JP3853699B2 - 液処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この本発明は、例えばフォトレジスト溶液が塗布され、露光処理がなされた基板の表面に、現像液等の処理液を供給して化学反応等を起こさせる液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と称する場合もある)や、液晶ディスプレイを構成するLCD基板の表面に、回路パターンを形成するためのマスクは、概ね以下のような工程により形成される。すなわち、例えばウエハの表面にフォトレジスト溶液の塗布を行う塗布工程と、この塗布工程により得られたレジスト塗布膜上に、紫外線等を照射する露光工程と、この露光工程により紫外線等が照射された露光部分あるいは未露光部分を、現像液によって溶解する現像処理工程と、さらに前記ウエハの表面に純水(リンス液)を供給することにより、前記現像処理工程で使用された現像液を洗い流す洗浄工程等を、順次実行することにより目的とするマスクが形成される。
【0003】
前記した現像処理工程において用いられる現像処理装置には、ウエハを吸着保持して回転させることができるスピンチャックと、このスピンチャック上のウエハに現像液を供給することができる現像液供給ノズル等が備えられている。このような現像処理装置による処理は、予めスピンチャックによって吸着保持されたウエハの表面上に、現像液供給ノズルから現像液を例えば帯状に吐出させながら、供給ノズルをウエハの面方向に移動させることにより、液盛りをするようになされる。その後、ウエハを所定時間、例えば60秒程度静止させた状態とすることで、現像反応を進行させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したように現像液をウエハの表面に液盛りした後、静止状態とさせた場合においては、回路パターンの周辺部が露光されている場合と、露光されていない場合とにおいては、回路パターン部分における現像液の微小な流れ(現像液の交換作用)に差異が生じ、前記パターンの幅にばらつきが発生するという技術的な問題点が知見されている。
【0005】
これは、次に説明する現象によって生ずるものと考えられる。すなわち、回路パターンの周辺に沿って、比較的幅の広い未露光エリアが存在する場合においては、現像液は未露光エリアにおいては反応しないために、回路パターン部分において反応した現像液との間に濃度差が発生する。このために、回路パターン部分に対して、周辺の未反応の現像液が流れ込むという現象が発生し、したがって、回路パターンの溶解がより進行するものと考えられる。このよう条件下においては、結果としてパターンの幅が細くなるという状況が発生する。
【0006】
一方、回路パターンの周辺に沿って、比較的幅の広い露光エリアが存在する場合においては、現像液は露光エリアおよび回路パターン部分において一様に反応するため、その付近においては一様に溶解生成物が発生する。この溶解生成物の発生度合いは一様であるために、現像液の流れは発生し難い。したがって、前記したように、特に回路パターン部分の溶解が、より進行するような現象は発生しない。それ故、このよう条件下においては、前者の場合に比較すると、結果としてパターンの幅が太くなるという状況が発生する。
【0007】
前記したような問題は、例えば、ウエハ上の現像液を積極的に攪拌させて、新旧の現像液を混合させることにより解決することができ、これにより、パターンの幅にばらつきが発生するのを効果的に抑制することができるものと考えられる。したがって、このような、技術的な観点に基づいて、本件出願の発明者らは、現像液を攪拌するためのより好ましい手段および条件等について検討している。
【0008】
この本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、基板表面の処理液を積極的に攪拌することで均一な液処理を行い、例えば、前記したようなパターンの幅にばらつきが発生するのを効果的に抑制することができる液処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされたこの発明にかかる液処理装置は、ほぼ水平状態に支持された基板の表面に、処理液を供給することで、前記基板表面に液膜を生成させるプロセスに利用される液処理装置であって、前記基板の裏面において当該基板をほぼ水平状態に支持しつつ、基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段と、前記支持手段によって支持された前記基板の表面に、処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理液供給手段によって処理液が供給された状態の前記基板の裏面より、振動を付与する振動付与手段とが備えられ、前記振動付与手段により、基板の裏面より振動を付与することにより、基板表面の前記処理液を攪拌することができるように構成され、前記支持手段が、前記基板の裏面に接触する第一支持部材と、前記振動付与手段の駆動による前記基板の振動作用を吸収しつつ、前記第一支持部材を保持する第二支持部材を具備した点に特徴を有する。
この場合、好ましくは前記第一支持部材は、前記基板の裏面に対して負圧によって吸着する真空吸着部により構成され、前記第二支持部材は、前記基板の振動作用を吸収しつつ、前記真空吸着部に対して負圧を伝達する中空部材により構成される。
【0010】
前記した構成によると、前記基板は基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段によって、ほぼ水平状態に支持され、基板の裏面より振動付与手段による振動を受ける。このため、基板のほぼ全体を均一に振動させることが可能となる。これにより、基板上における処理液を均一に攪拌させることができ、処理液中に発生する反応生成物により、処理液に濃度差が発生するのを防止させることができる。したがって、処理液による例えば反応処理の進行にばらつきが発生するのを、効果的に抑制させることができ、結果として、前記したようにパターン幅にばらつきが発生する度合いを低減させることが可能となる。
【0011】
また、前記した構成の液処理装置は、前記した現像処理後に実行されるリンス工程においても、その振動作用を好適に利用することができる。すなわち、リンス工程において、例えばスキャンノズル等を用いて基板の表面にリンス液を吐出させながらパドル形成した状態において、前記振動付与手段によりウエハに振動を与えることにより、基板上に液盛りされたリンス液を効果的に撹拌させることができる。この撹拌動作によりウエハ上に形成された各パターン間へのリンス液の流入が促進され、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができる。
【0013】
前記したように、基板を支持する支持手段は、基板の裏面において当該基板を支持するようになされるので、基板表面に供給される処理液による化学反応等を、基板の全面において一様に進行させることができる。そして、前記支持手段は、第一支持部材としての真空吸着部によって前記基板を確実に支持すると共に、第二支持部材としての中空部材は、前記真空吸着部に対して負圧を伝達する機能と、前記基板の振動作用を吸収するダンパとしての機能を果たす。したがって、前記した構成の支持手段によると、振動付与手段による基板の振動作用を抑制させることなく、基板をその裏面において確実に保持するように作用する。
【0014】
また、この発明にかかる液処理装置における好ましい形態においては、前記した振動付与手段による振動作用が、前記基板の裏面におけるほぼ中央部に付与されるように構成される。この場合、好ましくは前記振動付与手段による振動作用が、前記基板の面に直交する方向に付与されるように構成される。
【0015】
前記した構成によると、基板に対して振動作用を効果的、かつ均一に与えることができ、前記基板には、ほぼ水平状態を保った状態で上下方向に一様に振動作用が与えられる。
【0016】
一方、この発明にかかる液処理装置においては、好ましくは前記振動付与手段における振動発生ユニットが、前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触することにより前記基板に振動作用を与えるように構成される。この場合の1つの好ましい形態においては、前記振動発生ユニットが、垂直部材および水平部材によりL字状に形成された駆動アームの前記水平部材の自由端側に取り付けられ、前記水平部材が垂直部材を軸として回動されると共に、前記垂直部材が垂直方向に駆動されることにより、前記振動発生ユニットが前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触し得るように構成される。
【0017】
また、前記振動発生ユニットが、軸方向に伸縮駆動される駆動機構の駆動先端部に取り付けられると共に、前記駆動機構が傾倒状態に配置され、前記駆動機構の駆動動作により、前記振動発生ユニットが前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触し得るように構成される場合もある。
【0018】
前記した振動付与手段によると、その振動発生ユニットが前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触することにより、基板に振動作用を与えるようになされるので、振動の伝達効率を高め、基板に対して効果的に振動作用を与えることができる。
【0019】
さらに、前記振動発生ユニットを、L字状に形成された駆動アームにおける水平部材の自由端側に取り付けた構成を採用することにより、例えば基板の裏面を吸着して基板の受け渡し動作を実行するスピンチャックの移動動作に障害を与えることなく、振動付与手段を基板の裏面側に合理的に配置することができる。また、傾倒状態に配置され、軸方向に伸縮駆動される駆動機構の駆動先端部に、振動発生ユニットを取り付けた構成を採用しても、同様にスピンチャックの移動動作に障害を与えることなく、振動付与手段を基板の裏面側に合理的に配置することができる。
【0020】
一方、この発明にかかる液処理装置における振動付与手段の他の好ましい形態においては、前記基板を支持する支持手段に対して振動を付与するようになされ、前記支持手段を介して前記基板に対して振動を与えるように構成される。この場合、前記支持手段に対して振動を付与する振動発生ユニットが、好ましくは前記支持手段の基端部に配置された構成とされる。そして、好ましい実施の形態においては、前記振動発生ユニットが、前記基板を支持する全ての支持手段における基端部にそれぞれ配置された構成とされる。
【0021】
前記した液処理装置における振動付与手段の形態によると、基板を支持する支持手段を介して基板に対して振動が与えられるので、同様にして基板のほぼ全体を均一に振動させることが可能となる。加えて、支持手段に対して振動を付与する振動発生ユニットを、支持手段の基端部に配置した構成とすることで、液処理装置の構成をより簡素化させることに寄与できる。
【0022】
そして、前記したいずれの構成においても、振動付与手段の駆動源として、磁気回路とこの磁気回路の交番磁界中に配置された電磁変換コイルとによって構成された振動発生ユニットを好適に採用することができる。また、前記振動発生ユニットには、駆動源としてピエゾ素子を用いることもできる。
【0023】
前記した振動付与手段を構成する振動発生ユニットとして、磁気回路と電磁変換コイルとの組み合わせによる構成を採用することにより、比較的大きな振動振幅を得ることができ、また、基板に対する十分な駆動力を得ることもできる。また、振動発生ユニットに、駆動源としてピエゾ素子を用いた場合には、振動発生ユニットの外郭構成を小型化させることに寄与できる。
【0024】
一方、この発明にかかる液処理装置においては、前記振動付与手段が前記基板の裏面側に配置され、前記基板に対して非接触状態で、振動を付与することができるように構成した非接触振動付与手段も好適に採用することができる。この場合、前記非接触振動付与手段として、前記基板の裏面を吸着して基板の受け渡し動作を実行するスピンチャックを利用することができ、前記スピンチャックが前記基板の裏面に間隔をおいて対峙した状態において、スピンチャック側から生成される圧力変動に伴う音波によって、前記基板に振動を付与するように構成される。
【0025】
さらに、前記基板に対して非接触状態で、基板に振動を付与する手段として、前記基板の裏面側に電気音響変換器を配置し、当該電気音響変換器から生成される音波によって、前記基板に振動を付与するようにした構成も採用し得る。さらにまた、前記非接触振動付与手段として、前記基板裏面に対して気体を吹き付けることにより、前記基板に振動を付与するようにした構成も採用することができる。この場合、前記基板の裏面を吸着して基板の受け渡し動作を実行するスピンチャックを利用することができ、前記スピンチャックが前記基板の裏面に間隔をおいて対峙した状態において、スピンチャック側から吹き出される気体によって、前記基板に振動を付与するように構成される。
【0026】
非接触状態で基板に振動を付与する手段として、前記したスピンチャックを利用するように構成した場合には、前記したように、例えばL字状の駆動アームに振動発生ユニットを配置したような機構を具備する必要がなくなる。また、非接触状態で基板に振動を付与する手段として、電気音響変換器を採用する構成とした場合には、この電気音響変換器は基板の裏面側の空きスペースに適宜配置することも可能であるため、液処理装置の設計の自由度を増大させることに寄与できる。
【0027】
そして、前記したいずれの構成を採用するにしても、この発明にかかる液処理装置は、前記処理液として、基板の表面に形成されたレジスト膜に反応する現像液もしくは前記現像液を洗浄するリンス液を扱うような現像処理装置に好適に利用することができる。
【0028】
一方、この発明にかかる液処理方法は、ほぼ水平状態に支持された基板の表面に、処理液を供給することで、前記基板表面に液膜を生成させるプロセスに利用される液処理方法であって、基板を支持した状態で、基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段に対し、前記基板をほぼ水平状態に支持させる工程と、前記支持手段によって支持された状態の前記基板の表面に、処理液を供給する工程と、前記処理液が供給された状態の前記基板の裏面より、基板の面に直交する方向に振動を付与する工程とを順次実行するようになされる。
【0029】
また、この発明にかかる液処理方法は、ほぼ水平状態に支持された基板の表面に、処理液を供給することで、前記基板表面に液膜を生成させるプロセスに利用される液処理方法であって、基板を支持した状態で、基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段に対し、前記基板をほぼ水平状態に支持させる工程と、前記支持手段によって支持された状態の前記基板の表面に、現像液を供給する工程と、前記現像液が供給された状態の前記基板の裏面より、基板の面に直交する方向に振動を付与する工程と、前記支持手段によって支持された状態の前記基板の表面に、リンス液を供給する工程と、前記リンス液が供給された状態の前記基板の裏面より、基板の面に直交する方向に振動を付与する工程とを順次実行するようになされる。
【0030】
この場合、基板の裏面より振動を付与する工程においては、好ましくは前記基板の裏面におけるほぼ中央部に振動作用を与えるようになされる。また前記工程が、前記基板を裏面において支持する支持手段を介して振動作用を与えるようになされる場合もある。
【0031】
前記した液処理方法を採用することにより、前記した液処理装置を採用した場合の作用効果と同様に、前記基板は支持手段によってほぼ水平状態に支持され、基板の裏面中央において、または支持手段を介して振動付与手段による振動を受ける。したがって、基板のほぼ全体を均一に振動させることができる。これにより、基板上における処理液、例えば現像液を均一に攪拌させることができ、現像液中に発生する反応生成物により現像液に濃度差が発生するのを防止させることができる。それ故、前記したようにパターン幅にばらつきが発生するのを効果的に低減させることが可能となる。
【0032】
また、現像処理後に実行されるリンス工程においても、基板の表面にリンス液を吐出させながらパドル形成した状態において、同様に振動付与手段によりウエハに振動を与えることができる。これにより、基板上に液盛りされたリンス液を効果的に撹拌させることができ、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる液処理装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1および図2は、この発明が適用された液処理装置(現像処理装置)を一部に搭載した塗布・現像処理装置ユニットの基本構成を示したものである。なお、図1はこれを上面から透視して見た状態を示しており、図2は斜視図で示している。
【0034】
図1および図2において、符号6はウエハカセットを搬入・搬出するための搬入・搬出ステージを示しており、例えば25枚のウエハWを収納したカセットCが、例えば自動搬送ロボット(図示せず)によって、ステージ6に載置される。この搬入・搬出ステージ6に沿った領域には、ウエハWの受け渡しアーム60が、X方向およびY方向に移動可能に、さらにθ方向(鉛直軸回り)に回転可能となるように配置されている。
【0035】
また、搬入・搬出ステージ6より、塗布・現像処理装置ユニットの奥側を見た場合において、その右側に塗布・現像系のユニットU1が、また左側に加熱・冷却系のユニットU2が配設されている。同様に、前記搬入・搬出ステージ6から見た場合の手前側および奥側には、それぞれ加熱・冷却系のユニットU3,U4が配設されている。
【0036】
さらに、前記塗布・現像処理装置ユニットのほぼ中央部には、ウエハWの受け渡しを行うためのウエハ搬送アームMAが配設されている。このウエハ搬送アームMAは、全方向(上下・前後・左右方向)に移動し、かつ鉛直軸回りに回転するアームによって構成されている。これにより、前記した塗布・現像系のユニットU1と加熱・冷却系のユニットU2〜U4との間で、ウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0037】
前記塗布・現像系のユニットU1においては、その上段に後述する現像処理装置をそれぞれ搭載した二つの現像ユニット61が、また、下段に二つの塗布ユニット62が配設されている。前記加熱・冷却系のユニットU2〜U4においては、加熱ユニットおよび冷却ユニットが上方に、また疎水化処理ユニット等が下方に配設されている。
【0038】
前記ユニットU1〜U4およびウエハ搬送アームMAを含み、基板に種々の処理を行う領域を、プロセス処理ブロックP1と呼ぶことにすると、このプロセス処理ブロックP1には、インターフェイスブロック63を介して露光装置64が接続されている。前記インターフェイスブロック63の領域には、ウエハ搬送アーム65が配置されており、このウエハ搬送アーム65によって、前記プロセス処理ブロックP1と前記露光装置64との間で、ウエハWを受け渡しが可能となるように構成されている。前記ウエハ搬送アーム65は、前記ウエハ搬送アームMAと同様に、全方向(上下・前後・左右方向)に移動し、かつ鉛直軸回りに回転するアームによって構成されている。
【0039】
以上のように構成されたレジスト塗布・現像液処理装置ユニットにおいて、ここで処理されるウエハの流れについて説明する。先ず外部からウエハWを収納したウエハカセットCが搬入・搬出ステージ6に搬入される。次に、ウエハ搬送アーム60によってカセットC内からウエハWが取り出され、前記したユニットU3の棚の一つである受け渡し台を介して、ウエハ搬送アームMAに受け渡される。そして、ユニットU3の一つの棚の処理部内で疎水化処理が施された後、冷却ユニットにより所定温度に冷却された後、塗布ユニット62にてレジスト膜が形成される。
【0040】
このレジスト膜が塗布されたウエハWは、加熱ユニット内で加熱された後、インターフェイスユニット63を介して露光装置64に送られ、ここでパターンに対応するマスクを介して露光が行われる。その後、ウエハWは加熱ユニットで加熱され、さらに冷却ユニットで冷却され、続いて現像ユニット61に送られて現像処理され、レジストマスクが形成される。その後、再度加熱ユニットにより加熱処理される。しかる後、ウエハWは搬入・搬出ステージ6のカセットC内に戻される。
【0041】
次に、この発明が適用された液処理装置としての現像処理装置について、図3〜図6を用いて説明する。なお、図3は、現像処理装置の第1の実施の形態を示した断面図であり、また図4は、同じく現像処理装置における振動付与手段とウエハの支持手段を示す平面図である。さらに、図5は、前記現像処理装置に配置された振動付与手段を示し、また、図6は、主に振動付与手段の配置状態を示した透視図である。
【0042】
すでに説明した図1および図2に示された前記現像ユニット61内には、図3に示す現像処理装置が配置されている。この現像処理装置には、そのほぼ中央部に、円板状に形成されたベース板70が水平状態に配置されている。このベース板70のほぼ中央部には、開口70aが形成されており、この開口内には基板としてのウエハWをほぼ水平状態に保持する保持手段であるスピンチャック77が挿通され、このスピンチャック77によりウエハWの裏面を真空吸着して保持することができるように構成されている。
【0043】
このスピンチャック77は、その基端部に配置された駆動部79により、回転自在および昇降動作がなされるように構成されている。さらに減圧装置78により生成される負圧が、スピンチャック77の軸内に形成された図示せぬ導通管を介して、上端部に形成された皿状のチャック部に作用するようになされ、これにより、前記したようにウエハWは、スピンチャック77の上端部において真空吸着される。そして、スピンチャック77は二点鎖線で示す上端位置に移動した時に、図1に基づいて説明したウエハ搬送アームMAとの間で、ウエハWの受け渡しが可能になされ、またこの位置において、後述するリンス液による洗浄動作がなされる。
【0044】
前記円板状に形成されたベース板70の周囲には、スピンチャック部を収容するように設けられた容器であるカップ部材74が一体に取り付けられている。このカップ部材74は、断面がコ字状となるようにして、円環状に形成されており、ベース板70に対する取り付け位置70bよりも、上方に位置する部分は、外側に傾斜した折り曲げ部71を形成している。そして前記ベース板70と、カップ部材74の折り曲げ部71とにより、皿状の受け部が形成されている。そして、この受け部によって受け止められる後述する主に現像液を排出することができるドレイン管75が、ベース板70を貫通するようにして取り付けられている。
【0045】
また、カップ部材74の下底部にも、適宜の位置に廃液管74aが取り付けられており、カップ部材74によって受け止められる現像液あるいはリンス液が、カップ部材74より排出できるように構成されている。なお、廃液管74aは、カップ部の排気手段としての機能も兼用しており、ミストなどのパーティクルを排気するように機能する。
【0046】
一方、前記カップ部材74の外側には、円筒部材72が配置されている。この円筒部材72は、その上部において、内側に傾斜した折り曲げ部を形成しており、この円筒部材72の内周面72aが、カップ部材74の外周面に接して、上下方向にスライドできるように構成されている。そして、図3においては、符号76として便宜的に駆動機構を示しているが、この駆動機構76によって、前記円筒部材72を実線で示す下方位置、並びに二点鎖線で示す上方位置にセットできるように構成されている。これにより、円筒部材72が実線で示す下方位置にセットされた状態で、円筒部材72における前記折り曲げ部の端縁と、前記カップ部材74における折り曲げ部71の端縁との間に、空間部73が形成されるように構成されている。
【0047】
一方、前記スピンチャック77を囲むようにして、前記ベース板70の上面には、周方向にほぼ等間隔をもって複数の(例えば4つの)支持手段80が配置されている。この支持手段80は、前記ウエハWの裏面において当該ウエハWを支持することができるように構成されている。そして、支持手段80は図4に拡大して示したように、前記ウエハWの裏面に接触する第一支持部材としての真空吸着部80aと、前記第一支持部材を、その上部に保持する第二支持部材としての可撓性および/または弾性素材により形成された例えば中空部材80bと、前記第二支持部材を、その上部に保持する第三支持部材80cより構成している。
【0048】
そして、第一支持部材を構成する真空吸着部80aは、摩擦などによるパーティクルの発生を抑制する必要から、耐摩耗性素材である例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の合成樹脂素材により、上部に向かって拡開された形状になされている。これにより、ウエハWの保持動作の繰り返しによるパーティクルの発生を抑制することができるよう配慮されている。また、第二支持部材を構成する中空部材80bは、例えば、ゴム素材により中空状に形成されており、前記第三支持部材80cと第一支持部材80aとを連結し、その弾性を利用して、ダンパとしての機能を果たすように構成されている。
【0049】
そして、前記第三支持部材80cは金属製の管により構成されており、その基端部に印加される減圧装置81からの負圧が、前記第一支持部材を構成する真空吸着部80aに伝達されるようになされている。この構成により、ウエハWをその裏面において吸着すると共に、この吸着状態において、ウエハWの面がほぼ水平状態となるように支持する。なお、真空吸着部80aにおけるウエハ裏面に対向する部位の形状は、必ずしも図4に示すごとく構成されていなくてもよく、ウエハを吸着することができる面を有すればよい。
【0050】
一方、図3に示すように、前記ベース板70上には、前記支持手段80によってウエハWを支持した状態において、ウエハWの裏面におけるほぼ中央部に対して振動を与えることができる振動付与手段82が配置されている。この振動付与手段82は、例えば駆動機構83によって、垂直部材84aおよび水平部材84bにより構成されたL字状の駆動アーム84を、回転および上下方向に駆動することができるように構成されている。
【0051】
この振動付与手段82の詳細な構成は図5(a)に示されており、前記水平部材84bの自由端側には、振動発生ユニット85が上向きに取り付けられている。そして、前記駆動機構83の駆動動作により、前記水平部材84bが、垂直部材84aを軸として回動されると共に、前記垂直部材84aが垂直方向に駆動されることにより、前記振動発生ユニット85が、前記ウエハWの裏面におけるほぼ中央部に接触することができるように駆動される。
【0052】
前記した振動付与手段82の構成により、振動付与手段82がウエハWに対して振動を与えない待機状態においては、図6(a)に示すようにスピンチャック77の配置領域から避けて、スピンチャック77の駆動動作を妨げないようになされる。また、振動付与手段82によってウエハWに振動を与える加振状態においては、スピンチャック77が退避され、図6(b)に示すようにウエハWの裏面中央部に、前記振動発生ユニット85が当接されるように制御される。
【0053】
図5(b)には、前記した振動発生ユニット85の一つの好ましい構成が断面図で示されている。この振動発生ユニット85は、例えばマグネット85cとヨーク85dにより磁気回路を構成しており、磁気回路における磁気ギャップ部分、すなわち、磁気回路の交番磁界中には、電磁変換コイル85bが配置されている。そして、この電磁変換コイル85bには、図3に示されたように周波数調整部86よりもたらされる駆動信号(交流信号)が供給される。したがって、電磁変換コイル85bは、周波数調整部86よりもたらされる駆動信号を受けて、その頂部に形成された振動子85aを図5(b)において、上下方向に励振駆動する。
【0054】
振動発生ユニット85の前記した構成により、前記支持手段80によって支持されたウエハWは、その面に直交する方向に振動作用を受ける。すなわち、この面に直交する方向に振動する作用が、ウエハWに液盛りされた現像液にも伝播され、液が同様に振動作用を受ける。
【0055】
この時、ウエハWを支持する支持手段80における前記真空吸着部も、ウエハWの振動に応じて振動される。しかしながら、支持手段80における第二支持部材80bは前記したとおり、可撓性および/または弾性素材である例えばゴム素材により形成されており、したがって、そのダンパ作用により、ウエハWから伝達される振動を吸収しつつ、ウエハWを図3における実線で示す位置に保持するように作用する。
【0056】
ここで、前記周波数調整部86より電磁変換コイル85bに供給される駆動信号の周波数は、例えば1〜数百Hzになされる。この周波数は後述するように現像処理されるウエハWの寸法によって適宜選択されるが、例えば12インチのウエハWを対象とするならば、100Hz以下が好ましい。この範囲の振動周波数であるならば、ウエハ自体が分割振動を起こすことはなく、また後述するようにウエハの表面に現像液を液盛りした状態において、現像液の液膜が共振して波の腹と節を生成させる現象になるを避けることができる。これにより、現像液はウエハの表面の振動を受けて、その全面にわたって効果的に攪拌される。
【0057】
なお、図5(b)に示した例においては、振動発生ユニット85として、磁気回路とこの磁気回路の交番磁界中に配置された電磁変換コイルとによる電磁アクチュエータを構成しているが、これに代えてピエゾ素子を駆動源とした振動発生ユニットを採用することもできる。
【0058】
図3に戻り、符号87はウエハWの表面上に現像液を供給する現像液供給ノズルを示している。この現像液供給ノズル87は、便宜的に符号88で示した駆動機構によって、昇降かつ進退することができるように構成されている。これにより、現像液の供給時には待機位置から供給位置に下降した後、ウエハWの表面(レジスト塗布膜)上に現像液を帯状に吐出させながらウエハの面に沿って移動するように制御される。
【0059】
なお、ウエハWの表面に対する現像液の供給は、現像液供給ノズル87を移動させる代わりに、ウエハWを支持するスピンチャック77を回転させる制御によっても行われ得る。この場合、ウエハWのほぼ中心点に現像液供給ノズル87を移動させ、この位置で現像液をウエハWの表面上に帯状に吐出させつつ、ウエハWを少なくとも1/2回転させることで達成される。
【0060】
一方、符号89はウエハWの表面上にリンス液(純水)を供給するためのパイプ状に形成されたリンス液供給ノズルを示している。このリンス液供給ノズルは、特に図示していないが、駆動機構によって、ウエハWの直上を避けた退避位置からウエハWのほぼ中心位置に移動されるように構成されており、また、二点鎖線で示すウエハWの洗浄処理位置において対峙して、ウエハWの表面上にリンス液を吐出させるように作用する。この時、前記円筒部材72は、駆動機構76の制御を受けて二点鎖線で示す位置に上昇され、洗浄動作に伴いウエハWの径方向に飛散する現像液並びにリンス液を受け止めて、カップ部材74内に誘導するように作用する。
【0061】
なお、前記した各駆動機構、各減圧装置、振動付与手段および周波数調整部等は、それぞれ図示しない中央制御部からの指令により駆動されるようになされており、これにより各部を連動させた制御を可能としている。例えば、駆動機構79によるスピンチャック77の昇降に応じて駆動機構88による現像液の供給が行われる。また、駆動機構79によるスピンチャック77の昇降に同期して減圧装置78によるウエハWの吸着の解除と、さらには減圧装置81によるウエハWの吸着、並びに支持手段80へのウエハWの受け渡しが行われる。
【0062】
次に、前記した実施の形態において実行される現像処理方法について、図7(a)〜(h)および図3に基づいて説明する。なお、図7(a)〜(h)は、この発明にかかる第1の実施形態によって実行される液処理方法を説明するものであり、それぞれ断面図によって示している。この実施の形態における現像処理は、「ウエハ吸着工程」および「現像工程」と、さらには「洗浄工程」との各工程が順次実施されるため、これらの工程にしたがって順次説明する。
【0063】
「ウエハ吸着工程」
先ず、駆動機構79を駆動させることにより、スピンチャック77を待機位置からウエハ受け渡し位置まで上昇させる。この場合、スピンチャック77がウエハ受け渡し位置まで上昇すると、駆動機構79が駆動停止される。次に、図7(a)に示すように、予めレジスト塗布膜に露光処理が施されたウエハWを、ウエハ受け渡し位置において搬送アーム(図示せず)からスピンチャック77に受け渡す。この時、減圧装置78が駆動されることによりウエハWはスピンチャック77によって吸着保持される。
【0064】
そして、駆動機構79が駆動されることにより、スピンチャック77はウエハWを保持したまま下降する。これにより、支持手段80における第一支持部材80aがウエハWの裏面に当接する。この状態から、図7(b)に示すように、減圧装置78の駆動が停止されて、スピンチャック77によるウエハWの吸着保持が解除される。そして、スピンチャック77は最下部の待機位置まで下降する。この場合、スピンチャック77が待機位置に下降すると、駆動機構79は駆動停止される。そして、ウエハWが支持手段80上に載置された状態で減圧装置81が駆動されることにより、支持手段80はウエハWを吸着保持する。
【0065】
「現像工程」
先ず、図7(c)に示すように、駆動機構83が駆動されることにより、振動付与手段82における振動発生ユニット85は、待機位置から加振動作位置に移動する。これにより、振動発生ユニット85がウエハWの裏面中央部に位置付けられる。そして、駆動機構88が駆動されることにより、図7(d)に二点鎖線で示すように、現像液供給ノズル87は待機位置から現像液供給位置(ウエハWの表面に、例えば1mm程度の隙間をおいて対峙する供給開始位置)まで移動する。
【0066】
その後、駆動機構88がさらに駆動されることにより、現像液供給ノズル87は、同図(d)に二点鎖線で示す供給開始位置から同図に実線で示す供給終了位置までウエハ面に沿って移動しながら、ウエハWの表面上に現像液を帯状に吐出させる。なお、前記現像液供給ノズル87が供給終了位置まで移動した場合において、ウエハWの表面(レジスト塗布膜)上に約1.2mmの高さの液膜が形成されるように現像液の吐出量が調整されている。
【0067】
そして、駆動機構88の駆動によって現像液供給ノズル87は待機位置まで移動し、これに続いて電磁変換コイル85bへの通電によって振動子85aが振動される。この状態から、図7(e)に示すように、駆動機構83が駆動され、これに伴い振動付与手段82は待機位置から振動付与位置まで上昇する。そして、振動子85aがウエハWの裏面中央部に接触した状態でウエハWを、例えば約10秒間ほど振動させる。このウエハWの振動により、ウエハWと現像液の界面(より正確に言えば、ウエハW表面のレジスト膜と現像液との界面)が振動し、この界面の振動によって現像液の表面近傍が揺動する。
【0068】
したがって、この実施の形態においては、振動付与手段82によってウエハWのほぼ全体が均一に振動し、ウエハWの表面上における現像液が効果的に攪拌される。これにより、処理液中に発生する反応生成物により、処理液に濃度差が発生するのを防止させることができる。したがって、処理液による例えば反応処理の進行にばらつきが発生するのを、効果的に抑制させることができ、結果として、前記したようにパターン幅にばらつきが発生する度合いを低減させることが可能となる。
【0069】
この後、電磁変換コイル85bへの通電の停止によって振動子85aによる振動は終了し、ウエハWは静止状態とされる。この静止状態は所定の静止現像時間に対して、前述の振動付与時間を差し引いた残りの時間、例えば約45秒継続され、この間に静止現像処理が施される。この時、駆動機構83が駆動されて、振動付与手段82は待機位置まで下降する、
【0070】
「洗浄工程」
この工程においては、先ず駆動機構76が駆動されて円筒体72は上昇駆動される。そして、減圧装置81の駆動が停止されて支持手段80による現像済みウエハWの吸着が解除される。この場合、円筒体72がリンス液収容位置に上昇している。次に、減圧装置78が駆動されると共に、駆動機構79が駆動され、スピンチャック77が上昇する。この場合、スピンチャック77の上昇により、支持手段80からウエハWを受け取り、ウエハWはスピンチャック77に吸着保持される。
【0071】
そして、駆動機構79がさらに駆動されることにより、スピンチャック77は最上部のリンス液供給位置までウエハWを保持したまま上昇する。その後、リンス液供給ノズル89はリンス液供給位置まで移動し、このリンス液供給位置でリンス液供給ノズル89よりウエハWの表面上にリンス液を供給しながら、図7(g)に示すように駆動機構79を駆動させて、スピンチャック77を回転させる。これにより、ウエハWの表面上に残留する現像液は、リンス液と共に円筒体72内に飛散して回収される。そして、所定時間経過後にリンス液の吐出を停止し、継続してスピンチャック77を回転させることにより、ウエハWの表面上におけるリンス液も振り切られ、ウエハWはスピン乾燥される。
【0072】
この状態から、図7(h)に示すように、駆動機構79は駆動停止されてスピンチャック77が回転停止し、駆動機構76の駆動により円筒体72は下降制御される。その後、減圧装置78が駆動停止されてスピンチャック77によるウエハWの吸着が解除され、スピンチャック77から搬送アーム(図示せず)にウエハWが渡される。以上のような工程をもって、ウエハWに対する現像液処理が完了する。
【0073】
なお、前記した洗浄工程において、スピンチャック77の回転によって現像液を振り切った後に、再度支持手段80にウエハを支持させ、リンス液供給ノズル89からリンス液をウエハWに供給して液盛りを行い、前述の振動付与手段82により、所定時間振動を与えた後に、リンス洗浄してもよい。また、振動を付与しつつリンス液を供給しながらリンス洗浄してもよい。このように、リンス液を液盛りして振動を付与することにより、現像されたパターン間に対してリンス液の流入が促進される。それ故、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができる。これにより、パターンの線幅の不均一を効果的に解消させることができる。
【0074】
図8は、前記したように洗浄工程において、振動付与手段82によりウエハWに振動を与えるようにした例を工程順に示したものである。すなわち、図8(a)〜(c)は、前記した図7(f)に示した現像工程に続いて実行されるようになされる。図7(f)に示した現像工程の終了に伴い、図8(a)に示すように、駆動機構76が駆動されて円筒体72は上昇駆動される。そして、減圧装置81の駆動が停止されて支持手段80によるウエハWの吸着が解除される。
【0075】
次に、減圧装置78が駆動されると共に、駆動機構79が駆動され、スピンチャック77が上昇する。これにより、スピンチャック77は支持手段80からウエハWを受け取り、ウエハWはスピンチャック77に吸着保持される。この状態で、スピンチャック77は駆動機構79により回転駆動を受け、ウエハW上に液盛りされていた現像液は、円筒体72内に飛散して回収される。すなわち、スピンチャック77の回転によって、ウエハW上の現像液は周方向に振り切られる。
【0076】
続いて、スピンチャック77の回転が停止され、駆動機構79が駆動されることにより、スピンチャック77はウエハWを保持したまま下降する。これにより、図8(b)に示すように、支持手段80がウエハWの裏面に当接する。この状態において、減圧装置78の駆動が停止されて、スピンチャック77によるウエハWの吸着保持が解除される。この後、減圧装置81が駆動されることにより、支持手段80がウエハWを吸着保持する。
【0077】
これに続いて、リンス液供給ノズル89はウエハWの直上に移動してウエハWの表面上にリンス液を供給する。そして、リンス液を液盛りした状態で、図8(c)に示すように、駆動機構83が駆動され、これに伴い振動付与手段82は待機位置から振動付与位置まで上昇する。続いて、振動子85aがウエハWの裏面中央部に接触した状態でウエハWを所定時間振動させる。
【0078】
これにより、ウエハWの表面に液盛りされたリンス液は攪拌され、現像されたパターンとパターン間にリンス液が効果的に進入して攪拌動作がなされる。それ故、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができ、パターンの線幅の不均一を効果的に解消させることができる。
【0079】
しかる後、前記した図7(g)に示す工程に移り、ウエハWの表面上にリンス液を供給しながら、スピンチャック77を回転させることより、ウエハWはさらにリンス液による洗浄を受ける。そして、所定時間経過後にリンス液の吐出を停止させることにより、ウエハWの表面上におけるリンス液は周方向に振り切られ、ウエハWはスピン乾燥される。
【0080】
なお、図8に示した工程においては、図8(b)に示すようにウエハWの表面上に所定量のリンス液を液盛りした状態において、図8(c)に示すように振動付与手段82により、ウエハWに振動を与えるようにしているが、図8(c)に示すように、ウエハWに振動を与えつつ、リンス液供給ノズル89より継続してリンス液を供給するようにしてもよい。
【0081】
なお、前記した実施の形態においては、振動付与手段82は直線動作と回転動作の組み合わせによって、待機状態から加振動作位置に移動されるように構成されているが、前記した構成に限らず、例えば図9に示すような構成も好適に利用し得る。なお、図9においては、すでに説明した各部に相当する部分を同一符号で示している。
【0082】
この図9に示す構成においては、前記した振動発生ユニット85が、軸方向に伸縮駆動される駆動機構92の駆動先端部に取り付けられている。そして、前記駆動機構92が傾倒状態に配置されており、前記駆動機構92の駆動動作により、前記振動発生ユニット85が、前記ウエハWの裏面におけるほぼ中央部に接触するように作用する。
【0083】
次に、この発明にかかる液処理装置における第2の実施形態について、図10を用いて説明する。なお、同図において図3に示した各部に相当する部分については、同一の符号で示しており、したがって、その詳細な説明は省略する。図10において、符号100で示すスピンチャックは、第1の実施の形態に示したスピンチャック77と同様に、回転駆動、並びに上下方向に移動できるように構成されている。
【0084】
そして、前記スピンチャック100は、減圧装置78に開閉弁101および切換弁102を介して接続されている。これら両弁101,102は、ウエハWへの振動付与時およびウエハWの吸着時に制御部103によって開閉動作と切換え動作が制御される。これにより、ウエハWの吸着時に開閉弁101が開弁されるとともに、スピンチャック100に減圧装置78が連通させるように切換弁102が切換えられる。
【0085】
また、前記スピンチャック100は、前記弁101を介して加圧装置104または減圧装置78に連通されるように構成されている。この時、前記スピンチャック100の先端部は、図10に実線で示すように、ウエハWの裏面から所定の間隔(約1mm程度)をもって対峙するように制御される。そして、前記弁102は、加圧装置104および減圧装置78に対して交互に連続して連通させるように切換え動作がなされる。このような操作により、スピンチャック100における上部の吸着部より、負圧による圧力変動に伴う音波が生成され、これにより、ウエハWに非接触で振動を与えることができる。
【0086】
したがって、ウエハWの表面に現像液を供給した直後において、前記ウエハWに振動を付与することで、前記した第1の実施の形態と同様に、ウエハWの表面における現像液を効果的に攪拌させることができる。また、図8に基づいて説明したように、ウエハWの表面にリンス液を供給した状態において、これを実行することによって、ウエハWの表面におけるリンス液を効果的に攪拌させることができる。
【0087】
一方、前記切換弁102を加圧装置104側に切換えておき、この状態で前記開閉弁101を断続的に開閉操作を行うことによって、スピンチャック100における上部の吸着部より、気体(空気)を断続的に排出させることができる。これにより、スピンチャック100の吸着部に対峙した状態の前記ウエハWの裏面に対して断続的に空気が吹き付けられ、この断続的に吹き付けられる空気によって、ウエハWに振動を付与することができる。したがって、同様にウエハWの表面における現像液を効果的に攪拌させることができると共に、ウエハWの表面におけるリンス液を効果的に攪拌させることもできる。
【0088】
次に図11は、この発明にかかる液処理装置における第3の実施の形態を示したものである。なお同図において図3に示した各部に相当する部分については、同一の符号で示しており、したがって、その詳細な説明は省略する。この図11に示した実施の形態においては、前記ウエハWの裏面側に複数個の電気音響変換器111が配置された構成とされている。そして各電気音響変換器111の音響放射軸が、前記支持手段80によって支持されているウエハWの裏面側中央に向くように配置されている。そして、これら電気音響変換器111には、周波数調整部86より、駆動信号が供給されるように構成されている。
【0089】
この第3の実施の形態においても、ウエハWの表面に現像液を供給した直後において、前記した各電気音響変換器111を駆動することで、前記ウエハWに対して振動を付与することができ、前記した各実施の形態と同様に、ウエハWの表面における現像液を効果的に攪拌させることができる。また、図8に基づいて説明したように、ウエハWの表面にリンス液を供給した状態において、これを実行することによって、ウエハWの表面におけるリンス液を効果的に攪拌させることができる。
【0090】
次に、この発明にかかる液処理装置における第4の実施の形態について、図12ないし図17を用いて説明する。なお、図12においては図3に示した各部に相当する部分を同一符号で示しており、したがって、その詳細な説明は省略する。この第4の実施の形態においては、スピンチャック77を中央にして、ベース板70の上面に、周方向にほぼ等間隔をもって例えば6つの支持手段93が配置されている。この支持手段93は、ウエハWの裏面において当該ウエハWを支持することができるように構成されている。
【0091】
すなわち、前記支持手段93は図13に拡大して示したように、前記ウエハWの裏面に接触する真空吸着部94と、前記真空吸着部94をその上端部に保持した支持部材95により構成されている。さらに前記支持部材95は、その基端部において前記ベース板70の上面に設置された振動付与手段としての振動発生ユニット96によって支持されることにより、それ自身が軸方向に振動されるように構成されている。
【0092】
前記真空吸着部94は、図3に示した真空吸着部80aと同様に、例えばPEEK等の合成樹脂素材により構成されており、これにより、ウエハWの保持動作の繰り返しによるパーティクルの発生を抑制することができるよう考慮されている。また、前記支持部材95は、図14に断面図で示したように金属製の管により構成されていて、前記支持部材95の基端部付近における内径部には閉塞部材95aが気密状態に嵌め込まれている。
【0093】
そして、支持部材95における前記閉塞部材95aの配置位置よりも若干上部には、水平方向に突出するようにして接続管97が取り付けられている。この接続管97には、図示せぬ可撓性のチューブを介して減圧装置81からの負圧が印加され、この負圧は前記真空吸着部94に伝達されるように構成されている。なお、真空吸着部94におけるウエハ裏面に対向する部位の形状は、必ずしも図13に示すごとく構成されていなくてもよく、ウエハを吸着することができる面を有すればよい。
【0094】
図14には、前記した振動発生ユニット96の一つの好ましい構成が断面図で示されている。この振動発生ユニット96は、例えばマグネット96eとヨーク96dにより磁気回路を構成しており、磁気回路における磁気ギャップ部分、すなわち、磁気回路の交番磁界中には、電磁変換コイル96aが配置されている。なお、この電磁変換コイル96aは、前記した支持部材95の下部に巻き付けられる形で取り付けられている。
【0095】
そして、この電磁変換コイル96aには、図12に示されたように周波数調整部86よりもたらされる駆動信号(交流信号)が供給される。したがって、電磁変換コイル96aは周波数調整部86よりもたらされる駆動信号を受けて、前記支持部材95を、その軸方向(図14における上下方向)に励震運動させることができる。
【0096】
また、前記支持手段93は、ウエハWを支持したときに、その荷重に耐えると共に、支持部材95が軸方向に振動できるように構成されている必要がある。そのために、図14に示した例では、支持部材95の下側にウエハWの荷重を受けるためのスプリング96cが配置されている。すなわち、支持部材95の下端部には、スプリング96cを受けるために円環状に形成された鍔部96bが設けられ、さらに鍔部96bの下側面とヨーク96dとの間に前記スプリング96cが介在されている。
【0097】
なお、前記スプリング96cに代えて、例えばゴム素材等により円環状に形成された弾性材によって支持部材95を支持するようにしてもよい。そして、前記支持手段93に対しては、ウエハWを保持したときに、水平方向に揺動しないよう前記支持部材95を軸方向に摺動可能に保持する保持機構(図示せず)が設けられる。
【0098】
振動発生ユニット96の前記した構成により、前記支持手段93によって支持されたウエハWは、面に直交する方向に振動作用を受ける。この面に直交する方向に振動する作用が、ウエハWに液盛りされた現像液にも伝播され、液が同様に振動作用を受けて効果的に撹拌される。
【0099】
なお、図14に示した例においては、振動発生ユニット96として、磁気回路とこの磁気回路の交番磁界中に配置された電磁変換コイルとによって構成されているが、これに代えてピエゾ素子を駆動源とした振動発生ユニットを採用することもできる。
【0100】
次に、前記した第4の実施の形態においてなされる現像処理工程について、図16(a)〜(g)に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、図12ないし図15も適宜参照される。図16(a)〜(g)は、この発明にかかる第4の実施の形態によって実行される液処理方法を説明するものであり、それぞれ液処理装置は断面図によって示されている。この実施の形態における現像処理は、「ウエハ吸着工程」および「現像工程」と、さらに「洗浄工程」との各工程が順次実行される。ここで、「ウエハ吸着工程」および「洗浄工程」については、図7に示した現像処理と同じ手順で行われるため、その動作説明は省略し、「現像工程」について説明する。
【0101】
すでに説明した図7(a)および(b)おける「ウエハ吸着工程」と同様な手順で、図16(a)および(b)に示した「ウエハ吸着工程」が実行された後、「現像工程」が実行される。この「現像工程」においては、図7に示した「現像工程」とほぼ同様な手順で実行される。すなわち、現像液供給ノズル87は、図16(c)に二点鎖線で示す現像液の供給開始位置から、同図に実線で示す現像液の供給終了位置までウエハ面に沿って移動しながら、ウエハWの表面上に現像液を帯状に吐出させる。
【0102】
なお、この第4の実施の形態においても、ウエハWの表面に対する現像液の供給は、現像液供給ノズル87を移動させる代わりに、ウエハWを支持するスピンチャック77を回転させる制御によっても行われ得る。この場合、ウエハWのほぼ中心点に現像液供給ノズル87を移動させ、この位置で現像液をウエハWの表面上に帯状に吐出させつつ、ウエハWを少なくとも1/2回転させることで達成される。
【0103】
そして、駆動機構88の駆動によって現像液供給ノズル87は待機位置まで移動し、これに続いて図16(d)に示すように電磁変換コイル96aへの通電によって支持部材95が軸方向に振動される。前記ウエハWは支持手段93に取り付けられた真空吸着部94より吸着状態で保持されているので、この実施の形態においては支持部材95が振動発生ユニット96によって、軸方向に振動されることによりウエハWも励振され、これに伴いウエハW上に液盛りされた現像液も撹拌される。
【0104】
ここで、各振動発生ユニット96の駆動によってなされる振動動作について、図15に基づいて更に詳しく説明する。図15は、主に支持手段93の配置位置の一例を透視図で示している。スピンチャック77の周囲に配置された6つの支持手段93は、平面視においてスピンチャック77を中心とした真円の軌跡上において、ほぼ等角度の位置に配置されている。そして、各支持手段93の夫々には、前記したように振動発生ユニット96がその基端部に具備されている。
【0105】
前記した支持手段93の配置構成において、各支持手段93の夫々に具備された振動発生ユニット96を同一周波数で、全て駆動させることができる。またこの時、振動発生ユニット96に対してそれぞれ異なる周波数を与えることもできる。さらに各振動発生ユニット96を順次間欠的に駆動させることもできる。この場合、例えば図15に二点鎖線で示した仮想三角形Aの各頂点に位置する3つの支持手段93(A組)と、仮想三角形Bの各頂点に位置する3つの支持手段93(B組)に分けて、A組およびB組を時分割によって交互に駆動することもできる。さらに、A組およびB組を駆動する時分割のタイミングが異なるように制御することもでき、加えて、A組およびB組を駆動する周波数を異なるように制御することもできる。
【0106】
斯くして、前記したような種々の振動付与モードを、必要に応じて適宜組み合わせて実行することにより、ウエハW上の現像液の液膜が共振して波の腹と節を生成させる現象になるを避けることができる。これにより、現像液はウエハの表面の振動を受けて、その全面にわたって効果的に攪拌され、現像液による反応処理の進行にばらつきが発生するのを、抑制させることができる。それ故、前記したようにパターン幅にばらつきが発生する度合いを低減させることが可能となる。
【0107】
前記した振動付与の実行後、電磁変換コイル96aへの通電の停止によって支持部材95による振動は終了し、図16(e)に示されるようにウエハWは静止状態とされる。この静止状態は所定の静止現像時間に対して、前述の振動付与時間を差し引いた残りの時間、例えば約45秒継続され、この間に静止現像処理が施される。
【0108】
以上で「現像工程」が終了し、この後に図16(f)および(g)で示す「洗浄工程」が実行される。この図16(f)および(g)で示す「洗浄工程」は、図7(g)および(h)に基づいて説明した洗浄工程と同様な手順で行われ、これをもってウエハWに対する現像処理が終了する。
【0109】
なお、この第4の実施の形態においてなされる前記洗浄工程においても同様に、スピンチャック77の回転によって現像液を振り切った後に、再度支持手段93によってウエハを支持し、リンス液供給ノズル89からリンス液をウエハWに供給して液盛りを行い、前述の振動付与手段96により、所定時間振動を与えた後に、リンス洗浄してもよい。
【0110】
また、振動を付与しつつリンス液を供給しながらリンス洗浄してもよい。このように、リンス液を液盛りして振動を付与することにより、現像されたパターン間に対してリンス液の流入が促進される。それ故、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができ、パターンの線幅が不均一となるのを効果的に解消させることができる。
【0111】
図17は、前記した第4の実施の形態においてなされる洗浄工程において、支持手段93を介してウエハWに振動を与えるようにした例を、工程順に示したものである。すなわち、図17(a)〜(c)は、前記した図16(e)に示した現像工程に続いて実行されるようになされる。図16(e)に示した現像工程の終了に伴い、図17(a)に示すように、円筒体72は上昇駆動される。そして、支持手段93によるウエハWの吸着が解除される。
【0112】
次に、スピンチャック77が上昇し、スピンチャック77は支持手段93からウエハWを受け取り、ウエハWはスピンチャック77に吸着保持される。この状態で、スピンチャック77は駆動機構79により回転駆動を受け、ウエハW上に液盛りされていた現像液は、円筒体72内に飛散して回収される。すなわち、スピンチャック77の回転によって、ウエハW上の現像液は周方向に振り切られる。
【0113】
続いて、スピンチャック77の回転が停止され、スピンチャック77はウエハWを保持したまま下降する。そして、スピンチャック77によるウエハWの吸着保持が解除され、図17(b)に示すように、支持手段93によってウエハWは吸着保持される。
【0114】
これに続いて、リンス液供給ノズル89はウエハWの直上に移動してウエハWの表面上にリンス液を供給する。そして、リンス液を液盛りした状態で、図17(c)に示すように、振動発生ユニット96が動作し、支持部材95を介してウエハWを所定時間振動させる。これにより、ウエハWの表面に液盛りされたリンス液は攪拌され、現像されたパターンとパターン間にリンス液が効果的に進入して攪拌されるため、パターンの線幅が不均一となるのを解消することができる。
【0115】
しかる後、前記した図16(f)に示す工程に入り、ウエハWの表面上にリンス液を供給しながら、スピンチャック77を回転させることより、ウエハWはさらにリンス液による洗浄を受ける。そして、所定時間経過後にリンス液の吐出を停止させることにより、ウエハWの表面上におけるリンス液は周方向に振り切られ、ウエハWはスピン乾燥される。
【0116】
なお、図17に示した工程においては、図17(b)に示すようにウエハWの表面上に所定量のリンス液を液盛りした後において、図17(c)に示すように支持手段93により、ウエハWに振動を与えるようにしているが、図17(c)に示すように、ウエハWに振動を与えつつ、リンス液供給ノズル89より継続してリンス液を供給するようにしてもよい。
【0117】
次に図18は、この発明にかかる第5の実施の形態を示したものであり、図16に示した現像処理における洗浄工程とは一部異なる構成を利用した洗浄工程の例を示している。なお、同図においては、すでに説明した図12に相当する各部を同一符号で示しており、したがって、各部の詳細な説明は省略する。この図18に示した実施の形態においては、図12に示すリンス液供給ノズル89に代えて、リンス液を帯状に吐出させることができるリンス液供給ノズル98が採用されている。
【0118】
このリンス液供給ノズル98は、駆動機構99によって、昇降かつ水平方向に進退(スキャン)することができるように構成されている。これにより、リンス液の供給時には待機位置から供給位置に下降した後、ウエハWの表面上に沿ってリンス液を帯状に吐出させながら移動するように制御される。
【0119】
図18は、前記した図16(e)に示した現像工程の終了に続いて実行されるようになされる。すなわち、図16(e)に示した現像工程の終了に伴い、リンス液供給ノズル98を制御する駆動機構99が駆動し、図18(a)に鎖線で示すように、リンス液供給ノズル94は待機位置からリンス液供給位置まで移動する。その後、駆動機構99によりリンス液供給ノズル94は、同図(a)に鎖線で示す供給開始位置から同図に実線で示す供給終了位置までウエハ面に沿って移動しながら、現像液が残留するウエハWの表面上にリンス液を帯状に吐出させる。この動作を往復して複数回繰り返すことにより、ウエハW上の現像液を流し出す作業を行う。
【0120】
さらに、図18(b)に示すように、上述のリンス液吐出作業を行いながら、同時に支持手段93の基端部に配置された振動発生ユニット96を動作させて、ウエハWを振動させる。この時のウエハWに対する振動付与モードは、図15に基づいて説明したような各種の組み合わせを利用することができる。これにより、ウエハWの表面に液盛りされたリンス液は攪拌され、現像された各パターン間に新しいリンス液が順次効果的に進入するので、線幅が不均一となるのを解消することができる。
【0121】
しかる後、駆動機構99はリンス液供給ノズル98を待機位置まで移動させる。続いて図16(g)に示すように、ウエハWはスピンチャック77に受け渡され、スピンチャック77の回転によりウエハWの表面上におけるリンス液は周方向に振り切られ、ウエハWはスピン乾燥される。
【0122】
前記した構成により洗浄工程を実行した場合においては、支持手段93により、ウエハWを支持したまま、現像工程から洗浄工程に移行することができる。すなわち、図16における(e)〜(f)に示すように、現像工程から洗浄工程に移行する際に、ウエハWを支持手段93からスピンチャック77に受け渡し、ウエハ上の現像液を振り切った後に、再びウエハをスピンチャック77から支持手段93に受け渡すような工程を省略することができる。
【0123】
なお、前記した図3、図5〜図8に示した実施の形態においては、振動付与手段82を構成する振動発生ユニット85が、ウエハWの裏面におけるほぼ中心位置に接触して、ウエハに対して振動を付与するようになされているが、前記振動発生ユニットをウエハの端面部分に接触させて、ウエハに対して振動を与えるようにさせることもできる。
【0124】
また、前記した実施の形態においてはウエハWを裏面から支持する支持手段80,93が固定され、スピンチャック77,100を昇降させることで、ウエハWの現像処理を行う場合を例にして説明したが、この発明はこれに限定されず、スピンチャックを固定するとともに、支持手段80,93に昇降機構を設けて昇降させることで、ウエハ搬送アームMAおよびスピンチャックとのウエハWの受け渡しを行い、ウエハWの現現像処理を行うように構成することも可能である。このように構成しても、前記した各実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0125】
さらに、この発明にかかる液処理装置は、現像処理にかぎらず、例えば、レジスト液や層間絶縁膜の処理液の塗布装置や、ウエハ洗浄装置にも適用することができる。また、LCD製造装置やフォトマスク形成装置の液処理装置にも適用できる。
【0126】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、この発明にかかる液処理装置によると、処理液供給手段によって処理液が供給された状態の前記基板の裏面より、振動を付与する振動付与手段を備えたので、基板表面に供給される処理液を効果的に攪拌することができる。これにより、例えば現像処理中に発生する反応生成物により現像液に濃度差が発生するのを防止させることができ、パターン幅にばらつきが発生するのを効果的に低減させることに寄与できる。
【0127】
さらに、この発明によると、例えばリンス液による洗浄工程においても、前記した振動付与手段を利用してンス液を効果的に攪拌することができ、この撹拌動作によりウエハ上に形成された各パターン間へのリンス液の流入が促進され、パターン内に残留する反応生成物の除去効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された液処理装置を搭載したレジスト塗布・現像処理ユニットを上面から見た状態の透視図である。
【図2】同じく斜視図である。
【図3】この発明にかかる液処理装置の第1の実施の形態を示した断面図である。
【図4】図3に示す液処理装置に用いられる支持手段を示した斜視図である。
【図5】図3に示す液処理装置に用いられる振動付与手段を示した斜視図、並びにその一部断面図である。
【図6】図3に示す液処理装置に用いられる主に振動付与手段の配置状態を示した透視図である。
【図7】図3に示す液処理装置によってなされる処理ルーチンを説明する断面図である。
【図8】図7に示す処理ルーチンに加えてなされるの他の処理ルーチンの例を説明する断面図である。
【図9】この発明の第1の実施の形態に係る液処理装置において好適に使用し得る振動付与手段の他の例を示した断面図である。
【図10】この発明にかかる液処理装置の第2の実施の形態を示した断面図である。
【図11】この発明にかかる液処理装置の第3の実施の形態を示した断面図である。
【図12】この発明にかかる液処理装置の第4の実施の形態を示した断面図である。
【図13】図12に示す液処理装置に用いられた支持手段を示す斜視図である。
【図14】図12に示す液処理装置に用いられた振動付与手段を示す要部断面図である。
【図15】図12に示す液処理装置に用いられた主に支持手段の配置状態を示した透視図である。
【図16】図12に示す液処理装置によってなされる処理ルーチンを説明する断面図である。
【図17】図16に示す処理ルーチンに加えてなされるの他の処理ルーチンの例を説明する断面図である。
【図18】この発明にかかる液処理装置の第5の実施の形態によってなされる処理ルーチンの例を説明する断面図である。
【符号の説明】
61 現像ユニット
77 スピンチャック
78 減圧装置
80 支持手段
80a 第一支持部材(真空吸着部)
80b 第二支持部材
81 減圧装置
82 振動付与手段
84 アーム
85 振動発生ユニット
85a 振動子
85b 電磁変換コイル
87 現像液供給ノズル(処理液供給手段)
89 リンス液供給ノズル
93 支持手段
94 真空吸着部
95 支持部材
96 振動発生ユニット
98 リンス液供給ノズル
W ウエハ

Claims (16)

  1. ほぼ水平状態に支持された基板の表面に、処理液を供給することで、前記基板表面に液膜を生成させるプロセスに利用される液処理装置であって、
    前記基板の裏面において当該基板をほぼ水平状態に支持しつつ、基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段と、
    前記支持手段によって支持された前記基板の表面に、処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理液供給手段によって処理液が供給された状態の前記基板の裏面より、振動を付与する振動付与手段とが備えられ、
    前記振動付与手段により、基板の裏面より振動を付与することにより、基板表面の前記処理液を攪拌することができるように構成され、
    前記支持手段が、前記基板の裏面に接触する第一支持部材と、前記振動付与手段の駆動による前記基板の振動作用を吸収しつつ、前記第一支持部材を保持する第二支持部材を具備してなる液処理装置。
  2. 前記第一支持部材は、前記基板の裏面に対して負圧によって吸着する真空吸着部により構成され、前記第二支持部材は、前記基板の振動作用を吸収しつつ、前記真空吸着部に対して負圧を伝達する中空部材により構成された請求項1に記載の液処理装置。
  3. 前記振動付与手段における振動発生ユニットが、前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触することにより、前記基板に振動作用が与えられるように構成した請求項1または請求項2に記載の液処理装置。
  4. 前記振動発生ユニットが、垂直部材および水平部材によりL字状に形成された駆動アームの前記水平部材の自由端側に取り付けられ、前記水平部材が垂直部材を軸として回動されると共に、前記垂直部材が垂直方向に駆動されることにより、前記振動発生ユニットが前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触し得るように構成した請求項3に記載の液処理装置。
  5. 前記振動発生ユニットが、軸方向に伸縮駆動される駆動機構の駆動先端部に取り付けられると共に、前記駆動機構が傾倒状態に配置され、前記駆動機構の駆動動作により、前記振動発生ユニットが前記基板の裏面におけるほぼ中央部に接触し得るように構成した請求項3に記載の液処理装置。
  6. 前記振動付与手段は、前記基板を支持する支持手段に対して振動を付与するようになされ、前記支持手段を介して前記基板に対して振動を与えるように構成した請求項1または請求項2に記載の液処理装置。
  7. 前記支持手段に対して振動を付与する振動発生ユニットが、前記支持手段の基端部に配置されてなる請求項6に記載の液処理装置。
  8. 前記振動発生ユニットが、前記基板を支持する全ての支持手段における基端部にそれぞれ配置されてなる請求項7に記載の液処理装置。
  9. 前記振動発生ユニットが、磁気回路とこの磁気回路の交番磁界中に配置された電磁変換コイルとによって構成された請求項3、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8のいずれかに記載の液処理装置。
  10. 前記振動発生ユニットが、ピエゾ素子により構成された請求項3、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8のいずれかに記載の液処理装置。
  11. ほぼ水平状態に支持された基板の表面に、処理液を供給することで、前記基板表面に液膜を生成させるプロセスに利用される液処理装置であって、
    前記基板をほぼ水平状態に支持しつつ、基板面に直交する方向に振動可能となるように構成された支持手段と、
    前記支持手段によって支持された前記基板の表面に、処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記基板の裏面側に配置されており、前記処理液供給手段によって処理液が供給された状態の前記基板の裏面より、振動を付与する振動付与手段とが備えられ、
    前記振動付与手段が前記基板に対して非接触状態で、基板の裏面より振動を付与することにより、基板表面の前記処理液を攪拌することができるように構成した液処理装置。
  12. 前記非接触振動付与手段が、前記基板の裏面を吸着して基板の受け渡し動作を実行するスピンチャックであり、前記スピンチャックが前記基板の裏面に間隔をおいて対峙した状態において、スピンチャック側から生成される圧力変動に伴う音波によって、前記基板に振動を付与するように構成した請求項11に記載の液処理装置。
  13. 前記非接触振動付与手段が、前記基板の裏面側に配置された電気音響変換器であり、当該電気音響変換器から生成される音波によって、前記基板に振動を付与するように構成した請求項11に記載の液処理装置。
  14. 前記非接触振動付与手段が、前記基板裏面に対して気体を吹き付けることにより、前記基板に振動を付与するように構成した請求項11に記載の液処理装置。
  15. 前記非接触振動付与手段が、前記基板の裏面を吸着して基板の受け渡し動作を実行するスピンチャックであり、前記スピンチャックが前記基板の裏面に間隔をおいて対峙した状態において、スピンチャック側から吹き出される気体によって、前記基板に振動を付与するように構成した請求項14に記載の液処理装置。
  16. 前記処理液が、前記基板の表面に形成されたレジスト膜に反応する現像液もしくは前記現像液を洗浄するリンス液である請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の液処理装置。
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