JP3852717B2 - 部品供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
【0002】
発明の属する技術分野
従来の技術(図9)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)部品振込部の構成(図1)
(2)部品振込部による部品の循環工程(図2〜図6)
(3)実施例の動作及び効果
(4)他の実施例(図7〜図8(B))
発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明は部品供給装置に関し、例えばねじ又はピン等の部品を供給する部品供給装置に適用して好適なものである。
【0004】
【従来の技術】
従来、この種の部品供給装置においては、図9に示すような構成のものがある。すなわち図9において1は全体として部品供給装置を示し、本体2上部の一端側には外部から供給対象としての複数の部品(図示せず)が順次投入される部品振込部3が設けられている。
【0005】
部品振込部3は、支持部材4を介して本体2に支持されると共に外部から複数の部品が投入されるホツパ5と、当該ホツパ5から振り込まれた部品を整列用トレイ6上に整列する部品整列部7と、当該部品整列部7を通過した余剰の部品を受け入れるリフタ8とから構成されている。
【0006】
このホツパ5は、一端に供給口(図示せず)が形成された箱型状のシユータ9と、当該供給口付近の部品の量を調整するためのシヤツタ10とからなる。シユータ9は、外部から順次投入される部品を保持すると共に、当該シユータ9の供給口まで部品が滑り落ちるように所定の傾斜角を有する傾斜面9Aが形成されている。このシユータ9の下端部にはバイブレータ11が一体に取り付けられ、当該バイブレータ11の振動がシユータ9全体に伝わり、シユータ9内の部品の滑りを良くするようになされている。
【0007】
またシヤツタ10は、シユータ9の傾斜面9Aに形成された貫通穴(図示せず)を介してシリンダ12の駆動制御によつて昇降移動するようになされ、シユータ9の供給口まで滑り落ちた部品を定量的に制御する堰としての役割を果たすようになされている。このように、バイブレータ11でシユータ9を振動させながら、シヤツタ10で部品の供給量を制御することにより、ホツパ5から部品整列部7に複数の部品が定量的に振り込まれる。
【0008】
部品整列部7は、一面側に整列用トレイ6が保持されると共に他面側にバイブレータ13が取り付けられたスロープ14を有し、当該スロープ14及び整列用トレイ6上にホツパ5から部品が振り込まれるようになされている。この場合、バイブレータ13の振動によつてスロープ14及び整列用トレイ6上にある複数の部品のうち所定数の部品が、整列用トレイ6の表面に所定ピツチで形成された整列穴6Aにそれぞれ入り込まれる。
【0009】
ここで整列用トレイ6の整列穴6Aに入らなかつた余剰の部品は、スロープ14の下端に位置する箱型状のリフタ8に送り出され、当該リフタ8は図示しない昇降機構によつてホツパ5の上方まで昇降移動される。またリフタ8は、支軸8Aによつて回転自在に支持されており、部品を受け入れた状態でホツパ5の上方側に上昇したとき、支軸8Aを中心として所定角度回転することにより、部品を再度ホツパ5内に戻すようになされている。
【0010】
次に部品が配列された整列用トレイ6は、トレイ搬送装置15によつて部品整列部7からロボツトアーム16の近傍まで搬送された後、所定位置に位置決めされる。続いてロボツトアーム16はその先端に設けられたピツクアツプヘツド16Aを用いて整列用トレイ6上に配列された部品を順次拾い上げ、コンベア17上を流れるプラテン18上にマウントすることにより所定の組立て動作を行う。なお、機種の切換えの際にはその機種に対応した整列用トレイに交換すると共に、ホツパを通じて別の種類の部品を供給することにより行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の部品供給装置1の部品振込部3においては、ホツパ5から部品整列部7に供給された複数の部品のうち、整列用トレイ6の整列穴6Aに入らなかつた余剰の部品はリフタ8に収納しておくようになされている。従つて、リフタ8をホツパ5の上方まで昇降移動させた後、当該リフタ8に収納された複数の部品を再度シユータ9に投入するまでの間、ホツパ5から部品整列部7への部品の供給を一時的に停止させなければならなかつた。
【0012】
このため部品振込部3の作動を停止させるのみならず、部品供給装置1全体の作動も停止させることとなり、装置全体としての稼働率が低減するという問題があつた。
【0013】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、装置全体の稼働率を向上させ得る部品供給装置を提案しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ホツパ内に投入された複数の部品を当該ホツパから所定のトレイ上に複数ずつ振り込んで整列させて供給すると共に、トレイから外れた余剰の部品を再度ホツパ内に戻すようになされた部品供給装置において、トレイを所定の傾斜角で保持すると共に、当該トレイから外れた余剰の部品を下流側に送出させるトレイ保持手段と、トレイ保持手段から送出される部品を一時収納する一時収納部と余剰の部品を下流側に送出させる開口部とを有する一時収納手段と、一時収納手段から送出される部品を収納する収納部と当該収納部を一時収納手段及びホツパ間で移動させる駆動部とを有する搬送手段とを設け、搬送手段の収納部は、一時収納手段と近接する位置にあるとき一時収納手段から送出される部品を収納すると共に一時収納手段と係合し、一時収納手段からホツパに移動する際に一時収納手段との係合が離脱して、ホツパと近接する位置にあるとき収納した部品を当該ホツパに戻すようになされ、一時収納手段は、トレイ保持手段に対して回転自在に設けられていると共に、搬送手段の収納部と係合することで当該収納部によつて回転するようになされ、搬送手段の収納部との係合時にはトレイ保持手段から送出される部品が開口部から下流側に送出し得るように傾いた第1の回転位置にあることで下流側となる当該搬送手段の収納部に開口部から部品を送出し、搬送手段の収納部との係合離脱時にはトレイ保持手段から送出される部品が開口部から下流側に送出し得ないように傾いた第2の回転位置にあると共にトレイ保持手段からの部品を一時収納部に一時収納するようにした。
【0016】
このように、ホツパからトレイ保持手段に供給された複数の部品のうち、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品を、一時収納手段の開口部から搬送手段の収納部に送出して、搬送手段の収納部が一時収納手段からホツパまで移動することで余剰の部品を再度ホツパ内に戻す。またこの収納部の移動時、一次収納手段が収納部と係合してこの収納部によつて回転することで、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品を開口部から収納部に送出せずに、一時収納部に一時収納するようにした。この結果、搬送手段の収納部がホツパに移動している間、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品が一時収納手段の一時収納部に一時収納されるので、ホツパからトレイ保持部への部品の供給を停止することなく連続的に行うことができ、また、一時収納手段が搬送手段の収納部と係合してこの収納部によつて回転するようにしたことにより、収納部の移動と一次収納手段の回転とを別々に駆動制御する必要がない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0018】
(1)部品振込部の構成
図9との対応部分に同一符号を付した図1は、実施例による部品供給装置の部品振込部20を示す。なお実施例における部品供給装置は、図9に示す従来の部品供給装置1とは部品振込部20の構成が異なることを除いて同一の構成からなる。
【0019】
この部品振込部20は、本体2上部に固設された一対の支持部材21及び22の上端部間に部品勾配送出部23が挟着され、当該部品勾配送出部23を介して部品整列部24及び部品収納部25がそれぞれ支持部材21及び22に軸支された固定軸26及び27を回転中心として矢印aで示す方向又はこれとは逆方向に所定角度回転し得るように係合されている。
【0020】
さらに部品2の端部には部品収納部25と分離自在に係合する部品回収部28が設けられている。なお、これら部品勾配送出部23、部品整列部22及び部品収納部25の上方所定位置には、ホツパ5が図示しない支持部材を介して本体2に支持されている。
【0021】
部品整列部24は、上段のトレイ配置部24Aと下段の振動保持部24Bとを有する。このトレイ配置部24Aは、上面に整列用トレイ6が保持されると共に下面にバイブレータ(図示せず)が設けられている。また振動保持部24Bは、一端に固定軸26が軸支されかつ他端に固定部材29が取り付けられている。またトレイ配置部24A及び振動保持部24B間には、コイルばね30が介挿され、バイブレータの振動によつてトレイ配置部24Aが振動すると同時に、当該トレイ配置部24Bの振動がコイルばね30によつて吸収されるようになされている。
【0022】
部品勾配送出部23は、その底面が水平面に対して所定の傾斜角(例えば30〔°〕)を有するように支持部材21及び22間に狭着され、部品整列部24のトレイ配置部24Aから供給される余剰の部品がそのまま下流の部品収納部25に送出されるようになされている。
【0023】
部品収納部25は、固定軸27に軸支されたバケツト部31を有し、当該バケツト部31の両側面には略U字状の係合部材32及び33が固着されている。これら係合部材32及び33と対応する支持部材21及び22との間には、それぞれコイルばね34及び35が張架されている。
【0024】
また部品回収部28は、固定金具36を介して本体2の端部に固定して取り付けられたシリンダ37を有し、当該シリンダ37の駆動軸37Aの先端には、断面コ字状でなるリフタ保持部材38が固設されている。
【0025】
このリフタ保持部材38の側壁部38A及び38B間にはリフタ40が挟まれると共に、当該リフタ40は側壁部38A及び38B間に軸支された支軸39を回転中心として矢印bで示す方向又はこれとは逆方向に回転自在に支持されている。これによりシリンダ37の駆動に応じてリフタ保持部材38はリフタ40と一体となつて矢印zで示す方向又はこれとは逆方向に昇降移動する。
【0026】
またリフタ40の下側両側面には、一端にコロ41及び42が設けられると共に他端に支軸39が係合された揺動アーム40A及び40Bが、それぞれ本体2側及び外方側に突出するように固着されている。この場合、リフタ40本体と当該リフタ40本体に固着された揺動アーム40A及び40Bとの間に、リフタ保持部材38の側壁部38A及び38Bが挟まれている。また揺動アーム40A及び40Bは、それぞれ部品収納部25のバケツト部31に固着された係合部材32及び33と分離自在に係合され得るように、リフタ40本体の所定位置に固着されている。
【0027】
なおホツパ5におけるシユータ9の端部には、両側外方に張り出すように当接部材43及び44が設けられ、それぞれ揺動アーム40A及び40Bの一端に設けられたコロ41及び42と接触し得るようになされている。
【0028】
(2)部品振込部による部品の循環工程
ここで図2〜図6において、ホツパ5から部品振込部20の部品整列部24に供給された複数の部品のうち、当該部品整列部24内に保持された整列用トレイ6から外れた余剰の部品を再度ホツパ5内に戻すまでの循環工程を示す。
【0029】
図2に示すように、部品回収部28では、シリンダ37の駆動制御によりリフタ40に固着された揺動アーム40A及び40Bが本体2近傍の所定位置に位置決めされている(以下、このときのリフタ40及び部品収納部25のバケツト部31の位置を共に第1の位置と呼ぶ)。
【0030】
この第1の位置においては、部品収納部25のバケツト部31は、その両側面に固着された係合部材32及び33が対応するコイルばね34及び35の付勢に応じて本体2側に引つ張られるため、当該係合部材32及び33の一端部32A及び33Aが揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42とそれぞれ当接し、固定軸27に対して所定角度で固定保持される。
【0031】
このときの固定軸27に対するバケツト部31の傾斜角度は、バケツト部31の底面31Aが部品勾配送出部23の底面23Aと所定間隔を保つてほぼ平行関係(すなわち水平面に対して30〔°〕)を有するように第1の位置が予め設定されている。
【0032】
この第1の位置において、複数の部品がホツパ5から部品整列部24に定量的に振り込まれる際には、図3に示すように、部品整列部24内の整列トレイ6から外れた余剰の部品は、部品整列部24のトレイ配置部24Aの配置面24AXに沿つて下流側の部品勾配送出部23の受入口23Bに送出される。
【0033】
この部品勾配送出部23の受入口23Bに送り込まれた部品は、底面23Aに沿つてそのまま下流側の部品収納部25のバケツト部31に送出される。この部品勾配送出部23には、断面略ヘの字状でなる折り曲がり部材23Cが上端所定位置に設けられ、これにより折れ曲がり部材23Cと底面23Aとの間を通過する部品が部品勾配送出部23の外に飛散するのを防止することができる。
【0034】
また部品収納部25のバケツト部31は、第1の位置における部品勾配送出部23の底面23Aに沿う部分には開口部31Bが形成されると共に、当該開口部31Bを除く部品勾配送出部23の底面23Aとの対向部分には収納部31Cが形成されている。この場合、部品勾配送出部23から送り込まれた部品は、バケツト部31の開口部31Bを介して底面31Aに接触し、そのまま当該底面31Aに沿つて下流側の部品回収部28のリフタ40内に送出される。
【0035】
なおリフタ40には、第1の位置においてバケツト31と連通するための開口部40Cが形成されると共に、当該バケツト31から送出された部品を収納するための収納部40Dが形成されている。
【0036】
続いて部品回収部28においては、シリンダ37を駆動制御することによりリフタ40を図2の矢印zで示す方向に上昇移動させる。このときリフタ40の上昇移動に応じて当該リフタ40に固着された揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が、バケツト部31の両側面に固着された係合部材32及び33の一端部32A及び33Aをそれぞれ押し上げることから、バケツト部31は固定軸27を回転中心として図2の矢印aで示す方向に回転移動する。
【0037】
因みにこの場合、リフタ40はリフタ保持部材38の側壁部38A及び38B間に軸支された支軸39を回転中心として回転自在に支持されているが、揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が対応する係合部材32及び33と当接したとき、リフタ40が支軸39を回転中心として回転しないようにする必要がある。このため、リフタ40の支軸39に対する回転摩擦力の方が、コイルばね34及び35の付勢力よりも大きくなるように、予め当該コイルばね34及び35の付勢力が調整されている。
【0038】
この結果、図4に示すように揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42は、対応する係合部材32及び33から分離すると共に、バケツト部31は底面部31Aが水平面に対してほぼ垂直な位置に保たれる(以下、このときのバケツト31Aの位置を第2の位置と呼ぶ)。
【0039】
バケツト部31の両側面に固着された係合部材32及び33が対応するコイルばね34及び35の付勢に応じて部品勾配送出部23側に引つ張られるが、第2の位置においては、係合部材32及び33が対応する支持部材21及び22の所定位置とそれぞれ当接することから、バケツト部31はこのような第2の位置に固定保持され得る。
【0040】
この第2の位置において、複数の部品がホツパ5から部品整列部24に定量的に振り込まれる際には、図5に示すように、部品整列部24内の整列トレイ6から外れた余剰の部品は、部品整列部24のトレイ配置部24Aの配置面24AXに沿つて下流側の部品勾配送出部23の受入口23Bに送出される。
【0041】
この部品勾配送出部23の受入口23Bに送り込まれた部品は、底面23Aに沿つてそのまま下流側の部品収納部25のバケツト部31に送出され、当該バケツト部31の開口部31Bを通過して収納部31Cに収納される。
【0042】
因みに、支持部材21及び22に設けられる固定軸27の配置箇所は予め設定され、第2の位置におけるバケツト部31の底面31Aと部品勾配送出部23の底面23A端部との間に部品が挟み込まれない程度の隙間g(図5)が形成されている。
【0043】
また、シリンダ37の駆動によつてリフタ40とバケツト部31との連通接続を解除するようにしたこと、つまりバケツト部31が第2の位置にくるまでは後方にリフタ40が必ず連通しているように溝カム(係合部材)32が構成されていることにより、部品勾配送出部23からバケツト部31に送出された部品は、シリンダ37の駆動中すなわちバケツト部31の回転移動中であつても、バケツト部31の底面31Aの水平面に対する傾斜角に応じてリフタ40の収納部40D又はバケツト部31の収納部31Cのいずれか一方に収納される。
【0044】
この後、部品回収部28においては、さらにシリンダ37を駆動制御することによりリフタ40を図4の矢印zで示す方向に上昇移動させると、図6(A)に示すようにリフタ40に固着された揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が、ホツパ5のシユータ9の両端部に設けられた当接部材43及び44にそれぞれ当接する。
【0045】
続いてさらにシリンダ37を駆動制御することによつてリフタ40を矢印zで示す方向に上昇移動させると、シリンダ37の駆動軸37に設けられたリフタ保持部材38のみが上昇移動すると共に、リフタ40は、揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が対応する当接部材43及び44に当接したまま、当該コロ41及び42の車軸41A及び42Aを回転中心として矢印cで示す方向に回転移動する(図6(B))。
【0046】
このときリフタ40は支軸39に対して回転自在に取り付けられているため、リフタ保持部38の上昇移動に応じてリフタ40はリフタ保持部材38に対して矢印bで示す方向にも同じ角度だけ回転移動することとなる(図6(B))。この結果、リフタ40の開口部40Cがシヤツタ9の投入口と連通接続されると共に、当該開口部40Cが水平面に対してほぼ平行な位置に保たれる(以下、このときのリフタ40の位置を第3の位置と呼ぶ)。
【0047】
この第3の位置においては、リフタ40の収納部40Dに収納されている部品は、開口部40Cを介してシヤツタ9の投入口に投入される。このようにしてホツパ5から部品整列部24に振り込まれた複数の部品のうち整列用トレイ6から外れた余剰の部品を再度ホツパ5内に戻すことができる。
【0048】
この後、部品回収部28において、シリンダ37を駆動制御することによりリフタ保持部38を図6(B)の矢印zで示す方向とは逆方向に下降移動させると、第3の位置におけるリフタ40は、揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が対応する当接部材43及び44に当接したまま、当該コロ41及び42の車軸41A及び42Aを回転中心として矢印cで示す方向とは逆方向に回転移動すると共に、リフタ保持部材38に対しても矢印bで示す方向とは逆方向に同じ角度だけ回転移動する(図6(A))。
【0049】
続いてさらにシリンダ37を駆動制御することによつてリフタ40を矢印zで示す方向とは逆方向に第1の位置まで下降移動させると、揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42が、対応する係合部材32及び33の他端部32B及び33Bをそれぞれ押し下げることから、第2の位置にあるバケツト部31は固定軸27を回転中心として図4の矢印aで示す方向とは逆方向に回転移動する。
【0050】
この結果、図2に示すように、バケツト部31も、揺動アーム40A及び40B先端のコロ41及び42、対応する係合部材32及び33の一端部32A及び33Aとそれぞれ当接された第1の位置に固定保持される。以下、同様にシリンダ37の駆動に応じてリフタ40を上昇移動及び下降移動を順次繰り返すことにより、整列用トレイ6から外れた余剰の部品が、部品整列部24、部品勾配送出部23、部品収納部25、部品回収部28及びホツパ5と循環して送り込まれる。
【0051】
(3)実施例の動作及び効果
以上の構成において、この部品振込部20では、ホツパ5から部品整列部24に複数の部品が定量的に振り込まれている状態で、部品収納部25のバケツト部31がリフタ40と係合する第1の位置にあるとき、部品整列部24内の整列用トレイ6から外れた余剰の部品は、下流側にある部品勾配送出部23及び続くバケツト部31を通過してそのままリフタ40内に収納される(図2及び図3)。
続いて、リフタ40内に余剰の部品が所定量収納された時点で、シリンダ37を駆動させてリフタ40を上昇移動させることにより、当該リフタ40と係合が分離されたバケツト部31は第2の位置に回転移動され、余剰の部品はバケツト部31内に収容される(図4及び図5)。さらにリフタ40を上昇移動させてホツパ5に係合させながら(図6(A))、当該リフタ40を第3の位置に回転移動させる(図6(B))。
【0052】
この第3の位置においてリフタ40内の部品をホツパ5内に戻した後、シリンダ37を駆動させてリフタ40を回転及び下降移動させることにより、第2の位置にあるバケツト部31がリフタ40と係合して第1の位置まで回転移動される(図4及び図2)。このときリフタ40も第1の位置まで下降移動されるため、部品整列部24内の整列用トレイ6から外れた余剰の部品が、下流側にある部品勾配送出部23及び続くバケツト部31を通過してリフタ40に収納される(図3)。
【0053】
このようにホツパ5から部品振込部20の部品整列部24に供給された複数の部品のうち、当該部品整列部24内に保持された整列用トレイ6から外れた余剰の部品を部品整列部24、部品勾配送出部23、部品収納部25及び部品回収部28を経由して再度ホツパ5内に戻すような循環動作をシリンダ37の駆動制御のみに基づいて行うことができる。かくて部品回収部28からホツパ5に部品が供給されるまでの間、当該ホツパ5から部品整列部24への部品の供給を一時的に停止する必要がなくて済む。
【0054】
以上の構成によれば、部品振込部20において、部品整列部24の後段に固定された部品勾配送出部23に対して回転自在に部品収納部25を設けると共に、シリンダ37の駆動に応じて部品収納部25及びホツパ5と分離自在に係合する部品回収部28を設けたことにより、部品回収部28からホツパ5に部品が供給されるまでの間、当該ホツパ5から部品整列部24への部品の供給を一時的に停止する必要がなくて済み、かくして部品振込部20の作動を停止させることなく、装置全体としての稼働率を向上させることができる。
【0055】
(4)他の実施例
なお上述の実施例においては、第2の位置における部品収納部25のバケツト部31は、図4及び図5に示すように、その両側面に固着された係合部材32及び33が対応するコイルばね34及び35の付勢に応じて部品勾配送出部23側に引つ張られると共に、係合部材32及び33が対応する支持部材21及び22の所定位置とそれぞれ当接されることによつて固定保持されているが、本発明はこれに限らず、図7に示すように支持部材21及び22の所定位置にそれぞれシリンダ50及び51を設け、当該シリンダ50及び51の駆動に応じて第2の位置におけるバケツト部31を駆動方向に移動させることにより、部品勾配送出部23の底面23Aの端部とバケツト部31の底面31Aとの間における部品の挟み込みを回避し得るようにしても良い。
【0056】
この場合、図7(B)に示すように部品勾配送出部23内部にはリミツトセンサ52が取り付けられ、当該部品勾配送出部23の底面23Aの端部とバケツト部31の底面31Aとの間の隙間gに挟み込まれた部品を検出するようになされている。
【0057】
またシリンダ50及び51の駆動軸50A及び51Aは、第2の位置におけるバケツト部31と当接した状態に位置決めされ(図7(A))、この状態においてリミツトセンサ52が部品の挟み込みを検出したとき、シリンダ50及び51が駆動制御され、当該シリンダ50及び51の駆動軸50A及び51Aが矢印pで示す方向に突出してバケツト部31を押し出すことから、バケツト部31は固定軸27を回転中心として矢印aで示す方向とは逆方向に駆動軸50A及び51Aの駆動に応じて回転移動する。
【0058】
これにより第2の位置において、部品勾配送出部23の底面23Aの端部とバケツト部31の底面31Aとの間の隙間gであつたのが、図7(B)に示すように隙間g′まで拡張され、この結果、当該隙間g′を部品が通過することにより部品の挟み込みを回避することができる。
【0059】
また上述の実施例においては、部品勾配送出部23は、その底面が水平面に対して30〔°〕の傾斜角を有するように支持部材21及び22間に狭着されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、部品勾配送出部23の傾斜角は部品整列部24及びバケツト部31間で部品を送出し得る程度の角度であれば30〔°〕以外の所定角度に設定するようにしても良い。この場合、固定軸27に対するバケツト部31の傾斜角度(すなわち第1の位置)も、バケツト部31の底面31Aが部品勾配送出部23の底面23Aと所定間隔を保つてほぼ平行関係を有するように設定すれば良い。
【0060】
さらに上述の実施例においては、トレイ保持手段として図1に示すような部品整列部24と勾配送出手段としての部品勾配送出部23とからなる構成のものを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、トレイ保持手段としてはその他種々の構成のものを適用しても良い。
【0061】
さらに上述の実施例においては、一時収納手段として図2に示すような部品収納部25を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一時収納手段としては例えばシヤツタ(図示せず)等、その他種々の構成のものを適用しても良い。
【0062】
さらに上述の実施例においては、搬送手段として図6(A)及び(B)に示すような部品回収部28を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送手段としてはその他種々の構成のものを適用しても良い。
【0063】
すなわち上述の実施例における部品回収部28では、リフタ40は、その下側両側面に固着された揺動アーム40A及び40Bと一体となつて、リフタ保持部材38の側壁部38A及び38B間に軸支された支軸39を回転中心として回転し得るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図2との対応部分に同一符号を付した図8(A)及び(B)に示すような部品回収部60を用いるようにしても良い。
【0064】
この場合、部品回収部60のリフタ61は、その下側面の一方にのみ揺動アーム61Aが固着され、当該揺動アーム61Aの先端にはコロ42が設けられている(図8(B))。このリフタ61は、揺動アーム61Aと一体となつてリフタ保持部材62の側壁部62A及び62B間に軸支された支軸63を回転中心として回転自在に支持されている。
【0065】
またリフタ保持部材62の側壁部62Aには、外方に突出する突出アーム62AXが一体成形され、当該突出アーム62AXの先端にはコロ41が設けられている(図8(A))。さらにこのような部品回収部60の構成に対応して、一時収納手段としての部品収納部65では、バケツト部31の一側面にのみ係合部材32が固着されると共に、当該係合部材32及び支持部材21間にはコイルばね34が張架されている(図8(A))。
【0066】
さらに図示しないが、ホツパ5におけるシユータ9の端部の一側面側にのみ当接部材が設けられ、揺動アーム61A先端のコロ42(図8(B))と接触し得るようになされている。
【0067】
ここで、まずバケツト部31とリフタ61を係合させる場合には、シリンダ37の駆動に応じてリフタ保持部62を上昇移動させることにより、当該リフタ保持部62に固着された突出アーム62AX先端のコロ41が、第1の位置におけるバケツト部31に固着された係合部材32の一端部32Aを押し上げる。この結果、コイルばね34の付勢力も伴つて、バケツト部31は固定軸27を回転中心として回転移動されて第2の位置に位置決めされる。
【0068】
続いてリフタ61をホツパ5と係合させる場合には、さらにシリンダ37を駆動することによつてリフタ61を上昇移動させることにより、リフタ61に固着された揺動アーム61A先端のコロ42がホツパ5のシユータ9と当接しながらコロ42の車軸42Aを回転中心として回転移動する。この結果、リフタ61はリフタ保持部62に対して回転移動して第3の位置に位置決めされる。
【0069】
これに対して、リフタ61をホツパ5と係合分離させる場合には、シリンダ37を駆動することによつてリフタ保持部62を下降移動させることにより、第3の位置におけるリフタ61は、揺動アーム61A先端のコロ42がホツパ5のシユータ9と当接しながらコロ42の車軸42Aを回転中心として回転移動する。この結果、リフタ61はリフタ保持部62に対して回転移動して係合前の位置に戻される。
【0070】
さらにシリンダ37を駆動してリフタ保持部62を下降移動させると、リフタ保持部62に固着された突出アーム62AX先端のコロ41が、第2の位置におけるバケツト部31に固着された係合部材32の一端部32Aを押し下げる。この結果、コイルばね34の付勢力も伴つて、バケツト部31は固定軸27を回転中心として回転移動されてリフタ61から係合分離されて第1の位置に戻される。
【0071】
このようにバケツト部31及びリフタ61間の係合及びその分離を、バケツト部31に固着された係合部材32とリフタ保持部62に固着された突出アーム62AXとの接触分離によつて行うようにしたことにより、上述の実施例の場合よりもバケツト部31及びリフタ61間を機構的に安定した状態で確実に係合及び分離させることができる。
【0072】
さらに上述の実施例においては、供給対象としての部品をねじ又はピン等でなる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、部品は種々のものに広く適用し得る。
【0073】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ホツパからトレイ保持手段に供給された複数の部品のうち、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品を、一時収納手段の開口部から搬送手段の収納部に送出して、搬送手段の収納部が一時収納手段からホツパまで移動することで余剰の部品を再度ホツパ内に戻し、またこの収納部の移動時、一次収納手段が収納部と係合してこの収納部によつて回転することで、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品を開口部から収納部に送出せずに、一時収納部に一時収納するようにした。この結果、搬送手段の収納部がホツパに移動している間、トレイ保持手段のトレイから外れた余剰の部品が一時収納手段の一時収納部に一時収納されるので、ホツパからトレイ保持部への部品の供給を停止することなく連続的に行うことができ、また、一次収納手段が搬送手段の収納部と係合してこの収納部によつて回転するようにしたことにより、収納部の移動と一次収納手段の回転とを別々に駆動制御する必要がなく、かくして、一段と簡易な構成で、装置全体の稼働率を向上させ得る部品供給装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による部品振込部の構成の一実施例を示す側面図である。
【図2】実施例による部品振込部の動作状態を示す側面図である。
【図3】実施例による部品振込部の動作状態を示す部分的断面図である。
【図4】実施例による部品振込部の動作状態を示す側面図である。
【図5】実施例による部品振込部の動作状態を示す部分的断面図である。
【図6】実施例による部品回収部の動作状態を示す側面図である。
【図7】他の実施例による部品振込部の動作状態を示す側面図及び部分的断面図である。
【図8】他の実施例による部品回収部の構成を示す側面図である。
【図9】従来の部品供給装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……部品供給装置、2……本体、3、20……部品振込部、5……ホツパ、6……整列用トレイ、7、24……部品整列部、9……シユータ、15……トレイ搬送装置、16……ロボツトアーム、17……コンベア、21、22……支持部材、23……部品勾配送出部、23C……折り曲がり部材、24A……トレイ配置部、25、65……部品収納部、26、27……固定軸、28、60……部品回収部、31……バケツト部、32、33……係合部材、37……シリンダ、38、62……リフタ保持部材、40、61……リフタ、40A、40B……揺動アーム、43、44……当接部材。

Claims (3)

  1. ホツパ内に投入された複数の部品を当該ホツパから所定のトレイ上に複数ずつ振り込んで整列させて供給すると共に、上記トレイから外れた余剰の部品を再度上記ホツパ内に戻すようになされた部品供給装置において、
    上記トレイを所定の傾斜角で保持すると共に、当該トレイから外れた余剰の上記部品を下流側に送出させるトレイ保持手段と、
    上記トレイ保持手段から送出される上記部品を一時収納する一時収納部と余剰の上記部品を下流側に送出させる開口部とを有する一時収納手段と、
    上記一時収納手段から送出される上記部品を収納する収納部と当該収納部を上記一時収納手段及び上記ホツパ間で移動させる駆動部とを有する搬送手段とを具え、
    上記搬送手段の収納部は、上記一時収納手段と近接する位置にあるとき上記一時収納手段から送出される上記部品を収納すると共に上記一時収納手段と係合し、上記一時収納手段から上記ホツパに移動する際に上記一時収納手段との係合が離脱して、上記ホツパと近接する位置にあるとき収納した上記部品を当該ホツパに戻すようになされ、
    上記一時収納手段は、上記トレイ保持手段に対して回転自在に設けられていると共に、上記搬送手段の収納部と係合することで当該収納部によつて回転するようになされ、上記搬送手段の収納部との係合時には上記トレイ保持手段から送出される上記部品が上記開口部から下流側に送出し得るように傾いた第1の回転位置にあることで下流側となる当該搬送手段の収納部に上記開口部から上記部品を送出し、上記搬送手段の収納部との係合離脱時には上記トレイ保持手段から送出される上記部品が上記開口部から下流側に送出し得ないように傾いた第2の回転位置にあると共に上記トレイ保持手段からの上記部品を上記一時収納部に一時収納するようにした
    ことを特徴とする部品供給装置。
  2. 上記搬送手段の収納部は、上記ホツパと近接する位置にあるとき上記ホツパと係合し、当該ホツパとの係合時に収納した上記部品を上記ホツパ内に投入する
    ことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
  3. 上記トレイ保持手段は、上記一時収納手段と連通されかつ水平面に対して所定の勾配面を有する勾配送出手段を具えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
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