JP3853524B2 - 屈折回折一体型のレンズ、そのレンズを含む光記録情報再生装置、およびそのレンズを含む撮像装置 - Google Patents

屈折回折一体型のレンズ、そのレンズを含む光記録情報再生装置、およびそのレンズを含む撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折レンズに関するものであり、特にダイヤモンドバイトによる切削加工で得られた回折レンズ、あるいはダイヤモンドバイトで切削加工した金型を用いて成型して得られた回折レンズの回折効率の計算(シミュレーション)技術、および、色消し回折レンズの設計技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、回折レンズを用いて、色消しレンズや、2焦点レンズなど、レンズの高機能化を図る提案が多く出されている(例えば特開平8−171052号公報、特願平8−290080号)。これらの回折レンズの多くは、レンズあるいはガラス等の平板の表面上に周期的な起伏形状を構成してなるいわゆるレリーフ型の回折レンズである。
【0003】
レリーフ型の回折レンズには大きく2種類の加工方法がある。1つは、ダイヤモンドバイトによる切削加工であり、この場合には、鋸歯状のレリーフ(起伏形状)が加工できる。他の1つは、フォトリソグラフィによる方法で、前記鋸歯状のレリーフを階段状で近似したものとなり、バイナリ型と呼ばれている。
【0004】
回折レンズを利用あるいは設計する際に回折効率は重要な特性値である。
【0005】
バイナリ型の場合には、スワンソン(Swanson)ら(G.J.Swanson and Wilfird B.Veldkamp、 "Diffractive optical elements for use in infrared systems"、 Optical Engineering、Vol.28,No.6,(1989))により、製造工程で使うマスクの枚数と回折効率との関連が計算され一般に知られている。
【0006】
また、ピッチが波長に比べて十分に長く、位相変化が1波長程度の周期的なレリーフ型回折格子の回折効率は、その断面形状をもとに、材料の屈折率から透過波面の位相遅れ量を計算し、その値をフーリエ変換した時のフーリエ係数として得られる(スカラー回折理論)ことが一般に知られている(例えば、M.C.Hutley、"Diffraction Grating"、Academic Press,Chap.2,1982))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図23(a)はダイヤモンドバイトを用いた回折レンズ用金型の加工を示す概略図である。矢印方向に自転する金型1901はダイヤモンドバイト1902により加工される。ダイヤモンドバイトは先端が鋭利であり、回折レンズ又は回折レンズ用金型の加工に適している。
【0008】
図23(b)は図23(a)の加工部Aを拡大した図である。ダイヤモンドバイトの先端1903はある曲率半径(ノーズ半径)1904を持つ円弧形状である。ここで、設計形状が2点差線1905に示すような鋸歯状の場合であっても、その窪み部はダイアモンドバイトの先端部の曲率半径とほぼ同一の半径を有する円弧形状1906に加工されてしまう。
【0009】
図24は簡単のために平板上に回折レンズを形成した場合の金型及びレンズの加工を説明する概略断面図である。
【0010】
レンズの設計形状が図24(a)である場合、このレンズを製造するための金型の設計形状は図24(b)のようになる。しかしながら、先端が所定の曲率半径を有する円弧形状のダイヤモンドバイト2001を用いて加工した場合には、図24(c)に示すように金型の断面で凹になる角部が丸まってしまう。この結果、成形されるレンズは、図24(d)のようなレリーフ形状となる。
【0011】
また、図24(e)は加工後の図24(c)の金型表面A部を微細に観察した場合の拡大断面図である。バイトの送り速度とバイトの曲率半径によって、微小な起伏からなる切削痕2002が残る。この切削痕もレンズ表面に転写される。
【0012】
回折レンズの回折効率はレリーフ形状の影響を受けるので、このようにレンズの製造過程で形状が劣化した場合、回折効率が設計値からずれてしまう。
【0013】
上述のような、回折効率の変化を防ぐためには先端が鋭利なバイトを用いればよいが、このときには、加工に必要な切削距離が長くなることや、バイトの磨耗による劣化が大きくなることや、バイト自体がチッピングなどを起こしやすくなることなど技術的に困難な課題が多く、結果として生産性を著しく悪くしてしまう。
【0014】
ここで、バイト先端の曲率半径と、得られる回折レンズの回折効率の関係を知ることができれば、製造過程での回折効率の低下を許容できる範囲に抑えるにはどのようなバイトを選択すればよいのかが切削加工前に判断でき、必要以上に鋭利なバイトを用いずに済むため、生産効率上有用である。
【0015】
また、回折レンズ設計時に加工法を勘案して回折効率を計算できれば、加工法をレンズ設計のパラメータの一つとして、製造しやすいレンズを設計することができる。従って、レンズ設計時に加工法を考慮して最終的に得られる回折効率を簡便に計算する手法が求められる。
【0016】
回折レンズの応用の代表的な例として色消しレンズを挙げることができる。これは屈折レンズの色収差を回折レンズの色収差で補正するものである。このようなレンズとしては、特開平6−242373号公報や特開平8−171052号公報などが知られている。上記両公報に開示されたレンズはいずれも回折レンズの輪帯数が多いので、ダイヤモンドバイトを用いた切削加工などを用いてレンズの金型を加工した場合に加工が困難になり、また、バイトの頂点の曲率による形状劣化によって回折効率が低下してしまう。ところが、これらの問題に対して設計的な配慮がなされておらず、回折効率の確保と、生産性の確保の両立が困難であった。
【0018】
発明は、ダイヤモンドバイトを用いた切削加工での生産性に優れ、かつ色消し作用も十分に満足な回折屈折一体型のレンズを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成とするものである。
【0042】
本発明にかかる屈折回折一体型のレンズは、複数の同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、屈折レンズの少なくとも1つの面上に形成してなる屈折回折一体型のレンズであって、下記式(6)で定義されるkが、
0.1≦k
を満足することを特徴とする。
【0043】
【数25】
Figure 0003853524
f:前記屈折回折一体型のレンズの合成焦点距離
d:回折レンズの焦点距離
g:前記屈折レンズの焦点距離
νd:前記回折レンズの使用波長域における部分分散係数
νg:前記屈折レンズの使用波長域における部分分散係数
【0044】
上記構成によれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により屈折回折一体型のレンズ又は屈折回折一体型レンズ用成形金型を生産性よく製造することができる。
【0045】
本発明にかかる対物レンズは、同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、入射面と射出面から構成される単レンズの少なくとも1つの面上に形成してなる屈折回折一体型の光情報記録再生装置用の対物レンズであって、下記式(6)で定義されるkが、
0.2≦k≦0.6
を満足することを特徴とする。
【0046】
【数26】
Figure 0003853524
f:前記屈折回折一体型のレンズの合成焦点距離
d:回折レンズの焦点距離
g:前記屈折レンズの焦点距離
νd:前記回折レンズの使用波長域における部分分散係数
νg:前記屈折レンズの使用波長域における部分分散係数
【0047】
上記構成によれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により対物レンズ又は対物レンズ用成形金型を製造する場合に、良好な色収差補正とレンズの生産性を両立させることができる。従って、本発明の対物レンズを備えた光ヘッド装置は、光源の波長が変化しても対物レンズの焦点距離の変化が少なく、また迷光が減少できるので良好な信号出力が得られる。また、このような特性を有する対物レンズを単レンズで構成できるから、光ヘッドの小型化が可能である。
【0048】
本発明にかかる撮像用レンズは、同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、入射面と射出面から構成される単レンズの少なくとも1つの面上に形成してなる屈折回折一体型の撮像用レンズであって、下記式(6)で定義されるkが、
0.3≦k
を満足することを特徴とする。
【0049】
【数27】
Figure 0003853524
f:前記屈折回折一体型のレンズの合成焦点距離
d:回折レンズの焦点距離
g:前記屈折レンズの焦点距離
νd:前記回折レンズの使用波長域における部分分散係数
νg:前記屈折レンズの使用波長域における部分分散係数
【0050】
上記構成によれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により撮像用レンズ又は撮像用レンズ用成形金型を生産性よく製造することができる。更に、0.4≦k≦0.7を満足すると、加工性に優れ、結像性能も良好な撮像用レンズが得られる。従って、本発明の撮像用レンズを備えた撮像装置は、良好に色収差が除去されてフレアの少ない画像を得ることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0052】
(第1の実施形態)
切削加工により製造された回折レンズの場合には、バイトによる形状変化の程度が輪帯により異なる。輪帯の間隔(ピッチ)が長い輪帯においてはバイトによる形状劣化の影響は相対的に小さく、一方で輪帯の間隔が短い輪帯においてはその影響は深刻となる。
【0053】
また、一般に、回折レンズにおいては、レンズの中心部の輪帯はピッチが長く、周辺部に向かうにつれて短くなる。
【0054】
このため、レンズの中心付近と周辺付近とでは回折効率が異なることとなる。
【0055】
レンズ全体の回折効率を知るには、レンズの部分毎の回折効率の加重平均により求めることが出来る。
【0056】
(実施例1)
図1に本発明の第1の実施形態に係る回折効率の計算装置の外観図を示す。
【0057】
101は計算機本体、102はディスプレイ、103はFDD(フロッピディスクドライブ装置)、104はキーボード、105はHDD(ハードディスクドライブ装置)、106はプリンタである。各装置は接続ケーブル107にて計算機本体101と接続されている。計算機本体101の内部には演算装置と、ローカルメモリ装置が内蔵されている。
【0058】
図2は上記の装置の構成を示す。キーボードからの入力及びFDDにより読み込まれたデータはHDD装置に保存される。演算に必要なデータはHDDよりローカルメモリに読み込まれ、演算ユニットによって必要な演算がされ、結果をHDDに保存する。計算の結果はディスプレイあるいはプリンタに出力する。
【0059】
HDDにはコンピュータを用いて回折効率を計算するコンピュータプログラムが記録されており、演算装置はHDDよりプログラムをローカルメモリ上に読み出して、プログラムを実行する。また、プログラムは図1のフロッピディスク108あるいは、光ディスク109などに記録してあっても良い。
【0060】
ここで、本発明の「記憶手段」とは、情報を保存しておくための手段であり、フロッピディスク、ハードディスク、ローカルメモリ、光ディスク等の情報記録媒体、あるいはプリンタにより印刷(出力)された情報記録媒体などを指す。また、「記憶手順」とは、情報を保存する処理をいい、フロッピディスク、ハードディスク、ローカルメモリ、光ディスク等への情報の記録(保存)、あるいはプリンタによる印刷(出力)などが該当する。
【0061】
また、本発明の「演算手段」とは、情報を用いて数値計算を行うための手段であって、一般には計算機の演算ユニットを指す。また、「演算手順」とは、情報を用いて数値計算を行う処理をいう。
【0062】
本発明の「繰り返し手段」とは、計算機のプログラムにより演算ユニットを繰り返し動作させることを指すが、計算機の操作者がキーボード等の手段を介して計算機に指示を送り計算動作を繰り返すことでもよい。また、「繰り返し手順」とは、所定の手順(処理)を繰り返し行うことをいう。
【0063】
また、本発明の「記憶手段から情報を取り出す」とは、FDDを用いてフロッピディスクからデータを読み出すこと、HDDを用いてハードディスクからデータを読み出すこと、光ディスクドライブを用いて光ディスクからデータを読み出すこと、ローカルメモリからデータを読み出すこと、及び計算機の操作者が印刷出力されたデータをキーボードより入力することなどを指す。
【0064】
また、本発明の「プログラムを記録した記録媒体」とは、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、あるいはプリンタによる印刷出力など、計算機用のソフトウェアを保存するためのあらゆる媒体を指す。
【0065】
なお、これらの各手段(手順)は今後の計算機技術の進展により新規の手段(手順)が考案される可能性があるが、新規に考案される装置及び方法もその機能が本発明の各手段(手順)と同一であれば、本発明に含まれることはいうまでもない。本発明においては、上記の各手段(手順)は具体的な装置又は方法に依存するのではなく、各手段(手順)の機能に依存するからである。例えば、フロッピーディスク等の記憶媒体の代わりとして、ネットワークケーブルを介してネットワークに接続されている情報端末を用い、該情報端末よりデータを送受信することなどが考えられるが、これは本発明の記憶手段からの情報の取り出しに相当する。
【0066】
また、以下の説明では、重複説明を回避するために所定の「手段」を備えた「装置」を中心に説明するが、これらの説明は同時に所定の「手順」を有する「方法」に関する説明であると、又は所定の「手順」をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な「記録媒体」に関する説明であると解釈されなければならない。
【0067】
本実施例の装置は、回折素子を複数の領域に分割したときのm番目の領域のj次の回折光の回折効率をηmjとし、各領域に対する重率をWmとするとき下記式(1)を計算する。
【0068】
【数28】
Figure 0003853524
【0069】
ここで、式(1)の計算がηmjの加重平均となるためには、Wmが下記式(7)を満足する必要がある。
【0070】
【数29】
Figure 0003853524
【0071】
ただし、簡易に計算を行う場合などには必ずしも上記式(7)を満足しなくても良い。
【0072】
図3に上記を計算するためのアルゴリズムを示す。本例では、回折レンズをM箇所の領域に分割するものとする。
【0073】
記憶手段にはあらかじめ回折レンズをM箇所の領域に分割したときの各領域の回折効率情報と、それぞれの領域の重率が保存されている。
【0074】
図4は、第1の記憶手段に記憶されている回折効率情報と、第2の記憶手段に記憶されている重率情報のそれぞれの記憶状態を示した概念図である。
【0075】
図4(a)は、計算する回折次数が0次、−1次、1次の3つの次数の場合の回折効率情報を記憶する第1の記憶手段の構成である。計算する次数が3つの場合には、M×3の要素からなる2次元のデータ配列となる。このようなデータ配列は、データの保存と、必要なデータの読み出しが出来る装置であれば、計算機のメインメモリやフロッピディスクなどいずれの記憶手段上に構成してもよい。
【0076】
図4(b)は、同様に各領域の重率の情報を記憶する第2の記憶手段の構成である。こちらは、M個のデータ列となる。これも前記と同様に計算機のいかなる記憶装置を用いて構成しても構わない。
【0077】
本発明中で、記憶手段とは、このようなデータの配列あるいはデータ列あるいは単一のデータを保存しておくための計算機本体内又は外部の記録領域を指し、計算装置を構成するいかなる記憶領域上に構成しても構わない。以下、個々の記憶手段についてどの記憶領域を用いるのかというような説明は避け、単にメモリとのみ記載するものとする。
【0078】
また、データ配列については、その添え字を省略して記載した場合には配列全体を指し、添え字をつけて記載した場合にはその中の単一の要素を指すものとする。例えば、図4の場合においては「η」は(M×3)個の要素からなる計算装置上に確保された記憶領域を差し、「η10」はその中の1つの要素を指す。
【0079】
図3において、第1のステップ2101では計算する回折次数をセットする。続くステップ2102ではメモリEiの値を0に、領域のカウンタmを1で初期化する。次のステップ2103では、m番目の領域のi次回折光の回折効率情報ηmiとm番目の領域に対する重率Wmを、第1及び第2の記憶手段よりそれぞれ読み出し、ηmiとWmの積をEiに加算する。次のステップ2104では、全領域の計算が終了したのかどうかを判定するため、領域カウンタmがMと同じかどうか調べる。m=Mでなければ、まだ加算していない領域があるので、ステップ2105に進み、領域カウンタmを1つ増やしてステップ2103を行う。また、2104でm=Mであれば、ステップ2106に進む。この2102から2015までのステップが本発明の第1の演算手段に相当する。2106は他の回折次数の計算を行うのかどうかの判断をする。他の次数の回折効率の計算が必要な場合には、ステップ2107に進み、iに次に計算する回折次数をセットし、ステップ2102以降の処理を再度行う。他の次数の計算が不要であれば計算を終了する。
【0080】
本実施例の装置を用いることにより、各領域毎に回折効率の異なるレンズのレンズ全体の回折効率を効率よく正確に計算することが可能となる。
【0081】
本実施例では複数の回折次数を計算する場合を例に挙げて説明したが、単一の次数の計算のみの場合には、図3に示したステップのうちで、複数の次数を計算するために準備された、ステップ2101、2106、2107を省略したアルゴリズムで計算可能である。
【0082】
(実施例2)
実施例1では、各領域の回折効率があらかじめ判っており、計算を開始する前にこれがメモリに保存されていることを前提とした。ところが、実際には、各領域の回折効率が未知である場合が多い。このような場合、回折レンズの形状や、屈折率などを実測し、そのデータを用いて、各領域の回折効率を求め、それを元にレンズ全体の回折効率を計算することとなる。この場合の計算アルゴリズムを示したのが図5である。
【0083】
第3、第4、第5及び第2の記憶手段であるメモリには、それぞれ順に、回折レンズのレリーフの断面形状データ、光源の波長、前記波長に対するレンズ材料の屈折率、及び各輪帯毎の重率の各情報が、あらかじめ保存されているものとする。
【0084】
ステップ301では、第3の記憶手段であるメモリに保存されているレリーフ形状のデータを元に、レンズの輪帯の数を求めメモリMに保存する。また、輪帯のカウンタであるメモリmを1に初期化する。
【0085】
ステップ302では、第3の記憶手段よりm番目の輪帯のレリーフ形状情報を取り出し、第4、第5の記憶手段よりそれぞれ波長、屈折率の情報を取り出して、m番目の輪帯の回折効率を計算し、その結果を第1の記憶手段であるメモリηの対応する領域に保存する。このステップ302が本発明の第2の演算手段である。
【0086】
ステップ303では、ステップ302を全輪帯に対して行ったかどうかを調べる。m=Mが成立しない場合には、まだ計算していない輪帯がある場合で、この時にはステップ304に進み、mを1つ増分して再度302のステップを行う。この303及び304のステップが第1の繰り返し手段である。また、m=Mが成立している場合には、302のステップを全ての輪帯に対して実行済みであることを示しており、このとき、第1の記憶手段であるメモリηには全ての輪帯の回折効率が保存された状態となる。
【0087】
ステップ305はレンズ全体の回折効率を求めるステップである。ステップ301からステップ304までのステップが全て実行されると、第1の記憶手段であるメモリηには全ての輪帯の回折効率が保存される。また、第2の記憶手段には重率の情報があらかじめ既知情報として保存されている。従って、このステップ305で実施例1ですでに説明したアルゴリズムを実行することで、レンズ全体の回折効率を計算できる。
【0088】
以上、本実施例の装置を用いることにより、個別の輪帯の回折効率情報が未知であっても、レリーフ形状と屈折率が判ればレンズ全体の回折効率を計算することが出来るため、光学設計上有益な情報を得ることが可能となる。
【0089】
(実施例3)
前記の実施例2においては、回折レンズの1つの輪帯を1つの領域として分割した場合のアルゴリズムの例を示した。回折レンズの輪帯のピッチはレンズ中心部では広く、周辺に向かうにつれて狭くなる。ここで、レンズの周辺部では隣り合う輪帯同士のピッチはほぼ同じになることがある。このような場合には、そのような輪帯の回折効率はほぼ同じと見なすことが出来る。従って、回折効率がほぼ同じと見なせる複数の輪帯を1つの領域として取り扱えば、メモリηやメモリWに必要な記憶容量を減らすことが可能で、さらには計算量も少なくてすむためより高速に演算できる。
【0090】
(実施例4)
回折素子の微細なレリーフ形状を元に回折効率を計算する方法には数種の方法が知られている。回折レンズの場合にはフーリェ変換を用いるようなスカラ回折理論で十分満足な精度が得られる。この時の詳細な計算アルゴリズムを図6に示す。
【0091】
ステップ401では、計算する輪帯のレリーフの断面形状データを作業用として計算装置上に確保したデータ配列Dにセットする。このとき、データ配列の要素数を2の累乗個にしておくとフーリェ変換の際にFFT(高速フーリエ変換)を用いることが出来て計算処理を高速化できる。具体的には、4096個程度がよい。
【0092】
続く、ステップ402では、波長λ、屈折率Nを第3及び第4の記憶手段であるメモリからそれぞれ読み出し、これを用いて、透過光の複素振幅を求めて、データ配列Dと同数の要素からなる計算装置上に確保した複素配列Pに保存する。
【0093】
次のステップ403では、複素配列PのFFTを行う。このステップの処理により、複素配列Pにフーリエ係数が保存される。
【0094】
ステップ404では、複素配列Pの各要素に複素共役を乗じて実数とする。次に、複素配列Pの全要素の和が1となるように各要素を正規化する。これにより複素配列Pに各次数に対応した回折効率が保存されたこととなる。
【0095】
ステップ405では、複素配列Pから必要な次数の回折効率の情報を読み出し、第1の記憶手段であるメモリηに保存する。
【0096】
(第2の実施形態)
これまでに説明した実施例においては、回折レンズを複数の領域に分割したときの各領域に対する重率は、あらかじめ好適な値を記憶手段に保存しておくものとした。ところが、光源の強度分布や、回折レンズの輪帯の径を元にそれらを計算できれば、データ入力の手間を省力化できる。
【0097】
重率は回折レンズの各領域に入射する光の量をレンズ全体に入射する光の量で割った値を用いればよい。
【0098】
回折レンズへの入射光が均一の強度分布を持っていると仮定できるような場合においては、各領域の面積をレンズの有効径で割った値を重率として用いることで妥当な計算を行うことが可能となる。
【0099】
(実施例5)
各領域の面積の情報がメモリ(第6の記憶手段)に保存されている場合の重率の計算について説明する。
【0100】
回折レンズの光束が透過する領域(有効領域)をM個の領域に分割するものとし、m番目の領域の面積をSmとする。まず、第6の記憶手段に保存されている各領域の面積を読み出してそれを合計し、有効領域の面積Stを計算する。つまり、下記式(8)を計算する。
【0101】
【数30】
Figure 0003853524
【0102】
続いて、m=1から順にm=Mまで下記式(9)を計算する。
【0103】
【数31】
Figure 0003853524
【0104】
以上の計算により各輪帯の重率を計算するのが本発明の第3の演算手段である。
【0105】
得られた各輪帯に対する重率Wmは、重率の情報を保存する第2の記憶手段であるメモリに保存する。こうして求めた重率は、下記式(7)を満足する。
【0106】
【数32】
Figure 0003853524
【0107】
従って、この重率と各領域の回折効率の積和演算が、各領域の回折効率を対応する領域の面積で重み付けした加重平均となる。
【0108】
(実施例6)
回折レンズが、同心円状の輪帯で構成されている場合には、各輪帯の面積の情報の代わりに輪帯の半径の情報から重率を計算できる。
【0109】
ここで、輪帯はレンズの中心から順に数えるものとし、輪帯の総数がMであるとする。即ち、レンズ中心の輪帯が第1番目の輪帯で、最外周の輪帯が第M番目であるものとする。m番目の輪帯の半径をRmで表すとき、最外周の輪帯の半径RMはレンズの有効半径となる。このRmが第7の記憶手段であるデータ配列に保存されているとすると、このRmを順次読み出し、第2の記憶手段である重率配列Wの各要素に下記式(3)及び式(4)の計算結果を保存する。
【0110】
【数33】
Figure 0003853524
【0111】
【数34】
Figure 0003853524
m:レンズ中心から数えてm番目の輪帯の半径
m:m番目の輪帯の重率
M :輪帯の数
m :輪帯をレンズの中心から順に数えたときの番号
【0112】
これにより、各輪帯の面積に比例した重率Wmがもとまる。また、こうして求めた、重率は、下記式(7)を満足する。
【0113】
【数35】
Figure 0003853524
【0114】
従って、この重率と各領域の回折効率の積和演算が、各領域の回折効率を対応する領域の面積で重み付けした加重平均となる。
【0115】
(実施例7)
レーザ光源などを用いた場合には、射出光の強度分布は均一ではなく、ガウス分布となることが知られている。また、半導体レーザなどの場合には射出光束は楕円形状をしている。
【0116】
図7(a)は半導体レーザからの射出光の様子を模式的に描いたものである。半導体レーザ光源601は射出光束が楕円であり、楕円の短軸方向(x軸)602と長軸方向(y軸)603とでは射出光束の強度分布が異なる。前記2軸の強度分布は例えば図7(b)のような分布をする。このような光源を用いた場合には、輪帯の面積に比例したような重率を用いると計算結果が実際と大きくずれてしまうため好ましくない。
【0117】
そこで、図7(b)のように、ビームの中心の光束の強度を1として正規化したときの、x軸及びy軸での断面におけるレンズの有効径604での強度(頂点に対する比率)をIx、及びIyとする。入射光強度が図7(b)のような場合には、このIx及びIyの情報があれば、輪帯の面積に比例した重率よりもより現実的な各輪帯への入射光強度に比例した重率を計算できる。
【0118】
図8に具体的なアルゴリズムを示す。
【0119】
入射光強度情報であるIx及びIyはあらかじめ第8の記憶手段であるメモリに保存されているものとする。
【0120】
ステップ501では、入射光が図7(b)に示したような強度分布であるものとして、レンズに入射する全光量を計算し、この計算結果を別のメモリに保存する。
【0121】
次のステップ502では輪帯カウンタmを1に初期化する。
【0122】
ステップ503では、実施例6で説明した第7の記憶手段に保存されている各輪帯の半径の情報と入射する光束の強度分布に関する情報を用いて、m番目の輪帯に入射する光量を計算する。続くステップ504では、ステップ503で求めたm番目の輪帯に入射する光量をメモリに保存してある全光量で割り、その商をm番目の輪帯の重率Wmとして第2の記憶手段である重率配列Wに保存する。このステップ503及び504が本発明の第3の演算手段である。
【0123】
ステップ505では503と504のステップを全部の輪帯に対して実行済みであるかどうかを確認し、m=Mが成立しない場合には、ステップ506に進みmを1つ増分させてステップ503及び504を再度実行する。また、m=Mであれば、全ての輪帯に対して503及び504が実行済みであることを意味し、このとき、Wには全輪帯の重率情報が保存された状態となる。
【0124】
このアルゴリズムによれば、各輪帯に入射する光束の光強度にほぼ比例した重率を求めることが出来る。また、この計算により求めた重率Wmは、下記式(7)を満足する。
【0125】
【数36】
Figure 0003853524
【0126】
従って、この重率と各領域の回折効率の積和演算が、各領域の回折効率を対応する領域に入射する光強度で重み付けした加重平均となる。
【0127】
従って、本実施例によれば、レンズへの入射光の強度分布を勘案した回折効率の計算が可能になる。
【0128】
(第3の実施形態)
これまでに説明した実施例の回折効率計算装置ではレリーフ形状が既知であるものとした。しかし、レンズを設計した段階の設計レリーフ形状データと、加工用のバイトの情報、あるいはバイトの送り速度の情報などを知れば設計レリーフ形状を元に加工後のレリーフ形状を計算することが可能である。つまり、これらの情報を元に、設計したレンズの、製造によるレリーフ形状の変化を勘案して、最終的に得られるレンズの回折効率を計算することが可能となる。
【0129】
なお、以下の実施例ではバイトを用いて切削加工した回折レンズ用金型を用いて、回折レンズを成型する場合を例に説明する。しかしながら、本発明はこのような場合に限定されず、金型を用いないで回折レンズを直接バイトで切削加工する場合にも同様に適用することができる。
【0130】
(実施例8)
図9は本発明の第3の実施形態に係る回折効率計算装置の計算アルゴリズムである。
【0131】
まず最初に、計算に必要なデータを入力する。即ち、回折レンズのレリーフの設計形状、金型の切削加工に使用する加工用バイトの先端部半径、レンズに使用される光源の波長、及びレンズ材料の屈折率を入力し、それぞれを順に第9、第10、第4、第5の記憶手段であるメモリに保存する。
【0132】
ステップ701では、回折レンズの輪帯数をメモリMに保存し、輪帯のカウンタmを1に初期化する。
【0133】
ステップ702は、設計レリーフの形状の情報を元に加工後のレリーフ形状を求め、それを第3の記憶手段であるレリーフ形状保存用メモリに保存するステップである。
【0134】
まず、第9及び第10の記憶手段であるメモリから、第m番目の輪帯の設計レリーフ形状及び加工用バイトの先端部のノーズ半径の情報tをそれぞれ取り出す。
【0135】
図10はこのステップ702における処理の過程を図示したものである。図10(a)において、801は鋸歯状のレリーフの設計形状である。ここで、レンズを金型をもちいてプレス成形あるいは射出成形により製造する場合には、金型で凹になる頂点(レンズでは凸になる頂点)をバイトのノーズ半径tで丸めた形状が加工後のレリーフ形状となる。即ち、レリーフ801の場合には、頂点802を半径tで丸めればよい。そこで、801に半径がtの円弧803を内接させることにより、図10(b)に示す加工後のレリーフ形状804を得る。この804を第3の記憶手段である、レリーフ形状を保存するためのメモリに保存する。なお、レンズ材料をバイトで切削してレンズを製造するような場合にはレンズのレリーフで凹になる箇所を半径tで丸めればよい。このステップ702が本発明の第4の演算手段である。
【0136】
ステップ703は、輪帯の回折効率を計算するステップである。このステップでは、例えば、実施例2で説明したように、第3、第4、第5の記憶手段であるメモリからそれぞれレリーフ形状、波長、屈折率の情報を取り出して、回折効率を計算し、計算結果を第1の記憶手段であるメモリηに保存する。
【0137】
ステップ704は、m=Mかどうかを確認する。m=Mが成立しなければ、ステップ705に進み、mを1つ増分して再度ステップ702及び703を繰り返す。このステップ704及び705が第1と第2の繰り返し手段の両方を兼ねたものである。704でm=Mが成立したときには、702及び703のステップを全ての輪帯に対して実行済みであることを意味し、そのときには、第1の記憶手段であるメモリηには各輪帯の回折効率の情報が保存された状態となる。
【0138】
ステップ706は各輪帯に対する重率Wを求めるステップである。このステップの具体的な計算内容は、実施例5、実施例6あるいは実施例7ですでに説明したので省略する。ステップ706により得た各輪帯の重率の情報は、第2の記憶手段であるメモリWに保存される。
【0139】
ステップ707はレンズ全体の回折効率を求めるステップである。具体的な計算内容は実施例1と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0140】
以上説明したように、本実施例の装置を用いることによって、レンズの設計データと、加工用のバイトの情報を元に回折効率を計算することが出来る。
【0141】
なお、参考のために、図11に本実施例の装置で計算した加工後のレリーフ形状の例を示す。2301及び2306はそれぞれピッチが25μm及び127μmで、深さは共に1.292μmのレリーフの設計形状である(図11の紙面上下方向と水平方向の縮尺は一致していない)。この深さDは、材料の屈折率nが1.5262、光源の波長λが680nmの時にちょうど下記式(10)を満足する。
【0142】
【数37】
Figure 0003853524
【0143】
従って、図11の設計レリーフ2301,2306は、表面反射を無視するとき、1次回折光の回折効率が100%の回折効率となるレリーフ形状である。このような設計レリーフの成型用金型をノーズ半径が10μmのバイトで加工した場合に、得られるレリーフ形状の計算結果がそれぞれ2302及び2307である。また、ノーズ半径が30μmのバイトで加工した場合に得られるレリーフ形状の計算結果はそれぞれ2304及び2309となる。なお、2点鎖線2303、2305、2308、2310はそれぞれの輪帯の設計レリーフ形状2301又は2306を示す。また、これらの輪帯の1次回折光の回折効率を、FFTを用いた方法で計算した結果は、設計レリーフ2301及び2306が100%、レリーフ2302が94.3%、レリーフ2304が90.0%、レリーフ2307が73.5%、レリーフ2309が54.5%である。
【0144】
(実施例9)
加工用バイトの送り速度によっては、加工後のレリーフに切削痕が残る場合がある。切削痕によって加工後のレリーフ形状が周期的なうねりを持つため、そのうねりによる回折光が発生する。この結果、レンズの実際に使用する次数の回折効率が低下する。従って、切削痕を考慮したシミュレーションをすれば、加工用バイトの送り速度と得られたレンズの回折効率の関係を知ることが出来る。これは、レンズの製造工程を検討するための有益なデータとすることが出来る。
【0145】
この計算を行うためには、実施例8の説明において、ステップ702として示した第4の演算手段として、図12に示すアルゴリズムを用いることにより可能となる。また、図13はこのアルゴリズムを説明するための図である。
【0146】
図13(a)において、レリーフの設計形状は実線901に示す鋸歯状であるとし、加工用バイトのノーズ半径をt、被切削金型1回転あたりの加工バイトの送り量をsとする。またこれらの情報は、あらかじめそれぞれ順に計算装置の第9、第10、第11の記憶手段に保存されているものとする。
【0147】
図12において、ステップ1001では、設計レリーフ形状を第9の記憶手段であるメモリより読み出し、作業用として一時的に計算機のメモリに確保したデータ配列に保存する。
【0148】
次の、ステップ1002では、第11の記憶手段であるメモリSの値を用いて、レリーフ上にバイト先端の接点を求め、これを作業用として一時的に計算機のメモリ上に確保した接点保存用配列Pに保存する。具体的には、図13(a)の、レリーフのピッチ方向(図13では横軸方向)の間隔が送り速度sの平行な線902を引き、前記線902と設計レリーフ901との交点P1、P2、P3、・・・、PG-1、PGを求め、その座標をメモリに保存する。なお、ここでは前記の交点の数がG箇所あるものとする。
【0149】
次のステップ1003ではカウンタgを1に初期化する。
【0150】
ステップ1004では、Pgで設計レリーフに接する半径tの円弧Cgを求める。
【0151】
ステップ1005では1004で求めた円弧が設計レリーフ形状と交わるかどうかをチェックする。交わる場合(例えば、図13で円弧CGの場合)ステップ1007に進む。交わらない場合には、ステップ1006に進む。
【0152】
ステップ1006では、上記で求めた円弧の形状を形状保存配列に保存し、ステップ1007に進む。
【0153】
ステップ1007では全ての交点Pに対してステップ1004を行ったのかどうかを確認する。g=Gでない場合には、1008に進み、gを1つ増分して次の計算を行う。g=Gの場合には、計算が終了していることを示す。
【0154】
以上により、形状保存用の配列には、図13(b)に示した切削の送り速度を考慮した加工後の形状データ903が保存される。このデータは第3の記憶手段であるメモリに保存される。
【0155】
(第4の実施形態)
写真用のレンズなど広い波長域に亘って使用するレンズの場合、回折効率の計算を複数の波長で計算する必要がある。この場合、これまでに説明した実施例の計算処理を必要な波長分だけ繰り返せば良いが、計算する波長数に比例して計算量が増大する。
【0156】
ここで、設計レリーフ形状から加工後のレリーフ形状を求めるステップは、例えば実施例8に示したような、設計レリーフに内接する円弧の方程式を求め、その包絡線を求めるようなステップであるため、計算量が多い。この加工後のレリーフ形状を求める計算はどの波長に対する回折効率の計算であっても同じであるため、1度レリーフ形状を計算して保存し、その結果を全ての波長の回折効率計算に用いることで、これまでの実施例で説明した計算方法を波長の回数だけ繰り返す場合に比べて計算量を低減し処理を高速化できる。重率の計算についても前記と同様のことがいえる。
【0157】
さらには、ある輪帯の加工後のレリーフ形状を設計レリーフ形状から求めたときに、加工後のレリーフ形状を用いて計算する全ての波長における回折効率を順に計算し、記憶手段には計算された回折効率のみを保存し、続いて、次の輪帯の加工後のレリーフ形状を計算すればよい。このような手順の計算は、全ての輪帯の加工後のレリーフ形状をまずはじめに計算し、それらを記憶手段に保存しておいてから、記憶した加工後のレリーフ形状を順次読み出して計算しようとする波長における回折効率を順次計算する場合に比べて、加工後のレリーフ形状データは容量が大きいため、必要となる記憶容量を低減できる上に、データの読み出しにかかる時間を低減できる利点がある。
【0158】
(実施例10)
図14は第4の実施形態に係る回折効率計算装置のアルゴリズムの説明図である。
【0159】
あらかじめ、第9、第10、第4、第5、第7の記憶手段であるメモリには、それぞれ順に、レンズのレリーフの設計形状の情報、加工用のバイトの情報、複数の波長情報、前記複数の波長に対応する屈折率の情報及び回折レンズの輪帯の半径の情報が保存されているものとする。
【0160】
ステップ1101は計算を開始するために初期化するステップで、第1、第2及び第3の記憶手段であるメモリを計算装置上に確保し、レンズの輪帯の数をMに、計算する波長の数をLに、メモリmを1に初期化する。
【0161】
ステップ1102は、第9及び第10のメモリからレリーフの設計形状及びバイトのノーズ半径の情報を取り出して、輪帯の加工後のレリーフ形状を計算し、第3の記憶手段であるメモリに保存する。このステップの詳細な計算内容は、実施例8のステップ702に相当する。このステップ1102が本発明の第4の演算手段に相当する。
【0162】
ステップ1103では波長カウンタを1に初期化する。続くステップ1104では第3、第4、第5の記憶手段であるメモリから加工後のレリーフ形状、第l番目めに相当する波長、第l番目の波長に対する材料の屈折率の情報をそれぞれ取り出して、回折効率を計算し、第1の情報記憶手段であるメモリに保存する。このステップ1104が第2の演算手段である。
【0163】
ステップ1105では、l=Lかどうかを判断する。l=Lであれば1104のステップを全部の波長に対して実行済みであることを意味し、次の1107に進む。l=Lが成立しない場合には、まだ計算していない波長があることを意味するので、ステップ1106に進んで、lを1つだけ増やして1104のステップを再度実行する。このステップ1105及び1106が第3の繰り返し手段に相当する。
【0164】
ステップ1107では、m=Mかどうかを判断する。m=Mであれば1102、1103、1104のステップを全部の輪帯に対して実行済みであることを意味するので、次の1109に進む。m=Mが成立しない場合には、まだ計算していない輪帯があることを意味するので、ステップ1108に進んで、mを1つだけ増やして1102、1103、1104のステップを再度実行する。このステップ1107及び1108が第4の繰り返し手段である。
【0165】
ステップ1109では、第7の記憶手段であるメモリから輪帯の半径の情報を取り出して重率を計算し、重率を保存するための第2の記憶手段であるメモリに保存する。このステップの計算内容は、実施例6ですでに説明した内容と同じでよい。なお、第2の記憶手段に保存する重率に関する情報は、輪帯の半径から計算する実施例6の方法ではなく、第2の実施形態の実施例5又は実施例7の方法で計算してもよい。
【0166】
ステップ1110では波長カウンタであるlを1に初期化する。次の、ステップ1111では、第1及び第2の記憶手段から第l番目の波長に対する輪帯毎の回折効率の情報及び輪帯の重率の情報を取り出して第l番目の波長に対するレンズ全体の屈折率を計算する。ステップ1112では、l=Lかどうかを判断する。l=Lであれば1111のステップを全部の波長に対して実行済みであることを意味し、計算を終了する。l=Lが成立しない場合には、まだ計算していない波長があることを意味するので、ステップ1113に進んで、lを1つだけ増やして1111のステップを再度実行する。このステップ1110、1111、1112、1113によって、下記式(5)が実行される。
【0167】
【数38】
Figure 0003853524
j:回折光の次数を表す整数
l:波長の番号
jl:第l番目の波長における回折レンズのj次回折光に対する回折効率
M:回折効率を計算する被計算物の領域の数を示す正の整数(M>1)
m:被計算物の領域の番号
m:m番目の領域に対する重率
ηmjl:第l番目の波長におけるm番目の領域のj次回折光に対する回折効率
【0168】
このステップ1110、1111、1112、1113が第1の演算手段である。
【0169】
本実施例に示した計算アルゴリズムを用いると、比較的少ない記憶容量で、なおかつ高速に多波長の計算を行うことが可能となる。よって、カメラ用レンズなど広い波長域で用いるレンズの設計をする際には計算時間を短縮でき特に有用である。
【0170】
(第5の実施形態)
製造された回折レンズや、レンズ成型用金型の形状は表面あらさ計等の超精密の形状評価装置を用いて計測することが可能である。回折レンズの製造上、レンズやレンズ成型用金型の形状精度がどの程度回折効率に影響を与えるのかを知ることは公差の決定や、不良品の選別など製品の品質管理上重要である。
【0171】
(実施例11)
図15は第5の実施形態に係るレンズ形状計測装置の構成図である。
【0172】
被検レンズ1201はステージ1202上に配置される。ステージ1202はステージ制御装置1203によって、水平方向に移動する。触針1204はレンズに接するように触針制御装置1205によって垂直方向に移動するよう制御されている。
【0173】
ステージ制御装置1203及び触針制御装置1205はステージ座標Y及び触針の座標Zを演算装置1206に転送する。ステージ座標Yとそれに対応する触針の座標Zの組で構成されるデータ列がレンズの形状情報となる。ハードディスクドライブ装置(HDD)1207にはコンピュータを用いて回折効率を計算するプログラムが記録されており、演算装置1206は、これを読み込むことにより装置を制御し、データを求める。回折効率の計算に必要なデータはキーボード1208から入力する。ディスプレイ1209には計算結果や、計測した形状情報などを表示する。
【0174】
図16は本実施例のコンピュータを用いて回折効率を計算するソフトウェアのアルゴリズムである。
【0175】
ステップ1301はデータ入力をするステップであり、計測用被検レンズの計測範囲、サンプリング点数などの形状計測用のデータと、硝子材料の屈折率、波長などの回折効率に必要なデータを入力する。
【0176】
ステップ1302は形状を計測するステップであり、ステージ1202をステージ制御装置1203を用いて水平方向に動かしながらそのときのステージの座標データと、触針制御装置1205からの触針の座標データを計算機のメモリ領域にあらかじめ確保した計測データ配列Uに保存する。
【0177】
ここで、図17(a)の実線2201は表面粗さ計を用いて屈折回折一体型のレンズを計測した場合のデータの例である。縦軸2202が被測定レンズの光軸と一致し、縦軸方向はレンズのサグ量に相当する。横軸2203はレンズのレンズの中心から外周への方向(半径方向)に一致する。
【0178】
次のステップ1303では、計測データが金型であるかレンズであるのかを判断する。計測データがレンズであれば、ステップ1305に進み、計測データが金型の計測データの場合には、ステップ1304に進み、このステップ1304でデータを反転させてレンズ形状のデータを作り、それを計測データ配列Uに保存する。
【0179】
ステップ1305は計測した形状データを最小二乗法などを用いて非球面、球面あるいは平面にフィッテングする。続く1306のステップではステップ1305で求めた非球面、球面あるいは平面の形状を計測データ配列Uから除去し、レリーフ形状配列Lに保存する。
【0180】
この1305及び1306の処理を説明する図が図17である。回折レンズの回折効率の演算には、レンズ表面の微視的な起伏形状が重要である。ところが、表面粗さ計などのような形状計測装置を用いて回折レンズを計測した場合には、実線2201に示すように微視的な起伏形状が巨視的な曲面形状に重畳した状態で計測される。そのため、計測データからレンズの巨視的な曲面形状データを除去する処理が必要である。図17(a)の破線2204はステップ1305で求めた非球面多項式をプロットしたものである。図17(b)に示すレリーフ形状2205はステップ1306によって計測データ2201から巨視的形状データ2204を除去した結果である。このレリーフ形状2205が形状配列Lに保存される。
【0181】
ステップ1307では輪帯カウンタmを1に初期化し、ステップ1308では第m番目の輪帯の回折効率を計算し、第1の記憶手段であるメモリに保存する。ステップ1309では全ての輪帯に対して計算済みであるのかどうかを確認し、まだ計算していない輪帯があればステップ1310でmを一つ増分してステップ1308を繰り返す。ステップ1309で全ての輪帯に対して計算が終了していることを確認した場合には、ステップ1311に進み、ここで、各輪帯に対する重率を計算し、第2の記憶手段であるメモリに保存する。ステップ1312では第1及び第2の記憶手段であるメモリから輪帯毎の回折効率と輪帯毎の重率の情報を取り出してレンズ全体の回折効率を求める。ステップ1307〜1312によるレンズ全体の回折効率の計算は、第1の実施形態又は第2の実施形態に説明した本発明の回折効率計算装置を使用して計算することができる。
【0182】
なお、本実施例では触針式の形状計測装置を用いて説明したが、これが、光学式の非接触形状計測器や、原子間力を利用した形状計測器など他の形状計測装置であっても同様に動作することは言うまでもない。
【0183】
以上本実施の形態で述べた形状計測装置を用いれば、計測した回折レンズ又は回折レンズ用金型の形状から回折効率を容易に計算することが可能となる。
【0184】
(第6の実施形態)
図18は第6の実施形態に係る回折効率を勘案したレンズ設計のアルゴリズムの説明図である。
【0185】
まず、レンズの目標仕様を決定し(ステップ1401)、続いて、レンズの初期パラメータを入力する(ステップ1402)。続いて、入力されたレンズパラメータに対して光線を追跡して光学性能を計算し(ステップ1403)、性能が目標仕様を満足するかどうか確認する(ステップ1404)。ここで、性能が満足であればステップ1406に進み、そうでなければ、ステップ1405でレンズのパラメータを修正して、再度光学性能を評価するステップ1403を繰り返す。
【0186】
ステップ1406では加工を勘案した回折効率を計算する。この計算は、本発明の第3の実施形態で説明した回折効率計算装置を使用して行うことができる。
【0187】
ステップ1407で計算で得られた回折効率がシステム設計上の条件を満足するかどうかを検討し、回折効率が満足であれば、設計を完了し(ステップ1408)、回折効率が不満であれば、回折レンズのパラメータを修正し(ステップ1405)、光学性能の計算のステップ1403に戻る。
【0188】
回折効率を改善するようにパラメータを修正することは、回折レンズのピッチを広くする方向にレンズデータを補正することとなる。このとき、特にレンズの外周部のピッチの狭いところを拡げると回折効率の改善には効果がある。このときには、回折レンズのピッチの修正によって発生する収差を屈折レンズの非球面係数を修正することにより補正する必要がある。
【0189】
また、回折レンズ全体のパワーを小さくしても、結果として回折レンズのピッチを拡げることが可能で、回折効率の改善には効果がある。この場合には、回折レンズにより色収差補正などを行っていた場合には色収差補正量が少なくなるが、本手法を用いて設計することにより、色収差の補正量と、回折効率の許容量の両方の制約条件を鑑みてレンズ設計を行うことが可能である。
【0190】
また、本発明の回折効率を計算する方法をレンズ設計ソフトに組み込めば、前述の工程を簡素化しつつ、より最適な設計解を得ることが可能となる。より具体的には、レンズ設計のメリットファンクション(評価関数)の1つとして、加工を勘案した回折効率を使えるようにすればよい。これはレンズ設計ソフトに本発明の回折効率を計算するプログラムを組み込むだけで容易に実現可能である。こうすれば、設計者は、収差条件などと同様に回折効率を評価関数として要求し、例えばDLS法などの広く知られた最適化技術を用いて評価関数を極小にする設計解を得ることが可能となる。
【0191】
以上、本実施形態にて述べたように、レンズ設計時に、加工も勘案して回折効率を知ることができれば、回折効率に対する制約が厳しい光学系を設計する場合に有効である。
【0192】
(第7の実施形態)
ここでは、第6の実施形態のレンズ設計装置を用いて設計したレンズについて説明する。
【0193】
本実施の形態では、屈折レンズの色収差を回折レンズで補正する色消しレンズの設計を例に説明する。レンズ設計時に、回折効率を改善するようにレンズの設計データを修正することは、回折レンズのピッチを拡げるようにピッチを修正することとなる。ピッチの修正の考え方には以下に示す2とおりの考え方がある。
【0194】
1つは、回折レンズの焦点距離を長くすることである。こうすることで、全体的にピッチを拡げることが可能となり、回折効率が改善される。レンズ全体の合成焦点距離が一定となるような制約下で回折レンズの焦点距離を長くした場合、屈折レンズの焦点距離をそれに応じて短くする必要があるため、結果として、色収差補正条件を満足できず、色収差が補正不足となるような光学特性を持つレンズとなる。
【0195】
もう1つは、レンズの周辺部のピッチを拡げることである。これは、周辺部のピッチの細かい部分で回折効率の低下が著しいため、これを防ぐのに効果がある。この場合には、レンズの中心近傍を透過する光束は色収差が補正されているが、レンズの周辺部を通る光束に対しては色収差が補正不足となるようなレンズ特性を有する。
【0196】
また、上記の2つの考え方を複合したレンズも設計できる。つまり、回折レンズの焦点距離を色消し条件から若干長いように設定し、さらにレンズ周辺のピッチを正規のピッチから若干拡げることとする。このように設計した場合、全体的な色収差の補正不足量及びレンズ周辺部を透過する光束に対する色収差補正不足量はそれぞれ独立で回折効率の改善を行った場合よりも少なくて済み、結果として、光学特性の劣化を少なくすることができる。
【0197】
以上説明したように、第6の実施形態のレンズ設計装置を用いて設計した色収差補正レンズは、色収差補正が補正不足気味となるが、その分ダイヤモンドバイトを用いた切削加工で製造したときに、製造による回折効率の低下が少ないレンズを得ることができる。
【0198】
(第8の実施形態)
ここでは、第8の実施形態に係る屈折回折一体型レンズについて説明する。屈折回折一体型レンズとは、複数の同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、屈折レンズの少なくとも1つの面上に構成してなるレンズをいう。
【0199】
レンズの設計中心波長をλ1、その前後の波長をλ2、λ3とする。各波長におけるレンズ材料の屈折率をそれぞれn1、n2及びn3とするとき、屈折レンズの使用波長域における部分分散係数νg及び回折レンズの使用波長域における部分分散係数νdを、下記式(11)、式(12)のように定義する。
【0200】
【数39】
Figure 0003853524
【0201】
【数40】
Figure 0003853524
【0202】
また、屈折レンズの焦点距離をfg、回折レンズの焦点距離をfd、合成焦点距離をfとするとき、下記式(13)
【0203】
【数41】
Figure 0003853524
【0204】
を満足するように焦点距離を選ぶと、λ1、λ2、λ3の各波長において、色収差が除去される。
【0205】
ここで、一般の光学機器の設計上、色収差に対してはいくらかの許容範囲があって、ガラスレンズや樹脂レンズ単体の色収差の半分程度まで低減できれば十分である場合が多い。この場合には上記の式(13)を下記式(14)と書き直すことができる。
【0206】
【数42】
Figure 0003853524
【0207】
ここで、kはいわばガラス(又は樹脂)レンズ単体の色収差をどの程度まで除去するのかを示す係数であって、k=0の時には色収差が0の状態であって、k=1の場合は回折レンズを用いない場合となる。
【0208】
ここで、
0.1≦k≦0.9
は回折効率を良好に確保しつつ、色収差補正を行うための条件であって、kが下限を越えると、輪帯数の多いレンズとなり、輪帯のピッチが狭くなってしまうため、満足な回折効率を得るためには鋭利なバイトを用いる必要があり、生産性が悪くなる。また、上限を越えると色収差の補正が満足に行えず、回折レンズを一体化した効果が不十分となる。
【0209】
また、
0.2≦k≦0.8
を満足すればさらに好ましい。
【0210】
(第9の実施形態)
図19は第9の実施形態に係る光情報記録再生装置に使用される対物レンズの概略形状及び光路を示す。
【0211】
1501が本発明の光情報記録再生装置用の対物レンズであり、屈折レンズの入射面側に回折レンズ1502を設けた屈折回折一体型レンズである。1503は情報記録媒体の保護樹脂であり、1504は入射光束を示す。
【0212】
光情報記録再生装置において、光源のレーザは出力を変えたときに発信波長が変わってしまうので、対物レンズは、波長変化による焦点距離変化が少ないことが望ましい。本実施の形態に示すレンズは、屈折レンズと、回折レンズとが互いに正の屈折力を持ち、屈折レンズの色収差を回折レンズで補正する構成となっている。
【0213】
ここで、光情報記録再生装置用の半導体レーザ光源の波長変動は数nm程度であるので、設計波長±10nmの範囲での色消しを考えればよい。つまり、λ2=λ1−10nm、λ3=λ1+10nm、として部分分散を計算すればよい。
【0214】
ここで、レンズの開口数(NA)をNとするとき回折レンズの最小ピッチpは概略下記式(15)で表すことができる。
【0215】
【数43】
Figure 0003853524
【0216】
ここで、光情報記録再生装置は光源波長λが650nm〜800nm、NAが0.45〜0.65程度である。
【0217】
また、一般にレンズ用の金型をバイトを用いて切削加工する場合、切削バイトの先端のノーズ半径が10μm程度であれば生産性がよく好ましい。それより小さなバイトは、回折効率を改善できるが、生産性が悪くなるため好ましくない。
【0218】
ここで、上記の係数kについて、
0.2≦k≦0.6
は光情報記録再生装置の対物レンズとして好適なkの範囲である。kが下限を下回る場合には、ノーズ半径が10μm程度のバイトを用いてレンズ又はレンズ用金型を加工する場合に上述の最小ピッチpが短くなり、回折効率の低下を招く。また、kが上記式の上限を越えた場合には、色収差補正の効果が少なくなり、回折レンズを一体化させたメリットを十分に発揮できない。
【0219】
また、
0.3≦k≦0.55
はNAが0.5以上の高NAレンズの場合に回折効率を満足に確保するための条件である。NAが高い場合最小ピッチが細かくなるため、kの下限を大きくする必要があり、また、高NAレンズは焦点深度が短いため、上限を0.55程度とする必要がある。
【0220】
(実施例12)
光学系の全系の焦点距離が3mmである場合に、屈折レンズと回折レンズの合成系(屈折回折一体型レンズ)で、光ヘッド用のレンズを設計した例を示す。
【0221】
設計に用いたレンズ材料の各波長に対する屈折率を表1に示す。
【0222】
【表1】
Figure 0003853524
【0223】
このときのνg及びνdは、νg=830.01735,νd=−34となる。
【0224】
合成焦点距離f=3.0mmの条件の下で、前記係数kを3通りに変えたときの設計結果を表2〜表4に示す。表中、回折効率はノーズ半径が10μmのバイトを用いて加工した場合の回折効率を本発明の回折効率計算装置を用いて計算した結果である。
【0225】
【表2】
Figure 0003853524
【0226】
【表3】
Figure 0003853524
【0227】
【表4】
Figure 0003853524
【0228】
以上より、0.3≦kとすることで、回折効率を改善できる。
【0229】
続いて、合成焦点距離を5mmとした場合の同様の設計結果を下記表5〜7に示す。
【0230】
【表5】
Figure 0003853524
【0231】
【表6】
Figure 0003853524
【0232】
【表7】
Figure 0003853524
【0233】
続いて、焦点距離が3mmで、別の材料を用いた場合を示す。
【0234】
設計に用いたレンズ材料の各波長に対する屈折率を表8に示す。
【0235】
【表8】
Figure 0003853524
【0236】
このときのνg及びνdは、νg=881.50345,νd=−34.0となる。設計結果を表9〜11に示す。
【0237】
【表9】
Figure 0003853524
【0238】
【表10】
Figure 0003853524
【0239】
【表11】
Figure 0003853524
【0240】
以上の表に示した設計例より、材料や、焦点距離に関わらず、kを一定の範囲にすることで回折効率を改善できる。
【0241】
なお、本実施例において、回折レンズのm番目の輪帯半径rmは、下記式(16)により計算した。
【0242】
【数44】
Figure 0003853524
【0243】
輪帯半径の計算法は仮想の高屈折率を用いる方法など他にも知られている。kが一定の範囲内に入るように屈折レンズと回折レンズの焦点距離を選択する事により回折効率を損なうことなく加工性に優れた屈折回折色消しレンズを設計できるという本願の趣旨は、他の方法を用いて輪帯半径を設計した場合においても同様の効果を有することは言うまでもなく明らかである。
【0244】
また、本実施例では光ヘッド用のレンズとしたが、光源が半導体レーザと同程度の波長変動を有する光学系であれば本願発明の範囲でレンズ設計をすることにより、回折効率と色収差補正の両立を実現できることは言うまでもない。
【0245】
また、本実施例においては回折レンズをレンズの入射面側に設ける構成で説明したが、レンズの射出面側に回折レンズを設ける構成にした場合も、同様の効果を有することは言うまでもない。
【0246】
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態に係る光ヘッドの構成について図面を参照しつつ説明する。
【0247】
図20は本実施形態の光ヘッドの構成図である。
【0248】
半導体レーザ光源1601からの発散光束1602はコリメートレンズ1603により略平行光束1604となり、ビームスプリッタ1605を透過し、本発明の光情報記録再生装置用対物レンズ1606によって、ディスク1607に集光される。ディスク1607からの反射光は本発明の光情報記録再生装置用対物レンズ1606により略平行光束となり、ビームスプリッタ1605によって反射されて、検出光学系1608によって、受光素子1609に集光される。
【0249】
ここで、半導体レーザ光源1601は情報の記録時と再生時とで出力を変化させるため、波長が若干変化する。対物レンズ1606として、第9の実施形態で説明した対物レンズを用いているので、色収差による対物レンズの焦点距離の変化が少ない。また、回折レンズの回折効率も良好であるため、迷光を減らすことができるため、良好な信号出力を得ることができる。
【0250】
(第11の実施形態)
続いて、本発明の第11の実施形態に係る撮像用レンズについて図を用いて説明する。
【0251】
図21は本発明の撮像用レンズの構成図である。1701は本発明の撮像用レンズであり、屈折レンズの入射面側に複数の同心円状の輪帯にて構成される回折レンズ1702を設けた屈折回折一体型レンズである。入射光1703はレンズにより、像平面1704に結像される。
【0252】
本レンズにおいて、屈折レンズ、及び回折レンズ共に正の屈折力を有する構成となっており、屈折レンズの色収差を回折レンズを用いて補正している。
【0253】
撮像用のレンズの場合には使用する波長域が広く、基準波長λ1の回折効率だけでなく、λ2及びλ3の回折効率についても配慮が必要となる。基準波長以外で回折効率が低下した場合、レンズにより得られた像がフレアを含む画像となり好ましくない。
【0254】
本発明の撮像用レンズは、前記係数kが下記の関係を満足することが好ましい。
【0255】
0.3≦k
kが上式の下限を越えると満足な回折効率を得るためには非常に鋭利なバイトを用いて加工する必要があり、レンズの生産性を損なう。
【0256】
さらには、
0.4≦k≦0.7
を満足することが好ましい。本式の下限はFナンバーが1.5程度の明るいレンズにおいて、満足な回折効率を得るための条件であり、上限は残存色収差を屈折レンズ単体の場合の半分まで低減するための条件である。
【0257】
(実施例13)
ここでは、回折レンズと屈折レンズの合成焦点距離が5mm、Fナンバーが1.55のレンズについてkの値を変えた3つの設計例について比較検討する。
【0258】
λ1、λ2、λ3は可視光域を使うことを考慮して、それぞれd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)とした。
【0259】
表12に設計に用いた基準波長とその波長におけるレンズ材料の屈折率を示す。
【0260】
【表12】
Figure 0003853524
【0261】
表13、表15、表14はそれぞれk=0、0.4、0.7の場合の設計で、表中、回折効率はノーズ半径が10μmのバイトを用いて加工した場合の回折効率を本発明の回折効率計算装置を用いて計算した結果である。
【0262】
【表13】
Figure 0003853524
【0263】
【表14】
Figure 0003853524
【0264】
【表15】
Figure 0003853524
【0265】
k=0の場合には輪帯数も多く、最小ピッチが小さい。結果としてノーズ半径が10μmのバイトを用いて加工したとしても、満足に回折効率を確保できない。
【0266】
これに対し、k=0.4として設計した場合には、ノーズ半径が10μmのバイトを用いても良好な回折効率を確保でき、生産性が良い。k=0.7にすればさらに良くなることが判る。
【0267】
なお、本実施例において、回折レンズのm番目の輪帯半径rmは、下記式(16)を用いて計算した。
【0268】
【数45】
Figure 0003853524
【0269】
輪帯半径の計算法は仮想の高屈折率を用いる方法など他にも知られている。kが一定の範囲内に入るように屈折レンズと回折レンズの焦点距離を選択する事により回折効率を損なうことなく加工性に優れた屈折回折色消しレンズを設計できるという本願の趣旨は、他の方法を用いて輪帯半径を設計した場合においても同様の効果を有することは言うまでもなく明らかである。
【0270】
なお、本実施例においては、λ1、λ2、λ3としてそれぞれd線、F線、C線を用いたが、これは対象とする被写体のスペクトル分布及び撮像素子の感度特性などを考慮して変更してもよい。波長を変更した場合においても、本発明に示す方法で設計すれば、回折効率と色収差補正の両方を勘案した設計解が得られることは言うまでもない。
【0271】
また、本実施例においては回折レンズをレンズの入射面側に設ける構成で説明したが、レンズの射出面側に回折レンズを設ける構成にした場合も、同様の効果を有することは言うまでもない。
【0272】
(第12の実施形態)
次に、本発明の第12の実施形態に係る撮像装置について図面を参照しつつ説明する。
【0273】
図22に示される撮像装置は、本発明の撮像用レンズ1801、CCDデバイス1802、及び信号処理回路1803を用いて構成されている。
【0274】
屈折回折一体型のレンズ1801はCCDデバイス1802上に被写体を結像する。CCDデバイス1802は光学像を電気信号に変換する。CCD1802から出力された電気信号は、信号処理回路1803により画像データへと加工される。
【0275】
ここで、屈折回折一体型のレンズとしては、本発明の第11の実施形態のレンズを用いている。そのため、回折レンズ一体型の単レンズで色収差除去を行っても、回折効率が良好であり、フレアの少ない画像出力を得ることができる。
【0276】
【発明の効果】
【0279】
発明の屈折回折一体型のレンズによれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により屈折回折一体型のレンズ又は屈折回折一体型レンズ用成形金型を生産性よく製造することができる。
【0280】
また、本発明の対物レンズによれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により対物レンズ又は対物レンズ用成形金型を製造する場合に、良好な色収差補正とレンズの生産性を両立させることができる。従って、本発明の対物レンズを備えた光ヘッド装置は、光源の波長が変化しても対物レンズの焦点距離の変化が少なく、また迷光が減少できるので良好な信号出力が得られる。また、このような特性を有する対物レンズを単レンズで構成できるから、光ヘッドの小型化が可能である。
【0281】
また、本発明の撮像用レンズによれば、ダイアモンドバイトを用いた切削加工により撮像用レンズ又は撮像用レンズ用成形金型を生産性よく製造することができる。更に、0.4≦k≦0.7を満足すると、加工性に優れ、結像性能も良好な撮像用レンズが得られる。従って、本発明の撮像用レンズを備えた撮像装置は、良好に色収差が除去されてフレアの少ない画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回折効率計算装置の外観図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る回折効率計算装置のブロック構成図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る回折効率計算装置のアルゴリズムの説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る回折効率計算装置のデータ配列の説明図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回折効率計算装置の計算アルゴリズムの説明図
【図6】FFTを用いた回折効率の計算法のアルゴリズムの説明図
【図7】半導体レーザの光量分布の説明図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る回折効率計算装置の計算アルゴリズムの説明図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る回折効率計算装置のアルゴリズムの説明図
【図10】本発明の第3の実施形態における加工後のレリーフ形状の計算の説明図
【図11】本発明の第3の実施形態に係る回折効率計算装置で、設計レリーフ形状から加工後のレリーフ形状を計算した例を示した図。
【図12】バイトの送り速度を勘案して加工後のレリーフ形状を計算するアルゴリズムの説明図
【図13】バイトの送り速度を勘案して加工後のレリーフ形状を計算する過程の説明図
【図14】本発明の第4の実施形態に係る回折効率計算装置の計算アルゴリズムの説明図
【図15】第5の実施形態に係るレンズ形状計測装置の構成図
【図16】第5の実施形態に係るレンズ形状計測装置のアルゴリズムの説明図
【図17】形状計測データから巨視的な曲面形状を除去するデータ処理の説明図
【図18】第6の実施形態に係る回折効率を勘案したレンズ設計のアルゴリズムの説明図
【図19】第9の実施形態に係る光情報記録再生装置の対物レンズの概略形状及び光路を示す図
【図20】第10の実施形態に係る光ヘッドの構成図
【図21】第11の実施形態に係る撮像用レンズを示す図
【図22】第12の実施形態に係る撮像装置の構成図
【図23】ダイヤモンドバイトを用いた金型の切削加工の概略図
【図24】ダイヤモンドバイトを用いた金型加工と、それを用いて成形したレンズの概略図
【符号の説明】
101 計算機本体
102 ディスプレイ
103 FDD(フロッピディスクドライブ装置)
104 キーボード
105 HDD(ハードディスクドライブ装置)
106 プリンタ
107 接続ケーブル
108 フロッピディスク
109 光ディスク
601 半導体レーザ
602 x軸
603 y軸
604 レンズの有効径
801 設計レリーフ形状
802 設計レリーフの頂点
803 加工用のバイトのノーズ半径と同じ半径の円弧
804 計算により求められた加工後のレリーフ形状
901 レリーフの設計形状
902 バイトの送り速度sと同じ間隔で平行に引いた直線
903 切削加工後レリーフの形状の計算結果
1201 被検レンズ
1202 ステージ
1203 ステージ制御装置
1204 触針
1205 触針制御装置
1206 演算装置
1207 ハードディスクドライブ装置(HDD)
1208 キーボード
1209 ディスプレイ
1501 光情報記録再生装置用の対物レンズ
1502 回折レンズ
1503 情報記録媒体の保護樹脂
1504 入射光束
1601 レーザ光源
1602 発散光束
1603 コリメートレンズ
1604 略平行光束
1605 ビームスプリッタ
1606 光情報記録再生装置用の対物レンズ
1607 ディスク
1608 検出光学系
1609 受光素子
1701 撮像用レンズ
1702 回折レンズ
1703 入射光
1704 像平面
1801 撮像用のレンズ
1802 CCDデバイス
1803 信号処理回路
1901 金型
1902 ダイヤモンドバイト
1903 ダイヤモンドバイトの先端
1904 ノーズ半径
1905 設計形状
1906 加工後の形状
2001 ダイヤモンドバイト
2002 切削痕
2201 形状計測によって得られたデータ
2202 縦軸(レンズのサグ量)
2203 横軸(レンズの径)
2204 最小二乗法でもとめた非球面
2205 計測データから非球面を除去して得られたレリーフ形状
2301 設計レリーフ形状
2302 10μmバイトで加工したレリーフ形状
2303 設計レリーフ形状
2304 30μmバイトで加工したレリーフ形状
2305 設計レリーフ形状
2306 設計レリーフ形状
2307 10μmバイトで加工したレリーフ形状
2308 設計レリーフ形状
2309 30μmバイトで加工したレリーフ形状
2310 設計レリーフ形状

Claims (9)

  1. 入射する光束の光路中に配置されるレンズであって、
    前記レンズは、複数の同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、屈折レンズの少なくとも1つの面上に形成してなる屈折回折一体型のレンズであり、下記式(6)で定義されるkが、
    0.1≦k≦0.9
    を満足することを特徴とする屈折回折一体型のレンズ。
    Figure 0003853524
    ここで、入射する光束に含まれる波長をλ 1 、λ 2 、λ 3 (λ 2 <λ 1 <λ 3 )とし、前記波長λ 1 をレンズの設計波長としたとき、
    f:設計波長における前記屈折回折一体型のレンズの合成焦点距離
    d:設計波長における前記回折レンズの焦点距離
    g:設計波長における前記屈折レンズの焦点距離
    νd:波長λ1、λ2、λ3における前記回折レンズの部分分散係数
    νg:波長λ1、λ2、λ3における前記屈折レンズの部分分散係数である。
  2. レーザ光源から発振されるレーザ光束の光路中に配置されるレンズであって、
    前記レンズは、複数の同心円状の輪帯にて構成される回折レンズを、屈折レンズの少なくとも1つの面上に形成してなる屈折回折一体型のレンズであり、下記式(6)で定義されるkが、
    0.1≦k≦0.9
    を満足することを特徴とする屈折回折一体型のレンズ。
    Figure 0003853524
    ここで、レーザ光源から発振されるレーザ光束の波長変動の範囲に含まれる波長をλ 1 、λ 2 、λ 3 (λ 2 <λ 1 <λ 3 )とし、前記波長λ 1 をレンズの設計波長としたとき、
    f:設計波長における前記屈折回折一体型のレンズの合成焦点距離
    d :設計波長における前記回折レンズの焦点距離
    g :設計波長における前記屈折レンズの焦点距離
    ν d :波長λ 1 、λ 2 、λ 3 における前記回折レンズの部分分散係数
    ν g :波長λ 1 、λ 2 、λ 3 における前記屈折レンズの部分分散係数である。
  3. 前記kが、
    0.2≦k≦0.8
    を満足することを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の屈折回折一体型のレンズ。
  4. λ2=λ1−10nm、λ3=λ1+10nmであることを特徴とする請求項2および3のいずれかに記載の屈折回折一体型のレンズ。
  5. レーザ光源と、前記レーザ光源が発振した光束の光路中に配置され、前記光束を情報記録媒体上に集光する集光手段とを含み、
    前記集光手段は、請求項2ないし4のいずれかに記載の屈折回折一体型のレンズからなる対物レンズを有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  6. 前記kが、
    0.3≦k≦0.55
    を満足することを特徴とする請求項に記載の光情報記録再生装置。
  7. 前記入射する光束は可視光域にあって、λ1、λ2、λ3は、それぞれd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)であることを特徴とする請求項1および3のいずれかに記載の屈折回折一体型のレンズ。
  8. 前記入射する光束を撮像面に結像する撮像用レンズと、撮像素子と、信号処理回路とを含み、
    前記撮像用レンズは、請求項1、3および7のいずれかに記載の屈折回折一体型のレンズを含むことを特徴とする撮像装置。
  9. 前記kが、
    0.4≦k≦0.7
    を満足することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
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