JP3857915B2 - テーラード鋼管及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や二輪車分野の部品や部品素材等として用いるに適した、最適肉厚設計、最適強度設計が可能なテーラード鋼管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車や二輪車分野においては従来から各種の鋼管が用いられているが、最近では最適肉厚設計、最適強度設計を可能とするために、板厚や鋼種の異なる複数部分を組み合わせたテーラード鋼管が求められている。このようなテーラード鋼管を製造するには、板厚や鋼種の異なる複数の電縫鋼管を軸線に対して垂直に切断したうえ、互いに溶接する方法が取られていた。
【0003】
しかしこの方法には下記のような多くの問題があった。
(1) 溶接面で発生するビードを必要に応じて切削または削除する必要があるが、特に内面側の加工は容易ではなく、生産性が阻害される。
(2) 溶接熱影響部対策として、予熱または後熱処理が必要である。
(3) 管を切断するため、端材による歩留まりロスがあった。
(4) 多段階工程による物流増が発生する。特に切断された管は輸送効率が悪い上に、疵や窪みなどが発生しやすく、品質面での懸念があった。
(5) 異板厚または異鋼種の鋼板の端部を接合するため、継ぎ目の両側で外径または内径が異なる面があり、寸法精度が悪かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、生産性が高く、歩留まりロスがなく、輸送効率が高く、疵や窪みなどが発生しにくく、外観及び寸法精度に優れたテーラード鋼管及びその製造方法を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明のテーラード鋼管は、複数の異板厚または異鋼種の鋼板の端部を溶接した切板素材を、板巻き造管したテーラード鋼管であって、切板素材の溶接線を、鋼管シーム溶接線に対して平行とするか傾斜させたことを特徴とするものである。本発明のテーラード鋼管は、板厚tと直径Dの比であるt/Dを1%以下とすることができる。
【0006】
また本発明のテーラード鋼管の製造方法は、複数の異板厚または異鋼種の鋼板の端部を溶接して切板素材を製造し、この切板素材を湾曲させて管状に成形し、端部どうしをシーム溶接するテーラード鋼管の製造方法であって、切板素材の溶接線を、鋼管シーム溶接線に対して平行とするか傾斜させたことを特徴とするものである。このとき、管状に成形した切板素材をシーム溶接端部側を直線になるよう拘束し、シーム溶接端部の反対側及び側面側は板厚、鋼種にともなう変形を許容した状態でシーム溶接することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の参考例を示す図であり、先ず図1に示すように、異板厚または異鋼種の鋼板1,2,3の端部を溶接し、長方形の切板素材4を製造する。この溶接をレーザー溶接方式で行なえば、予熱や後熱が不要であり、かつビード形状がきれいなため、溶接部の後処理も不要となり、溶接ままで部品としての性能を満足させることができる。また他の溶接方式を採用して溶接の後処理を要する場合にも、平板の状態であるので表裏両面とも容易に後処理することができる。なお各実施形態では3種類の鋼板1,2,3の端部を溶接して長方形の切板素材4としたが、2種類の鋼板を組み合わせても4枚以上の鋼板を組み合わせても差し支えない。
【0008】
次にこの切板素材4を図2のように湾曲させ、端部5どうしをシーム溶接することによって板巻き造管を行ない、図3に示すテーラード鋼管を得る。得られたテーラード鋼管は、部分的に要求される強度等が異なる部品または部品素材として用いることができる。また得られたテーラード鋼管は、ハイドロフォーミング用の成形素材としても用いることができ、この場合には部分的に肉厚や強度の異なるハイドロフォーミング成形体を得ることができる。
【0009】
このテーラード鋼管は板巻き造管法により製造されたものであるため成形性がよく、t/Dが1%以下の薄肉鋼管とすることも可能である。例えば、図3のようなテーラード鋼管において、鋼板1,2,3の少なくとも1つにおいてt/Dが1%以下の薄肉鋼管とすることも可能である。また、鋼板1,2,3は平板を切断することによって容易に得られるので、従来のように鋼管を切断する方法に比較して切断コストが安く、また輸送コストも安価となる。さらに板巻き造管法により製造されたものであるため、電縫鋼管とは異なり小ロット生産にも対応することができる。
【0010】
なお、図1に示す切板素材4は別個に製造された鋼板を切断したうえで溶接してもよいが、図4に示すように予め異板厚または異鋼種の鋼板1,2,3を溶接したテーラード鋼板のコイル(テーラードコイル)から、所定寸法に鋼板を切り出すことによって製造してもよい。テーラード鋼板の製造法は、本出願人の特開2000―158163号〜特開2000―158165号公報に開示されている。
【0011】
図5、図6は本発明の第1の実施形態を示すものである。前記した参考例のテーラード鋼管は、異板厚または異鋼種の鋼板1,2,3を軸線方向に溶接したものであったが、第1の実施形態では図5に示すように、異板厚または異鋼種の鋼板1,2,3を軸線と平行方向に溶接した切板素材4を製造し、これを板巻き造管して図6に示すように周方向に板厚または鋼種の異なるテーラード鋼管とした。
【0012】
参考例のテーラード鋼管では、切板素材4の溶接線6が鋼管シーム溶接線7と十文字状に交叉し、溶接線6と鋼管シーム溶接線7とが直角となる。この結果、他の部分とは性状の異なる溶接線6が軸線方向の同一断面上に位置することとなって、強度上のウイークポイントとなったり、このテーラード鋼管を二次加工する際に支障を生じる可能性がある。
【0013】
そこで図7、図8に示すように、第2の実施形態では切板素材4の溶接線6を鋼管シーム溶接線7に対して直角とならないように傾斜させた。このような構造とすることにより、溶接線6がテーラード鋼管の軸線方向の同一断面上に位置することを回避することができ、強度的な信頼性や二次加工性を向上させることができる。
【0014】
なお、図9、図10に示す第3の実施形態や、図11に示す第4の実施形態のように、切板素材4の溶接線6は湾曲させることもできる。さらに図6の第1の実施形態のように切板素材4の溶接線6を鋼管シーム溶接線7に対して平行としても同様の効果を得ることができる。
【0015】
上記のように、本発明では切板素材4を湾曲させて管状に成形し、端部どうしをシーム溶接するのであるが、切板素材4が複数の異板厚の鋼板1,2,3の端部を溶接したものである場合には、管状に成形されたときの径が板厚差によって変化する。このため、切板素材4を通常の板巻き造管法のように全面を拘束して管状に成形すると、図13に示すとおりシーム溶接部の開口幅が一定にならず、シーム溶接の安定性が損なわれるおそれがある。
【0016】
このため図12に示すように、管状に成形した切板素材4をシーム溶接端部側を直線になるよう拘束し、シーム溶接端部の反対側及び側面側は拘束せずに板厚、鋼種にともなう変形を許容した状態でシーム溶接する方法を取ることが好ましい。このような方法を取れば、シーム溶接部の開口幅を一定とすることができ、シーム溶接の安定性を確保することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の効果】
以上に説明した本発明によれば、下記の作用効果を得ることができる。
(1) 板厚や鋼種の異なる複数部分を組み合わせたテーラード鋼管であるので、部品の設計肉厚あるいは設計強度を部位に応じて変更することができ、最適設計が可能となる。
(2) 成形性がよく、電縫法によっては製造できないt/Dの小さいテーラード鋼管も製造することができる。
(3) 溶接部の後処理が不要となるか、必要な場合にも簡単となるため、生産性が向上するとともに、外観も向上する。
(4) 板の状態で切断するために切断コストが安く、鋼管を切断する従来法のような端材による歩留まりロスが生じない。
(5) 板の状態で切断するために輸送効率がよく、輸送中に疵や窪みなどが発生しにくい。
(6) 溶接線が鋼管軸線方向の同一断面上に位置することを回避することができるので、強度的な信頼性や二次加工性を向上させることができる。
(7) 請求項 4の発明によれば、シーム溶接部の開口幅を一定とすることができるので、シーム溶接部の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の切板素材を示す平面図である。
【図2】 板巻き工程を示す側面図である。
【図3】 参考例のテーラード鋼管を示す斜視図である。
【図4】 テーラードコイルを示す斜視図である。
【図5】 第1の実施形態の切板素材を示す平面図である。
【図6】 第1の実施形態のテーラード鋼管を示す斜視図である。
【図7】 第2の実施形態の切板素材を示す平面図である。
【図8】 第2の実施形態のテーラード鋼管を示す斜視図である。
【図9】 第3の実施形態の切板素材を示す平面図である。
【図10】 第3の実施形態のテーラード鋼管を示す斜視図である。
【図11】 第4の実施形態のテーラード鋼管を示す斜視図である。
【図12】 請求項4の発明を説明する斜視図である。
【図13】 切板素材の全面を拘束して管状に成形した状態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 異板厚または異鋼種の鋼板
2 異板厚または異鋼種の鋼板
3 異板厚または異鋼種の鋼板
4 切板素材
5 切板素材の端部
6 溶接線
7 鋼管シーム溶接線

Claims (4)

  1. 複数の異板厚または異鋼種の鋼板の端部を溶接した切板素材を、板巻き造管したテーラード鋼管であって、切板素材の溶接線を、鋼管シーム溶接線に対して平行とするか傾斜させたことを特徴とするテーラード鋼管。
  2. 板厚tと直径Dの比であるt/Dを1%以下とした請求項1記載のテーラード鋼管。
  3. 複数の異板厚または異鋼種の鋼板の端部を溶接して切板素材を製造し、この切板素材を湾曲させて管状に成形し、端部どうしをシーム溶接するテーラード鋼管の製造方法であって、切板素材の溶接線を、鋼管シーム溶接線に対して平行とするか傾斜させたことを特徴とするテーラード鋼管の製造方法。
  4. 管状に成形した切板素材をシーム溶接端部側を直線になるよう拘束し、シーム溶接端部の反対側及び側面側は板厚、鋼種にともなう変形を許容した状態でシーム溶接する請求項3記載のテーラード鋼管の製造方法。
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