JP3851031B2 - 溶融炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転する筒形の炉体を備えたロータリキルンタイプの溶融炉に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶融炉としては、例えば、特開平11−94468号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来の溶融炉は、回転する筒形の炉体を備え、炉体の一端部側に溶融材料を炉体の内部に投入するの投入口と溶融材料を燃焼熱で溶融させるバーナとが設けられ、炉体の他端部側に溶融材料が溶融処理された溶融処理物を炉体の外部へ排出する排出口が設けられてなるものである。なお、溶融処理物の排出口は、燃焼ガスを排出する排気口をも兼用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来の溶融炉では、炉体の内部の熱が燃焼ガスとともに排出口から炉体の外部に逃げてしまうため、溶融処理の熱効率が低いという問題点がある。
【0005】
なお、このような問題点を解決するには、排出口に開閉可能な蓋体を備えることが考えられる。然しながら、蓋体を備えると炉体の内部の一部に熱の滞留が生じて溶融材料の燃焼溶融が阻害され溶融処理時間が長くなるという新たな問題点が生ずる。
【0006】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、溶融処理の時間効率,熱効率の高い溶融炉を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る溶融炉は、次のような手段を採用する。
【0008】
即ち、請求項1では、回転する筒形の炉体を備え、炉体の一端部側に溶融材料を炉体の内部に投入する投入口と溶融材料を燃焼熱で溶融させるバーナとが設けられ、炉体の他端部側に溶融材料が溶融処理された溶融処理物を炉体の外部へ排出する排出口が設けられてなる溶融炉において、炉体の一端部側に大きく開口され排気の大部分が通る排気路を設け、炉体の他端部側に前記排出口として小さく開口され、該排出口の外側に排出口よりも相対的に大きな容積を有する圧力調整室が設けられ、圧力調整室の上部に前記排出口から流出した排気の一部分が通る排気バイパス路が接続され、圧力調整室の下部に溶融処理物を排出する湯口を設けたことを特徴とする。
【0009】
この手段では、小さく開口された排出口と排気の一部分が通る排気バイパス路とにより、炉体の内部の熱の炉体の他端部側からの逃げが低減される。炉体の一端部側では、炉体の内部の熱が他端部側からリターンしてから排出されるため、炉体の他端部側からの熱の逃げも低減される。なお、排気バイパス路は、炉体の内部における熱の滞留を解消する。
【0010】
また、請求項2では、請求項1の溶融炉において、炉体の一端部側の中央部にバーナが設けられ、排気路が投入口,バーナの外周部に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この手段では、炉体の内部の熱が炉体の壁に沿ってリターンする。
【0012】
また、請求項1または2の溶融炉において、炉体の他端部側の排出口の外側に排出口よりも相対的に大きな容積を有する圧力調整室が設けられ、圧力調整室の上部に排気バイパス路が接続され、圧力調整室の下部に溶融処理物を排出する湯口を設けた。
【0013】
これにより、小さく開口された排出口から排出される溶融処理物の排出圧力が圧力調整室で調整される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る溶融炉の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
この実施の形態は、耐火材,耐熱材で円筒形に形成された炉体1が駆動ローラ2’によって外筒2に回動可能に支持されてなる。なお、炉体1,の外筒2の間には、冷却水Wを炉体1に散布する冷却機構3が装備されている。また、外筒2は、図示しないアームに支持されて炉体1,外筒2の軸線aを傾倒することができるようになっている。
【0016】
炉体1は、内壁にテーパ面11が設けられた異形円筒形に形成され、一端部側が大きく開口され他端部側が小さく開口されている。
【0017】
炉体1の一端部には、中央部に溶融材料Bを炉体2の内部に投入する投入口12と溶融材料Bを燃焼熱で溶融させるバーナ4とが配置され、外周部に燃焼ガスからなる排気Cの大部分が通る排気路13が設けられている。バーナ4には、空気D,油Eの供給系が接続されている。
【0018】
炉体1の他端部には、溶融材料Bが溶融処理された溶融処理物Fを炉体1の外部へ排出する排出口14が小さな開口をそのまま利用して設けられている。
【0019】
炉体1の排出口14の外側には、圧力調整室5が設けられている。この圧力調整室5は、炉体1の排出路13よりも大きな容積を有している。圧力調整室5の上部には、排気Cのうちの一部分である炉体1の排出口14を通過したものが通る排気バイパス路6となるパイプが接続されている。圧力調整室5の下部には、溶融処理物Fを排出する栓付きの湯口7が設けられている。
【0020】
圧力調整室5の湯口7の外側には、排出された溶融処理物Fを案内する樋形の排出路8が円弧形に配設されている。図中9は溶融スラグである。
【0021】
さらに、この実施の形態は、図2に示すような廃棄物処理システムに設置されている。
【0022】
この廃棄物処理システムは、前述した本発明に係る溶融炉の実施の形態からなる溶融炉に加えて、乾留炉G,不活性ガス生成設備Hを主要設備として構成されている。
【0023】
乾留炉Gは、耐熱壁で密閉構造に形成されてなるもので、内部に廃棄物Aを収容し高温の不活性ガスIを導入して乾留処理を行うことができるようになっている。この乾留炉Gは、好ましくは、縦型に形成して隣接する廃棄物集積設備Jから搬送された廃棄物Aを上部から投入し廃棄物Aが乾留処理され乾留ガス化せずに残った乾留残滓である溶融材料Bを下部から排出するように構成する。なお、廃棄物Aが投入される乾留炉Gの上部の密閉構造については、上下の複数ダンパ構造(例えば、特開平5−180425号公報参照)が採用される。また、不活性ガスIの導入部については、導入される不活性ガス量の調整によって乾留速度を調整できるように、乾留炉Gの下部に設定される。
【0024】
乾留炉Gでの乾留処理で廃棄物Aから乾留ガス化された発生ガスKは、乾留炉Gに接続した発生ガス処理設備Lに送られる。発生ガス処理設備Lは、発生ガスKを油化回収等の各種の用途に利用可能な状態に処理する。なお、発生ガスKの利用されない部分は、大気汚染対策設備である排ガス設備M,排煙設備Nを介して大気中に排出される。これ等の排ガス設備M,排煙設備Nについては、焼却処理の大気汚染対策設備よりもはるかに簡素,小規模なもので対応することができる。
【0025】
乾留炉Gでの乾留処理で廃棄物Aから乾留ガス化されなくて残った乾留残滓である溶融材料Bは、乾留炉Gに接続した不活性ガス生成設備Hに搬送される。不活性ガス生成設備Hは、乾留炉Gで生成され排出された炭素系からなる乾留残滓である溶融材料Bから、主に炭素を燃焼させることによって、乾留炉Gに導入される不活性ガスIを生成する。不活性ガスIとしては、例えば、CH2 :14.09%,SH2 :0.03%,H2 H:9.05%,空気:8.06%の組成の低酸素ガスからなる。低酸素ガスであることは、乾留炉Gでの爆発,過燃焼等を防止して安全性を確保することができる。この不活性ガス生成設備Hは、必要に応じて加熱手段が備えられ、不活性ガス生成設備Hを700℃程度に加熱する。なお、乾留炉Gから不活性ガス生成設備Hへの乾留残滓である溶融材料Bの搬送については、外気との接触が遮断された状態で行われる。
【0026】
乾留炉Gから不活性ガス生成設備Hに搬送された乾留残滓である溶融材料Bは、さらに不活性ガス生成設備Hに接続された本発明に係る溶融炉の実施の形態に搬送される。この溶融炉は、前述のように、空気D,油Eの供給によるバーナ4の燃焼で乾留残滓である溶融材料Bを溶融処理しスラッジである溶融処理物Fとして排出する。この溶融設備3で生成された高温の燃焼ガスである排気Cは、乾留炉Gに導入される不活性ガスIとして利用される。なお、不活性ガス生成設備2から溶融設備3への乾留残滓である溶融材料Bの搬送については、外気との接触が遮断された状態で行われる。また、バーナ4に供給される空気Dについては、一部が不活性ガス生成設備Hに送られる。
【0027】
不活性ガス生成設備H,溶融炉で生成された不活性ガスIは、不活性ガス集成設備Pを介して乾留炉Gに導入される。不活性ガス集成設備Pは、不活性ガス生成設備H,溶融炉で生成された不活性ガスIの成分,温度等を均質化する。
【0028】
この実施の形態によると、大部分の排気Cが炉体2の内部を内壁に沿って内壁を加熱しながらリターンして排気路13に流込み、一部分の排気Cが排出口14から流出すため、炉体2の内部からの熱の逃げが低減される。従って、溶融処理の熱効率が高くなる。
【0029】
また、一部分ではあるが排気Cが排出口14から流出するため、炉体2の内部の一部に熱の滞留が生じなくなる。従って、溶融材料Bの燃焼溶融が阻害され溶融処理時間が長くなるということがなくなり、溶融処理の時間効率が高くなる。
【0030】
また、圧力調整室5の存在は、溶融処理物Fの噴出飛散の防止に有効であるとともに、排気バイパス路6への排気Cの流入を円滑にする。
【0031】
さらに、この実施の形態では、乾留炉Gにおいて、廃棄物Aが焼却処理を伴わない高温の不活性ガスIの積極的な導入で乾留処理される。従って、乾留処理が焼却処理で副次的に行われる場合に比して、廃棄物Aの乾留ガス化比率が高くなる。ちなみに、炭化水素系物,金属,砂利,水の混雑物からなる廃棄物Aに対して前述の成分,温度からなる不活性ガスBを導入すると、乾留ガス化比率が70〜80%となる。なお、不活性ガスIが乾留炉Gで生成された乾留残滓である溶融材料Bから生成され別系統の生成設備を必要としないため、全体の装置規模の大型化を避けることができる。また、乾留炉Gでの積極的な乾留処理は、吸熱反応によって発生ガスKの温度の低下をもたらす。従って、発生ガスKにおける低温蒸発金属量を減少させることができる。
【0032】
さらに、乾留残滓である溶融材料Bは、焼却処理されずに溶融処理される。従って、焼却処理に対応した大規模な大気汚染対策設備を備える必要がなく、全体の装置規模の大型化を避けることができる。ちなみに、前述の場合乾留残滓である溶融材料Bの炭素の含有重量は、20〜30%となる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る溶融炉は、小さく開口された排出口と排気の一部分が通る排気バイパス路とにより、炉体の内部の熱の炉体の他端部側からの逃げが低減され、炉体の一端部側では炉体の内部の熱が他端部側からリターンしてから排出されて炉体の他端部側からの熱の逃げも低減され、排気バイパス路が炉体の内部における熱の滞留を解消するため、溶融処理の時間効率,熱効率が高くなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶融炉の実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る溶融炉の実施の形態を設置するシステム例を示す設備配置図である。
【符号の説明】
1 炉体
12 投入口
13 排気路
14 排出口
2 外筒
2’ 駆動ローラ
3 冷却機構
4 バーナ
5 圧力調整室
6 排気バイパス路
9 溶融スラグ
B 溶融材料
C 排気
G 乾留炉
H 不活性ガス生成設備
Claims (2)
- 回転する筒形の炉体を備え、炉体の一端部側に溶融材料を炉体の内部に投入する投入口と溶融材料を燃焼熱で溶融させるバーナとが設けられ、炉体の他端部側に溶融材料が溶融処理された溶融処理物を炉体の外部へ排出する排出口が設けられてなる溶融炉において、炉体の一端部側に大きく開口され排気の大部分が通る排気路を設け、炉体の他端部側に前記排出口として小さく開口され、該排出口の外側に排出口よりも相対的に大きな容積を有する圧力調整室が設けられ、圧力調整室の上部に前記排出口から流出した排気の一部分が通る排気バイパス路が接続され、圧力調整室の下部に溶融処理物を排出する湯口を設けたことを特徴とする溶融炉。
- 請求項1の溶融炉において、炉体の一端部側の中央部にバーナが設けられ、排気路が投入口,バーナの外周部に設けられていることを特徴とする溶融炉。
Priority Applications (1)
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JP28355899A Expired - Fee Related JP3851031B2 (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | 溶融炉 |
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