JP3241926B2 - 内管パイプ引き込み用ガイド - Google Patents

内管パイプ引き込み用ガイド

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JP3241926B2
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春彦 香月
公則 朝吹
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日本コムシス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立坑間を水平方向に連
結するように形成された推進管と称せられる引き込み坑
内に、内管パイプと称せられる硬質ビニル管を束ねて引
き込む際に、引き込み坑内を先導していく内管パイプ引
き込み用ガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】通信、電力等の電信用ケーブル等を地中
に敷設する一方法として、いわゆる推進工法により推進
管を設置してその中に電信用ケーブル等を挿通させる方
法がある。さらに具体的に説明すると、先ず発進坑側お
よび到達坑側にそれぞれ発進立坑、到達立坑を掘削形成
する。次に発進立坑側から必要条数の管路をまとめて収
容する引き込み坑たる鋼管を、油圧ジャッキ等の推進ジ
ャッキで到達立坑側に向けて推進させる。こうして形成
された引き込み坑たる鋼管内に、必要条数の管路を発進
立坑側から束にしながら順次継ぎ足すとともに到達立坑
側からウインチ等の引き込み手段で引き込む。なお、前
記管路には塩ビ管等が用いられる。
【0003】上記の管路引き込みを行う場合、鋼管の管
径に見合った必要条数の内管パイプを鋼帯バンドで束に
し、鋼管内壁に束の外側を内接させるような状態で牽引
用ロープにより到達立坑側に牽引する。この場合の牽引
用ロープの内管パイプの束への固定方法を説明すると、
内管パイプの束を形成した後に必要本数のストッパーを
選択された内管パイプに取り付ける。その後、内管パイ
プの束の先端に取り付ける先端治具と前記ストッパーを
内管パイプの束に固定し、さらに管引き抜き防止用ロッ
ドを先端治具に取り付けた後、より戻し金具および牽引
用ロープを取り付ける。
【0004】こうして束にし牽引用ロープが固定された
内管パイプの束を、前述したような方法により鋼管内に
引き込んだ後、鋼管の両端を閉塞し内部にセメント系の
充填剤を注入することにより、内管パイプ周辺の隙間を
充填する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法により鋼管内に内管パイプの束を引き込む作業
を行う際、鋼管に曲線区間があると、引き込み抵抗の増
大と、引き込み時に鋼管内で内管パイプの束が回転して
しまういわゆる内管パイプのローリング現象が生じやす
いという不具合がある。つまり、図5に示すように、鋼
管50の曲線区間を牽引用ロープ51が内管パイプ52
の束を引き込んでいこうとする場合、牽引用ロープ51
の牽引軸54aが鋼管50の管軸からズレてしまうた
め、内管パイプ52の束に設けられている先端治具53
に均等な牽引力が作用しない。すると、先端治具53及
び内管パイプ52と、鋼管50との間の摩擦抵抗が増大
する。また、ロープが分岐した2本の誘導用ロープ54
bにP1>P2のごとく均等に牽引力が作用しないた
め、先端治具53に回転モーメントが生じる。
【0006】本発明は上記不具合を解決すべく提案され
るもので、内管パイプの束を引き込む時の推進鋼管内で
の摩擦抵抗の増加、ローリング現象の防止を図った内管
パイプ引き込み用ガイドを提供することを目的としたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、先端に引き込み治具を有する束ねられたケ
ーブルを収容するための内管パイプを、推進鋼管の内部
に挿通させる際に用いる内管パイプ引き込み用ガイドに
おいて、本体の口径を僅かに前記推進鋼管口径より小さ
く形成し、本体前後の周側に前記推進鋼管内壁との摩擦
抵抗を軽減するための回転具を配設し、本体の前側平面
部の中央に牽引用ロープの捩り戻しを行う前部回転体を
介して牽引用ロープを接続できるようにし、本体の後側
平面部の中央に一端が前記引き込み治具に接続された誘
導用ロープの捩り戻しを行う後部回転体を介して誘導用
ロープを接続できるように構成した内管パイプ引き込み
用ガイドである。
【0008】また、先端に引き込み治具を有する束ねら
れたケーブルを収容するための内管パイプを、推進鋼管
の内部に挿通させる際に用いる内管パイプ引き込み用ガ
イドにおいて、前部中央に牽引用ロープの捩り戻しを行
う前部回転体を備え、後部中央に一端が前記引き込み治
具に接続された誘導用ロープの捩り戻しを行う後部回転
体を備えた本体に、前記推進鋼管の内壁との摩擦抵抗を
軽減するために前記本体前後の周側に沿って設けられる
回転具を着脱自在に固定した内管パイプ引き込み用ガイ
ドである。
【0009】
【作用】このように構成してあるので、牽引用ロープの
牽引軸と推進鋼管の管軸とのずれが小さくなり、内管パ
イプの束に偏力が作用せず内管パイプの束を引き込む時
の摩擦抵抗の増加、ローリング現象の防止を図れる。
【0010】
【実施例】以下、図面にしたがい、本発明の実施例を説
明していく。図1は、本発明の第1実施例に係る内管パ
イプ引き込み用ガイド1で内管パイプの束2を推進鋼管
(引き込み坑)3内に引き込んでいく状態を示してい
る。内管パイプ引き込み用ガイド1は、図1では側面を
示しており、図2で正面を示している。なお、内管パイ
プの束は断面で示してある。図1に示すように本体4
は、口径が推進鋼管3口径より僅かに小さく形成され、
本体4の軸方向に離間した前後に回転具5がリング状に
設けられている。この回転具5は、本体4周方向に配列
されたボールベアリング5aを有し、推進鋼管3内壁と
の摩擦抵抗を軽減させるように作用する。
【0011】また、本体の軸方向前側平面部6の中央に
は牽引用ロープの捩り戻しを行う回転体8が設けられて
おり、この前部回転体8には牽引用ロープ7を掛けるた
めの前部保持リング9が設けられている。一方、本体の
軸方向後側平面部10の中央にも誘導用ロープ13の捩
り戻しを行う後部回転体11が設けられており、この後
部回転体11には誘導用のロープ13を掛けるための後
部保持リング12が設けられている。このように構成さ
れた内管後部パイプ引き込み用ガイド1の前記前部保持
リング9には牽引用ロープ7が、さらに前記後部保持リ
ング12には誘導用ロープ13が掛けられる。
【0012】次に、引き込まれる内管パイプの束2を牽
引用ロープで牽引するための両者の接続について説明す
る。先ず、内管パイプの束2を鋼帯バンド(図示されて
いない)で結束する。この際、内管パイプ14の間に内
管パイプ引き抜き防止用ロッド15を併設しながら結束
する。次に、ストッパー16を任意数の内管パイプ14
の先端に取り付ける。そしてストッパー16を介して先
端治具17を内管パイプ14の先端をカバーするように
固定する。さらに内管パイプ引き込み用ガイド1と先端
治具17との間には、牽引用ロープの一部である誘導用
ロープ13を掛ける。この誘導用ロープ13は先端治具
17側においては、2箇所で固定されている。
【0013】このように構成されている本発明に係る内
管パイプ引き込み用ガイド1を用いて、推進鋼管3内に
内管パイプの束2を引き込むには、到達坑側に設置され
ているウインチ等で牽引用ロープを引き込むことにより
行う。そして内管パイプの束2が推進鋼管3の湾曲して
いる箇所を移動しようとする時に、牽引用ロープ7の牽
引軸が推進鋼管3の管軸からずれかけても、分岐された
2本の誘導用ロープ13と回転体11との作用により、
牽引用ロープ7の牽引軸のずれが矯正される。したがっ
て、先端治具17には常に管軸に沿った牽引力が作用
し、安定した内管パイプの束2の引き込みが可能とな
る。
【0014】また、内管パイプ引き込み用ガイド1が推
進鋼管3内を移動する際は、外周が推進鋼管3内壁と接
触することにより牽引用ロープ7の牽引軸が大きくずれ
ることなく安定して移動することができる。また、内管
パイプ引き込み用ガイド1の外周には、ボールベアリン
グ5aがリング状に配設されているので、推進鋼管3内
壁との摩擦抵抗を減少させ円滑な移動を実現できる。
【0015】図3、図4は、本発明の第2実施例を示し
たもので、このうち図3は、前部回転体を省略した正面
図であり、図4は平面図であり、第1実施例と対応する
箇所には同一符号を付した。この実施例は、本体4と回
転具5とを第1のボルト17を介して着脱自在に固定し
て、口径の異なる回転具を任意に選択して装着できるよ
うにしたものである。図4の平面図に示すように、本体
4は前部中央に前部回転体9が設けられ、後部中央には
後部回転体12が設けられており、それぞれ牽引用ロー
プ、誘導用ロープが接続されるようになっている。この
本体4は、内管パイプ引き込み用ガイドの共用部材とな
っている。
【0016】一方、回転具5は周方向にボールベアリン
グ5aが配設され、抜け防止用の第2のボルト18で締
めつけられている。この回転具5は、推進鋼管の口径に
応じてもっとも適正なものを選択使用できるように、口
径Lの異なる数種のものが用意されている。したがっ
て、推進鋼管の口径に応じて、適当な口径の回転具を第
1のボルトを介して共用部材である本体4に装着して使
用できることになる。他の効果については第1実施例と
同様であるので、説明を省略する。
【0017】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、防護管た
る推進鋼管の内壁に内接しながら移動する内管パイプ引
き込み用ガイドにより、内管パイプの束を推進鋼管内に
引き込んでいくようにしてあるので、推進鋼管の管軸か
らずれた牽引用ロープの牽引方向が内管パイプ引き込み
用ガイドで矯正され、内管パイプの束には常に推進鋼管
の管軸に沿った牽引力が作用する。したがって、内管パ
イプの束およびその先端に設けられた先端治具に均等な
牽引力が作用しないことによる、推進鋼管内での引き込
み抵抗が増大したり、内管パイプの束のローリングが生
じるのを防止できる。また、本体を共用部材として、回
転具を着脱自在としているので、推進鋼管の口径が異っ
てもそれに応じた回転具を選択使用でき、安定した内管
パイプの束の引き込みを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内管パイプ引き込み
用ガイドにより、内管パイプの束を推進鋼管内に引き込
んでいく状態を示した側面図である。
【図2】同じく内管パイプ引き込み用ガイドの正面図で
ある。
【図3】第2実施例に係る内管パイプ引き込み用ガイド
の正面図である。
【図4】同じく平面図である。
【図5】従来の方法によって、内管パイプの束を推進鋼
管内に引き込んでいく状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1 内管パイプ引き込み用ガイド 2 内管パイプの束 3 推進鋼管 4 本体 5 回転具 5a ボールベアリング 6 軸方向前側平面部 7 牽引用ロープ 8 前部回転体 9 前部保持リング 10 軸方向後側平面部 11 後部回転体 12 後部保持リング 13 誘導用ロープ 14 内管パイプ 15 引き抜き防止用ロッド 16 ストッパー 17 引き込み治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 1/00 B65H 57/00 E21D 9/06 311 F16L 55/00 H02G 1/06 311

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に引き込み治具を有する束ねられた
    ケーブルを収容するための内管パイプを、推進鋼管の内
    部に挿通させる際に用いる内管パイプ引き込み用ガイド
    において、 本体の口径を僅かに前記推進鋼管口径より小さく形成
    し、本体前後の周側に前記推進鋼管内壁との摩擦抵抗を
    軽減するための回転具を配設し、本体の前側平面部の中
    央に牽引用ロープの捩り戻しを行う前部回転体を介して
    牽引用ロープを接続できるようにし、本体の後側平面部
    の中央に一端が前記引き込み治具に接続された誘導用ロ
    ープの捩り戻しを行う後部回転体を介して誘導用ロープ
    を接続できるようにしたことを特徴とする内管パイプ引
    き込み用ガイド。
  2. 【請求項2】 先端に引き込み治具を有する束ねられた
    ケーブルを収容するための内管パイプを、推進鋼管の内
    部に挿通させる際に用いる内管パイプ引き込み用ガイド
    において、 前部中央に牽引用ロープの捩り戻しを行う前部回転体を
    備え、後部中央に一端が前記引き込み治具に接続された
    誘導用ロープの捩り戻しを行う後部回転体を備えた本体
    に、前記推進鋼管の内壁との摩擦抵抗を軽減するために
    前記本体前後の周側に沿って設けられる回転具を着脱自
    在に固定したことを特徴とする内管パイプ引き込み用ガ
    イド。
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