JP3851840B2 - コネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具 - Google Patents
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Description
【0001 】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをコネクタ離脱用治具を用いて離脱させるコネクタの離脱構造と、前記コネクタ離脱用治具とに関する。
【0002 】
【従来の技術】
図7は、従来より一般的に知られているレバー嵌合式コネクタを示す斜視図である。レバー嵌合式コネクタAは相嵌合する一対のコネクタハウジング101とコネクタハウジング102とから成り、一方のコネクタハウジング101の外周壁101aには、嵌合、離脱の操作を行うレバー103が回動自在に設けられている。
【0003 】
コネクタハウジング101は、合成樹脂材の成形加工により形成されており、図8に示される如く、外周壁101aの内側には複数の端子収容室104が形成されている。また、コネクタハウジング101には、スペーサ105が嵌着するようになっており、端子収容室104内に収容された端子金具(図示せず)の抜けが防止されている。端子収容室104の後方には、電線挿入筒部106が連設されている。
【0004 】
外周壁101aの両側には、レバー103を回動自在に支持するための支持突起107が設けられている。また、外周壁101aの両側中間部には、外周壁101aの嵌合側縁部101bから支持突起107に向けて切り込まれた導入溝108が開口形成されている。外周壁101aの後端(電線挿入口101b側)上下には、支持突起107と導入溝108とを結ぶ線に対し対称となる位置に、くさび形の係止突起109、109′が先端109a、109a′を斜め後方に向けて対向するように付設されている。
【0005 】
他方のコネクタハウジング102は、コネクタハウジング101と同様に合成樹脂材の成形加工により形成されており、その内部にはコネクタハウジング101内の端子金具と嵌合する複数の端子金具110が収容されている。また、周壁102aの両側には、被駆動ピン111が突設されている。
【0006 】
レバー103は、両側の支承部103a、103a間を操作部103bで連結した、ほぼ門型の形状に形成されている。そして、支承部103aに設けられた孔112をコネクタハウジング101の支持突起107に嵌入することにより、コネクタハウジング101に対し支持突起107を軸として回動可能に装着されている。
【0007 】
レバー103の支承部103aの内側には、カム溝113が設けられており、操作部103bのほぼ中央部内側には、二本の可撓係止腕114、114が付設されている。可撓係止腕114は、それぞれほぼL字形に形成されており、自由端部114aを操作部103b方向へ向け、基部114aがレバー103の操作部103bに結合されている。自由端部114b相互間には、板状の係止部115が架設されている。
【0008 】
次に、双方のコネクタハウジング101、102を嵌合する際のレバー103の操作とロック機構について説明する。尚、コネクタハウジング101には、二つの係止突部109、109′が設けられているが、一方の係止突部109にレバー103をロックする場合について説明する。
【0009 】
図9に示されるように、他方のコネクタハウジング102を一方のコネクタハウジング101に接近させ、他方のコネクタハウジング102の被駆動ピン111を、一方のコネクタハウジング101の導入溝108内に導入してレバー103のカム溝113内に位置させる。そして、この状態でレバー103を矢印方向へ回動させると、被駆動ピン111がレバー103のカム溝113に沿って一方のコネクタハウジング101内に進入し、双方のコネクタハウジング101と102が互いに嵌合する。
【0010 】
このとき、図10に示されるように、レバー103に設けられた可撓係止腕114の係止部115が、一方のコネクタハウジング101の係止突部109の斜面部109bに当接する。さらに、レバー103を矢印方向へ回動させて行くと、図11に示されるように、可撓係止腕114が撓み、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aに接近する。
【0011 】
矢印方向へのレバー103の回動を継続すると、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aを乗り越える。係止端115aが係止突部109を乗り越えると、上方へ撓んでいた可撓係止腕114がそれ自体の弾性力により復元し、図12に示されるように、係止部115の係止端115aが係止突部109の下側に係合し、レバー103が一方のコネクタハウジング101にロックされる。
【0012 】
その後、レバー103のロックを解除する際には、図13に示されるように、可撓係止腕114の係止部115とレバー103の操作部103bとを手指で閉じるように摘むと、可撓係止腕114が上方へ撓み、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aから外れ、レバー103が回動可能となる。そして、図13の矢印方向へレバー103を回動させれば、嵌合操作の逆操作が行われ、レバー103のカム溝113に沿って被駆動ピン111が移動し、一方のコネクタハウジング101から他方のコネクタハウジング102が離脱する。
【0013 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術にあっては、図13の矢印方向へレバー103を回動させることにより、小さな力で一方のコネクタハウジング101と他方のコネクタハウジング102との離脱を行うことができるようなっている。これは近年、ワイヤハーネスのリサイクルにおいて効率よく解体するという点に対し効果的である。
【0014 】
しかしながら、レバー103を設けることにより、一方のコネクタハウジング101毎の構成部品点数の増大につながり、コネクタ全体の構造も複雑化してしまうという問題点を有している。また、レバー103の回動によりその回動範囲内のスペースが占有され、その結果、大型なコネクタになってしまうという問題点も有している。
【0015 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具を提供することを課題とする。
【0016 】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明のコネクタの離脱構造は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをコネクタ離脱用治具を用いて離脱させるコネクタの離脱構造であって、前記第一コネクタの第一コネクタハウジングは、該第一コネクタハウジングの前後方向後部側に押圧操作部を形成し且つ中間に第一係止部を形成し且つ前記押圧操作部と前記第一係止部との間に前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方に傾斜するロック解除補助テーパ面を形成した可撓性のあるロックアームと、前記左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出した引き抜き補助リブとを有し、前記第二コネクタの第二コネクタハウジングは、前記第一係止部が係合可能となる第二係止部と、前記第二コネクタハウジングにおける前記左右方向の少なくとも一方側に形成したスリットとを有し、前記コネクタ離脱用治具は、前記ロック解除補助テーパ面を乗り越えて前記押圧操作部と前記第一係止部との間を押圧する押圧部と、前記引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパとを有し、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合状態からこれらを離脱させる際には、前記コネクタ離脱用治具を前記スリットに差し込んで前記押圧操作部と前記第一係止部との間を前記押圧部で押圧し前記第一係止部と前記第二係止部との係合を解除するとともに、該係合の解除をしたままで前記引き抜き補助リブに当接した前記引き抜き補助テーパを摺動させることを特徴としている。
【0017 】
請求項2記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1に記載のコネクタの離脱構造において、前記コネクタ離脱用治具の前記押圧部の先端に、前記ロック解除補助テーパ面に対応するテーパを形成することを特徴としている。
【0018 】
請求項3記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1又は請求項2に記載のコネクタの離脱構造において、前記引き抜き補助リブの突出先端位置を、嵌合前の前記ロックアームの前記押圧操作部の位置よりも高く設定することを特徴としている。
【0019 】
請求項4記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1ないし請求項3いずれか記載のコネクタの離脱構造において、前記第一コネクタハウジングは、前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出した第二引き抜き補助リブを更に有し、前記第二コネクタハウジングは、前記スリットの上下方向反対側に形成した第二スリットを更に有し、前記コネクタ離脱用治具は、前記第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有することを特徴としている。
【0020 】
上記課題を解決するためなされた請求項5記載の本発明のコネクタ離脱用治具は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをこれらの嵌合状態から離脱させるコネクタ離脱用治具であって、前記第一コネクタの第一コネクタハウジングに形成した可撓性のあるロックアームにおける前記第一コネクタハウジングの前後方向後部側に存する押圧操作部及び中間に存する第一係止部の間を押圧する押圧部と、前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出形成した引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパと、を備え、全体を板状に形成することを特徴としている。
【0021 】
請求項6記載の本発明のコネクタ離脱用治具は、請求項5に記載のコネクタ離脱用治具において、前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出形成した第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有し、全体を略コ字状の板状に形成することを特徴としている。
【0022 】
請求項1に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からコネクタ離脱用治具を用いてこれら二つのコネクタを離脱させる構造であり、先ず、コネクタ離脱用治具を第二コネクタハウジングのスリットに差し込むと、コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接し、その後、押圧部がロック解除補助テーパ面を乗り越えてロックアームの押圧操作部と第一係止部との間を押圧する。これにより、ロックアームが撓み、係合状態にあったロックアームの第一係止部と第二コネクタハウジングの第二係止部との係合が解除される。
次に、第一係止部と第二係止部との係合が解除された状態で、コネクタ離脱用治具の差し込みを継続すると、第一コネクタハウジングの引き抜き補助リブにコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが当接し、更にコネクタ離脱用治具の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブに当接した引き抜き補助テーパがその引き抜き補助リブを摺動する。引き抜き補助テーパが摺動することから、その引き抜き補助テーパによって第一コネクタハウジングが押し出される状態になり、第一コネクタハウジングの前部及び第二コネクタハウジングの奥壁の間隔が徐々に広がって相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始する。
そして、ある程度間隔が広がると、第一コネクタハウジング及び第二コネクタハウジング同士、特に端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
請求項1に記載された本発明は、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる構造としてコネクタ離脱用治具が用いられる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具は、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。請求項1に記載された本発明のコネクタの離脱構造は、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことができる。
【0023 】
請求項2に記載された本発明によれば、押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接し、その後、ロック解除補助テーパ面を乗り越える際に、その乗り越えがスムーズになる。
【0024 】
請求項3に記載された本発明によれば、引き抜き補助リブがコネクタの離脱以外に、ロックアームの保護部材としても機能する。例えば、第一コネクタハウジング単体の納入又は保管時に、引き抜き補助リブがロックアームを保護してその破損を防止する。
【0025 】
請求項4に記載された本発明によれば、コネクタの離脱に係る操作が第一コネクタ及び第二コネクタの上下において行われる。これにより、コネクタ離脱用治具を第二コネクタハウジングのスリット及び第二スリットに差し込んだ際に、上記上下において均一な引き抜き力が得られる。
【0026 】
請求項5に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させるコネクタ離脱用治具であり、先ず、第二コネクタハウジングのスリットに差し込んで、押圧部により第一コネクタハウジングのロックアームの押圧操作部と第一係止部との間を押圧しロックアームを撓ませる。これにより、係合状態にあったロックアームの第一係止部と第二コネクタハウジングの第二係止部との係合が解除される。次に、押圧突起の押圧を維持した状態で、コネクタ離脱用治具の差し込みを継続し、第一コネクタハウジングの引き抜き補助リブに当接したコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパを摺動させる。引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動することから、その引き抜き補助テーパによって第一コネクタハウジングが押し出される状態になり、第一コネクタハウジングの前部及び第二コネクタハウジングの奥壁の間隔が徐々に広がって相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始する。そして、ある程度間隔が広がると、第一コネクタハウジング及び第二コネクタハウジング同士、特に端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。
請求項5に記載された本発明は、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる際に用いられる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。請求項5に記載された本発明のコネクタ離脱用治具は、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことができる。
【0027 】
請求項6に記載された本発明によれば、コネクタの離脱に係る操作が第一コネクタ及び第二コネクタの上下において行われる。これにより、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力が得られる。
【0028 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の一実施の形態を示す斜視図である。また、図2はコネクタの離脱に係る作業開始時のコネクタ離脱用治具の位置関係を示す断面図、図3はコネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接する直前の状態を示す断面図、図4はコネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面を乗り越え且つ引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブに当接した状態を示す断面図、図5はコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動して第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始した状態を示す断面図である。
【0029 】
図1において、引用符号1、2は雌型の第一コネクタ、雄型の第二コネクタを示しており、相嵌合するように構成されている。また、引用符号3は第一コネクタ1と第二コネクタ2との嵌合状態からこれら二つのコネクタ1、2を離脱させる際に用いられるコネクタ離脱用治具を示している。
【0030 】
第一コネクタ1は、合成樹脂製の第一コネクタハウジング4と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第一コネクタハウジング4内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線5の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0031 】
第一コネクタハウジング4は、箱形形状に形成されており、第一コネクタハウジング4の前面には、上記図示しない端子収容室に第二コネクタ2の後述する図示しない端子金具を導入するための孔が複数形成されている。第一コネクタハウジング4の後面には、図示しない端子金具に対する挿入口が複数形成されている。第一コネクタハウジング4の上面には、ロックアーム6と複数のガイドリブ7と一対の引き抜き補助リブ8とが形成されている。
【0032 】
ロックアーム6は、その基端部が第一コネクタハウジング4の前部側に連成されており、且つアーム先端が第一コネクタハウジング4の後部側にのびる片持ちアーム状に形成されている。すなわち、ロックアーム6は、第一コネクタハウジング4の前後方向にのびるように形成されている。ロックアーム6のアーム先端上面には、押圧操作部9が形成されている。また、ロックアーム6の中間上面には、突起状の第一係止部10が形成されている。さらに、押圧操作部9と第一係止部10との間には、一対のロック解除補助テーパ面11が形成されている。
【0033 】
一対のロック解除補助テーパ面11は、第一コネクタハウジング4の左右方向に且つロックアーム6の中心線に向けて次第に高く傾斜するように形成されている。すなわち、一対のロック解除補助テーパ面11は、縦断面視略ハ字状となるように形成されている。ロックアーム6は、押圧操作部9を押圧することにより、アーム先端下面が第一コネクタハウジング4の上面に接触する方向に弾性変形するようになっている。
【0034 】
複数のガイドリブ7は、第一コネクタハウジング4の前後方向にのびて形成されている。一対の引き抜き補助リブ8は、第一コネクタハウジング4の後部であってロックアーム6の押圧操作部9の左右両側に突出するように形成されている。また、一対の引き抜き補助リブ8は、その突出先端がロックアーム6の押圧操作部9の位置よりも高い位置となるように形成されている(これに限るものではないが、押圧操作部9の位置よりも高く形成すればロックアーム6の保護部材としての機能を持たせることができる)。
【0035 】
第二コネクタ2は、合成樹脂製の第二コネクタハウジング12と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第二コネクタハウジング12内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線13の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0036 】
第二コネクタハウジング12は、前面が開放された箱形形状に形成されている。また、第二コネクタハウジング12は、上記前面を介して内側に第一コネクタハウジング4が嵌合するように形成されている。第二コネクタハウジング12の上記内側には、奥壁(後面を有する壁)を介して上記図示しない複数の端子金具の電気接触部が突出しており、第一コネクタハウジング4が嵌合した際には、上記孔を介して第一コネクタ1の端子金具と電気的に接続されるようになっている。第二コネクタハウジング12の上壁(上面を有する壁)には、第二係止部14と複数のガイド溝15とが形成されている(図2参照)。また、第二コネクタハウジング12の各側壁(側面を有する壁)には、スリット16が形成されている。
【0037 】
第二係止部14(図2参照)は、上記上壁の内側であって第一コネクタ1の第一係止部10が係合可能となる突起状に形成されている。複数のガイド溝15(図2参照)は、第二コネクタハウジング12の前後方向にのびており、第一コネクタ1の複数のガイドリブ7を案内することができるように形成されている。
【0038 】
スリット16は、上記側壁の上部に形成されている。また、スリット16は、上記前面から上記奥壁に向けて切り欠き形成されている。スリット16には、コネクタ離脱用治具3が差し込まれるようになっている。
【0039 】
コネクタ離脱用治具3は、平らな板状の部材であって、その一端側から他端側にかけて順に、幅狭の押圧部17、引き抜き補助テーパ18を有する中間部19、及び幅広の操作部20が連成されている。コネクタ離脱用治具3は、十分な剛性を確保することができる材料で形成されている(合成樹脂、金属、木等いずれであってもよいものとする)。
【0040 】
押圧部17は、第一コネクタハウジング4のロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧する部分であって、その先端には、上記乗り越えをスムーズに行うためのテーパ21が形成されている(図2参照)。引き抜き補助テーパ18は、適宜角度及び長さに設定されており、第一コネクタハウジング4の引き抜き補助リブ8に当接して摺動するようになっている。操作部20は、作業者が手で持って操作する部分として形成されている。
【0041 】
次に、上記構成に基づいて、本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具に係る作用を説明する。
【0042 】
図2において、コネクタの離脱に係る作業を開始する際には、先ず、嵌合状態にある第一コネクタ1及び第二コネクタ2の左方にコネクタ離脱用治具3を配置する(右方にコネクタ離脱用治具3を配置してもよい。本形態は左右どちらでも配置することができる)。具体的には、第二コネクタ2の左側のスリット16に押圧部17から差し込めるような状態に配置する。
【0043 】
次に、コネクタ離脱用治具3の配置が終わると、図3に示される如く、コネクタ離脱用治具3を右方(矢線A方向)へ移動させ、スリット16に差し込んで上記作業を開始する。この時、コネクタ離脱用治具3の押圧部17は、第二コネクタハウジング12の上壁内側を滑るように移動し、その後、第一コネクタハウジング4の左側のロック解除補助テーパ面11に当接する。
【0044 】
続いて、コネクタ離脱用治具3の差し込みを継続すると、図4に示される如く、押圧部17がロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧し、第一コネクタハウジング4のロックアーム6を撓ませる(ロック解除補助テーパ面11を乗り越える際、押圧部17は第二コネクタハウジング12の上壁内側で押さえ付けられることから、ロックアーム6が下方へ撓む)。この時、係合状態にあったロックアーム6の第一係止部10と第二コネクタハウジング12の第二係止部14との係合が解除される。また、本形態においては、第一コネクタハウジング4の引き抜き補助リブ8にコネクタ離脱用治具3の引き抜き補助テーパ18が当接する。
【0045 】
そして、図5に示される如く、上記係合が解除されたままで引き続きコネクタ離脱用治具3の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブ8に当接した引き抜き補助テーパ18がその引き抜き補助リブ8を摺動する。この時、引き抜き補助テーパ18は適宜角度を有し、且つコネクタ離脱用治具3はスリット16やガイド溝15を構成する壁により押さえ付けられることから、引き抜き補助テーパ18によって第一コネクタハウジング4が矢線B方向に押し出され、第一コネクタハウジング4の前部及び第二コネクタハウジング12の奥壁の間隔が徐々に広がる。これにより、相嵌合する第一コネクタ1と第二コネクタ2との離脱が開始する。
【0046 】
ある程度、上記間隔が広がると、第一コネクタハウジング4及び第二コネクタハウジング12同士、特に上記図示しない端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ1及び第二コネクタ2それぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
【0047 】
以上、図1ないし図5までを参照しながら説明してきたように、第一コネクタ1と第二コネクタ2との嵌合状態からこれら二つのコネクタ1、2を離脱させるためにコネクタ離脱用治具3が用いられる。従って、少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具3を揃えればよく、従来のようなコネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具3は、第一コネクタ1及び第二コネクタ2それぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。
【0048 】
図6は本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の他の一実施の形態を示す斜視図である。
【0049 】
図6において、引用符号31、32は雌型の第一コネクタ、雄型の第二コネクタを示しており、相嵌合するように構成されている。また、引用符号33は第一コネクタ31と第二コネクタ32との嵌合状態からこれら二つのコネクタ31、32を離脱させる際に用いられるコネクタ離脱用治具を示している。
【0050 】
第一コネクタ31は、合成樹脂製の第一コネクタハウジング34と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第一コネクタハウジング34内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線5の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0051 】
第一コネクタハウジング34は、箱形形状に形成されており、第一コネクタハウジング34の前面には、上記図示しない端子収容室に第二コネクタ32の後述する図示しない端子金具を導入するための孔が複数形成されている。第一コネクタハウジング34の後面には、図示しない端子金具に対する挿入口が複数形成されている。
【0052 】
第一コネクタハウジング34の上面には、上述と同じロックアーム6と、上述と同じ複数のガイドリブ7と、上述と同じ一対の引き抜き補助リブ8とが形成されている。また、第一コネクタハウジング34の下面には、第二引き抜き補助リブ35が形成されている。その第二引き抜き補助リブ35は、第一コネクタハウジング34の後部であって、一対の引き抜き補助リブ8の上下方向反対側に形成されている。
【0053 】
第二コネクタ32は、合成樹脂製の第二コネクタハウジング36と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第二コネクタハウジング36内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線13の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0054 】
第二コネクタハウジング36は、前面が開放された箱形形状に形成されている。また、第二コネクタハウジング36は、上記前面を介して内側に第一コネクタハウジング34が嵌合するように形成されている。第二コネクタハウジング36の上記内側には、奥壁を介して上記図示しない複数の端子金具の電気接触部が突出しており、第一コネクタハウジング34が嵌合した際には、上記孔を介して第一コネクタ31の端子金具と電気的に接続されるようになっている。第二コネクタハウジング36の上壁には、上述と同じ第二係止部14と上述と同じ複数のガイド溝15とが形成されている(図2参照)。また、第二コネクタハウジング36の各側壁(側面を有する壁)には、上述と同じスリット16と第二スリット37とが形成されている。
【0055 】
第二スリット37は、上記側壁の下部に形成されている。また、第二スリット37は、上記前面から上記奥壁に向けて切り欠き形成されている。スリット16及び第二スリット37には、コネクタ離脱用治具33が差し込まれるようになっている。
【0056 】
コネクタ離脱用治具33は、略コ字状の板状の部材であって、一対の差し込み部38とこれらを連結する連結部39とを有して構成されている。一対の差し込み部38は、それぞれ、その一端側から他端側にかけて順に、上述と同じ幅狭の押圧部17、上述と同じ引き抜き補助テーパ18を有する中間部19、及び上述と同じ幅広の操作部20が連成されている。尚、下側の差し込み部38の引き抜き補助テーパ18は、特許請求の範囲に記載した第二引き抜き補助テーパに相当するものとする。連結部39は、その両端に操作部20が連成されている。コネクタ離脱用治具33は、十分な剛性を確保することができる材料で形成されている(合成樹脂、金属、木等いずれであってもよいものとする)。
【0057 】
次に、上記構成に基づいて、本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具に係る作用を説明する。
【0058 】
コネクタの離脱に係る作業を開始する際には、先ず、嵌合状態にある第一コネクタ31及び第二コネクタ32の左方にコネクタ離脱用治具33を配置する(右方にコネクタ離脱用治具33を配置してもよい。本形態は左右どちらでも配置することができる)。具体的には、第二コネクタ32の左側のスリット16及び第二スリット37に一対の押圧部17から差し込めるような状態に配置する。
【0059 】
次に、コネクタ離脱用治具33の配置が終わると、コネクタ離脱用治具33を右方(矢線A方向)へ移動させ、スリット16及び第二スリット37に差し込んで上記作業を開始する。この時、コネクタ離脱用治具33の上側の押圧部17は、第二コネクタハウジング36の上壁内側を滑るように移動し、その後、第一コネクタハウジング34の左側のロック解除補助テーパ面11に当接する。
【0060 】
続いて、コネクタ離脱用治具33の差し込みを継続すると、上側の押圧部17がロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧し、第一コネクタハウジング34のロックアーム6を撓ませる。この時、係合状態にあったロックアーム6の第一係止部10と第二コネクタハウジング36の第二係止部14(図2参照)との係合が解除される。また、本形態においては、第一コネクタハウジング34の引き抜き補助リブ8にコネクタ離脱用治具33の上側の引き抜き補助テーパ18が当接する。また、第一コネクタハウジング34の第二引き抜き補助リブ35にコネクタ離脱用治具33の下側の引き抜き補助テーパ18(第二引き抜き補助テーパ)が当接する。
【0061 】
そして、上記係合が解除されたままで引き続きコネクタ離脱用治具33の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブ8に当接した上側の引き抜き補助テーパ18がその引き抜き補助リブ8を摺動する。また、第二引き抜き補助リブ35に当接した下側の引き抜き補助テーパ18がその第二引き抜き補助リブ35を摺動する。この時、一対の引き抜き補助テーパ18は適宜角度を有し、且つコネクタ離脱用治具33はスリット16及び第二スリット37やガイド溝15を構成する壁により押さえ付けられることから、一対の引き抜き補助テーパ18によって第一コネクタハウジング34が押し出され、第一コネクタハウジング34の前部及び第二コネクタハウジング36の奥壁の間隔が徐々に広がる。これにより、相嵌合する第一コネクタ31と第二コネクタ32との離脱が開始する。
【0062 】
ある程度、上記間隔が広がると、第一コネクタハウジング34及び第二コネクタハウジング36同士、特に上記図示しない端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ31及び第二コネクタ32それぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
【0063 】
以上、図6を参照しながら説明してきたように、第一コネクタ31と第二コネクタ32との嵌合状態からこれら二つのコネクタ31、32を離脱させるためにコネクタ離脱用治具33が用いられる。従って、少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具33を揃えればよく、従来のようなコネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具33は、第一コネクタ31及び第二コネクタ32それぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。
【0064 】
一方、コネクタ離脱用治具33は、第一コネクタ31及び第二コネクタ32の上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができる。
【0065 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。すなわち、上述の二つの形態では、コネクタ離脱用治具を相嵌合する第一コネクタ及び第二コネクタの左右どちら側でも配置することができるように形成していたが、これに限らず左右どちらか一方側のみの配置とした形状に形成してもよいものとする。
【0066 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させるためにコネクタ離脱用治具を用いる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具は、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。従って、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタの離脱構造を提供することができるという効果を奏する。
【0067 】
請求項2に記載された本発明によれば、ロック解除補助テーパ面の乗り越えをスムーズに行うことができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0068 】
請求項3に記載された本発明によれば、引き抜き補助リブをコネクタの離脱以外に、ロックアームの保護部材としても機能させることができる。従って、ロックアームの破損を防止することができるという効果を奏する。
【0069 】
請求項4に記載された本発明によれば、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0070 】
請求項5に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる際に用いる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。従って、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタ離脱用治具を提供することができるという効果を奏する。
【0071 】
請求項6に記載された本発明によれば、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】コネクタの離脱に係る作業開始時のコネクタ離脱用治具の位置関係を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図3】コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接する直前の状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図4】コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面を乗り越え且つ引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブに当接した状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図5】コネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動して第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始した状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図6】本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の他の一実施の形態を示す斜視図である。
【図7】従来例のレバー嵌合式コネクタの斜視図である。
【図8】図7の一方のコネクタハウジング及びレバーを示す断面図である。
【図9】図7の双方のコネクタハウジングを嵌合する過程を示す説明図である。
【図10】図9のコネクタハウジング相互の嵌合時におけるレバーの可撓係止腕の状態を示す説明図である。
【図11】図10のレバーを更に回動させレバーのロックを開始する状態を示す説明図である。
【図12】図11のレバーの回動を継続してロックが行われた状態を示す説明図である。
【図13】図12のレバーのロックを解除する操作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第一コネクタ
2 第二コネクタ
3 コネクタ離脱用治具
4 第一コネクタハウジング
6 ロックアーム
8 引き抜き補助リブ
9 押圧操作部
10 第一係止部
11 ロック解除補助テーパ面
12 第二コネクタハウジング
14 第二係止部
16 スリット
17 押圧部
18 引き抜き補助テーパ(第二引き抜き補助テーパ)
21 テーパ
31 第一コネクタ
32 第二コネクタ
33 コネクタ離脱用治具
34 第一コネクタハウジング
35 第二引き抜き補助リブ
36 第二コネクタハウジング
37 第二スリット
38 差し込み部
39 連結部
【発明の属する技術分野】
本発明は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをコネクタ離脱用治具を用いて離脱させるコネクタの離脱構造と、前記コネクタ離脱用治具とに関する。
【0002 】
【従来の技術】
図7は、従来より一般的に知られているレバー嵌合式コネクタを示す斜視図である。レバー嵌合式コネクタAは相嵌合する一対のコネクタハウジング101とコネクタハウジング102とから成り、一方のコネクタハウジング101の外周壁101aには、嵌合、離脱の操作を行うレバー103が回動自在に設けられている。
【0003 】
コネクタハウジング101は、合成樹脂材の成形加工により形成されており、図8に示される如く、外周壁101aの内側には複数の端子収容室104が形成されている。また、コネクタハウジング101には、スペーサ105が嵌着するようになっており、端子収容室104内に収容された端子金具(図示せず)の抜けが防止されている。端子収容室104の後方には、電線挿入筒部106が連設されている。
【0004 】
外周壁101aの両側には、レバー103を回動自在に支持するための支持突起107が設けられている。また、外周壁101aの両側中間部には、外周壁101aの嵌合側縁部101bから支持突起107に向けて切り込まれた導入溝108が開口形成されている。外周壁101aの後端(電線挿入口101b側)上下には、支持突起107と導入溝108とを結ぶ線に対し対称となる位置に、くさび形の係止突起109、109′が先端109a、109a′を斜め後方に向けて対向するように付設されている。
【0005 】
他方のコネクタハウジング102は、コネクタハウジング101と同様に合成樹脂材の成形加工により形成されており、その内部にはコネクタハウジング101内の端子金具と嵌合する複数の端子金具110が収容されている。また、周壁102aの両側には、被駆動ピン111が突設されている。
【0006 】
レバー103は、両側の支承部103a、103a間を操作部103bで連結した、ほぼ門型の形状に形成されている。そして、支承部103aに設けられた孔112をコネクタハウジング101の支持突起107に嵌入することにより、コネクタハウジング101に対し支持突起107を軸として回動可能に装着されている。
【0007 】
レバー103の支承部103aの内側には、カム溝113が設けられており、操作部103bのほぼ中央部内側には、二本の可撓係止腕114、114が付設されている。可撓係止腕114は、それぞれほぼL字形に形成されており、自由端部114aを操作部103b方向へ向け、基部114aがレバー103の操作部103bに結合されている。自由端部114b相互間には、板状の係止部115が架設されている。
【0008 】
次に、双方のコネクタハウジング101、102を嵌合する際のレバー103の操作とロック機構について説明する。尚、コネクタハウジング101には、二つの係止突部109、109′が設けられているが、一方の係止突部109にレバー103をロックする場合について説明する。
【0009 】
図9に示されるように、他方のコネクタハウジング102を一方のコネクタハウジング101に接近させ、他方のコネクタハウジング102の被駆動ピン111を、一方のコネクタハウジング101の導入溝108内に導入してレバー103のカム溝113内に位置させる。そして、この状態でレバー103を矢印方向へ回動させると、被駆動ピン111がレバー103のカム溝113に沿って一方のコネクタハウジング101内に進入し、双方のコネクタハウジング101と102が互いに嵌合する。
【0010 】
このとき、図10に示されるように、レバー103に設けられた可撓係止腕114の係止部115が、一方のコネクタハウジング101の係止突部109の斜面部109bに当接する。さらに、レバー103を矢印方向へ回動させて行くと、図11に示されるように、可撓係止腕114が撓み、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aに接近する。
【0011 】
矢印方向へのレバー103の回動を継続すると、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aを乗り越える。係止端115aが係止突部109を乗り越えると、上方へ撓んでいた可撓係止腕114がそれ自体の弾性力により復元し、図12に示されるように、係止部115の係止端115aが係止突部109の下側に係合し、レバー103が一方のコネクタハウジング101にロックされる。
【0012 】
その後、レバー103のロックを解除する際には、図13に示されるように、可撓係止腕114の係止部115とレバー103の操作部103bとを手指で閉じるように摘むと、可撓係止腕114が上方へ撓み、係止部115の係止端115aが係止突部109の先端109aから外れ、レバー103が回動可能となる。そして、図13の矢印方向へレバー103を回動させれば、嵌合操作の逆操作が行われ、レバー103のカム溝113に沿って被駆動ピン111が移動し、一方のコネクタハウジング101から他方のコネクタハウジング102が離脱する。
【0013 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術にあっては、図13の矢印方向へレバー103を回動させることにより、小さな力で一方のコネクタハウジング101と他方のコネクタハウジング102との離脱を行うことができるようなっている。これは近年、ワイヤハーネスのリサイクルにおいて効率よく解体するという点に対し効果的である。
【0014 】
しかしながら、レバー103を設けることにより、一方のコネクタハウジング101毎の構成部品点数の増大につながり、コネクタ全体の構造も複雑化してしまうという問題点を有している。また、レバー103の回動によりその回動範囲内のスペースが占有され、その結果、大型なコネクタになってしまうという問題点も有している。
【0015 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具を提供することを課題とする。
【0016 】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明のコネクタの離脱構造は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをコネクタ離脱用治具を用いて離脱させるコネクタの離脱構造であって、前記第一コネクタの第一コネクタハウジングは、該第一コネクタハウジングの前後方向後部側に押圧操作部を形成し且つ中間に第一係止部を形成し且つ前記押圧操作部と前記第一係止部との間に前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方に傾斜するロック解除補助テーパ面を形成した可撓性のあるロックアームと、前記左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出した引き抜き補助リブとを有し、前記第二コネクタの第二コネクタハウジングは、前記第一係止部が係合可能となる第二係止部と、前記第二コネクタハウジングにおける前記左右方向の少なくとも一方側に形成したスリットとを有し、前記コネクタ離脱用治具は、前記ロック解除補助テーパ面を乗り越えて前記押圧操作部と前記第一係止部との間を押圧する押圧部と、前記引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパとを有し、前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合状態からこれらを離脱させる際には、前記コネクタ離脱用治具を前記スリットに差し込んで前記押圧操作部と前記第一係止部との間を前記押圧部で押圧し前記第一係止部と前記第二係止部との係合を解除するとともに、該係合の解除をしたままで前記引き抜き補助リブに当接した前記引き抜き補助テーパを摺動させることを特徴としている。
【0017 】
請求項2記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1に記載のコネクタの離脱構造において、前記コネクタ離脱用治具の前記押圧部の先端に、前記ロック解除補助テーパ面に対応するテーパを形成することを特徴としている。
【0018 】
請求項3記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1又は請求項2に記載のコネクタの離脱構造において、前記引き抜き補助リブの突出先端位置を、嵌合前の前記ロックアームの前記押圧操作部の位置よりも高く設定することを特徴としている。
【0019 】
請求項4記載の本発明のコネクタの離脱構造は、請求項1ないし請求項3いずれか記載のコネクタの離脱構造において、前記第一コネクタハウジングは、前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出した第二引き抜き補助リブを更に有し、前記第二コネクタハウジングは、前記スリットの上下方向反対側に形成した第二スリットを更に有し、前記コネクタ離脱用治具は、前記第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有することを特徴としている。
【0020 】
上記課題を解決するためなされた請求項5記載の本発明のコネクタ離脱用治具は、相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをこれらの嵌合状態から離脱させるコネクタ離脱用治具であって、前記第一コネクタの第一コネクタハウジングに形成した可撓性のあるロックアームにおける前記第一コネクタハウジングの前後方向後部側に存する押圧操作部及び中間に存する第一係止部の間を押圧する押圧部と、前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出形成した引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパと、を備え、全体を板状に形成することを特徴としている。
【0021 】
請求項6記載の本発明のコネクタ離脱用治具は、請求項5に記載のコネクタ離脱用治具において、前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出形成した第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有し、全体を略コ字状の板状に形成することを特徴としている。
【0022 】
請求項1に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からコネクタ離脱用治具を用いてこれら二つのコネクタを離脱させる構造であり、先ず、コネクタ離脱用治具を第二コネクタハウジングのスリットに差し込むと、コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接し、その後、押圧部がロック解除補助テーパ面を乗り越えてロックアームの押圧操作部と第一係止部との間を押圧する。これにより、ロックアームが撓み、係合状態にあったロックアームの第一係止部と第二コネクタハウジングの第二係止部との係合が解除される。
次に、第一係止部と第二係止部との係合が解除された状態で、コネクタ離脱用治具の差し込みを継続すると、第一コネクタハウジングの引き抜き補助リブにコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが当接し、更にコネクタ離脱用治具の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブに当接した引き抜き補助テーパがその引き抜き補助リブを摺動する。引き抜き補助テーパが摺動することから、その引き抜き補助テーパによって第一コネクタハウジングが押し出される状態になり、第一コネクタハウジングの前部及び第二コネクタハウジングの奥壁の間隔が徐々に広がって相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始する。
そして、ある程度間隔が広がると、第一コネクタハウジング及び第二コネクタハウジング同士、特に端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
請求項1に記載された本発明は、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる構造としてコネクタ離脱用治具が用いられる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具は、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。請求項1に記載された本発明のコネクタの離脱構造は、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことができる。
【0023 】
請求項2に記載された本発明によれば、押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接し、その後、ロック解除補助テーパ面を乗り越える際に、その乗り越えがスムーズになる。
【0024 】
請求項3に記載された本発明によれば、引き抜き補助リブがコネクタの離脱以外に、ロックアームの保護部材としても機能する。例えば、第一コネクタハウジング単体の納入又は保管時に、引き抜き補助リブがロックアームを保護してその破損を防止する。
【0025 】
請求項4に記載された本発明によれば、コネクタの離脱に係る操作が第一コネクタ及び第二コネクタの上下において行われる。これにより、コネクタ離脱用治具を第二コネクタハウジングのスリット及び第二スリットに差し込んだ際に、上記上下において均一な引き抜き力が得られる。
【0026 】
請求項5に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させるコネクタ離脱用治具であり、先ず、第二コネクタハウジングのスリットに差し込んで、押圧部により第一コネクタハウジングのロックアームの押圧操作部と第一係止部との間を押圧しロックアームを撓ませる。これにより、係合状態にあったロックアームの第一係止部と第二コネクタハウジングの第二係止部との係合が解除される。次に、押圧突起の押圧を維持した状態で、コネクタ離脱用治具の差し込みを継続し、第一コネクタハウジングの引き抜き補助リブに当接したコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパを摺動させる。引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動することから、その引き抜き補助テーパによって第一コネクタハウジングが押し出される状態になり、第一コネクタハウジングの前部及び第二コネクタハウジングの奥壁の間隔が徐々に広がって相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始する。そして、ある程度間隔が広がると、第一コネクタハウジング及び第二コネクタハウジング同士、特に端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。
請求項5に記載された本発明は、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる際に用いられる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。請求項5に記載された本発明のコネクタ離脱用治具は、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことができる。
【0027 】
請求項6に記載された本発明によれば、コネクタの離脱に係る操作が第一コネクタ及び第二コネクタの上下において行われる。これにより、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力が得られる。
【0028 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の一実施の形態を示す斜視図である。また、図2はコネクタの離脱に係る作業開始時のコネクタ離脱用治具の位置関係を示す断面図、図3はコネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接する直前の状態を示す断面図、図4はコネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面を乗り越え且つ引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブに当接した状態を示す断面図、図5はコネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動して第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始した状態を示す断面図である。
【0029 】
図1において、引用符号1、2は雌型の第一コネクタ、雄型の第二コネクタを示しており、相嵌合するように構成されている。また、引用符号3は第一コネクタ1と第二コネクタ2との嵌合状態からこれら二つのコネクタ1、2を離脱させる際に用いられるコネクタ離脱用治具を示している。
【0030 】
第一コネクタ1は、合成樹脂製の第一コネクタハウジング4と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第一コネクタハウジング4内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線5の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0031 】
第一コネクタハウジング4は、箱形形状に形成されており、第一コネクタハウジング4の前面には、上記図示しない端子収容室に第二コネクタ2の後述する図示しない端子金具を導入するための孔が複数形成されている。第一コネクタハウジング4の後面には、図示しない端子金具に対する挿入口が複数形成されている。第一コネクタハウジング4の上面には、ロックアーム6と複数のガイドリブ7と一対の引き抜き補助リブ8とが形成されている。
【0032 】
ロックアーム6は、その基端部が第一コネクタハウジング4の前部側に連成されており、且つアーム先端が第一コネクタハウジング4の後部側にのびる片持ちアーム状に形成されている。すなわち、ロックアーム6は、第一コネクタハウジング4の前後方向にのびるように形成されている。ロックアーム6のアーム先端上面には、押圧操作部9が形成されている。また、ロックアーム6の中間上面には、突起状の第一係止部10が形成されている。さらに、押圧操作部9と第一係止部10との間には、一対のロック解除補助テーパ面11が形成されている。
【0033 】
一対のロック解除補助テーパ面11は、第一コネクタハウジング4の左右方向に且つロックアーム6の中心線に向けて次第に高く傾斜するように形成されている。すなわち、一対のロック解除補助テーパ面11は、縦断面視略ハ字状となるように形成されている。ロックアーム6は、押圧操作部9を押圧することにより、アーム先端下面が第一コネクタハウジング4の上面に接触する方向に弾性変形するようになっている。
【0034 】
複数のガイドリブ7は、第一コネクタハウジング4の前後方向にのびて形成されている。一対の引き抜き補助リブ8は、第一コネクタハウジング4の後部であってロックアーム6の押圧操作部9の左右両側に突出するように形成されている。また、一対の引き抜き補助リブ8は、その突出先端がロックアーム6の押圧操作部9の位置よりも高い位置となるように形成されている(これに限るものではないが、押圧操作部9の位置よりも高く形成すればロックアーム6の保護部材としての機能を持たせることができる)。
【0035 】
第二コネクタ2は、合成樹脂製の第二コネクタハウジング12と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第二コネクタハウジング12内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線13の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0036 】
第二コネクタハウジング12は、前面が開放された箱形形状に形成されている。また、第二コネクタハウジング12は、上記前面を介して内側に第一コネクタハウジング4が嵌合するように形成されている。第二コネクタハウジング12の上記内側には、奥壁(後面を有する壁)を介して上記図示しない複数の端子金具の電気接触部が突出しており、第一コネクタハウジング4が嵌合した際には、上記孔を介して第一コネクタ1の端子金具と電気的に接続されるようになっている。第二コネクタハウジング12の上壁(上面を有する壁)には、第二係止部14と複数のガイド溝15とが形成されている(図2参照)。また、第二コネクタハウジング12の各側壁(側面を有する壁)には、スリット16が形成されている。
【0037 】
第二係止部14(図2参照)は、上記上壁の内側であって第一コネクタ1の第一係止部10が係合可能となる突起状に形成されている。複数のガイド溝15(図2参照)は、第二コネクタハウジング12の前後方向にのびており、第一コネクタ1の複数のガイドリブ7を案内することができるように形成されている。
【0038 】
スリット16は、上記側壁の上部に形成されている。また、スリット16は、上記前面から上記奥壁に向けて切り欠き形成されている。スリット16には、コネクタ離脱用治具3が差し込まれるようになっている。
【0039 】
コネクタ離脱用治具3は、平らな板状の部材であって、その一端側から他端側にかけて順に、幅狭の押圧部17、引き抜き補助テーパ18を有する中間部19、及び幅広の操作部20が連成されている。コネクタ離脱用治具3は、十分な剛性を確保することができる材料で形成されている(合成樹脂、金属、木等いずれであってもよいものとする)。
【0040 】
押圧部17は、第一コネクタハウジング4のロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧する部分であって、その先端には、上記乗り越えをスムーズに行うためのテーパ21が形成されている(図2参照)。引き抜き補助テーパ18は、適宜角度及び長さに設定されており、第一コネクタハウジング4の引き抜き補助リブ8に当接して摺動するようになっている。操作部20は、作業者が手で持って操作する部分として形成されている。
【0041 】
次に、上記構成に基づいて、本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具に係る作用を説明する。
【0042 】
図2において、コネクタの離脱に係る作業を開始する際には、先ず、嵌合状態にある第一コネクタ1及び第二コネクタ2の左方にコネクタ離脱用治具3を配置する(右方にコネクタ離脱用治具3を配置してもよい。本形態は左右どちらでも配置することができる)。具体的には、第二コネクタ2の左側のスリット16に押圧部17から差し込めるような状態に配置する。
【0043 】
次に、コネクタ離脱用治具3の配置が終わると、図3に示される如く、コネクタ離脱用治具3を右方(矢線A方向)へ移動させ、スリット16に差し込んで上記作業を開始する。この時、コネクタ離脱用治具3の押圧部17は、第二コネクタハウジング12の上壁内側を滑るように移動し、その後、第一コネクタハウジング4の左側のロック解除補助テーパ面11に当接する。
【0044 】
続いて、コネクタ離脱用治具3の差し込みを継続すると、図4に示される如く、押圧部17がロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧し、第一コネクタハウジング4のロックアーム6を撓ませる(ロック解除補助テーパ面11を乗り越える際、押圧部17は第二コネクタハウジング12の上壁内側で押さえ付けられることから、ロックアーム6が下方へ撓む)。この時、係合状態にあったロックアーム6の第一係止部10と第二コネクタハウジング12の第二係止部14との係合が解除される。また、本形態においては、第一コネクタハウジング4の引き抜き補助リブ8にコネクタ離脱用治具3の引き抜き補助テーパ18が当接する。
【0045 】
そして、図5に示される如く、上記係合が解除されたままで引き続きコネクタ離脱用治具3の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブ8に当接した引き抜き補助テーパ18がその引き抜き補助リブ8を摺動する。この時、引き抜き補助テーパ18は適宜角度を有し、且つコネクタ離脱用治具3はスリット16やガイド溝15を構成する壁により押さえ付けられることから、引き抜き補助テーパ18によって第一コネクタハウジング4が矢線B方向に押し出され、第一コネクタハウジング4の前部及び第二コネクタハウジング12の奥壁の間隔が徐々に広がる。これにより、相嵌合する第一コネクタ1と第二コネクタ2との離脱が開始する。
【0046 】
ある程度、上記間隔が広がると、第一コネクタハウジング4及び第二コネクタハウジング12同士、特に上記図示しない端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ1及び第二コネクタ2それぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
【0047 】
以上、図1ないし図5までを参照しながら説明してきたように、第一コネクタ1と第二コネクタ2との嵌合状態からこれら二つのコネクタ1、2を離脱させるためにコネクタ離脱用治具3が用いられる。従って、少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具3を揃えればよく、従来のようなコネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具3は、第一コネクタ1及び第二コネクタ2それぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。
【0048 】
図6は本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の他の一実施の形態を示す斜視図である。
【0049 】
図6において、引用符号31、32は雌型の第一コネクタ、雄型の第二コネクタを示しており、相嵌合するように構成されている。また、引用符号33は第一コネクタ31と第二コネクタ32との嵌合状態からこれら二つのコネクタ31、32を離脱させる際に用いられるコネクタ離脱用治具を示している。
【0050 】
第一コネクタ31は、合成樹脂製の第一コネクタハウジング34と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第一コネクタハウジング34内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線5の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0051 】
第一コネクタハウジング34は、箱形形状に形成されており、第一コネクタハウジング34の前面には、上記図示しない端子収容室に第二コネクタ32の後述する図示しない端子金具を導入するための孔が複数形成されている。第一コネクタハウジング34の後面には、図示しない端子金具に対する挿入口が複数形成されている。
【0052 】
第一コネクタハウジング34の上面には、上述と同じロックアーム6と、上述と同じ複数のガイドリブ7と、上述と同じ一対の引き抜き補助リブ8とが形成されている。また、第一コネクタハウジング34の下面には、第二引き抜き補助リブ35が形成されている。その第二引き抜き補助リブ35は、第一コネクタハウジング34の後部であって、一対の引き抜き補助リブ8の上下方向反対側に形成されている。
【0053 】
第二コネクタ32は、合成樹脂製の第二コネクタハウジング36と、図示しない複数の端子金具とを備えて構成されている。複数の端子金具は、それぞれ第二コネクタハウジング36内に形成された複数の端子収容室に収容されており、ワイヤハーネスを構成する複数の電線13の各端末が接続されている。複数の端子金具及び複数の端子収容室は、既知のものと同じであるものとし、その説明及び図示をここでは省略するものとする。
【0054 】
第二コネクタハウジング36は、前面が開放された箱形形状に形成されている。また、第二コネクタハウジング36は、上記前面を介して内側に第一コネクタハウジング34が嵌合するように形成されている。第二コネクタハウジング36の上記内側には、奥壁を介して上記図示しない複数の端子金具の電気接触部が突出しており、第一コネクタハウジング34が嵌合した際には、上記孔を介して第一コネクタ31の端子金具と電気的に接続されるようになっている。第二コネクタハウジング36の上壁には、上述と同じ第二係止部14と上述と同じ複数のガイド溝15とが形成されている(図2参照)。また、第二コネクタハウジング36の各側壁(側面を有する壁)には、上述と同じスリット16と第二スリット37とが形成されている。
【0055 】
第二スリット37は、上記側壁の下部に形成されている。また、第二スリット37は、上記前面から上記奥壁に向けて切り欠き形成されている。スリット16及び第二スリット37には、コネクタ離脱用治具33が差し込まれるようになっている。
【0056 】
コネクタ離脱用治具33は、略コ字状の板状の部材であって、一対の差し込み部38とこれらを連結する連結部39とを有して構成されている。一対の差し込み部38は、それぞれ、その一端側から他端側にかけて順に、上述と同じ幅狭の押圧部17、上述と同じ引き抜き補助テーパ18を有する中間部19、及び上述と同じ幅広の操作部20が連成されている。尚、下側の差し込み部38の引き抜き補助テーパ18は、特許請求の範囲に記載した第二引き抜き補助テーパに相当するものとする。連結部39は、その両端に操作部20が連成されている。コネクタ離脱用治具33は、十分な剛性を確保することができる材料で形成されている(合成樹脂、金属、木等いずれであってもよいものとする)。
【0057 】
次に、上記構成に基づいて、本発明のコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具に係る作用を説明する。
【0058 】
コネクタの離脱に係る作業を開始する際には、先ず、嵌合状態にある第一コネクタ31及び第二コネクタ32の左方にコネクタ離脱用治具33を配置する(右方にコネクタ離脱用治具33を配置してもよい。本形態は左右どちらでも配置することができる)。具体的には、第二コネクタ32の左側のスリット16及び第二スリット37に一対の押圧部17から差し込めるような状態に配置する。
【0059 】
次に、コネクタ離脱用治具33の配置が終わると、コネクタ離脱用治具33を右方(矢線A方向)へ移動させ、スリット16及び第二スリット37に差し込んで上記作業を開始する。この時、コネクタ離脱用治具33の上側の押圧部17は、第二コネクタハウジング36の上壁内側を滑るように移動し、その後、第一コネクタハウジング34の左側のロック解除補助テーパ面11に当接する。
【0060 】
続いて、コネクタ離脱用治具33の差し込みを継続すると、上側の押圧部17がロック解除補助テーパ面11を乗り越えて押圧操作部9と第一係止部10との間を押圧し、第一コネクタハウジング34のロックアーム6を撓ませる。この時、係合状態にあったロックアーム6の第一係止部10と第二コネクタハウジング36の第二係止部14(図2参照)との係合が解除される。また、本形態においては、第一コネクタハウジング34の引き抜き補助リブ8にコネクタ離脱用治具33の上側の引き抜き補助テーパ18が当接する。また、第一コネクタハウジング34の第二引き抜き補助リブ35にコネクタ離脱用治具33の下側の引き抜き補助テーパ18(第二引き抜き補助テーパ)が当接する。
【0061 】
そして、上記係合が解除されたままで引き続きコネクタ離脱用治具33の差し込みを継続すると、引き抜き補助リブ8に当接した上側の引き抜き補助テーパ18がその引き抜き補助リブ8を摺動する。また、第二引き抜き補助リブ35に当接した下側の引き抜き補助テーパ18がその第二引き抜き補助リブ35を摺動する。この時、一対の引き抜き補助テーパ18は適宜角度を有し、且つコネクタ離脱用治具33はスリット16及び第二スリット37やガイド溝15を構成する壁により押さえ付けられることから、一対の引き抜き補助テーパ18によって第一コネクタハウジング34が押し出され、第一コネクタハウジング34の前部及び第二コネクタハウジング36の奥壁の間隔が徐々に広がる。これにより、相嵌合する第一コネクタ31と第二コネクタ32との離脱が開始する。
【0062 】
ある程度、上記間隔が広がると、第一コネクタハウジング34及び第二コネクタハウジング36同士、特に上記図示しない端子金具同士の摩擦抵抗が緩和される。この状態において、作業者自身の手で第一コネクタ31及び第二コネクタ32それぞれを引っ張ると容易にこれらが離脱し、作業が完了する。
【0063 】
以上、図6を参照しながら説明してきたように、第一コネクタ31と第二コネクタ32との嵌合状態からこれら二つのコネクタ31、32を離脱させるためにコネクタ離脱用治具33が用いられる。従って、少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具33を揃えればよく、従来のようなコネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具33は、第一コネクタ31及び第二コネクタ32それぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。
【0064 】
一方、コネクタ離脱用治具33は、第一コネクタ31及び第二コネクタ32の上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができる。
【0065 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。すなわち、上述の二つの形態では、コネクタ離脱用治具を相嵌合する第一コネクタ及び第二コネクタの左右どちら側でも配置することができるように形成していたが、これに限らず左右どちらか一方側のみの配置とした形状に形成してもよいものとする。
【0066 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させるためにコネクタ離脱用治具を用いる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、コネクタ離脱用治具は、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。従って、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタの離脱構造を提供することができるという効果を奏する。
【0067 】
請求項2に記載された本発明によれば、ロック解除補助テーパ面の乗り越えをスムーズに行うことができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0068 】
請求項3に記載された本発明によれば、引き抜き補助リブをコネクタの離脱以外に、ロックアームの保護部材としても機能させることができる。従って、ロックアームの破損を防止することができるという効果を奏する。
【0069 】
請求項4に記載された本発明によれば、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0070 】
請求項5に記載された本発明によれば、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合状態からこれら二つのコネクタを離脱させる際に用いる。少なくとも離脱の作業に必要な数だけコネクタ離脱用治具を揃えればよく、コネクタハウジング毎の構成部品点数の増大につながることはない。また、第一コネクタ及び第二コネクタそれぞれに対し別体になることから、コネクタ全体の構造が複雑化したり大型化したりすることもない。従って、構成部品点数を削減し、構造を簡素化し、サイズを小型化した上で、容易にコネクタの離脱を行うことが可能なコネクタ離脱用治具を提供することができるという効果を奏する。
【0071 】
請求項6に記載された本発明によれば、第一コネクタ及び第二コネクタの上下において均一な引き抜き力を生じさせることができる。従って、コネクタの離脱に係る作業性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】コネクタの離脱に係る作業開始時のコネクタ離脱用治具の位置関係を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図3】コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面に当接する直前の状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図4】コネクタ離脱用治具の押圧部がロックアームのロック解除補助テーパ面を乗り越え且つ引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブに当接した状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図5】コネクタ離脱用治具の引き抜き補助テーパが引き抜き補助リブを摺動して第一コネクタと第二コネクタとの離脱が開始した状態を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線に対応する断面図、(b)は図1のB−B線に対応する断面図である。
【図6】本発明によるコネクタの離脱構造及びコネクタ離脱用治具の他の一実施の形態を示す斜視図である。
【図7】従来例のレバー嵌合式コネクタの斜視図である。
【図8】図7の一方のコネクタハウジング及びレバーを示す断面図である。
【図9】図7の双方のコネクタハウジングを嵌合する過程を示す説明図である。
【図10】図9のコネクタハウジング相互の嵌合時におけるレバーの可撓係止腕の状態を示す説明図である。
【図11】図10のレバーを更に回動させレバーのロックを開始する状態を示す説明図である。
【図12】図11のレバーの回動を継続してロックが行われた状態を示す説明図である。
【図13】図12のレバーのロックを解除する操作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第一コネクタ
2 第二コネクタ
3 コネクタ離脱用治具
4 第一コネクタハウジング
6 ロックアーム
8 引き抜き補助リブ
9 押圧操作部
10 第一係止部
11 ロック解除補助テーパ面
12 第二コネクタハウジング
14 第二係止部
16 スリット
17 押圧部
18 引き抜き補助テーパ(第二引き抜き補助テーパ)
21 テーパ
31 第一コネクタ
32 第二コネクタ
33 コネクタ離脱用治具
34 第一コネクタハウジング
35 第二引き抜き補助リブ
36 第二コネクタハウジング
37 第二スリット
38 差し込み部
39 連結部
Claims (6)
- 相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをコネクタ離脱用治具を用いて離脱させるコネクタの離脱構造であって、
前記第一コネクタの第一コネクタハウジングは、該第一コネクタハウジングの前後方向後部側に押圧操作部を形成し且つ中間に第一係止部を形成し且つ前記押圧操作部と前記第一係止部との間に前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方に傾斜するロック解除補助テーパ面を形成した可撓性のあるロックアームと、前記左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出した引き抜き補助リブとを有し、
前記第二コネクタの第二コネクタハウジングは、前記第一係止部が係合可能となる第二係止部と、前記第二コネクタハウジングにおける前記左右方向の少なくとも一方側に形成したスリットとを有し、
前記コネクタ離脱用治具は、前記ロック解除補助テーパ面を乗り越えて前記押圧操作部と前記第一係止部との間を押圧する押圧部と、前記引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパとを有し、
前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合状態からこれらを離脱させる際には、前記コネクタ離脱用治具を前記スリットに差し込んで前記押圧操作部と前記第一係止部との間を前記押圧部で押圧し前記第一係止部と前記第二係止部との係合を解除するとともに、該係合の解除をしたままで前記引き抜き補助リブに当接した前記引き抜き補助テーパを摺動させる
ことを特徴とするコネクタの離脱構造。 - 請求項1に記載のコネクタの離脱構造において、
前記コネクタ離脱用治具の前記押圧部の先端に、前記ロック解除補助テーパ面に対応するテーパを形成する
ことを特徴とするコネクタの離脱構造。 - 請求項1又は請求項2に記載のコネクタの離脱構造において、
前記引き抜き補助リブの突出先端位置を、嵌合前の前記ロックアームの前記押圧操作部の位置よりも高く設定する
ことを特徴とするコネクタの離脱構造。 - 請求項1ないし請求項3いずれか記載のコネクタの離脱構造において、
前記第一コネクタハウジングは、前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出した第二引き抜き補助リブを更に有し、前記第二コネクタハウジングは、前記スリットの上下方向反対側に形成した第二スリットを更に有し、前記コネクタ離脱用治具は、前記第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有する
ことを特徴とするコネクタの離脱構造。 - 相嵌合する第一コネクタと第二コネクタとをこれらの嵌合状態から離脱させるコネクタ離脱用治具であって、
前記第一コネクタの第一コネクタハウジングに形成した可撓性のあるロックアームにおける前記第一コネクタハウジングの前後方向後部側に存する押圧操作部及び中間に存する第一係止部の間を押圧する押圧部と、
前記第一コネクタハウジングの左右方向の少なくとも一方側且つ前記前後方向後部側に突出形成した引き抜き補助リブに当接する引き抜き補助テーパと、
を備え、全体を板状に形成する
ことを特徴とするコネクタ離脱用治具。 - 請求項5に記載のコネクタ離脱用治具において、
前記引き抜き補助リブの上下方向反対側に突出形成した第二引き抜き補助リブに当接する第二引き抜き補助テーパを更に有し、全体を略コ字状の板状に形成する
ことを特徴とするコネクタ離脱用治具。
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