JP3856529B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の暖房運転時において室内機からの冷媒音発生の防止および室内機側熱交換器に滞留する冷媒の回収に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、停止、送風運転、サーモオフによる暖房運転などのように、通常の暖房運転を行っていない室内機側熱交換器の絞り装置は全閉にされていたが、室内機側熱交換器の接続基数の増加により、運転パターンが多様になっている。そのため、多基接続された室内機側熱交換器のうち、小容量の室内機側熱交換器1台のみを暖房運転させるとともにその他の室内機側熱交換器を暖房運転以外にした場合、絞り装置を全閉にした室内機側熱交換器に冷媒が滞留し、空気調和装置の冷媒回路において冷媒不足運転となる。そのため、暖房運転を行っていない室内機側熱交換器の絞り装置を微小開度開けることにより、その室内機側熱交換器への冷媒の滞留を防止するようにしている。しかしながら、絞り装置の開度を開けることで冷媒が流れるため、室内機側から冷媒の流動音が聞こえて耳障りになることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように室内機側熱交換器の絞り装置を全閉、あるいは微小開度だけ開ける方法において、前者は室内機に冷媒が滞留するため、冷媒の循環量低下による圧縮機吐出温度の上昇に陥りやすい。これに対し、後者は絞り装置での流路が形成されるので、運転パターンによっては室内機から冷媒音が発生する問題点が残る。
【0004】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、暖房運転時に非暖房運転の室内機からの冷媒音を消音し、更には室内機に滞留している冷媒を回収して、快適空調および暖房能力を維持できる空気調和装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明は以下の手段を講じたものである。
【0006】
また、この発明の請求項1に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、
前記運転設定手段によって暖房運転以外と設定された室内機について前記室内機毎に個別に、暖房運転以外と判断された時点を起点にして前記絞り装置を全閉にするか、または全閉よりも大きな開度のいずれとするかを、選択可能とした非暖房運転時絞り開度設定手段とを設けたものである。
【0007】
そして、この発明の請求項2に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
前記複数の室内機のうち少なくとも1台以上が凝縮器として暖房運転をしている場合に、暖房運転を行っていない他の熱交換器に対応した絞り装置のうち、選択した絞り装置については全閉にし、他の絞り装置については全閉よりも大きな開度にする絞り開度併合制御手段とを設けるとともに、
前記圧縮機の吐出温度を検知する吐出温度検知手段と、前記吐出温度検知手段により検知された吐出温度が予め設定されている所定温度より高くなった場合に、前記選択した絞り装置を現在の開度よりも大きくする絞り開度制御手段とを設けたものである。
【0008】
更に、この発明の請求項3に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
前記複数の室内機のうち少なくとも1台以上が凝縮器として暖房運転をしている場合に、暖房運転を行っていない他の熱交換器に対応した絞り装置のうち、選択した絞り装置については全閉にし、他の絞り装置については全閉よりも大きな開度にする絞り開度併合制御手段とを設けるとともに、
前記絞り開度併合制御手段による絞り装置設置の存否を設定する絞り装置設定手段と、
暖房運転にあたり、前記絞り装置設定手段により前記絞り開度併合制御手段による絞り装置が存在すると設定された場合には絞り開度併合制御手段による制御を有効とし、前記絞り開度併合制御手段による絞り装置が存在しないと設定された場合には複数の室内機のうち運転停止に係る前記室内機に対応した絞り装置を個別に全閉または全閉よりも大きな開度にする制御を有効とする制御切換手段とを設けたものである。
【0009】
また、この発明の請求項4に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、四方切換弁、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
暖房運転中に前記四方切換弁の冷媒流路を切り替えて除霜運転を行う除霜運転制御手段と、
前記除霜運転中に停止している前記複数の室内機の前記絞り装置を、除霜運転開始時点を起点にして個別に全閉または全閉よりも大きな開度に選択して設定できる除霜時絞り開度設定手段とを設けたものである。
【0010】
そして、この発明の請求項5に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、四方切換弁、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
暖房運転中に前記四方切換弁の冷媒流路を切り替えて除霜運転を行う除霜運転制御手段と、
前記除霜運転中に除霜運転開始時点を起点にして前記複数の室内機のうちの少なくとも1台を残した残りの絞り装置を全閉とし、かつ、他の室内機のうち少なくとも1台の絞り装置を全閉よりも大きな開度にする除霜時絞り開度併合制御手段とを設けたものである。
【0011】
更に、この発明の請求項6に係る空気調和装置は、
熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
前記室内機の絞り装置のうち、対象とするものを手動により設定可能な絞り装置手動設定手段と、前記絞り装置手動設定手段により前記対象とする絞り装置が存在すると設定された場合には前記複数の室内機の絞り装置を現在の開度よりも大きくする制御を有効とし、前記絞り装置手動設定手段により前記対象とする絞り装置が存在しないと設定された場合には複数の室内機のうち運転停止している前記室内機に対応した絞り装置を個別に全閉または全閉よりも大きな開度にする制御を有効とすると設定されたにもかかわらず、前記室内機全ての前記絞り装置をいずれも全閉とする制御しか存在しないと判断した場合には、圧縮機の起動を禁止する圧縮機起動禁止手段とを設けたものである。
【0012】
また、この発明の請求項7に係る空気調和装置は、熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、前記複数の室内機のうち一部が暖房運転していない場合に、暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置の開度を、全閉よりも大きな第1の所定開度とする第1の絞り開度制御手段と、前記暖房運転していない室内機の少なくとも1台以上に対応した前記絞り装置の開度を全閉または前記第1の所定開度よりも小さな第2の所定開度とする第2の絞り開度制御手段と、前記第1の絞り開度制御手段による制御と前記第2の絞り開度制御手段による制御とを選択的に設定する制御選択手段と、暖房運転していない前記室内機全ての前記絞り装置の開度を前記第1の所定開度および前記第2の所定開度よりも大きな第3の所定開度とする第3の絞り開度制御手段と、前記第3の絞り開度制御手段による制御を実行しない最低時間間隔を、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は第1の時間間隔とし、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔とする冷媒回収禁止制御手段とを設けたものである。
【0013】
そして、この発明の請求項8に係る空気調和装置は、熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、前記複数の室内機のうち一部が暖房運転していない場合に、暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置の開度を全閉よりも大きな第1の所定開度とする第1の絞り開度制御手段と、前記暖房運転していない室内機の少なくとも1台以上に対応した前記絞り装置の開度を、全閉または前記第1の所定開度よりも小さな第2の所定開度とする第2の絞り開度制御手段と、暖房運転していない前記室内機全ての前記絞り装置の開度を前記第1の所定開度および前記第2の所定開度よりも大きな第3の所定開度とする第3の絞り開度制御手段と、前記第1の絞り開度制御手段による制御と前記第2の絞り開度制御手段による制御とを選択的に設定する制御選択手段と、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置を制御対象として設定し、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は暖房運転していない前記室内機に予め付与されている優先順位に基づいて前記室内機毎の前記絞り装置を制御対象として設定する制御対象設定手段と、前記第3の絞り開度制御手段による制御を実行しない最低時間間隔を、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は第1の時間間隔とし、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔とする冷媒回収禁止制御手段とを設けたものである。
【0014】
更に、この発明の請求項9に係る空気調和装置は、優先順位は、室内機が運転停止している連続時間と、前記室内機毎に予め付与されている前記室内機の背番号の順番とに基づいて決定されるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明による空気調和装置の実施の形態を示すブロック構成図である。
図1において、1は圧縮機、2は四方切換弁、3は熱源機側熱交換器、6はアキュムレータであり、これらを配管で接続して熱源機Aが構成されている。
Ba,Bb,Bcはそれぞれ並列に配置された室内機である。4aは室内機Baに組込まれた流量制御可能(開度可変)な絞り装置であり、その流量特性は全閉の開度を60パルスに係る開度とし、全開の開度を2000パルスに係る開度としており、その間の開度と流量特性の関係は、図2に示すようにリニア(直線状)に変化する。4b,4cも室内機Bb,Bcにそれぞれ組込まれて絞り装置4aと同様の動作をする絞り装置である。以下、絞り装置の開度はパルス数で表す。
【0018】
5a,5b,5cはそれぞれ室内機Ba,Bb,Bc内の室内機側熱交換器である。室内機Ba,Bb,Bcは熱源機Aに対しそれぞれ並列で配管により環状に接続して冷媒回路が構成されている。
7は熱源機Aに組込まれ、検知された温度や圧力などの入力データに基づいて圧縮機1や四方切換弁2の動作を制御する熱源機側制御装置、8は熱源機Aに組込まれた冷媒流量抑制制御設定スイッチ(当該スイッチのON/OFF状態を以後SW1と呼ぶ)であり、SW1がONの場合は冷媒流量抑制に係る制御の設定(以後、冷媒流量抑制制御設定と呼ぶ)が有効であり、OFFの場合は冷媒流量抑制制御設定が無効であることを意味する。
【0019】
10は室内機Ba,Bb,Bcに対し冷房,暖房,停止などの運転モードを要求するリモートコントローラ(以後リモコンと略称する)、11aは室内機Baに組込まれ、リモコン10からの運転要求に対応して冷房運転,暖房運転,停止の運転パターンを決定し、その要求を伝送線9を介して熱源機Aの熱源機側制御装置7に伝える室内機側制御装置であり、11b,11cも室内機側制御装置11aと同様の動作をする室内機側制御装置である。室内機側制御装置11a,11b,11cは更に絞り装置4a,4b,4cの開度制御も行う。14は圧縮機1の吐出側圧力を検知する高圧圧力検知センサ、19は圧縮機1の吐出ガス温度を検知する吐出温度センサであり、高圧圧力検知センサ14の検知圧力値(以後Pdと呼ぶ)と吐出温度センサ19の検知温度値(以後Tdと呼ぶ)は、伝送線9を介して熱源機側制御装置7に入力される。
【0020】
ここで室内機側制御装置11a,11b,11cによる絞り装置4a,4b,4cの開度制御について、室内機Baで代表して説明する。
室内機Baには、絞り装置4aと室内機側熱交換器5aを結ぶ配管上に設けられた配管温度センサ12aと、室内機側熱交換器5aと四方切換弁2を結ぶ配管上でかつ室内機Baの内部に設けられた配管温度センサ13aとが配備されている。これらの配管温度センサ12a,13aにより検知された温度は室内機側制御装置11aに入力される。
【0021】
まず、冷房時について説明する。リモコン10からの冷房運転指令が室内機側制御装置11aに送られると、室内機側制御装置11aはまず全閉状態となっている絞り装置4aを所定の開度に開くとともに、熱源機側制御装置7に対して冷房の運転要求を行う。熱源機側制御装置7では運転要求が冷房である場合、四方切換弁2を冷房サイクル用の流れ(図1中の点線矢印)となるように設定し、圧縮機1を起動させる。圧縮機1の起動により冷媒が循環され、圧縮機1から出たガス冷媒は熱源機側熱交換器3で液冷媒となり、運転している室内機Baの絞り装置4aにより減圧され、二相冷媒となる。つまり、配管温度センサ12aは低圧の二相冷媒の温度(蒸発時の低圧飽和温度TH2a)を検知する。二相冷媒は室内機側熱交換器5aにより蒸発し、室内機側熱交換器5aの出口では過熱ガス状態となる。つまり、配管温度センサ13aは過熱ガスの温度(TH3a)を検知することになる。
これらの配管温度センサ12a,13aによる検知温度を基に、室内機側制御装置11aは過熱度SHa(=TH3a−TH2a)を算出し、過熱度(以下SHaと呼ぶ)が所定値よりも大きい場合には冷媒流量が不足していると判断し、絞り装置4aを所定開度だけ開方向に変化させる。反対に、SHaが所定値より小さい場合には絞り装置4aの開度を所定開度だけ閉方向に変化させる。このようにSHaを制御指数として絞り装置4aの制御が行われる。
【0022】
次に、暖房時の制御について説明する。室内機Ba,Bcの室内機側制御装置11b,11cには停止要求のままで、リモコン10より室内機Baの室内機側制御装置11aにのみ暖房運転要求が送信されると、室内機側制御装置11aは、まず停止中は全閉状態となっている絞り装置4aを所定の開度に開くとともに、熱源機側制御装置7に対して暖房の運転要求を行う。熱源機側制御装置7は暖房要求を受けると、四方切換弁2の冷媒流路方向を暖房用(図1中の実線矢印)に設定するとともに圧縮機1を起動させる。圧縮機1で圧縮された高圧高温のガス冷媒は、四方切換弁2により室内機Baに向けて流れ、室内機側熱交換器5aで凝縮されて液冷媒に変化する。つまり、配管温度センサ12aはこのとき液冷媒の温度を検知している。この液冷媒は絞り装置4aによって低圧の二相冷媒となり室内機Baを出て熱源機Aに流れ、熱源機側熱交換器3でそのほとんどが蒸発する。このように蒸発した冷媒は、四方切換弁2を経てアキュムレータ6で気液分離され、気体部分だけが圧縮機1へと戻る。
室内機側制御装置11aは、配管温度センサ12aで検知した液温TH2aと高圧飽和温度(以後Tcと呼ぶ)との差SCa(=Tc−TH2a)を過冷却度として推定する。ここで、熱源機Aの圧縮機吐出側の高圧圧力検知センサ14によって検知した圧力Pdが熱源機側制御装置7に入力されてTcに換算された後、所定時間間隔で室内機側制御装置11a,11b,11cにTcが送信される。室内機側制御装置11aは送信されたTcと配管温度センサ12aからのTH2aを基にSCaを算出する。そこで、SCaが所定値より大きい場合には冷媒流量が不足していると判断し、絞り装置4aを所定開度だけ開方向に変化させ、反対にSCaが所定値より小さい場合には絞り装置4aの開度を所定開度だけ閉方向に変化させる。このようにして暖房時はSCaを制御指数として絞り装置4aの制御が行われる。
【0023】
暖房運転中の室内機Ba内での制御は以上の通りであるが、停止中となっている室内機Bb,Bcでの絞り装置4b,4cの制御を説明する。
暖房運転時、停止中の室内機Bb,Bcでは絞り装置4b,4cが閉じている場合でも、室内機側熱交換器5b,5cの高圧側(圧縮機1の吐出側)は開いた回路となっている。一般に室内機の熱交換器は送風機(図示せず)により風を送ることで空気との熱交換を行うが、風がない場合でも自然放熱や自然対流の影響でわずかに放熱作用を有している。このため、圧縮機1の吐出側に開放された室内機側熱交換器5b,5c内では、わずかずつ冷媒の凝縮作用が進み液冷媒が滞留しやすくなる。熱源機側制御装置7はこのような液冷媒の滞留を防ぐため、冷媒流量抑制制御設定が無効、つまりSW1がOFFの場合には、停止中の室内機Bb,Bcの室内機側制御装置11b,11cに対しその絞り装置4b,4cの開度を全閉(60パルス)より少し大きな開度である120パルスに開くよう、要求を送る。
室内機側制御装置11b,11cでは室内機Baの制御で説明した通り、停止時は絞り装置4b,4cの開度は全閉とし、リモコン10の指示により暖房運転する場合にはSCb(=Tc−TH2b),SCc(=Tc−TH2c)という指標に基づいて、絞り装置4b,4cの開閉制御を行う。ここで、TH2b,TH2cはそれぞれ室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cと室内機側熱交換器5b,5cとを結ぶ配管上に設けられた配管温度センサ12b,12cによる検知温度である。
【0024】
この場合、熱源機側制御装置7から絞り装置4b,4cの開度を所定開度に開くように要求がくると、SCbもしくはSCcを基に制御している開度よりも優先させて、熱源機側制御装置7からの要求開度に制御する制御手段を持っている。このため、停止中であっても熱源機側制御装置7から120パルスの開度要求があれば、絞り装置4b,4cの開度を120パルスに開く。ただし、停止中に120パルスとなっていても、その室内機が新たに運転を開始した場合には120パルスの開度固定は一旦解除し、次に熱源機側制御装置7からの要求開度が送信されてくるまでは、室内機のSCbまたはSCcにより定まる制御で絞り装置4b,4cの開度を開く。
このようにして、停止中の室内機Bb,Bcの絞り装置開度を全閉の60パルスより少し大きい120パルスという開度に開くことにより、停止中の室内機側熱交換器5b,5c内に滞留しようとする冷媒を少しずつ熱源機A側に流すため、停止中の室内機Bb,Bc内への冷媒滞留を防ぎ、運転中の室内機Ba側に流れるべき冷媒が不足しないようにしている。
ただし、冷媒流量抑制制御設定が有効、つまりSW1をONにした場合、停止に係る室内機側制御装置11b,11cには絞り装置4b,4cの開度を開く要求は出さず、全閉のままとする。
【0025】
ここで、冷房時に熱源機Aから熱源機側熱交換器3を出て室内機Baへ流れる冷媒は液冷媒であり、暖房時に同じ回路を流れる冷媒は二相冷媒である。一方、冷房時に室内機から四方切換弁2を通って熱源機Aに戻る冷媒はガス冷媒であり、暖房時に同じ回路を流れる冷媒もガス冷媒である。つまり、室内機と熱源機を結ぶ配管は2回路あるが、その室内機と四方切換弁2を結ぶ回路は冷房と暖房によって相の異なる冷媒(液冷媒および二相冷媒)が流通するためその密度が大きく異なる。熱源機側熱交換器3と室内機の絞り装置を結ぶ回路は冷房、暖房ともにガス冷媒であるため密度の差はそれほど大きくない。従って、暖房時には室内機と熱源機Aを結ぶ配管の一方で発生した冷媒の密度差により冷房時よりも少ない冷媒量で運転が可能となる。一般には冷房運転を基準にして冷媒封入量が決定されていることから、暖房時は冷房時と比べて余剰冷媒が発生しやすく、通常これは液の状態でアキュムレータ6内に存在させている。この余剰冷媒は熱源機Aと室内機Ba,Bb,Bcとを結ぶ配管が長いほど多量になる。
そこで、余剰冷媒量が十分に存在する場合には、SW1をONにして停止中の室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cを全閉のままとし室内機側熱交換器5b,5cに冷媒が溜まっても、まず余剰冷媒がアキュムレータ6から移動するため、冷媒滞留量<余剰冷媒量となる関係の範囲であれば、暖房運転中の室内機Baで形成される冷凍サイクルに悪影響を及ぼさない。
すなわち、この実施の形態1において、冷媒流量抑制制御設定スイッチ8(非暖房運転時絞り開度設定手段の例)は、暖房運転にあたり複数の室内機Ba,Bb,Bcのうちリモコン10(運転設定手段の例)により設定された運転停止に係る室内機Bb,Bcに対応した絞り装置4b,4cを全閉または全閉よりも大きな開度に選択的に設定するようになっている。
【0026】
このように、冷媒流量抑制制御設定スイッチ8のSW1の設定によって停止(非暖房)中の室内機の絞り装置の開度を開くか閉じるかを選択可能とすることによって、暖房時に発生する余剰冷媒量が停止中の室内機Bb,Bcに滞留する冷媒量より多い場合は、停止中の室内機に冷媒が寝こむこと(液状態で滞留すること)による冷凍サイクルへの悪影響を及ぼすことなく、停止中の室内機で発生する冷媒音を消音できるため、空気調和装置の快適性と信頼性をともに確保することが可能となる。
【0027】
尚、停止室内機の絞り装置を全閉にできるかどうかは、暖房時の余剰冷媒量で決まってくるが、製品の設置方法(特に熱源機Aと室内機Ba,Bb,Bcとを結ぶ配管の長さ)がユーザーによって一意でないような空気調和装置では、設置後の試運転時に、SW1をONさせて運転し、複数の室内機を停止させた状態で冷凍サイクルに悪影響がでないかを観察した上で、全閉の設定が可能かどうかを判断する。判断する基準は、例えば圧縮機1の吐出ガス温度を測定し、それが所定温度を上回っていないかで判断できる。これは必要な冷媒が不足した場合、圧縮機1の吸入ガス冷媒の乾き度が大きくなり(冷媒密度が小さくなり)、圧縮機1の吐出温度に影響が出てくるためである。もしくは、アキュムレータ6内の冷媒量を測定して、まだ余剰冷媒がアキュムレータ6内に残っていれば、SW1をONしてもよいと判断する方法がある。
例えば、熱源機Aの中に圧縮機1の吐出温度センサ19を取付け、検知温度出力を熱源機側制御装置7に取り込むようにし、その検知温度が所定温度を上回れば自動的にSW1の設定がOFFと同一であると判断させる方法や、アキュムレータ6中の冷媒液面高さを図3に示すような温度センサ16,17を用いた液面検知手段で検知してSW1をONとした制御で問題ないか自動的に熱源機側制御装置7で判断させる方法を採用すれば、より簡単にSW1による冷媒流量抑制制御設定有効の可否判断が可能となる。
【0028】
ここで、図3の液面高さ判定方法を説明する。15はアキュムレータ6の吸入配管に設置された低圧圧力検知センサであり、この圧力値Psにおける飽和温度をT(Ps)とする。16はアキュムレータ6の下部より取り出したキャピラリ配管の温度を検知するアキュムレータ下部液面検知温度センサ(以後TH3と呼ぶ)、17はアキュムレータ6の上部より取り出したキャピラリ配管の温度を検知するアキュムレータ上部液面検知温度センサ(以後TH4と呼ぶ)、18はそれぞれ冷媒を加熱するためのヒータである。ヒータ18の容量は、ガス冷媒(比熱小)の温度は充分に上昇させるが液冷媒(比熱大)の温度は上昇させない程度、つまり冷媒を液のままで保持する程度に設定されている。
ヒータ容量の設定方法は、例えばTH4の温度が所定温度より高いとヒータ容量を増加させ、低いと低減させるといったものが挙げられる。
【0029】
次に、図3中の判定表について説明する。ヒータ18にて加熱された冷媒の温度がTH3で検知され、T(Ps)とTH3の温度差より、T(Ps)+5℃よりTH3の検知温度が低ければ、この配管を流れる冷媒は二相冷媒と判断され、配管入口では液冷媒であると判定できる。逆にTH3が高ければ、この配管を流れる冷媒はガス冷媒と判断され、配管入口では二相あるいはガス冷媒であると判定できる。一方、ヒータ18にて加熱された冷媒の温度がTH4で検知され、T(Ps)とTH4との温度差より、T(Ps)+5℃よりTH4の検知温度が低ければ、この配管を流れる冷媒は二相冷媒と判断され、配管入口では液冷媒であると判定できる。逆にTH4が高ければ、この配管を流れる冷媒はガス冷媒と判断され、配管入口では二相あるいはガス冷媒であると判定できる。また、TH3とTH4との温度差によりアキュムレータ6内の液面高さが、取り出し配管位置を基準に上下どちらにあるかを判定できる。これは、TH4がTH3+5℃より大きいとき、下部配管位置までは液冷媒があるが上部配管位置では液冷媒がなく、逆にTH4がTH3+5℃より小さいとき、下部配管および上部配管位置まで液冷媒が存在することを判断できる。
これらの組み合わせが上記の表で示されており、AL=0はアキュムレータ6内の液冷媒がほとんど存在しないことを表し、AL=1はアキュムレータ6内に通常量の液冷媒が存在することを表し、AL=2はアキュムレータ6内の液冷媒が十分に存在することを表している。
【0030】
このAL判定手法を用いて、アキュムレータ6内の余剰冷媒量を判定する。また、一般に絞り装置が全閉の場合に室内機に溜まる冷媒量はその停止室内機の室内機側熱交換器の容積によって上限が決まるため、暖房時に発生する余剰冷媒量は熱源機Aと室内機Ba,Bb,Bcとを結ぶ配管の長さを経験的な演算式に当てはめることで予測される。そこで、停止室内機の台数とその室内機側熱交換器の容積と予測した余剰冷媒量との大小関係から、(予測した余剰冷媒量)>(停止している室内機側熱交換器の容積から算出した寝こみ冷媒量×安全率)を満足した場合に、SW1の設定を自動的にONするような制御も冷媒流量抑制制御設定有効の可否判断として有効な方法となる。
【0031】
実施の形態2.
図4は実施の形態2,3における空気調和装置を示すブロック構成図、図5は実施の形態2における冷媒流量抑制室内機設定有効時の開度変更手順を示す制御フローチャートである。
この実施の形態2では、実施の形態1で説明した図1の空気調和装置の構成および動作に加えて、室内機側制御装置11a,11b,11cそれぞれに、ON/OFF設定切換可能な冷媒流量抑制室内機設定有効時の開度変更スイッチ(以後室内機Ba,Bb,Bcにそれぞれ対応するものをSW2a,SW2b,SW2cと呼ぶ)を追加したものである。
ここで、その時の暖房運転時の停止室内機の絞り装置変更の関係を示す制御フローについて、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図5において、Step1では暖房で圧縮機1が起動したあと、Step2でSW1がOFFの場合、Step3では通常制御、つまり停止室内機の絞り装置を120パルスに開く制御を行う。SW1がON設定有効の場合、まず存在する室内機Ba,Bb,Bcが運転中か停止中かを判断する(Step4,8,12)。例えば、Step4で室内機Baが運転中であると判断された場合に熱源機側制御装置7は特に何もしない。つまり、室内機Baの絞り装置4aの制御はSCaに応じて室内機側制御装置11aが個別に開度設定変更できるようになっている。
一方、Step4で室内機Baが停止中であると判断された場合には、Step5で室内機側制御装置11aに入力されたSW2aの設定がONかOFFかを判断する。OFFの場合には、SW1がOFFの場合と同様、Step6で室内機側制御装置11aに対して絞り装置4aの開度を120パルスに開くよう要求し、通常通りの冷媒寝こみ防止策を講じる。SW2aがONの場合は、冷媒音の発生を避ける必要がある特殊な室内機であると判断し、Step7で熱源機側制御装置7から室内機側制御装置11aに対して絞り装置4aの開度を120パルスよりも小さな60パルスにするよう要求し、室内機側制御装置11aはこれを受けて絞り装置4aの開度を全閉(60パルス)に設定する。室内機Bb,BcについてのStep8,Step12以降の制御動作(Step9〜11,13〜15)も同様である。
【0033】
このように、一部に停止室内機の絞り装置開度を全閉にすることによって、余剰冷媒量の範囲内で、冷媒音抑制が必要な室内機に対して冷媒音を完全に消音することができ、空気調和装置の快適性向上となる。
【0034】
実施の形態3.
次に、図6は実施の形態3における冷媒流量抑制室内機設定有効時の開度変更手順を示す制御フローチャートである。
この実施の形態3では、実施の形態2で説明した図4の空気調和装置の構成に加えて、暖房運転時の停止室内機の絞り装置変更の機能を備えている。
図6のフローチャートにおいて、Step17で暖房で圧縮機1が起動したあと、Step18でSW1がOFFの場合、Step19では通常制御、つまり停止室内機の絞り装置を120パルスに開く制御を行う。SW1がON設定有効の場合、まず存在する室内機Ba,Bb,Bcが運転中か停止中かを判断する(Step20,24,28)。例えば、Step20で室内機Baが運転中の場合に熱源機側制御装置7は特に何もしない。つまり、室内機Baの絞り装置4aの制御はSCaに応じて室内機側制御装置11aが個別に開度設定変更できるようになっている。
一方、Step20で室内機Baが停止中の場合には、Step21で室内機側制御装置11aに入力されたSW2aの設定がONかOFFか判断する。OFFの場合には、SW1がOFFの場合と同様、Step22で室内機側制御装置11aに対して絞り装置4aの開度を120パルスに開くよう要求し、通常通りの冷媒寝こみ防止策を講じる。SW2aがONの場合は、冷媒音の発生を避ける必要がある特殊な室内機であると判断し、Step23で熱源機側制御装置7から室内機側制御装置11aに対して絞り装置4aの開度を120パルスよりも小さな80パルスの開度にするように要求し、室内機側制御装置11aはこれを受けて絞り装置4aの開度を全閉(60パルス)よりもわずかに開いた80パルスに設定する。室内機Bb,BcにおけるStep24,Step28以降の制御動作(Step25〜27,29〜31)も同様である。
【0035】
このように、ある特定の室内機のみ冷媒流量抑制室内機設定有効可能にすることによって、余剰冷媒が少ない場合でも冷媒音抑制を必要とする室内機が一部にあれば、その特定の室内機のみ冷媒音抑制が可能となって、空気調和装置の快適性向上の自由度が増す。また、冷媒音抑制の手段として、停止中の絞り装置の開度を全閉ではなく、通常SW1がOFFの場合に開いている120パルスよりも小さな80パルスとすることで、停止中の室内機に溜まる冷媒の一部が流れ出るため、全閉にするよりは室内機に寝こむ冷媒量が低減する。これにより、同じ余剰冷媒量であっても冷媒流量抑制室内機設定有効とできる室内機の台数が多くなる。更に、冷媒流量は120パルスの場合よりも小さくなるため、完全消音とまでいかなくても冷媒流動による音のレベルを低下させることができる。
【0036】
図7は停止中の室内機の絞り装置開度と冷媒流動による音のレベルとの関係を相対的に表現したものである。即ち、室内機設置位置と人間との距離が充分離れていたり、消音作用のある壁が存在する使用環境の場合、上記した関係のように停止中の室内機の絞り装置開度を全閉にしないまでも小さく開けるだけで、実際に耳に聞こえる音のレベル以下にすることが期待できる。従って、全閉にすることと同じ消音効果を達成でき、快適性向上となる。また、停止室内機の絞り装置は全閉にされないため、室内機側熱交換器への冷媒寝こみ量が減少するので、停止室内機への消音対策を広範囲に拡大できる。
【0037】
このようにして、有効時の開度を通常の寝こみ防止に採用される開度(120パルス)よりも小さな80パルスとすることで、冷媒音レベルを低下させ、室内機の設定台数を増やすことができ、安定した運転を維持しながら、快適空調を行うことができる。
【0038】
実施の形態4.
図8は実施の形態4における暖房運転時で停止室内機の絞り装置開度を閉めた後の寝こみ冷媒回収開始時間変更の手順を示す制御フローチャートである。
この実施の形態4では、実施の形態1で説明した図1の空気調和装置の構成に加えて、室内機Bb,Bcが暖房運転している時の停止室内機Baの絞り装置開度設定およびSW1による停止室内機Baの寝こみ冷媒回収の時間短縮の機能を備えている。
【0039】
図8のフローチャートにおいて、Step34でリモコン10より室内機Bb,Bcに暖房運転要求を送信した後、Step35で暖房にて圧縮機1をON後に、暖房運転する室内機Bb,Bcは室内機側制御装置11b,11cより絞り装置4b,4cに所定開度の送信後に、室内機Bbの絞り装置開度はSCb制御が、室内機Bcの絞り装置開度はSCc制御が実行されてそれぞれの開度が調整される。Step36では熱源機側制御装置7(制御選択手段および冷媒回収禁止制御手段の例)内のタイマTを0セットした後、再びカウントを開始する。Step37でSW1がOFFの場合、Step42で冷媒回収禁止タイマT0を30分(第1の時間間隔の例)に設定し、Step43で室内機Baの絞り装置4aをSa=120パルス(第1,第2の所定開度の例)とする。SW1がONの場合はStep38で冷媒回収禁止タイマT0を15分(第2の時間間隔の例)に設定し、Step39で室内機Baの室内機側制御装置11a(ここでは第1,第2,第3の絞り開度制御手段の例)に内蔵されている冷媒流量抑制室内機設定スイッチSW2aがOFFの場合、即ち室内機Baを冷媒流量抑制室内機として設定しない場合、Step41で熱源機側制御装置7より室内機側制御装置11aにSa=120を送信する。Step39でSW2aがONの場合、即ち冷媒流量抑制室内機として設定した場合、Step40で熱源機側制御装置7より室内機側制御装置11aにSa=60(全閉)が送信される。
【0040】
このように停止室内機Baの絞り装置開度を設定した後、Step44でタイマTをカウントし、Step45でアキュムレータ6内の液面高さがAL=0であるか判断し、AL=0以外であればStep44を繰り返す。
ALの判定は、図3で既述したように、アキュムレータ6の吸入配管に設置された低圧圧力検知センサ15からの検知圧力と上下部の取り出し配管に取り付けられた温度センサ16,17からの検知温度とを基に行われる。AL=0であってStep46で圧縮機1の吐出温度Tdが120℃以下であればStep44へ戻り、120℃を超えているとアキュムレータ6内の液冷媒の低下により圧縮機1の吸入ガス密度が低下するため、吐出温度Tdが上昇したと判断する。Step47ではStep38あるいは42で設定された冷媒回収禁止タイマT0(15分あるいは30分)とタイマTの計時時間とを比較し、タイマTの計時時間が短いとStep44へ戻り、T0よりも長いとStep48で停止室内機Baの絞り装置4aに、熱源機側制御装置7より伝送線9を介して15秒間だけ500パルス(第3の所定開度の例)の送信をする。つまり、停止室内機Baの絞り装置開度は、全閉あるいは全閉からわずか開けただけの開度であるため、室内機側熱交換器5aに冷媒が滞留する。その滞留した冷媒を回収するために絞り装置4aを開ける操作を行う。絞り装置4dが500パルスの開度にされてから15秒後にStep36に戻り、タイマTを0セットした後、SW1およびSW2aの設定状態によって停止室内機Baの絞り装置開度を熱源機側制御装置7より伝送線9を介して送信する。
【0041】
ここでは、室内機Baを停止室内機とし、室内機Bb,Bcを暖房運転室内機と仮定して説明したが、室内機Baが暖房運転(少なくとも1台以上)をしているときに、室内機BaあるいはBcが停止室内機に設定されたら、室内機Baの停止中に制御フロー(Step36〜48)と同様の制御を行えばよい。
【0042】
このように、停止室内機の絞り装置を全閉(60パルス)にすると、限られた台数の室内機しか冷媒流量抑制室内機設定有効にできないが、冷媒回収禁止タイマT0の設定時間を変更可能にして、冷媒回収の頻度を上げることで、停止室内機に寝こんだ冷媒を早いタイミングで熱源機Aに戻せるため、暖房運転している冷凍サイクルに不具合が発生する前に冷媒不足を解消できるので、より多くの停止室内機を冷媒流量抑制室内機設定有効とすることができ、消音対策を広範囲に拡大できる。
【0043】
実施の形態5.
図9は実施の形態5における空気調和装置を示すブロック構成図である。
この実施の形態5においては、実施の形態2で説明した図4の空気調和装置の構成に加え、熱源機Aに組込まれた補助用熱源機設定有効/無効手段スイッチ20と、室内機Ba,Bb,Bcと並列に接続された補助用熱源機Cとを備えている。
補助用熱源機設定有効/無効手段スイッチ20は、そのON/OFF状態SW3がONの場合は補助用熱源機設定が有効であり、OFFの場合は補助用熱源機設定が無効であることを意味している。補助用熱源機Cは室内機Ba,Bb,Bcと同じように熱交換器および絞り装置を有し、屋外あるいは屋内(据付け場所は設置環境により選択される)に設置可能となっている。また、4dは補助用熱源機Cに組込まれている補助絞り装置、5dは補助用熱源機Cに組込まれている補助熱交換器、11dは補助用熱源機Cに組込まれリモコン10からの運転要求に対応して冷房運転,暖房運転,停止の運転パターンを決定し、その要求を伝送線9を介して熱源機Aの熱源機側制御装置7(絞り開度併合制御手段および制御切換手段の例)に伝える補助用熱源機側制御装置(補助絞り開度制御手段の例)である。この補助用熱源機側制御装置11dは更に補助絞り装置4dの開度制御も行うようになっている。補助用熱源機側制御装置11dによる補助絞り装置4dの開度制御は室内機Baの絞り装置4aと同様である。また、補助用熱源機側制御装置11dは、外部よりON/OFF設定切換可能な補助用熱源機設定スイッチ(以後SW2dと呼ぶ)を備えている。但し、SW2dがONかつSW3がONの場合、即ち補助用熱源機Cを運転補助を目的に使用する場合は、補助用熱源機Cは室内機Ba,Bb,Bcの制御と異なり、リモコン10からの運転要求を受信しても停止状態とされており、補助絞り装置4dは熱源機側制御装置7より伝送線9を介して送信された開度にされる。また、室内機Ba,Bb,Bcの室内機側制御装置11b,11cおよび補助用熱源機Cの補助用熱源機側制御装置11dに、それぞれ内蔵してある冷媒流量抑制室内機設定有効/無効スイッチSW2a〜SW2cおよび補助用熱源機設定スイッチSW2dの制御内容は、共通化により同じにしているため、スイッチSW2a〜SW2d(それぞれ補助絞り装置設定手段の例)のいずれかをONにすれば、ONにされたその室内機が補助用熱源機として機能する。
【0044】
ここで、この補助用熱源機Cの制御手順を示す制御フローについて、図10のフローチャートを用いて説明する。
図10において、Step50でリモコン10より室内機Bb,Bcに暖房運転要求を送信した後、Step51で暖房にて圧縮機1をONした後に、暖房運転する室内機Bb,Bcは室内機側制御装置11b,11cより絞り装置4b,4cに所定開度指令を送信し、室内機Bbの絞り装置開度はSCb制御を、室内機Bcの絞り装置開度はSCc制御を行って開度調整をする。Step52では熱源機側制御装置7内のタイマTを0セットした後、カウントを開始する。Step53でSW1がOFFの場合、Step54で停止室内機Baに熱源機側制御装置7より伝送線9を介して絞り装置4aに120パルスを送信する(冷媒回収禁止タイマT0は30分設定)。Step53においてSW1がONの場合、Step55で冷媒回収禁止タイマT0を15分に設定し、Step56で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1を0セットした後カウントを開始する。Step57でSW3がOFFになっている場合で、Step73で室内機BaのSW2aがOFFの場合はStep75でSa=120パルスとする。SW2aがONの場合、即ち冷媒流量抑制室内機設定にした場合はStep74でSa=60パルスを熱源機側制御装置7より伝送線9を介して送信する。Step76でタイマTをカウントし、Step77でアキュムレータ6内の液面高さがAL=0かを判定し、AL=1あるいは2の場合、Step57へ戻り、AL=0の場合、Step78で吐出温度センサ19(吐出温度検知手段の例)により検知された圧縮機1の吐出温度Tdが120℃以下ならばStep57へ戻り、120℃以上ならばStep79へ移行し、タイマTの計時時間が冷媒回収禁止タイマT0より短い場合、Step57へ戻り、長ければ、Step80で停止室内機Baの絞り装置4aを15秒間500パルスに開くように熱源機側制御装置7から伝送線9を介して送信し、室内機側熱交換器5aに滞留していた冷媒を回収する。冷媒回収開始より15秒後、Step67でタイマTを0セットした後、Step57へ戻って繰り返し制御を行う。
【0045】
Step57でSW3がONの場合、補助用熱源機Cの補助用熱源機側制御装置11dに設けてある補助用熱源機設定スイッチSW2dがONであれば、この補助用熱源機Cを補助用熱源機としてそのまま設定し、SW2dがOFFであれば、実施の形態1で説明した絞り装置開度制御である冷房時のSHd制御および暖房時のSCa制御を行う室内機として設定する。よってSW3がONかつSW2dがOFFで補助用熱源機Cが停止していればStep73の制御フローを実行する。
【0046】
SW3がONかつSW2dがONの場合、即ち補助用熱源機C(SW2dがON)が接続されている場合はStep58で補助用熱源機Cの補助絞り装置4dの開度を120パルスとし、Step59で室内機Baの絞り装置4aの開度を全閉とするように熱源機側制御装置7より送信する。Step60でタイマTをカウントし、Step61で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1をカウントし、Step62でAL=0以外あるいはStep63で圧縮機1の吐出温度Tdが120℃以下あるいはStep64でタイマTの計時時間が冷媒回収禁止タイマT0よりも短い場合、Step68でTdが130℃以下あるいはStep69で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1が30分未満であればStep57へ戻る。
【0047】
Step68でTdが130℃を超え、かつStep69で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1が30分以上であれば、Step70で補助用熱源機Cの補助絞り装置4dの開度をSd=500とし、高圧を低下させることでTd上昇を抑える。Step71でTdが100℃以上であれば、Sd=500を繰返し、100℃未満になればStep72で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1を0セットし、Step57へ戻る。次に、Step62でAL=0かつStep63で圧縮機1の吐出温度Tdが120℃超かつStep64でタイマTのカウントが冷媒回収禁止タイマT0よりも計時時間が長い場合、Step65で絞り装置4a,4dを15秒間500パルスに開き、15秒間500パルスに開くように熱源機側制御装置7から伝送線9を介して送信し、室内機側熱交換器5aに滞留していた冷媒を回収する。冷媒回収開始より15秒後、冷媒回収により補助用熱源機Cの補助熱交換器5dに滞留した冷媒が回収されたので、Step66で吐出温度上昇バックアップ開始タイマT1を0セットし、Step67でタイマTを0セットし、制御を繰り返す。ここでは室内機Baを停止室内機とし、室内機Bb,Bcを暖房運転室内機と仮定して説明したが、室内機Baが暖房運転(少なくとも1台以上)をしているときに、室内機BbあるいはBcが停止室内機となったら、室内機Baの停止中の制御フロー(Step52〜80)と同様の制御を行う。
【0048】
このように、補助用熱源機Cを設け、補助用熱源機Cの補助絞り装置4dの開度をバックアップとして開くことで、補助熱交換器5dにて冷媒を凝縮させ、凝縮温度の低下により高圧圧力が低下するため、吐出温度が低下し、吐出温度上昇バックアップ制御手段として使用できる。また、圧縮機1のパフォーマンスより、高圧低下による入力が低減できる。また、バックアップで吐出温度が回避できない範囲であっても冷媒回収を実施することで、停止室内機に滞留した冷媒を回収でき、吐出温度上昇を防止できる。
【0049】
実施の形態6.
この実施の形態6では、実施の形態2で説明した図4の空気調和装置の構成に加え、暖房運転時の除霜運転開始時における停止室内機の絞り装置開度を制御する機能を備えている。
図11,12は実施の形態6における暖房運転時で除霜運転開始時の停止室内機の絞り装置開度制御の手順を示す制御フローチャートであり、このフローチャートを用いて説明する。
図11,12において、Step82でリモコン10より室内機Bb,Bcに暖房運転要求を送信した後、Step83で暖房にて圧縮機1をON後に、暖房運転室内機Bb,Bcは室内機側制御装置11b,11cより絞り装置4b,4cに所定開度を送信後に、室内機Bbの絞り装置開度はSCb制御、室内機Bcの絞り装置開度はSCc制御を行ってそれぞれ開度調整をする。Step84でSW1がOFFの場合、Step98で停止室内機Baの絞り装置開度をSa=120とし、Step99で室内機側制御装置11a,11b,11cが熱源機側制御装置7より霜取信号を受信するまで、Step100で暖房運転を継続する。霜取信号を受信すると、Step101で熱源機側制御装置7(除霜運転制御手段の例)は四方切換弁2の冷媒流路を切換え、高圧高温のガス冷媒を熱源機側熱交換器3に流すことで、熱源機側熱交換器3および周辺の配管に付着した霜を溶かす。このとき、蒸発器となる室内機側熱交換器の蒸発温度を上昇させて除霜能力を上げるため、Step102で停止室内機Baの絞り装置4aの開度Saを2000パルスとする。Step103,104では暖房運転する室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cのSCb制御,SCc制御を一旦中止し、それぞれを2000パルスに開く。このように2000パルスに開く制御は、熱源機側制御装置7より霜取信号と同じタイミングで室内機側制御装置11a,11b,11cに送信される。Step105で霜取りが終了するまで、Step106で除霜運転を継続させる。除霜が終了すると、熱源機側制御装置7は、Step107で四方切換弁2の弁を切換え、Step108で再び暖房運転を行う。このとき、暖房運転室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cに除霜運転終了時の所定開度、例えば500パルスを送信後、更にその所定開度(500パルス)固定を解除する信号を送信することで、それ以降絞り装置4b,4cは室内機側制御装置11b,11cにより500パルスを起点にSCb制御,SCc制御が行われる。その後、Step98へ戻り、同様の制御を繰り返す。
【0050】
Step84でSW1がONになっていると、Step85でSW2aがOFFの場合はStep87でSa=120とし、SW2aがONの場合はStep86でSa=60とする。これらの開度は熱源機側制御装置7から伝送線9を介して室内機側制御装置11aに送信される。つまり、SW2aがONの場合には絞り装置4aを全閉にし停止室内機Baへは冷媒を完全に流さない。Step88では室内機側制御装置11a,11b,11cが熱源機側制御装置7より霜取信号を受信するまで、Step89で暖房運転を継続し、霜取信号を受信すると、Step90で四方切換弁2の弁を切換え、高圧高温のガス冷媒を熱源機側熱交換器3に流すことで、熱源機側熱交換器3および周辺の配管に付着した霜を溶かす。Step91でSW2aがOFFの場合はStep93でSa=2000とし、SW2aがONの場合、室内機側制御装置11a(除霜時絞り開度設定手段の例)はStep94でSa=60とし、除霜運転中に停止室内機Baへは冷媒を完全に流さない。Step94で霜取終了信号を受信するまで、Step95で除霜運転を継続させる。霜取信号を受信すると、Step96で四方切換弁2の弁を切換え、Step97で再び暖房運転を行う。
暖房運転する室内機Bb,Bcの絞り装置制御は、SW1の設定がON/OFFのどちらでも暖房運転中はSCb制御,SCc制御を行い、除霜運転中は絞り装置開度を2000パルスにして蒸発温度を上昇させる制御を行う。
すなわち、室内機側制御装置は暖房運転中に四方切換弁の冷媒流路を切り替えて除霜運転を行い、除霜運転中に停止している室内機の絞り装置を個別に全閉に設定するようになっている。但し、全閉に限らず、全閉からわずか開いた開度であってもよい。
【0051】
ここでは、室内機Baを停止室内機とし、室内機Bb,Bcを暖房運転室内機と仮定して説明したが、室内機Baが暖房運転(少なくとも1台以上)をしているときに、室内機BbあるいはBcが停止室内機となったら、室内機Baの停止中の制御フロー(Step84,98〜108)と同様の制御を行う。
【0052】
このようにして、熱源機Cが暖房運転あるいは除霜運転を行う場合、冷媒流量抑制室内機設定スイッチがONである停止室内機の絞り装置開度を全閉にできる選択スイッチを設けたことで、冷媒流量抑制設定の室内機に冷媒が流れることを防ぎ、任意に選択した室内機において冷媒音を消音することができる。
【0053】
実施の形態7.
この実施の形態7では、実施の形態5で説明した図9の空気調和装置の構成に加え、暖房運転時の除霜運転開始時における停止室内機および補助用熱源機の絞り装置開度を制御する機能を備えている。
図13,14,15は実施の形態7における暖房運転時で除霜運転開始時に補助絞り装置開度制御と停止室内機の絞り装置開度制御と除霜運転実施のために冷媒流量抑制室内機設定無効室内機または補助用熱源機を選択する制御の手順を示す制御フローチャートである。
図13,14,15において、Step110でリモコン10より室内機Bb,Bcに暖房運転要求を送信した後、Step111で暖房にて圧縮機1をON後に、暖房運転室内機Bb,Bcは室内機側制御装置11b,11cより絞り装置4b,4cに所定開度の送信後に、室内機Bbの絞り装置開度はSCb制御で、室内機Bcの絞り装置開度はSCc制御で開度調整をする。Step112でSW1がOFFの場合はStep127で停止室内機Baの絞り装置開度をSa=120とし、Step128で室内機側制御装置11a,11b,11cが熱源機側制御装置7(除霜運転制御手段および除霜時絞り開度併合制御手段の例)より霜取信号を受信するまでStep129で暖房運転を継続し、霜取信号を受信すると、Step130で四方切換弁2の弁を切換え、高圧高温のガス冷媒を熱源機側熱交換器3に流すことで、熱源機側熱交換器3および周辺の配管に付着した霜を溶かす。このとき、蒸発器となる室内機側熱交換器5aの蒸発温度を上昇させて霜取能力を上げるため、Step131で停止室内機Baの絞り装置4aの開度Saを2000パルスとする。
Step132,133では暖房運転室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cのSCb制御,SCc制御を一旦中止し、2000パルスに開く。これら2000パルスに開く制御は、熱源機側制御装置7より霜取信号と同じタイミングで室内機側制御装置11a,11b,11cに送信される。Step134で除霜が終了するまで、Step135で除霜運転を継続させる。除霜が終了すると、熱源機側制御装置7は、Step136で四方切換弁2の弁を切換え、Step137で再び暖房運転を行い、暖房運転室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cに除霜運転終了時の所定開度、例えば500パルスを送信後、更にその所定開度(500パルス)固定を解除する信号を送信することで、それ以降絞り装置4b,4cは室内機側制御装置11b,11cにより500パルスを起点にSCb制御,SCc制御される。その後、Step127へ戻って制御を繰り返す。
【0054】
一方、Step112においてSW1がONかつStep113でSW3がOFFの場合はStep138に移行する。Step138でSW2aがOFFの場合はStep140でSa=120とし、SW2aがONの場合はStep139でSa=60とする。これらの開度は熱源機側制御装置7から伝送線9を介して室内機側制御装置11aに送信される。つまり、SW2aがONの場合には絞り装置4aを全閉にし停止室内機Baへは冷媒を完全に流さない。Step141で室内機側制御装置11a,11b,11cが熱源機側制御装置7より霜取信号を受信するまで、Step142で暖房運転を継続する。霜取信号を受信すると、Step143で四方切換弁2の弁を切換え、高圧高温のガス冷媒を熱源機側熱交換器3に流すことで、熱源機側熱交換器3および周辺の配管に付着した霜を溶かす。Step144でSW2aがOFFの場合はStep146でSa=2000とし、SW2aがONの場合はStep145でSa=60とし除霜運転中に停止室内機Baへは冷媒を完全に流さない。Step147で霜取終了信号を受信するまで、Step148で除霜運転を継続させる。除霜が終了すると、Step149で四方切換弁2の弁を切換え、Step150で再び暖房運転を行う。暖房運転室内機Bb,Bcの絞り装置制御は、SW1の設定がON/OFFのどちらでも暖房運転中はSCb制御,SCc制御を行い、除霜運転中は絞り装置開度を2000パルスにして蒸発温度を上昇させる制御を行う。
【0055】
他方、Step113でSW3がONで補助用熱源機Cが接続されている場合、停止室内機Baに冷媒を流さないため、Step114で室内機Baの絞り装置開度を全閉(Sa=60)にする。Step115では補助熱交換器5dに滞留する冷媒を回収するため、補助絞り装置4dの開度を120パルスとする。Step116で室内機側制御装置11a,11b,11cおよび補助用熱源機側制御装置11dが熱源機側制御装置7より霜取信号を受信するまで、Step117で暖房運転を継続し、霜取信号を受信すると、Step118で四方切換弁2の弁を切換え、高圧高温のガス冷媒を熱源機側熱交換器3に流すことで、熱源機側熱交換器3および周辺の配管に付着した霜を溶かす。この時、Step119においては冷媒流量抑制設定有効である停止室内機Baの絞り装置4aの開度を全閉にして冷媒を流さず、完全に冷媒音を消音する。また、Step120〜122では室内機Bb,Bcおよび補助用熱源機Cの絞り装置開度を2000パルスとし、除霜運転時に各熱交換器で冷媒を蒸発させる蒸発器として蒸発温度を上昇させ、除霜運転を早いタイミングで終了させる。Step123で霜取終了信号を受信するまで、Step124で除霜運転を継続させる。霜取信号を受信すると、Step125で四方切換弁2の弁を切換え、Step126で再び暖房運転を行い、暖房運転室内機Bb,Bcの絞り装置4b,4cに除霜運転終了時の所定開度を送信後、SCb制御,SCc制御を実行させる。
【0056】
このようにして、補助用熱源機が接続されていて空気調和装置が暖房運転あるいは除霜運転を行う場合、停止室内機の絞り装置開度を全閉可能にすることで冷媒が流れることを防ぎ、冷媒音を消音することができる。また、除霜運転時には補助用熱源機の絞り装置を2000パルスの開度に開き、熱交換器を蒸発器として使用するので、蒸発温度の低下を防ぎ、除霜効果を十分に上げることができる。
【0057】
また、補助用熱源機設定有効/無効手段スイッチ20のSW3のON/OFF切換変更により、補助用熱源機の設置が変更可能であるため、状況に応じて冷媒流量抑制制御を行うことができる。例えば、接続する室内機の中で室内機Baが天井裏に取り付けられており、天井板が遮断壁となることで冷媒音が人の耳に届きにくくなるような場所であれば、補助用熱源機Cは追加設置することなく、SW3をOFFとし、天井裏に取り付けられた室内機BaのSW2aをOFFとし、残りの室内機Bb,BcのSW2b,SW2cをONとすることで、除霜時には天井裏に接続されている室内機Baの絞り装置4aのみ2000パルスに開いて除霜運転を行い、残りの室内機Bb,Bcは消音効果を得ることができる。また、天井や天井裏に室内機が配置されておらず、除霜運転時に停止室内機から冷媒音を発生させない場合は、補助用熱源機を配管接続した後、SW3をONにし、室内機Ba,Bb,Bcでは除霜運転時に停止室内機の絞り装置開度を全閉にし、冷媒流動音を消音する。このとき、補助用熱源機の補助絞り装置開度を2000パルスにして補助熱交換器を蒸発器として使用するので、除霜能力も確保できる。
【0058】
実施の形態8.
この実施の形態8においては、実施の形態1で説明した図1の空気調和装置の構成に加え、SW1がONの場合に暖房運転室内機の熱交換器合計容積(総量の一例)容積に基づいて決定される能力コードの合計能力コード値により、停止室内機の絞り装置開度を変更する機能を備えている。
図16は実施の形態8における暖房運転室内機の室内機側熱交換器の合計容積に基づいて停止室内機の絞り装置開度を変更する手順を示す制御フローチャートである。
図16において、Step151でSW1をON(冷媒流量抑制制御設定有効)とし、Step152で室内機Baが暖房運転している場合、熱源機側制御装置7(熱交換器容量算出手段の例)は、Step153でQj=5とし、停止していればStep154でQj=0とする。このQjとは、予め熱交換器容積の大きさに応じて能力コードQjを決定し、室内機側制御装置11a(ここでは、絞り開度設定手段の例)にて設定したものである。室内機Bb,Bcについても室内機Baと同様の制御(Step155〜157,158〜160)を行う。Step161で暖房運転中の室内機の熱交換器合計容積ΣQjが20以上であるか判定し、20未満であればStep163でSW2a〜SW2cがONの停止室内機の絞り装置を80パルスとし、20以上であればStep162でSW2a〜SW2cがONの停止室内機の絞り装置を全閉(60パルス)とし、熱源機側制御装置7より伝送線9を介して送信し、冷媒流量を調節し、冷媒を流さないようにする。
【0059】
このように、暖房運転室内機の熱交換器容積が大きい場合は、停止室内機の熱交換器合計容積が小さくなるため、停止室内機の熱交換器に滞留する冷媒量も低下する。余剰冷媒量は、実施の形態1で説明したように熱源機と室内機を結ぶ配管内の冷媒量の差であるため、暖房運転している室内機の熱交換器容積に依らないことから、停止している室内機の熱交換器容積が小さい方が、仮に冷媒が滞留したとしても、余剰冷媒量<滞留量となる可能性は低くなる。よって、暖房運転室内機の熱交換器合計容積が大きいときは、停止室内機の絞り装置開度を全閉にすることにより、冷媒音を完全に消音する範囲が広がる。また、暖房運転室内機の熱交換器合計容積が小さい場合、停止室内機の絞り装置開度を全閉から少し開いた80パルスにすることで、停止室内機の冷媒音レベルを抑え、停止室内機の室内機側熱交換器に滞留した冷媒をアキュムレータに戻すことができ、かつ、停止室内機からの冷媒音レベルを低下させることで、快適空調を行うことができる。
【0060】
実施の形態9.
この実施の形態9においては、実施の形態1で説明した図1の空気調和装置の構成に加え、SW1がONの場合の暖房運転室内機の合計台数(総量の別例)によって、停止室内機の絞り装置開度を変更する機能を備えている。
図17は実施の形態9における暖房運転室内機の合計台数に基づいて停止室内機の絞り装置開度を変更する手順を示す制御フローチャートである。
図17において、Step164でSW1をON(冷媒流量抑制制御設定有効)とし、Step165で室内機Baが暖房運転している場合はStep166でn1=1とし、停止していればStep167でn1=0とする。このn1とは、ni(iは室内機毎に予め付与されているアドレス)より、対象となる室内機のアドレスi(背番号)の順番に応じて決定する。ここでは、室内機Ba,Bb,Bcのアドレスを1,2,3としたため、n1,n2,n3となる。室内機Bb,Bcについても室内機Baと同様の制御(Step168〜170,171〜173)を行う。Step174で暖房運転中の室内機の合計台数n(=n1+n2+n3)が2台以上であるか判定し、2台未満であればStep176でSW2a〜SW2cがONの停止室内機の絞り装置を80パルスとする。2台以上であればStep175でSW2a〜SW2cがONの停止室内機の絞り装置を全閉(60パルス)とし、熱源機側制御装置7より伝送線9を介して送信し、冷媒流量を調節して冷媒を流さないようにする。
【0061】
このように、暖房運転室内機の台数が多い場合は、停止室内機の台数が少なくなるため、停止室内機の室内機側熱交換器に滞留する冷媒量も低下する。余剰冷媒量は、実施の形態1で説明したように熱源機と室内機を結ぶ配管内の冷媒量の差であるため、暖房運転している室内機の台数に依らないことから、停止している室内機の台数が少ない方が、仮に冷媒が滞留したとしても、余剰冷媒量<滞留量となる可能性は低くなる。よって、暖房運転室内機の台数が多いときは、停止室内機の絞り装置開度を全閉とすることにより、冷媒音を完全に消音する範囲が広がる。また、暖房運転室内機の合計台数が少ない場合、停止室内機の絞り装置開度を全閉からわずか開いた80パルスにすることで、停止室内機の冷媒音レベルを抑え、停止室内機の室内機側熱交換器に滞留した冷媒をアキュムレータに戻すことができ、かつ停止室内機からの冷媒音レベルを低下させることで、快適空調を行うことができる。
【0062】
実施の形態10.
この実施の形態10では、実施の形態5で説明した図9の空気調和装置の構成に加え、システム(熱源機と室内機を組み合せたものをいう)の電源投入以降においてSW1,SW2a〜2d,およびSW3の組合せによる制御を行う機能を備えている。また、補助用熱源機設定有効/無効手段スイッチ20(補助絞り装置手動設定手段の例)からの手動により補助絞り装置4dの設置に係る存否が設定可能に構成されている。
図18は実施の形態10における冷媒流量抑制制御設定有効/無効に係る手順を示す制御フローチャートである。
図18において、Step177でシステムに電源を投入した後、熱源機側制御装置7(圧縮機起動禁止手段の例)は、Step178でSW1がONの場合、Step179で室内機Ba〜BcのSW2a〜SW2cが全てONかつSW3がOFF(補助用熱源機Cが接続されていない)、あるいはStep180で室内機Ba〜BcのSW2a〜SW2cおよび補助用熱源機CのSW2dが全てONかつSW3がON(補助用熱源機が接続されている)の場合に、Step181でシステムエラーとし、リモコン10の表示部にエラー表示を出力して、冷媒回路の圧縮機1の運転を禁止させる。それ以外のスイッチ設定の場合(Step178,180のNO)には、Step182でリモコン10から送信される運転要求を待ち続けるようになっている。
【0063】
このようにして、システムエラーの場合は圧縮機1の運転を禁止させることで、全ての室内機を冷媒流量抑制制御を行う室内機と設定したままにして、特に運転状態から冷媒流量抑制制御の設定範囲の妥当性を確認しないまま運転した場合に、停止室内機への寝こみ冷媒量がアキュムレータ内の余剰冷媒量を超えて圧縮機1の冷却効果が小さくなり、吐出温度上昇する運転を繰り返すといったことを未然に防止できる。従って、空気調和装置の信頼性を向上できる。
【0064】
実施の形態11.
この実施の形態11では、実施の形態2で説明した図4の空気調和装置の構成に加え、室内機冷媒回収タイマ完了フラグを利用する機能を備えている。
図19,20は実施の形態11における暖房運転時の室内機個別による冷媒回収の手順を示す制御フローチャートである。なお、図19のみ図中において「Step」を「S]と略記している。
この制御フローチャートにおいて、Faは室内機Baの室内機側制御装置11aに内蔵されている室内機冷媒回収タイマ完了フラグであり、運転モードが暖房時に、室内機Baが停止しているときにタイマをカウントし、室内機冷媒回収禁止タイマが60分をカウントするとFaは0から1になり、完了フラグが立つ。室内機Bb,Bcに関しても同様の室内機冷媒回収タイマ完了フラグFb,Fcを持っている。SW1をONとした場合に、冷媒音発生は防止できるが、より広い範囲で冷媒流量抑制制御を行わせるために、停止室内機寝こんだ冷媒を回収する方法として、室内機個別で冷媒回収を行わせる。そこで、冷媒流量抑制制御中、即ち停止室内機の絞り装置が60パルスに閉じている場合は、図19,20の制御フローを実行する。
【0065】
そこで、この制御フローの動作を順に説明する。Step183で暖房運転で圧縮機1のON後に、Step184で室内機Ba,Bb,Bcの全てがリモコン10より暖房運転要求を受信したら、Step185で室内機Ba,Bb,Bcの絞り装置開度を実施の形態1で説明したSCa,SCb,SCc制御で調整する。少なくとも1台以上の停止室内機が存在するときStep186でSW1がONの場合、Step187で熱源機側制御装置7(制御対象設定手段,制御選択手段,および冷媒回収禁止制御手段の例)により制御している室内機個別冷媒回収タイマT2を0セットした後カウントを開始する。Step188では停止室内機Baの室内機冷媒回収タイマ完了フラグFaを0セットにし、Step189で室内機Baの室内機側制御装置11aで制御している室内機冷媒回収タイマT3aを0セットする。Step194でタイマT2をカウントし、連続時間を計時する。Step195で室内機Baが停止している場合、Step197でタイマT3aをカウントし、Step198でタイマT3aが連続60分以上カウントしたら、Step199でFa=1として室内機冷媒回収タイマ完了フラグFaを立てる。タイマT3aが60分未満であれば、Faは0のままとする。
【0066】
一方、Step195で室内機Baが暖房運転していれば、暖房運転することによって絞り装置4aが開き、停止中に室内機側熱交換器5aに滞留した冷媒を回収するため、Step196でFa=0およびタイマT3a=0にセットし、事実上、室内機冷媒回収を無効とする。室内機Bb,Bcについても室内機Baと同様の制御(Step190,191,200〜204,192,193,205〜209)を行う。Step210ではALレベルを判定し、AL=1または2の場合はStep194へ戻る。AL=0のときはStep211で室内機個別冷媒回収タイマT2の計時時間が5分経過していない場合、Step194へ戻り、計時時間が5分経過していると熱源機側制御装置7で制御している室内機個別冷媒回収開始条件が成立する。Step212でFa=0の場合、Step218でSW2aがOFFならStep220でSa=120パルスとし、SW2aがONならStep219で全閉(Sa=60)パルスとする。
【0067】
また、Step212でFa=1の場合、Step213で熱源機側制御装置7より伝送線9を介して室内機側制御装置11a(ここでは第1,第2,第3の絞り開度制御手段の例)にSa=500パルスを送信し、Step214で絞り装置開度を500パルスに開けたタイミングでカウントを開始する冷媒回収タイマT4が、30秒経過するまでSa=500パルスの状態とし、この間に室内機Baの室内機側熱交換器5aに滞留した冷媒を回収する。30秒後にStep215でFa=0セット、Step216でT3a=0セット、Step217でT2=0セットした後、Step194へ戻る。室内機Baの絞り装置4aの開度(500パルス)を、熱源機側制御装置7より伝送線9を介して室内機側制御装置11aに開度固定解除指令の送信後、所定の開度に変更する。室内機Bbについては、Step221で室内機BaのフラグFaが0のときに室内機Bbの室内機冷媒回収を許可し(Step222〜227)、室内機Bcについては、Step231かつStep232で室内機Ba,BbのフラグFa,Fbが0のときに室内機Bcの室内機冷媒回収を回収している(Step233〜241)。これは、室内機のフラグが同時に完了(Fa=Fb=1など)した場合でも、室内機に予め付与されているアドレス(背番号)の順番が若い方を優先して個別に室内機の冷媒回収を行うためである。
【0068】
他方、Step186でSW1がOFFの場合、Step242で冷媒回収禁止タイマT0を30分にセットし、Step243でタイマTを0セットした後、Step244でタイマTをカウントする。Step245では室内機Baが暖房運転していれば、Step246で補助絞り装置4dの開度を実施の形態1で説明したSCa制御で調整する。室内機Baが停止していると熱源機側制御装置7から送信される所定開度(Sa=120パルス)に開く。室内機Bb,Bcも室内機Baと同じ制御を行う(Step248〜250,251〜253)。Step254でAL=0かつStep255でタイマTが30分以上経過した場合に、Step257では室内機Baが暖房運転していれば、Step258でSCa制御を継続させてStep244へ戻る。室内機Baが停止していればStep259で補助絞り装置4dの開度を、熱源機側制御装置7から送信される所定開度(Sa=500パルス)に開く。更に、Step266では絞り装置開度を500パルスに開けたタイミングでカウントを開始する冷媒回収タイマT4が、30秒経過するまでSa=500パルスの状態とし、この間に停止室内機Baの室内機側熱交換器5aに滞留した冷媒を回収する。30秒経過すると、Step267でタイマTを0セットしてStep244へ戻る。室内機Bb,Bcも室内機Baと同じ制御を行う(Step260〜262,263〜265)。
Step254でAL=1または2、あるいはStep255でタイマTが30分未満である場合はStep244へ戻る。このStep242以降の制御は、停止室内機の絞り装置開度を一括して開き、冷媒回収を行うものである。
【0069】
このようにして、冷媒流量抑制制御(SW1がON)中に停止室内機をそれぞれ個別に冷媒回収制御を行うことで、急激な高圧圧力の低下を防ぐことで能力低下防止および安定運転の確保ができ、また冷媒回収の頻度が上がることで広範囲に停止室内機の冷媒音発生を防止できるとともに、圧縮機1の吐出温度上昇をも防止できる。よって、冷媒音発生解消による快適空調および安定運転確保になる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る空気調和装置においては、非暖房運転時絞り開度設定手段(例えば、外部スイッチ)の設定により暖房停止中の室内機の絞り装置の開度を開くか閉じるかを選択可能とすることができる。これにより、暖房時に発生する余剰冷媒量が多い場合でも停止中の室内機に余剰冷媒分が寝こむことによる冷媒回路への悪影響を及ぼすことがなく、停止室内機で発生する冷媒音を消音できるため、空気調和装置の快適性と信頼性をともに確保することが可能となる。
【0071】
また、本願発明に係る空気調和装置においては、非暖房運転時絞り開度設定手段により複数の室内機の絞り装置を個別に開度設定変更することができる。従って、例えば停止室内機のうち冷媒音が大きなものは絞り装置の開度を小さくするといったこともできる。
【0072】
そして、本願発明に係る空気調和装置においては、補助用熱源機を設け、停止室内機の絞り装置は全閉にするとともに補助用熱源機の絞り装置は開くようにしてあるので、停止室内機における冷媒音の発生をなくすことができるのはもとより、補助用熱源機の補助熱交換器にて冷媒を凝縮させ、凝縮温度の低下により高圧圧力を低下させることができる。これにより、吐出温度が低下し、吐出温度上昇バックアップのための手段として使用することができる。また、前述のバックアップでは吐出温度の上昇を回避できない範囲においても、停止室内機に滞留した冷媒を回収することで、吐出温度上昇を防止できる。
【0073】
更に、本願発明に係る空気調和装置においては、検知された圧縮機の吐出温度が所定温度以上になると、補助絞り装置を現在の開度よりも大きくするようにしてあるので、吐出温度の上昇防止を一層確実に行えるうえ、停止室内機に滞留した冷媒を回収することもできる。
【0074】
また、本願発明に係る空気調和装置においては、補助絞り装置設定手段により補助絞り装置が存在すると設定された場合には停止室内機の絞り装置を全閉にし、かつ、補助用熱源機の補助絞り装置を全閉よりも大きな開度にする制御を有効とし、補助絞り装置が存在しないと設定された場合には停止室内機の絞り装置を個別に全閉または全閉よりも大きな開度にする制御を有効とするようにしたので、補助用熱源機の補助熱交換器にて冷媒を凝縮させ、凝縮温度の低下により高圧圧力を低下させることができる。これにより、吐出温度が低下し、吐出温度上昇バックアップのための手段として使用することができる。また、前述のバックアップでは吐出温度の上昇を回避できない範囲においても、停止室内機に滞留した冷媒を回収することで、吐出温度上昇を防止できる。
【0075】
そして、本願発明に係る空気調和装置においては、四方切換弁の切換により暖房運転あるいは除霜運転を行う場合、停止室内機の絞り装置を除霜時絞り開度設定手段により個別に全閉にできるようにしたことで、これらの停止室内機に冷媒が流れることを防ぎ、任意に選択設定した停止室内機において冷媒音を消音することができる。
【0076】
更に、本願発明に係る空気調和装置においては、補助用熱源機が接続されていて四方切換弁の切換により暖房運転あるいは除霜運転を行う場合、停止室内機の絞り装置開度を全閉にすることで冷媒が流れることを防ぎ、冷媒音を消音することができる。また、除霜運転時には補助用熱源機の補助絞り装置を開き補助熱交換器を蒸発器として使用するので、蒸発温度の低下を防ぐことができ、除霜効果を十分に上げることができる。
【0077】
また、本願発明に係る空気調和装置においては、暖房運転室内機の熱交換器総量が大きい場合は必然的に停止室内機の熱交換器総量が小さくなるため、停止室内機の室内機側熱交換器に滞留する冷媒量も低下する。従って、暖房運転室内機の熱交換器総量が大きいときは、停止室内機の絞り装置開度を全閉にすることで、冷媒音を完全に消音する範囲が広がる。一方、暖房運転室内機の熱交換器総量が小さい場合、停止室内機の絞り装置開度を全閉から僅かに開くことで、停止室内機の冷媒音レベルを抑えて快適空調を行うことができ、停止室内機の室内機側熱交換器に滞留した冷媒をアキュムレータに戻すことができる。
【0078】
そして、本願発明に係る空気調和装置においては、運転に先立ち、仮に全ての停止室内機の絞り装置を全閉とする設定をしたままで運転した場合であって、補助用熱源機の補助絞り装置および室内機全ての絞り装置をいずれも全閉にする制御しか存在しないと判断した場合には、圧縮機の起動は禁止するようにしてあるので、停止室内機への寝こみ冷媒量がアキュムレータ内の余剰冷媒量を超えたりすることにより圧縮機の冷却効果が小さくなり吐出温度を上昇させる運転を繰り返すといった不具合を未然に防止でき、空気調和装置の信頼性を向上させることができる。
【0079】
更に、本願発明に係る空気調和装置においては、限られた台数の停止室内機しか絞り開度を全閉にすることができないが、冷媒回収禁止時間間隔を変更可能にして、冷媒回収の頻度を上げることで、停止室内機に寝こんだ冷媒を早いタイミングで熱源機に戻せるため、暖房運転している冷媒回路に不具合が発生する前に回路内の冷媒不足を解消できる。従って、より多くの停止室内機の絞り装置を全閉にすることができ、消音対策を広範囲に拡大できる。
【0080】
また、本願発明に係る空気調和装置においては、冷媒回収のために冷媒回収禁止時間間隔を変更可能とするにあたり、停止室内機全てを第1の絞り開度制御手段の制御対象とするか、または室内機毎に付与されている優先順位に基づいて各室内機を個別に第2の絞り開度制御手段の制御対象とするかを制御対象設定手段で設定するようにしたので、一層きめ細やかに冷媒回路内の冷媒不足を解消でき、消音対策をより広範囲に拡大できる。
【0081】
そして、本願発明の発明に係る空気調和装置においては、室内機毎に付与される優先順位を、室内機が運転停止している連続時間と、室内機毎に予め付与されている室内機の背番号の順番とに基づいて決定するようにしたので、優先順位の妥当性が高く、優先順位を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による空気調和装置の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】 実施の形態1における室内機の絞り装置開度と流量特性の関係を表した説明図である。
【図3】 実施の形態1におけるアキュムレータ内の液面高さを温度センサにより検知する態様を示す説明図である。
【図4】 実施の形態2,3における空気調和装置を示すブロック構成図である。
【図5】 実施の形態2における冷媒流量抑制室内機設定有効時の開度変更手順を示す制御フローチャートである。
【図6】 実施の形態3における冷媒流量抑制室内機設定有効時の開度変更手順を示す制御フローチャートである。
【図7】 実施の形態3における絞り装置開度と消音レベル特性の関係を表した説明図である。
【図8】 実施の形態4における暖房運転時で停止室内機の絞り装置開度を閉めた後の寝こみ冷媒回収開始時間変更の手順を示す制御フローチャートである。
【図9】 実施の形態5における空気調和装置を示すブロック構成図である。
【図10】 実施の形態5における補助用熱源機を接続したときの補助絞り装置開度制御と冷媒回収制御とバックアップ制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図11】 実施の形態6における暖房運転時で除霜運転開始時の停止室内機の絞り装置開度制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図12】 実施の形態6における暖房運転時で除霜運転開始時の停止室内機の絞り装置開度制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図13】 実施の形態7における暖房運転時で除霜運転開始時に補助絞り装置開度制御と停止室内機の絞り装置開度制御と除霜運転実施のために冷媒流量抑制室内機設定無効室内機または補助用熱源機を選択する制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図14】 実施の形態7における暖房運転時で除霜運転開始時に補助絞り装置開度制御と停止室内機の絞り装置開度制御と除霜運転実施のために冷媒流量抑制室内機設定無効室内機または補助用熱源機を選択する制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図15】 実施の形態7における暖房運転時で除霜運転開始時に補助絞り装置開度制御と停止室内機の絞り装置開度制御と除霜運転実施のために冷媒流量抑制室内機設定無効室内機または補助用熱源機を選択する制御の手順を示す制御フローチャートである。
【図16】 実施の形態8における暖房運転室内機の室内機側熱交換器の合計容積に基づいて停止室内機の絞り装置開度を変更する手順を示す制御フローチャートである。
【図17】 実施の形態9における暖房運転室内機の合計台数に基づいて停止室内機の絞り装置開度を変更する手順を示す制御フローチャートである。
【図18】 実施の形態10における冷媒流量抑制制御設定有効/無効に係る手順を示す制御フローチャートである。
【図19】 実施の形態11における暖房運転時の室内機個別による冷媒回収の手順を示す制御フローチャートである。
【図20】 実施の形態11における暖房運転時の室内機個別による冷媒回収の手順を示す制御フローチャートである。
【符号の説明】
A 熱源機
Ba 室内機
Bb 室内機
Bc 室内機
C 補助用熱源機
1 圧縮機
2 四方切換弁
3 熱源機側熱交換器
4a 絞り装置
4b 絞り装置
4c 絞り装置
4d 補助絞り装置
5a 室内機側熱交換器
5b 室内機側熱交換器
5c 室内機側熱交換器
5d 補助熱交換器
6 アキュムレータ
7 熱源機側制御装置
8 冷媒流量抑制制御設定スイッチ
10 リモートコントローラ
11a 室内機側制御装置
11b 室内機側制御装置
11c 室内機側制御装置
11d 補助用熱源機側制御装置
19 吐出温度センサ
20 補助用熱源機設定有効/無効手段スイッチ
SW2a 冷媒流量抑制室内機設定スイッチ
SW2b 冷媒流量抑制室内機設定スイッチ
SW2c 冷媒流量抑制室内機設定スイッチ
SW2d 補助用熱源機設定スイッチ
T0 時間間隔
i アドレス

Claims (9)

  1. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、
    前記運転設定手段によって暖房運転以外と設定された室内機について前記室内機毎に個別に、暖房運転以外と判断された時点を起点にして前記絞り装置のうちの一部を全閉にし、他を全閉よりも大きな開度とするように選択可能とした非暖房運転時絞り開度設定手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    前記複数の室内機のうち少なくとも1台以上が凝縮器として暖房運転をしている場合に、暖房運転を行っていない他の熱交換器に対応した絞り装置のうち、選択した絞り装置については全閉にし、他の絞り装置については全閉よりも大きな開度にする絞り開度併合制御手段とを設けるとともに、
    前記圧縮機の吐出温度を検知する吐出温度検知手段と、前記吐出温度検知手段により検知された吐出温度が予め設定されている所定温度より高くなった場合に、前記選択した絞り装置を現在の開度よりも大きくする絞り開度制御手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  3. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    前記複数の室内機のうち少なくとも1台以上が凝縮器として暖房運転をしている場合に、暖房運転を行っていない他の熱交換器に対応した絞り装置のうち、選択した絞り装置については全閉にし、他の絞り装置については全閉よりも大きな開度にする絞り開度併合制御手段とを設けるとともに、
    前記絞り開度併合制御手段による絞り装置設置の存否を設定する絞り装置設定手段と、
    暖房運転にあたり、前記絞り装置設定手段により前記絞り開度併合制御手段による絞り装置が存在すると設定された場合には絞り開度併合制御手段による制御を有効とし、前記絞り開度併合制御手段による絞り装置が存在しないと設定された場合には複数の室内機のうち運転停止に係る前記室内機に対応した絞り装置を個別に全閉または全閉よりも大きな開度にする制御を有効とする制御切換手段と
    を設けたことを特徴とする空気調和装置。
  4. 熱源機を構成する圧縮機、四方切換弁、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    暖房運転中に前記四方切換弁の冷媒流路を切り替えて除霜運転を行う除霜運転制御手段と、
    前記除霜運転中に停止している前記複数の室内機の前記絞り装置を、除霜運転開始時点を起点にして個別に、前記絞り装置のうちの一部を全閉にし、他を全閉よりも大きな開度とするように選択して設定できる除霜時絞り開度設定手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  5. 熱源機を構成する圧縮機、四方切換弁、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    暖房運転中に前記四方切換弁の冷媒流路を切り替えて除霜運転を行う除霜運転制御手段と、
    前記除霜運転中に除霜運転開始時点を起点にして前記複数の室内機のうちの少なくとも1台を残した残りの絞り装置を全閉とし、かつ、他の室内機のうち少なくとも1台の絞り装置を全閉よりも大きな開度にする除霜時絞り開度併合制御手段と
    を設けたことを特徴とする空気調和装置。
  6. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、
    前記室内機の絞り装置のうち、対象とするものを手動により設定可能な絞り装置手動設定手段と、前記絞り装置手動設定手段により前記対象とする絞り装置が存在すると設定された場合には前記複数の室内機の絞り装置を現在の開度よりも大きくする制御を有効とし、前記絞り装置手動設定手段により前記対象とする絞り装置が存在しないと設定された場合には複数の室内機のうち運転停止している前記室内機に対応した絞り装置を個別に全閉または全閉よりも大きな開度にする制御を有効とすると設定されたにもかかわらず、前記室内機全ての前記絞り装置をいずれも全閉とする制御しか存在しないと判断した場合には、圧縮機の起動を禁止する圧縮機起動禁止手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  7. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、前記複数の室内機のうち一部が暖房運転していない場合に、暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置の開度を、全閉よりも大きな第1の所定開度とする第1の絞り開度制御手段と、前記暖房運転していない室内機の少なくとも1台以上に対応した前記絞り装置の開度を全閉または前記第1の所定開度よりも小さな第2の所定開度とする第2の絞り開度制御手段と、前記第1の絞り開度制御手段による制御と前記第2の絞り開度制御手段による制御とを選択的に設定する制御選択手段と、暖房運転していない前記室内機全ての前記絞り装置の開度を前記第1の所定開度および前記第2の所定開度よりも大きな第3の所定開度とする第3の絞り開度制御手段と、前記第3の絞り開度制御手段による制御を実行しない最低時間間隔を、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は第1の時間間隔とし、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔とする冷媒回収禁止制御手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  8. 熱源機を構成する圧縮機、熱源機側熱交換器と、前記熱源機に対し並列に接続される複数の室内機をそれぞれ構成する開度可変の絞り装置、室内機側熱交換器とを順次配管接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置において、前記複数の室内機の暖房運転または運転停止を前記室内機毎に個別に設定するための運転設定手段と、前記複数の室内機のうち一部が暖房運転していない場合に、暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置の開度を全閉よりも大きな第1の所定開度とする第1の絞り開度制御手段と、前記暖房運転していない室内機の少なくとも1台以上に対応した前記絞り装置の開度を、全閉または前記第1の所定開度よりも小さな第2の所定開度とする第2の絞り開度制御手段と、暖房運転していない前記室内機全ての前記絞り装置の開度を前記第1の所定開度および前記第2の所定開度よりも大きな第3の所定開度とする第3の絞り開度制御手段と、前記第1の絞り開度制御手段による制御と前記第2の絞り開度制御手段による制御とを選択的に設定する制御選択手段と、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は暖房運転していない前記室内機全てに対応した前記絞り装置を制御対象として設定し、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は暖房運転していない前記室内機に予め付与されている優先順位に基づいて前記室内機毎の前記絞り装置を制御対象として設定する制御対象設定手段と、前記第3の絞り開度制御手段による制御を実行しない最低時間間隔を、前記制御選択手段により前記第1の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は第1の時間間隔とし、前記第2の絞り開度制御手段の制御が選択された場合は前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔とする冷媒回収禁止制御手段とを設けたことを特徴とする空気調和装置。
  9. 優先順位は、室内機が運転停止している連続時間と、前記室内機毎に予め付与されている前記室内機の背番号の順番とに基づいて決定されることを特徴とする請求項第8項に記載の空気調和装置。
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