JP3858130B2 - 配線・配管材の布設方法、及び端末キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特には地中に埋設されたマンホール又はハンドホール等の地中埋設箱間に埋設された筒状収容体内に配線・配管材を布設する方法であって、前記収容体内に挿通された先行ロープに、第1の配線・配管材及び引込ロープを連結し、前記引込ロープを前記収容体の端部に設けられるガイド部に案内させながら、前記先行ロープを引張って、前記第1の配線・配管材及び引込ロープを該収容体内に引き込んで布設することを特徴とする配線・配管材の布設方法、及びこの方法に使用できる管端末キャップの提供に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電線や信号線等のケーブルの配線が配管された配線・配管材は、図16から図19に示すように、地中に所定間隔を隔てて埋設されたハンドホールの間を接続すべく大径の管体が埋設され、この管体の中に、複数の前記配線・配管材が挿通されていた。
【0003】
地中に埋設されたこのような管体の中に複数の配線・配管材を引き込む方法には、種々の方法があるが、その中でも一般的に使用されている方法について図16から図20に基づいて説明する。
【0004】
まず、図16に示すように、管体200内に送り込むことができる剛性を有する長尺の呼び線210を管体の一端より挿入して他端まで移動させる。次に図17又は図18に示すように、この呼び線210の先端部に先行ロープ220を連結した後、呼び線210を引き戻すことにより、管体200の中に先行ロープ220を布設する。続いて、図19に示すように、この先行ロープ220の先端に配線・配管材240を連結した後、先行ロープ220を牽引機(図示せず)で巻き上げながら引き込んで配管するようにしていた。このとき、先行ロープ220には、複数の配線・配管材240を管体200内に配管した後、さらに他の配線・配管材を追加して引き込みするために、引き込みと同時に複数の配線・配管材240の上方に布設されることになる引込ロープ250が連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の配線・配管材の引込方法においては、図20に示すように、剛性を有する合成樹脂からなる配線・配管材240を、地上から狭いハンドホール230内に強制的に下方に曲げながら引き込みつつ、さらに管体200内に引き込むため、配線・配管材240は管体内面の上方に摺接しながら引き込まれることになる。そのため、複数の配線・配管材240の上方に布設されるべき引込ロープ250が、管体200の上方内面と配線・配管材240とで挟まれ、強力な圧力がかかった状態で引き込まれる。その結果、引き込み時に引込ロープ250が傷付き途中で切れてしまったり、また、配線・配管材240の上方に布設されるべき引込ロープ250が、その強力な圧力が加わったまま引き込まれるため、途中で配線・配管材240に絡み合ったり、引込ロープ250自身が絡み合ったりしてしまうことがあった。このようなトラブルが起きると、かかる引込ロープ250を使用して、さらに引き込みすることになる他の配線・配管材の配設工事ができないから、極めて重大な事態を招くことになるという問題があった。
【0006】
そこで、昨今では、このような引込ロープの傷付きを防止すべく、そして、配管作業をより効率的に実施できるようにすべく、その全体形状がラッパ形状に形成されており、埋設された管体の端部に取着される管端末キャップが提案されている。
【0007】
しかしながら、上述したように、剛性を有する複数の配管材を引き込むことによって管体の上方内面にかかる圧力は、相当強力なものであり、このような従来の管端末キャップを使用しても、叙上の問題を解決することはできなかった。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、上述した従来の管端末キャップの具有する問題点や不具合を解決せんとするものである。したがって、本発明の目的とするところは、例えば地中に埋設された比較的大径の管体の中に、電線や信号線等のケーブル又はこれらを収容する電線管等の配線・配管材を、容易に挿通することができ、しかも、引き込み時に次に配設されることになる他の配線・配管材を引き込みするための引込ロープを傷つけることなく布設することができる配線・配管材の引込方法と、この方法に使用できる管端末キャップを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上を解決するために、本発明の採った手段は、まず請求項1に係る発明は、配線・配管材を地上から地中に導くと共に、該配線・配管材を地中に配設された筒状収容体の端部において曲げながら該筒状収容体内へ引き込んで布設する配線・配管材の布設方法であって、前記筒状収容体の端部には、該収容体内に引き込まれる配線・配管材を保護する略ラッパ状の端末キャップが取付けられ、該端末キャップは、前記収容体内に引き込まれる配線・配管材が摺接する内面上方に設けられたガイド部を有し、前記収容体内に挿通された先行ロープに、第1の配線・配管材および第1の配線・配管材の次に引き込まれる第2の配線・配管材を引き込むための引込ロープを連結し、前記先行ロープを引っ張って、前記第1の配線・配管材を収容体内に引き込むとともに、前記引込ロープを前記ガイド部内に収容させながら引き込むことにより、
前記端部において前記引込ロープと前記配線・配管材との摺接を避けながら前記収容体内に、第1の配線・配管材を布設するとともに、引込ロープを前記第1の配線・配管材の上方に布設することを要旨とした。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線・配管材の布設方法において、端末キャップの断面が円形に形成されていることを要旨とした。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の配線・配管材の布設方法において、端末キャップの長手方向に割面が形成されていることを要旨とした。
【0019】
このように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の配線・配管材の布設方法によると、特には、収容体20の端部に備えられることになるガイド部18に配線・配管材25に連結された引込ロープ26を摺接させ、かつこれに沿って引込ロープ26を好ましくはテンションをかけながら引込できる。すなわち、複数の配線・配管材25を収容体20内に引き込む場合に発生する強力な圧力が収容体の内面上方にかかっても、引込ロープ26は、ガイド部18に案内されて引き込まれるため、引込ロープが傷付き途中で切れてしまうことが防止される。
【0020】
また、引込ロープ26は、ガイド部18に案内されながら、配線・配管材25の上方に布設されるため、途中で配線・配管材25に絡み合ったり、引込ロープ26自身が絡み合ったりしてしまうことが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した配線・配管材の引き込み方法を、図面に基づいてさらに詳細に説明するが、これは代表的なものを示したものに過ぎず、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の第1実際例となる管端末キャップ10を上方から見た斜視図であり、図2は同管端末キャップ10を下方から見上げた斜視図であり、図3は同管端末キャップ10の要部を示す部分拡大斜視図である。
【0025】
図において、この管末端キャップ10は合成樹脂にて上端に大径の開口12を有すると共に下端に小径の開口14を有する略ラッパ形状の周壁15からなるものである。周壁15には長手方向に割面16が備えられている。また、その周壁内面には、収容体内に引き込まれる配線・配管材を保護すべく、上端開口縁から前記下端開口縁に至るガイド部18が備えられている。そして、ガイド部18は、引込ロープ26を内部に収容し得る溝で形成されている。
【0026】
ところで、管端末キャップ10の外観形状は略ラッパ状に限らず、単に円柱形状である場合の他、収容体20の端部に着脱自在に嵌め込みできる形状であればよい。とくに、略ラッパ形状であれば、嵌め込み作業性に優れると共に、収容体20内への引き込みを抵抗なくスムーズに行うことが可能となるから好ましい。
【0027】
以下、第1実際例の管端末キャップ10を使用した場合を例にとり、本発明を具体化した配線・配管材の引き込み方法について、図4〜図15に基づいて詳細に説明する。なお、図面の理解を容易とするため、配線・配管材25は図10については、図示されていない。
【0028】
図4または図5に示すように、配線・配管材25を収納する収容体20は、土の中に埋設されており、その両端はハンドホール30にて開口しているものである。その内部には、配線・配管材が挿通される。収容体20の軸方向には、配線・配管材25を、収容体20内に引き込みするために使用される先行ロープ24が備えられている。尚、先行ロープ24は、自ら収容体20内に送り込むことができる剛性を有する長尺の呼び線でもよい。
【0029】
次に、図6又は図7に示すように、収容体20の端部に管端末キャップ10をはめ込み、先行ロープ24を管端末キャップ10の内側に配置する。必要ならば、管端末キャップ10を、収納部22の引き込みせんとする位置とガイド部18の位置とが合うように回転させる。この場合、管端末キャップ10には割面16が備えられているから、先行ロープの挿通後においても、割面16から管端末キャップ10の内部方向に先行ロープを通すことにより、収容体20の端部に管端末キャップ10を簡単にはめ込むことができる。また、収容体20の径が異なっていても、素材である例えば合成樹脂の弾性を活用できるから比較的自在に対応できる。
【0030】
その後、図8に示すように、配線・配管材25及び引込ロープ26を、連結部27を介して先行ロープ24を連結する。続いて、図9又は図10に示すように、引込ロープ26をガイド部18に沿って係合させ、ピンと張った状態で摺接させながら先行ロープ24を収容体20の中に引き込みつつ、配線・配管材25を管体20内に引き込んでいく。このとき、図11に示すように、引込ロープ26は管端末キャップ10の内面上方に設けられたガイド部18の溝内に収納されつつ引き込まれるため、複数の配線・配管材25を収容体20内に引き込む場合に発生する強力な圧力が収容体20の上方内面かかっても、引込ロープ26が傷付き途中で切れてしまうことを防止することができる。また、引込ロープ26は、ガイド部18に案内されながら、配管材25の上方に布設されるため、途中で配線・配管材25に絡み合ったり、引込ロープ26自身が絡み合ったりしてしまうことを防止することができる。
【0031】
このようにして、配線・配管材25を収容体20内に引き込んだ後、収容体20の他端から抜け出した引込ロープ26の連結を解除すれば、図12又は図13に示すように、複数の配線・配管材25に絡み合ったり、あるいは引込ロープ26自体が折れ曲がりすることなく、配線・配管材25の上方に布設することができる。従って、この引込ロープ26に次に配管されることなる第2の配線・配管材を連結して収容体20内に引き込めば、既設の第1の配線・配管材25の上方に容易に配管することができる。
【0032】
また、引込ロープ26は、上述のように、先行ロープ24を引っ張って第1の配線・配管材25を布設した後、先行ロープ24を収容体10内に引き戻すためのロープとして使用してもよい。即ち、このような場合の配線・配管材の布設方法においては、図14に示すように、第1の配線・配管材25を布設した後、連結部27から配線・配管材25の連結を解除する。続いて、図15に示すように、先行ロープ24を再度収容体20内に引き込むべく、引込ロープ26を引き戻すのである。そして、引き戻された前記先行ロープ24に、次に引き込まれる第2の配線・配管材を連結させ、収容体20内に引き込み配管するのである。従って、このような布設方法によれば、引込ロープ26は、先行ロープ24を引き戻す程度の破断強度を有すればよい。また、先行ロープを引き戻す程度の破断強度しか有していない引込ロープ26であっても、収容体20内に引き込まれる場合は、ガイド部18の溝内に収容されながら引き込まれるため、引込ロープ26が傷付き途中で切れてしまうことや、途中で配線・配管材25に絡み合ったり、引込ロープ26自身が絡み合ったりしてしまうことを防止することができる。
【0033】
このように、本発明にかかる配線・配管材の布設方法は、筒状収容体20内に配線・配管材25を布設する方法であって、前記収容体20内に挿通された先行ロープ24に、第1の配線・配管材25及び引込ロープ26を連結し、前記引込ロープ26を前記収容体20の端部に設けられるガイド部18に案内させながら、前記先行ロープ24を引張って、前記第1の配線・配管材25及び引込ロープ26を該収容体10内に引き込んで布設することをなる引込方法である。即ち、引き込みせんとする配線・配管材25に一端を連結した引込ロープ26をガイド部18に摺接させピンと張りつめたた状態にて収容体20内に引き込んでいくところに構成特徴がある。これにより、引込ロープ26は収容体10の端部に設けられたガイド部18の溝内に収納されつつ引き込まれるため、複数の配線・配管材25を収容体10内に引き込む場合に発生する強力な圧力が、収容体10の上方内面かかっても、引込ロープ26が傷付き途中で切れてしまうことを防止することができる。また、引込ロープ26は、ガイド部18に案内されながら、配管材25の上方に布設されるため、途中で配線・配管材25に絡み合ったり、引込ロープ26自身が絡み合ったりしてしまうことを防止することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での改良、変形等は本発明に含まれるものである。例えば、配線・配管材25が、湯、水、ガス等を通す流体管を挿通する場合にも、上記と同様な方法により、順次容易に管体内に引き込んで配管することができる。
【0035】
配線・配管材を挿通させる収容体20の端部に、ガイド部18を直接形成した構成を採用しても、上記と同様の作用効果が得られることは、所謂当業者には容易に理解できることである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本各発明となる配線・配管材の布設方法によれば、引込ロープは収容体の端部に設けられるガイド部の溝内に収納されつつ引き込まれるため、複数の配線・配管材を収容体内に引き込む場合に発生する強力な圧力が、収容体の上方内面かかっても、引込ロープが傷付き途中で切れてしまうことを防止することができ、また、引込ロープは、ガイド部に案内されながら、配管材の上方に布設されるため、途中で配線・配管材に絡み合ったり、引込ロープ自身が絡み合ったりしてしまうことを防止することができるため、かかる配線・配管布設作業を効率的に実施できるという極めて実効性に優れた作用効果が得られるのである。
【0037】
また、本発明にかかる管端末キャップによれば、引込ロープは前記キャップの内面に設けられたガイド部の溝内に収納されるつつ引き込まれるため、複数の配線・配管材を収容体内に引き込む場合に発生する強力な圧力が、前記管端末キャップの上方内面かかっても、引込ロープが傷付き途中で切れてしまうことを防止することができ、また、引込ロープは、ガイド部に案内されながら、配管材の上方に布設されるため、途中で配線・配管材に絡み合ったり、引込ロープ自身が絡み合ったりしてしまうことを防止することができるため、かかる配線・配管布設作業を効率的に実施できるという極めて実効性に優れた作用効果が得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実際例となる管端末キャップ10を上方から見た斜視図である。
【図2】 図2は、図1に示した管端末キャップ10を下方から見上げた斜視図である。
【図3】 図3は、図1に示した管端末キャップの要部を示す部分拡大斜視図である。
【図4】 図4は、図1に示した管端末キャップが取着される前の、収容体の端部を概略示す斜視図である。
【図5】 図5は、図4に示す状態の断面図である。
【図6】 図6は、管体に管端末キャップを取着している様子を概略的に示す斜視図である。
【図7】 図7は、図6に示す状態の断面図である。
【図8】 図8は、本発明にかかる布設方法の実施例を示す断面図である。
【図9】 図9は、本発明にかかる布設方法の実施例を示す断面図である。
【図10】図10は、管端末キャップに設けられたガイド部に、引込ロープを係合させた状態を概略的に示す斜視図である。
【図11】図11は、図9における管端末キャップに設けれたガイド部に、引込ロープを案内させつつ引き込む状態を示す一部拡大断面図である。
【図12】図12は、本発明の引込方法にて配線・配管材を配設し終えた状態を説明するために示す要部縦断面図である。
【図13】図13は、図12のA−A線に沿った要部縦断面図である。
【図14】図14は、本発明にかかる布設方法の別の実施例を示す断面図である。
【図15】図15は、本発明にかかる布設方法の別の実施例を示す断面図である。
【図16】図16は、従来の配線・配管材の布設方法を示す断面図である。
【図17】図17は、従来の配線・配管材の布設方法を示す断面図である。
【図18】図18は、従来の配線・配管材の布設方法を示す断面図である。
【図19】図19は、従来の配線・配管材の布設方法を示す断面図である。
【図20】図20は、図19における一部拡大断面図である。
【符号の説明】
10…管末端キャップ
12…大径の開口
14…小径の開口
15…略ラッパ形状の周壁
16…割面
18…ガイド部
20…収容体
24…先行ロープ
25…配線・配管材
26…引込ロープ
30…ハンドホール
Claims (3)
- 配線・配管材を地上から地中に導くと共に、該配線・配管材を地中に配設された筒状収容体の端部において曲げながら該筒状収容体内へ引き込んで布設する配線・配管材の布設方法であって、
前記筒状収容体の端部には、該収容体内に引き込まれる配線・配管材を保護する略ラッパ状の端末キャップが取付けられ、該端末キャップは、前記収容体内に引き込まれる配線・配管材が摺接する内面上方に設けられたガイド部を有し、
前記収容体内に挿通された先行ロープに、第1の配線・配管材および第1の配線・配管材の次に引き込まれる第2の配線・配管材を引き込むための引込ロープを連結し、前記先行ロープを引っ張って、前記第1の配線・配管材を収容体内に引き込むとともに、前記引込ロープを前記ガイド部内に収容させながら引き込むことにより、
前記端部において前記引込ロープと前記配線・配管材との摺接を避けながら前記収容体内に、第1の配線・配管材を布設するとともに、引込ロープを前記第1の配線・配管材の上方に布設することを特徴とする配線・配管材の布設方法。 - 前記端末キャップの断面が円形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材の布設方法。
- 前記端末キャップの長手方向に割面が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配線・配管材の布設方法。
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