキシ樹脂硬化剤についてはイオン交換水で樹脂分50%に希釈する途中で水が分離してきた為各性能試験は中断した)。得られた塗膜の外観、密着性、耐水性、耐食性の各性能試験を評価した結果を表1の硬化性組成物の塗膜物性評価欄に示した。
塗膜の外観は、目視で判定した(○;良好、△;やや良好、×;不良)。
密着性は、JIS K-5400の付着性の碁盤目テープ剥離試験法により評価し、塗膜に100個の1mm×1mmの碁盤目を基板に至る深さでカッターナイフで切り込みを入れてからセロハンテープを貼って瞬間的に引き剥がし、基板上に残っている碁盤目数を目視で判定した。
耐水性は20℃のイオン交換水に14日間浸漬して塗膜の外観について目視により次の区分により評価した(○;良好、△;若干フクレ、白化あり、×;著しいフクレ、白化あり)。
耐食性については、JIS K 5400の耐塩水噴霧試験に準拠して300時間塩水噴霧した後、塗膜の外観について目視により次の区分により発錆性を評価した(○;良好、△;錆発生により若干フクレあり、×;錆発生により著しいフクレあり)。
【0035】
【表1】
Figure 0003858184
【0036】
本文及び表1から明らかなように、本発明の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤は乳化性に優れ、得られる硬化塗膜は密着性、耐水性、耐食性等に優れている。

Claims (4)

  1. エポキシ基含有化合物(A)と、ポリアミン類(B)を反応させることにより得られる自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤であって、該エポキシ基含有化合物(A)は、ポリエチレングリコール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物(a)のイソシアネート基と、エポキシ樹脂(b)のエポキシ基との反応により得られ、自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤の全固形物に対するポリエチレングリコール化合物の含有量が5〜50重量%の範囲にあり、分子内にオキサゾリドン環を有していることを特徴とする自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤。
  2. 末端イソシアネート基含有化合物(a)が分子量500〜15,000のポリエチレングリコール化合物とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基/水酸基の当量比が1.5〜3.0の割合で反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤。
  3. エポキシ樹脂(b)が分子内に2個以上のエポキシ基を有し、水酸基含有量が1.0meq/g以下であることを特徴とする請求項1記載の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤。
  4. 請求項1記載の自己乳化機能を有するエポキシ樹脂硬化剤とエポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂組成物。
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