JP4980522B2 - 被検面上のうねり成分を抽出する測定手法 - Google Patents
被検面上のうねり成分を抽出する測定手法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検面上のうねり成分を抽出する測定手法に関し、特に、光学面上に残存するうねり成分を抽出する測定手法とそれを解析する手法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリズム、レンズ、曲面ミラーといった光学素子又はそれらを製作する型の光学面を評価する手法として、干渉計や触針式の形状測定機が用いられてきた。
【0003】
例えば、オプトロニクス社『高精度鏡面形状測定法』p.46〜51に記してあるように、フィゾー型干渉計を用いて、被検反射面に参照基準球面波を照射し、被検面からの反射光と参照波の干渉によって生じた干渉縞を測定することにより、被検面の形状を評価することが可能である。
【0004】
図3は、フィゾー型干渉計1を用いて、空気中に置かれた被検反射面を測定する装置の構成を示したものである。レーザ等の単色光源2により照射された光を、コリメートレンズ3と参照レンズ4によって基準球面波として被検面5に照射する。被検面5からの反射波面と参照波面は、半透明鏡6によって折り曲げられ、2つの波面の干渉によって生じる干渉縞をCCDカメラ7によって撮影する。さらに、干渉縞データはパソコン8に取り込まれ、解析されることになる。なお、参照レンズ4としては、用途によって平面基準、球面基準を取りつけることが可能である。
【0005】
干渉計測定の特徴として、光を用いて形状を解析することにより、広い被検面の領域において、高さ方向に波長オーダーの高い分解能を有する測定が可能であることがあげられる。さらに、光を用いた測定手法であることから、被検面に関して非接触の測定が可能という特徴がある。
【0006】
また、MARCEL DEKKER,INC.『Interferogram analysis for optical testing』p.133〜246に記してあるように、干渉計光路内に配置した圧電駆動素子等を用いて検出される干渉縞の位相を定量だけずらすフリンジ走査を実行し、各ずらし量毎に記録した干渉縞のデータから被検面の位相形状を再生するアルゴリズムが既に確立している。例えば、干渉縞の位相をπ/2毎ずらした5つの干渉縞(0、π/2、π、3π/2、2π)を用いて位相を再生する5バケット法(あるいは、4+1バケット法)は広く使用されているアルゴリズムの1つである。
【0007】
フリンジ走査は、図3において、例えば参照波の光路内に配置された図示しない圧電駆動素子に、図示しない駆動電源によって所望の電圧を印加することにより、参照波面の光路長を所望量だけ変化させることによって実行する。フリンジ走査を実行することによって得られた複数の干渉縞を基に再生された位相形状は、参照球面を用いた場合、被検面の実形状から被検面上に照射された基準球面波の形状で表される「球面波成分」を除去した成分、すなわち、「球面波からのずれ量」を抽出した形状となる。「球面波成分」の大きさは、参照レンズ4と被検面5の配置する位置より決定される。
【0008】
さらに、上記手法によって導出した「球面波からのずれ量」をツェルニケ多項式でフィッティングをすることによって「形状誤差」を評価することが可能となる。導出したツェルニケ多項式の各項の形状は理論的にザイデル収差成分と対応付けられているため、フィッティングによって導出した各項の係数の値より、被検面の収差成分を評価することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光学面の形状の中、「球面波成分」やザイデル収差成分で表現できる「形状誤差」に関しては、従来技術である干渉計を用いることにより精度良く評価することが可能となる。ただし、従来手法では、ザイデル収差成分で表現できる「形状誤差」に比べ、さらに高次の形状変化である「うねり成分」に関しては評価することが困難となる。これは、ツェルニケ多項式で通常使用される項数において表現できるうねりの形状は限定されており、被検領域におけるうねり回数が増加すると、最早ツェルニケ多項式で表記することが困難になるためである。
【0010】
例えば、プリズム、レンズ、曲面ミラーといった光学素子製造の際、光学素子の製作、又は、光学素子を製作するための型製作の際に、切削や研磨やコーティング等の工程において、PV値(peak-to-valley:山から谷への深さ)は小さいものの、「うねり成分」が光学素子の表面や光学素子を作製するための型の表面に生じる場合がある。これらの残存したうねり成分は、光学特性を劣化させる原因として無視できない場合があり、例えば、これらのうねり成分が光学系の解像度の低下やフレアの要因となる可能性がある。しかしながら、従来、うねり成分に関して精度良く測定する手法が存在しない。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に着目してなされたものであり、その目的は、被検面上のうねりの様子を2次元的に精度良く測定する手法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、被検面の形状を解析する手法において、
被検面の形状を2次元的に測定する工程と、
前記工程によって測定された形状の中、緩やかに変化する形状を算出する工程と、被検面の形状測定値からその算出工程によって算出された緩やかに変化する形状を差し引く工程とを有することを特徴とする手法である。
【0013】
この第1の手法は後記の全ての実施形態が対応する。
図1は、本測定手法の解析方法を示すフローチャートである。まず、工程1において、2次元的に被検面の形状S0 を測定してデータを取り込む。
【0014】
工程2では、工程1で求めた被検面の形状S0 から緩やかに変化する形状Sy を算出する。ここで、「緩やかに変化する形状」とは、被検面の形状の中、高次の形状変化成分を含まない成分を指し、例えば、光学面では「球面波成分」や低次のザイデル収差成分として表記できるような「形状誤差」の和として表記できる形状成分を指す。
【0015】
工程3では、工程1で求めた形状S0 と工程2で求めた緩やかに変化する形状成分Sy の差分Δを求める。ここで、
Δ=S0 −Sy ・・・(1)
であり、差分Δは、被検面の形状測定値S0 中の、工程2で求めた緩やかな形状変化成分Sy に含まれないような高次の形状変化成分を含んだものである。したがって、Δは被検面上の高次の形状変化成分である「うねり成分」のみを抽出した結果となる。
【0016】
本発明の第2の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、その測定工程において、干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする手法である。
【0017】
本発明の第3の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、光学系の回折限界より、干渉縞を取り込む撮像系の分解能を上げることを特徴とする手法である。
【0018】
本発明の第4の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、光学系の回折限界より、干渉縞を取り込む固体撮像素子の分解能、又は、固体撮像素子で撮像した干渉縞のデータを処理して得られる分解能を上げることを特徴とする手法である。
【0019】
本発明の第5の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検面の設計値、又は、設計値を定数倍した形状、又は、設計値の形状から2次で表される成分を差し引いた形状、設計値を定数倍した形状から2次で表される成分を差し引いた形状を用いることを特徴とする手法である。
【0020】
ここで、2次で表される成分について説明しておく。干渉測定において、参照波として球面波を用いた場合、参照波面の形状Ssph は下式で表記することをができる。
【0021】
Ssph =±{R2 −(X2 +Y2 )}1/2
このとき、上式は近似的に、
Ssph ≒±{R−(X2 +Y2 )/2R}
と表すことができる。すなわち、上式から球面で示す成分は2次の成分で表される形状として近似できることになる。
【0022】
したがって、設計値の形状から2次で表される成分を引いた形状は、近似的に設計値の形状から球面成分を差し引いた形状となり、参照球面を用いた干渉測定において得られた位相形状を近似的に表している。
【0023】
そこで、参照球面を用いた干渉測定で得られる位相形状から、設計値の形状から2次で表される成分を引いた形状を引くことにより、緩やかに変化する成分を引く解析を実行していることになる。
【0024】
本発明の第6の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データを多項式を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする手法である。
【0025】
本発明の第7の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データをツェルニケ多項式を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする手法である。
【0026】
本発明の第8の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データを特定の関数系列を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする手法である。
【0027】
干渉計を用いて、被検物を測定する場合、従来技術であるフリンジ走査を実行することにより、位相形状を再生することが可能となる。図2は、干渉測定を用いた際の解析方法を示すフローチャートである。工程1では、干渉計を用いて干渉測定を行い、従来のフリンジ走査の手法を用いて測定領域の位相形状S1 を復元する。ここで、位相形状S1 は、次式のように、被検面の形状S0 より「球面波成分Ssph 」を除去した形状に対応する。
【0028】
S1 =S0 −Ssph ・・・(2)
「球面波成分Ssph 」は干渉計を構成する参照レンズと被検物を配置する位置によって決定され、被検面上での参照球面の半径と同じの半径を有する球面形状となる。
【0029】
ただし、「球面波からのずれ量S1 」には、低次の形状誤差成分も含んでいるので、さらに、工程2で、S1 から緩やかに変化する「形状誤差成分」を算出する。例えば、工程1で求めた形状S1 をツェルニケ多項式でフィッティングすることにより、S1 に含まれる「緩やかに変化する形状成分Sf 」を算出することが可能である。ツェルニケ多項の各項の定義については、例えば次の表1のようになる。
表1
項 FRINGEツェルニケ多項式
1 1
2 Rcos(A)
3 Rsin(A)
4 2R2-1
5 R2cos(2A)
6 R2sin(2A)
7 (3R3-2R)cos(A)
8 (3R3-2R)sin(A)
9 6R4-6R2+1
10 R3cos(3A)
11 R3sin(3A)
12 (4R4-3R2)cos(2A)
13 (4R4-3R2)sin(2A)
14 (10R5-12R3+3R)cos(A)
15 (10R5-12R3+3R)sin(A)
16 20R6-30R4+12R2-1
17 R4cos(4A)
18 R4sin(4A)
19 (5R5-4R3)cos(3A)
20 (5R5-4R3)sin(3A)
21 (15R6-20R4+6R2)cos(2A)
22 (15R6-20R4+6R2)sin(2A)
23 (35R7-60R5+30R3-4R)cos(A)
24 (35R7-60R5+30R3-4R)sin(A)
25 70R8-140R6+90R4-20R2+1
26 R5cos(5A)
27 R5sin(5A)
28 (6R6-5R4)cos(4A)
29 (6R6-5R4)sin(4A)
30 (21R7-30R5+10R3)cos(3A)
31 (21R7-30R5+10R3)sin(3A)
32 (56R8-105R6+60R4-10R2)cos(2A)
33 (56R8-105R6+60R4-10R2)sin(2A)
34 (126R9-280R7+210R5-60R3+5R)cos(A)
35 (126R9-280R7+210R5-60R3+5R)sin(A)
36 252R10-630R8+560R6-210R4+30R2-1
37 924R12-2772R10+3150R8-1680R6+420R4-42R2+1 。
【0030】
ツェルニケ多項式等を用いたフィッティングは、従来技術のアルゴリズム手法を用いることにより(例えば、DANIEL MALACARA 編『Optical Shop Testing Second Edition 』第13章(p.455〜499)参照)、容易に導出することが可能となる。
【0031】
次に、工程3で、上記「球面波からのずれ量S1 」から「形状誤差成分Sf 」の差分Δを導出する。この工程は、被検面の形状から緩やかに変化する形状である「球面波成分Ssph 」と「形状誤差成分Sy 」の総和を差し引くことに相当する。
【0032】
Δ=S1 −Sf =(S0 −Ssph )−Sf =S0 −(Ssph +Sf )
=S0 −Sy ・・・(3)
したがって、算出したΔは、被検面上の「うねり成分」を抽出した結果となる。
【0033】
また、本測定手法によってうねり成分の様子を観察できるので、測定された物体の評価に用いることができる。
また、干渉計測する場合、うねり成分の分解能は光学系の収差等で決定される回折限界と、干渉縞を取り込む撮像系の分解能によって略決定される。したがって、干渉縞を取り込む撮像系の分解能を光学系の回折限界により決まる分解能より上げることにより、干渉計で測定可能な高周波のうねり成分まで抽出することが可能となる。例えば、干渉縞を取り込む固体撮像素子の分解能、又は、固体撮像素子で撮像した干渉縞のデータを処理して得られる分解能を上げることにより、高い周波数の「うねり成分」の抽出が可能となる。
【0034】
なお、「緩やかに変化する形状成分」を引くとき、原点の移動と傾きの補正は適宜行うとよい。
本発明の第9の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1又は第2の手法において、被検面が、光学素子、又は、それらを製作する型であることを特徴とする手法である。
【0035】
被検面を光学素子若しくはそれらを製作する型の場合、従来の干渉計の装置を用いることにより干渉測定が可能となる。したがって、従来装置を用いて容易に「うねり成分」を抽出することが可能となる。そのため、本手法を用いて光学素子若しくはそれらを製作する型を評価することにより、高い光学性能を有する光学素子を実現することができる。
【0036】
本発明の第10の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1又は第2の手法において、被検面の形状が球面、平面以外の形状であることを特徴とする手法である。
【0037】
本発明の第11の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第10の手法において、被検面の形状が回転軸を有する非球面であることを特徴とする手法である。
【0038】
本発明の第12の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第10の手法において、被検面の形状が自由曲面であることを特徴とする手法である。
本発明の第13の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第10の手法において、被検面の形状が対称面を1つだけ有することを特徴とする手法である。
【0039】
本発明の第14の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第10の手法において、被検面の形状が偏心した回転対称面であることを特徴とする手法である。
【0040】
本発明の第15の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第10の手法において、被検面の形状が拡張曲面であることを特徴とする手法である。
まず、本明細書中で使用する「拡張曲面」の定義は、球面、平面、回転対称非球面の外、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていてもよい。また、反射面でも屈折面でも、光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以下、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
【0041】
球面、平面以外の面を有する物体の干渉計測を行う場合においても、適当な参照レンズを用いることにより、干渉測定することが可能となる。したがって、被検面が拡張曲面においても、同様の手法によりうねり成分を抽出することが可能となる。
【0042】
本発明の第16の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、球面、平面以外の面を有する物体の干渉計測を行う場合に、回転非対称、又は、回転対称、又は、偏心した回転対称な面を有する補正用光学手段を用いることを特徴とする手法である。
【0043】
本発明の第17の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第16の手法において、補正用光学手段として非点収差補正手段を用いることを特徴とする手法である。
【0044】
本発明の第18の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第16の手法において、補正用光学手段としてシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡を用いることを特徴とする手法である。
【0045】
本発明の第19の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、球面、平面以外の面を有する物体の干渉計測を行う場合に、コマ補正光学手段を用いることを特徴とする手法である。
【0046】
本発明の第20の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第19の手法において、コマ補正光学手段としてコマ補正レンズ、又は、コマ補正反射鏡を用いることを特徴とする手法である。
【0047】
本発明の第21の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第19の手法において、コマ補正光学手段として球面以外の面を有するコマ補正光学素子又は光学系を用いることを特徴とする手法である。
【0048】
本発明の第22の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第19の手法において、コマ補正光学手段として偏心した球面の屈折面又は反射面を有する光学素子又は光学系を用いることを特徴とする手法である。
【0049】
任意曲面の形状を有する被検面の干渉計測を行う場合、参照波面に球面波又は平面波を用いると、干渉縞の観察できる領域が限定されてしまう場合がある。干渉縞の測定範囲が狭くなると、結果的にうねり成分を抽出する解析範囲が限定されてしまう。
【0050】
このような場合、干渉計の参照波面の光路内に回転非対称又は偏心した回転対称な面を有する補正用光学素子又は光学系を配置する。補正用光学素子又は光学系は、被検面の形状に合わせて参照波面の形状を変形するように作用し、干渉縞の観察できる領域を広げることが可能となる。干渉縞の測定できる領域を広げることにより解析領域を広げることができるので、広い領域のうねり成分を抽出することが可能となる。
【0051】
例えば、補正用光学素子又は光学系として、シリンドリカルレンズ、又は、シリンドリカル鏡等の非点収差補正手段を用いると、参照波面の形状は補正用光学素子を配置する方向と、その補正用光学素子を配置する方向と直交する方向において、曲率が異なるような波面となる。このような波面はザイデル収差でいう非点収差を有する波面に相当する。なお、補正する非点収差量はシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡の焦点距離と素子を配置する位置によって決定される。
【0052】
したがって、適当な焦点距離を有するシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡を干渉系光路内で所望の位置に配置することにより、上記被検面の非点収差成分を補正した参照波面を生成することができる。そのため、結果的に干渉縞の観察できる領域を拡大することが可能となるので、広い領域の測定が可能となる。
【0053】
また、補正用光学素子又は光学系として、コマ補正手段を用いると、参照波面の形状はコマ収差成分を有する波面となる。したがって、被検面がコマ収差成分を有するために干渉縞の観測できる領域が限定される場合、被検面の形状からコマ補正光学手段を干渉計光路の所望の位置に配置することにより、上記被検面のコマ収差成分を補正するような参照波面を生成することができる。そのため、結果的に干渉縞の観察できる領域を拡大することが可能となるので、広い領域の測定が可能となる。コマ収差補正手段としては、例えば3次の非球面の表面形状の面を有するレンズがある。
【0054】
補正用光学素子を用いた場合、参照光の波面は最早球面ではない。しかしながら、例えばシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡、又は、コマ補正光学素子を配置した場合、参照波面の形状は、低次の収差成分の和として表記できる形状となる。したがって、参照波面の形状は、緩やかに変化する形状と見なすことができるので、同様の手法によりうねり成分を抽出することが可能となる。
【0055】
なお、例えばシリンドリカルレンズ若しくはシリンドリカル鏡を複数用いて、各素子の配置位置を移動することにより任意の焦点距離を実現してもよい。また、例えば、シリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡とコマ補正光学素子を組み合わせるように、異なるタイプの補正用光学素子を複数組み合わせることにより、所望の参照波面を形成して、干渉縞の観察できる範囲を拡大してもよい。
【0056】
本発明の第23の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、被検物体の位相シフトを伴う干渉計測を行う場合に、位相を得るためにNバケット法をM回、初期位相をπ/2以下の値だけ変えて、繰り返しM回の位相の平均をもって測定点の位相とすることを特徴とする手法である。ただし、N、Mは自然数で、N≧3、M≧2とする。
【0057】
本発明の第24の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第23の手法において、後記の式(10)、(11)、(12)の何れかを用いることを特徴とする手法である。
【0058】
干渉縞の位相を定数ずつN回移動して、各位相毎に干渉縞を複数記録したN個の測定値を用いると、位相シフト法の1つであるNバケット法により被検面の位相形状を復元することができる。さらに、同被検個所において、M回初期位相をπ/2以下だけ変えて干渉測定を繰り返し、各測定毎に位相形状を算出し、これらのM回の平均値を算出する。ただし、N、Mは自然数、N≧3、M≧2とする。なお、初期位相をπ/2以上に変えても、実質的にはπ/2以下の場合と同様である。
【0059】
このような操作をすることにより、振動や外乱の影響、フリンジ走査の際の位相移動量の誤差による位相形状の誤差等を抑えることが可能となり、復元した位相形状の精度を向上させることができる。したがって、抽出するうねり成分の精度を向上させることができる。
【0060】
本発明の第25の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、触針式の形状測定機を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする手法である。
【0061】
本発明の第26の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、原子間力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、微分干渉顕微鏡、又は、走査型白色干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする手法である。
【0062】
触針式の形状測定機、又は、原子間力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、微分干渉顕微鏡、又は、走査型白色干渉計等の装置を用いても、被検面の形状を2次元的に測定することが可能となる。したがって、図1で示した工程1において2次元的に被検面の形状S0 を測定する手法として、これらの装置を用いることにより、被検面上の「うねり成分」を抽出することが可能となる。
【0063】
本発明の第27の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、被検面である拡張曲面を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をn、緩やかに変化する形状を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をmとしたとき、
n≦m
であることを特徴とする手法である。
【0064】
被検面である拡張曲面を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をn、緩やかに変化する形状を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をmとしたとき、
n≦m
を満たせば、被検面の形状の「緩やかに変化する形状」を略完全に表記できるので、第1の手法をとると、被検面上に残存する高次の形状変化である「うねり成分」のみを抽出することが可能となる。
【0065】
本発明の第28の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第17の手法において、補正用光学手段として用いる非点収差補正手段又はコマ収差補正手段の形状又はその位置を決定するのに、近軸理論を用いることを特徴とする手法である。
【0066】
本発明の第29の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第17の手法において、補正用光学手段として用いる非点収差補正手段又はコマ収差補正手段の形状又はその位置を決定するのに、実光線追跡を用いることを特徴とする手法である。
【0067】
本発明の第30の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第17の手法において、補正用光学手段として用いるシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡の形状又はその位置を決定するのに近軸理論を用いることを特徴とする手法である。
【0068】
本発明の第31の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第17の手法において、補正用光学手段として用いるシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡の形状又はその位置を決定するのに実光線追跡を用いることを特徴とする手法である。
【0069】
補正用光学手段としてシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡等の非点収差補正手段を用いる場合、被検面の形状より主曲率と主曲率に直交する方向の曲率とを算出し、それらの2方向の曲率差が略0となるように、近軸理論を用いてシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡等の非点収差補正手段の形状又は配置する位置を決定することが可能となる。
【0070】
また、被検面の形状から実光線追跡を実行すれば、シリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡等の非点収差補正手段の形状又は配置する位置を厳密に決定することが可能となる。
【0071】
本発明の第32の解析手法は、第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果から、光学性能をシュミレーションすることを特徴とする手法である。
本発明の第33の解析手法は、第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果から、MTFをシュミレーションすることを特徴とする手法である。
【0072】
本発明の第34の解析手法は、第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果をフーリエ解析することを特徴とする手法である。
第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果から光学性能を予測することにより、被検面のうねりを評価することが可能となる。例えば、うねりが光学性能の解像力低下の要因となる場合、第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果から瞳関数を作り、波動光学理論に基づいてMTFをシュミレーションすることにより、光学系の解像低下力低下の寄与を明確にすることができる。
【0073】
また、第1の手法を用いて抽出したうねり成分の結果をフーリエ解析することにより、うねり成分の周波数特性を定量的に把握することが可能となる。
本発明の第35の加工方法は、第1の手法を用いてうねり成分を測定しつつ、被検物を加工することを特徴とする方法である。
【0074】
第1の手法を用いてうねり成分を測定しつつ、被検物を加工することにより、うねりのレベルを確認しながら加工することが可能となる。
本発明の第36の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第1の手法において、被検面の形状を2次元的に測定する工程において、測定機中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする手法である。
【0075】
本発明の第37の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定する工程において、干渉計測中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする手法である。
【0076】
本発明の第38の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法において、干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定する工程において、被検面と参照レンズの光路中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする手法である。
【0077】
第1の手法における被検面の形状を2次元的に測定する工程において、測定精度を高めるためには、測定時の外乱の影響を極力抑える必要がある。そこで、干渉計等の測定機をカバーで覆う等の空気の揺らぎを防止する手段を施すことにより、空気のゆらぎや音波を遮ることが可能となるため、被検面の形状を高い精度で測定することが可能となり、解析により抽出されるうねりの精度も向上させることが可能となる。なお、干渉計を用いて被検面の形状を測定する場合には、被検面と参照レンズの光路をカバーで覆う等の空気の揺らぎを防止する手段を施すことにより、測定時の外乱を抑えることが可能となる。
【0078】
本発明の第39の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法における被検面の形状を2次元的に測定する干渉計において、干渉縞を取り込む撮像素子をシフト又は回転させることを特徴とする手法である。
【0079】
本発明の第40の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第39の手法において、被検面の形状が球面、平面以外の形状であることを特徴とする手法である。
【0080】
本発明の第41の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法は、第2の手法における被検面の形状を2次元的に測定する干渉計において、干渉縞を取り込む撮像素子を光軸方向に移動させることを特徴とする手法である。
【0081】
干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定する場合、撮像素子を用いて干渉縞を取り込むことになるが、干渉縞が画面中心ではなくずれてしまうことがある。そのような場合、被検面のアライメントを再度実施する必要があるが、撮像素子をシフトして干渉縞を略画面中心とすることにより、容易に広い干渉縞の領域を解析することが可能となる。また、干渉縞の形状が例えば傾いた楕円形のような形状をしていた場合、通常の撮像素子で干渉縞を取り込んだ場合、全干渉縞の領域を取り込むのは困難となる。このような場合、干渉縞の形状に合わせて撮像素子を回転させることにより、干渉縞を広く取り込むことが可能となるので、広い領域を解析することが可能となる。
【0082】
とりわけ、被検面の形状が平面、球面以外の場合、干渉縞の観察できる領域は限定されてしまうので、このような場合に、撮像素子をシフト又は回転させることにより、広い干渉縞を取り込んで解析することは有効である。
【0083】
また、撮像素子を光軸方向に移動し、それに伴い撮像素子の前側に配置したフォーカスレンズを調整して、干渉縞を撮像素子面上に結像させることにより、所望の倍率で干渉縞を取り込むことが可能となる。
【0084】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法のいくつかの実施形態について説明する。
【0085】
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態に用いる測定装置の構成は、図3に示した従来技術の干渉計と同じである。ただし、解析手法が従来技術と異なる。図4、図5、図6は、第1の実施形態の解析の流れを具体例で示した図である。
【0086】
フィゾー型干渉計1を用いて、参照レンズ4を用いて生成した参照球面波を被検面5に照射し、被検面5からの反射光と参照波面との干渉によって生じる干渉縞をCCDカメラ7を用いて観察する。さらに、図示しない圧電駆動素子を用いて参照光の位相を定量ずつずらして生成した干渉縞をパソコン8内にそれぞれ取込み、それらを用いて5バケット法等のアルゴリズムを用いて被検面5の位相形状を復元する。なお、干渉計はカバー9で覆われており、外乱による精度の低下を防いでいる。
【0087】
図4は、実際に被検面5として光学面を測定したとき導出される位相形状の1例である。この位相形状は、被検反射面を空気中に配置した場合、被検面5の実形状から、照射した参照球面によって決定される「球面波成分」を除去した「球面波からのずれ量」を示した形状に他ならない。したがって、球面波成分の大きさは参照レンズ4と被検面5を配置する位置によって一義的に決定されるので、結果的に「球面波からのずれ量」を測定することは、被検面5の形状を2次元的に測定する工程に対応する。
【0088】
上記手法によって再生した位相形状をツェルニケ多項式によってフィッティングする。フィッティングによって求めたツェルニケ多項式の形状は、「球面波からのずれ量」を示した形状から緩やかに変化する形状である「形状誤差成分」を算出したことになる。図5は、図4で示した位相形状をフィッティングしたツェルニケ多項式の形状を示したものである。ツェルニケ多項式で示した形状は位相形状の中、「形状誤差成分」を示したものである。
【0089】
図6は、図4で示した「球面波からのずれ量」から図5で示した「形状誤差成分」を差し引いた結果である。この解析は、被検面5の実形状から、結果的に「球面波成分」と「形状誤差成分」を差し引くことにより、緩やかに変化する形状成分を全て差し引く工程に対応する。したがって、図6で示した形状は被検面のうねり成分に他ならない。
【0090】
本実施形態は、被検面5の形状を測定する手段として干渉計を用いているため、高さ方向に関して高い分解能を有する測定が可能であり、僅かな振幅を有する「うねり成分」に関しても精度良く測定することが可能となる。さらに、光を用いて被検面5の形状を測定するため、被検面5に対し非接触で高速の測定が可能という特徴がある。
【0091】
本解析手法によってうねり成分をそれぞれ抽出した場合、それらの振幅の大きさによって被検面5のうねり成分を評価することが可能である。したがって、本解析手法を用いることにより、被検面5の精度を向上させることができる。例えば、光学素子の表面を被検面5とした場合、うねり成分が要因となる光学性能の劣化(解像力低下、フレア発生等)を予想することが可能となる。
【0092】
ここで、本手法によって抽出されるうねり成分の波長について説明する。うねり成分の分解能は光学系の収差、及び、光学系の回折限界、及び、干渉縞を取り込む撮像系の分解能によって決定される。撮像系にCCDカメラ等の電子撮像素子を用いた場合、上記分解能は主にCCDの分解能によって決定される。したがって、より細かいうねり成分を抽出する場合は、干渉縞を拡大することにより、CCDカメラの分解能を高めれば可能となる。
【0093】
なお、この実施形態の各構成は当然各種の変形、変更が可能である。例えば、緩やかに変化する形状をフィッティングする関数は、ツェルニケ多項式に限定するものではなく、一般的な多項式あるいはチェビシェフ多項式、Gegenbauer多項式等の関数系列等を用いてもよい。その際、フィッティングに用いる多項式の形状は、高次の形状変化成分を含まないようにする必要がある。また、緩やかに変化する形状として、評価する被検面の設計値や設計値を定数倍した形状を用いてもよい。あるいは、参照球面を用いた測定の場合には、設計値又は設計値を定数倍した形状から2次の成分である球面成分を差し引いた形状をシフトやティルトさせながら測定値とベストフィットさせたものを用いてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、被検面5を空気中に配置した反射面としたが、これに限定するものではなく、内部反射面とした場合でも同様の手法によりうねり成分を抽出することが可能である。このとき、被検面の内部屈折率の値を用いてうねり成分の高さ方向の値を補正する必要がある。したがって、干渉計測に用いる光が透過すれば、被検面の設置環境は真空や液中でもよい。
【0095】
また、使用する干渉計をフィゾー型としたが、これに限定するものではない。例えば、トワイマン型干渉計やマッハツェンダー型干渉計を用いても、被検面における位相形状を導出することが可能であるため、同様の手法を用いてうねり成分を抽出することが可能となる。
【0096】
なお、被検面5の反射率が高い場合、干渉縞のコントラストを調節するため、一般的な干渉計の測定手法と同様に減衰板を光路内に配置して干渉縞のコントラストを高めるようにする。
【0097】
〔第2の実施形態〕
図7に、第2の実施形態に用いる測定装置の構成を示す。この構成は、図3に示した構成に対し、干渉計光路内に補正用光学素子10を配置した点が異なる。ここで、補正用光学素子10は、被検面5の形状に合わせて参照波面の形状を補正するように作用する。例えば、被検面5の形状が自由曲面である場合、自由曲面は、球面のような軸対称な形状ではなく、面対称若しくは対称性を持たない形状となる。自由曲面の形状は、例えば、以下に示す式で表記することができる。
【0098】
自由曲面項は、
ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
【0099】
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(4)においては、C2 、C5 、C7 、C9 、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0100】
また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(4)においては、C3 、C5 、C8 、C10、C12、C14、C17、C19、C21、C23、C25、C27、C30、C32、C34、C36・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0101】
図7で参照球面とした干渉計の装置で、被検面5を自由曲面とした測定をすると、干渉縞の観察される領域は限定されてしまう。そこで、補正用光学素子10を用いて、参照波面の形状を被検面5の近似形状となるように補正する。とりわけ自由曲面形状の場合、測定場所によって主曲率の方向が回転し、また、主曲率の大きさも変化する場合がある。このとき、補正用光学素子10として所望の焦点距離を有するシリンドリカルレンズを自由曲面の主曲率の方向と略平行、若しくは、主曲率の方向に対して略直交するように配置することにより、被検面5での主曲率方向の曲率と主曲率と直交する方向の曲率の差をなくすように参照波面を補正することができる。この操作は、被検面5の非点収差を補正することになるので、その結果、干渉縞の測定できる領域を拡大することが可能となり、広い測定範囲にわたり干渉縞を取り込むことができるので、被検面5上のうねりを広く測定することができる。
【0102】
また、被検面5の形状は上記式(4)で示した自由曲面以外にも、対称軸を有する非球面やアナモルフィック面、偏心した回転対称面等を有する面といった形状においても、干渉計測をすることができるので、同様な手法を用いて被検面5上のうねり成分を抽出することができる。なお、上記非球面は、例えば下式(5)で示すことができる。
【0103】
ただし、Rは近軸曲率半径、Kは円錐定数、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0104】
また、上記アナモルフィック面は例えば下式(6)で示すことができる。
ただし、Ry 、Rx はそれぞれY−Z面内の近軸曲率半径、X−Z面内での近軸曲率半径、Kx 、Ky はそれぞれX−Z面、Y−Z面内の円錐係数、AR、BRはそれぞれZ軸に対して回転対称な4次、6次の非球面係数、AP、BPはそれぞれZ軸に対して回転非対称な4次、6次の非球面係数である。
【0105】
シリンドリカルレンズ等の補正用光学素子10を配置してフリンジ走査を実行し、被検面5の位相形状を復元した場合、位相形状は被検面5の形状から補正用光学素子10よって補正された波面形状を差し引いた形状となる。一般に、参照波面の形状には球面若しくは平面を用いるが、シリンドリカルレンズを用いた場合の参照波面は、方向によって曲率が変化した形状となる。
【0106】
ただし、シリンドリカルレンズを用いた場合の参照波面の形状は、緩やかに変化する形状のみで構成されたものとして取り扱うことができる。したがって、この参照波面を用いて観察される干渉縞から求めた位相形状は、被検面5の形状から被検面5上での参照波面の形状で示される緩やかに変化する形状成分を差し引いた形状となる。
【0107】
なお、この実施形態の各構成は、当然各種の変形、変更が可能である。例えば、補正用光学素子10として用いる光学素子はシリンドリカルレンズに限定するものではなく、アナモルフィックレンズや回折光学素子、くさび状プリズム等を用いても、形成される参照波面の形状は高次の形状変化成分を含まない緩やかに変化する形状となるので、これらを用いてもよい。
【0108】
また、被検面5を自由曲面形状としたが、これに限定するものではなく、対称軸を有する非球面やアナモルフィック面等の対称面を1つだけ有する面等の評価にも用いることができる。被検面は拡張曲面でもよい。
【0109】
〔第3の実施形態〕
図8に、第3の実施形態に用いる測定装置の構成を示す。図8では、被検面5の形状測定に触針式の形状測定機21を用いている。触針式の形状測定機21は、触針22で被検面5を走査し、触針22が走査した軌跡をパソコン8に取り込むことにより、被検面5の実形状を測定する。走査する範囲を2次元にすることにより、被検面5の3次元形状も測定することが可能となる。
【0110】
取り込まれた測定データは、ツェルニケ多項式等の関数を用いてフィッティングを行い、測定領域で緩やかに変化する形状成分を導出する。さらに、実形状測定データよりフィッティングによって算出した緩やかに変化する形状を差し引くことにより、被検面5のうねり成分を抽出することが可能となる。
【0111】
なお、緩やかに変化する形状として、例えば評価する被検面5の設計値や設計値の相似形状を用いてもうねり成分を抽出することが可能となる。
ここで、本手法によって抽出されるうねり成分の波長について説明する。触針式の測定機21を用いて抽出されるうねり成分の波長は、触針22の先端の形状と、取り込みの際のサンプリングピッチに依る。すなわち、触針22の先端の形状が球である場合、より細かいうねり成分を抽出するためには、先端の球のサイズを小さくし、サンプリングピッチを細かくする必要がある。
【0112】
なお、被検面5の形状を測定する装置としては、これに限定するものではなく、原子間力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、微分干渉顕微鏡や、走査型白色干渉計(例えば、『’99光計測シンポジウム論文集』p.22〜25)を用いてもよい。
【0113】
〔第4の実施形態〕
図9は、第4の実施形態に用いる測定装置の光学系の要部を示す図であり、コマ補正光学素子31を用いて自由曲面32を測定する例である。図9では、コマ補正光学素子31は非球面レンズとして描いてあり、自由曲面32は自由曲面プリズムの型33の一部である。
【0114】
フィゾー型干渉計34の光路36中に、コマ補正光学素子31、シリンドリカルレンズ35、自由曲面32を順に配置し、自由曲面32で生ずる波面収差の中、コマ収差をコマ補正光学素子31で、非点収差をシリンドリカルレンズ35で補正することで、広い測定範囲にわたり干渉縞を取り込んで、自由曲面32のうねりを測定することができる。
【0115】
図9のように座標系を取った場合、コマ補正光学素子31の面形状は、
WC =A(x2 +y2 )x+B(x2 +y2 )y ・・・(7)
(ただし、A、Bは定数で、A又はBの少なくとも一方は0ではない。)
で与えられるコマ収差WC を含む波面収差を生ずるように形成されている。例えば、具体的には、コマ補正光学素子31の一方の面の形状を式(7)の右辺に比例した座標を持つ形の非球面にすればよい。
【0116】
また、コマ補正光学素子31に非点収差も発生するように面形状を形成し、シリンドリカルレンズ35の作用を持たせてもよい。そのためには、例えば、コマ補正光学素子31の他方の面をシリンドリカル面とすればよい。
【0117】
なお、図9の素子35は、シリンドリカルレンズでなくとも、少なくとも非点収差WA
WA =C(x2 −y2 )+Dxy ・・・(8)
(ただし、C、Dは定数で、C又はDの少なくとも一方は0でない。)
を発生し得る面形状であればよい。
【0118】
また、光路36を折り曲げて、コマ補正光学素子31又はシリンドリカルレンズ35を反射面を含む光学素子で作り、同様の効果を持たせることもできる。
図10(a)は、コマ補正光学素子31の代わりに、2枚の球面レンズ37、38を偏心させて光路中に配置したコマ補正光学系である。球面レンズ37、38を合成した系の焦点距離は略無限大で、球面レンズ37の1つの面と球面レンズ38の1つの面は略同じ形状で、強い球面となっている。コマ収差を発生させるために、球面レンズ37と38の屈折率には0.05以上の差を設けることが必要である。
【0119】
図10(b)に類似のコマ補正光学系を構成するレンズ39、40の例を示した。屈折率差の条件は図10(a)と同じである。
図11(a)に別のコマ補正光学系を構成する球面レンズ41、42の例を示した。これらの球面レンズ41、42を合成した系の焦点距離は略無限大で、凹凸レンズを対向して配置するようにする。
【0120】
尚、この例では、平凹レンズ、平凸レンズの組み合わせとなっているが、両レンズを合成した系の焦点距離が略無限大であれば、片面が平面である必要はない。このとき、参照レンズのNAにあわせて最適化することで、コマ補正光学系によって発生する球面収差を抑えることが可能となる。
【0121】
ここで、球面レンズ41、42をそれぞれ、回転、もしくはシフトさせることによって、所望のコマ収差を発生させることが可能となる。
図11(b)は、両レンズを互いに回転させることで、所望のコマ収差を発生させる構成を示す図である。各レンズとも、光軸に対し略垂直な軸を回転軸として、それぞれ略等角度だけ、逆向きに回転するための図示しない機構を設ける。このとき、各レンズの回転軸は、それぞれが略並行となるようにする。
【0122】
このとき、レンズの回転角を増加させることによって、コマ補正光学系によって発生するコマ収差成分を増加させることができるので、被検面32の形状にあわせて、回転角を調整する。尚、コマ収差の発生する方向は、レンズの回転軸に直交する方向となるので、回転軸の向きは、被検面のコマ収差成分の方向に対し、略垂直になるようにすればよい。
【0123】
また、各レンズの回転軸の位置は、レンズの曲面の中心にすれば、光軸のずれが発生しないため、コマ補正光学系の使用で測定範囲が変化しないメリットがある。更に、この例では、コマ補正光学系によって発生する非点収差を抑えることができるため、非点収差補正手段と併用して使用する場合に、調整が容易になるというメリットがある。
【0124】
図11(c)は、両レンズを互いにシフトさせることで、所望のコマ収差を発生させる構成を示す図である。このとき、各レンズのシフトする方向は、光軸に対し略垂直方向とし、それぞれ略等距離だけ、反対方向にシフトするための図示しない機構を設ける。
【0125】
このとき、レンズのシフト量を増加させることによって、コマ補正光学系によって発生するコマ収差成分を増加させることができるので、被検面32の形状にあわせて、シフト量を調整する。尚、コマ収差の発生する方向は、レンズをシフトさせる方向となるので、レンズをシフトさせる方向が、被検面のコマ収差成分の方向に対し、略平行になるようにすればよい。
【0126】
また、コマ補正素子の配置による光軸のずれを低減させるため、球面レンズ41、42の中心厚を略等しくすることが望ましい。
尚、上記非点収差補正手段やコマ収差補正手段等を使用した場合、これらの光学系により取り込んだ干渉縞は歪むことになる。このような場合、使用した補正用光学手段による歪曲収差を測定もしくは光線追跡により見込んで、それらの結果から取り込んだ干渉縞の歪みを画像処理もしくは計算処理によって、補正すればよい。
【0127】
ところで、以上の各実施形態において、測定された干渉縞から波面の位相を復元するには、複数回の測定を行い、それらの干渉縞から位相を求める位相シフト法が通常用いられる。
【0128】
例えば5バケット法では、被検面の一点に対応する点Qの位相P(α)は、次式で求められる。
ただし、I(N・π/2+α)は、一点Qにおける位相N×π/2+αにおける干渉縞強度である。Nは0,1,2,3,4の何れかである。初期位相αは通常α=0と置く。
【0129】
しかしながら、この方法では、干渉縞の振動等で発生するノイズが出る場合があり、必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明の1例では、次式を用いることでさらに精度の良い位相データを得ている。
【0130】
P2 =1/2×{P(0)+P(π/2)} ・・・(10)
つまり、5バケット法を位相π/2だけずらして2回行い、それらから式(9)で得た位相を平均して点Qの位相P2 とする。このように、10枚の干渉縞から位相を復元することで精度が向上する。
【0131】
なお、5バケット法を2回繰り返して行い、それらの結果から式(9)で得た位相を平均して点Qの位相P2 を導出する場合、以下のような手法でもよい。
まず、位相を[0,π/2,π,3π/2,2π,5π/2]とした干渉縞強度、すなわち、I(0),I(π/2),I(π),I(3π/2),I(2π),I(5π/2)の測定を実施し、位相[0,π/2,π,3π/2,2π]での干渉縞強度の測定結果から式(9)を用いてP(0)を、位相[π/2,π,3π/2,2π,5π/2]での干渉縞強度の測定結果から式(9)を用いてP(π/2)をそれぞれ導出し、これらの結果から式(10)を用いて平均値P2 を求める。
【0132】
初期位相をπ/2ずらして2回5バケット法を実施する場合、計10枚の干渉縞強度の測定結果が必要になるが、本手法では同様の結果を計6枚の干渉縞強度の測定結果から求めることが可能となる。
【0133】
また、
から点Qの位相P4 を求めてもよい。つまり、5バケット法を4回、位相を変えて行うのである。
【0134】
また、式(11)においても、位相を[0,π/4,π/2,3π/4,π,5π/4,3π/2,7π/4,2π,9π/4,5π/2,11π/4]とした計12枚の干渉縞強度測定を実施し、
位相[0,π/2,π,3π/2,2π]の干渉縞強度の測定結果から、P(0)を、
位相[π/4,3π/4,5π/4,7π/4,9π/4]の干渉縞強度の測定結果から、P(π/4)を、
位相[π/2,π,3π/2,2π,5π/2]の干渉縞強度の測定結果から、P(π/2)を、
位相[3π/4,5π/4,7π/4,9π/4,11π/4]の干渉縞強度の測定結果から、P(3π/4)を、
それぞれ式(9)を用いて導出し、これらの結果から式(11)を用いて平均値P4 を求める。このときも同様に、干渉縞強度の測定回数を減らして、同等の平均値を求めることが可能となる。
【0135】
また、
から点Qの位相P8 を求めてもよい。5バケット法を8回位相を変えて行い、平均値を求めるのである。
【0136】
また、式(12)においても、位相を[0,π/4,π/2,3π/4,5π/4,3π/2,7π/4,2π,9π/4,5π/2,11π/4,3π,13π/4,7π/2,15π/4]とした計16の干渉縞強度測定を実施し、
位相[0,π/2,π,3π/2,2π]の干渉縞強度の測定結果から、P(0)を、
位相[π/4,3π/4,5π/4,7π/4,9π/4]の干渉縞強度に測定結果から、P(π/4)を、
位相[π/2,π,3π/2,2π,5π/2]の干渉縞強度に測定結果から、P(π/2)を、
位相[3π/4,5π/4,7π/4,9π/4,11π/4]の干渉縞強度の測定結果から、P(3π/4)を、
位相[π,3π/2,2π,5π/2,3π]の干渉縞強度の測定結果から、P(π)を、
位相[5π/4,7π/4,9π/4,11π/4,13π/4]の干渉縞強度の測定結果から、P(5π/4)を、
位相[3π/2,2π,5π/2,3π、7π/2]の干渉縞強度の測定結果から、P(3π/2)を、
位相[7π/4,9π/4,11π/4,13π/4,15π/4]の干渉縞強度の測定結果から、P(7π/4)を、
それぞれ式(9)を用いて導出し、これの結果から式(12)を用いて平均値P8 を求める。このときも、同様に干渉縞強度の測定回数を減らして、同様の平均値を求めることが可能となる。
【0137】
ただし、これらの手法は、上記の平均値を算出する手法に限定するものではない。すなわち、初期位相を変えて、5バケツト法を実施し、それぞれ導出した複数の位相結果の平均値を求める場合、各初期位相における干渉縞強度の測定結果の中、共通の位相の干渉縞測定結果を各点Qの位相算出の際に使用することで、干渉計強度の測定回数を減らすことが可能となる。
【0138】
より一般的には、前掲の『Interferogram analysis for optical testing』で公知のNバケット法を初期位相αをπ/2以下の値で位相を変えてM回繰り返し、それぞれ位相を求め、その平均を求めて点Qの位相とすればよい。
【0139】
以上の本発明による被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物等は、例えば次のように構成することができる。
〔1〕 被検面の形状を解析する手法において、
被検面の形状を2次元的に測定する工程と、
前記工程によって測定された形状の中、緩やかに変化する形状を算出する工程と、被検面の形状測定値からその算出工程によって算出された緩やかに変化する形状を差し引く工程とを有することを特徴とする被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0140】
〔2〕 前記測定工程において、干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0141】
〔3〕 光学系の回折限界より、干渉縞を取り込む撮像系の分解能を上げることを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0142】
〔4〕 光学系の回折限界より、干渉縞を取り込む固体撮像素子の分解能、又は、固体撮像素子で撮像した干渉縞のデータを処理して得られる分解能を上げることを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0143】
〔5〕 測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検面の設計値、又は、設計値を定数倍した形状、又は、設計値の形状から2次で表される成分を差し引いた形状、設計値を定数倍した形状から2次で表される成分を差し引いた形状を用いることを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0144】
〔6〕 測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データを多項式を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0145】
〔7〕 測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データをツェルニケ多項式を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0146】
〔8〕 測定した形状の中、緩やかに変化する形状を算出する際に、被検物の2次元測定データを特定の関数系列を用いてフィッティングすることにより算出することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0147】
〔9〕 被検面が、光学素子、又は、それらを製作する型であることを特徴とする上記1又は2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0148】
〔10〕 被検面の形状が球面、平面以外の形状であることを特徴とする上記1又は2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0149】
〔11〕 被検面の形状が回転軸を有する非球面であることを特徴とする上記10記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0150】
〔12〕 被検面の形状が自由曲面であることを特徴とする上記10記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0151】
〔13〕 被検面の形状が対称面を1つだけ有することを特徴とする上記10記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0152】
〔14〕 被検面の形状が偏心した回転対称面であることを特徴とする上記10記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0153】
〔15〕 被検面の形状が拡張曲面であることを特徴とする上記10記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0154】
〔16〕 球面、平面以外の面を有する物体の干渉計測を行う場合に、回転非対称、又は、回転対称、又は、偏心した回転対称な面を有する補正用光学手段を用いることを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0155】
〔17〕 補正用光学手段として非点収差補正手段を用いることを特徴とする上記16記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0156】
〔18〕 補正用光学手段としてシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡を用いることを特徴とする上記16記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0157】
〔19〕 球面、平面以外の面を有する物体の干渉計測を行う場合に、コマ補正光学手段を用いることを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0158】
〔20〕 コマ補正光学手段としてコマ補正レンズ、又は、コマ補正反射鏡を用いることを特徴とする上記19記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0159】
〔21〕 コマ補正光学手段として球面以外の面を有するコマ補正光学素子又は光学系を用いることを特徴とする上記19記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0160】
〔22〕 コマ補正光学手段として偏心した球面の屈折面又は反射面を有する光学素子又は光学系を用いることを特徴とする上記19記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0161】
〔23〕 被検物体の位相シフトを伴う干渉計測を行う場合に、位相を得るためにNバケット法をM回、初期位相をπ/2以下の値だけ変えて、繰り返しM回の位相の平均をもって測定点の位相とすることを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0162】
〔24〕 式(10)、(11)、(12)の何れかを用いることを特徴とする上記23記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0163】
〔25〕 触針式の形状測定機を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0164】
〔26〕 原子間力顕微鏡、走査型近接場光学顕微鏡、微分干渉顕微鏡、又は、走査型白色干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定することを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0165】
〔27〕 被検面である拡張曲面を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をn、緩やかに変化する形状を表記する曲面式の自由度(パラメータ数)をmとしたとき、
n≦m
であることを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0166】
〔28〕 補正用光学手段として用いる非点収差補正手段又はコマ収差補正手段の形状又はその位置を決定するのに、近軸理論を用いることを特徴とする上記17記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0167】
〔29〕 補正用光学手段として用いる非点収差補正手段又はコマ収差補正手段の形状又はその位置を決定するのに、実光線追跡を用いることを特徴とする上記17記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0168】
〔30〕 補正用光学手段として用いるシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡の形状又はその位置を決定するのに近軸理論を用いることを特徴とする上記17記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0169】
〔31〕 補正用光学手段として用いるシリンドリカルレンズ又はシリンドリカル鏡の形状又はその位置を決定するのに実光線追跡を用いることを特徴とする上記17記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0170】
〔32〕 上記1記載の測定手法又は解析手法を用いて抽出したうねり成分の結果から、光学性能をシュミレーションすることを特徴とする解析手法、解析装置、又は、解析された物。
【0171】
〔33〕 上記1記載の測定手法又は解析手法を用いて抽出したうねり成分の結果から、MTFをシュミレーションすることを特徴とする解析手法、解析装置、又は、解析された物。
【0172】
〔34〕 上記1記載の測定手法又は解析手法を用いて抽出したうねり成分の結果をフーリエ解析することを特徴とする解析手法、解析装置、又は、解析された物。
【0173】
〔35〕 上記1記載の測定手法又は解析手法を用いてうねり成分を測定しつつ、被検物を加工することを特徴とする加工方法、加工装置、又は、加工された物。
【0174】
〔36〕 被検面の形状を2次元的に測定する工程において、測定機中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする上記1記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0175】
〔37〕 干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定する工程において、干渉計中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0176】
〔38〕 干渉計を用いて被検面の形状を2次元的に測定する工程において、被検面と参照レンズの光路中の空気の揺らぎを防止する手段を施すことを特徴とする上記2記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0177】
〔39〕 上記2記載の被検面の形状を2次元的に測定する干渉計において、干渉縞を取り込む撮像素子をシフト又は回転させることを特徴とする被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0178】
〔40〕 上記39において、被検面の形状が球面、平面以外の形状であることを特徴とする被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0179】
〔41〕 上記2記載の被検面の形状を2次元的に測定する干渉計において、干渉縞を取り込む撮像素子を光軸方向に移動させることを特徴とする被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0180】
〔42〕 複数の初期位相を有する位相の平均値を求める場合に、各初期位相での位相を算出する際に使用する干渉計強度Iの中、共通の初期位相の干渉計強度Iを用いることを特徴とする上記24記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0181】
〔43〕 位相を[0,π/2,π,3π/2,2π,5π/2]とした計6枚の干渉縞強度から、式(9)を用いてP(0)とP(π/2)を算出した結果を、式(10)を用いて解析することを特徴とする上記24記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0182】
〔44〕 位相を[0,π/4,π/2,3π/4,π,5π/4,3π/2,7π/4,2π,9π/4,5π/2,11π/4]とした計12枚の干渉縞強度から、式(9)を用いてP(0)とP(π/4)とP(π/2)とP(3π/4)を算出し、式(11)を用いて解析することを特徴とする上記24記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0183】
〔45〕 位相を[0,π/4,π/2,3π/4,5π/4,3π/2,7π/4,2π,9π/4,5π/2,11π/4,3π,13π/4,7π/2,15π/4]とした計16の干渉縞強度の測定結果から、式(9)を用いてP(0)とP(π/2)を算出し、式(10)を用いて解析することを特徴とする上記24記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は、測定された物。
【0184】
〔46〕 コマ補正光学手段として、両レンズの合成焦点距離が略無限大となる2枚のレンズを対向して配置した光学系を用いることを特徴とする上記19記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は測定されたもの。
【0185】
〔47〕 コマ補正光学手段として、対向した各レンズを、偏心させて配置したことを特徴とする上記46記載のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は測定されたもの。
【0186】
〔48〕 両レンズの合成焦点距離が略無限大となる2枚のレンズを対向して配置し、各レンズを、光軸に対して略垂直な軸を回転軸として、それぞれ略等角度だけ、逆向きに回転させることを特徴とするコマ補正光学手段。
【0187】
〔49〕 上記48記載のコマ補正手段を用いることを特徴とする上記47記載のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は測定されたもの。
【0188】
〔50〕 両レンズの合成焦点距離が略無限大となる2枚のレンズを対向して配置し、対向した各レンズを、光軸に対して略垂直な方向に、それぞれ略等距離だけ反対方向にシフトさせることを特徴とするコマ補正光学手段。
【0189】
〔51〕 上記50記載のコマ補正手段を用いることを特徴とする上記47記載のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は測定されたもの。
【0190】
〔52〕 取り込んだ干渉縞の歪曲収差を画像処理もしくは計算処理によって補正することを特徴とする上記19記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法、解析手法、測定装置、又は測定されたもの。
【0191】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法によると、被検面の形状を2次元的に測定し、その測定された形状の中の緩やかに変化する形状を算出して差し引くだけの簡単な手法により、被検面上のうねりの様子を2次元的に精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の測定手法の解析方法を示すフローチャートである。
【図2】 本発明において干渉測定を用いた際の解析方法を示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施形態に用いる測定装置の構成を示す図である。
【図4】 第1の実施形態の解析の流れを具体例で示す図中の被検面を測定したとき導出される位相形状の1例を示す図である。
【図5】 図4で示した位相形状をフィッティングしたツェルニケ多項式の形状を示した図である。
【図6】 図4で示した球面波からのずれ量から図5で示した形状誤差成分を差し引いた結果を示した図である。
【図7】 第2の実施形態に用いる測定装置の構成を示す図である。
【図8】 第3の実施形態に用いる測定装置の構成を示す図である。
【図9】 第4の実施形態に用いる測定装置の光学系の要部を示す図である。
【図10】 図9のコマ補正光学素子の代わりのコマ補正光学系を示す図である。
【図11】 図9のコマ補正光学素子の代わりの別のコマ補正光学系を示す図である。
【符号の説明】
1 フィゾー型干渉計
2 単色光源
3 コリメートレンズ
4 参照レンズ
5 被検面
6 半透明鏡
7 CCDカメラ
8 パソコン
9 カバー
10 補正用光学素子
21 触針式形状測定機
22 触針
31 コマ補正光学素子
32 自由曲面(被検面)
33 自由曲面プリズムの型
34 フィゾー型干渉計
35 シリンドリカルレンズ
36 光路
37、38 球面レンズ
39、40 レンズ
41、42 球面レンズ
Claims (5)
- 非球面形状を有する被検面の形状を解析する手法において、
各測定点における前記非球面形状の低次の収差成分のみを含む参照波面を生成する干渉計を用いて、被検面の形状の参照波面からのずれ量を2次元的に測定する工程と、
前記工程によって測定された前記被検面の形状の参照波面からのずれ量の形状に対して多項式によりフィッティングを行い、緩やかに変化する形状を算出する工程と、
前記被検面の形状の参照波面からのずれ量の形状から前記緩やかに変化する形状を算出する工程によって算出された緩やかに変化する形状を差し引く工程と、
を有することを特徴とする被検面上のうねり成分を抽出する測定手法。 - 前記干渉計により干渉縞を取り込む撮像系の分解能が、光学系の回折限界により決まる分解能を上回る請求項1に記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法。
- 前記緩やかに変化する形状を算出する工程は、
前記被検面の形状の参照波面からのずれ量に基づいて、多項式によるフィッティングを行い形状誤差成分を算出する工程である請求項1または2に記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法。 - 前記干渉計に用いる参照波面は非点収差成分を含む請求項1から3に記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法。
- 前記干渉計に用いる参照波面はコマ収差成分を含む請求項1から3に記載の被検面上のうねり成分を抽出する測定手法。
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