JP3706228B2 - 現像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板に対して現像処理する現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」と称する。)やLCD基板などの基板表面にレジストパターンを形成させるためのフォトリソグラフィ工程が行われている。このフォトリソグラフィ工程は,基板の洗浄,基板の表面へのレジスト膜の塗布,パターンの露光,露光後の現像など,種々の処理工程を含んでいる。
【0003】
これらの処理工程のうち,ウェハの現像については従来から,次のようにして行われている。まずウェハを回転載置台,例えばスピンチャック上に保持させた後,該スピンチャックの回転によってウェハを回転させながら,ウェハ上に現像液を供給してこれを均一に拡散させる。次いでスピンチャックの回転を停止して,ウェハをしばらく静止させる。その後,再びスピンチャックを回転させてウェハ上の現像液を振り切り,ウェハが回転している状態のまま,今度は純水などの洗浄液をウェハ上に供給し,ウェハ上に残っている現像液を洗い流している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来のように,単にウェハを回転させながら洗浄液をウェハに供給したのでは,たとえばレジストパターンの隅に付着している現像液を完全に洗い流すことができないおそれがある。現像液が残留すると,その部分は必要以上に現像されるので,歩留まりの低下につながる。このような事態を回避するため,例えば洗浄時間を長くすると,結果的にスループットが低下してしまい,また必要な洗浄液の量も増大する。
【0005】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,ウェハ等の基板に対して現像処理を行うにあたり,従来よりも洗浄効果が良好で,洗浄時間の短縮,使用する洗浄液の低減をも実現することができる新しい現像処理方法を提供して,前記問題の解決を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は,基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,現像液が供給された後,所定時間経過後に基板を回転させて基板上の現像液を飛散させる工程と,その後基板表面が乾燥する前に回転する基板に対して洗浄液を供給する工程と,前記洗浄液の供給が開始されてから所定時間経過後,供給する洗浄液に振動を与える工程とを有することを特徴としている。
かかる構成によれば,供給する洗浄液に振動,たとえば超音波振動を与えることでレジストパターンの隅に付着している現像液やその他の不純物であっても,これを効率よく除去し,洗浄することが可能となる。したがって,洗浄時間の短縮,洗浄液の低減をも図ることができる。
【0007】
また,請求項2の発明は,基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,現像液が供給された後,所定時間経過後に基板を回転させて基板上の現像液を飛散させる工程と,その後基板表面が乾燥する前に回転する基板に対して洗浄液を供給する工程と,前記洗浄液の供給が開始されてから所定時間経過後,基板の回転速度を下げると共に,基板に供給する洗浄液に振動を与える工程とを有することを特徴としている。
かかる構成によれば,洗浄液に振動を付与する際には,基板の回転速度を下げるようにしたので,振動を基板上に十分に行きわたらせることができ,基板上の現像液をさらに効率よく除去することが可能である。もちろん,洗浄時間の短縮,洗浄液の低減も図ることができる。
【0008】
また,請求項3の発明は,この請求項1又は2に記載の現像処理方法において,洗浄液に与える振動の周波数を変化させることを特徴としている。かかる構成によれば,様々な周波数の振動を付与することで,洗浄効果をより高めることができる。
【0009】
また,請求項4の発明は,この請求項1又は2に記載の現像処理方法において,洗浄液に与える振動の周波数を次第に高くすることを特徴としている。かかる構成によれば,請求項3に記載された発明と同様に,洗浄効果の向上を図ることができる。また,最初から高い周波数を与えることはないので,残留している現像液に高周波が影響し,ウェハに悪影響を及ぼすことを防止することもできる。
請求項5の発明によれば,基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給し,その後,振動を与えた洗浄液をさらに基板に供給する工程と,を有することを特徴とする現像処理方法が提供される。
請求項6の発明によれば,レジストを塗布し,パターンの露光が終わった基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給し,その後,振動を与えた洗浄液をさらに基板に供給してレジストパターンに付着した現像液を除去する工程と,を有することを特徴とする現像処理方法が提供される。
請求項7の発明によれば,基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給する工程と,その後,基板の回転速度を下げながら,振動を与えた洗浄液を基板に供給する工程と,を有することを特徴とする現像処理方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照しながら,本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0011】
図1は,本実施の形態にかかる現像処理方法を実施するための装置を組み込んでレジスト処理装置100の外観を示している。このレジスト処理装置100の一端には,カセットステーション102が配置されている。そして,このカセットステーション102には,ウェハWを収容する複数のカセット104が載置自在である。カセットステーション102におけるカセット104の正面側には,ウェハWの搬送および位置決めを行うためのメイン搬送アーム106と,メイン搬送アーム106へとウェハWを搬送する搬送機構108とが備えられている。そして,ウェハWに対して所定の処理を施す各種の処理装置が,メイン搬送アーム106の搬送路112を挟んだ両側に配置されている。
【0012】
すなわち,カセット104より取り出されたウェハWを洗浄するためのブラシスクラバ114,ウェハWに対して高圧ジェット洗浄するための水洗洗浄装置116,ウェハWの表面を疎水化処理するアドヒージョン装置118,ウェハWを所定温度に冷却する冷却処理装置120,回転するウェハWの表面にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置122,122,レジスト塗布後のウェハWを加熱したり,露光後のウェハWを加熱する加熱処理装置124,さらに,本実施の形態に特徴的なプロセスを行う現像処理装置126,126が配置されている。
【0013】
この現像処理装置126が,本実施の形態にかかるプロセスを実施するための装置として構成されている。図2は,現像処理装置126の断面を,図3は同じく平面から見た様子を各々示している。この現像処理装置126の中心部には,駆動モータ150が設けられている。そして,この駆動モータ150によって回転が可能で,かつ上下動可能に構成されたスピンチャック152が,駆動モータ150上部に設けられている。スピンチャック152の回転スピードは自在に変えることができ,また,スピンチャック152の上面には,ウェハWが水平に吸着保持されるようになっている。
【0014】
スピンチャック152の外側には,当該スピンチャック152を囲うようにして,現像液や洗浄液の飛散を防止するための樹脂又は金属からなる環状のカップ154が設けられている。このカップ154は,上部へ行くほど狭くなるよう内側に傾斜が設けられている。またカップ154の開口部156の直径は,水平にしたウェハWを,そのままカップ154内に下降させて収納できる程度の大きさに設定されている。
【0015】
カップ154の底面158には,若干の傾斜が設けられており,底面158の最下部には,排液配管160が接続されている。そして,駆動モータ150を挟んだ排液配管160の反対側には,カップ154内の雰囲気を排気するための排気配管162が接続されている。カップ154の底面158には,ウェハWよりも小さい直径を有する環状壁164が立設されている。この環状壁164の上端には,スピンチャック152に吸着保持されたウェハWの裏面に近接する整流板166が配設されている。整流板166の周辺部は,外側に向かって下方に傾斜するように構成されている。
【0016】
カップ154の上部側方には,現像液供給ノズル170が配置されており,この現像液供給ノズル170は,現像液供給管172を介して現像処理装置126外部にある現像液供給装置174と接続されている。
【0017】
現像液供給ノズル170は,図3に示すように,現像処理装置126内に設けられた搬送レール176上の把持アーム178により把持される。この把持アーム178は,現像液供給ノズル170を把持,挟持,吸着することができる。したがって把持アーム178に把持された現像液供給ノズル170は,図3中の往復矢印で示す方向に往復移動することができる。
【0018】
現像液供給ノズル170は,図4に示すように,下面が略半円形状で中空構造となっており,当該下面には多数の現像液吐出口(図示せず)が形成されている。したがって,現像液供給装置174から供給される現像液は,現像液供給管172から現像液供給ノズル170へと導かれ,現像液供給ノズル170に設けられた多数の現像液吐出口からウェハWに吐出される。
【0019】
さらに,図2,図3,図4に示すように,スピンチャック152を挟んで現像液供給ノズル170の反対側には,洗浄液ヘッダ182が設けられており,洗浄液ヘッダ182の下面には,洗浄液供給ノズル180,180が設けられている。この洗浄液ヘッダ182は,洗浄液供給管184を介して現像処理装置126外部の洗浄液供給装置186に接続されている。
【0020】
この洗浄液ヘッダ182も前出の把持アーム178に把持される。したがって,洗浄液供給ノズル180は,現像液供給ノズル170と同様に,ウェハWに対して図4の矢印に示す方向に往復移動することができる。
【0021】
さらに,図5に示すように,洗浄液供給管184には,ポンプ188が介装されている。そして,洗浄液供給ノズル180,180内には,たとえば1MHzの高周波を洗浄液に与えることができる振動子190が設けられている。この振動子190は,発振器194からの信号により振動するようになっている。
【0022】
なお,図2に示したように,ウェハWの裏面側におけるスピンチャック152の外側には,ウェハWの裏面を洗浄するための洗浄水噴射ノズル196,196が設けられている。これら洗浄水噴射ノズル196,196は,洗浄水供給管198を介して洗浄水源200に接続されている。また,駆動モータ150,洗浄水源200,洗浄液供給装置186は,各々制御部202により制御される。
【0023】
現像処理装置126は以上のように構成されており,パターンの露光が終わった後のウェハWは,メイン搬送アーム106によって現像処理装置126へと搬送され,この現像処理装置126において,所定の現像処理がなされる。すなわち,現像液の塗布,現像液の振り切り,ウェハWの洗浄,洗浄液の振り切りがなされるのである。そして,ウェハWの洗浄の際には,図6のように,回転するウェハWの中心上方に洗浄液供給ノズル180が移動して,洗浄液供給装置186からの洗浄液がウェハW上に吐出されるのである。
【0024】
次に本実施の形態にかかるプロセスについて図7のタイミングチャートに基づいて詳述する。
【0025】
図7は,現像液の供給,ウェハWの回転,洗浄液の供給,そして振動の供給をタイミングチャートで表した図である。まず,スピンチャック152上にウェハWが載置されると,現像液供給ノズル170が所定の位置まで移動し,現像液供給装置174からの現像液がウェハW上に吐出される。この時ウェハWは,比較的低速で少なくとも1/2回転する。これによって,ウェハW上に現像液が均一に塗布される。次いで,現像液の供給とウェハWの回転とをt3で同時に停止させる。ウェハWの回転の停止時間は,たとえば約1分程度である。その後,t4で再度ウェハWを高速回転させ,ウェハW上の現像液を振りきる。
【0026】
次いで,t5においてウェハWの回転を持続させたまま,ウェハWが乾燥する前に洗浄液供給ノズル180から洗浄液をウェハWに供給する。洗浄液の供給時間は,後述するt7まで,たとえば10〜20秒程度に設定する。
【0027】
次いで,t5からたとえば約5秒程度時間が経過した後,t6で,発振器194を作動させて,洗浄液供給ノズル180内の振動子190を通じて,洗浄液に高周波を与える。その後のt7で,洗浄液および振動の供給を同時に終了する。
【0028】
以上のように,本実施形態によれば,ウェハWに供給する洗浄液に高周波を与えることで,たとえばレジストパターンの隅に付着しているような現像液であっても,これを効率よく除去することが可能となる。したがって,従来より,洗浄時間を短縮させることができ,それに伴って必要な洗浄液の量を低減させることができる。
【0029】
以上,本発明の実施の形態の一例を説明したが,本発明はこの例に限定されるものではなく,種々の態様を採りうるものである。すなわち,上述した実施の形態では洗浄液に単に振動を与える場合について説明してきたが,その場合,例えばウェハWの回転スピードを下げながら,t6において洗浄液に振動を与えてもよい。そうすることにより,ウェハWの供給されている洗浄液に対し,振動を十分に行き渡らせることができ,洗浄効果がいっそう高まる。
【0030】
また図8に示すように,洗浄液に与える振動の周波数を次第に高くするようにしてもよい。この場合,図9のように周波数を段階的に高くするようにしてもよい。さらにまた図10のように,周波数を漸次上げ下げするように振動を与えてもよい。このように,洗浄液に付与する振動の周波数を変化させることで,より効率よくウェハなどの基板を洗浄させることができ,たとえレジストパターンに付着した現像液なども効果的に除去することができる。また,振動を与えながらブラシスクラブを併用してもよい。
【0031】
以上の実施形態は基板がウェハWの例であったが,本発明はこれに限らず,LCD基板に対しても適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば,現像処理において,基板に供給する洗浄液に振動を与えるようにしたので,基板上に残留した現像液やその他の不純物,パーティクルを洗浄することができ,また洗浄時間の短縮,洗浄液の低減を図ることができる。請求項2に記載の発明によれば,振動を与える際に,基板の回転速度を下げるようにしたので,基板上の洗浄液にその振動が良く伝わり,基板上の現像液をさらによく洗浄することができる。請求項3に記載の発明によれば,洗浄液に与える振動の周波数を変化させるので,より一層現像液の洗浄効果を向上させることができる。請求項4に記載の発明によれば,現像液の洗浄効果の向上が図れると共に,万が一残留した現像液に高周波が影響し,基板に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるプロセスを実施するための現像処理装置を有するレジスト処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態にかかるプロセスを実施する現像処理装置の断面図である。
【図3】図2の現像処理装置を平面から見た説明図である。
【図4】図2の現像処理装置における洗浄液供給ノズルの斜視図である。
【図5】図2の現像処理装置における洗浄液供給ノズルの構成の説明図である。
【図6】図2の現像処理装置を用いて実施の形態にかかるプロセスを実施している状態を示す説明図である。
【図7】実施の形態にかかるプロセスのタイミングチャートを示す説明図である。
【図8】他の実施の形態のプロセスにおいて,洗浄液に与える振動の周波数を次第に高くしていく様子を示すグラフである。
【図9】他の実施の形態のプロセスにおいて,洗浄液に与える振動の周波数を段階的に高くしていく様子を示すグラフである。
【図10】他の実施の形態において,洗浄液に与える振動の周波数を漸次上げ下げする様子を示すグラフである。
【符号の説明】
100 レジスト処理装置
126 現像処理装置
152 スピンチャック
154 カップ
170 現像液供給ノズル
180 洗浄液供給ノズル
190 振動子
194 発振器
W ウェハ
Claims (7)
- 基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,
現像液が供給された後,所定時間経過後に基板を回転させて基板上の現像液を飛散させる工程と,
その後基板表面が乾燥する前に回転する基板に対して洗浄液を供給する工程と,前記洗浄液の供給が開始されてから所定時間経過後,供給する洗浄液に振動を与える工程と,を有することを特徴とする,現像処理方法。 - 基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,
現像液が供給された後,所定時間経過後に基板を回転させて基板上の現像液を飛散させる工程と,
その後基板表面が乾燥する前に回転する基板に対して洗浄液を供給する工程と,前記洗浄液の供給が開始されてから所定時間経過後,基板の回転速度を下げると共に,基板に供給する洗浄液に振動を与える工程と,を有することを特徴とする,現像処理方法。 - 洗浄液に与える振動の周波数を,変化させることを特徴とする,請求項1又は2に記載の現像処理方法。
- 洗浄液に与える振動の周波数を,次第に高くすることを特徴とする,請求項1又は2に記載の現像処理方法。
- 基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,
基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,
その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給し,その後,振動を与えた洗浄液をさらに基板に供給する工程と,を有することを特徴とする,現像処理方法。 - レジストを塗布し,パターンの露光が終わった基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,
基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,
その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給し,その後,振動を与えた洗浄液をさらに基板に供給してレジストパターンに付着した現像液を除去する工程と,を有することを特徴とする,現像処理方法。 - 基板に対して現像液を供給した後,当該基板に対して洗浄液を供給する現像処理方法において,
基板に現像液が供給された後,基板を回転させて基板上の現像液を振り切る工程と,
その後基板の回転を持続させたまま,基板が乾燥する前に基板に洗浄液を所定時間供給する工程と,
その後,基板の回転速度を下げながら,振動を与えた洗浄液を基板に供給する工程と,を有することを特徴とする,現像処理方法。
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