JP3853914B2 - ワーク搬送設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトンネルの坑内に設けられて、セグメント等のワークの搬送を行うときに用いて好適なワーク搬送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、近年トンネルの構築にはシールド工法が多用されており、このシールド工法では、シールド機で掘削した坑内を、予め所定形状に成形されたセグメントを組み立てることによって覆工している。組立に用いるセグメントは、発進立坑からトンネル坑内に搬入した後、坑内に配置した搬送台車で立坑の直下からトンネル掘削先端部の切羽近傍まで搬送している。
【0003】
セグメント(ワーク)を切羽近傍に搬送するに当たり、切羽近傍には1日の工程に必要な数のセグメントをストックしておくのが一般的である。しかし、一編成の搬送台車には限られた数のセグメントしか搭載できず、しかも立坑直下から切羽までの距離が長くなるにつれて1回の往復にも時間がかかるので、トンネルの掘進に遅れをとることなくセグメントを効率よく搬送するために複数編成の搬送台車を利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のワーク搬送設備には、以下のような問題が存在する。
上記したように、複数編成の搬送台車を用いてセグメントを搬送するには、図10に示すように、複数編成の搬送台車1のすれ違いを可能とするため、往路用と復路用とにそれぞれ軌道2A,2Bを敷設して複線化を図るか、図11に示すように、軌道3を単線として、途中に搬送台車1のすれ違い用の分岐部4を設ける必要がある。
【0005】
図10に示したように、軌道2A,2Bを複線化した場合には、軌道2A,2Bの敷設コストと工期がかかるうえに、狭い坑内の空間が軌道2A,2Bによって占められてしまい、作業員の往来などがしにくくなるという問題がある。
また、図11に示したように、軌道3を単線化して要所々々に分岐部4を設ける場合、分岐部4の増設は使用中の軌道3の変更を要するため、その間、掘進作業自体も停止させるを得ず、工期短縮化の妨げとなっていた。さらにこの場合、すれ違う一方の搬送台車1に、作業の遅延や搬送台車の故障等、何らかのトラブルが生じた場合には、他方の搬送台車1は分岐部4で待機するしかなく、セグメント搬送スケジュール全体に影響を及ぼすという問題もある。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、セグメント等のワークの供給を効率よくかつ安全に行い、工期の短縮化、コスト低減、スペース拡大等の効果を得ることのできるワーク搬送設備を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ワークを搭載する複数の搬送台車が共通の軌道上をそれぞれ独立に走行可能に設けられるとともに、一の搬送台車から他の搬送台車にワークを中継するための複数のワークの中継装置が、前記軌道の側方に所定間隔毎に設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のワーク搬送設備において、前記ワークの中継装置は、ワークの搬送経路の側方に設置された基台と、該基台上に設けられて、前記基台から前記ワークの搬送方向と直交する方向に向けて伸縮可能とされ、その先端部にワークを保持するワーク載置台を備えた伸縮アームと、前記ワーク載置台を昇降させるリフト機構とを備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2記載のワーク搬送設備において、前記ワークの中継装置における前記リフト機構が、前記伸縮アームよりも前記基台側に備えられていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2または3記載のワーク搬送設備において、前記ワークの中継装置における前記伸縮アームが、複数段に伸縮可能な構成とされていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワーク搬送設備およびそれに用いるワークの中継装置の実施の形態の一例を、図1ないし図8を参照して説明する。ここでは、取り扱うワークとして、トンネル覆工用のセグメントを例に挙げて説明する。
【0012】
図1は本実施形態のトンネル坑内に配備した資材(ワーク)の搬送設備を示す図である。この設備では、トンネル坑内10の坑口付近に設けられたストックヤード11から切羽10aまでの範囲に軌道12が敷設され、ストックヤード11から受け取った資材(ワーク:ここではシールド用のセグメントを想定している)Wを中継しながら切羽10aまで運ぶ機能を果たすため、軌道12上をそれぞれ独立に走行する複数台数の搬送台車13が設けられている。
【0013】
図2に示すように、各搬送台車13は、軌道12上を車輪14で走行可能な複数の搬送車13Aが、バッテリー駆動の駆動車13Bに連結された構成(図2に示す例では、2両の搬送車13Aと1両の駆動車13Bとが連結された3両編成)となっている。搬送台車13の各搬送車13Aには、所定数の資材Wを載せて支持するワーク載置部15が設けられている。
【0014】
図1に示したように、搬送台車13の軌道12は基本的に単線で、その側方には複数(図1ではn台)のストッカー17が所定間隔毎に設置されている。各ストッカー17は、搬送台車13における搬送車13Aの2両編成に対応して軌道12の側方に2台ずつ設置されたセグメントストック台(ワークの中継装置)18から構成されている。
【0015】
図3および図4に示すように、各セグメントストック台18は、トンネル坑内10(図4参照)が連続する方向と直交するよう設けられた枕木19,19上に一体に固定された基台20と、水平方向に伸縮可能な伸縮フォーク(伸縮アーム)21と、この伸縮フォーク21に設けられて資材Wを載置するためのワーク載置台22とを主体構成としている。
【0016】
図3(b)、(c)に示したように、基台20は、枕木19,19に緊結された下部フレーム23と、上部フレーム24と、これら下部フレーム23と上部フレーム24との間に設けられたリフト機構25とから構成されている。リフト機構25は、上下方向に伸縮可能なリンク部26が、リフト駆動装置27によって伸縮駆動される構成となっていて、そのリフト機構25により上部フレーム24は昇降可能とされている。これにより、上部フレーム24に搭載されている伸縮フォーク21はワーク載置台22とともに昇降し、ワーク載置台22上に載置した資材Wを昇降できるようになっている。
【0017】
図3(c)、図5、および図6に示すように、伸縮フォーク21は、二本一対で、それぞれ枕木19[図3(c)参照]が延在する方向と同方向に軸線を有し、ベースフォーク30,センターフォーク31,トップフォーク32からなる3段構造とされている。
【0018】
図6に示したように、ベースフォーク30は、断面略C字状の鋼材からなるガイドレール33,33を、その開放部33aどうしが所定寸法を隔てて対向するよう、ベースプレート34を介して上部フレーム24上に取付けたものである。
【0019】
センターフォーク31は、ベースフォーク30のガイドレール33,33間に配置されており、断面略矩形で、その上部と下部の両側面には、それぞれ複数のガイドローラ35,35,…が回転自在に備えられている。そして、下部のガイドローラ35,35,…は、ベースフォーク30のガイドレール33,33の開放部33a,33aの内側に位置するようになっており、これによりセンターフォーク31はベースフォーク30に沿ってその軸線方向にスライド可能となっている。
【0020】
トップフォーク32は、ベースフォーク30と同様、所定寸法を隔てて対向する断面視略C字状の鋼材からなるガイドレール36,36が、その上面をトッププレート37に固定することによって一体化された構成となっている。そして、これらガイドレール36,36は、その開放部36a,36aがセンターフォーク31の上部のガイドローラ35,35,…の外側に位置するようになっており、これによりトップフォーク32は、センターフォーク31の上部のガイドローラ35,35,…にガイドされてその軸線方向に相対的にスライド可能となっている。
【0021】
図3(c)中に二点鎖線で示したように、これらベースフォーク30,センターフォーク31,トップフォーク32からなる伸縮フォーク21は、通常時においては、基台20から側方に突出しないよう収納された状態となっている。図3(c)中に実線で示したように、この伸縮フォーク21は、上記したような構造により基台20から側方に向けて伸縮可能となっており、その伸縮駆動のために、以下に示すような構成のフォーク駆動機構40を備えている。
【0022】
図5(c)および図6に示したように、二本の伸縮フォーク21のベースフォーク30,30には、ブラケット41,41を介して、伸縮フォーク21と直交する水平方向に軸線を有する駆動シャフト42が回転自在に支持されている。この駆動シャフト42は、図示しない駆動モータにより回転駆動されるようになっている。
【0023】
駆動シャフト42には、各伸縮フォーク21に対応した所定の位置に、それぞれ駆動ギヤ43が設けられている。図6に示したように、駆動ギヤ43の両側にはそれぞれ、ハウジングプレート44が、駆動シャフト42の回転が伝達されないようベアリング45を介して設けられている。図6および図7に示すように、これら二枚のハウジングプレート44,44には、二本の支持軸46,46が駆動シャフト42よりも上方位置に固定されており、各支持軸46には、駆動ギヤ43に噛み合うピニオンギヤ47が、ベアリング48を介して回転自在に設けられている。これら二個一対のピニオンギヤ47は、その上部が、ベースフォーク30のベースプレート34に形成された開口部34aから上方に突出するよう設けられている。
【0024】
一方、センターフォーク31の下面側には、ラックギヤ50がピニオンギヤ47に対応した位置に取り付けられている。
【0025】
図6および図8に示すように、このセンターフォーク31には、中空部31aが形成され、この中空部31aに配設された二枚一対のブラケットプレート51,51間に、複数の大径伝動ギヤ52と小径伝動ギヤ53(図8参照)とが交互に設けられている。これら大径伝動ギヤ52,小径伝動ギヤ53は、それぞれ同一高さに設けられた支持軸54,55(図8参照)にベアリング56(図6参照)を介して回転自在に設けられており、互いに隣接する大径伝動ギヤ52と小径伝動ギヤ53は互いに噛み合っている。
【0026】
そして、ベースフォーク30のベースプレート34の上面には、センターフォーク31の大径伝動ギヤ52,52,…に対応した位置に、これらに噛み合うラックギヤ49が固定されている。一方、トップフォーク32のトッププレート37の下面にも、センターフォーク31の大径伝動ギヤ52,52,…に対応した位置に、これらに噛み合うラックギヤ60が固定されている。
【0027】
これにより、上記構成からなる伸縮フォーク21のフォーク駆動機構40では、図6および図7に示したように、図示しない駆動モータにより駆動シャフト42を一方向に回転駆動させると、その回転が駆動ギヤ43からピニオンギヤ47,47を介してラックギヤ50に伝達され、それによりセンターフォーク31がベースフォーク30に対して一方の側にスライドし突出することとなる。さらに、図6および図8に示したように、センターフォーク31のスライドにより、ベースフォーク30に固定されたラックギヤ49に噛み合っている大径伝動ギヤ52が回転し、その回転がトップフォーク32のラックギヤ60に伝達され、それによりトップフォーク32がセンターフォーク31に対してこのセンターフォーク31の移動方向と同方向にスライドして突出することとなる。
【0028】
すなわち、フォーク駆動機構40では、駆動シャフト42を回転駆動させるとベースフォーク30に対してセンターフォーク31,トップフォーク32がそれぞれスライドし、これにより、基台20の上部フレーム24に固定された二本一対の伸縮フォーク21が伸長駆動されるようになっている。そして、駆動シャフト42を上記とは逆方向に回転させれば、伸縮フォーク21が短縮駆動されるようになっている。
【0029】
そして、図5に示すように、資材Wを搭載するための前記ワーク載置台22は、伸縮フォーク21のトップフォーク32の上面にそれぞれ取り付けられている。したがって、図4に示したように、伸縮フォーク21を伸縮駆動させることにより、ワーク載置台22上に搭載した資材Wを、基台20上の位置と、基台20から軌道12側に突出させた位置との間で移動できるようになっている。
【0030】
なお、このセグメントストック台18や搬送台車13には、図示しないが、各種の位置検出装置や制御装置が設けられており、可動部分の動きを最適に制御できるようになっている。
【0031】
次に、上記構成からなるワークの搬送設備における資材Wの搬送方法について説明するが、それに先立ち、搬送台車13とストッカー17のセグメントストック台18との間での資材Wの受け渡し方法について説明する。
【0032】
ここではまず、搬送台車13上に搭載した資材Wをセグメントストック台18上に受け渡す動作について説明する。手順は以下の通りである。
【0033】
(1)図2に示したように、搬送台車13の各搬送車13Aを、受け渡したいセグメントストック台18に対向させて所定位置に停止させる。
【0034】
(2)図4に示したように、伸縮フォーク21を伸ばし、ワーク載置台22を、搬送車13Aのワーク載置部15上に支持された資材Wの下方に差し込む。
【0035】
(3)その位置にて、セグメントストック台18のリフト機構25によりワーク載置台22を上昇させ、資材Wを持ち上げ、ワーク載置台22に乗り移らせる。〔図4中、(イ)→(ロ)の動作〕
【0036】
(4)伸縮フォーク21を縮め、ワーク載置台22をセグメントストック台18上の所定位置に戻し停止させる。〔図4中、(ロ)→(ハ)の動作〕
【0037】
(5)リフト機構25でワーク載置台22を下降させる。〔図4中、(ハ)→(ニ)の動作〕
【0038】
以上により、搬送台車13上に搭載された資材Wのセグメトストック台18への受け渡し動作が完了する。
【0039】
次に、セグメントストック台18上に支持された資材Wの搬送台車13への受け渡し動作について説明する。手順は以下の通りである。
【0040】
(1)搬送台車13の各搬送車13Aを所定のセグメントストック台18に対向した位置で停止させる。
【0041】
(2)セグメントストック台18のリフト機構25でワーク載置台22を上昇させ、支持した資材Wを、搬送車13Aのワーク載置部15の高さ以上に持ち上げる。〔図4中、(ニ)→(ハ)の動作〕
【0042】
(3)伸縮フォーク21を伸ばし、搬送車13A上の所定位置で停止させる。〔図4中、(ハ)→(ロ)の動作〕
【0043】
(4)リフト機構25でワーク載置台22を下降させ、支持していた資材Wを搬送車13Aのワーク載置部15に預ける。〔図4中、(ロ)→(イ)の動作〕
【0044】
(5)伸縮フォーク21を縮め、ワーク載置部15に支持された資材Wの下方から引き抜き、基台20の所定位置に戻し停止させる。
【0045】
以上によりセグメントストック台18上に支持された資材Wの搬送台車13への受け渡し動作を完了する。
【0046】
次に、前記構成からなるワークの搬送設備における資材Wの搬送方法について説明する。ここで、搬送台車13とストッカー17のセグメントストック台18との間での資材Wの受け渡しは上記方法によるものであり、以下の説明ではその詳細を省略する。
【0047】
資材Wは、順次搬送台車13で切羽10a側に搬送するが、このとき、図1に示したように、予め、ストックヤード11と、その前方の第1番目のストッカー17との間、及びそれ以降互いに前後するストッカー17,17間、さらに最前方のストッカー17と切羽10aとの間に、それぞれ一編成ずつの搬送台車13を配しておく(つまり、本例においては、ストッカー17の設置数がnの場合には(n+1)台の搬送台車13を配しておくこととする)。
【0048】
そしてまず、立坑からトンネル坑内10に降ろしてストックヤード11に一旦入庫し、保管しておいた資材Wを、各種ハンドリング装置やクレーン等で、第1番目の搬送台車13に搭載する。
【0049】
次いで、この搬送台車13を第1番目のストッカー17Aまで走行させ、ストッカー17Aのセグメントストック台18,18,…に対向させた位置で停止させる。続いて、前記方法により、搬送台車13上に搭載された資材Wを各セグメントストック台18に受け渡す。これにより、資材Wはストッカー17Aにストックされた状態となる。搭載した資材Wを移載して空となった搬送台車13は、再びストックヤード11に戻す。
【0050】
続いて、第1番目のストッカー17Aと第2番目のストッカー17Bとの間に配しておいた第2番目の搬送台車13を、第1番目のストッカー17Aに対向する位置まで移動させる。そして、前記方法に示した手順で、ストッカー17Aの各セグメントストック台18にストックされた資材Wを、第2番目の搬送台車13に受け渡し、この搬送台車13を、第2番目のストッカー17Bに向けて走行させていく。
【0051】
この後は、上記と同様にして、資材Wを第2番目の搬送台車13で第2番目のストッカー17Bに移載し、続いてこれを第3番目の搬送台車13で第2番目のストッカー17Bから受け取って第3番目のストッカー17Cに搬送して移載する。以下、これを繰り返し、最終的には、第n番目の搬送台車13で第n番目のストッカー17nまで搬送した資材Wを、最前方の第(n+1)番目の搬送台車13で第n番目のストッカー17nから切羽10aのセグメント組立現場に搬送する。これにより、搬送台車13一編成分の分量の資材Wが、ストックヤード11からセグメント組立現場に搬送されたこととなる。
【0052】
そして、上記工程を順次繰り返し、各搬送台車13を複数回往復させることによって、ストックヤード11から切羽10aのセグメント組立現場に、所定数(例えば1日に工程に必要な数)の資材Wを搬送するようにする。
【0053】
また、トンネル構築の進行による切羽10aの位置の前進に伴って、搬送台車13の軌道12を切羽10a側に延長していく必要がある。このとき、軌道12を所定長さ延長する毎に、その側方にストッカー17を設けていく。そして、搬送台車13についてもストッカー17を一カ所増設する毎に一編成を追加するが、その追加は坑口側で行い、既に軌道12上にある搬送台車13,13,…については、順次切羽10a側に移動させていくようにする。
【0054】
そして、軌道12の延長、ストッカー17の増設、搬送台車13の追加を行った後は、上記と同様にして資材Wをストックヤード11から切羽10a近傍のセグメント組立現場に搬送していく。
【0055】
上述したワーク搬送設備では、軌道12上を走行可能に設けられた搬送台車13と、軌道12の側方に所定間隔ごとに設けられたストッカー17とを備えた構成となっている。このような構成の設備によれば、ストッカー17を中継することにより資材Wを坑口側の搬送台車13から切羽10a側の搬送台車13に受け渡すことができ、これにより資材Wを搬送していくことができる。しかも、トンネル坑内10には、単線の軌道12を敷設し、その側方にストッカー17を設置するのみでよいので、軌道敷設コストを削減することができる。またトンネル坑内10のスペースを拡大することもできるので、狭い坑内スペースの有効利用を図ることができ、作業員の往来等も安全かつ容易に行うことが可能となる。さらに、各搬送台車13は、互いに前後するストッカー17,17間を往復するのみでよく、トンネル坑内10の総延長が長くなってもサイクルタイムを短縮することができ、セグメント搬送を効率よく行うことが可能となる。しかも、従来のようにすれ違いのための分岐部もなく、ストッカー17がバッファーとして機能するため、互いに前後する他の搬送台車13の動きに干渉されることがなく、この点においてもセグメント搬送作業を効率よく行うことができる。
【0056】
さらに、軌道12の延長及びストッカー17の増設に際しては、軌道12の側方にストッカー17を設置するのみでよく、その間軌道12の仕様に支障を来すことがないので、トンネル掘進作業に何ら影響を及ぼさずに作業を進行させることができる。
【0057】
また、上述したセグメントストック台18では、軌道12の側方に設置された基台20と、基台20から突出可能に設けられて、その先端部のトップフォーク32にワーク載置台22を備えた伸縮フォーク21と、ワーク載置台22を昇降させるリフト機構25とを備えた構成となっている。このようにしてワーク載置台22を伸縮フォーク21で水平移動させるとともにリフト機構25で昇降させることによって資材Wの受け渡しを行うので、クレーンを用いた場合のように吊り荷の揺れ等の問題が全く生じず、人手の介添えをほとんど必要とせずに作業を行うことができる。従って、安全性を高めることができると共に、省力化ひいては無人化が可能になる。
【0058】
加えて、さらに、このセグメントストック台18では、リフト機構25が基台20に備えられていて、そのリフト機構25により上部フレームに搭載した伸縮フォーク21の全体をワーク載置台22とともに昇降させる構成となっている。これにより、リフト機構25を伸縮フォーク21とワーク載置台22との間に設ける(つまり、ワーク載置台22を伸縮フォーク21に対して昇降させるように構成する)場合に比較して、伸縮フォーク21が重量化するのを防止し、特に重量物であるセグメント等の資材Wを取り扱う場合にセグメントストック台18のマスの集中化を図り、安定性を高めることができる。
【0059】
さらに加えて、伸縮フォーク21がベースフォーク30,センターフォーク31,トップフォーク32の3段からなる構成となっている。これにより、伸縮フォーク21を小型化してセグメントストック台18のコンパクト化を図るとともに、その伸縮ストロークを大きくとることができる。しかも、例えば伸縮フォーク21を、これを縮めた状態から2倍程度に伸ばすとしても、ベースフォーク30とセンターフォーク31,センターフォーク31とトップフォーク32は、それぞれその全長の半分程度が重なり合うので、ワーク載置台22に載置した資材Wの荷重による曲げモーメントに対して高い強度を発揮することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態に挙げた各構成については、本願発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば他の構成を適宜採用しても良い。
例えば、セグメントストック台18のワーク載置台22の形態については取り扱うワークの形状等に応じたものとすればよい。
また、搬送台車13やセグメントストック台18等の具体的な構造については、本願発明が意図する機能を発揮することができるのであれば、他のいかなる構造のものを用いても良い。具体的な例を挙げれば、伸縮フォーク21については、伸縮することによりワーク載置台22を突出させることができるのであれば、他のいかなる構造のものであっても良い。また、リフト機構25を基台20に備える構成としたが、取り扱うワークが軽量なものである場合には、リフト機構を伸縮アームの先端部に備える構成としても良い。
【0061】
さらに、大径のトンネル等において坑内スペースに余裕がある場合には、上記したような軌道12を複数組並設するようにしても良い。
さらに加えて、軌道12を完全な単線とせず、例えば搬送台車13の故障時対応などのために、図9に示すような分岐部70を設けておくようにしても良い。このような分岐部70は通常時は使用せず、搬送台車13の故障や作業の遅れなどが生じた場合のみ使用するようにする。そのような場合には、ストッカー17で資材Wを中継せずに、この分岐部70で空の搬送台車13と資材Wを搭載した搬送台車13とをすれ違わせることによって、作業の遅れの回復を図ることが可能となる。
【0062】
加えて、上記実施形態においては、坑口近傍にストックヤード11を設け、軌道12をストックヤード11から切羽10aまでの区間に敷設する構成としたが、これに限らず、軌道12をワーク搬入口となる坑口まで延長敷設し、さらに坑口近傍にはセグメントストック台18を多数設置する構成としても良い。このようにワークの中継装置としてのセグメントストック台18を搬送車13Aの台数よりも充分に多く設置する構成とすれば、セグメントストック台18をストックヤード11として機能させることができ、より一層のコスト低減及びスペースの有効利用を図ることが可能となる。
【0063】
なお、上記実施の形態において、セグメントストック台18およびそれを用いた搬送設備をトンネル坑内10に配備した例を示したが、その他の建設現場や製造工場等に適用して、無人によるワーク搬送を実現することもできる。特に工場等でセグメントストック台18と同様の中継装置を用いる場合には、走行路を必ずしも軌道12にする必要はなく、いわゆるAGV(Auto Guided Vehicle)等とすることも可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものとしても良いのは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】
請求項1に係るワーク搬送設備によれば、ワークを搭載する複数の搬送台車が共通の軌道上をそれぞれ独立に走行可能に設けられるとともに、一の搬送台車から他の搬送台車にワークを中継するための複数のワークの中継装置が軌道の側方に所定間隔毎に設けられた構成となっている。このような構成により、中継装置を中継することによりワークを一の搬送台車から他の搬送台車に受け渡すことができ、これにより、ワークを複数の搬送台車に順次受け渡して搬送していくことができる。しかも、単線の軌道を敷設し、その側方に中継装置を設置するのみでよいので、軌道敷設コストを削減することができる。また周囲の有効スペースを拡大することもできるので、スペースが狭い場合であっても作業員の往来等も安全かつ容易に行うことが可能となる。さらに、実際の搬送作業に際しては、各搬送台車は、互いに前後する中継装置間を往復するのみでよく、搬送距離の総延長が長くなってもサイクルタイムを短縮することができ、ワークの搬送を効率よく行うことが可能となる。しかも、従来のようにすれ違いのための分岐部もなく、中継装置がバッファーとして機能するため、他の搬送台車の動きに左右されることがなく、この点においても搬送作業を効率よく行うことができる。さらに軌道の延長に伴う中継装置の増設に際しても、他の作業に何ら影響を及ぼすことはない。そして、このような設備を用いることにより、ワークの搬送・保管作業を無人で行うことが可能となる。
請求項2に係るワーク搬送設備によれば、ワークの中継装置が、ワークの搬送経路の側方に設置された基台と、基台上に設けられて、ワークの搬送方向と直交する方向に向けて伸縮可能とされ、その先端部にワーク載置台を備えた伸縮アームと、ワーク載置台を昇降させるリフト機構とを備えた構成となっている。このようにしてワーク載置台を伸縮アームで水平移動させるとともにリフト機構で昇降させることによってワークの受け渡しを行うようにしているので、安定した作業が可能となる。従って、安全性が高まると共に、省力化あるいは無人化が可能となる。
請求項3に係るワーク搬送設備によれば、ワークの中継装置におけるリフト機構が伸縮アームよりも基台側に備えられた構成となっている。これにより、リフト機構を伸縮アームとワーク載置台との間に設けた場合に比較して、伸縮アームが重量化するのを防止し、特に重量物を取り扱う場合に装置のマスの集中化を図り、安定性を高めることができる。
請求項4に係るワーク搬送設備によれば、ワークの中継装置における伸縮アームが複数段に伸縮可能な構成となっている。これにより、伸縮アームを小型化して装置のコンパクト化を図るとともに、その伸縮ストロークを大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るワークの中継装置およびそれを用いたワーク搬送設備を適用したトンネルにおける搬送設備を示す平面図である。
【図2】 前記ワーク搬送設備を構成するワークの中継装置と搬送台車を示す平面図である。
【図3】 前記ワークの中継装置の構造を示す三面図である。
【図4】 前記ワーク搬送設備の正面図である。
【図5】 前記ワークの中継装置に備えた伸縮アームを示す図であって、(a)平面図、(b)側面図、(c)正断面図である。
【図6】 前記伸縮アームの駆動機構を示す正断面図である。
【図7】 図6のA−A断面図である。
【図8】 図6のB−B断面図である。
【図9】 本発明に係るワークの中継装置およびそれを用いたワーク搬送設備を適用したトンネルにおける搬送設備の他の一例を示す平面図である。
【図10】 従来のワーク搬送設備の一例を示す平面図である。
【図11】 従来のワーク搬送設備の他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
12 軌道
13 搬送台車
18 セグメントストック台(ワークの中継装置)
20 基台
21 伸縮フォーク(伸縮アーム)
25 リフト機構
W 資材(ワーク)
Claims (4)
- ワークを搭載する複数の搬送台車が共通の軌道上をそれぞれ独立に走行可能に設けられるとともに、一の搬送台車から他の搬送台車にワークを中継するための複数のワークの中継装置が、前記軌道の側方に所定間隔毎に設けられていることを特徴とするワーク搬送設備。
- 請求項1記載のワーク搬送設備において、
前記ワークの中継装置は、ワークの搬送経路の側方に設置された基台と、該基台上に設けられて、前記基台から前記ワークの搬送方向と直交する方向に向けて伸縮可能とされ、その先端部にワークを保持するワーク載置台を備えた伸縮アームと、前記ワーク載置台を昇降させるリフト機構とを備えたことを特徴とするワーク搬送設備。 - 請求項2記載のワーク搬送設備において、
前記ワークの中継装置における前記リフト機構が、前記伸縮アームよりも前記基台側に備えられていることを特徴とするワーク搬送設備。 - 請求項2または3記載のワーク搬送設備において、
前記ワークの中継装置における前記伸縮アームが、複数段に伸縮可能な構成とされていることを特徴とするワーク搬送設備。
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