JP3854158B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナに対する給排気を強制的に行なうファンを備えた燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バーナの燃焼量に応じた給排気が行なわれるように、ファンの回転数を制御する燃焼装置が知られている。しかし、かかる燃焼装置においては、ファンにより給排気が行なわれる給排気流路の閉塞が生じると、バーナに供給される燃焼用空気の流量が減少して、バーナの燃焼状態が悪化するおそれがある。
【0003】
そこで、給排気流路の閉塞度合を検知して、給排気流路の閉塞度合が大きいほどファンの回転数を高くする補正を行なって、給排気流路の閉塞が生じた場合であっても、バーナに対する燃焼用空気の供給不足が生じないようにした燃焼装置が知られている。そして、閉塞度合を検知する方法としては、ファンを所定回転数で作動させるために必要となるファンの駆動電流(以下、ファン電流という)の変化から閉塞度合を把握する方法が一般的である。
【0004】
しかし、燃焼中にファンに供給される電流が比較的小さい燃焼装置にあっては、給排気流路の閉塞によりファンの送風量が低下しても、それに伴うファン電流の減少が極めて少ないため、例えば周囲の温度変化の影響でファン電流が減少した場合と閉塞によりファン電流が減少した場合との区別がつき難く、燃焼中のファン電流に基づいて給排気流路の閉塞を検出することが困難な場合があった。
【0005】
そこで、バーナの燃焼中ではなく、バーナの燃焼が停止してアフターパージが終了し、燃焼装置が冷却されてファン電流が安定した後に、ファンの回転数を最大にして給排気流路の閉塞を検知するようにした燃焼装置が提案されている(特開平8−312948号公報)。しかし、かかる燃焼装置においては、バーナの燃焼が停止した後もファンが継続して作動する時間が長くなるため、使用者に不安感を与えると共に、ファンの作動のために余分な電力が消費されてしまうという不都合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記不都合を解消し、燃焼停止後のファンの作動時間が延長させることを抑制して、給排気流路の閉塞度合を精度良く検知することができる燃焼装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、バーナを収容した燃焼室と、該燃焼室に連通した給排気流路と、該給排気流路を介して前記バーナに対する強制的な給排気を行なうファンと、該ファンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記バーナの目標燃焼量に対応した目標燃焼用空気が得られる前記ファンの目標回転数を設定する回転数決定手段と、前記回転数検出手段による検出回転数と前記目標回転数とが一致するように前記ファンに供給する電流を制御するファン制御手段と、前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記目標燃焼用空気が得られるように前記目標回転数を補正する回転数補正手段とを備えた燃焼装置の改良に関する。
【0008】
本願発明者らは、上記目的を達成するために各種検討を重ねた結果、燃焼装置をある程度継続して作動させることにより、燃焼装置の温度が安定して前記給排気流路に給気される燃焼空気及び前記給排気流路から排気される前記バーナの燃焼排ガスの流れに対する抵抗の変化が減少すると共に、前記ファンの温度も安定して前記ファンの温度変化に伴う駆動電流の変動も抑制されることを知見した。
【0009】
そこで、本発明は、前記ファンに供給される電流を検出するファン電流検出手段を備え、前記回転数補正手段は、前記バーナが第1の所定時間以上継続して燃焼したときに、前記バーナの消火から第2の所定時間内に前記目標回転数を所定の閉塞検知回転数に設定して前記ファン制御手段により前記ファンを作動させて前記ファン電流検出手段により前記ファンに供給される電流を検出し、前記電流検出手段の検出電流と予め設定された基準電流値との相違に基づいて前記給排気流路の閉塞度合を検知して、前記給排気流路の閉塞度合に応じて前記目標回転数を補正するための補正係数を決定し、前記回転数補正手段により決定された前記補正係数を更新して記憶する記憶手段を備えて、前記回転数補正手段は、該記憶手段に記憶された前回決定された補正係数の値が大きいほど前記閉塞検知回転数を高く設定して前記給排気流路の閉塞度合を検知することを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、前記回転数補正手段は、前記バーナが前記第1の所定時間以上継続して燃焼することによって、前記給排気流路に給気される燃焼空気及び前記給排気流路から排気される前記バーナの燃焼排ガスの流れに対する抵抗の変化が減少すると共に、ファンの温度変化に伴う駆動電流の変動も抑制された状態で、前記ファン電流検出手段により前記ファンに供給される電流を検出する。
【0011】
そのため、前記回転数補正手段は、前記ファンに供給される電流を精度良く検出することができ、検出した電流に基づいて前記目標回転数を精度良く決定することができる。そして、前記回転数補正手段は、前記バーナの消火から前記第2の所定時間が経過する前に前記給排気流路の閉塞度合を検知するため、前記燃焼室のアフターバージ処理中に前記給排気流路の閉塞度合を検知することができ、前記バーナの消火後に前記ファンが作動する時間が延長されることを抑制することができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、前記給排気流路の閉塞度合が大きいほど前記補正係数は大きな値に決定される。そして、前記給排気流路の閉塞度合が大きいほど前記ファンの回転に要する駆動電流が減少するため、前記補正係数の値が大きいほど前記閉塞検知回転数を高く設定することにより、前記回転数補正手段は、前記給排気流路の閉塞度合を検知するときに前記ファンに供給される電流を所定レベル以上に維持することができ、これにより、前記閉塞度合の検知精度が低下することを防止することができる。
【0014】
また、前記回転数補正手段は、前記給排気流路の閉塞度合に応じて決定した前記補正係数と、前記記憶手段に記憶された前回決定した補正係数との差が所定の制限値以上となったときは、前記記憶手段に記憶された補正係数に該制限値を加算して該補正係数を更新することを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記給排気流路への突風の吹き込み等により、前記ファンを前記閉塞検知回転数で作動させるために前記ファンに供給する必要がある電流が増加して、前記回転数補正手段により決定される補正係数が実際の前記給排気流路の閉塞度合に応じた補正係数よりも大きくなり、前記記憶手段に記憶された前回決定した補正係数との差が前記制限値以上となったときに、前記回転数補正手段は、前記記憶手段に記憶された補正係数に前記制限値を加算して該補正係数を更新する。
【0016】
そのため、前記給排気流路への突風の吹き込み等の影響により、前記給排気流路の閉塞度合が誤って検知されたときであっても、前記補正係数の増大分が前記制限値に抑えられ、前記給排気流路の誤検知に応じて前記補正係数が極端に大きな値に設定されることを防止することができる。また、実際に前記給排気流路の閉塞度合が前記制限値以上まで高くなった場合にも、前記補正係数が前記制限値分だけ増大するので、前記給排気流路を流れる燃焼用空気の流量を増大させる効果をある程度確保することができる。
【0017】
また、前記記憶手段は揮発性であり、前記閉塞検知手段は、電源投入後、最初に前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記補正係数を決定したときに、該補正係数と予め設定された補正係数の初期値との差が所定の上限値を超えたときには、該補正係数に前記上限値以下に設定した増加分を加算して前記補正係数を更新して前記記憶手段に記憶し、再度前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記補正係数を決定する処理を、決定した補正係数と前記記憶手段に記憶された補正係数との差が前記上限値以下となるまで繰り返すことを特徴とする。
【0018】
かかる本発明によれば、前記記憶手段は揮発性であるため、前記燃焼装置への電源供給が停止されると、前記記憶手段に記憶されていた補正係数は消失する。そのため、前記回転数補正手段は、前記補正係数を新たに決定する必要があるが、前記給排気流路の閉塞度合が大きかったときには、補正係数の初期値と新たに決定される補正係数との差が大きくなって前記上限値を超える場合も生じ得る。そこで、かかる場合には、前記回転数補正手段は、前記補正係数を前記上限値以下に設定した前記増加分ずつ増加させる処理を行なう。これにより、前記回転数補正手段は、前記給排気流路への突風の吹き込み等の影響により前記補正係数が誤った値に更新されることを防止しつつ、前記補正係数を決定することができる。
【0019】
また、前記記憶手段は不揮発性であり、前記記憶手段に記憶された前記補正係数を初期化する補正係数初期化手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
かかる本発明によれば、前記補正係数が不揮発性の前記記憶手段に記憶される。そのため、停電が生じた場合であっても、停電から復帰したときに、前記回転数補正手段は、前記記憶手段に記憶された前回の補正係数に基づいて前記閉塞検知回転数を設定して、前記給排気流路の閉塞度合を精度良く検知することができる。また、メンテナンスにより前記給排気流路の閉塞が解消されたときには、前記補正係数初期化手段により前記記憶手段に記憶された補正係数を初期化することによって、前記閉塞検知回転数を前記給排気流路の閉塞が生じていない状態に応じた値に戻すことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について、図1〜図4を参照して説明する。図1は本実施の形態の燃焼装置のファン制御部の構成を示すブロック図、図2はファンの回転数と駆動電流との相関関係を示すグラフ、図2〜図3は図1に示したコントローラの作動フローチャートである。本実施の形態の燃焼装置は、図示しないが、例えばガス給湯器やガスファンヒータ等に設けられるものであり、燃焼室に設けられたバーナの燃焼時に該バーナに対して強制的に給排気を行なうファンを備えている。該ファンは燃焼室と連通した給排気流路を介してバーナへの燃焼用空気の供給と該バーナの燃焼排ガスの排気とを行なう。
【0024】
図1を参照して、ファン1はファンモータ2と回転数センサ3を備え、マイクロコンピュータやメモリ等からなるコントローラ4によりその作動が制御される。コントローラ4は、燃焼装置の運転条件(給湯温度や暖房温度等)に応じてバーナの目標燃焼量(Qa)を設定するバーナ燃焼量設定部6、目標燃焼量(Qa)に対応した燃焼用空気が得られるファン1の目標回転数(Na)を決定する目標回転数決定部7(本発明の回転数決定手段に相当する)、給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じた目標回転数(Na)の補正係数(H)を決定する補正係数決定部8、補正係数(H)を用いて目標回転数(Na)を補正する目標回転数補正部9、及び補正後の目標回転数(Nb)と回転数センサ3により検出されるファン1の実回転数(Ns)が一致するようにファンモータ2に供給する電流(Id、以下、ファン電流という)を制御するファン回転数制御部10を備える。
【0025】
なお、補正係数決定部8と目標回転数補正部9とにより、本発明の回転数補正手段が構成される。また、コントローラ4には、ファン電流(Id)を検出する電流センサ5(本発明のファン電流検出手段に相当する)と、揮発性のメモリ11(本発明の記憶手段に相当する)が設けられている。そして、補正係数決定部8は、ファン1を所定の閉塞検知回転数で回転させたときに電流センサ5で検出されるファン電流(Id)の変化から、給排気流路の閉塞度合を検知する。
【0026】
図2は、ファンモータ2の作動特性を示したグラフであり、横軸がファン1の回転数(N)に設定され、縦軸がファン電流(Id)に設定されている。図2において、20は給排気流路に閉塞が生じていない場合のファン1の回転数−電流特性を示す定常ラインであり、21は補正係数(H)が1.0のときのファン1の回転数−電流特性を示している。
【0027】
21は補正を行なうか否かを決める基準ラインである。そして、給排気流路の閉塞が進むにつれて、ファン1の回転数−電流特性は図中23、24へと変化し、ファン1を閉塞検知回転数(Nt)で作動させるために必要なファン電流(Id)が次第に減少する。なお、24は補正係数(H)を求めるために実験により予め定めたファン1の回転数−電流特性の補助値ラインである。
【0028】
また、I3,I1は、それぞれファン1の回転数が閉塞検知回転数(Nt)であるときの補助値ライン24及び基準値ライン21におけるファン電流値、I2はファン1の回転数が閉塞検知回転数(Nt)であるときの電流センサ5の検出電流値、aはI1とI3の差(a=I1−I3)、bはI2とI3の差(b=I2−I3)である。
【0029】
そして、補正係数決定部8は、以下の式(1)により補正係数(H)を算出する。
【0030】
H = {(a/b)−1}×α+1 ・・・・・(1)
但し、α:実験やシミュレーション等により定めた1以下の定数。
【0031】
ここで、給排気流路の閉塞度合が大きくなるにつれて、閉塞検知回転数(Nt)における電流センサ5の検出電流(I2)は小さくなる。そのため、上記式(1)のa/bが大きくなって補正係数(H)が大きくなる。そして、目標回転数補正部9は、以下の式(2)により目標回転数(Na)を補正するため、給排気流路の閉塞度合が大きくなるほど、補正後の目標回転数(Nb)が高く設定される。
【0032】
Nb = H × Na ・・・・・(2)
次に、図1及び図2を参照しつつ、図3〜図4に示したフローチャートに従って、コントローラ4の作動について説明する。図3を参照して、STEP1で電源スイッチ(図示しない)がON操作されて、燃焼装置への電源供給が開始されると、コントローラ4は、先ずSTEP2で補正係数(H)を初期値の1.0に設定してメモリ11に記憶し、STEP3でカウンタ変数(CNT)をクリアして、STEP4で運転スイッチ(図示しない)のON操作待ちとなる。
【0033】
運転スイッチがON操作されると、STEP4からSTEP5に進み、コントローラ4は、バーナの燃焼運転を開始し、STEP6で10分タイマをスタートする。また、コントローラ4は、次のSTEP7で補正係数(H)が1.36以上であるか否かを確認し、補正係数(H)が1.36以上であったときには、STEP20に分岐して給排気流路の閉塞が進んでいることをエラーランプ(図示しない)の点灯やブザー(図示しない)の鳴動により使用者に報知する。
【0034】
そして、コントローラ4は、STEP9で運転停止条件(運転スイッチのOFF操作、タイマ運転の終了等)が成立するまで、STEP8で、上述したバーナ燃焼量設定部6、目標回転数決定部7、補正係数決定部8、目標回転数補正部9、及びファン回転数制御部10により、ファン1の回転数を補正後の目標回転数(Nb)に保つ回転数制御を継続的に実行する。
【0035】
STEP11で運転停止条件が成立すると、STEP10に進み、コントローラ4は、10分タイマがタイムアップしているか否か、すなわち、燃焼運転が10分以上継続されたか否かを確認する。そして、10分タイマがタイムアップしていなかったときは、STEP30に進み、コントローラ4はファン1を所定時間(例えば5秒間)作動させて燃焼室内をパージしてSTEP4に戻り、再び運転スイッチの操作待ちとなる。
【0036】
一方、10分タイマがタイムアップしていたときには、継続的な燃焼運転により、燃焼装置全体が加熱されて安定して給排気流路の閉塞度合を検知することができる状態にあると判断できるため、図4のSTEP11〜STEP16、STEP40〜STEP44、及びSTEP50〜STEP51により、補正係数決定部8は補正係数(H)を決定する処理を実行する。
【0037】
補正係数決定部8は、先ずSTEP11で今回の燃焼運転が燃焼装置に電源が投入されてから最初(1回目)の燃焼運転であったか否かを判断する。そして、電源が投入されてから最初の燃焼運転であったときは、STEP40に分岐し、補正係数決定部8は、メモリ11に記憶された補正係数(H,この場合は初期値の1.0に設定されている)に基づいて、以下の式(3)により閉塞検知回転数(Nt)を算出し、該閉塞検知回転数(Nt)でファンを作動させる。
【0038】
Nt = Ni×{(H−1)×A+1} ・・・・・(3)
但し、Ni:予め設定された閉塞検知回転数の初期値、A:実験やシミュレーション等により決定された定数。
【0039】
これにより、給排気流路の閉塞度合が大きいほど閉塞検知回転数(Nt)が高く設定される。そのため、給排気流路の閉塞により閉塞検知時のファン電流(Id)が減少して、図2におけるbの値が小さくなり、上記式(1)による補正係数(H)の算出精度の低下を防止している。
【0040】
そして、次のSTEP41で、補正係数決定部8は、閉塞検知回転数(Nt)におけるファン電流(Id)を検出し、STEP42で、ファン電流(Id)に基づいて、上記式(1)により補正係数(H)を算出する。そして、次のSTEP43で、今回算出した補正係数とメモリ11に記憶された補正係数との差(ΔH)が、0.05(本発明の上限値に相当する)を超えていたときは、STEP50に分岐する。
【0041】
ここで、0.05という値は、給排気流路への突風の吹き込み等により、給排気流路の空気抵抗が瞬間的に増減した場合に、閉塞度合の誤検知が生じることを防止するために設定された値であると共に、給排気流路における空気の流量の安定を見るために設定された値である。そして、今回算出した補正係数とメモリ11に記憶された補正係数との差(ΔH)が0.05を超えたときには、補正係数決定部8は、STEP50で補正係数(H)を0.04(本発明の増加分に相当する)だけ増加させて、STEP51で補正係数(H)をメモリ11に記憶する。
【0042】
なお、本実施の形態では、STEP51における補正係数(H)の増加分をSTEP43における上限値(0.05)よりも小さい0.04に設定したが、該増加分を該上限値と同じ値に設定しても良い。
【0043】
補正係数決定部8は、STEP42で今回算出した補正係数とメモリ11に記憶された補正係数の差(ΔH)が0.05以下となるまで、STEP40〜STEP42及びSTEP50〜STEP51の処理を繰り返し実行する。これにより、電源投入時に、既に給排気流路の閉塞が進んだ状態であって、補正係数(H)を大きな値に設定する必要がある場合に、補正係数(H)を0.04ずつ徐々に増加させることができる。
【0044】
そのため、補正係数決定部8は、補正係数(H)を大きな値に設定する必要がある場合であっても、上述した給排気流路への突風の吹き込み等の影響を排除して、補正係数(H)を決定することができる。
【0045】
そして、STEP43で補正係数の差(ΔH)が0.05以下となったときにSTEP44に進み、補正係数決定部8は、算出した補正係数(H)をメモリ11に記憶して更新し、STEP17に進む。
【0046】
一方、STEP11で、電源投入後最初の燃焼運転でなかったときには、STEP12に進み、補正係数決定部8は、メモリ11に記憶された閉塞検知回転数(Nt)でファン1を作動させる。ここで、閉塞検知回転数(Nt)は、前回の給排気流路の閉塞度合の検知結果に応じて算出されてメモリ11に記憶された補正係数(H)を用いて、上記式(3)により算出される。そのため、給排気流路の閉塞が進むにつれて閉塞検知回転数(Nt)が高く設定され、給排気流路の閉塞検知に必要なファン電流が確保される。
【0047】
この場合、補正係数決定部8は、STEP10で燃焼運転が停止した後、所定時間(本発明の第2の所定時間に相当し、ファン1が閉塞検知回転数(Nt)に達するまでに要する時間の最長値(例えば10秒)となる)以内に閉塞検知回転数(Nt)におけるファン電流(Id)を検出することができる。そのため、10分以上の継続的な燃焼運転の実行により、給排気流路の空気抵抗やファン電流(Id)が安定した状態で、補正係数決定部8は、STEP13で閉塞検知回転数(Nt)におけるファン電流(Id)を精度良く検出することができる。
【0048】
そして、次のSTEP14で、補正係数決定部8は、電流センサ5によりファン電流(Id)を検出し、ファン電流(Id)に基づいて、上記式(1)により補正係数(H)を算出する。
【0049】
次のSTEP15は、上述したSTEP43と同様に、給排気流路への突風の吹き込み等の影響により給排気流路の閉塞度合が誤って実際よりも高く検知されたときに、該閉塞度合に応じて補正係数(H)が変更されることを防止するためのものである。補正係数決定部8は、今回算出した補正係数とメモリ11に記憶された前回算出した補正係数との差(ΔH)が0.04(本発明の制限値に相当する)以下であったときは、STEP16で今回算出した補正係数(H)をメモリ11に記憶して、補正係数(H)を更新する。
【0050】
一方、STEP15で、今回算出した補正係数とメモリ11に記憶された前回算出した補正係数との差(ΔH)が0.04を超えたときには、STEP80に分岐し、補正係数決定部8は、メモリ11に記憶された補正係数に0.04を加算した補正係数(H)をメモリ11に記憶して、補正係数(H)を更新する。これにより、補正係数決定部8は、突風の影響により補正係数(H)が極端に大きく変更されることを防止している。
【0051】
続くSTEP17で、コントローラ4は、メモリ11に記憶された補正係数(H)が給排気流路の閉塞判定基準値である1.4以上であるか否かを確認する。補正係数(H)が1.4以上であったときはSTEP60に分岐し、コントローラ4は、カウンタ変数(CNT)をカウントアップする。
【0052】
次のSTEP61でカウント変数(CNT)が3以上であったとき、すなわち、連続して3回補正係数(H)が1.4以上となったときには、コントローラ4は、給排気流路の閉塞が生じたと判断してSTEP70に分岐し、運転スイッチのON操作待ちとなる。そして、運転スイッチがON操作されたときに、STEP71に進んで、コントローラ4は給排気流路が閉塞したことをエラーランプの点灯やブザーの鳴動により使用者に報知し、燃焼運転の実行を禁止する。
【0053】
また、STEP17で、補正係数(H)が1.4未満であったときには、STEP18に進み、コントローラ4は、カウント変数(CNT)をクリアして図3のSTEP4に戻り、再び運転スイッチのON操作待ちとなる。
【0054】
以上説明したように、補正係数決定部8は、10分以上燃焼運転が継続されて燃焼装置が全体的に加熱されて燃焼運転が消火した直後であって、給排気流路を流れる燃焼用空気及びバーナの燃焼排ガスに対する抵抗が安定すると共にファン電流(Id)の変動も減少した状態で、ファン1を閉塞検知回転数(Nt)で回転させてファン電流(Id)を検出する。そのため、補正係数決定部8は、給排気流路の閉塞度合に応じて変動するファン電流(Id)を精度良く検出することができ、検出したファン電流(Id)に基づいてファン1の目標回転数の補正係数(H)を精度良く決定することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、本発明の第1の所定時間を10分に設定したが、該第1の所定時間はこれに限られず、給排気流路を流れる燃焼用空気及びバーナの燃焼排ガスに対する抵抗が安定すると共にファン電流(Id)の変動も減少する時間よりも長い時間を燃焼装置の形態に応じて設定すればよい。
【0056】
また、本実施の形態では、揮発性のメモリ11を採用したが、不揮発性のメモリを使用するときは、燃焼装置の電源を落とした後も前回決定された補正係数(H)が該メモリに記憶されるため、図4のSTEP40〜STEP44及びSTP50〜STEP51の処理は不要となる。
【0057】
不揮発性のメモリを使用する場合、停電が生じても、メモリ11には直近に記憶された補正係数(H)のデータが保持される。そのため、停電から復帰したときに、目標回転数補正部9は、メモリ11に記憶された補正係数(H)により、給排気通路の閉塞度合に応じて目標回転数(Na)を補正することができる。また、補正係数決定部8は、メモリ11に記憶された補正係数(H)を用いて、給排気通路の閉塞度合に応じた閉塞検知回転数(Nt)を設定することができる。
【0058】
そして、不揮発性のメモリを使用する場合は、図1に示したように、コントローラ4にリセットスイッチ15を設け、リセットスイッチ15が操作されたときに、コントローラ4によりメモリ11に記憶された補正係数(H)を初期値とする(H=1.0)処理(本発明の初期化に相当する)を行なうようにする。なお、リセットスイッチ15とコントローラ4の当該処理を行なう部分とにより、本発明の補正係数初期化手段が構成される。
【0059】
このように、リセットスイッチ15を設けることによって、メンテナンスにより給排気流路の閉塞が解消されたときに、メンテナンス作業者は、リセットスイッチ15を操作して、補正係数(H)を給排気流路の閉塞が生じていない状態に対応した初期値に戻すことができる。なお、コントローラ4が外部端末との通信機能を有する場合は、該外部端末からコントローラ4にリセット信号が入力されたときに、上述したメモリ11に記憶された補正係数(H)を初期値とする処理を行なうようにしてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、補正係数決定部8による1回の補正係数(H)の増加分の上限を0.04に制限することにより、給排気流路への突風等により閉塞度合の誤検知が生じることを防止したが、この制限を設けない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、本発明の制限値及び増加分を0.04に設定し、本発明の上限値を0.05に設定したが、これらの値は実験やシミュレーション等により、燃焼装置の形態に応じた適切な値に設定すればよい。
【0062】
また、給排気流路への突風の吹き込み等により給排気流路における空気の流量が不安定な状態となると、図4のSTEP43で補正係数の変化量ΔHがなかなか0.05以下とならず、STEP40〜STEP43とSTEP50〜STEP51からなるループが繰り返し実行されて補正係数(H)が決定されるまでに長い時間を要してしまうおそれがある。そこで、前記ループの実行に制限時間を設け、電源投入後の最初の燃焼運転の終了時における補正係数(H)の算出が該制限時間内に確実に終了するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置のファン制御部の構成を示すブロック図。
【図2】ファンの回転数と駆動電流との相関関係を示すグラフ。
【図3】図1に示したコントローラの作動フローチャート。
【図4】図1に示したコントローラの作動フローチャート。
【符号の説明】
1…ファン、2…ファンモータ、3…回転数センサ、4…コントローラ、5…電流センサ、6…バーナ燃焼量設定部、7…目標回転数決定部、8…補正係数決定部、9…目標回転数補正部、10…ファン回転数制御部
Claims (4)
- バーナを収容した燃焼室と、該燃焼室に連通した給排気流路と、該給排気流路を介して前記バーナに対する強制的な給排気を行なうファンと、該ファンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記バーナの目標燃焼量に対応した目標燃焼用空気が得られる前記ファンの目標回転数を設定する回転数決定手段と、前記回転数検出手段による検出回転数と前記目標回転数とが一致するように前記ファンに供給する電流を制御するファン制御手段と、前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記目標燃焼用空気が得られるように前記目標回転数を補正する回転数補正手段とを備えた燃焼装置において、
前記ファンに供給される電流を検出するファン電流検出手段を備え、
前記回転数補正手段は、前記バーナが第1の所定時間以上継続して燃焼したときに、前記バーナの消火から第2の所定時間内に前記目標回転数を所定の閉塞検知回転数に設定して前記ファン制御手段により前記ファンを作動させて前記ファン電流検出手段により前記ファンに供給される電流を検出し、前記電流検出手段の検出電流と予め設定された基準電流値との相違に基づいて前記給排気流路の閉塞度合を検知して、前記給排気流路の閉塞度合に応じて前記目標回転数を補正するための補正係数を決定し、
前記回転数補正手段により決定された前記補正係数を更新して記憶する記憶手段を備えて、
前記回転数補正手段は、該記憶手段に記憶された前回決定された補正係数の値が大きいほど前記閉塞検知回転数を高く設定して前記給排気流路の閉塞度合を検知することを特徴とする燃焼装置。 - 前記回転数補正手段は、前記給排気流路の閉塞度合に応じて決定した前記補正係数と、前記記憶手段に記憶された前回決定した補正係数との差が所定の制限値以上となったときは、前記記憶手段に記憶された補正係数に該制限値を加算して該補正係数を更新することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記記憶手段は揮発性であり、
前記閉塞検知手段は、電源投入後、最初に前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記補正係数を決定したときに、該補正係数と予め設定された補正係数の初期値との差が所定の上限値を超えたときには、
該補正係数に前記上限値以下に設定した増加分を加算して前記補正係数を更新して前記記憶手段に記憶し、再度前記給排気流路の閉塞度合を検知して該閉塞度合に応じて前記補正係数を決定する処理を、決定した補正係数と前記記憶手段に記憶された補正係数との差が前記上限値以下となるまで繰り返すことを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。 - 前記記憶手段は不揮発性であり、
前記記憶手段に記憶された前記補正係数を初期化する補正係数初期化手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃焼装置。
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