JP4102351B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
図4は、この種の燃焼装置として例示する給湯器9の構成概略図であり、温水管路Lの水が流れる熱交換器91と、該熱交換器91を加熱するバーナ92と、該バーナ92へ空気を供給するファン93と、バーナ92の点火・消火やファン93の動作等を制御する制御部94とを備えている。制御部94は、予め設定されたバーナ92の燃焼時間(以下、「設定燃焼時間」という)を計測するタイマ(図示しない)を備えるとともに、図5に示す作動フローチャートを実行するマイクロコンピュータが設けられている。
このものでは、運転スイッチ(図示しない)を投入すると、制御部94によってバーナ92が点火され、バーナ92の燃焼に必要な空気量を供給し得る回転数(以下、「目標回転数」という)にてファン93のファンモータMが回転されるとともに、制御部94のタイマが上記設定燃焼時間の計測を開始する。尚、上記設定燃焼時間は、排気通路901内やファンモータMの温度が安定するのに要する時間(例えば、10分)に設定されている。
給気通路および排気通路の閉塞度合は、予め設定された回転数(以下、「閉塞検知回転数」という)でファンモータMを回転させたときの駆動電流たるファン電流と、給気通路および排気通路が閉塞状態でない正常状態において前記閉塞検知回転数でファンモータMを回転させたときに必要となる駆動電流(以下、「基準電流」という)とを比較して判断される。尚、ファン電流は、給気通路901および排気通路902の閉塞度合に応じて変化し、ファン電流が基準電流より小さければ、給気通路901または排気通路902が閉塞状態であると判断される。
即ち、給気通路901または排気通路902の閉塞度合が上昇してファン電流が基準電流より小さくなれば、該ファン電流に基づいて算出された補正係数によって目標回転数が調整される。
一方、バーナの燃焼時間が比較的短時間である場合、バーナの燃焼開始時点の排気通路内やファンモータ等の温度の差が大きければ、バーナの燃焼終了時点の排気通路内やファンモータ等の温度のばらつきも大きくなり、燃焼排気の通気抵抗の誤差が大きくなるから、上記閉塞検知動作実行時におけるファンの送風量にばらつきを生じ、給気通路および排気通路の閉塞度合の検知精度の誤差が大きくなるおそれがあった。
『バーナを収容する燃焼室と、前記燃焼室に連通する給気通路および排気通路と、前記給気通路を介して前記バーナの燃焼用空気を前記燃焼室へ供給するファンと、前記ファンの駆動電流を検出する電流検出手段と、前記ファンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記目標回転数設定手段によって設定された目標回転数で前記ファンを回転させるファン制御手段と、前記目標回転数を所定の閉塞検知回転数に設定して前記ファン制御手段により前記ファンを作動させ、回転数検出手段が閉塞検知回転数を検出したときに前記電流検出手段が検出する電流値に基づいて前記給気通路および排気通路の閉塞度合を検出する閉塞検知動作を実行する閉塞検知手段とを備えた燃焼装置』において、給気通路および排気通路の閉塞度合の検知精度を向上させた燃焼装置を提供することを課題とする。
『前記閉塞検知手段は、前記バーナが消火して前記ファンが停止している時間を計測する停止タイマと、
前記バーナが燃焼して前記ファンが作動している時間を計測する運転タイマと、
前記バーナが燃焼して前記ファンが作動を開始する直前の前記停止タイマの計測時間が所定の停止時間以上であり、且つ、前記バーナが燃焼して前記ファンが作動を開始した後の前記運転タイマの計測時間が所定の運転時間範囲内である場合は、前記閉塞検知動作を前記バーナの消火直後に実行させる時間判定手段とを備えた』ことである。
上記技術手段によれば、バーナが燃焼してファンが作動を開始する直前の停止タイマの計測時間が所定の停止時間以上であって、なおかつ、バーナが燃焼してファンが作動を開始した後の運転タイマの計測時間が所定の運転時間範囲内である場合に、給気通路および排気通路の閉塞度合を検出する閉塞検知動作がバーナの消火直後に実行される。即ち、バーナが消火してファンが停止している時間が所定の停止時間以上になって排気通路内やファンモータの温度が安定した後、バーナが点火されてファンが作動を開始し、燃焼室や排気通路内が過熱状態になる前の所定の運転時間範囲内にバーナが消火してファンが停止された場合、上記閉塞検知動作が実行されるから、閉塞検知動作実行時における排気通路内やファンモータの温度のばらつきが抑制され、ファンの送風量のばらつきを抑制することができる。
前記請求項1において、
『前記バーナによって加熱される熱交換器と、
前記熱交換器と前記熱交換器で加熱された温水の供給先たる温水被供給部との間に接続される温水循環管路と、
前記温水循環管路における前記熱交換器の上流側通路に設けられ、前記熱交換器への戻り湯温を検知する水温センサと、
前記水温センサによる検知温度が一定の温度範囲内でない場合に前記閉塞検知動作を禁止する戻り湯温判定手段とを備えた』ことである。
このものでは、閉塞検知動作は、温水循環管路において熱交換器の上流側通路の水温、即ち、熱交換器への戻り湯温が一定の温度範囲内でない場合には禁止されるから、閉塞検知動作実行時の熱交換器の温度のばらつきが抑制され、燃焼排気が熱交換器を通過する際の通気抵抗が一定になる。従って、閉塞検知動作実行時におけるファンの送風量のばらつきを抑制することができる。
排気通路内やファンモータの温度が安定した状態からバーナが燃焼してファンが作動を開始し、燃焼室や排気通路内が過熱状態になる前にバーナが消火してファンが停止された場合に閉塞検知動作を実行させることによって、閉塞検知動作実行時における排気通路内やファンモータの温度のばらつきが抑制され、ファンの送風量のばらつきを抑制することができるから、給気通路および排気通路の閉塞度合の検知精度が向上する。
請求項2に係る発明では、上記請求項1の効果に加えて、熱交換器の温度が一定の温度範囲内でない状態では閉塞検知動作を禁止することにより、閉塞検知動作実行時の熱交換器の温度誤差から生じるファンの送風量のばらつきを抑制することができるから、給気通路および排気通路の閉塞度合の検知精度が一層向上する。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃焼装置として例示する複合給湯装置の構成概略図であり、図2は、その動作を制御する制御部の構成を示すブロック図、図3は、図2に示す制御部の作動フローチャートである。以下、各部の詳細を説明する。
図1に示すように、複合給湯装置1は、台所や浴室等へ温水を供給する給湯ユニット2と、浴槽A内の水を加熱し循環する風呂ユニット3とが一体的に構成されたものであり、それら給湯ユニット2および風呂ユニット3は、複合給湯装置1の本体ケース10内に収容されている。該本体ケース10には、給湯ユニット2および風呂ユニット3から排出される燃焼排気の排気口101と、給湯ユニット2および風呂ユニット3へ取り入れる燃焼用空気の取入口としての給気口102,103とが形成されている。また、複合給湯装置1は、給湯ユニット2および風呂ユニット3の動作を制御する制御部14を備えている。
給湯側バーナ22は、開閉弁C2を介してガス管路Gに接続されており、ガス管路Gからガスが供給される。給湯側バーナ22の近傍には、該給湯側バーナ22の燃焼炎を検知する炎検知センサF2と、イグナイタ15から高電圧を印加されることによって火花放電する点火プラグS2とが設けられている。
給湯側ファン23は、ファンモータM2の回転数を検出する回転数センサR2と、ファンモータM2の電流値を検出する電流センサE2とを備えている。
風呂側ファン33は、ファンモータM3の回転数を検出する回転数センサR3と、ファンモータM3の電流値を検出する電流センサE3とを備えている。尚、上記回転数センサR3が、既述請求項1の発明特定事項としての回転数検出手段に対応し、上記電流センサE3が、既述請求項1の発明特定事項としての電流検出手段に対応する。
尚、上記閉塞検知制御部18が、既述請求項1の発明特定事項としての閉塞検知手段に対応し、上記時間判定部184が、既述請求項1の発明特定事項としての時間判定手段に対応し、上記戻り湯温判定部185が、既述請求項2の発明特定事項としての戻り湯温判定手段に対応する。
次に、上記実施の形態に係る燃焼装置において、複合給湯器1の動作を風呂ユニット3の制御動作を例に、図3のフローチャートに従って説明する。
風呂追焚スイッチ(図示しない)がオンされると、制御部14は、閉塞検知制御部18の停止タイマ182によってファンモータM3の停止時間の計測を開始するとともに、風呂側バーナ32のON信号が出力されたか否かを監視する。そして、風呂側バーナ32のON信号が出力されると、ファンモータ制御部17へ風呂側ファンON信号を出力し、目標回転数設定部171によって燃焼量に応じたファンモータM3の目標回転数Naを設定するとともに、回転数制御部173によって回転数センサR3が検出する回転数が上記目標回転数Naになるようにフィードバック制御を行いながらてファンモータM3を所定回転数で回転させる。また、バーナ制御部16によって風呂側バーナ32の開閉弁C3を開くとともに、イグナイタ15へ点火指示信号を出力する。点火指示信号が入力されたイグナイタ15は、点火プラグS3に高電圧を印加して火花放電させ、風呂側バーナ32を点火させる(ST1〜ST3)。
尚、上記「基準停止時間」が、既述請求項1の発明特定事項としての「所定の停止時間」に対応する。
このとき、運転タイマ181の計測時間T1が設定された時間内であるか否かが時間判定部184によって判定される。時間判定部184には、ファンモータM3が回転を開始してから少し温まって安定した回転数になるまでの立ち上がり時間以上であって、風呂側バーナ32によって加熱される燃焼室300や排気通路302内が過熱状態にならない時間範囲内(以下、「基準運転時間範囲」という)が設定されており(例えば、1分以上5分以下)、風呂側バーナ32消火時の上記運転タイマ181の計測時間T1が上記基準運転時間範囲内でなければ、燃焼室300内の燃焼排気を排出するために一定時間ファンを回転させるポストパージが実行される。
尚、上記「基準運転時間範囲」が、既述請求項1の発明特定事項としての「所定の運転時間範囲」に対応し、上記「基準湯温」が、既述請求項2の発明特定事項としての「一定の温度」に対応する。
閉塞判定部183は、以下の閉塞判定を実行するプログラムを備えている。
閉塞判定は、まず、目標回転数設定部171によって設定されるファンモータM3の目標回転数を、給気通路301および排気通路302の閉塞度合を検知するときの基準となる目標回転数(例えば、風呂側バーナ32の最大燃焼時におけるファンモータM3の目標回転数の1.2倍。以下、「閉塞検知回転数」という)に設定させて、回転数センサR3が検出する回転数が上記閉塞検知回転数になるようにフィードバック制御を行いながらファンモータM3を作動させる。次に、このときの電流センサE3の検知電流、即ち、ファンモータM3に流れるファン電流iと、正常状態における標準のファン電流(以下、「基準ファン電流」という)isとを比較し、電流センサE3で検出したファン電流iが基準ファン電流isより低い場合を、給気通路301または排気通路302が閉塞状態であると判断する。そして、上記検出したファン電流iから、給気通路301または排気通路302が閉塞状態であると判断した場合は、後述するST13の補正処理を実行させる(ST12)。
補正処理は、補正係数算出部172によって、上記ファン電流iに基づいてファンモータM3の目標回転数Naを補正するための補正係数Hを算出し、その補正係数Hが基準となる補正係数Hs(以下、「基準補正係数」という)以上である場合は、目標回転数Naの補正が実行される。尚、補正後の目標回転数Nbは、風呂側バーナ32の目標燃焼量に応じて設定される目標回転数Naに上記補正係数Hを乗じて算出される(ST13)。
そして、給湯側バーナ22が燃焼されていないことを確認した後、風呂側ファン33を停止し、運転タイマ181によるファンモータM3の運転時間の計測を停止して計測時間T1をリセットするとともに、再び、上記ST1以降の制御動作を実行する(ST14〜ST16)。
以上により、排気通路内やファンモータの温度が安定した条件下において閉塞判定を実行することができるから、給気通路および排気通路の閉塞度合の検知精度が良い。
尚、上記第1実施形態において、閉塞判定にて給気通路301または排気通路302が閉塞状態であると判断した場合は、ファンモータ制御部17によってファンモータM3の回転数を補正する補正処理が実行されるものであるが、異常を報知するとともに風呂ユニット3の作動を停止させる異常判定手段を備えたものであっても良い。
また、上記第1実施形態では、風呂ユニット3における閉塞検知動作を例示したが、給湯ユニット2においても上述の閉塞検知動作と同様の制御を実行させても良いし、単一の熱交換ユニットで構成される給湯器または風呂釜燃焼器において上述の閉塞検知動作と同様の制御を実行させるものであっても良い。また、上記閉塞検知動作の制御手段は、ガスファンヒータに適用することもできる。
さらに、風呂ユニット3は、浴槽A内の湯を加熱循環させたものであるが、浴槽Aに代えて、温水ファンヒータや温水床暖房等の放熱部に供給する湯を加熱循環させるものであっても良い。
18・・・閉塞検知手段
181・・・運転タイマ
182・・・停止タイマ
184・・・時間判定手段
Claims (2)
- バーナを収容する燃焼室と、前記燃焼室に連通する給気通路および排気通路と、前記給気通路を介して前記バーナの燃焼用空気を前記燃焼室へ供給するファンと、前記ファンの駆動電流を検出する電流検出手段と、前記ファンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記目標回転数設定手段によって設定された目標回転数で前記ファンを回転させるファン制御手段と、前記目標回転数を所定の閉塞検知回転数に設定して前記ファン制御手段により前記ファンを作動させ、回転数検出手段が閉塞検知回転数を検出したときに前記電流検出手段が検出する電流値に基づいて前記給気通路および排気通路の閉塞度合を検出する閉塞検知動作を実行する閉塞検知手段とを備えた燃焼装置において、
前記閉塞検知手段は、前記バーナが消火して前記ファンが停止している時間を計測する停止タイマと、
前記バーナが燃焼して前記ファンが作動している時間を計測する運転タイマと、
前記バーナが燃焼して前記ファンが作動を開始する直前の前記停止タイマの計測時間が所定の停止時間以上であり、且つ、前記バーナが燃焼して前記ファンが作動を開始した後の前記運転タイマの計測時間が所定の運転時間範囲内である場合は、前記閉塞検知動作を前記バーナの消火直後に実行させる時間判定手段とを備えた、燃焼装置。 - 請求項1に記載の燃焼装置において、
前記バーナによって加熱される熱交換器と、
前記熱交換器と前記熱交換器で加熱された温水の供給先たる温水被供給部との間に接続される温水循環管路と、
前記温水循環管路における前記熱交換器の上流側通路に設けられ、前記熱交換器への戻り湯温を検知する水温センサと、
前記水温センサによる検知温度が一定の温度範囲内でない場合に前記閉塞検知動作を禁止する戻り湯温判定手段とを備えた、燃焼装置。
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