JP3857233B2 - 静電噴霧装置 - Google Patents
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Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、出願人らによりこれに先立って1999年8月18日に出願された米国特許出願No.09/377,332(米国特許第6,318,647)、及び1999年8月18日に出願された米国特許出願No.09/377,333(米国特許第6,311,903)の一部継続出願である。
【0002】
(技術分野)
本発明は、個人使用向けに設計された可搬静電噴霧装置に関する。特に、本発明は、優れた噴霧品質を提供する、個人使用向けに設計された可搬静電噴霧装置に関する。
【0003】
(発明の背景)
既知の可搬静電噴霧装置は、製品の電荷−質量比が所定の範囲を外れて変化する時に、劣った一定しない噴霧品質となることが多い。このことは、始動及び停止のような過渡状態の間、又は環境条件によって静電噴霧装置にかかる負荷が変化する時のような定常状態の間に生じ得る。例えば、始動状態では、電源回路が電極を所望の電位まで十分に荷電する前に静電噴霧装置の噴霧を開始させると、得られた噴霧の電荷−質量比が所望のレベルより低いことがあり、結果として所望の液滴径よりも大きく不均一な噴霧パターンを呈する劣った噴霧品質となることがある。あるいは、静電噴霧装置を停止した後にも装置の容量素子に蓄積された電荷がまだ存在することがあり、静電噴霧装置のノズルからの製品の連続する流れを止めるのに十分に容量素子内の電荷が消散するまで、後噴霧状態となることがある。更に、作業中に湿度などの環境条件の変化により、高電圧供給源にかかる負荷が大きく変わることがある。負荷の変化は、製品の電荷−質量比にも影響を与え、製品噴霧の特質を変える。
【0004】
オーエン(Owen)に対して発行された米国特許第4,549,243号(「オーエン参考文献」)では、噴霧が塗布される領域が正確に制御できることが望ましいグラフィック作業のような用途のために、人の手で保持できる静電噴霧装置が記載されている(第1段、5〜9行)。オーエン参考文献で開示されるこの装置の特徴は、例えば、高電圧パルスの生成周波数及び/又はその振幅などの発電機出力を変化させることによりノズルに印加される電位を変化させるための設備を、前記装置に設けられることである。オーエン参考文献は、これにより精細な幅の狭い噴霧を作り出せるので有利であると開示している(第6段、37〜42行)。オーエン参考文献は高電圧発電機の出力を変えることの利益を認めてはいるが、その参考文献は、噴霧負荷を感知して噴霧負荷の変化に応じて高電圧供給源の出力を調整することは開示していない。そしてまた、オーエン参考文献は、使用者が調節可能な流量の提供、又は最適な電荷−質量比を一貫して得るための、高電圧供給源の出力と製品流量との同調も開示していない。
【0005】
ノークス(Noakes)に発行された米国特許第5,121,884号(「ノークス参考文献」)は、従来型の最大電流出力より小さい発電機の使用を可能にするために、HT発電機から電流がそれに沿って漏れ得る可能性がある表面漏れ経路を十分長く設計した、静電噴霧器を提示する(要約)。発電機に要求される電流出力を低減する利益により、より安価に組立てることが可能になる(第1段、12〜14行)。ノークス参考文献は、更に、高圧発電機により供給される電流の多くは表面漏れ及び望ましくないコロナ放電であり、一部分のみが実際に噴霧を帯電させるのに使用される電流であることを特定する(第1段、33〜37行)。ノークス(Noakes)により示された解決策は、表面漏れ経路を制限してHT発電機により生成される電流中の漏れ電流の原因を明らかにすることである。HT発電機の損失を予測することの特有の問題が、変化する大気条件において装置を稼動させる時に生じる。大気条件の変化(例えば、湿度増加)と共に、コロナ放電及び表面漏れに関連する損失が、増加又は減少し得る。特定の装置が様々な大気条件中で確実に稼動可能であるためには、その装置は、可能性のある最悪の大気条件(すなわち、コロナ放電又は表面漏れ電流が最も多い場合に対応する大気条件)で機能するように設計する必要がある。これにより、最悪大気条件に対する電源を作動させることが必要になり、その結果、最悪大気条件でない大気条件中では著しく過剰量のエネルギーを発生させる。このような方法で電源を作動させると、電池電力の過剰な流出、及び感電の可能性が増加する原因となる装置内電荷蓄積の可能性が増加する結果となる。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、一定の目標噴霧品質を維持するために、一定の電荷−質量比を維持する静電噴霧装置を提供する。定常状態の間は、高電圧供給源は、変化する環境条件及び/又は稼動状態に応じて出力電圧レベルを調節する。始動、停止、及び流量条件変更などの過渡状態の間は、高電圧供給源は、電荷−質量比を確実に維持する。例えば、始動中は、製品が帯電場所に送出される前に、高電圧供給源は、高圧電極を所定の電圧レベルに荷電する。停止中は、高電圧供給源が高圧電極への電力を停止する前に製品送出が止められ、製品流量変更中は、高圧電極の電圧レベルが一定の電荷−質量比を維持するように調整される。本発明は又、高電圧供給源の貯蔵素子に残っている蓄積電荷を放電することにより後噴霧を防止する。
【0007】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
典型的な静電噴霧装置設計の第一のステップは、特定の製品又は用途に対する目標噴霧品質を特定することから始まる。「目標噴霧品質」は、噴霧液滴径、噴霧液滴径の分布、帯幅、及び噴霧直径の内、1つ又はそれ以上の組合せとして定義される。いかなる特定の用途においても、上述の変数の1つ、2つ以上、又は全ての組合せが、その用途の目標噴霧品質を定義するために必要とされる。
【0008】
目標噴霧品質を達成するために、装置の出力操作変数(例えば、高電圧出力、電流出力、製品流量)と、流体又は製品特性独特の集合(例えば、粘性、固有抵抗、表面張力)がつり合いをとる。所与の一組の環境(例えば、温度、湿度)、装置操作変数、及び流体特性に対して、具体的な目標噴霧品質に対する特定の電荷−質量比が存在する。電荷−質量比は、霧化された噴霧により運ばれる電荷量の重量に基づく指標であり、キログラム当りのクーロン(C/kg)で表すことができる。電荷−質量比は、目標噴霧品質を確実に維持するための有用な指標を提供する。噴霧塗布中の流体特性又は装置出力操作変数のいかなる変化も、噴霧品質の変化に繋がる。噴霧品質のこの変化は、電荷−質量比の変化に対応する。
【0009】
本発明の一態様では、静電噴霧装置は、最適電荷−質量比を維持するために、定常稼動状態の間における環境条件及び/又は稼動状態の変化に応答して、受容可能な噴霧品質を維持する。環境条件及び/又は稼動状態の変化は、エネルギーの大気への損失(通常はコロナ及び表面漏れの増加という形で)のために、噴霧形成に利用可能なエネルギーに影響を与える傾向がある。一般的には、より湿った環境では、高圧電極において生じるエネルギー損失が増加する。例えば、バスルームのような高湿度環境では、コロナ損失及び表面漏れの増加のために、高圧電極で利用可能なエネルギーは、より低湿度の環境における利用可能なエネルギーよりも少ない。これによって製品噴霧に対するより低い電荷−質量比となって、装置が環境条件及び/又は稼動状態に応答しない場合には、一定しない噴霧品質となることがある。
【0010】
図1は、静電噴霧装置の一実施形態の電気的略図を示す。示される電源10は、電池又は当技術分野で既知のその他の電源とすることができる。例えば、電源は、2つの標準「AAA」電池のような、使用者が交換可能な1つ又はそれ以上の電池とすることができる。あるいは、電源は、使用者が再充電可能な電池、使用者以外により処理可能な再充電式パワーパック、又は外部源(すなわち、「電力線」供給)とすることができる。回路の少なくとも1つの配置では、電源10は、電源スイッチ20により回路の他の部分から分離することができる。電源スイッチ20は、電池などの自蔵型電源10の有効寿命を伸ばすことができる。電源スイッチ20は又、電源スイッチ20が閉じられた時にだけ回路の他の部分に電力を供給することにより、線間電圧電源に対して安全余裕を加えることができる。一実施形態では、電源スイッチ20は、後の作動までその設定を維持可能なトグルスイッチとすることができる。スイッチ20が「オン」位置に入れられると、直流−直流変換器30に電力が供給される。
【0011】
直流−直流変換器30は、電源10からの入力電圧供給、例えば従来の2つの「AAA」型電池からの公称3.0V供給を受け取って、5.0V供給などのより高い電圧信号に変換する。直流−直流変換器30は、例えば、リニア・テクノロジー社(Linear Technology Corporation)から入手可能な3Vから5Vへの直流変換器(部品番号LT1317BCMS8−TR)とすることができる。直流−直流変換器30は又、表示器40へ信号を送ることにも使用できる。この信号は、電源10からの供給信号の一部、又は出力信号、例えば5.0Vの一部のいずれかとすることができる。表示器40は、例えば、可視電磁(EM)スペクトルのオレンジ範囲の光を発するLEDとすることができる。図1に示すように、表示器40は、電源スイッチ20が「オン」位置にあって十分な電圧が直流−直流変換器30から表示器40へ供給される時にだけ可視光を発するように配置することができる。使用者が制御する塗布スイッチ45は、使用するスイッチの型により「オン」位置に押し下げられる又は回されて電源回路を完成させ、電圧調整器50へ電力を供給することができる。電圧調整器50は、必要ならば、モータ60への入力電圧を制御することができる。電圧調整器からの公称電圧出力は、約3.3Vとすることができる。電圧調整器50は、高電圧スイッチ70へも出力信号を送ることができる。高電圧スイッチ70は、例えば、日本電気(株)の部品番号2SA812トランジスターのような、トランジスター又はダイオード素子とすることができる。
【0012】
高電圧スイッチ70は、電圧調整器50からの信号に応じて残りの高電圧発生回路へ電力を供給する。高電圧スイッチ70は、高電圧制御ブロック80と方形波発生器90などの信号発生器の両方へ信号を送る。高電圧制御ブロック80は、蓄積コンデンサ110からの信号と電流制限器170からの信号を、内部設定の基準電圧と比較する。蓄積コンデンサ110からのフィードバック信号及び/又は電流制限器170からの信号の値により、高電圧制御ブロック80は、「オン」又は「オフ」いずれかの信号を直流−直流変換器100へ送る。高電圧制御ブロック80は、例えば、(株)東芝の部品番号TC75W57FUのようなオペアンプとすることができる。
【0013】
直流−直流変換器100は、より低い入力電圧をより高い出力電圧に変換する。例えば、直流−直流変換器100は、約5.0Vの公称入力電圧を約25.0Vのより高い公称出力電圧に変換することができる。直流−直流変換器100からの出力が、蓄積コンデンサ110を荷電する。蓄積コンデンサ110は、高電圧変圧器120の一次コイルへ入力電圧を提供する。直流−直流変換器100のより高い電圧の出力周波数は、後に詳しく説明するようにフィードバックループにより制御され、ほぼ一定の、例えば25.0Vなどの供給が、蓄積コンデンサ110から高電圧変圧器120へ確実に利用可能なようにする。直流−直流変換器100は、例えば、(株)東芝の部品番号TC75W57FUのような直流−直流変換器とすることができる。高電圧スイッチ70は又、方形波発生器90へ「オン」信号を送ることもでき、後者は、高電圧変圧器120の一次コイルにも接続されている。これにより、約25.0Vの波高値交流パルスが高電圧変圧器120の一次コイルを通って発生することになる。方形波発生器90は、例えば、(株)東芝の部品番号TC75W57FUのようなオペアンプ素子とすることができる。高電圧変圧器120の巻数比は、例えば約100:1として、一次コイルで約25.0Vの入力電圧が二次コイルからの約2.5kV(2500V)の出力電圧となるようにすることができる。次に、高電圧変圧器120の出力電圧は、電圧増倍器130へ供給することができる。
【0014】
電圧増倍器130は、高電圧変圧器120の出力信号を整流化し、より高電圧の直流出力電圧を提供するように増倍する。例えば、高電圧変圧器120の出力電圧が約2.5kV交流信号の場合、電圧増倍器130は、この信号を整流化し、より高電圧の直流出力、例えば14.0kVの直流出力電圧などを提供するように増倍することができる。一実施形態では、電圧増倍器130は、6段のコックロフト−ウォルトン・ダイオード電荷ポンプとすることができる。コックロフト−ウォルトン・ダイオード電荷ポンプの1段は普通、回路内における1つのコンデンサ及び1つのダイオードの組合せとして定義される。電圧増倍器に必要とされる段数は、入力交流電圧源の絶対値の関数であると共に、必要な出力電圧にも左右されることを、当業者は認識するであろう。一実施形態では、高電圧変圧器120及び電圧増倍器130は、信越化学工業(株)から部品番号KE1204(A.B)TLVとして入手可能であるような、シリコーン封止剤などの封止剤中に封入可能である。高電圧変圧器120及び電圧増倍器130を封止剤中に封入することにより、これら高電圧構成要素からの電気漏れ及びコロナ放電が減少し、これらの効率を増大させることができる。
【0015】
減流抵抗器140を、高電圧増幅器130の出力端子と高圧電極150の間に置くことができる。減流抵抗器140を使用して、高圧電極150が利用可能な高電圧増倍器130からの電流出力を制限することができる。1つの特定の実施形態では、減流抵抗器140は、例えば約20メガオームとすることができる。しかしながら、より大きい出力電流を望む場合には、より小さい抵抗を有する減流抵抗器が望ましいことを当業者は認識するであろう。逆に、より小さい出力電流を望む場合には、より大きい抵抗を有する減流抵抗器が望ましい。高圧電極150は、適切な金属又は導電性プラスチック、例えば炭素繊維を10%充填したアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で製作することができる。以下で更に詳細に説明するブリーダー抵抗器160も又、図1に示すように接続することができる。電流制限器170も又、高電圧増倍器130の出力回路に接続されている。
【0016】
また接地接点180を設けて、静電噴霧装置回路と使用者の間の共通接地を確立し、使用者が感電する危険性を減少させることができる。更に、パーソナルケア用途では、接地接点180は、帯電した粒子が使用者の皮膚上に堆積するにつれて電荷が使用者の皮膚上に蓄積されるのを防ぐこともできる。接地接点53は、使用者が同時に自分自身を装置と接地させることなくモータ60及び高電圧供給回路へエネルギー供給できないように、塗布スイッチ45と一体化及び/又は塗布スイッチ45にほぼ隣接することができる。例えば、塗布スイッチ45は金属で作ることができ、及び/又は接地接点は導電性接点とすることができ、又は接地する電極は塗布スイッチ45の隣に配置することができる。
【0017】
定常稼動状態
図1に示す本発明の実施形態では、高電圧制御ブロック80はフィードバック制御ループ210と共に、環境条件及び/又は稼動状態の変化に応答する制御回路を提供する。この実施形態では、高電圧制御ブロック80は、高電圧発生回路すなわち高電圧変圧器120及び電圧増倍器130の作動を追跡して調整するように、フィードバックループ210と共に設計される。フィードバックループ210は、蓄積コンデンサ110にわたる電圧降下を監視するなどにより、高電圧変圧器120の一次コイルへ供給される電力の電圧降下を監視又は追跡する。方形波発生器90の切替サイクル間の蓄積コンデンサ110にわたる電圧降下は、電圧増倍器130における電圧降下及び高圧電極150における電圧降下に比例する。例えば、噴霧負荷に応じて高圧電極150における電圧が降下する時には、電圧増倍器130及び蓄積コンデンサ110においても切替サイクルの間に比例的な電圧降下が見られる。従って、フィードバックループ210は、蓄積コンデンサ110における電圧レベルを監視することにより、高圧電極150における電圧レベルの変化を引き起こす環境条件及び/又は稼動状態の変化を追跡することができる。高電圧制御ブロック80は、フィードバックループ210からの信号を基準電圧と比較して、直流−直流変換器100の作動を周波数変調、パルス幅変調、又は当技術分野で既知の他のいずれかの制御方法などにより制御する制御回路を含む。その制御回路は、例えば、(株)東芝の部品番号TC75W57FUのようなオペアンプを使用するオペアンプ回路を含むことができる。一実施形態では、高電圧制御ブロック80は、フィードバックループ210の信号が所定の範囲内にある時には、直流−直流変換器100へ定常信号を提供することができる。直流−直流変換器100は、定常信号を受け取ると、所定の周波数で作動を続けることができる。しかし、フィードバックループ210の信号が所定の範囲を外れると(例えば、高湿度のための高圧電極150における過剰損失)、高電圧制御ブロック80は、直流−直流変換器100への制御信号を変化させ、これによって直流−直流変換器100の荷電周波数が調整されて、蓄積コンデンサ110の電圧レベルが所定の範囲内に戻されるようになる。これにより、高電圧発生回路すなわち高電圧変圧器120及び電圧増倍器130への電流供給が増加又は減少する結果が生じ、変化する環境条件及び/又は稼動状態の下で所望の電圧が維持される。フィードバックループは、回路の作動状態を別の場所で、例えば高電圧変圧器120の二次コイル、電圧増倍器130内、減流抵抗器140、高圧電極150などで監視できることも、当業者は認識するであろう。
【0018】
本発明は、環境条件及び/又は稼動状態に従って高電圧発生回路へ提供する電流を変化させることにより、低噴霧負荷期間の過剰なエネルギー発生を減少させると同時に、広い範囲の環境条件及び稼動状態に亘って最適噴霧性能を提供する。これによって、貯蔵エネルギーのより効果的な使用が可能となり、取替え可能な電池電源の使用寿命を伸ばすことができる。更に本発明の静電噴霧装置は、低噴霧負荷期間の電流レベルを下げることにより、火花放電及び使用者の感電に繋がる可能性があるコロナ漏れを減少させることができる。
【0019】
本発明の更に別の態様では、装置内部品を防湿性バリア内に納めて、高湿度環境での作業中の噴霧性能を改善することができる。バリアによって、大気内湿気が装置へ侵入して装置内側に配置された高電圧構成要素と接触することが防がれる。これにより、コロナ放電及び湿度の上昇に伴う他の損失が削減され、目標噴霧品質が維持される。静電噴霧装置又はカートリッジは、例えば、装置又はカートリッジの外側部分の周りをサーリン(Surilyn)のようなエラストマーなどのバリア層で封止されてもよい。
【0020】
過渡状態
本発明の別の態様は、過渡的な状態の間、例えば、始動、停止、又は製品流量変更の間に、最適な電荷−質量比を維持することである。例えば、始動中は、本発明の静電噴霧装置は、高電圧発生回路への荷電と帯電場所への製品の送出を同調させることができる。これにより、所望の電荷−質量レベルを得るのに十分に製品を帯電できるまで製品の噴霧が阻止されるので、装置は目標噴霧品質を提供することができる。逆に停止中は、帯電状態への製品の送出がほぼ止まるまで、静電噴霧装置は、一定の電荷−質量比を維持するために十分な電位に高圧電極を保持することができる。これにより、装置は、停止するまで、目標噴霧品質を提供できる。しかし、製品流量が変化する間は、静電噴霧装置は、装置の全作業を通して一定の電荷−質量比を維持するために、高電圧発生回路の出力を変化する流量と同調させることもできる。これにより、装置は、製品流量が変化する場合でさえも、目標噴霧品質を維持することができる。
【0021】
図6に示すような本発明の一態様では、高圧電極150は、製品送出システムを駆動するモータ60に電力が供給されるに先立って、エネルギー供給を受けることができる。この実施形態では、電極電位が製品噴霧の一定の電荷−質量比を与えるのに十分となるまで、製品は高圧電極150へ送出されない。高電圧発生回路が通電する時と製品送出システムを駆動するモータへ電力が供給される時の間における経過時間の差は、遅延時間1として示される。装置は、モータ60の作動を遅延させることにより、帯電場所が目標電位にほぼ到達するまで帯電場所への製品送出を阻止して、所望の電荷−質量比を有する噴霧を始動時に形成することができる。
【0022】
本発明の別の態様では、装置は、帯電場所への製品送出が止まるまで、高圧電極150へ電力供給を続けることができる。例えば、図6に示す遅延時間2などの第二の遅延を停止時に設けることができる。この場合、高電圧発生回路は、帯電場所への製品送出が止まった後まで、高圧電極150を目標電位に維持することができる。遅延時間2によって、電極150は、一定の電荷−質量比を与えるのに十分な電位で保持され、製品送出システムがそれに関連する遅延時間を有する時、又は送出される製品がそれに関連するなんらかの運動量を有する場合などに、供給される最後の製品まで帯電させることができる。そのようなシステムにおいては、モータ60への電力供給が切られる時と製品が帯電場所への動きを止める時の間に遅延があり得る。この場合には、製品送出システム内の製品が完全に止まるまで、帯電場所への電力が維持されるのが望ましい。電気時計又は遅延素子が、例えば、電圧調整器50に組み入れられて、遅延時間1及び遅延時間2などの1つ以上の遅延を提供することができる。
【0023】
図7は、本発明の更に別の態様として、高圧電極150と電極へ送出される製品の変化する流量に対応するモータ60とへの同調した電力供給を示す。高電圧発生回路すなわち高電圧変圧器120及び電圧増幅器130を製品送出速度と共に傾斜上昇させることにより、理想的な電荷−質量比を維持することができる。例えば、流量センサー及びモータフィードバック回路を使用して、高電圧発生回路を駆動する高電圧制御ブロック80へフィードバック信号を提供することができる。あるいは、製品の流量を監視又は概算するための当技術分野で既知の他の方法を、本発明の範囲内で使用することができる。高電圧制御ブロック80は、次に、高電圧発生回路の出力を製品流量に比例するように調節して所望の電荷−質量比を維持し、装置が目標噴霧品質を送出するのを確実にすることができる。
【0024】
本発明の更なる態様により、静電噴霧装置は、後噴霧を低減することができる。後噴霧は、高電圧供給源への電力が停止された後、静電噴霧装置がしばらく製品噴霧を続ける場合として定義される。一体型高電圧供給源を有する静電噴霧装置は、通常、一次高電圧変圧器からの出力電圧を昇圧するためにコンデンサ−ダイオード・ラダーを使用する。1つの適切なコンデンサ−ダイオード・ラダーは、コックロフト・ウォルトン型ダイオード電荷ポンプである。コンデンサは又、高電圧出力の品質を改善しばらつき又はノイズを減少させるために、静電噴霧回路で使用される。使用者が装置を止めた後、そのコンデンサが蓄電素子として機能して、電荷が大気へのコロナ漏れ又は低電位点への火花放電(例えば、使用者の感電)などにより消散するまで、高電圧電荷を蓄える。この蓄積電荷は、高圧電極150へ電力を供給し続けることができ、高電圧供給源への電力を切った後もコンデンサ内の電荷が十分に消散するまで、製品を噴霧するのに十分な電位差を製品と近傍表面の間に作り出すことがある。
【0025】
後噴霧状態が望ましくないのは、使用者が装置を止めた後も装置が製品を噴霧し続け、電荷−質量比が顕著に変化するので噴霧品質が一定しないからである。所望の電荷−質量比が維持されないのは、製品を完全に霧化して噴霧にするために利用できる高圧電流の一定供給がないからである。装置内に蓄積された電荷は、電荷が後噴霧を作り出して消散するしばらくの間、製品を部分的に霧化することができる。製品を霧化する電圧供給が一定でないので、得られる噴霧の電荷−質量比が変化し、結果は変化する噴霧品質を有する噴霧生成となる。更に、後噴霧状態は、使用者が装置をハンドバックや収納キャビネットの中にしまった後に噴霧を続けるなど、意図しない時及び/又は場所で噴霧を作り出し得る。これにより、予期しない及び望ましくない失敗が生じることがある。
【0026】
高電圧供給源への電力を停止した後に容量素子を速やかに放電させることにより、後噴霧を低減又は解消することができる。本発明の第一の実施形態では、図1に示すブリーダー抵抗器160などの高電圧抵抗器を、高圧出力電極150と装置内のより低い電位点の間に接続できる。ブリーダー抵抗器160は経路を提供することができ、それによって電圧増倍器130内のコンデンサに蓄えられたエネルギーなどの装置内過剰貯蔵エネルギーが、使用者が噴霧作業を完了した後の比較的短い時間で消散できるので、後噴霧の発生が低減する。ブリーダー抵抗器160のインピーダンスが出力電流制限抵抗器と噴霧負荷と比較して極めて大きくなるように、ブリーダー抵抗器160は十分に大きな抵抗を有するように選択し、正常稼動中に噴霧品質又は高電圧発生器出力に劇的に影響しないようにすべきである。ブリーダー抵抗器160の値が低すぎると、ブリーダー抵抗器160は、噴霧作業で示される抵抗よりも低い抵抗の経路を提供することになる。この場合、ブリーダー抵抗器160は、正常な噴霧作業中に望まれるよりも大きな電流を排出することになる。正常な噴霧作業中にブリーダー抵抗器160を通過する電流が大き過ぎると、霧化及び製品の帯電に利用可能な電流が不十分となる。更に、ブリーダー抵抗器が、電池などの可搬電源の寿命を縮め得る。しかし、ブリーダー抵抗器160は、蓄えられたエネルギーが比較的短い時間で消散できるように十分小さい抵抗を有すべきである。装置に蓄えられたエネルギーが消散するのに必要な時間は、前記静電容量値をブリーダー抵抗器160の値で掛けた値を使用して見積もり、RC時定数値を決定することができる。この関係は次のように与えられる。
【0027】
τA=CD×RB
上式において、
τA=噴霧装置から蓄積静電容量が約63%排出される時間(秒)
CD=装置静電容量(F)
RB=ブリーダー抵抗器の値(Ω)
このRC時定数τAは、貯蔵デバイスの電荷の約63%が消散するのに必要なおおよその時間を表す。項CDは、高電圧供給源回路内の従来型コンデンサ素子からの静電容量、並びに製品貯蔵器の静電容量及び装置内におけるその他の漂遊容量の合計を表す。従って、従来回路から採用したこの関係式を適用してはいるが、実際には、τAは、63%より多くの蓄積電荷が消散する時間を表すことが理解される。
【0028】
場合によっては、τA内に消散する電荷は、後噴霧を低減又は解消する点まで装置内の電荷を減少させるのに十分である。しかし時として、時間τAは、後噴霧を低減又は完全に解消するまで電荷を排出するには不十分なことがある。これらの場合に、設計者は、全ての蓄積電荷を装置内から排出することを望んでもよい。この場合、次の関係式によって、いかなる蓄積電荷も確実に完全に消散する時間τBが推算されることが理解されるであろう。この関係は次のように与えられる。
【0029】
τB=5×τA=5×CD×RB
上式において、
τB=噴霧装置から蓄積電荷が100%が排出される時間(秒)
CD=装置静電容量(F)
RB=ブリーダー抵抗器の値(Ω)
典型的なブリーダー抵抗器の1つの適切な範囲は約1MΩ〜約100GΩの間、別の適切な範囲は約500MΩ〜約50GΩの間、更に別の適切な範囲は約1GΩ〜約20GΩの間である。一実施形態では、例えば、電源の蓄積電荷を完全に排出するのが、約60秒未満、好ましくは約30秒未満、及び最も好ましくは約5秒未満であるのが望ましいことがある。説明のために例を用いると、約500pFの静電容量を有する静電噴霧装置(装置静電容量は、高電圧供給源内の静電容量、製品貯蔵器内における静電容量及び装置の推定漂遊容量の合計により見積ることができる)の蓄積電荷の少なくとも約63%を約5秒以内に消散することを望む場合、約10Ω以下の抵抗を有するブリーダー抵抗器を必要とする。
【0030】
RB=5.0秒/500pF=10GΩ
10GΩ抵抗器は、蓄積静電容量の少なくとも63%を消散するものではあるが、静電容量の分布(電圧増倍器130内、製品貯蔵器静電容量、及び他の漂遊容量)によっては、実際必ずしも後噴霧状態を解消することはできない。それ故に、装置静電容量の100%を同じ5秒間に確実に排出するためには、ブリーダー抵抗器160の抵抗は、約2GΩ以下であることを必要とする。
RB=(5.0秒/500pF)/5=2GΩ
少なくとも1つの実施形態では、例えば、ブリーダー抵抗器160は、日本ヒドラジン工業(株)から部品番号LM20S−M10Gにて入手可能な高電圧抵抗器のような、約10GΩの抵抗を有する高電圧抵抗器とすることができる。
【0031】
図2に示す本発明の別の実施形態では、後噴霧の影響を低減するために、機械的スイッチ190を備えることができる。高電圧機械的スイッチ190は、ブリーダー抵抗器160と同様の機能を果たすが、高電圧機械的スイッチ190が正常な噴霧作業中には能動回路素子でないことだけが異なる。むしろ、機械的スイッチは、正常な噴霧作業中には開放位置にあり、いかなる電流も引かないように配置されている。しかし、使用者が噴霧作業をやめて装置へのエネルギー供給を切ろうとすると、高電圧機械的スイッチ190は開放位置から閉鎖位置へ変わり、出力電極から装置回路の接地側の間に直接の導電路ができ、それにより装置内のいかなる蓄積電荷も殆ど直ちに放出することができる。高電圧機械的スイッチ190設計の1つの利点は、接地のための導電路が抵抗器を含む必要がないので、より早い放電速度が可能なことである。更に、導電路は、装置へのエネルギー供給が切られている、すなわちオフ位置にある時のみ利用可能であるので、高圧電極150からのエネルギー排出による正常な噴霧作業への干渉がなく、ブリーダー抵抗器160に関連する電力損失を補償するために高電圧発生回路が過剰な電力を発生することを必要としない。
【0032】
図3に示す更に別の実施形態では、本装置は、図1に示すブリーダー抵抗器160の代わりに、トランジスターなどの高圧電気的スイッチ200を具備する。正常な噴霧作業中は、そのスイッチは開放位置にあって、回路の低電位点への導電路は不活性である。しかし、操作者が装置へのエネルギー供給を切るとスイッチが閉じ、回路の低電位点への導電路が利用可能になって装置内の蓄積電荷を排出する。再び、高圧電気的スイッチ200は、ブリーダー抵抗器160よりも低い抵抗を提供できるので、装置内蓄積電荷のより早い放電が可能になる。更に、高圧電気的スイッチ200は、装置へのエネルギー供給が切られている、すなわちオフ位置にある時のみ利用可能な導電路を提供するので、高圧電極150からのエネルギー排出による正常な噴霧作業への干渉がなく、及びブリーダー抵抗器160に関連する電力損失を補償するために高電圧発生回路が過剰な電力を発生することを必要としない。
【0033】
当業者は、図2又は図3に示す配置のいずれかが、図4に示すようなブリーダー抵抗器160も具備することができるのを理解するであろう。場合によっては、貯蔵静電容量の放電速度を制御するのが望ましいことがある。そのような場合、ブリーダー抵抗器160は、図4に示すように、高電圧機械的スイッチ190又は高圧電気的スイッチ200のいずれかに接続することができる。更に、ブリーダー抵抗器及び/又は機械的若しくは電気的スイッチは他の構成に配置できることも、当業者は認識するであろう。例えば、図5は1つの代替構成を示しており、ここでは、ブリーダー抵抗器160が、電圧増倍器130と電流制限抵抗器170の間、及びより低い電位の点に接続されている。
【0034】
本発明の更に別の態様では、図1に示すような電力表示器40が視覚または他の表示を提供して、目標品質の噴霧を送出するのに十分な電池寿命を本装置が有することを装置の使用者に伝えることができる。既存静電噴霧装置の典型的な問題に、電池又は他の電源の電圧レベルが長い使用に亘って衰えるにつれて現れる性能劣化がある。電池から利用可能な電流が低下するにつれて、高圧電極150で発生される電圧及びモータ60の速度は異なる率で低下する。これは目標電荷−質量比からの逸脱を引き起こし得るので、目標噴霧品質に至らないことがある。本発明の静電噴霧装置は、電池の電圧を監視し、使用者にその時点の電池状態を知らせると共に、電池の電圧が所定のレベルより低下した時には目標噴霧品質に満たないものを提供するのを防ぐために装置を停止する回路を具備することができる。
【0035】
一実施形態では、電力表示器40は、電池が公称又は目標稼動電圧範囲内の時には電磁(EM)スペクトルのオレンジ範囲の光を発するLEDなどの、LEDとすることができる。電力表示器40への信号は、直流−直流変換器30内のオペアンプから供給することができ、オペアンプは、電源10、例えば電池から入ってくる信号を前もって設定した基準信号と比較する。電源の電圧が、残りの使用可能な電池寿命の所定の量、例えば5%に対応する所定のレベルに到達すると、直流−直流変換器30は電力表示器40へ信号を提供することができ、電力表示器40は表示器の表示状態を変えて、例えばLEDを点け又は消して、電池交換が必要なことを知らせる。これにより、使用者は、目標噴霧品質に満たないものを提供することもある、又は塗布工程中に装置が機能できなくなり部分的に完了した塗布を使用者に残すこともあるレベルまで電圧レベルが低下する前に、電池の交換を行うことができる。更に、その回路は、所定の電池電圧で装置を停止して、減損した電池のために使用者が低噴霧性能を経験するのを確実になくすことができる。一実施形態では、例えば、その回路は電池交換が必要なことを電力表示器40が表示した後でも、装置を停止する前に1つの完全な製品塗布を完了するのに十分な時間を少なくとも使用者に与えることができる。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態を示し説明したが、本明細書で説明した本発明の更なる改変は、当業者が適切な変更を加えることにより、本発明の範囲を逸脱することなく達成することができる。これらの可能な変更及び代替案の幾つかは既に説明済みであり、その他は当業者には明白であろう。例えば、本発明の代表的な実施形態を説明の目的で検討したが、説明した要素は、技術的な進歩により絶えず更新され改良されることを理解すべきである。従って、本発明の範囲は次の請求項に関して考察されるべきであり、明細書及び図面に示して説明した構成、操作、又は工程の詳細事項に限定されないことを理解する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の静電噴霧装置の一実施形態の電気回路の略図である。
【図2】 本発明の静電噴霧装置の別の実施形態の電気回路の一部の略図である。
【図3】 本発明の静電噴霧装置の別の実施形態の電気回路の一部の略図である。
【図4】 本発明の静電噴霧装置の別の実施形態の電気回路の一部の略図である。
【図5】 本発明の静電噴霧装置の別の実施形態の電気回路の一部の略図である。
【図6A】本発明の別の実施形態の作動を示すグラフである。
【図6B】本発明の別の実施形態の作動を示すグラフである。
【図7A】 本発明の別の実施形態の作動を示すグラフである。
【図7B】 本発明の別の実施形態の作動を示すグラフである。
Claims (4)
- 製品を貯蔵器からチャネルを通して電圧調整器で制御されるモータで駆動される製品送出システムにより散布点まで送出し、該製品が該貯蔵器を出た後に高圧電極により該製品を静電的に帯電させ、また該製品をノズルの出口オリフィスから散布するように構成され配置されている電荷を供給する電源を備えた静電噴霧装置において、
前記電源に電気的に接続された高電圧制御部であって、所定の位置の電圧レベルと予め定められた基準電圧との差異に応じて変化可能な制御信号を出力する高電圧制御部と、
前記高電圧制御部から出力された前記制御信号に応じて荷電周波数が調整される直流−直流変換器と、
前記直流−直流変換器からの出力によって荷電されて電圧レベルが調整される蓄積コンデンサと、
前記蓄積コンデンサから供給される入力電圧をより高い出力電圧に変換して前記高圧電極を荷電する高電圧発生回路とを備え、
前記所定の位置は、前記高圧電極の電圧レベルに比例した電圧レベルにあり、前記直流−直流変換器と前記高圧電極との間にあることを特徴とする静電噴霧装置。 - 前記高電圧発生回路は、前記モータを制御する前記電圧調整器からの信号を受信して、前記貯蔵器からの前記製品の送出が停止された所要の第1の時間だけ後に前記高圧電極への荷電を停止することを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
- 前記高電圧発生回路は、前記モータを制御する前記電圧調整器からの信号を受信して、前記貯蔵器から前記製品が送出される所要の第2の時間だけ前に前記高圧電極への荷電を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電噴霧装置。
- 製品を貯蔵器からチャネルを通して電圧調整器で制御されるモータで駆動される製品送出システムにより散布点まで送出し、該製品が該貯蔵器を出た後に高圧電極により該製品を静電的に帯電させ、また該製品をノズルの出口オリフィスから散布するように構成され配置されている電荷を供給する電源を備えた静電噴霧装置において、
前記電源に電気的に接続され、入力電圧をより高い出力電圧に変換して前記高圧電極を荷電する高電圧発生回路と、
前記高電圧発生回路の出力端子に電気的に接続されて、該高電圧発生回路に蓄積した電荷を排出する高電圧抵抗器と
を備えたことを特徴とする静電噴霧装置。
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