JP3853694B2 - 二重管の製造方法および二重管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
この発明は、電縫管製造方法を利用して2枚の金属帯板から連続的に主として薄肉の二重管を製造する二重管の製造方法に関し、また、二重管に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車のバンパーないしバンパー強度メンバーを金属板から製造する場合、一般に金属板を管状に折り曲げ加工した管構造とするが、単純な管構造でなく、図12(イ)に示した部材1のように、角管の中央に補強リブ2が形成された構造のもの(特開平11−170934号)、あるいは、図12(ロ)に示した部材3のように、間隔をあけた2つの角管部分4を2枚重ね部分5で連接した構造のも(特開平2000−335333号)等も提案されている。
図12(イ)の部材1は、ロール成形により成形し、ラインで補強リブ2の両端部分を溶接して製造される。
図12(ロ)の部材1は、主としてプレス成形をした後、2枚重ね部分5を溶接等で接合して製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記部材1、2と同様なバンパー材として、あるいはその他用途の部材として、図13に示すように、横長の角形の外側管7の内部に縦長の角形の内側管6を溶接接合した断面形状で、内側管7が補強リブと同様な作用をする二重管8が考えられる。
ところで、電縫管製造方法は、金属帯板をロール成形機に連続的に送り込み、複数段の成形ロールにより概ね閉鎖断面形状に成形した後、電気抵抗溶接機等の連続溶接装置を備えた溶接部で突合せ端縁を通電加熱し圧接して管を製造する方法であり、当然1枚の金属帯板から1つの管を製造するものであるから、従来の電縫管製造方法では、上記のような二重管8の製造はできない。電縫管製造方法は極めて生産性が高い製造方法なので、このような二重管を電縫管製造方法で製造することができれば、例えばバンパー補強材その他の部材を安価に供給できる。
【0004】
本発明は上記背景のものになされたもので、主として薄肉の二重管を電縫管製造方法により製造することを可能にし、また二重管を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、内側管と外側管とからなり、内側管の内部とその左右両側にあって外側管内部であるところの3つの中空部を持つ二重管を電縫管製造方法により製造する二重管の製造方法であって、
幅狭の金属帯板と幅広の金属帯板との2枚の金属帯板をロール成形機に連続的に送り込み、先に幅狭帯板の内側への曲げ加工を開始し、次いで、幅広帯板の内側への曲げ加工を開始して、幅方向中央部が密着する態様の内側準閉断面と外側準閉断面とを成形し、次いで、前記内側準閉断面および外側準閉断面のそれぞれの突合せ端縁を同時に連続溶接して外側管内に内側管を固定することを特徴とする。
請求項2は、請求項1の二重管の製造方法において、幅狭帯板と幅広帯板とを幅方向中央部近傍においてシーム溶接等で互いに溶接することを特徴とする。
【0006】
請求項3は、請求項1の二重管の製造方法において、金属帯板供給装置から2枚の金属帯板を重ね合わせて連続的に送り出すとともに、最初の成形ロールに入る前に、該金属帯板の左右両側に配置した金属帯板送り方向とこれに直交する方向との2方向のテーパを持つ1対のテーパ楔により、幅狭帯板の両側部分を幅広帯板から分離して、幅狭帯板の両側部分の曲げ加工を開始することを特徴とする。
請求項4は、請求項1の二重管の製造方法において、幅狭帯板のみをロール成形機に送り込んで曲げ加工を開始し、一定の曲げ加工が進んだ段階の途中から、幅広帯板を幅狭帯板の外面に添わせる形で送り込み、幅広帯板の曲げ加工を開始することを特徴とする。
【0007】
請求項5は、請求項1の二重管の製造方法において、内側準閉断面および外側準閉断面をいずれも角形にして、角形の内側管と同じく角形の外側管とからなる二重管を製造することを特徴とする。
請求項6は、請求項5において、幅狭帯板または幅広帯板の曲げコーナー部とならない平坦部に、剛性を高めるための長手方向又は幅方向の連続的又は断続的なリブを形成することを特徴とする。
請求項7は、請求項5において、幅狭帯板または幅広帯板の曲げコーナー部となる箇所に、予め、後の折り曲げ加工を容易にするための小溝を形成することを特徴とする。
請求項8は、請求項5において、内側準閉断面の曲げコーナー部近傍において幅狭帯板と幅広帯板とをシーム溶接等で互いに溶接することを特徴とする。
【0008】
請求項9は、請求項1の二重管の製造方法において、外側準閉断面の端縁近傍を、内側準閉断面の端縁を包むように内側に折り返すとともに、折り返し部を連続溶接することを特徴とする。
請求項10は、請求項1の二重管の製造方法において、少なくとも外側管の板厚と管径との比率が1.0%以下、かつ板幅と板厚との比率が150以上であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の二重管の製造方法により製造しようとする二重管10の一実施形態を示す断面図であり、いずれも角形断面形状に成形され突合せ端縁を電気抵抗溶接してなる角形の内側管11と角形の外側管12とからなるとともに、内側管11の対向する上下2面が外側管12に接触し、内側管12内部と内側管12の左右両側部分との3つの中空部13a、13b、13cが形成されている。突合せ溶接部を14で示す。また、図示の二重管10は、突合せ溶接部14と反対側でも、内側管11と外側管12とを2箇所で溶接接合している。溶接接合部を15で示す。
【0012】
本発明の二重管の製造方法は、幅狭の金属帯板と幅広の金属帯板との2枚の金属帯板をロール成形機に連続的に送り込み、先に幅狭帯板の内側への曲げ加工を開始し、次いで、幅広帯板の内側への曲げ加工を開始して、幅方向中央部が密着する態様の内側準閉断面と外側準閉断面とを成形し、次いで、前記内側準閉断面および外側準閉断面のそれぞれの突合せ端縁を同時に連続溶接して外側管内に内側管を固定して、二重管10を得るものである。
【0013】
図2は本発明の電縫管製造方法を実施する電縫管製造装置20の一例の概略構成を説明する図であり、11aは内側管11の素材である幅狭帯板(幅狭の金属帯板)、12aは外側管12の素材である幅広帯板(幅広の金属帯板)である。この電縫管製造装置20は、上流側に幅狭帯板コイル用のアンコイラ21と幅広帯板コイル用のアンコイラ22との2つのアンコイラを備え、帯板を準閉断面(端縁間に若干の間隙がある突合せ溶接直前の断面形状)に成形するロール成形機23、成形された準閉断面の突合せ端縁を電縫溶接する溶接部24を備えている。
図2に示した実施形態は、最初は幅狭帯板11aのみをロール成形機に送り込んで折り曲げ加工を開始し、一定の折り曲げ加工が進んだ段階の途中から、幅広帯板12aを幅狭帯板11aの下面に添わせる形で送り込み、幅広帯板12aの折り曲げ加工を開始するものである。図示例では、幅広帯板12aを成形ロールの下部空間を通して送り、途中(矢印aで示す箇所)からパスラインに導き、幅狭帯板11aの下面に添わせている。
【0014】
図示の電縫管製造装置20は、2つのアンコイラ21、22を持ち、2枚の帯板11a、12aが送り込まれる点以外は、図示された範囲では一般的な電縫管製造装置と同じであり、アンコイラとロール成形機23との間に、図示は省略したが、通常は、レベラー、コイルエンド切断装置、コイルエンド継ぎ溶接装置、ルーパー等を備えている。ロール成形機23は、上下の成形ロール(水平ロール)あるいは左右の成形ロール(縦ロール)を備えたロールスタンドを多数段備えているが、通常、ブレークダウンロール、クラスタロール、フィンパスロールからなる。溶接部24は、スクイズロールおよび電気抵抗溶接機を備えている。溶接機24の下流側の図示は省略したが、溶接ビードを冷却する冷却ゾーン、走行切断機等があり、必要に応じて、サイジングスタンンド、タークスヘッドを設ける。
【0015】
図1に示した断面形状の二重管10を上記電縫管製造装置20で製造する工程を説明する。一方のアンコイラ21から幅狭帯板11aがロール成形機23の最初のロールスタンドに送り込まれ、他方のアンコイラ22から幅広帯板12aが図2に示す通り、成形ロールの下部空間を通して送られ、途中(矢印a).0から幅狭帯板11aの下面に添わされる。
【0016】
図3は平坦な帯板11a、12aから最終的な二重管10に加工されるプロセスの各段階における断面形状を示す図である。ロール成形機23では、図3の♯1〜♯15に示すようなロール成形プロセスで、外側準閉断面11’の内部に内側準閉断面12’がある準二重管状(♯15の断面形状を指す)に形成される。なお、図3は帯板11a、12aの中央から右側半分のみを示す。また、♯1は水平ロール(成形ロール)を持つロールスタンドのうちの1段目のロールスタンドを示し、以下同様であり、♯1Sは縦ロール(成形ロール)を持つロールスタンドのうちの1段目のロールスタンドを示し、以下同様である。
【0017】
まず、1段目の成形ロール♯1で幅狭帯板11aの外側コーナー部11bを若干折り曲げ、引き続き♯1S、♯2の成形ロールでその曲げ角度を大きくする。
次いで、♯2Sの成形ロールで幅狭帯板11aの内側コーナー部11cの折り曲げを開始し、引き続き♯3、♯3S、♯4、♯4S、♯5の成形ロールでその曲げ角度を大きくする。
続く♯6の成形ロールでは、幅狭帯板11aの下面に導き添わせ幅広帯板12aの外側コーナー部12bの折り曲げ加工を開始し、引き続き♯6S、♯7、♯7S、♯8の各成形ロールで、その曲げ角度を大きくする。
次いで、♯9の成形ロールで幅広帯板12aの内側コーナー部12cの折り曲げを開始し、引き続き♯10〜♯15の成形ロールでその曲げ角度を大きくする。
【0018】
続く溶接部の電気抵抗溶接機で両帯板11a、12aの突合せ端縁を連続的に通電加熱しスクイズロール(♯SQ)で圧接して、内側管11内部とその左右両側部分との3つの中空部13a、13b、13cを持つ二重管10を得る。その後、溶接部は冷却される。
電気抵抗溶接機としては、誘導コイルを配置して行う誘導加熱法、あるいはコンタクトチップ電極を直接接触させる直接通電法によるものを採用するとよい。また、コンタクトチップに代えて、ローラ形電極を直接接触させる直接通電方式でもよい。
また、突合せ端縁を連続的に溶接する連続溶接装置として、電気抵抗溶接機に限らず、レーザー溶接法その他の方法による連続溶接装置を用いることができる。
【0019】
また、図3では特に図示していないが、例えば♯6のロールスタンドの直前等の初期の段階で、幅狭帯板11aの底部と幅広帯板12aとをシーム溶接やスポット溶接やプロジェクション溶接等で互いに溶接するとよい。これにより、2つの帯板11a、12a間の相対位置決めが確実に行われ、別にガイド機構を設ける必要がない。
また、二重管10における突合せ溶接部14と反対側が溶接接合(図1の溶接接合部15)された構造となり、内側管11と外側管12とが堅固に一体化する。
なお、溶接接合部15は、内側管11と外側管12との結合強度を高める目的だけであれば、例えば突合せ端縁溶接時やその後などの他の適宜のタイミングで行うこともできる。
また、さらに接合強度を必要とする場合には、図1に示した溶接接合部15以外の箇所(例えば突合せ溶接部14の両側の内側管コーナー近傍)でも内側管11と外側管12とを溶接接合することも可能である。
また、2枚の帯板11a、12a間の相対位置決めだけの目的であれば、♯6ロールスタンドの直前の段階で、帯板11a、12aの幅方向中央の1箇所を溶接するだけでよい。
この実施形態では、続く3つのサイジングロールスタンド♯17、♯18、♯19で断面形状を整え、2つのタークスヘッド♯TH1、♯TH2で反りや曲がりを矯正する。
【0020】
図3に示した実施形態のロール成形プロセスでは、幅狭帯板11aの折り曲げ加工は、幅広帯板12aが添わされる前の♯5の段階で概ね完了している。すなわち、幅狭帯板11aは♯5の段階で、概ね、スクイズロール♯SQに入る直前の断面形状(幅狭帯板11aの♯15における断面形状(準閉断面11’))に成形されている。しかし、♯5までの曲げ角度を少なくし幅狭帯板11aのさらなる折り曲げ加工を、続く幅広帯板12aの折り曲げ加工と平行して行うことも可能である。この場合、例えば、複数の小さなアイドルロールを配列して成形するケージフォーミング等により平行加工を行うとよい。しかし、幅広帯板12aを添わせる前に、水平ロールと縦ロールとで、♯15の断面形状に近い断面形状に成形しておくことが好ましい。
【0021】
図4に示す実施形態のように、幅広帯板12aを最初から幅狭帯板11aの下面に添わせて送り込むこともできる。この場合、幅狭帯板11aの折り曲げ加工のために幅広帯板12aを幅狭帯板11aから分離する必要がある。
その分離操作の手段として例えば、図5、図6に示した1対のテーパ楔26を用いる方法がある。すなわち、帯板送り方向のテーパ(角度αで示す)とこれに直交する方向のテーパ(角度βで示す)との2方向のテーパを持つ1対のテーパ楔26を、幅狭帯板11aの左右の最初の曲げコーナー(外側曲げコーナー)11bの外側に、その側縁角部が当該曲げコーナー11bに隣接する態様で配置する。これにより、重なり合って送られてきた2枚の帯板11a、12aのうち、幅狭帯板11aがテーパ楔26の上面に乗り上げて、幅広帯板12aから分離される。図6で27は上ロール、28は下ロールである。この分離自体も曲げ成形に若干寄与するが、その後、成形ロールでさらに幅狭帯板11aの折り曲げ加工を進める。
【0022】
また、上記のテーパ楔26で2枚の帯板11a、12aを分離させる際に、円滑な分離が行われるように、例えば潤滑油を2枚の帯板間に供給してもよい。また、2枚の帯板間にエアーを噴射してもよい。また、帯板に超音波振動を加えてもよい。これらの方法により、2枚の帯板間の摩擦が軽減され、帯板の分離が円滑に行われる。また、潤滑油の場合、帯板のかじり防止を図る効果もある。
また、2枚の帯板を分離させる時だけに限らず、必要に応じて、潤滑油供給、エアー噴射、超音波振動印加の各方法を適用することができる。
【0023】
本発明の二重管の製造方法で製造する二重管の他の実施形態を図7に示す。この二重管10’は、スクイズロール♯SQで突合せ溶接する前の段階で、概ね閉断面となった幅広帯板12a(外側準閉断面)の端縁近傍を、同じく概ね閉断面となった幅狭帯板11a(内側準閉断面)の端縁を包むように内側に折り返すとともに、折り返し部を電気抵抗溶接機とスクイズロールで突合せ溶接した構造である。突合せ溶接部を14’で示す。この突合せ溶接部14’では、幅広帯板12aの端縁だけが溶接されるのでなく、幅狭帯板11aの端縁も含めて突合せ部近傍が一体溶接される。
【0024】
本発明の二重管の製造方法は、板厚と管径(角形管の場合は円形に換算した外径)との比率が1.0%以下、かつ板幅と板厚との比率が150以上であるような薄肉管による薄肉二重管の製造を可能にするものである。薄肉管を得るために種々の工夫を施している。
上記のように板厚と管径との比率が1.0%以下、かつ板幅と板厚との比率が150以上であるよう薄肉管をロール成形すると、座屈や凹み生じ易い。そこで、ロール成形により平坦部にリブを形成して、平坦部の面内剛性を高める。これにより、座屈や凹みを軽減できる。このようなリブを形成した場合の二重管10は、例えば図7のような断面形状となる。リブを29で示す。なお、リブは長手方向のものに限らず、幅方向のリブであってもよく、また、連続的なものに限らず断続的なリブでもよい。
また、予め、帯板の曲げコーナーとなる箇所に小溝を形成しておく。これにより、帯板の折り曲げ加工が容易に行われ、座屈や凹みの軽減にもつながる。
また、0〜15mmの範囲のダウンヒル成形を行って、帯板縁部の歪み量をコントロールし、端縁に歪の生じない成形を行う。
【0025】
図9に本発明の他の実施形態の二重管30を示す。この二重管30は、上述の二重管の製造方法で製造したものであり、幅狭帯板と幅広帯板とをロール成形機23で弧状の曲げ加工をして、内側の楕円状の準閉断面と外側の円形状の準閉断面とを成形し、突合せ端縁を電気抵抗溶接機で同時に溶接して、縦長の楕円形の内側管31と円形の外側管32とを一体接合したものであり、内側管31の内部と内側管31の左右両側部分との3つの中空部33a、33b、33cを備えた二重管である。なお、突合せ溶接部34と反対側位置は、前述と同様にシーム溶接等により溶接(溶接溶接部35)する。
この二重管30は、例えば熱交換器用のパイプに用いて好適である。すなわち内側管31内の中空部33aとその外側の中空部33bおよび33cとにそれぞれ温度の異なる流体を流すと熱交換が行われるが、内側管31の断面積を適宜に設定一方することで、内側管内断面積と外側断面積との比を容易に調整することができ、熱交換器に所望の性能を持たせることが容易である。
【0027】
図10に本発明の他の実施形態を示す。この実施形態の二重管40は、内側管11および外側管12のそれぞれ側面部に一定の間隔をあけて縦長のディンプル(凹み)41を形成したものである。このディンプル41は、帯板11a、12aの成形が始まる前の平坦な段階で、対向する突部と凹部とをそれぞれ持つ上下1対のエンボスロールにより、連続的に形成することができる。
このディンプル41により内側管11および外側管12の剛性が向上する。なお、図示例では内側管11および外側管12の両方にディンプルを形成しているが、例えば内側管11の側面部だけ等と、一方のみでもよい。
【0028】
図11に本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の二重管50は、例えば外側管12の側面部に一定の間隔をあけて穴51をあけたものである。この穴51は、帯板11a、12aの成形が始まる前の平坦な段階で、対向するポンチと抜き穴とをそれぞれ持つ上下1対の穴あけロールにより、連続的に形成することができる。
穴51をあけることにより軽量化が図られる。なお、穴は外側管12および内側管11の両方の側面部にあけてもよいし、内側管11だけにあけてもよい。
【0029】
本発明で用いる材料は、鋼、ステンレススチール、アルミニューム、チタンその他任意であり、ロール成形と突合せ溶接が可能であれば、採用できる。
【0030】
本発明の二重管の用途は種々考えられるが、特に、薄肉の二重管とすることにより、軽量性と強度との両方の確保が可能となり、自動車のバンパー等の圧縮衝撃荷重が加わる部材、住宅部材等の木材に代わる用途など、広い分野で使用可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、幅狭の金属帯板と幅広の金属帯板との2枚の金属帯板をロール成形機に連続的に送り込み、先に幅狭帯板の内側への曲げ加工を開始し、次いで、幅広帯板の内側への曲げ加工を開始して、幅方向中央部が密着する態様の内側準閉断面と外側準閉断面とを成形し、次いで、前記内側準閉断面および外側準閉断面のそれぞれの突合せ端縁を同時に連続溶接して外側管内に内側管を固定するものであるから、軽量かつ剛性の高い部材を極めて生産性高く、安価に製造することが可能となった。
特に、薄板を用いて二重管を製造することが可能となるので、軽量性と剛性との両者を満たす部材を得ることが可能となり、広い用途に採用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の二重管の断面図である。
【図2】図1の二重管を製造する電縫管製造設備の概略構成を模式的に示した側面図である。
【図3】図1の二重管を製造する際の2枚の金属帯板のロール成形のプロセスの一例を示す図である。
【図4】幅広帯板を途中から送り込んで幅狭帯板に添わせる実施形態を示すもので、電縫管製造設備の概略構成を模式的に示した側面図である。
【図5】上記のロール成形の際に用いるテーパ楔の作用を説明する斜視図である。
【図6】図5のA-A断面図である。
【図7】本発明の二重管の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図9】内側が楕円管で外側が円形管である二重管の実施形態を示す断面図である。
【図10】図1の二重管における内側管および外側管の側面部に一定間隔で縦長のディンプルを形成した実施形態を示す斜視図である。
【図11】図1の二重管における外側管の側面部に一定間隔で穴をあけた実施形態を示す斜視図である。
【図12】背景技術を説明するための図であり、(イ)、(ロ)はいずれも自動車のバンパー補強材の断面図である。
【図13】図12のバンパー補強材の断面形状に代わる断面形状として発明者が考えた二重管断面を示す図である。
【符号の説明】
10、10’、10”、30 二重管
11、31 内側管
12、32 外側管
11a 幅狭帯板
12a 幅広帯板
11’ 内側準閉断面
12’ 外側準閉断面
13a、13b、13c、33a、33b、33c 中空部
14 突合せ溶接部
15、35 溶接接合部
20 電縫管製造装置
21 幅狭帯板用のアンコイラ
22 幅広帯板用のアンコイラ
23 ロール成形機
24 溶接部
26 テーパ楔
27 上ロール
28 下ロール
29 リブ

Claims (10)

  1. 内側管と外側管とからなり、該内側管の内部とその左右両側にあって該外側管内部であるところの3つの中空部を持つ二重管を電縫管製造方法により製造する二重管の製造方法であって、
    幅狭の金属帯板と幅広の金属帯板との2枚の金属帯板をロール成形機に連続的に送り込み、先に該幅狭帯板の内側への曲げ加工を開始し、次いで、該幅広帯板の内側への曲げ加工を開始して、幅方向中央部が密着する態様の内側準閉断面と外側準閉断面とを成形し、次いで、該内側準閉断面および該外側準閉断面のそれぞれの突合せ端縁を同時に連続溶接して該外側管内に該内側管を固定することを特徴とする二重管の製造方法。
  2. 該幅狭帯板と該幅広帯板とを幅方向中央部近傍においてシーム溶接等で互いに溶接することを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
  3. 金属帯板供給装置から2枚の該金属帯板を重ね合わせて連続的に送り出すとともに、最初の成形ロールに入る前に、該金属帯板の左右両側に配置した金属帯板送り方向とこれに直交する方向との2方向のテーパを持つ1対のテーパ楔により、該幅狭帯板の両側部分を該幅広帯板から分離して、該幅狭帯板の両側部分の曲げ加工を開始することを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
  4. 該幅狭帯板のみをロール成形機に送り込んで曲げ加工を開始し、一定の曲げ加工が進んだ段階の途中から、該幅広帯板を該幅狭帯板の外面に添わせる形で送り込み、該幅広帯板の曲げ加工を開始することを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
  5. 該内側準閉断面および該外側準閉断面をいずれも角形にして、角形の内側管と同じく角形の外側管とからなる二重管を製造することを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
  6. 該幅狭帯板または該幅広帯板の曲げコーナー部とならない平坦部に、剛性を高めるための長手方向又は幅方向の連続的又は断続的なリブを形成することを特徴とする請求項5記載の二重管の製造方法。
  7. 該幅狭帯板または該幅広帯板の曲げコーナー部となる箇所に、予め、後の折り曲げ加工を容易にするための小溝を形成することを特徴とする請求項5記載の二重管の製造方法。
  8. 該内側準閉断面の曲げコーナー部近傍において該幅狭帯板と該幅広帯板とをシーム溶接等で互いに溶接することを特徴とする請求項5記載の二重管の製造方法。
  9. 該外側準閉断面の端縁近傍を、該内側準閉断面の端縁を包むように内側に折り返すとともに、折り返し部を連続溶接することを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
  10. 少なくとも該外側管の板厚と管径との比率が1.0%以下、かつ板幅と板厚との比率が150以上であることを特徴とする請求項1記載の二重管の製造方法。
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