JP3850635B2 - 浴槽残水量の検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽の自動湯張りを行う機能を備えた暖房給湯装置等のシステムにおいて、浴槽の残水量を検出する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
温水熱を利用した暖房機能と、給湯機能、浴槽の湯水の追焚き機能等を併せ持つ暖房給湯装置は、温水を床暖房装置等に供給する温水路に暖房用熱交換器を具備すると共に、浴槽及び台所等への通水路に給湯用熱交換器を具備する。この場合、浴槽に連接された風呂用循環路に温水路の温水熱を伝達する風呂用熱交換器(液−液型の熱交換器)が備えられている。そして、台所への給湯や浴槽の湯張りを行なう場合には、台所や浴槽への通水管を流れる水(水道水)をガスバーナ等の加熱源により給湯用熱交換器を介して加熱する。また、暖房を行なう場合には、前記温水路の湯水をバーナ等の加熱源により前記暖房用熱交換器を介して一定温度に加熱保持し、それを温水床暖房装置等に供給する。さらに、浴槽の湯水の追焚きを行なう場合には、温水路の温水を風呂用熱交換器に供給しながら、前記風呂用循環路に設けた循環ポンプを作動させて浴槽の湯水を該循環路を介して循環させ、その湯水を温水路の温水により風呂用熱交換器を介して加熱する。
【0004】
この種のシステムでは、通常、浴槽の自動湯張り機能、すなわち、浴槽に所望の水位まで自動的に給湯する機能が設けられている。この自動湯張りを行なう場合には、浴槽内に残留している湯水の量(浴槽残水量)を事前に検出しておく必要がある。そして、この浴槽残水量を検出する手法としては、従来、次のような手法が知られている。
【0006】
すなわち、前記暖房給湯装置にあっては、前記暖房用熱交換器を介して加熱された温水路の温水を風呂用熱交換器に供給しつつ風呂用循環路の循環ポンプを作動させると共に暖房用熱交換器の加熱源を作動させた状態で、加熱源の発生熱量と、該加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率とから所定期間内に浴槽の湯水に与えられた実熱量を求める。さらに、その所定期間内における浴槽の湯水の温度上昇量を温度センサを用いて検出する。このとき、上記温度上昇量と浴槽内に存在している湯水の量(浴槽残水量)と水の比熱(これは一定値である)とを乗算したものが、前記実熱量であるので、前記実熱量と温度上昇量とから浴槽残水量を求めることができる。
【0007】
尚、前記熱量伝達率は、詳しくは、加熱源の発生熱量のうち、浴槽の湯水に実際に与えられる熱量の、該加熱源の発生熱量に対する割合を表すものである。暖房給湯装置では、これは基本的には暖房用熱交換器の熱効率と風呂用熱交換器の熱効率とを併せたものに相当する。
【0008】
ところで、これらの従来の装置では、前記実熱量を求めるために必要となる前記熱量伝達率の値は、あらかじめ実験等により定めた一定値とすることが一般的に行なわれている。
【0009】
しかしながら、前記熱量伝達率は、種々様々の要因(例えば前記風呂用熱交換器に流入する湯水の温度や、前記暖房用熱交換器から風呂用熱交換器への配管状態等)の影響を受けて変化する。このため、上記のように一定値とした熱量伝達率を用いて前記実熱量を求めた場合に、該実熱量の誤差を生じることが多々ある。そして、このような場合には、該実熱量を用いて求める浴槽残水量も不正確なものとなり、ひいては、所望の水位までの湯張りを適正に行なうことが困難となる。
【0010】
このような不都合を解消するためには、前記実熱量を求める際に前記熱量伝達率に影響を及ぼす全ての要因を考慮して該熱量伝達率を適宜決定することが好ましい。しかしながら、該熱量伝達率に影響を及ぼす要因は多岐にわたるため、それらの全ての要因を考慮して熱量伝導率を決定することは実際上は困難であり、実用的でない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、浴槽残水量を求めるために、加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率を容易に精度よく求めることができ、ひいては浴槽残水量の検出を精度よく行なうことができる浴槽残水量の検出方法を提供することを目的とする。
【0012】
本願発明者等は暖房給湯装置について加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率について検討した結果、次のことが判明した。すなわち、暖房給湯装置では、加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率は、加熱源が直接的に加熱する暖房用熱交換器に流入する温水の温度との相関性が特に高い。この場合、基本的には、暖房用熱交換器に流入する湯水の温度が該暖房用熱交換器の温度よりも低い程、該暖房用熱交換器における熱交換の効率が高まり、ひいては、加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率も高まる。
【0014】
本発明の浴槽残水量の検出方法はこのような知見に基づきなされたものであり、前述の暖房給湯装置に係わるものである。この本発明は、加熱源により第1熱交換器を介して一定温度に維持されるように加熱される湯水を供給する温水路と、浴槽に連接され、該浴槽内の湯水が循環ポンプにより循環される循環路と、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水が供給され、該温水路の湯水から前記循環路の湯水への熱交換を行う第2熱交換器と、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水が供給される暖房用放熱装置とを備えた装置における浴槽残水量の検出方法であって、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水を前記第2熱交換器に供給しつつ前記循環ポンプ及び加熱源を作動させ、且つ、前記暖房用放熱装置への前記温水路の湯水の供給を遮断した状態での所定期間において前記温水路で前記第1熱交換器に流入する湯水の温度を検出する工程と、その検出温度に応じて前記加熱源から前記循環路の湯水への熱量伝達率を決定し、その決定した熱量伝達率と前記加熱源の発生熱量とから前記所定期間において前記第2循環路を循環する浴槽の湯水に与えられた実熱量を求める工程と、前記所定期間における前記浴槽の湯水の温度上昇量を検出する工程と、前記実熱量と温度上昇量とに基づき前記浴槽残水量を求める工程とからなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明によれば、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水を前記第2熱交換器に供給しつつ前記循環ポンプ及び加熱源を作動させた状態、すなわち、浴槽の湯水を前記循環路を介して循環させつつ、前記加熱源により前記第1熱交換器を介して加熱される前記温水路の温水との前記第2熱交換器を介した熱交換によって浴槽の湯水を加熱しているときの所定期間において前記第1熱交換器に流入する温水路の湯水の温度を検出し、その検出温度に応じて前記加熱源から浴槽の湯水(前記循環路を流れる湯水)への熱量伝達率を決定するので、精度のよい熱量伝達率を容易に得ることができる。そして、この熱量伝達率を用いて前記所定期間において浴槽の湯水に実際に与えられた実熱量を求め、さらにこの実熱量を用いて浴槽残水量を求めるので、該浴槽残水量を精度よく検出することが可能となる。
【0017】
従って、本発明によれば、加熱源から浴槽の湯水への熱量伝達率を容易に精度よく求めることができ、ひいては浴槽残水量の検出を精度よく行なうことができる。
【0018】
尚、本発明において、前記所定期間は、例えばあらかじめ定めた一定の時間間隔、あるいは、該所定期間の開始時から浴槽の湯水が所定の温度にまで上昇するまでの期間等である。
【0019】
また、本発明では、基本的には、前記第1熱交換器に流入する湯水の温度が低い程、前記熱量伝達率は大きな値になるように決定することが好適である。
【0020】
かかる本発明にあっては、より具体的には、前記実熱量を求める工程は、前記所定期間において、所定の単位時間毎に前記熱量伝達率を逐次決定しつつ、その決定した熱量伝達率と当該単位時間当たりの前記加熱源の発生熱量とから当該単位時間当たりに前記循環路を循環する浴槽の湯水に与えられた熱量を求め、その求めた熱量を前記所定期間にわたって積算することにより前記実熱量を求める。
【0021】
このように、前記所定期間において熱量伝達率を所定の単位時間毎に逐次決定しつつ、その単位時間当たりに浴槽の湯水に与えられた熱量を求め、その熱量を該所定期間にわたって積算することにより、熱量伝達率の時々刻々の変化を考慮しながら前記所定期間にわたって浴槽の湯水に与えられた前記実熱量を求めることができる。このため、該実熱量の精度を高めることができ、ひいては、該実熱量を用いて求められる浴槽残水量の精度を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に関連する参考例を図1〜図3を参照して説明する。図1は該参考例における装置の全体的システム構成図、図2及び図3は図1の装置の作動を説明するためのフローチャートである。
【0023】
図1を参照して、本参考例における装置は、例えば風呂給湯装置であり、浴槽1等に給湯する給湯路2と、浴槽1の湯水を循環させる循環路3とを具備している。
【0024】
給湯路2は、ガスバーナ4により加熱される給湯用熱交換器5を経由して設けられ、その上流側は図示しない水道管に接続されている。また、給湯路2は、給湯用熱交換器5の下流側で、浴槽1に給湯するための風呂用給湯路2aと、台所や洗面所等に給湯するための常用給湯路2bとに分流されている。そして、風呂用給湯路2aは、これを開閉する電磁弁6や、循環路3から風呂用給湯路2aへの湯水の逆流を防止する逆止弁7、風呂用給湯路2aの通水量を検出する流量センサ8を介して循環路3に連接されている。尚、常用給湯路2bは、台所や洗面所等の図示しない給湯栓に連接されている。
【0025】
循環路3は、浴槽1の側壁下部に設けられた循環口1aに連接され、本発明の第1の態様における加熱源に相当するガスバーナ9により加熱される風呂用熱交換器10を経由して設けられている。そして、循環路3の、浴槽1から風呂用熱交換器10の流入口側に至る箇所には、浴槽1の湯を循環路3に流して循環させる循環ポンプ11と、循環路3における通水の有無を検出する水流スイッチ12と、風呂用熱交換器10に流入する浴槽1の湯水の温度(以下、風呂用熱交流入温度という)を検出する温度センサ13が設けられている。
【0026】
また、本参考例の装置は、後述する浴槽残水量の検出処理等を含めて装置の運転制御を担うコントローラ15と、使用者が装置の運転形態等をコントローラ15に指示するためのリモコン16とが備えられている。
【0027】
コントローラ15は、マイクロコンピュータを用いて構成されたもので、前記温度センサ13、水流スイッチ12、流量センサ8等の各種センサの検出信号やあらかじめ定められたプログラム、リモコン16による指示データ等に基づいて、前記循環ポンプ11や電磁弁6、ガスバーナ4,9の燃焼運転の制御等を行うものである。この場合、リモコン16では、例えば浴槽1に自動的に湯張りをするための自動湯張り運転や、浴槽1内の湯水の沸き上げを行なうための追焚き運転等の運転モードを選択可能とされている。さらに、例えば浴槽1の目標水位や目標湯温、給湯路2の目標出湯温度等を設定可能とされている。
【0028】
尚、図示は省略するが、各ガスバーナ4,9に関連して、これらのガスバーナ4,9へのガス供給路に、ガス供給量を調整するためのガス比例電磁弁やガス供給路を開閉するための開閉電磁弁が備えられると共に、各ガスバーナ4,9に点火するための点火器、各ガスバーナ4,9の燃焼炎を検出する炎検出器、各ガスバーナ4,9に燃焼用空気を供給するための送風ファン等が備えられている。そして、各ガスバーナ4,9の燃焼運転は、これらの機器を介して制御されるようになっている。
【0029】
次に、本参考例の装置の作動、特に自動湯張り運転に際しての作動を図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
図2を参照して、リモコン16によって、自動湯張り運転が選択されると、まず、STEP1において、所定量(例えば6リットル)の給湯が浴槽1に対して行なわれる。すなわち、コントローラ15が、風呂用給湯路2aの電磁弁6を開弁して、給湯用熱交換器5側のガスバーナ4の燃焼運転を行なわせながら、給湯用熱交換器5で加熱された湯を給湯路2、風呂用給湯路2a及び循環路3を介して浴槽1に給湯する。そして、この給湯を風呂用給湯路2aの流量センサ8で検出される流量の積算量が6リットルに達するまで行なう。
【0031】
尚、このSTEP1ではガスバーナ4の燃焼運転を行わずに浴槽1への給湯を行なうようにしてもよい。
【0032】
次いで、STEP2で、コントローラ15は、浴槽1内に残水が有るか否かの判定、詳しくは浴槽1の循環口1aのレベル以上の湯水が浴槽1内に有るか否かの判定を行う。この判定では、コントローラ15は、循環ポンプ11を作動させつつ、水流スイッチ12の検出信号を監視する。このとき、循環口1a以上のレベルの湯水が浴槽1に存在しておれば、水流スイッチ12は連続的にON信号を発生し、浴槽1に湯水が無ければ水流スイッチ12はOFFになる。そこで、コントローラ15は、水流スイッチ12がOFFになるか否かにより、浴槽1の湯水の有無を判断する。
【0033】
上記STEP2で、浴槽1に湯水が無いと判断された場合には、STEP3の処理が実行された後、自動湯張り運転が終了する。このSTEP3では、リモコン16で設定された目標水位に対応する湯量(以下、目標湯張り量)の給湯が浴槽1に対して行なわれる。すなわち、前記STEP1の場合と同様に、コントローラ15が、風呂用給湯路2aの電磁弁6を開弁して、ガスバーナ4の燃焼運転を行なわせながら、給湯用熱交換器5で加熱された湯を給湯路2、風呂用給湯路2a及び循環路3を介して浴槽1に給湯する。そして、この給湯を風呂用給湯路2aの流量センサ8で検出される流量の積算量が前記目標湯張り量に達するまで行なう。尚、この場合、目標湯張り量は、例えばあらかじめ設定されたデータテーブル等を用いて目標水位から求められる。
【0034】
一方、STEP2で、浴槽1に湯水が有ると判断された場合、すなわち浴槽1の循環口1aのレベル以上の湯水が既に浴槽1内に存在している場合には、STEP4で、浴槽残水量Wを検出する処理が実行される。
【0035】
この処理は、図3のフローチャートに示すように行なわれる。
【0036】
まず、STEP4−1でコントローラ15が循環ポンプ11を作動させ、浴槽1の湯水を循環路3を介して循環させる。さらに、STEP4−2でコントローラ15が風呂用熱交換器10側のガスバーナ9の燃焼運転を開始させる。これにより、浴槽1の湯水が循環路3を流通しながら、風呂用熱交換器10を介して加熱される。
【0037】
次いで、コントローラ15は、STEP4−3で計時タイマを起動し、この計時タイマがあらかじめ定めた所定時間を計時するまでの期間において、所定の単位時間毎(例えば1秒毎)にSTEP4−4〜4−10の処理を実行する。
【0038】
すなわち、コントローラ15は、上記単位時間(以下、サイクルタイムという)毎に風呂用熱交流入温度Tを温度センサ13により逐次検出する(STEP4−4)。このとき、前記計時タイマの起動時のタイミングである場合には(STEP4−5でYES)、その検出した風呂用熱交流入温度TをパラメータTSの値として記憶しておく(STEP4−6)。そして、コントローラ15は、STEP4−4で検出した現在の風呂用熱交流入温度Tを用いて、次式(1)により、ガスバーナ9から浴槽1の湯水への熱量伝達率η(これは基本的には風呂用熱交換器10の熱効率に等しい)を決定する(STEP4−7)。
【0039】
η=a/T ……(1)
ここで、「a」は、あらかじめ実験等より定められた定数である。この式(1)により熱量伝達率ηを求めることにより、該熱量伝達率ηは、風呂用熱交流入温度Tが低い程、高くなる(風呂用熱交流入温度Tが高い程、熱量伝達率ηが低くなる)。このため、該熱量伝達率ηの値を実際の熱量伝達率に精度よく合致させることができる。つまり、風呂用熱交換器10の熱効率は、該風呂用熱交換器10の温度に対して風呂用熱交流入温度Tが低い程、高くなるが、上記のように決定される熱量伝達率ηは、このような風呂用熱交換器10の特性と整合することとなる。このため、熱量伝達率ηの良好な精度を確保することができる。
【0040】
次いで、コントローラ15は、次式(2)のように、ガスバーナ9の現在の発生熱量Qin[J/sec]に上記熱量伝達率ηを乗算することにより、ガスバーナ9から現在のサイクルタイムで浴槽1の湯水に与えられた熱量q[J/sec]を求める(STEP4−8)。
【0041】
q=Qin・η ……(2)
この場合、ガスバーナ9の発生熱量Qinは、該ガスバーナ9への供給ガス量を規定するガス比例電磁弁(図示しない)の通電量から、あらかじめ設定されたデータテーブルに従って求められる。
【0042】
さらに、コントローラ15は、このようにSTEP4−8で求めた熱量qを前記サイクルタイム毎に積算(累積加算)する(STEP4−9。以下、この積算値に参照符号Σqを付する)。
【0043】
そして、前記STEP4−3で起動した計時タイマがあらかじめ所定時間(以下、熱量積算時間という)を計時したか否かを判断し(STEP4−10)、該熱量積算時間が経過していない場合には、STEP4−4からの処理を前記サイクルタイム毎に繰り返す。また、計時タイマを起動してから熱量積算時間が経過した場合には、STEP4−11に進んで、現在の風呂用熱交流入温度T(直前のSTEP4−4で検出された温度T)をパラメータTEとして記憶保持する。
【0044】
以上のようにして、計時タイマを起動してから、所定の熱量積算時間が経過するまでの期間において浴槽1の湯水に与えられた実熱量が、最終的にSTEP4−9で得られた積算値Σqとして求められることとなる。また、該計時タイマの起動時の風呂用熱交流入温度Tと、熱量積算時間の経過時の風呂用熱交流入温度TとがそれぞれパラメータTS、TEの値として記憶保持されることとなる。
【0045】
次いで、コントローラ15は、STEP4−12において、上記のように求めた実熱量Σqと、パラメータTS、TEの値の差(=TE−TS)、すなわち前記熱量積算時間の期間内のおける浴槽1の湯水の温度上昇量(以下、参照符号ΔTを付する)とから、次式(3)により浴槽残水量Wを求める。
【0046】
W=Σq/(ΔT・C) ……(3)
但し、C:水の比熱[J/℃・リットル]
すなわち、浴槽1の湯水の温度上昇量ΔTと、浴槽1の湯水の総量と、水の比熱Cとを乗算したものが、前記熱量積算時間の期間に浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqであるから、式(3)によって、浴槽残水量Wを求めることができる。
【0047】
尚、本参考例では、温度センサ13で検出される風呂用熱交流入温度Tを浴槽1の湯水の温度として得るようにしているが、温度センサ13とは別に浴槽1内等に設けた温度センサにより浴槽1の湯水の温度を検出して、上記温度上昇量ΔTを求めるようにしてもよい。
【0048】
このようにしてSTEP4で、コントローラ15により浴槽残水量Wが求められた後、STEP5において、前記目標湯張り量(リモコン16で設定された目標水位に対応する湯量)から浴槽残水量Wを差し引いた湯量(=目標湯張り量−浴槽残水量W)の給湯が浴槽1に対して行なわれ、自動湯張り運転が終了する。
【0049】
このとき、STEP5では、前記STEP1、3の場合と同様に、コントローラ15が、ガスバーナ4の燃焼運転を行なわせながら、風呂用給湯路2aの電磁弁6を開弁して、給湯用熱交換器5で加熱された湯を循環路3を介して浴槽1に給湯する。そして、この給湯を風呂用給湯路2aの流量センサ8で検出される流量の積算量が(目標湯張り量−W)の湯量に達するまで行なう。
【0050】
以上のような作動により、自動湯張り運転の際に既に浴槽1に湯水が有る場合には、目標水位までの湯張りを精度よく行なうことができる。すなわち、前述のように熱量伝達率ηが時々刻々の風呂用熱交流入温度Tに応じて前記式(1)により決定されるため、該風呂用熱交流入温度Tの変化による風呂用熱交換器10の熱効率を考慮した精度のよい熱量伝達率ηを逐次求めることができる。さらに、このような熱量伝達率ηを用いて浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqを求めるので、精度の良い実熱量Σqを得ることができ、ひいては、この実熱量Σqを用いて前記式(3)により浴槽残水量Wを精度よく検出することができる。そして、この浴槽残水量Wを用いることで、目標湯張り量に対する不足分の湯量(=目標湯張り量−W)を精度よく得ることができるため、目標水位までの湯張りを精度よく行なうことができる。
【0051】
次に、本発明の一実施形態を図4〜図6を参照して説明する。図4は本発明の方法を適用する装置の全体的システム構成図、図5及び図6は図4の装置の作動を説明するためのフローチャートである。尚、本実施形態の説明において、前記参考例と同一部分については、前記参考例のものと同一の参照符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0052】
図4を参照して、本実施形態における装置は、例えば暖房給湯装置であり、浴槽1等に給湯する給湯路2と、浴槽1の湯水を循環させる循環路17と、暖房や浴槽1の湯水の沸き上げ等を行なうための温水を循環させながら流通させる温水路18とを具備している。
【0053】
給湯路2は、前述の参考例の装置のものと同一構成であり、ガスバーナ4により加熱される給湯用熱交換器5を経由して設けられ、給湯用熱交換器5の下流側で、浴槽1への給湯用の風呂用給湯路2aと台所や洗面所等への給湯用の常用給湯路2bとに分流されている。そして、風呂用給湯路2aは、電磁弁6や、逆止弁7、流量センサ8を介して循環路17に連接されている。
【0054】
循環路17は、浴槽1の循環口1aに連接されると共に、詳細を後述する温水路18の温水により加熱される液−液型の風呂用熱交換器19を経由して設けられている。この風呂用熱交換器19は、本発明における第2熱交換器に相当するものである。そして、循環路17の、浴槽1から風呂用熱交換器19の流入口側に至る箇所には、前記参考例のものと同様、循環ポンプ11、水流スイッチ12、及び温度センサ13が設けられている。さらに、本実施形態の装置では、循環路17の、風呂用熱交換器19の流出口側から浴槽1に至る箇所には、風呂用熱交換器19から流出する湯の温度(以下、風呂用熱交流出温度という)を検出する温度センサ20が設けられている。
【0055】
温水路18は、主として暖房用の温水を循環させる暖房用温水路18aと、該暖房用温水路18aの一部を共用しつつ、風呂用熱交換器19に熱源としての温水を供給しつつ循環させる風呂用温水路18bとに大別される。
【0056】
暖房用温水路18aは、湯水を貯蔵したシスターン21の湯水を、ガスバーナ9により加熱される暖房用熱交換器22と、温水床暖房装置等の温水熱利用の暖房放熱装置23とを順に経由させて循環させる温水路であり、その循環を行なうための暖房用循環ポンプ24が、シスターン21から暖房用熱交換器22の流入口側に至る経路に介装されている。尚、暖房用熱交換器22は、本発明の第2の態様における第1熱交換器に相当するものである。
【0057】
また、暖房用温水路18aの、暖房用熱交換器22の流出口側から暖房放熱装置23に至る径路には、暖房用熱交換器22から流出する温水を暖房放熱装置23に対して遮断するための開閉電磁弁25が介装されている。
【0058】
さらに、暖房用温水路18aの、暖房用循環ポンプ24と、暖房用熱交換器22の流入口との間の箇所には、暖房用熱交換器22に流入する温水の温度を検出する温度センサ26が設けられると共に、暖房用熱交換器22の流出口と開閉電磁弁25との間の箇所には、暖房用熱交換器22から流出する温水の温度を検出する温度センサ27が設けられている。
【0059】
風呂用温水路18bは、前記シスターン21の湯水を、前記暖房用熱交換器22と、前記風呂用熱交換器19とを順に経由させて循環させる温水路であり、暖房用熱交換器22の流出口側の温度センサ27と前記開閉電磁弁25との間で暖房用温水路18aから分流され、さらに前記風呂用熱交換器19を経由して前記シスターン21に戻るように配設されている。そして、この風呂用温水路18bの暖房用温水路18aからの分流箇所と風呂用熱交換器19との間の箇所には、風呂用温水路18bの温水を風呂用熱交換器19に対して遮断断するための開閉電磁弁28が介装されている。
【0060】
上述のように構成された温水路18では、風呂用温水路18bの開閉電磁弁28を閉弁すると共に暖房用温水路18aの開閉電磁弁25を開弁した状態で、暖房用循環ポンプ24を作動させると、シスターン21内の湯水が暖房用循環ポンプ24、暖房用熱交換器22、開閉電磁弁25、暖房放熱装置23を順に介して循環する。このとき、ガスバーナ9により暖房用熱交換器22を加熱すると、暖房用熱交換器22から温水が流出し、それが暖房放熱装置23に供給される。
【0061】
また、暖房用温水路18aの開閉電磁弁25を閉弁すると共に風呂用温水路18bの開閉電磁弁28を開弁した状態で、循環ポンプを作動させると、シスターン21内の湯水が暖房用循環ポンプ24、暖房用熱交換器22、開閉電磁弁28、風呂用熱交換器19を順に介して循環する。このとき、ガスバーナ9により暖房用熱交換器22を加熱すると、風呂用温水路18bを流れる温水が風呂用熱交換器19に熱源として供給される。
【0062】
本実施形態の装置はさらに、後述する浴槽残水量の検出処理等を含めて装置の運転制御を担うコントローラ29と、使用者が装置の運転形態等をコントローラ29に指示するためのリモコン30とが備えられている。
【0063】
コントローラ29は、マイクロコンピュータを用いて構成されたもので、前記温度センサ13,20,26,27、水流スイッチ12、流量センサ8等の各種センサの検出信号やあらかじめ定められたプログラム、リモコン30による指示データ等に基づいて、前記風呂用循環ポンプ11や電磁弁6、暖房用循環ポンプ24、開閉電磁弁25,28、ガスバーナ4,9の燃焼運転の制御等を行うものである。この場合、リモコン30では、前記参考例のものと同様、例えば浴槽1に自動的に湯張りをするための自動湯張り運転や、浴槽1内の湯水の沸き上げを行なうための追焚き運転等の運転モードや、浴槽1の目標水位や目標湯温、給湯管2の目標出湯温度等を設定可能とされている。さらに、本実施形態におけるリモコン30では、暖房放熱装置23の運転指令の設定も行なうことができるようになっている。
【0064】
尚、暖房放熱装置23の運転指令は、リモコン30とは別のリモコン等によって行なうようにしてもよい。また、本実施形態において、給湯用熱交換器5及び暖房用熱交換器22をそれぞれ加熱するガスバーナ4,9は、前記参考例のものと同様、そのガス供給量、ひいては発生熱量が図示しないガス比例電磁弁を介して制御されるようになっている。
【0065】
次に、本実施形態の装置の作動、特に自動湯張り運転に際しての作動を図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
リモコン30によって、自動湯張り運転が選択されると、まず、STEP11において、所定量(例えば6リットル)の給湯が浴槽1に対して行なわれ、さらに、STEP12において、浴槽1の残水の有無の判定が行なわれる。これらの処理は、前記参考例の装置におけるSTEP1,2(図3参照)と全く同様に行なわれる。
【0067】
そして、STEP12において浴槽1内に残水が無いと判断された場合には、STEP13において、前記参考例におけるSTEP3(図3参照)と全く同様に、リモコン30で設定された目標水位に対応する目標湯張り量の給湯が浴槽1に対して行なわれ、自動湯張り運転が終了する。
【0068】
一方、STEP12で浴槽1内に残水が有ると判断された場合には、STEP14において、コントローラ29が、暖房放熱装置23の作動要求が有る状態であるか否かを判断する。
【0069】
このとき暖房放熱装置23の作動要求が無い状態である場合には、STEP15において、浴槽残水量Wを検出する処理が実行される。
【0070】
この処理は、図6のフローチャートに示すように行なわれる。
【0071】
まず、STEP15−1でコントローラ29が風呂用温水路18bの開閉電磁弁28を開弁させると共に、暖房用及び風呂用循環ポンプ24,11を作動させる。これにより、浴槽1の湯水を循環路17を介して循環させると共に、シスターン21の湯水を暖房用熱交換器22及び風呂用温水路18bの風呂用熱交換器19を介して循環させる。尚、この場合、暖房放熱装置23の作動要求が無いので、暖房用温水路18aの開閉電磁弁25は閉弁保持される。
【0072】
さらに、STEP15−2でコントローラ29が暖房用熱交換器22側のガスバーナ9の燃焼運転を開始させる。これにより、シスターン21の湯水が暖房用熱交換器22を介して加熱され、その加熱された温水が熱源として風呂用熱交換器19に供給される。そして、浴槽1の湯水が循環路17を流通しながら、風呂用熱交換器19で風呂用温水路18bを流れる温水との熱交換によって加熱される。
【0073】
尚、この場合、コントローラ29は、前記温度センサ27により検出される暖房用熱交換器22の出湯温度があらかじめ定められた一定温度(例えば80℃)に維持されるようにガスバーナ9の火力を図示しないガス比例電磁弁を介して制御する。また、このとき、暖房用温水路18aの開閉電磁弁25は閉弁されているので、暖房用熱交換器22から流出する温水は、暖房放熱装置23には供給されず、風呂用熱交換器19のみに供給される。
【0074】
次いで、コントローラ29は、STEP15−3で計時タイマを起動する。さらに、コントローラ29は、STEP15−4において、この計時タイマの起動時の風呂用熱交流入温度Tを該起動時の浴槽1の湯水の温度として循環路17の温度センサ13により検出し、それをパラメータTSの値として記憶保持する。
【0075】
そして、コントローラ29は、STEP15−5〜15−9において、前記参考例の装置での前記STEP4−4〜4−10の処理と同様の処理を行なう。
【0076】
すなわち、STEP15−3で起動した計時タイマがあらかじめ定めた所定時間(熱量積算時間)を計時するまでの期間において、所定の単位時間(例えば1秒)のサイクルタイム毎に、暖房用熱交換器22に流入する温水の温度(以下、暖房熱交流入温度Tdという)を温度センサ26により検出する(STEP15−5)。
【0077】
そして、コントローラ29は、この暖房用熱交流入温度Tdに応じて、前記式(1)と同様の形式の次式(4)によりガスバーナ9から浴槽1の湯水への熱量伝達率η(これは基本的には暖房用熱交換器22及び風呂用熱交換器19の両者の熱効率と、暖房用熱交換器22から流出する温水が風呂用熱交換器19に達するまでに失う熱量の割合とに応じたものとなる)を逐次決定する(STEP15−6)。
【0078】
η=b/Td ……(4)
ここで、この式(4)で用いる「b」は、本実施形態の装置においてあらかじめ実験等により定められた定数である。
【0079】
そして、この熱量伝達率ηと、ガスバーナ21の発生熱量Qin(これは前記サイクルタイム毎にガスバーナ21の図示しないガス比例電磁弁の通電量から把握される)とから前記参考例で用いた前記式(2)により、1サイクル当たりに浴槽1の湯水に与えられた熱量qを逐次算出し(STEP15−7)、さらにこの熱量qを、前記熱量積算時間が経過するまで積算(累積加算)する(STEP15−8、15−9)。これにより、計時タイマを起動してから熱量積算時間が経過するまでの期間に浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqが求められる。
【0080】
次いで、コントローラ29は、STEP15−10において、前記熱量積算時間が経過した時における風呂用熱交流入温度T(浴槽1の湯水の温度)を温度センサ13により検出し、それをパラメータTEの値として記憶保持する。
【0081】
そして、コントローラ29は、STEP15−11において、前記実熱量Σqと、前記熱量積算時間の期間における浴槽1の湯水の温度上昇量ΔT(=TE−TS)と、水の比熱Cとから、前記参考例で用いた前記式(3)によって浴槽残水量Wを求める。
【0082】
このような浴槽残水量Wの検出処理において、ガスバーナ9から暖房用熱交換器22及び風呂用熱交換器19を介した浴槽1の湯水への熱量伝達率ηを暖房用熱交流入温度Tdに応じて決定するため、精度の良い熱量伝達率ηを求めることができる。
【0083】
つまり、この熱量伝達率ηに影響を及ぼす暖房用熱交換器22の熱効率は、暖房用熱交流入温度Tが暖房用熱交換器22の温度よりも低い程、高くなるが、この特性は、前記式(4)によって熱量伝達率ηに適正に反映させることができる。さらに、本実施形態では、前述したように暖房用熱交換器22から流出する温水の温度(温度センサ27が検出する温度)は、一定温度に維持されるため、その温水の熱量のうち、風呂用熱交換器19を介して浴槽1の湯水に与えられる熱量の割合(温水から浴槽1の湯水への熱量の移動量率)の変化は、暖房用熱交流入温度Tに反映する。例えば該移動量率が低下すれば、暖房用熱交流入温度Tは上昇する。そして、この特性も、前記式(4)によって熱量伝達率ηに適正に反映させることができる。
【0084】
従って、暖房用熱交換器22側のガスバーナ9から浴槽1の湯水への熱量伝達率として精度の良い熱量伝達率ηを求めることができる。そして、この熱量伝達率ηを用いて単位時間当たりに浴槽1の湯水に与えられる熱量qを逐次求めて積算することで、前記熱量積算時間の期間において浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqを求めると共に、この実熱量Σqを用いて浴槽残水量Wを求めるので、該浴槽残水量Wを精度よく検出することができる。
【0085】
このようにしてSTEP15で、浴槽残水量Wを求めた後、コントローラ29は、STEP16において、前記循環路17を流れる浴槽1の湯水の流量V[リットル/sec](以下、浴槽循環流量Vという)を求める処理を実行する。
【0086】
この処理では、前記熱量積算時間が経過した際に前記STEP15−8で求められた熱量q(単位時間当たりに浴槽の湯水に与えられた熱量。以下、参照符号q1を付する)と、該熱量積算時間の経過時に前記循環路17の温度センサ13により検出された風呂用熱交流入温度T(=TE)と、該熱量積算時間の経過時に前記循環路17の温度センサ20により検出された温度T’(風呂用熱交換器19から流出する湯の温度。以下、参照符号TE’を付する)と、水の比熱Cとから、次式(5)により浴槽循環流量Vが求められる。
【0087】
V=q1/((TE’−TE)・C) ……(5)
この場合、式(5)で用いる熱量qは、前述のように暖房用熱交流入温度Tdに応じて求められた熱量伝達率ηを用いて算出されるものであるため、浴槽循環流量Vを比較的精度よく求めることができる。
【0088】
尚、ここで求める浴槽循環流量Vは、後述するように浴槽1の湯張り運転が暖房放熱装置23の運転と並行して行なわれる場合に浴槽残水量Wを検出するために用いられるものであり、図示しないメモリに記憶保持される。また、浴槽循環流量Vを検出する処理は、前記熱量積算時間の経過途中で行なうようにしてもよい。
【0089】
このようにしてSTEP16で、コントローラ29により浴槽循環流量Vが求められた後、STEP17において、前記目標湯張り量(リモコン30で設定された目標水位に対応する湯量)から前記STEP15で求められた浴槽残水量Wを差し引いた湯量(=目標湯張り量−浴槽残水量W)の給湯が浴槽1に対して行なわれ、自動湯張り運転が終了する。このとき、STEP17における給湯作動は、前記参考例の装置における前記STEP5の給湯作動と全く同様に行なわれる。
【0090】
一方、前記STEP14において、暖房放熱装置23の作動要求が有る状態である場合には、暖房用温水路18aの開閉電磁弁25が開弁状態とされて、暖房用熱交換器22から流出する温水が暖房放熱装置23にも供給されるため、前記温度センサ26により検出される暖房熱交流入温度Tdのみに基づいて、ガスバーナ9から浴槽1の湯水への熱量伝達率ηを精度よく求めることは難しい。そこで、本実施形態では、この場合には、前記STEP16で求めた浴槽循環流量Vを用いて、浴槽残水量Wを検出して浴槽1の湯はりを行なう。
【0091】
すなわち、まず、STEP18でコントローラ29が風呂用温水路18bの開閉電磁弁28を開弁させると共に、風呂用循環ポンプ11を作動させる。
【0092】
尚、ここでの説明では、暖房放熱装置23の作動要求によって、既に、暖房用温水路18aの開閉電磁弁25が開弁されていると共に、暖房用循環ポンプ24が作動され、さらに、ガスバーナ9の燃焼運転が行なわれているものとする。そして、ガスバーナ9の火力は、前記STEP15−2の場合と同様に、温度センサ27により検出される暖房用熱交換器22の出湯温度が一定温度(80℃)に維持されるように調整されている。
【0093】
次いで、コントローラ29は、STEP19において、計時タイマを起動すると共に、図示しないメモリに記憶保持されている浴槽循環流量Vの値(前記STEP16で求められた浴槽循環流量V)を読込む。尚、本実施形態の装置の設置直後等において、前述のように浴槽循環流量Vを検出する前記STEP6の処理が未だ行なわれていない場合もあり得るが、この場合には、あらかじめ定めれた浴槽循環流量Vの値が読込まれる。
【0094】
次いで、コントローラ29は、STEP20において、上記計時タイマの起動時の風呂用熱交流入温度Tを該起動時の浴槽1の湯水の温度として温度センサ13により検出し、それをパラメータTSの値として記憶保持する。
【0095】
そして、コントローラ29は、計時タイマの計時時間が前記熱量積算時間に達するまでの期間において、前記サイクルタイム(単位時間)毎に、STEP21〜24の処理を実行する。
【0096】
すなわち、コントローラ29は、前記サイクルタイム毎に、温度センサ13により検出される風呂用熱交流入温度Tと前記温度センサ20により検出される風呂用熱交流出温度T’との偏差Δt(=T’−T)、すなわち、循環路17を流れる浴槽1の湯水の風呂用熱交換器19における温度上昇量Δtを検出する(STEP21)。
【0097】
このとき、上記温度上昇量Δtは、基本的には、そのサイクルタイムにおいて、循環路17の湯水に実際に与えられた熱量によって生じるものである。そこで、コントローラ29は、前述のように熱量伝達率ηを用いてサイクルタイム毎に浴槽1の湯水に与えられる熱量qを求める代わりに、上記温度上昇量Δtと前記STEP19で読込んだ浴槽循環流量Vと水の比熱Cとから、次式(6)によりサイクルタイム毎に浴槽1の湯水に与えられる熱量qを求める。
【0098】
q=C・V・Δt ……(6)
そして、この熱量qを、前記熱量積算時間が経過するまで積算(累積加算)する(STEP23、24)。これにより、計時タイマを起動してから熱量積算時間が経過するまでの期間に浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqが求められる。
【0099】
この場合、前記熱量qを求めるために、特に前記STEP16で検出された浴槽循環流量Vを用いている場合には、該浴槽循環流量Vの精度が比較的良好になるため、前記実熱量Σqを比較的精度よく求めることができる。
【0100】
次いで、コントローラ29は、STEP25において、熱量積算時間の経過時における風呂用熱交流入温度Tを該経過時における浴槽1の湯水の温度として温度センサ13により検出し、それをパラメータTEの値として記憶保持する。
【0101】
そして、コントローラ29は、STEP23で最終的に求められた実熱量Σqと、前記熱量積算時間の期間における浴槽1の湯水の温度上昇量ΔT、すなわち、STEP20,25で得られたパラメータTS,TEの偏差ΔT(=T E−TS)と、水の比熱Cとから、前記式(3)により浴槽残水量Wを求める(STEP26)。
【0102】
その後は、このように求めた浴槽残水量Wを用いて前記STEP7の処理が行なわれ、これにより、浴槽1に目標水位まで湯張りが行なわれる。
【0103】
以上説明した本実施形態の装置によれば、特に、前記STEP15の処理によって、前述のようにガスバーナ9から浴槽1の湯水への時々刻々の熱量伝達率ηを精度よく求めることができるため、前記熱量積算時間の期間において浴槽1の湯水に与えられた実熱量Σqを精度よく求めることができる。そして、この実熱量Σqを用いることで、浴槽残水量Wを精度よく検出することができるため、前記参考例の装置の場合と同様に、目標水位までの湯張りを精度よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関連する参考例における風呂給湯装置のシステム構成図。
【図2】 図1の装置の作動を説明するためのフローチャート。
【図3】 図2のフローチャートのサブルーチン処理を示すフローチャート。
【図4】 本発明の一実施形態を適用した暖房給湯装置のシステム構成図。
【図5】 図4の装置の作動を説明するためのフローチャート。
【図6】 図5のフローチャートのサブルーチン処理を示すフローチャート。
Claims (2)
- 加熱源により第1熱交換器を介して一定温度に維持されるように加熱される湯水を供給する温水路と、浴槽に連接され、該浴槽内の湯水が循環ポンプにより循環される循環路と、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水が供給され、該温水路の湯水から前記循環路の湯水への熱交換を行う第2熱交換器と、前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水が供給される暖房用放熱装置とを備えた装置における浴槽残水量の検出方法であって、
前記第1熱交換器から流出する前記温水路の湯水を前記第2熱交換器に供給しつつ前記循環ポンプ及び加熱源を作動させ、且つ、前記暖房用放熱装置への前記温水路の湯水の供給を遮断した状態での所定期間において前記温水路で前記第1熱交換器に流入する湯水の温度を検出する工程と、その検出温度に応じて前記加熱源から前記循環路の湯水への熱量伝達率を決定し、その決定した熱量伝達率と前記加熱源の発生熱量とから前記所定期間において前記第2循環路を循環する浴槽の湯水に与えられた実熱量を求める工程と、前記所定期間における前記浴槽の湯水の温度上昇量を検出する工程と、前記実熱量と温度上昇量とに基づき前記浴槽残水量を求める工程とからなることを特徴とする浴槽残水量の検出方法。 - 前記実熱量を求める工程は、前記所定期間において、所定の単位時間毎に前記熱量伝達率を逐次決定しつつ、その決定した熱量伝達率と当該単位時間当たりの前記加熱源の発生熱量とから当該単位時間当たりに前記循環路を循環する浴槽の湯水に与えられた熱量を求め、その求めた熱量を前記所定期間にわたって積算することにより前記実熱量を求めることを特徴とする請求項1記載の浴槽残水量の検出方法。
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