JP3854089B2 - 放電加工プログラム作成方法および装置 - Google Patents

放電加工プログラム作成方法および装置

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工を行うための放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図24は、例えば特開平3−178731号公報に示されている、一般的な放電加工装置の全体構成図である。図24において、1は放電加工用の加工電極、2は加工対象物である被加工物、3は加工漕、4は加工漕3内に貯溜されている絶縁油などの加工液、5は加工電極1と被加工物2との間に高電圧を供給するパルス電流発生装置、8aは主軸15をZ軸方向に移動させるボールネジ、8cは被加工物2をX軸方向に移動させるボールネジ、9aはZ軸方向のボールネジ8aを回転駆動させるサーボモータ、9bはY軸方向のボールネジ(図略)を回転駆動させるサーボモータ、9cはX軸方向のボールネジ8cを回転駆動させるサーボモータ、10は各サーボモータ9a,9b,9cの駆動を加工プログラムに応じて適宜制御する数値制御装置、11は放電加工装置の上部に位置するヘッド、12はヘッド11を固定し支持している枠材であるコラム、13は放電加工装置の基台であるベッド、14bは被加工物2を加工漕3と共にY軸方向に移動させる移動テーブル、14cは被加工物2を加工漕3と共にX軸方向に移動させる移動テーブル、15は加工電極1をZ軸方向に動かす主軸、16は主軸に装着されている加工電極1を自動交換するための電極交換装置、17は電極交換動作時などに加工電極1などを掴むアーム、18は加工電極1などの各種工具が収納可能なマガジンラックである。
【0003】
次に、動作について説明する。このような構成の放電加工装置では、数値制御装置10が各サーボモータ9a、9b、9cを加工プログラムに応じて適宜駆動制御して加工を行うわけであるが、さらに、加工プログラムに電極1を交換する指令があれば、電極交換装置16を制御して加工電極1を交換して連続的に加工を行うことができる。図25に加工プログラムの例を示す。電極交換指令19(19a、19b、19c)は、例えば「T11」、「T12」、「T13」といったようにマガジンラック18の番号を含んだ形で記述される。加工プログラムを順次実行してこれら電極交換指令19に来ると、放電加工装置は一般的に以下のような動作を行う。主軸15に電極1があれば、アーム17で主軸15にある加工電極を掴んで取り出し、マガジンラック18に返却する。続いてマガジンラック18を回転させて取り出す加工電極、例えば電極交換指令が「T11」ならば11番に格納されている電極をアーム17で掴むことのできる定位置に移動させ、続いてアーム17で掴み、主軸15に取り付ける。加工プログラム中の必要な位置にこの電極交換指令19を挿入、実行することで、加工電極を交換しながら連続して加工を行うことができる。
【0004】
このような放電加工装置の問題として、加工電極1を電極交換装置16に設置していないと、この未設置の加工電極1に交換するための電極交換指令19の時点でプログラムがストップしてしまうということがある。プログラムがストップすると、再び運転するためにはプログラムを修正するかその未設置の加工電極1を設置してから、最初からスタートしなければならないため、大きなロスとなる。このことは、加工電極1を設置し忘れるような場合に問題となるが、それだけでなく、被加工物の形状に合わせて一品一品加工電極1を製作する必要がある型彫放電加工においては、一部の加工電極の製作が遅れてしまうことが多くあるため、加工電極の製作待ちによるロスという問題にも繋がる。これらのことは、使用する加工電極1が多くなるに連れて起こりやすくなるうえ、加工電極の増加に伴いプログラムも長くなるため、修正して対応するのは困難となる。
【0005】
この問題に対して、他の従来技術(特開平7−185943号公報)においては、電極交換装置の指令した番号のところに加工電極が設置されていない場合は加工をキャンセルし、設置されている場合にはそのまま交換して加工するようにして、上記した問題を解決するようにしている。この従来技術では、電極の設置し忘れや製作の遅れにより電極が揃っていない場合でも、プログラムがストップすること無く連続して加工できる。しかし一般に、複数の電極で被加工物を掘り進める放電加工においては、その加工箇所の位置関係に対応付けられた加工順序があり、通常加工プログラムはこの順序に従って作成されているため、電極が揃わないために加工をスキップして次の加工を行うと、加工不良となる可能性がある。
【0006】
このような加工順序の問題に対して、さらに他の従来技術(特開昭61−249223号公報)では、ある加工電極による加工をスキップした場合、関連する加工電極、つまりスキップした加工電極に関連した加工箇所をそれより後に加工する電極についても加工をスキップするようにして、上記した問題を解決している。この放電加工装置では、例えば図26に示すような、作業台108上にある、加工箇所A、B、C、D、Eを有するワーク110と、加工箇所E、Fを有するワーク111を加工する場合に、AからFの加工箇所をそれぞれ電極1a〜1fで加工するとすると、この場合の加工箇所はAからCのブロック、Dのブロック、Eのブロック(2個所)、Fのブロックに分けられるので、このブロックについての順序を例えば図27に示すようなコードにして各電極に付しておき、このコードを用いて加工を制御するようにしている。このコードの最初の数値はワークの種類を、次の符号は加工箇所のブロックを、最後の数値は同一ブロックにおける加工順序を示す。このようなコードを用いることにより、例えば電極1aの加工がパスされた場合には、同一の加工箇所ブロックで電極1aよりも加工順序が後となっている電極1b、1cについても加工をスキップするよう判断・制御できるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来技術(特開昭61−249223号公報)においては、一つの加工箇所ブロック内では直列的な順序関係しか表現できず、また複数のブロックにまたがる加工箇所についても表現できないという問題がある。例えば図28のような加工箇所を持つワークに対しては、うまく加工順序を表現することができないということになる。
【0008】
図28のワーク110において、従来技術(特開昭61−249223号公報)に従って加工順序を図29のようなコードに記述するとする。実際には、電極1cは電極1aの加工が終了していれば、電極1bをスキップしたとしても加工可能であるが、直列的な順序表現のために電極1bがスキップされたら電極1c、1dもともにスキップされてしまい、時間的な無駄が発生する。また、電極1fのように、AからDのブロックとEのブロックとにまたがるような加工位置を持つ電極については、加工順序として図29のようにEのブロックに属するとしてコードを記述してしまうと、電極1aがスキップされた際には加工してはいけないはずが、電極1eさえ加工できていれば加工してしまうことになる。
【0009】
なお、この問題については、もしも前記従来技術(特開昭61−249223号公報)に示されている放電加工装置が、図30に示すような書式を許すとすれば解決可能となる。図30では、電極1a−1b、1a−1c−1dという電極1aから分かれる並列の順序を別のA、Bという加工箇所ブロックとして表現した。また、電極1a−1f、1e―1fという電極1fに収束する並列の順序を別のC、Eという加工箇所ブロックとして表現した。結果、電極1aについては一つの加工について3つの加工箇所ブロックの定義がなされていることになる。電極1aがスキップされた場合に、A、B、Cの3つの加工箇所ブロック定義を辿って下位の順序の電極をスキップできるのであれば、並列的な順序についても正しく加工できる。しかし、図30のように、繰り返し電極1aについて、順序定義することは煩雑であるし、設定のミスなどにも繋がるので、未だ問題である。
【0010】
つまり、加工する順序について、上位・下位ともに複数の電極を定義することを許した定義をいかに実現するかが極めて重要な課題となる。例えば、図28に示した加工については、例えば図31に示すツリー構造で示されるような順序定義が求められる。
【0011】
また、一般に放電加工では、一つの加工を複数の電極に分けて段階的に加工することで、電極消耗の影響を少なくして加工精度を上げる方法が取られることが多い。このような場合、一般に1本目を荒加工電極、2本目以降を仕上げ加工電極と呼ぶ。この荒−仕上げの順序関係は、電極の出来上がり精度によって決められているため逆転することができないので順序定義しておくことが求められるが、加工によっては荒段階だけを先に加工したり、一つの加工について荒・仕上げと加工段階を進めたりするため、加工箇所による順序とは区別して順序を管理することが求められる。
【0012】
また別の問題としては、スキップ後の加工の問題がある。前記2つの従来技術(特開平7−185943号公報、特開昭61−249223号公報)では、一度目の加工でスキップした電極による再加工を行うことに関しての記載はない。このような再加工の際には、スキップした電極だけを加工するような加工プログラムを作成し直すか、あるいは加工が終了した電極はすべて外して加工を実行するかのいずれかを採る必要がある。前者の方法では、プログラムを作成する手間が必要であるという問題があり、後者の方法では加工精度を追い込む追加工を行う場合や同型の多数ワークについて同じ加工を行う場合に、電極を設置し直す必要があるという問題がある。つまり、スキップを前提とすれば、同じプログラムで繰り返し加工することを考慮しなければならず、その場合には電極についての加工履歴を記録し、繰り返しの加工において今度は加工済み電極をスキップするような手段が求められるうえ、追加工などの場合は、必要に応じて加工済みでも加工可能とすることも求められる。
【0013】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、全ての電極が揃っていない状態において、揃っていない電極についての加工をスキップできるようにすることはもちろん、複雑で並列的な加工順序を持つ場合にもそれに従って加工電極を無駄無く選択し、かつ後にスキップされた電極によって加工しようとする際にも加工済みの電極をスキップするなどしてロスなく加工を実施する事が可能な放電加工プログラム作成方法および装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明にかかる放電加工プログラム作成方法は、複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工するための放電加工プログラム作成方法において、複数の加工電極を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工電極が各加工電極別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工となる加工電極を示す前後加工電極データを加工電極毎に作成するステップと、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを加工電極毎に作成するステップと、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを加工電極毎に作成するステップと、これら前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて、当該放電加工で加工可能な加工電極を選択するステップとを備え、前記加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、複数の加工電極を定義することが許されて記述された加工順序情報に基づき自身の前後の加工となる加工電極を示す前後加工電極データを作成する。つぎに、電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを作成する。さらに、電極加工履歴情報に基づき加工履歴を示す加工履歴データを作成する。そして、これら前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて当該放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成するようにしており、これにより複雑で並列的な加工順序を持つ場合にもそれに従って加工電極を無駄無く選択でき、また後にスキップされた電極によって再加工しようとする際にもロスなく加工を実施する事が可能となる。
【0016】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法は、上記発明において、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するステップをさらに備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するようにしており、これにより加工プログラム作成し直す手間が省け、加工プログラムを再利用できるようになる。
【0018】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法は、上記発明において、前記実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新するステップをさらに備え、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新するステップをさらに備え、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成するようにしており、これによりスキップされた電極で再加工する場合に、過不足の無い加工を実行できる。
【0020】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法は、1つの加工箇所が複数の加工電極を用いて複数の工程で加工され、加工電極を交換しながら複数の加工箇所を連続して放電加工するための放電加工プログラム作成方法において、複数の加工箇所を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工箇所が各加工箇所別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工箇所を示す前後加工箇所データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成するステップと、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成するステップと、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成するステップと、これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択するステップとを備え、前記加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、1つの加工箇所を複数の加工電極を用いて複数の工程で加工する放電加工に適用される。この発明においては、複数の加工電極を定義することが許されて記述された加工順序情報に基づき自身の前後の加工となる加工箇所を示す前後加工箇所データを作成する。つぎに、電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを作成する。さらに、電極加工履歴情報に基づき加工履歴を示す加工履歴データを作成する。そして、これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する。これによりこの発明によれば、工程の前後関係を含めた加工順序を守ってスキップ加工、スキップ後加工を実現できる。
【0022】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置は、複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工するための放電加工プログラム作成装置において、複数の加工電極を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる電極が各加工電極別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工となる電極を示す前後加工電極データを加工電極毎に作成し、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを加工電極毎に作成し、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき加工履歴を示す加工履歴データを加工電極毎に作成し、これら作成した前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて当該放電加工で加工可能な電極を選択する電極選択手段と、該電極選択手段による加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて当該放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成するようにしており、これにより複雑で並列的な加工順序を持つ場合にもそれに従って加工電極を無駄無く選択でき、また後にスキップされた電極によって再加工しようとする際にもロスなく加工を実施する事が可能となる。
【0024】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置は、上記発明において、前記放電加工プログラム作成手段は、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するようにしており、これにより加工プログラム作成し直す手間が省け、加工プログラムを再利用できるようになる。
【0026】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置は、上記発明において、前記実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新する加工履歴情報更新手段と、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新する電極設置状況更新手段をさらに備え、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて当該放電加工で加工可能な電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、当該放電加工での実行用加工プログラムを作成することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新し、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成するようにしており、これによりスキップされた電極で再加工する場合に、過不足の無い加工を実行できる。
【0028】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置は、1つの加工箇所が複数の加工電極を用いて複数の工程で加工され、加工電極を交換しながら複数の加工箇所を連続して放電加工するための放電加工プログラム作成装置において、複数の加工箇所を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工箇所が各加工箇所別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工箇所を示す前後加工箇所データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成し、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成し、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを前記工程別に階層化された加工電極毎に作成し、これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて、加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択する電極選択手段と、該電極選択手段による加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、1つの加工箇所を複数の加工電極を用いて複数の工程で加工する放電加工に適用される。この発明においては、複数の加工電極を定義することが許されて記述された加工順序情報に基づき自身の前後の加工となる加工箇所を示す前後加工箇所データを作成する。つぎに、電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを作成する。さらに、電極加工履歴情報に基づき加工履歴を示す加工履歴データを作成する。そして、これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する。これによりこの発明によれば、工程の前後関係を含めた加工順序を守ってスキップ加工、スキップ後加工を実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放電加工プログラム作成方法および装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電極選択のための機能構成を示すブロック図である。この実施の形態1では、先の図24に示した放電加工装置に本発明を適用するようにしている。
【0032】
図1において、20は加工順序情報、21は電極設置状況情報、22は電極加工履歴情報であり、これらの情報は数値制御装置10(この場合は図示しない)に付随するメモリ上にあっても良いし、パソコンなどの別の装置内のメモリにあっても良い。23は電極選択手段であり、加工順序情報20、電極設置状況情報21、電極加工履歴情報22に基づいて現時点で加工可能な電極を選択する手段である。24は電極選択手段により加工可能と選択された電極のリストが示された選択電極リストである。電極選択手段23は、各種のコンピュータで実行可能なソフトウェアプログラムである。
【0033】
ここで、図2に加工順序情報20の例を示す。この図2の加工順序情報は、先の図28に示した加工の例に基づくものである。この例では、AからFまでの6種類の電極がある。それぞれについて、自分の直前に加工しなければならない電極(以下、前加工電極と呼ぶ)を定義する。前加工電極の無いA、Eについては、空白や「−」などによって前加工電極が存在しないことを定義する。ここで、電極AはB、C、Fの3種類の電極に対して前加工電極となっている。また、電極Fには前加工電極にA、Eの2種類の電極を定義する。このように、加工順序情報20は、加工する順序を上位、下位ともに複数の電極を定義することを許して記述するものである。すなわち、この加工順序情報20においては、加工順序が自身の直前となる電極が存在する場合は、それらの電極をその個数分だけ記述し、加工順序が自身の直前となる電極が存在しない場合にはその個数が0であることが判る形式で記述している。
【0034】
図3に電極設置状況情報21の例を示す。この例では、電極設置状況情報21には、電極種類とマガジンラック18(図24)の番号(表中「マガジン番号」)との対応と、各マガジンでの電極の設置状況(有りを○、無しを×)とを備えさせている。電極種類とマガジン番号の対応については、別の対応表としても良いし、加工順序情報20を含めて電極種類の記号をマガジン番号で表すことで対応関係を簡潔に表現することもできる。この例では、マガジン番号「11、「12」、「14」、「16」に電極が設置されているものとする。このように、電極設置状況情報は、当該電極が放電加工装置(電極交換装置16、図24参照)に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述されたものである。
【0035】
図4に電極加工履歴情報22の例を示す。この例では、AからFの6種類の電極について、例えば加工済みであれば「済」、未加工ならば「未」と表現する。このように、電極加工履歴情報は、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述されたものである。
【0036】
これらの情報に基づいて電極選択手段23が加工可能な電極を選択する方法を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
まず、電極選択手段23は、電極種類毎に、図6の25a〜25fに示されるような構造の電極データを作成する(ステップS1)。電極データのデータ項目としては、自身の電極種類、前加工電極、後加工電極、マガジン番号、設置状況、加工履歴、および加工ON/OFFがあり、作成時には加工ON/OFFの初期値として「ON」を設定しておく。電極の並列加工順序は、各電極データ25a〜25fを結ぶツリー構造として記述されている。
【0038】
つぎに、電極選択手段23は、加工順序情報20を用いて電極データの「前加工電極」データを埋める(ステップS2)。ここで、「前加工電極」のない、つまり最初に加工できる電極については「前加工電極」データを「−」とする。つづいて、「前加工電極」データを元に、電極データの「後加工電極」データを埋める(ステップS3)。「前加工電極」データおよび「後加工電極」データを含めて「前後加工電極データ」という。
【0039】
図2〜図4の例に基づいて「後加工電極」データを作成すると、図6のようになる。例えば、電極B、C、Fの電極データ25b、25c、25fには「前加工電極」として電極Aが記されるので、電極Aの電極データ25aには「後加工電極」データとして電極B、C、Fが記されることになる。同様に、電極Cの電極データ25cには「後加工電極」データとして電極Dが記され、電極Eの電極データ25eには「後加工電極」データとして電極Fが記されることになる。
【0040】
なお、図2に示す加工順序情報20では、自身の直前に加工する電極ではなく、直後に加工する電極を定義するようにしても、「後加工電極」データを元に「前加工電極」データを作成することで、全く同様の電極データを作成することができる。
【0041】
続いて電極選択手段23は、図3に示した電極設置状況情報21を元に各電極データの「マガジン番号」および「設置状況」データを埋め(ステップS4)、さらに図4に示した電極加工履歴情報22を元に各電極データの「加工履歴」データを埋める(ステップS5)。図2〜図5の例に基づいて電極データを作成すると、図7のようになる。
【0042】
最後に、電極選択手段23はここまで作成された各電極データ25aから25fを元に、加工可能な電極を選択して「加工ON/OFF」データを作成する(ステップS6)。「ON」が現段階で加工可能な電極であることを示す。
【0043】
このステップS6での処理についての詳細を図8のフローチャートに示す。まず加工順序の先頭となる電極(以下、加工先頭電極と呼ぶ)、つまり「前加工電極」データが「−」となる電極データを検索する(ステップJ1)。ここで、未処理の加工先頭電極が無ければ処理を終了するが、未処理の加工先頭電極があれば、フラグFlowFlagを1とする(ステップS7)。ここで、FlowFlagは現在処理している電極データの前加工電極が加工ONであるかまたは加工済であることを示すフラグであり、つまりは現在処理している電極データ自身が加工ONになり得ることを示す。ここでは、前加工電極が加工ONまたは加工済であればFlowFlag=1とし、そうでなければFlowFlag=0とする。加工先頭電極では前加工電極が無いため、常にFlowFlag=1となる。
【0044】
つぎに、当該加工電極のFlowFlagが1かどうかを調べる(ステップJ2)。FlowFlagが1でない場合は、自身は加工できないためON/OFF判定は「OFF」となり、FlowFlagをそのまま0とする(ステップS10)。
【0045】
ステップJ2の判定でFlowFlagが1である場合は、続いて自身の加工履歴が「未」かどうかを調べる(ステップJ3)。「未」でない、つまり加工済みであればON/OFF判定は「OFF」となるが、FlowFlagは1となる(ステップS9)。
【0046】
ステップJ3の判定で加工履歴が「未」である場合は、続いて自身の設置状況が「○」かどうかを調べる(ステップJ4)。「○」でない、つまり設置できていなければ、ON/OFF判定は「OFF」となり、FlowFlagは0となる(ステップS10)。設置できていれば、ON/OFF判定は「ON」とり、FlowFlagは1となる(ステップS8)。
【0047】
自身のON/OFF判定およびFlowFlagの更新(ステップS8〜S10)後、後加工電極の処理に移る。自身から処理を辿っていない後加工電極の有無を調べ(ステップJ5)、有るならばその電極データを呼び出して次の判定対象とする(SステップS11)。自身から処理を辿っていない後加工電極が無い場合は、処理を順序の下流に辿れないので遡る必要があり、つぎに前加工電極があるかどうかを調べる(ステップJ6)。前加工電極がある場合には、その前加工電極からステップS11を経て自身の判定が行われているので、その前加工電極のデータおよびそのフラグFlowFlagを呼び出して処理対象とする(ステップS12)。前加工電極もなければ(ステップJ6)、次の加工順序先頭電極の検索に戻る。
【0048】
図2〜図4に示した例に基づいて図8の処理の具体例を説明する。まずこの場合は加工順序先頭電極の検索(ステップJ1)によって電極Aから処理を開始する。電極AはFlowFlag=1、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので加工「ON」、FlowFlag=1となる(ステップS8)。つづいてステップJ5、S11によって電極Bの電極データを処理対象としてステップJ2へ戻る。
【0049】
電極Bの場合は、FlowFlag=1、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので加工「ON」、FlowFlag=1となるが(ステップS8)、ステップJ5では後加工電極がないため、ステップJ6、S12の処理によって電極Aの電極データおよびFlowFlagを呼び出して、再度ステップJ5の処理を行う。電極Aから辿っていない後加工電極には次に電極Cがあるので、ステップS11の処理によって電極Cの電極データを呼び出してステップJ2へ戻る。
【0050】
FlowFlagは電極Aからのもののため1であるが、電極Cは設置状況「×」のため、加工「OFF」、FlowFlag=0となる(ステップS10)。ステップJ5、S11を経てつぎに電極Dの電極データの処理に移る。電極Dの場合は、FlowFlag=0であるため加工「OFF」、FlowFlag=0となる(ステップS10)。つまり電極Dは設置状況「○」であるが電極CがOFF(FlowFlag=0)のため加工「OFF」となることになる。
【0051】
電極Dの電極データの処理後、ステップJ6、S12での処理を繰り返してまた電極Aの電極データおよびFlowFlag(=1)に戻り、まだ辿っていない後加工電極の電極Fへ処理を進める(ステップS11)。電極Fの場合は、FlowFlag=1、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので加工「ON」となる(ステップS8)。再度電極Aの電極データに戻るが、すでに自身から辿っていない後加工電極はなく、前加工電極も無いため、つぎにステップJ6を経て加工先頭電極の検索処理に移る(ステップJ1)。ステップJ1、S7を経て続いて電極Eの電極データを処理する。
【0052】
電極Eは設置状況「×」のため、加工「OFF」、FlowFlag=0となる(ステップS10)。さらにステップJ5、S11を経て後加工電極の電極Fの電極データへと処理が移る。
【0053】
ここで、電極Fは電極Aから始まった処理においては加工「ON」となっていたが、この時点で再度判定される。このときには、FlowFlag=0であるため、ステップJ2、S10を経て加工「OFF」となる。
【0054】
このように、複数の電極を前加工電極に設定していると複数回の判定を行うが、このとき、一度でも「OFF」と判定されればその電極は加工できないので、後の判定で「ON」となってもデータとしては「OFF」のままでいなければならない。このためには、例えばONを1、OFFを0で表現し、初期値をON=1として、判定後の更新の際にデータを現在値と新たな判定値との論理積として設定するようにすれば、一度でも「OFF(0)」と判定されれば最終的に「OFF」となる。
【0055】
電極Fの処理が終わると、後加工電極が無いため、ステップJ6、S12を経てステップJ5での電極Eについての処理に戻る。電極Eの場合は、別の後加工電極が無く前加工電極も無いため、ステップJ6からステップJ1に戻る。ステップJ1では、未処理の加工先頭電極が無いため、処理終了となる。この結果、電極データは図9に示すような状態となる。
【0056】
このようにして得られた電極データを元に、電極選択手段23は選択電極リスト24を作成する。選択電極リスト24は、例えば図10に示すようなマガジン番号によるリストで表現する。図9に示した状態の電極データでは、電極AとB、つまり、マガジン番号11と12の電極が「ON」となるため、図10に示したようにT11とT12からなるリストとなる。そして、このような選択電極リスト24を用いて今回の放電加工用の放電加工プログラムが作成されることになる。
【0057】
このようにこの実施の形態1においては、加工する順序を上位、下位共に複数の電極を定義することを許して記述した加工順序情報20、電極設置状況情報21および電極加工履歴情報22に基づいて作成したツリー構造に対応する記述の電極データに基づいて加工可能な電極を選択し、この選択結果に基づいて放電加工用プログラムを作成するようにしたので、複雑で並列的な加工順序を持つ場合でもそれに従って加工電極を無駄無く選択でき、また後にスキップされた電極によって再加工しようとする際にもロスなく加工を実施する事が可能となる。また、設置未完の電極や、加工が終了している電極があってもそれらを確実にスキップし、かつスキップしたことで加工する順序を間違えてしまうということもなくなる。
【0058】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図11は、この発明の実施の形態2による放電加工プログラム作成の機能構成を示すブロック図である。図11においては、図1に示したものと同一機能を達成する構成要素については同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0059】
図11において、26は加工プログラムであり、例えば先の図25に示したようなNC言語で書かれたプログラムである。この加工プログラム26は、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成されたプログラムである。27は実行用加工プログラム作成手段であり、28は実行用加工プログラム作成手段27により作成された実行用加工プログラムである。
【0060】
実行用加工プログラム作成手段27は、加工プログラム26から、電極選択手段23から出力された選択電極リスト24にはない電極を加工する部分を削除して、実行用加工プログラム28を作成する。一般に、複数の電極で加工を行う場合のプログラムでは、マガジン番号による電極交換指令19(図25参照)から次の電極交換指令19までがそのマガジンに装着された電極についての加工プログラム部分であり、例えば図25の電極交換指令19aから19bまでが電極T11で加工する部分のプログラムである。よって、選択電極リスト24にない電極によって加工される部分は容易に確認でき、その部分を削除することで現在加工可能な電極だけを加工する実行用加工プログラム28を作成できる。
【0061】
この実行プログラムを数値制御装置10(図示しない)上で実行させることで、加工不可能な電極をスキップし、加工可能な電極だけを選択した加工を実施できる。
【0062】
例えば実施の形態1で説明した電極選択方法によって図10で示したような選択電極リスト24が作成された場合には、実行用加工プログラム28はT11およびT12のみを加工するようなプログラムとなる。
【0063】
このようにこの実施の形態2では、複数の加工電極全てを用いて連続して放電加工するような加工プログラムに対し加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するようにしているので、実行用加工プログラムとマスターとなる加工プログラムが別となり、加工プログラムにより別の加工装置で同様な加工を行う場合、スキップするべき電極の選択が変わるような場合、スキップしなければならない原因を解消した状態で追加工する場合などにおいて、加工プログラムを再利用できるようになる。
【0064】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。図12は、この発明の実施の形態3による放電加工プログラム作成の機能構成を示すブロック図である。図12において、図24、図1、および図11に示したものと同一機能を達成する構成要素については同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0065】
図12において、放電加工装置の数値制御装置10は、加工済みの電極のマガジン番号をリストにした加工済電極リスト29を出力する。また、電極交換装置16は、電極が設置してあるマガジン番号をリストにした設置電極リスト30を出力する。31は加工済電極リスト29を元に電極加工履歴情報22を更新する電極履歴情報更新手段であり、32は設置電極リスト30を元に電極設置状況情報21を更新する電極設置状況更新手段である。
【0066】
このような構成によると、一旦、加工できない電極をスキップする実行用加工プログラム28により加工を行った後で、電極交換装置16に設置されていなかった電極が新たに設置されたような場合に、新たに加工可能な電極を選択して別の実行用加工プログラム28を作成し、先にスキップした電極により加工することができる。
【0067】
先の実施の形態1,2の場合は、最初の放電加工の際には、電極選択手段23は、図9および図10に示したように、電極AとB、つまりマガジン番号T11とT12から成る選択電極リスト24を出力する。したがって、実行用加工プログラム作成手段27は、電極AおよびBによって加工する部分のみを含む実行用加工プログラムを作成する。この実行用加工プログラムが数値制御装置10上で実行されることで、加工不可能な電極に関する加工をスキップし、加工可能な電極A,Bだけを選択した加工を実施できる。
【0068】
この加工後、数値制御装置10は図13に示すような加工済電極リスト29を作成する。加工済電極リスト29は、数値制御装置10の電極交換指令19をモニタし、取り外された電極のマガジン番号を得ると同時に更新したり、加工終了したプログラムを解析して加工を実行した電極マガジン番号を得るといった方法により作成することができる。加工履歴情報更新手段31は、この加工済み電極リスト29に記載されている電極については、電極設置状況情報21に記載された電極種類とマガジン番号との対応関係に従って、電極加工履歴情報22を図4から図14のように「未加工」から「加工済み」に更新する。
【0069】
また、電極設置状況更新手段32は、設置電極リスト30に従って電極設置状況情報21を更新する。設置電極リスト30は、作業者が電極をマガジンラックに投入した際に作業者自身が作成しても良いが、例えば近接センサなどをマガジンラックに備えることで、投入または取り出された際の信号の変化をトリガとして利用することで作成・更新する方法なども取ることができる。電極設置状況更新手段32は、この設置電極リスト30の更新をモニタし、更新され次第、電極設置状況情報21を更新する。
【0070】
例えば、実施の形態1では設置されていなかった電極C、Eが投入されると、電極設置状況更新手段32は電極設置状況情報21を図3から図15のように更新する。
【0071】
図2に示した加工順序情報20、図14に示した電極加工履歴情報22および図15に示した電極設置状況情報21に基づいて、加工電極選択手段23が図5に示した前述のステップS1からステップS5までの処理を実施して電極データを作成すると、図16のようになる。さらに、図5のステップS6の加工ON/OFF判定処理(詳細は図8参照)を実施すると、例えば電極Aは加工履歴「済」のため「OFF」となるが、FlowFlag=1となる(図8ステップS9)。電極Aの後加工電極である電極Cや電極Dは、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので、加工「ON」となる。また、電極E、Fについても、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので、加工「ON」となる。この結果、電極データは図17のようになる。先の加工で加工された加工済みの電極A、Bは加工「OFF」となり、スキップされた電極C〜Fが加工「ON」となり、図18に示すような選択電極リスト24が作成されることになる。
【0072】
この図18に示す選択電極リスト24を元に実行用加工プログラム作成手段27が実行用加工プログラム28を作成すれば、今度は先の加工でスキップされた電極C、D、E、Fのみを加工するプログラムとなり、これを数値制御装置10で実行することで実際にスキップした電極C、D、E、Fによる加工が行われることになる。
【0073】
このようにこの実施の形態3では、実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報22を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報21を更新し、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成するようにしているので、スキップ加工を行った後でスキップされた電極で再加工する場合に、過不足の無い加工を実行できる。
【0074】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。図19は、この発明の実施の形態4における、電極選択手段23での加工ON/OFF判定処理(図5ステップS6)を示すフローチャートである。この実施の形態4では、一つの加工箇所を複数の電極によって複数の工程で段階的に加工する場合に適用されるものである。
【0075】
一般に放電加工では、一つの加工を複数の電極に分割して加工する場合が多く、1本目を荒加工電極、2本目以降を仕上加工電極などと呼ぶ。この、1本目、2本目の順番については、加工箇所による順序に対して階層的に扱うことで、先の実施の形態1,2と同様な方法で対処できる。
【0076】
ここで、この実施形態4の場合、先の図2に示した加工順序情報20は、加工電極の順番ではなく、「加工箇所」A〜Fの順番を記述していることになる。そして、例えば、加工箇所A、C〜Fで使用される電極が夫々2本、加工箇所Bで使用される電極が3本であるとすると、電極設置状況情報21を図20のように表す。ここで、例えば、A−1は加工箇所Aでの1本目の(工程1での)電極、A−2は加工箇所Aでの2本目の(工程2での)電極、B−3は加工箇所Bでの3本目の(工程3での)電極を表している。また、この場合、電極加工履歴情報22は図21のように表される。
【0077】
電極選択手段23は、各工程毎(工程1,2,3毎に)にかつ各電極毎に電極データを作成する。1本目の工程を工程1と呼び、2本目の工程を工程2と呼び、3本目の工程を工程3と呼ぶ。図22は、加工順序情報20、電極設置状況情報21、電極加工履歴情報22がそれぞれ図2、図20、図21のような場合において、先の図8で示したステップS1〜ステップS5の処理を行った結果作成される工程1についての電極データである。また、この場合には、加工箇所Bでは電極が3本使用されるので、工程3についての電極データまで作成される。図23は工程3についての電極データを示すものである。図23において、工程3での加工が無い電極については、マガジン番号、設置状況、加工履歴は「−」として加工が無いことを表している。
【0078】
図22または図23に示すように、電極データのデータ項目としての「前加工電極データ」および「後加工電極データ」には、自身の前後の加工箇所を示すデータが記述される。したがって、実施の形態4における「前加工電極データ」および「後加工電極データ」を「前後加工箇所データ」ともいうことにする。
【0079】
図19を参照して、一つの加工箇所を複数の電極に分割して加工する場合における加工ON/OFF判定処理(図5ステップS6)を説明する。この図19に示す処理では、加工順序と工程順の両方が守られて加工可能か否かが判断される。図19では、図8と同じまたは同等の機能を持つ各ステップについては同じ符号を付している。この図19では、S13〜S15、J8,J9の各ステップが図8のフローチャートに追加されている。
【0080】
図22および図23に示したように、電極データが工程別に階層化されているので、始めに、変数(工程数)iに1を代入して、上位の階層(工程)から判定していく(ステップS13)。ステップJ7では、工程iの電極データの有無をチェックし、無ければ終了となる。
【0081】
ステップS14で、工程iの電極データを処理対象に設定した後、先の実施の形態1と同様に、加工先頭電極の検索を行う(ステップJ1)。これ以降の処理については、先の実施の形態1と同等の部分がほとんどであり、ステップJ8およびJ9の処理が加わっている点のみが異なっている。
【0082】
ステップJ8では、自身の現工程での設定があるかどうか、つまり、i本目の電極があるかどうかを調べる。この例では、マガジン番号の設定があるかどうかを調べている。マガジン番号の設定がない場合は、この工程において後加工電極の加工は可能であるとして、処理S9にてFlowFlagを1とするとともに、この場合ではON/OFF判定の意味はないが、加工「OFF」としておく(ステップS9)。例えば、加工順序情報20(図2)、電極設置状況情報21(図20)、電極加工履歴情報22(図21)に基づいて作成される図23に示す工程3の電極データの処理においては、電極A-3については現工程の設定が無いため、ステップS9での処理によってFlowFlag=1となり、その後ステップJ5、S11を経て電極B-3の処理に進む。電極B-3では、FlowFlag=1、加工履歴「未」、設置状況「○」であるので、ステップJ2、J8、J3、J4と進み、前工程の電極B-2が加工「ON」や加工履歴「済」となっていれば(ステップJ9)、ステップS8にて加工「ON」と判定される。
【0083】
また、ステップJ9では、前工程の電極の有無、前工程の加工ON/OFF結果、および前工程の加工履歴データを調べて、工程順に従った加工ON/OFF判定を行う。例えば、電極A-2のデータについて処理している際には、電極A−1のデータを調べる。工程1である場合など前工程の電極が無い場合、もしくは前工程の電極が加工「ON」の場合、もしくは加工履歴が「済」の場合には、現工程の電極は加工可能であると考え、ステップS8によって加工「ON」、FlowFlag=1とする。そうでない場合には、前工程の電極が加工されていない状態であるため、加工「OFF」とし、後加工電極についても加工できないようにするためにFlowFlag=0とする(ステップS10)。例えば、加工順序情報20、電極設置状況情報21、電極加工履歴情報22がそれぞれ図2、20、21のような場合、電極F−2の処理では、現工程の階層データからステップJ4の判定がYESとなるが、それ以前に、設置状況「×」である前工程電極F−1が工程1の階層の加工ON/OFF判定によって加工「OFF」となっているため、ステップJ9の判定がOとなり、加工「OFF」となる。
【0084】
上記のように、この実施の形態4では、工程別に加工ON/OFFを判定し、かつ前工程の電極データを検証するようにして、加工順序と工程順序を考慮した判定を行うようにしているので、荒加工、仕上げ加工といった工程順の加工を行う場合でも、工程の前後関係を含めた加工順序を守ってスキップ加工、スキップ後加工を実現できる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明にかかる放電加工プログラム作成方法によれば、複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工するうえで、複数の加工電極を加工する順序として、各電極に対して加工順序が自身の直前となる電極を単数または複数定義するかもしくは直前となる電極が存在しない場合には定義しないという形式で記述した加工順序情報と、電極交換装置に設置済みかもしくは未設置かを各電極別に記述した電極設置状況情報と、加工が終了したかもしくは未終了かどうかを各電極別に記述した電極加工履歴情報とに基づいて加工可能な電極を選択し、この選択結果に基づいて放電加工用プログラムを作成するようにしたので、複雑で並列的な加工順序を持つ場合にもそれに従って加工電極を無駄無く選択でき、また後にスキップされた電極によって再加工しようとする際にもロスなく加工を実施する事が可能となる。すなわち、設置未完の電極や、加工が終了している電極があってもそれらを確実にスキップし、かつスキップしたことで加工する順序を間違えてしまうということもなくなる。また並列に記述した加工順序を用いることでスキップによる無駄を最小限にして放電加工をなし得る。
【0086】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法によれば、複数の加工電極全てを用いて連続して放電加工するような加工プログラムに対し加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するようにしているので、実行用加工プログラムとマスターとなる加工プログラムが別となり、加工プログラムにより別の加工装置で同様な加工を行う場合、スキップするべき電極の選択が変わるような場合、スキップしなければならない原因を解消した状態で追加工する場合などにおいて、加工プログラムを再利用できるようになる。
【0087】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法によれば、実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新し、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成するようにしているので、スキップ加工を行った後でスキップされた電極で再加工する場合に、過不足の無い加工を実行できる。
【0088】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成方法によれば、荒加工、仕上げ加工といった工程別を含めて加工電極に関する情報を記述し、電極選択の際に加工可能か否かを判定するうえで前工程となる電極の情報を含めて判定するようにしたので、工程の前後関係を含めた加工順序を守ってスキップ加工、スキップ後加工を実現できる。
【0089】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置によれば、前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて当該放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成するようにしており、これにより複雑で並列的な加工順序を持つ場合にもそれに従って加工電極を無駄無く選択でき、また後にスキップされた電極によって再加工しようとする際にもロスなく加工を実施する事が可能となる。すなわち、設置未完の電極や、加工が終了している電極があってもそれらを確実にスキップし、かつスキップしたことで加工する順序を間違えてしまうということもなくなる。
【0090】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置によれば、複数の加工電極全てを用いて連続して放電加工するような加工プログラムに対し加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するようにしているので、実行用加工プログラムとマスターとなる加工プログラムが別となり、加工プログラムにより別の加工装置で同様な加工を行う場合、スキップするべき電極の選択が変わるような場合、スキップしなければならない原因を解消した状態で追加工する場合などにおいて、加工プログラムを再利用できるようになる。
【0091】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置によれば、実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新し、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成するようにしているので、スキップ加工を行った後でスキップされた電極で再加工する場合に、過不足の無い加工を実行できる。
【0092】
つぎの発明にかかる放電加工プログラム作成装置によれば、荒加工、仕上げ加工といった工程別を含めて加工電極に関する情報を記述し、電極選択の際に加工可能か否かを判定するうえで前工程となる電極の情報を含めて判定するようにしたので、工程の前後関係を含めた加工順序を守ってスキップ加工、スキップ後加工を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる放電加工プログラム作成方法および装置の実施の形態1の概念的構成を示すブロック図である。
【図2】 加工順序情報を例示する図である。
【図3】 電極設置状況情報を例示する図である。
【図4】 電極加工履歴情報を例示する図である。
【図5】 電極選択手段での処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態1において、電極選択手段によって作成された電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1において、電極選択手段によって作成される電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態1、2において、電極選択手段が処理のうちの加工ON/OFF判定処理を例示するフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態1において、電極選択手段によって作成される電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態1における選択電極リストの例を示す図である。
【図11】 本発明にかかる放電加工プログラム作成方法および装置の実施の形態2の概念的構成を示すブロック図である。
【図12】 本発明にかかる放電加工プログラム作成方法および装置の実施の形態3の概念的構成を示すブロック図である。
【図13】 本発明の実施の形態3における加工済電極リストの例を示す図である。
【図14】 更新された電極加工履歴情報を例示する図である。
【図15】 更新された電極設置状況情報を例示する図である。
【図16】 本発明の実施の形態3において、電極選択手段によって作成され電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図17】 本発明の実施の形態3において、電極選択手段によって作成され電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態3における選択電極リストを例示する図である。
【図19】 本発明の実施の形態4において、電極選択手段が行う処理のうちの加工ON/OFF判定処理を例示するフローチャートである。
【図20】 本発明の実施の形態4における電極設置状況情報を例示する図である。
【図21】 本発明の実施の形態3における電極加工履歴情報を例示する図である。
【図22】 本発明の実施の形態4において、電極選択手段によって作成された電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態4において、電極選択手段によって作成された電極データのある処理段階での例を示す図である。
【図24】 放電加工装置の構成を示す図である。
【図25】 NCプログラムの例を示す図である。
【図26】 放電加工の加工例を示す図である。
【図27】 従来の放電加工装置における電極の加工順序を表すコードの例を示す図である。
【図28】 放電加工の加工例を示す図である。
【図29】 図28の加工例に対して、従来の放電加工装置におけるコードを用いて表した加工順序の例を示す図である。
【図30】 図29とは別の考え方で表した加工順序の例を示す図である。
【図31】 放電加工電極の加工順位をツリー構造で表現した図である。
【符号の説明】
1 加工電極、2 被加工物、3 加工漕、4 加工液、5 パルス電流発生装置、8a ボールネジ、8c ボールネジ、9a サーボモータ、9b サーボモータ、9c サーボモータ、10 数値制御装置、11 ヘッド、12 コラム、13 ベッド、14b 移動テーブル、14c 移動テーブル、15 主軸、16 電極交換装置、17 アーム、18 マガジンラック、19 電極交換指令、20 加工順序情報、21 電極設置状況情報、22 電極加工履歴情報、23 電極選択手段、24 選択電極リスト、25 電極データ、26 加工プログラム、27 実行用加工プログラム作成手段、28 実行用加工プログラム、29 加工済電極リスト、30 設置電極リスト、31 加工履歴情報更新手段、32 電極設置状況更新手段。

Claims (8)

  1. 複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工する放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成方法において、
    複数の加工電極を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工電極が各加工電極別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工となる加工電極を示す前後加工電極データを加工電極毎に作成するステップと、
    放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを加工電極毎に作成するステップと、
    加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを加工電極毎に作成するステップと、
    これら前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて、当該放電加工で加工可能な加工電極を選択するステップと、
    を備え、前記加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成することを特徴とする放電加工プログラム作成方法。
  2. 全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで、加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の放電加工プログラム作成方法。
  3. 前記実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新するとともに、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新するステップをさらに備え、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な加工電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成することを特徴とする請求項2に記載の放電加工プログラム作成方法。
  4. 1つの加工箇所が複数の加工電極を用いて複数の工程で加工され、加工電極を交換しながら複数の加工箇所を連続して放電加工するための放電加工プログラム作成方法において、
    複数の加工箇所を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工箇所が各加工箇所別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工箇所を示す前後加工箇所データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成するステップと、
    放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成するステップと、
    加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成するステップと、
    これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて、加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択するステップと、
    を備え、前記加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成することを特徴とする放電加工プログラム作成方法。
  5. 複数の加工電極を交換しながら連続して放電加工する放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成装置において、
    複数の加工電極を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる電極が各加工電極別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工となる電極を示す前後加工電極データを加工電極毎に作成し、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを加工電極毎に作成し、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき加工履歴を示す加工履歴データを加工電極毎に作成し、これら作成した前後加工電極データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて当該放電加工で加工可能な電極を選択する電極選択手段と、
    該電極選択手段による加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成手段と、
    を備えることを特徴とする放電加工プログラム作成装置。
  6. 前記放電加工プログラム作成手段は、全ての加工電極を用いて連続して放電加工するよう作成された加工プログラムに対し前記加工可能電極の選択結果を反映させることで加工可能電極のみによって放電加工を実行させる実行用加工プログラムを作成することを特徴とする請求項5に記載の放電加工プログラム作成装置。
  7. 前記実行用加工プログラムによって放電加工した結果に基づいて前記加工履歴情報を更新する加工履歴情報更新手段と、当該時点での加工電極の設置状況に応じて前記電極設置状況情報を更新する電極設置状況更新手段とをさらに備え、該更新された加工履歴情報および電極設置状況情報と、前記加工順序情報とに基づいて次の放電加工で加工可能な電極を選択し、該加工可能電極の選択結果を前記加工プログラムに反映させることで、次の放電加工での実行用加工プログラムを作成することを特徴とする請求項6に記載の放電加工プログラム作成装置。
  8. 1つの加工箇所が複数の加工電極を用いて複数の工程で加工され、加工電極を交換しながら複数の加工箇所を連続して放電加工するための放電加工プログラム作成装置において、
    複数の加工箇所を定義することが許されて記述されかつ加工順序が自身の直前となる加工箇所が各加工箇所別に記述された加工順序情報に基づき、自身の前後の加工箇所を示す前後加工箇所データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成し、放電加工装置に設置済みかあるいは未設置であるかが各加工電極別に記述された電極設置状況情報に基づき放電加工装置への設置状況を示す設置状況データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成し、加工が終了したかあるいは未終了であるかが各加工電極別に記述された電極加工履歴情報に基づき、加工履歴を示す加工履歴データを前記工程毎にかつ加工電極毎に作成し、これら前後加工箇所データ、設置状況データおよび加工履歴データに基づいて、加工順序と工程順序を考慮した判定を行うことで当該放電加工で加工可能な電極を選択する電極選択手段と、該電極選択手段による加工可能電極の選択結果を用いて放電加工プログラムを作成する放電加工プログラム作成手段と、
    を備えることを特徴とする放電加工プログラム作成装置。
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