JP2024062149A - 管状部材及び管状部材を含む構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合された鋼部及び軽金属部を含み、用途が制限されにくい管状部材、及びその管状部材を含む構造体を提供する。【解決手段】管状部材(10)は、鋼部(11)と、軽金属部(12)と、溶接部(14)とを備える。軽金属部(12)は、管状部材(10)の軸方向において鋼部(11)と並んで配置される。軽金属部(12)は、鋼部(11)に接合されている。溶接部(14)は、鋼部(11)及び軽金属部(12)に跨って管状部材(10)の軸方向に延びている。【選択図】図6B

Description

本開示は、管状部材及び管状部材を含む構造体に関する。
従来、自動車の車体等に含まれる構造体には、板材をプレス加工した部材のほか、管状部材が用いられている。管状部材に軽量化が要求される場合、管状部材の材料として、鋼よりも比重が小さい軽金属が使用されることがある。しかしながら、管状部材の全体を軽金属で形成すると、管状部材を鋼で形成した場合と比較して管状部材の強度が低下する。管状部材に対して強度も要求される場合には、管状部材を太くして大型化する必要があり、構造体における管状部材の配置の自由度が低下する。
管状部材の大型化を抑制するため、鋼及び軽金属の双方を管状部材に使用することが考えられる。例えば、特許文献1には、鋼管とアルミニウム合金中空部材とを接合して管状部材を形成する技術が開示されている。特許文献1では、鋼管の端面とアルミニウム合金中空部材の端面とを突き合わせ、鋼管及びアルミニウム合金中空部材に摩擦圧力を負荷しながら、鋼管に対してアルミニウム合金中空部材を軸周りに相対的に回転させる。これにより、鋼管の端面とアルミニウム合金中空部材の端面とが摩擦圧接される。
特開2005-271015号公報
特許文献1の技術では、鋼管の端面とアルミニウム合金中空部材である軽金属管の端面とを摩擦圧接で接合するため、鋼管及び軽金属管を同軸に配置して軸周りに相対回転させる。そのため、少なくとも鋼管の端面及び軽金属管の端面が同径の円形である必要がある。特許文献1の技術では、鋼管と軽金属管との接合部が横断面視で非円形となるような管状部材を製造することはできない。また、摩擦圧接後に管状部材を円形管から非円形管に加工するとしても、所望の横断面形状を精度よく得ることは難しい。したがって、管状部材の形状が限定され、その用途が制限されるという問題がある。
本開示は、接合された鋼部及び軽金属部を含み、用途が制限されにくい管状部材、及びその管状部材を含む構造体を提供することを課題とする。
本開示に係る管状部材は、鋼部と、軽金属部と、溶接部とを備える。軽金属部は、管状部材の軸方向において鋼部と並んで配置される。軽金属部は、鋼部に接合されている。溶接部は、鋼部及び軽金属部に跨って管状部材の軸方向に延びている。
本開示によれば、接合された鋼部及び軽金属部を含み、用途が制限されにくい管状部材を提供することができる。また、この管状部材を各種の構造体に適用することができる。
図1は、実施形態に係る構造体の側面図である。 図2は、実施形態に係る管状部材における鋼部と軽金属部との接合態様の例を示す図である。 図3は、実施形態に係る管状部材における鋼部と軽金属部との接合態様の別の例を示す図である。 図4は、実施形態に係る管状部材における鋼部と軽金属部との接合態様のさらに別の例を示す図である。 図5は、実施形態に係る管状部材における鋼部と軽金属部との接合部の横断面図である。 図6Aは、実施形態に係る管状部材の製造方法の一例を説明するための模式図である。 図6Bは、実施形態に係る管状部材の製造方法の一例を説明するための模式図である。 図6Cは、実施形態に係る管状部材の製造方法の一例を説明するための模式図である。 図6Dは、実施形態に係る管状部材の製造方法の一例を説明するための模式図である。
実施形態に係る管状部材は、鋼部と、軽金属部と、溶接部とを備える。軽金属部は、管状部材の軸方向において鋼部と並んで配置される。軽金属部は、鋼部に接合されている。溶接部は、鋼部及び軽金属部に跨って管状部材の軸方向に延びている(第1の構成)。
第1の構成に係る管状部材では、溶接部が鋼部及び軽金属部に跨って管状部材の軸方向に延びている。このような管状部材は、接合された鋼板及び軽金属板を板巻造管することで製造することができる。すなわち、鋼板の側縁部同士、軽金属板の側縁部同士が接近するように鋼板及び軽金属板が曲げられた後、鋼板及び軽金属板の並び方向に沿う側縁部同士が溶接されることにより、鋼部及び軽金属部に跨って延びる溶接部が形成された管状部材が製造される。この場合、鋼部と軽金属部との接合部の横断面が円形状である必要はなく、様々な横断面形状の管状部材を容易且つ精度よく形成することができる。すなわち、用途が限定されにくい管状部材を得ることができる。
第1の構成に係る管状部材は、鋼部及び軽金属部を含んでいる。この場合、軽金属部で管状部材の軽量化を図りながら、鋼部で管状部材の強度を確保することができる。管状部材のうち特に強度が要求される部分には、材料強度が高い鋼部を配置すればよいため、強度の確保を目的として管状部材を過剰に太くする必要がない。よって、管状部材の大型化が抑制され、構造体における管状部材の配置の自由度を高めることができる。
溶接部は、管状部材の軸方向において、鋼部及び軽金属部の全長にわたって延びていてもよい(第2の構成)。
実施形態に係る管状部材が製造される際には、鋼板と軽金属板との接合部の両側に位置する側縁部が溶接されることにより、鋼板及び軽金属板がそれぞれ管状部材の鋼部及び軽金属部となり、且つ鋼部及び軽金属部に跨って延びる溶接部が形成される。第2の構成では、この溶接部が管状部材の鋼部及び軽金属部の全長にわたって延びている。すなわち、管状部材の鋼部及び軽金属部が全体にわたって閉断面を有している。これにより、管状部材の剛性を向上させることができる。
第1又は第2の構成に係る管状部材において、鋼部は、管状部材の軸方向に沿って延在する湾曲部を含むことができる(第3の構成)。
第1から第3のいずれかの構成に係る管状部材は、鋼部と軽金属部との接合部において非円形状の横断面を有していてもよい(第4の構成)。
第1から第4のいずれかの構成に係る管状部材において、鋼部は、当該鋼部の少なくとも一部に設けられた焼入れ部を含んでいてもよい(第5の構成)。
第5の構成では、鋼部の少なくとも一部が焼入れされている。これにより、管状部材に含まれる鋼部の強度をより高めることができる。そのため、鋼部の強度を確保しながら鋼部を薄肉化することが可能となり、管状部材を軽量化することができる。
第5の構成に係る管状部材において、鋼部は、さらに、非焼入れ部を含むことができる。非焼入れ部は、例えば、焼入れ部に対して軽金属部側に配置される。非焼入れ部は、鋼部と軽金属部との接合部に隣接していてもよい(第6の構成)。
第6の構成では、鋼部のうち、当該鋼部と軽金属部との接合部に隣接する領域には焼入れが施されていない。そのため、鋼部と軽金属部との接合部に対して焼入れ時の熱の影響が及びにくく、接合部の強度を確保することができる。
第7の構成の構造体は、第1から第6のいずれかの構成に係る管状部材と、被接合部材とを備える。被接合部材は、管状部材における軽金属部と同一の金属を主成分とする材料で構成される。被接合部材には、軽金属部が接合されている。
第8の構成の構造体は、第1から第6のいずれかの構成に係る管状部材と、被接合部材とを備える。被接合部材は、鋼で構成される。被接合部材には、管状部材における鋼部が接合されている。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[管状部材を含む構造体の構成]
図1は、本実施形態に係る構造体100の側面図である。図1は、自動車の車体に使用される構造体100の例を示す。ただし、構造体100は、自動車の車体以外に使用されるものであってもよい。構造体100は、管状部材10と、被接合部材20とを備えている。
本実施形態の例において、管状部材10は自動車の骨格部品である。図1には、管状部材10の一例としてAピラーアッパーを示している。管状部材10は、鋼部11と、軽金属部12とを備える。
鋼部11は、管状部材10のうち比較的高い強度が要求される部分に設けられる。鋼部11は、管状部材10の一部であるため、管状を有する。鋼部11は、円形の横断面を有していてもよいし、例えば多角形等、非円形の横断面を有していてもよい。鋼部11の横断面とは、管状部材10の軸方向に対して垂直な面で鋼部11を切断したときの断面である。
鋼部11は、管状部材10の軸方向に延びている。図1に示す例において、鋼部11は、管状部材10の軸方向に沿って延在する湾曲部111を含んでいる。湾曲部111は、鋼部11の少なくとも一部に設けられている。
軽金属部12は、管状部材10のうち、鋼部11と比較して強度が要求されない部分に設けられる。軽金属部12は、管状部材10の一部であるため、管状を有する。軽金属部12は、鋼部11を構成する鋼材料よりも比重が小さい金属材料で構成されている。この金属材料としては、例えば、アルミニウム系材料、マグネシウム系材料、チタン系材料等が挙げられる。軽金属部12は、アルミニウム、マグネシウム、若しくはチタン、又はこれらのいずれかの合金で構成されていてもよい。典型的には、軽金属部12は、アルミニウム合金管である。軽金属部12は、5000系、6000系、又は7000系のアルミニウム合金管であってもよい。
軽金属部12は、円形の横断面を有していてもよいし、例えば多角形等、非円形の横断面を有していてもよい。軽金属部12の横断面とは、管状部材10の軸方向に対して垂直な面で軽金属部12を切断したときの断面である。
軽金属部12は、管状部材10の軸方向において鋼部11と並んで配置されている。軽金属部12は、鋼部11と接合されている。より詳細には、軽金属部12の端部が鋼部11の端部と接合されている。
軽金属部12の端部は、種々の態様で鋼部11の端部と接合することができる。鋼部11と軽金属部12との接合態様の例を図2~図4に示す。図2~図4は、管状部材10をその中心軸に沿って切断したときの断面図(縦断面図)であり、鋼部11と軽金属部12との接合部13及びその近傍を示す。
図2に示すように、軽金属部12は、鋼部11と突き合わせ接合されていてもよい。すなわち、鋼部11の端面と軽金属部12の端面とが突き合わされ、端面同士が接合されていてもよい。図2の例では、鋼部11の肉厚と軽金属部12の肉厚が等しくなっている。ただし、鋼部11の肉厚は、軽金属部12の肉厚と異なっていてもよい。
図3に示すように、軽金属部12は、鋼部11と重ね合わせ接合されていてもよい。すなわち、鋼部11の端部に軽金属部12の端部が挿入され、端部同士が重ね合わされた状態で接合されていてもよい。あるいは、軽金属部12の端部に鋼部11の端部を挿入し、端部同士を重ね合わせて接合することもできる。図3の例では、鋼部11と軽金属部12との強度の差を小さくするため、軽金属部12の肉厚が鋼部11の肉厚よりも大きくなっている。しかしながら、軽金属部12の肉厚は、鋼部11の肉厚と等しくてもよいし、鋼部11の肉厚よりも小さくてもよい。
図4に示すように、鋼部11及び軽金属部12の一方の端部を切り欠いて、他方の端部を切欠き部に配置することもできる。図4の例では、軽金属部12の肉厚が鋼部11の肉厚よりも大きく、軽金属部12の端部に切欠きが形成されている。ただし、軽金属部12の肉厚が鋼部11の肉厚よりも小さく、鋼部11の端部に切欠きが形成されていてもよい。
図5は、鋼部11と軽金属部12との接合部13を管状部材10の軸方向に対して垂直な面で切断したときの断面図(横断面図)である。本実施形態の例において、管状部材10は、接合部13において非円形状の横断面を有する。図5において、接合部13は、実質的に矩形状の横断面を有している。しかしながら、接合部13の横断面形状は、例えば正方形、平行四辺形、菱形等、矩形以外の四角形であってもよいし、その他の多角形であってもよい。接合部13の横断面形状は、円形であってもよい。接合部13の横断面形状は、特に限定されるものではない。
図1に戻り、鋼部11は、焼入れ部112と、非焼入れ部113とを含むことができる。焼入れ部112は、鋼部11に対して焼入れが施されている部分である。焼入れ部112では、鋼部11の周方向の全体にわたって焼入れが施されている。焼入れ部112は、例えば、鋼部11と軽金属部12との接合部13から管状部材10の軸方向に離隔して設けられている。
非焼入れ部113は、鋼部11に対して焼入れが施されていない部分である。非焼入れ部113は、焼入れ部112に対して軽金属部12側に配置されている。非焼入れ部113は、鋼部11と軽金属部12との接合部13に隣接している。焼入れ部112の硬さは、非焼入れ部113の硬さよりも大きい。例えば、JIS Z 2244:2009に準拠したビッカース硬さ試験により、試験力1kgfで測定された焼入れ部112のビッカース硬さは、350HV以上である。
引き続き図1を参照して、管状部材10は、被接合部材20に対して接合されている。図1の例において、被接合部材20はAピラーロアである。被接合部材20には、管状部材10の軽金属部12が接合されている。軽金属部12は、鋼部11との接合部13と反対側の端部において被接合部材20に接合されている。軽金属部12は、典型的には、被接合部材20に対して溶接によって接合されている。
被接合部材20は、鋼材料よりも比重が小さい金属材料で構成されている。被接合部材20は、例えば、アルミニウム系材料、マグネシウム系材料、又はチタン系材料等によって構成される。ただし、被接合部材20は、軽金属部12と同一の金属を主成分とする材料で構成される。例えば、軽金属部12がアルミニウム系材料で構成されている場合、被接合部材20もアルミニウム系材料で構成される。被接合部材20の材料は、軽金属部12の材料と完全に同一である必要はなく、軽金属部12と同系の金属材料であればよい。被接合部材20は、例えば、アルミニウムダイカスト品(ADC材)であってもよいし、アルミニウム鋳物(AC材)であってもよい。あるいは、被接合部材20は、5000系、6000系、又は7000系のアルミニウム合金からなるプレス成形品又は押出品であってもよい。
[管状部材の製造方法]
次に、管状部材10の製造方法の一例について、図6A~図6Dを参照しつつ説明する。図6A~図6Dに示すように、管状部材10の製造方法は、板材30を準備する工程と、板材30を管状部材10に成形する工程と、管状部材10に曲げ加工を施す工程とを含むことができる。
図6Aを参照して、管状部材10(図1)の製造に際し、まず、板材30が準備される。板材30は、鋼板31と、軽金属板32と、接合部13とを含んでいる。
鋼板31及び軽金属板32は、接合部13で互いに接合されている。接合部13は、板材30の側縁部34,35間で板材30を横断するように延びている。鋼板31と軽金属板32との接合方法は、異種材料を接合できるものであればよく、特に限定されない。鋼板31及び軽金属板32は、例えば摩擦攪拌接合(FSW)又は超音波接合等、好ましくは鋼材料及び軽金属材料の溶融が実質的に生じない固相接合で接合される。しかしながら、鋼板31及び軽金属板32は、例えばセルフピアシングリベット(SPR)等による機械接合で接合されてもよいし、接着剤を用いて接合されてもよく、ろう付けによって接合されてもよい。あるいは、鋼板31及び軽金属板32は、両者の接合が可能であれば、鋼材料及び/又は軽金属材料の溶融が生じる溶接で接合されてもよい。
図6Bを参照して、板材30は管状部材10に成形される。板材30は、接合部13の両側にある側縁部34,35(図6A)が接近するように管状に曲げられる。例えば、板材30を多角形管に成形する場合、プレスブレーキを用いて板材30を曲げることができる。その後、板材30の側縁部34,35を溶接して管状部材10を得ることができる。あるいは、公知又は市販の造管装置を用い、板材30を管状部材10に成形してもよい。
板材30の側縁部34,35が溶接されることにより、鋼板31及び軽金属板32がそれぞれ管状部材10の鋼部11及び軽金属部12となる。図6Bでは、管状部材10が矩形管である例を示している。ただし、管状部材10は、矩形管以外の非円形管であってもよい。また、管状部材10を円形管とすることも可能である。
板材30の側縁部34,35が溶接されることにより、管状部材10は、溶接部14を備えることになる。溶接部14は、管状部材10の剛性向上の観点から、例えばアーク溶接やレーザ溶接等の連続溶接によって形成されていることが好ましい。溶接部14は、鋼部11及び軽金属部12に跨って、管状部材10の軸方向に延びている。溶接部14は、管状部材10の軸方向において鋼部11及び軽金属部12の全長にわたり延びていることが好ましい。しかしながら、必ずしも鋼部11及び軽金属部12の全長にわたって溶接部14が設けられる必要はない。例えば、鋼部11と逆側の軽金属部12の端部には、溶接部14が存在しなくてもよい。ただし、後述するように鋼部11に対し焼入れを行う場合は、加熱コイルで誘導加熱する際に電流密度が集中することを避けるため、焼入れ部位の全長にわたって連続的に溶接部14が設けられる必要がある。管状部材10が多角形管である場合、溶接部14は、管状部材10の角部以外に配置されていることが好ましい。
図6Bの例において、溶接部14は、管状部材10の軸方向に対して平行に延びている。しかしながら、溶接部14は、管状部材10の軸方向に対して傾斜していてもよい。溶接部14は、鋼部11及び軽金属部12の双方にわたって実質的に又は概ね軸方向に延びていればよい。溶接部14は、鋼部11と軽金属部12との接合部13に対し、交差するように延びている。
本実施形態において、管状部材10には曲げ加工が施される。より詳細には、管状部材10の鋼部11に曲げ加工が施される。管状部材10は、例えば、図6Cにおいて模式的に示すような加工装置40を用いて曲げられる。加工装置40は、被加工材に対して三次元熱間曲げ焼入れ(3DQ)を施すことができる装置である。
加工装置40は、押出装置41と、複数の支持ローラ42と、可動ローラダイス43と、高周波加熱コイル44と、冷却装置45とを含んでいる。押出装置41は、被加工材としての管状部材10を連続的又は断続的に送り出すように構成されている。複数の支持ローラ42は、管状部材10の送り方向において押出装置41の下流側に配置されている。支持ローラ42は、管状部材10を支持するように構成されている。可動ローラダイス43は、支持ローラ42の下流側で管状部材10をクランプする。高周波加熱コイル44は、支持ローラ42と可動ローラダイス43との間に配置されている。冷却装置45は、冷媒(冷却水)を管状部材10に噴射するように構成されている。
加工装置40は、押出装置41によって管状部材10を送りながら鋼部11の曲げ加工を行う。鋼部11は、高周波加熱コイル44によって局所的に加熱された直後に、冷却装置45で水冷されて焼入れされる。これと同時に、鋼部11のうち高温となって変形抵抗が低下した部分に可動ローラダイス43によって曲げモーメントが与えられ、当該部分が塑性変形する。
図6Dを参照して、曲げ加工後の管状部材10において、鋼部11には湾曲部111が形成されている。また、鋼部11には、焼入れ部112が形成されている。3DQによって鋼部11に湾曲部111を形成した場合、湾曲部111は焼入れ部112に設けられる。焼入れ部112は、焼入れ時の熱の影響が接合部13に及ばない程度に接合部13から離れて配置されている。鋼部11と軽金属部12との接合部13に隣接する部分は、非焼入れ部113である。
管状部材10は、必要に応じてさらに加工が施されていてもよい。例えば、鋼部11がハイドロフォーミングによって加工されていてもよい。あるいは、鋼部11及び軽金属部12の少なくとも一方に対し、引き曲げ加工やプレス加工等が冷間で施されていてもよい。これらの加工は、管状部材10の製造過程において任意のタイミングで実施することができる。また、冷間加工によって湾曲部111を形成した場合、湾曲部111は管状部材10の任意の位置に配置することができる。
[効果]
本実施形態に係る管状部材10は、鋼部11及び軽金属部12に跨って軸方向に延びる溶接部14を含んでいる。管状部材10は、鋼部11となる前の鋼板31と軽金属部12となる前の軽金属板32とを接合して板材30を形成し、板材30を管状に加工して側縁部34,35を溶接することで製造される。この場合、非円形の横断面を有する管状部材10であっても容易に形成することができる。そのため、管状部材10の形状の自由度が高く、管状部材10の用途が制限されにくい。
例えば、円形の鋼管と円形の軽金属管とを一体化して管状部材とした後、この管状部材を非円形の横断面を有するように加工する場合、平面部分の平面度が確保されにくく、管状部材の形状精度が低下するという問題がある。また、円形管である管状部材を非円形管に変形させるのにロール成形が必須であり、ロール成形の専用造管設備が必要であるため、設備コストが増大するという問題がある。これに対して、本実施形態では、鋼板31と軽金属板32とを接合して板材30とした後で、いわゆる板巻造管によって板材30を管状部材10に成形している。そのため、管状部材10に平面部分が存在する場合には、平面部分の平面度が確保されやすく、管状部材10を形状精度よく製造することができる。また、板巻造管は一般的なプレスブレーキ等を使用して実施することができるため、設備コストを低減することもできる。
一般に、管同士の接合は困難であり、特に異種材料管同士の接合の場合、使用可能な手法も限られている。しかしながら、本実施形態では、管状部材10の鋼部11となる前の鋼板31と管状部材10の軽金属部12となる前の軽金属板32とが、つまり板状部材同士が接合されるため、接合が容易であり、且つ様々な接合手法を採用することができる。
本実施形態において、鋼部11と軽金属部12との接合部13は、鋼板31及び軽金属板32の溶融が実質的に生じないように接合されることが好ましい。すなわち、接合部13は、溶融溶接以外で形成されていることが好ましい。鋼板31及び軽金属板32が接合時に溶融しない場合、接合部13において金属間化合物が生成されないか、生成されたとしても微量であるため、金属間化合物に起因する管状部材10の脆化又は腐食を抑制することができる。
鋼部11と軽金属部12との接合部13は、上述したように、機械接合で形成することもできる。ただし、セルフピアシングリベットを用いて接合部13を形成する場合、管状部材10の角部にリベットが配置されないことが好ましい。機械接合ではセルフピアシングリベット等の部品が用いられるため、管状部材10の軽量化の観点からは、機械接合以外の接合手法で接合部13が形成されることが好ましい。
本実施形態に係る管状部材10において、比較的高い強度が要求される部分には鋼部11が配置され、強度がそれほど要求されない部分には軽金属部12が設けられている。そのため、管状部材10について、軽金属部12で軽量化を図りながら鋼部11で所望の強度を確保することができる。管状部材10のうち特に強度が要求される部分には、材料強度が高い鋼部11を設けられているため、強度の確保を目的として管状部材10を過剰に太くする必要がない。よって、例えば自動車の車体等において、管状部材10を配置しやすくなる。
本実施形態において、溶接部14は、鋼部11及び軽金属部12の全長にわたって延びている。すなわち、鋼部11及び軽金属部12が全体にわたって閉断面を有している。これにより、管状部材10の剛性を高めることができる。
本実施形態に係る管状部材10において、鋼部11の少なくとも一部には焼入れ部112が設けられている。焼入れ部112は、焼入れ処理によって硬度が高められた部分であり、鋼部11の強度を向上させることができる。そのため、鋼部11を薄肉化しても鋼部11の強度を確保することができ、管状部材10を軽量化することができる。
本実施形態に係る管状部材10において、鋼部11のうち当該鋼部11と軽金属部12との接合部13に隣接する部分には、非焼入れ部113が設けられている。非焼入れ部113は、焼入れ部112と接合部13との間に配置されている。そのため、接合部13に対する焼入れ時の熱の影響が小さく、接合部13の強度を確保することができる。また、焼入れ時の熱の影響が軽金属部12に及ぶのを防止することもできる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、管状部材10がAピラーアッパーであり、被接合部材20がAピラーロアである例について説明している。しかしながら、管状部材10はAピラーアッパー以外に適用することも可能である。例えば、管状部材10がサイドシルであり、被接合部材20がBピラーであってもよい。この場合、被接合部材20が鋼で構成され、被接合部材20に対して管状部材10の鋼部11が例えば溶接によって接合されてもよい。ただし、管状部材10の用途は、これに限定されるものではない。管状部材10は、他の自動車用骨格部品であってもよいし、自動車の車体以外に用いられるものであってもよい。被接合部材20は、管状部材10の鋼部11が接合される場合は鋼製であり、軽金属部12が接合される場合は軽金属部12と同一の金属を主成分とする材料で構成される。
上記実施形態では、3DQによって管状部材10の鋼部11に曲げ加工が施され、湾曲部111が形成されている。しかしながら、鋼部11は、3DQ以外の方法によって曲げられてもよい。あるいは、鋼部11に曲げ加工が施されず、鋼部11に湾曲部111が存在しなくてもよい。また、鋼部11には、焼入れ部112が存在しなくてもよい。
上記実施形態では、管状部材10の軸方向において鋼部11の長さが軽金属部12の長さよりも大きくなっている。しかしながら、鋼部11の長さは、軽金属部12の長さと等しくてもよいし、軽金属部12の長さよりも短くてもよい。
上記実施形態に係る管状部材10は、単一の鋼部11と、単一の軽金属部12とを含んでいる。しかしながら、管状部材10は、複数の鋼部11を含んでいてもよい。また、管状部材10は、複数の軽金属部12を含むこともできる。
10:管状部材
11:鋼部
111:湾曲部
112:焼入れ部
113:非焼入れ部
12:軽金属部
13:接合部
14:溶接部

Claims (8)

  1. 管状部材であって、
    鋼部と、
    前記管状部材の軸方向において前記鋼部と並んで配置され、前記鋼部に接合された軽金属部と、
    前記鋼部及び前記軽金属部に跨って前記軸方向に延びる溶接部と、
    を備える、管状部材。
  2. 請求項1に記載の管状部材であって、
    前記溶接部は、前記軸方向において前記鋼部及び前記軽金属部の全長にわたって延びている、管状部材。
  3. 請求項1に記載の管状部材であって、
    前記鋼部は、前記軸方向に沿って延在する湾曲部を含む、管状部材。
  4. 請求項1に記載の管状部材であって、
    当該管状部材は、前記鋼部と前記軽金属部との接合部において非円形状の横断面を有する、管状部材。
  5. 請求項1に記載の管状部材であって、
    前記鋼部は、当該鋼部の少なくとも一部に設けられた焼入れ部を含む、管状部材。
  6. 請求項5に記載の管状部材であって、
    前記鋼部は、さらに、前記焼入れ部に対して前記軽金属部側に配置され、前記鋼部と前記軽金属部との接合部に隣接する非焼入れ部を含む、管状部材。
  7. 構造体であって、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の管状部材と、
    前記管状部材における前記軽金属部と同一の金属を主成分とする材料で構成され、前記軽金属部が接合されている被接合部材と、
    を備える、構造体。
  8. 構造体であって、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の管状部材と、
    鋼で構成され、前記管状部材における前記鋼部が接合されている被接合部材と、
    を備える、構造体。
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