JP3853667B2 - カットテープマシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カットテープマシンに関し、特に、たとえば段ボール箱の内側に貼付して段ボール箱を開封できるようにするためのカットテープを段ボールに貼付するためのカットテープマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、段ボール箱の一例を示す図解図である。段ボール箱1の内壁には、カットテープ2が貼付される。カットテープ2は、段ボール箱1の内側を一周するように貼付され、その一端部において段ボール箱1に切込みが形成されて摘み部3が形成される。この摘み部3を段ボール箱1の外側に向かって引っ張ることにより、カットテープ2も引っ張られ、図14に示すように、カットテープ2によって段ボールが引き裂かれる。したがって、摘み部3をもって段ボール箱1の外側を一周することにより、段ボール箱1を開封することができる。
【0003】
このようなカットテープ2は、箱が形成される前の段ボール製造工程において、段ボールに貼付される。そして、カットテープ2の貼付された段ボールがカットされ、折りたたまれて段ボール箱1が形成される。
【0004】
段ボールを形成するために、図15に示すようなコルゲータマシン4が用いられる。コルゲータマシン4は、シングルフェーサ5を含む。シングルフェーサ5では、段ボールの中芯ミルロールスタンド6から引き出された中芯の一方面に、ライナーミルロールスタンド7から引き出されたライナーが貼り付けられる。
【0005】
一方面にライナーを貼付した中芯は、別のライナーミルロールスタンド8から引き出されたライナーとともに、プレヒータ9に導かれて加熱される。さらに、中芯には、グルーマシン10で接着剤が塗布され、中芯の他方面上にライナーが貼り付けられる。このようにして、中芯の両面にライナーが貼り付けられ、ヒーティングパート11で加熱されて、中芯とライナーとが十分に接着される。そして、クーリングパート12において、接着された中芯とライナーとが冷却され、段ボールが形成される。
【0006】
得られた段ボールには、カットテープマシン13でカットテープ2が貼付される。カットテープ2の貼付された段ボールは、ロータリーカッタ14およびスリッタ15によって、所定の縦横の寸法となるようにカットされる。なお、ロールミルスタンドに巻回された段ボールの中芯やライナーなどがなくなると、新しい中芯やライナーが粘着テープなどで接続される。この場合、粘着テープとしては、アルミニウム箔などの金属材料を用いた基材を含み、その両面に接着剤層が形成されたものが用いられる。そして、ダイバータ16で粘着テープの金属箔が検出され、段ボールの接続部分が除去される。このようにして得られた段ボールは、ダウンスタッカ17に蓄積される。
【0007】
カットテープマシン13は、図16に示すように、2つのハンガー18a,18bを含む。これらのハンガー18a,18bには、紙管などの芯材に巻回されたカットテープ2が保持される。一方のハンガー18aから引き出されたカットテープ2は、複数のガイドローラ19を介して、押さえローラ20で段ボールに押し付けられる。それによって、カットテープ2の一方面に形成された接着剤層が段ボールに押し付けられ、段ボールにカットテープ2が貼付される。
【0008】
また、他方のハンガー18bに保持されたカットテープ2は、段ボールに貼付されるカットテープ2の近傍に引き出された状態で待機する。そして、段ボールに貼付されるカットテープ2がなくなると、待機しているカットテープ2に切り換えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コルゲータマシンで製造される段ボールは長尺であるため、巻回されたカットテープがなくなると、段ボールにカットテープが貼着されていない部分が発生する。そのため、ある程度までカットテープの残量が少なくなると、カッター21でカットテープが切断され、待機している新しいカットテープに切り換えられる。そのため、段ボールに貼着されずに残ったカットテープは使用されず、無駄が大きくなる。
【0010】
そこで、巻回されたカットテープを最後まで使用し、カットテープの終端を待機している別のカットテープに接続して、無駄なくカットテープを使用することが考えられる。この場合、使用中のカットテープの残量をオペレータが目視で確認し、製造ラインを停止または減速して、人手を使ってカットテープの接続を行っていた。このように、使用中のカットテープを新しいカットテープに継ぎ足す作業は人手で行われるため、高速運転時での作業は困難であり、失敗する可能性も高かった。
【0011】
それゆえに、この発明の主たる目的は、製造ラインの速度を落とさずに、カットテープの継足しを行うことができるカットテープマシンを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一方面に接着剤層が形成されたテープ材と、テープ材の両端に形成される両面粘着テープとを含むカットテープを保持するための2つのハンガーと、2つのハンガーから引き出された2つのカットテープを挟むように配置される2つのローラユニットと、ハンガーに保持されたカットテープが少なくなったことを検出するための少なくとも1つの検出手段と、検出手段によって一方のカットテープが少なくなったことを検出したときに2つのカットテープを接触させるために一方のローラユニットを他方のローラユニットに近づけるための駆動手段とを含み、それぞれのローラユニットはカットテープが接触する面が凹溝状および凸状となった2つのローラを含む組み合わせによって形成され、2つのローラユニットが近づけられたときに凹溝状の面を有するローラと凸状の面を有するローラとが2つのカットテープを挟んで押し当てられる、カットテープマシンである。
このようなカットテープマシンにおいて、ハンガーに保持されるカットテープは、テープ材および両面粘着テープを巻回するための芯材を含み、芯材の少なくとも一方の端部に両面粘着テープを埃から保護するための防塵カバーが取り付けられるものであることが好ましい。
さらに、テープ材の芯材への巻始め部における両面粘着テープは、金属材料または光を遮蔽するための遮蔽体を用いた基材を含み、基材の両面に粘着剤層が形成されたものとすることができる。
これらのカットテープマシンにおいて、検出手段としては、ハンガーに保持されたカットテープの巻径を測定するための巻径センサとすることができる。
また、金属箔または遮蔽体を基材としたカットテープを使用したカットテープマシンにおいて、検出手段として、芯材への巻始め部における両面粘着テープの基材を検出するためのセンサとすることができる。
さらに、金属箔または遮蔽体を基材としたカットテープを使用したカットテープマシンにおいて、検出手段として、ハンガーに保持されたカットテープの巻径を測定するための巻径センサと、芯材への巻始め部における両面粘着テープの基材を検出するためのセンサとを含むものであってもよい。
さらに、それぞれのローラユニットのハンガー側に配置され、カットテープを挟んでカットテープの振れを防止するための2つの矯正ローラを含んでいてもよく、この場合、2つの矯正ローラのカットテープが接触する面がそれぞれ凹溝状および凸状に形成される。
また、金属箔または遮蔽体を基材としたカットテープを使用したカットテープマシンにおいて、さらに、それぞれのローラユニットのハンガー側に配置され、カットテープを挟んでカットテープの振れを防止するための2つの矯正ローラを含み、2つの矯正ローラのカットテープが接触する面がそれぞれ凹溝状および凸状に形成され、巻径センサによってカットテープの巻径が小さくなったことを検出して凹溝状の面を有する矯正ローラを凸状の面を有する矯正ローラ側に移動させるようにしてもよい。
さらに、ハンガーの近傍に形成され、検出手段によって一方のカットテープの残量が少なくなったことを検出したときに、他方のカットテープを送り出すための送り出し装置を含むことが好ましい。
【0013】
テープ材の両端に両面粘着テープを形成することにより、一方のカットテープの両面粘着テープを他方のカットテープに押し付けることによって、2つのテープを接続することができる。
ここで、テープ材および両面粘着テープを巻回した芯材の端部に防塵カバーを取り付けることにより、芯材の端部で露出した両面粘着テープの粘着剤層面に埃などが付着することを防止することができる。
このとき、芯材への巻き始め部の両面粘着テープとして、金属材料や光を遮蔽する遮蔽体などを用いた基材を使用することにより、カットテープを使用するときに、残量が少なくなると両面粘着テープが引き出されるため、金属センサや光センサなどで基材を検出することが容易となる。
このようなカットテープを用いたカットテープマシンにおいて、2つのカットテープを挟むようにしてローラユニットを配置し、カットテープの残量を検出して一方のローラユニットを他方のローラユニットに近づけることにより、一方のカットテープに形成された両面粘着テープが他方のカットテープに接触し、2つのカットテープが接続される。このとき、カットテープの接触する面が凹溝状のローラと凸状のローラとでローラユニットを構成し、2つのローラユニットを近づけたときに凹溝状のローラと凸状のローラとが組み合わされるようにしておくことにより、2つのカットテープが凹溝状のローラの溝部分で重なり、正確に2つのカットテープを接続することができる。
このとき、カットテープの残量を検出するために、巻径センサでハンガーに巻回されたカットテープの巻径を測定することによって検出を行うことができる。
また、カットテープに用いられる両面粘着テープとして金属材料または光を遮蔽するための遮蔽材を用いた基材を使用したものを採用する場合、カットテープの残量を検出するために、金属センサや光センサなどによってテープの端部に形成された両面粘着テープを検出してもよい。
さらに、巻径センサと両面粘着テープの基材を検出するためのセンサの両方を用いて、カットテープの残量を検出してもよい。
テープの接触する面が凹溝状および凸状の矯正ローラを用いることにより、ローラユニットに供給されるカットテープの振れを矯正することができ、ローラユニットにおいて、正確に2つのカットテープを重ね合わせることができる。
特に、巻径センサと両面粘着テープの基材を検出するためのセンサの両方を用いた場合、巻径センサによってカットテープの巻径が小さくなったことを検出して矯正ローラでカットテープを挟みこむことにより、カットテープの振れを抑えることができる。そして、両面粘着テープの基材を検出することによってローラユニットを駆動することにより、2つのカットテープを接続することができる。
さらに、一方のカットテープの残量が少なくなったことを検出して、他方のカットテープを送り出すことにより、カットテープを継ぎ足したときに、他方のカットテープに急激なショックが与えられず、継ぎ足すときに生じるショックによるカットテープの切断を防止することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明のカットテープマシンの一例を示す図解図である。このカットテープマシン30は、2つのハンガー34,36を含み、これらのハンガー34,36に、それぞれ芯材38,40に巻回されたカットテープ42,44が取り付けられる。
【0016】
カットテープ42,44は、それぞれ図2に示すように、ポリプロピレンなどの合成樹脂で形成されたテープ材46を含む。このテープ材46は、たとえば光を透過するように形成される。テープ材46の一方面上には、接着剤層が形成される。テープ材46の両端側には、両面粘着テープ48,50が取り付けられる。一方の両面粘着テープ48は、アルミニウム箔などの金属箔または光を遮蔽するための遮蔽体からなる基材、またはポリプロピレンなどの合成樹脂に金属箔や遮蔽体などをラミネートした基材を含み、その両面に粘着剤層が形成されたものである。両面粘着テープ48,50は、それぞれテープ材46の接着剤層形成面に貼着される。そして、両面粘着テープ48,50は、テープ材46の端部から延びるように配置される。ここで、テープ材46から延びた両面粘着テープ48,50の一方面に、剥離紙52が仮着される。剥離紙52は、テープ材46側において、両面粘着テープ48,50上に仮着される。なお、両面粘着テープ48,50は、テープ材46と別のものとして形成する必要はなく、テープ材46の両端部の両面に粘着材層が形成されたものであってもよい。この場合、少なくとも両面粘着テープ48として使用される部分において、テープ材46に金属箔や遮蔽体などがラミネートされる。
【0017】
芯材38,40としては、たとえば紙管などが用いられ、図3(A)(B)に示すように、カットテープ42,44が巻回される。このとき、芯材38,40の一端側に、金属箔などで形成された基材を有する両面粘着テープ48が貼着される。そして、この両面粘着テープ48に続いて、テープ材46がバイファイラ巻きによって巻回される。このとき、カットテープ42,44の巻き始め部分、つまり両面粘着テープ48の端部は、芯材38,40の端部に露出するように巻回される。
【0018】
さらに、図4に示すように、両面粘着テープ48が露出した側の芯材38,40の端部には、防塵カバー54が取り付けられる。防塵カバー54は、図5に示すように、円筒状に形成された筒状部54aを含む。筒状部54aの一端から、筒状部54aの外周側に向かって延びるように、鍔状部54bが形成される。鍔状部54bは、その外周部分が筒状部54a側に向かって傾くように形成される。さらに、鍔状部54bから反対側に向かって、筒状部54aの直径が徐々に大きくなるようにテーパ状に形成される。また、テーパ状に形成された端部から鍔状部54b側に向かって、複数の切れ込み54cが筒状部54aに形成される。
【0019】
防塵カバー54は、カットテープ42,44の巻回された芯材38,40の内側に嵌め込まれる。このとき、筒状部54aに切れ込み54cが形成されているため、筒状部54aがその内周方向に撓みやすく、容易に芯材38,40内に筒状部54aを挿入することができる。また、筒状部54aがテーパ状に形成されているため、芯材38,40に嵌めた筒状部54aが外れにくい。
【0020】
これらのカットテープ42,44が、それぞれハンガー34,36に取り付けられる。このとき、両面粘着テープ48,50に仮着された剥離紙52は剥離される。カットテープ42,44の外周面には、図1に示すように、カットテープ42,44の残量を検出するための検出手段として、それぞれ巻径センサ56,58が接触させられる。巻径センサ56,58は、たとえば角度センサにアームを取り付けたものであり、アームがカットテープ42,44の外周面に接触させられる。したがって、アームの角度が角度センサで検出されることにより、カットテープ42,44の巻径、すなわちカットテープ42,44の残量を知ることができる。
【0021】
さらに、ハンガー34,36の近傍には、送り出し装置60,62が形成される。送り出し装置60,62は、たとえばアーム60a,62aを含み、これらのアーム60a,62aに駆動ローラ60b,62bが取り付けられている。そして、アーム60a,62aによって駆動ローラ60b,62bが巻回されたカットテープ42,44に押し付けられると、駆動ローラ60b,62bが回転して、接触するカットテープ42,44が送り出される。
【0022】
一方のカットテープ42は、ガイドローラ64,66,68を介して、矯正ローラユニット69およびカットテープ継足し延長装置70に導かれる。また、他方のカットテープ44は、ガイドローラ72を介して、矯正ローラユニット69およびカットテープ継足し延長装置70に導かれる。
【0023】
矯正ローラユニット69は、図6(A)(B)(C)に示すように、矯正ローラ74a,74bおよび矯正ローラ76a,76bを含む。矯正ローラ74aは、図6(B)に示すように、その外周面の幅方向中央部が凹溝状に形成される。また、矯正ローラ74bは、その外周面の幅方向中央部が凸状となるように形成される。さらに、矯正ローラ74aは、エアシリンダ78に取り付けられ、矯正ローラ74b側に移動できるようになっている。したがって、図7(A)(B)(C)に示すように、矯正ローラ74aが移動することにより、矯正ローラ74aの凹溝と矯正ローラ74bの凸部とが嵌合するようにして組み合わされる。したがって、矯正ローラ74a,74b間に通されたカットテープ42は、凹溝と凸状部との間に挟まれて、バイファイラ巻きされたカットテープ42の振れを抑えることができる。
【0024】
同様に、矯正ローラ76aは、その外周面の幅方向中央部が凹溝状に形成され、矯正ローラ76bは、その外周面の幅方向中央部が凸状となるように形成される。そして、矯正ローラ76aは、エアシリンダ78によって矯正ローラ76bに向かって移動できるようになっている。したがって、矯正ローラ76aが移動することにより、矯正ローラ76aの凹溝と矯正ローラ76bの凸状部とが嵌合するようにして組み合わされる。したがって、矯正ローラ76a,76b間に通されたカットテープ44は、凹溝と凸状部との間に挟まれて、バイファイラ巻きされたカットテープ44の振れを抑えることができる。
【0025】
矯正ローラ74a,74bの間を通るカットテープ42は、カットテープ継足し延長装置70内のセンサ部80に送られる。センサ部80は、カットテープ42,44の残量を検出するための検出手段として用いられ、たとえば発光素子と受光素子とで構成される。この場合、カットテープ42,44に用いられるテープ材46は、光が透過できるように形成され、一方の両面粘着テープ48の基材部分で発光素子からの光が遮られる。したがって、受光素子で光を検出している間はテープ材46がセンサ部80を通過しており、受光素子で光が検出されなくなると両面粘着テープ48が通過していることがわかる。また、センサ部80としては、金属センサなどを用いてもよく、この場合、両面粘着テープ48の基材として用いられる金属箔や合成樹脂にラミネートされた金属材料が検出される。
【0026】
同様に、矯正ローラ76a,76bの間を通るカットテープ44は、カットテープ継足し延長装置70内のセンサ部82に送られる。このセンサ部82においても、センサ部80と同様にして、テープ材46と両面粘着テープ48との違いが検出される。
【0027】
さらに、図8(A)(B)(C)(D)に示すように、一方のカットテープ42は、ガイドローラ84を通って、一方のローラユニット86に送られる。ローラユニット86は、3つのローラ88,90,92で構成される。ガイドローラ84に近いローラ88の表面には、カットテープ42,44が嵌まる幅の凹溝が形成される。また、次のローラ90の表面は、カットテープ42,44の幅に対応した幅の凸状に形成される。なお、ローラ92は、表面に凹凸が形成されていない円柱状のローラである。このローラユニット86においては、凹溝の形成されたローラ88が、カットテープ42側に突き出るように配置される。
【0028】
また、他方のカットテープ44は、ガイドローラ94を通って、他方のローラユニット96に送られる。ローラユニット96は、3つのローラ98,100,102で構成される。ガイドローラ94に近いローラ98の表面は、一方のローラユニット86のローラ88に形成された凹溝に嵌まる幅の凸状に形成される。また、次のローラ100の表面には、一方のローラユニット86のローラ90に形成された凸状部に嵌まる幅の凹溝が形成される。なお、ローラ102は、表面に凹凸が形成されていない円柱状のローラである。このローラユニット96においては、凹溝の形成されたローラ100が、カットテープ44側に突き出るように配置される。
【0029】
2つのローラユニット86,96は、図8(A)(B)(C)に示すように、各ローラを支持する基板104に形成された溝106を介して、V字状アーム108,110の一端側に取り付けられる。V字状アーム108,110の屈曲部は回転可能に支持される。そして、V字状アーム108,110の他端側には長孔が形成され、これらの長孔にエアシリンダ112,114のロッド112a,114aの端部が嵌め込まれる。エアシリンダ112,114は、ローラユニット86,96を移動させるための駆動手段として用いられる。したがって、エアシリンダ112,114が駆動されることによって、V字状アーム108,110が、その支持部を中心として回動する。それにより、V字状アーム108,110の一端側に取り付けられたローラユニット86,96が、溝106に沿って移動する。
【0030】
一方のカットテープ42は、ローラユニット86の近傍を通った後、下部ローラユニット116に取り付けられた2つのローラ間を通過し、段ボールに貼着される。下部ローラユニット116は、2つのローラユニット86側およびローラユニット96側の間で移動可能となるように形成される。ローラユニット86側およびローラユニット96側には、それぞれマグネットキャッチ118,120が形成される。これらのマグネットキャッチ118,120は、下部ローラユニット116を固定するために用いられ、下部ローラユニット116が移動するときには、下部ローラユニット116がマグネットキャッチから開放される。
【0031】
他方のカットテープ44の端部は、ローラユニット96の近傍に配置された状態で待機している。このとき、カットテープ44の端部の両面粘着テープ50が、凹溝の形成されたローラ100の近傍に配置される。両面粘着テープ50に仮着された剥離紙52は剥離されており、両面の粘着材層は露出した状態となっている。
【0032】
このような状態にあるカットテープマシン30では、一方のカットテープ42が順次引き出されて、押さえローラ20で段ボールに貼着されている。カットテープ42が引き出されて芯材38に巻回されたカットテープ42の残量が少なくなると、巻径センサ56によって、残量が少なくなったことが検出される。
【0033】
カットテープ42の残量が少なくなると、エアシリンダ78が駆動され、図7(A)(B)(C)に示すように、矯正ローラ74a,76aが矯正ローラ74b,76b側に移動する。このとき、矯正ローラ74a,76aの表面には凹溝が形成されているため、カットテープ42,44は、凹溝に嵌まり込んだ状態で矯正ローラ74b,76bに押し付けられる。矯正ローラ74b,76bの表面は凸状に形成されているため、この凸状部が矯正ローラ74a,76aの凹溝に嵌まり込み、カットテープ42,44の振れが防止される。したがって、芯材38,40にバイファイラ巻きされたカットテープ42,44が引き出されても、矯正ローラ74a,74bおよび矯正ローラ76a,76bによって、振れが防止される。
【0034】
また、カットテープ42の残量が少なくなって、両面粘着テープ48がセンサ部80で検出されると、図9(A)(B)(C)(D)に示すように、エアシリンダ112が駆動されて、ローラユニット86がローラユニット96側に移動する。このとき、凹溝の形成されたローラ88がカットテープ42側に突き出るように配置されているため、凹溝にカットテープ42が嵌まった状態でローラユニット96側に移動する。そして、ローラ88とローラ98、ローラ90とローラ100、ローラ92とローラ102とが、カットテープ42,44を挟み込む。ここで、ローラ88の凹溝とローラ98の凸状部とが噛み合わさり、さらに、ローラ90の凸状部とローラ100の凹溝とが噛み合わさって、カットテープ42,44が挟み込まれる。
【0035】
カットテープ42,44が接触することにより、カットテープ42の両面粘着テープ48とカットテープ44の両面粘着テープ50とが貼着される。それによって、2つのカットテープ42,44が継ぎ足され、カットテープ42,44が途切れることなく、連続して段ボールに供給される。このときの一連の動作が、図10(A)(B)(C)に示されている。カットテープ42がなくなると、ローラユニット86は元の位置にもどり、ハンガー34に新しいカットテープ42が保持され、両面粘着テープ50の剥離紙52を剥離して、ローラユニット86部分まで引き出された状態で待機させられる。
【0036】
なお、巻径センサ56によってカットテープ42の残量が少なくなったことを検出したとき、送り出し装置62がカットテープ44側に移動し、駆動ローラ62bが駆動されることにより、待機中のカットテープ44が徐々に送り出される。このようにすることにより、カットテープ42,44を接続したときに、待機中のカットテープ44に急激なショックが加わらず、カットテープ44が切断されることを防止することができる。しかしながら、待機中のカットテープが切断されない程度のショックが加わるのであれば、送り出し装置60,62は設けられなくてもよい。
【0037】
カットテープ42,44を接続するために、ローラユニット86が移動するとき、カットテープ42に引っ張られて、下部ローラユニット116も移動する。このとき、下部ローラユニット116は、一方のマグネットキャッチ118から外れ、移動したのちに、他方のマグネットキャッチ120に固定される。したがって、カットテープ42,44が接続された後は、下部ローラユニット116は、ローラユニット96側でカットテープ44を通過させることになる。
【0038】
逆に、カットテープ44が段ボールに供給されている状態においては、巻径センサ58でカットテープ44の残量が少なくなったことが検出される。それによって、矯正ローラ74a,76aが移動し、カットテープ44の振れが防止される。そして、送り出し装置60によって、待機中のカットテープ42が徐々に送り出される。
【0039】
さらに、センサ部82でカットテープ44の両面粘着テープ48が検出されると、図11(A)(B)(C)(D)に示すように、エアシリンダ114が駆動して、ローラユニット96がローラユニット86側に移動する。このとき、凹溝の形成されたローラ100がカットテープ44側に突き出るように配置されているため、凹溝にカットテープ44が嵌まった状態で移動する。そして、ローラユニット86,96の間にカットテープ42,44が挟まれて、これらのカットテープ42,44が接続される。これらの一連の動作が、図12(A)(B)に示されている。
【0040】
なお、カットテープ42,44の接続部分の両面粘着テープ48の基材として金属箔や金属材料をラミネートした合成樹脂を用いることにより、コルゲータマシンのダイバータで検出することができ、ここでカットテープ42,44の接続部分を除去することができる。
【0041】
このように、このカットテープマシン30を用いれば、一方のカットテープがなくなっても、機械を停止することなく、新しいカットテープに接続して、連続的に段ボールにカットテープを貼着することができる。
【0042】
なお、このカットテープマシン30では、カットテープの残量を検出するために、巻径センサ56,58と、光センサや金属センサなどのセンサ部80,82との2種類を用いたが、いずれか1種類のセンサのみでカットテープの残量を検出してもよい。この場合、必要に応じて、送り出し装置60,62と矯正ローラ74a,76aとローラユニット86,96の動作に時間差を設けるようにすることができる。
【0043】
また、センサ部80,82として光センサや金属センサなどを用いるために、カットテープ42,44の巻き始め側の両面粘着テープ48の基材として、アルミニウム箔などの金属箔や金属材料をラミネートした合成樹脂を用いることができる。このような両面粘着テープ48を用いることにより、センサ部80,82において、カットテープ42,44の終端が近づいたことを検出することができる。
【0044】
さらに、これらのカットテープ42,44では、両端部の両面粘着テープ48,50の剥離紙52が剥離された状態でハンガー34,36に取り付けられるが、これらのカットテープ42,44が待機状態の場合、芯材38,40への巻き始め側の両面粘着テープ48の粘着材層が長時間露出した状態となる。しかしながら、防塵カバー54が形成されていることにより、埃などの付着による粘着剤層の粘着力の低下を防止することができる。
【0045】
また、上述のカットテープマシン30では、ローラユニット86,96を移動させるための駆動手段として、エアシリンダ112,114が用いられているが、これらのローラユニット86,96を移動させるために、サーボモータなどを用いてもよく、駆動手段は特定のものに制限されるものではない。
【0046】
さらに、送り出し装置60,62に代えて、カットテープ42,44を保持するためのハンガー34,36にモータを取り付けてもよい。この場合、一方のカットテープ42の残量が少なくなると、ハンガー36に取り付けられたモータが回転し、待機中のカットテープ44が送り出される。そして、カットテープ42,44が継ぎ足されてカットテープ44が引き出されるようになると、モータの回転は停止させられる。このとき、カットテープ44は引き出されているため、ハンガー36は回転し、それに取り付けられたモータは発電機領域で動作して制動用として用いられる。そして、カットテープ44の残量が少なくなると、巻径が小さくなって回転速度が大きくなり、モータから出力される電流値が大きくなる。したがって、モータから出力される電流値を測定することによって、カットテープ44の巻径を検出することができる。
【0047】
このように、巻径センサおよび送り出し装置として、モータを使用することができる。この場合、アームを用いた巻径センサや送り出し装置を省略することができ、これらを取り付けるためのスペースが不要となる。したがって、カットテープマシン30を小型化することができる。このように、カットテープの残量を検出することができるものであれば、巻径センサとして用いることができ、特定のものに制限されるものではない。同様に、カットテープを送り出すことができるものであれば、送り出し装置として使用することができ、特定のものに制限されるものではない。
【0048】
【発明の効果】
この発明によれば、段ボールにカットテープを貼着する際に、巻回されたカットテープがなくなっても、新しいカットテープを継ぎ足すことができる。このとき、機械を停止したり、運転速度を遅くする必要がなく、カットテープ付きの段ボールの生産性を低下させることを防止することができる。
また、このようなカットテープマシンを用いて、カットテープの継足しを行うために、テープの両端に両面粘着テープを形成したものを用いることができる。このとき、芯材への巻き始め部における両面粘着テープの基材として、アルミニウム箔などの金属箔を用いることにより、センサ部でのカットテープの終端の検出を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカットテープマシンの一例を示す図解図である。
【図2】この発明のカットテープマシンに用いられるカットテープの一例を示す図解図である。
【図3】(A)は図2に示すカットテープを芯材に巻回した状態を示す平面図であり、(B)はその側面図である。
【図4】図3に示す芯材に防塵カバーを取り付けた状態を示す図解図である。
【図5】図4に示す防塵カバーの構造を示す図解図である。
【図6】(A)は矯正ローラユニットを示す平面図であり、(B)はその内部構造を示す側面図解図であり、(C)は内部構造を示す平面図解図である。
【図7】(A)は図6に示す矯正ローラユニットが駆動されたときの状態を示す平面図であり、(B)はその内部構造を示す側面図解図であり、(C)は内部構造を示す平面図解図である。
【図8】(A)はカットテープ継足し延長装置を示す平面図であり、(B)はその内部構造を示す側面図解図であり、(C)はそのE−E矢視図であり、(D)はそのA−A,B−B,C−C,D−Dにおける矢視図である。
【図9】(A)は、図8に示すカットテープ継足し延長装置において、一方のローラユニットが駆動されたときの状態を示す平面図であり、(B)はその内部構造を示す側面図解図であり、(C)はそのE−E矢視図であり、(D)はそのA−A,B−B,C−C,D−Dにおける矢視図である。
【図10】一方のカットテープを他方のカットテープに継ぎ足すときのカットテープ継足し延長装置の一連の動きを示す図解図である。
【図11】(A)は、図8に示すカットテープ継足し延長装置において、他方のローラユニットが駆動されたときの状態を示す平面図であり、(B)はその内部構造を示す側面図解図であり、(C)はそのE−E矢視図であり、(D)はそのA−A,B−B,C−C,D−Dにおける矢視図である。
【図12】他方のカットテープを一方のカットテープに継ぎ足すときのカットテープ継足し延長装置の一連の動きを示す図解図である。
【図13】カットテープを貼着した段ボール箱の一例を示す斜視図である。
【図14】図13に示す段ボール箱を開封するときの様子を示す図解図である。
【図15】段ボールを製造するためのコルゲータマシンの一例を示す図解図である。
【図16】従来のカットテープマシンの一例を示す図解図である。
【符号の説明】
30 カットテープマシン
34,36 ハンガー
38,40 芯材
42,44 カットテープ
46 テープ材
48,50 両面粘着テープ
54 防塵カバー
56,58 巻径センサ
60,62 送り出し装置
69 矯正ローラユニット
70 カットテープ継足し延長装置
74a,74b,74c,74d 矯正ローラ
80,82 センサ部
86,96 ローラユニット
88,90,92,98,100,102 ローラ
102,104 エアシリンダ

Claims (9)

  1. 一方面に接着剤層が形成されたテープ材と、前記テープ材の両端に形成される両面粘着テープとを含むカットテープを保持するための2つのハンガー、
    2つの前記ハンガーから引き出された2つの前記カットテープを挟むように配置される2つのローラユニット、
    前記ハンガーに保持された前記カットテープが少なくなったことを検出するための少なくとも1つの検出手段、および
    前記検出手段によって一方の前記カットテープが少なくなったことを検出したときに2つの前記カットテープを接触させるために一方の前記ローラユニットを他方の前記ローラユニットに近づけるための駆動手段を含み、
    それぞれの前記ローラユニットは前記カットテープが接触する面が凹溝状および凸状となった2つのローラを含む組み合わせによって形成され、2つの前記ローラユニットが近づけられたときに凹溝状の面を有する前記ローラと凸状の面を有する前記ローラとが2つの前記カットテープを挟んで押し当てられる、カットテープマシン。
  2. 前記ハンガーに保持される前記カットテープは、前記テープ材および前記両面粘着テープを巻回するための芯材を含み、前記芯材の少なくとも一方の端部に前記両面粘着テープを埃から保護するための防塵カバーが取り付けられたものである、請求項1に記載のカットテープマシン
  3. 前記テープ材の前記芯材への巻始め部における前記両面粘着テープは、金属材料または光を遮蔽するための遮蔽体を用いた基材を含み、前記基材の両面に粘着剤層が形成されたものである、請求項2に記載のカットテープマシン
  4. 前記検出手段は、前記ハンガーに保持された前記カットテープの巻径を測定するための巻径センサである、請求項1または請求項2に記載のカットテープマシン。
  5. 前記検出手段は、前記芯材への巻始め部における前記両面粘着テープの前記基材を検出するためのセンサである、請求項3に記載のカットテープマシン。
  6. 前記検出手段は、前記ハンガーに保持された前記カットテープの巻径を測定するための巻径センサと、前記芯材への巻始め部における前記両面粘着テープの前記基材を検出するためのセンサとを含む、請求項3に記載のカットテープマシン。
  7. さらに、それぞれの前記ローラユニットの前記ハンガー側に配置され、前記カットテープを挟んで前記カットテープの振れを防止するための2つの矯正ローラを含み、
    2つの前記矯正ローラの前記カットテープが接触する面がそれぞれ凹溝状および凸状に形成された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のカットテープマシン。
  8. さらに、それぞれの前記ローラユニットの前記ハンガー側に配置され、前記カットテープを挟んで前記カットテープの振れを防止するための2つの矯正ローラを含み、
    2つの前記矯正ローラの前記カットテープが接触する面がそれぞれ凹溝状および凸状に形成され、前記巻径センサによって前記カットテープの巻径が小さくなったことを検出して前記凹溝状の面を有する矯正ローラを前記凸状の面を有する矯正ローラ側に移動させるようにした、請求項6に記載のカットテープマシン。
  9. 前記ハンガーの近傍に形成され、前記検出手段によって一方の前記カットテープの残量が少なくなったことを検出したときに、他方の前記カットテープを送り出すための送り出し装置を含む、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のカットテープマシン。
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