JP3850563B2 - トイレ装置 - Google Patents

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育哉 井戸田
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勝紀 冨田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレ装置に関し、特に空調手段を備えたトイレ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ロータンク式のトイレ装置において、ロータンクの上部に手洗い手段を一体的に配設してロータンクに貯める洗浄水を手洗い手段から供給するようにし、手洗いに洗浄水を利用して節水を図ったものが知られている。
【0003】
また、トイレ装置に空調手段を設けたものは、例えば特公昭61−38974号公報(特開昭58−26941号公報)や実開昭58−155523号公報等に開示されている。その空調手段においては、便器の洗浄水を貯めるタンクの水と凝縮器が熱交換するようにしたものや、タンク中の高温になった洗浄水を便器に排出するようにしたものが開示されている。
【0004】
この種の空調手段を備えた温水洗浄便座付きのトイレ装置の構成例を、図4を参照して説明すると、1は便器、2はその便槽であり、便器1上に温水洗浄便座3が設置されている。この温水洗浄便座3の本体部4に便器の洗浄水を収容するロータンクが一体的に内蔵されている。温水洗浄便座3は、便座5とその上を覆う便蓋6を備え、それぞれ便器1上に設置された水平姿勢と本体部4前面に沿うように立てた起立姿勢との間で上下回動可能に構成されている。7は便槽2内の後部に出退可能に配設された洗浄ノズルである。
【0005】
本体部4内の下部にはロータンク8が配設され、その底面に便器1内に向けて洗浄水を排出する排水弁9が設けられている。この排水弁9は本体部4の上部一側外面に配設された排水コック10を操作することによって開弁するように連動手段11と連結されている。また、ロータンク8の側部には比較的小容量の温水洗浄用タンク12が配設されている。この温水洗浄用タンク12内にはヒータ(図示せず)と温度検出器(図示せず)が配設されて収容されている洗浄水を40℃程度の一定温度に加熱・保温し、所要時にこの洗浄水を洗浄ノズル7に向けて圧送するように構成されている。
【0006】
そして、この本体部4内の上部には空調手段13が配設されている。ただし、冷房時の凝縮器14はロータンク8内に浸漬配置され、洗浄水と熱交換するように構成されている。ロータンク8の上部にはキャピラリチューブなどから成る膨張弁15、その上部の冷房時の蒸発器16と圧縮機17が配設され、これらが冷媒配管18にて順次接続されている。蒸発器16は上端部が本体部4の上端部前面に配設された送風口20に接続された風洞19内に配設されており、送風口20の背部には送風ファン21が配設されている。なお、空気吸込口(図示せず)が本体部4の両側面や背面側に形成され、脱臭フィルタ(図示せず)が配設されている。また、蒸発器16の下部にはドレイン受け22が配設され、溜まったドレインをロータンク8内に排出する排水パイプが設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4のような構成のトイレ装置では、ロータンク8と空調手段13が本体部4内に渾然一体として配設されているので、その本体部4は空調手段13を有するトレイ装置に専用のものとなり、空調手段13を設けないトイレ装置におけるロータンクと規格を共通化できず、その分コスト高になるという問題があった。
【0008】
また、既存のトイレ装置に冷房装置を組み付けることが困難であり、トイレを冷房しようとすると、このような高価なトイレ装置を新たに設置する必要があり、大変な費用がかかるという問題があった。
【0009】
更に、ロータンク8を配設した本体部4の上部に手洗い手段を配設することも考えられるが、その場合にも配設したものと配設しないものが別の規格となり、コスト高になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、手洗い手段と空調手段を簡単に設置することができるとともに、設置しないものとの間で規格を共通化できるトイレ装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のトイレ装置は、便器と、手洗い手段と、手洗い手段から流出した水を便器洗浄水として貯えるロータンクと、少なくとも圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器を有する空調手段とを備え、空調手段は少なくとも凝縮器を除いてユニット化した空調ユニットを有し、かつ凝縮器をロータンク内に配置し、ロータンクの上部に空調ユニットまたは手洗い手段を配置しうるように構成するとともに、空調ユニットの上部に手洗い手段を配置しうるように構成したトイレ装置であって、空調ユニットに、ロータンク内の給水手段と手洗い手段とを接続する給水通路を配設するとともに、手洗い手段とロータンクとを接続する排水通路を配設し、かつ、ロータンクの上部に手洗い手段を配置したとき、ロータンク内の給水手段と手洗い手段の水路とが接続されるとともに、手洗い手段の流出口がロータンクに接続されるように構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、空調ユニットをロータンク上に設置し、凝縮器をロータンク内に配置することで簡単に空調手段を設置することができ、またその空調ユニット上に手洗い手段を配置することで手洗い手段を設置することができ、空調手段や手洗い手段を簡単に設置することができるとともに、設置しないものとの間で規格を共通化することができ、コスト低下を図ることができる。また、手洗い手段を設けるときに空調ユニットを通して配管する必要がなくなり、手洗い手段の設置作業を簡単にできる。
【0013】
また、排水通路の下端に手洗い手段から流出した水を凝縮器に散布する散水手段を接続すると、ロータンクから洗浄水を排出した後にも、直ちに手洗い手段から流出した水が凝縮器に散布されて冷却作用が中断せず、空調手段の作用を安定的に継続することができる。
【0014】
また、凝縮器をロータンク内に配置するのに代えて空調ユニット内に内蔵させ、給水通路と排水通路を流れる水で凝縮器を冷却するようにすることもでき、手洗い手段を有するロータンクに空調手段を簡単に設置することができる。
【0015】
また、空調ユニットに、この空調ユニットに電源、制御用信号を送るための接続部を設け、ロータンクの上面に空調ユニットをその上に設置したときに接続部が離脱可能に接続される接続部を設けると、ロータンク上に空調ユニットをワンタッチで取付けることができ、空調手段への電気配線等が不要となり、空調ユニットの取付作業が極めて簡単になる。これは、空調ユニットの上に手洗い手段を配設しない場合にも同じ効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトイレ装置の一実施形態について図1、図2を参照して説明する。なお、トイレ装置の便器の構成及び本実施形態における各構成要素の具体構成は図4を参照して説明した従来例とほぼ同一であり、ここでは概略配置構成のみを説明する。
【0017】
図1、図2において、31は便器(図示せず)の後部に配設されたロータンクであり、図2に示すように便器上に設置される温水洗浄便座の本体部4と一体構成のものであっても、単独のロータンクであっても良い。ロータンク31の上部には空調ユニット32が配設され、この空調ユニット32の上部に手洗い手段33が配設されている。
【0018】
空調ユニット32は、空調手段40を構成する圧縮機34と凝縮器35とキャピラリチューブなどから成る膨張弁36と蒸発器37の内、凝縮器35を除いた構成要素を空調筐体38内に配置してユニット化して構成されている。凝縮器35はロータンク31内の底部に浸漬配設され、洗浄水と熱交換するように構成されている。39は、膨張弁36と蒸発器37と圧縮機34を順次接続し、さらに空調ユニット32から延出されて凝縮器35に接続されて、冷媒を循環させる冷媒配管である。なお、空調筐体38の上部前面には、図2に示すように、送風口50と送風ファン(図示せず)が配設されて蒸発器37がこの送風口に接続された風洞(図示せず)内に配設され、また空調筐体38の両側面や背面側に空気吸込口(図示せず)が形成されている。
【0019】
また、ロータンク31に洗浄水を給水する給水管41がロータンク31内の上部に配管され、かつそのロータンク31内への給水口が止栓42にて閉止されるとともに、その手前で上方に向けて分岐給水管43が分岐されている。
【0020】
空調ユニット32内には、下端が分岐給水管43に接続され、上端が手洗い手段33の給水通路45に接続される給水通路44が配設されている。この給水通路44には、図2(a)、(b)に示すように、下端にカップリング49aを設けた給水管49が配設され、そのカップリング49aを介してロータンク31側の分岐給水管43と接続され、この給水管49の上端は手洗い手段33の給水通路45に嵌入接続されるように構成されている。なお、給水通路44内に給水管49を配設する代わりに、ロータンク31上に空調ユニット32を設置したとき、分岐給水管43と連通し、空調ユニット32上に手洗い手段33を設置したときさらにその給水通路45と連通するような適宜接続手段を給水通路44に一体的に設けてもよい。
【0021】
また、空調ユニット32内には、手洗い手段33の流出口46に上端が接続される排水通路47が配設されている。この排水通路47の下端には、凝縮器35に対して散水する散水手段48が接続されている。
【0022】
また、図2(a)に示すように、空調ユニット32に、この空調ユニット32に電源、制御用信号を送るための接続部51が設けられており、ロータンク31の上面に空調ユニット32をその上に設置したときに接続部51が離脱可能に接続される接続部52が設けられている。
【0023】
以上の構成によれば、ロータンク31の給水管41の給水口を止栓42にて閉止し、ロータンク31上に空調ユニット32を設置し、分岐給水管43に給水通路44の下端を接続し、凝縮器35をロータンク31内に配置するとともに排水通路47に散水手段48を接続してロータンク31内に挿入配置し、またその空調ユニット32上に手洗い手段33を配置するとともに、空調ユニット32の給水通路44の上端を手洗い手段33の給水通路45に接続し、流出口46と排水通路47の上端を接続することで、ロータンク方式のトイレ装置に空調手段40及び手洗い手段33を簡単に設置することができる。
【0024】
また、空調手段40が不必要な場合には、これを設置しなければ良いだけであり、ロータンク31や空調手段40や手洗い手段33を規格化し、必要に応じて組み合わせることにより所要の機能を有するトイレ装置を構成できる。かくして、各仕様のトイレ装置間で規格を共通化することができ、コスト低下を図ることができる。
【0025】
また、空調ユニット32に手洗い手段33に対する給水通路44と手洗い手段33からロータンク31に給水する排水通路47を設けているので、手洗い手段33を設けるときに空調ユニット32を通して配管する必要がなくなり、手洗い手段33の設置作業も簡単である。
【0026】
さらに、排水通路47に散水手段48を接続して手洗い手段33から流出した水を凝縮器35に散布するように構成しているので、ロータンク31から洗浄水を排出した後でも、直ちに手洗い手段33から流出した水が凝縮器35に散布され、冷却作用が中断しないため、空調手段の作用を安定的に継続することができる。
【0027】
また、空調ユニット32に接続部51を設け、ロータンク31の上面に接続部51が離脱可能に接続される接続部52を設けているので、ロータンク31上に空調ユニット32をワンタッチで取付けるだけで、空調ユニット32に対する電源や制御用信号を送ることができ、空調ユニット32への電気配線等が不要となって空調ユニット32の取付作業が極めて簡単になる。
【0028】
上記実施形態では、凝縮器35をロータンク31内に配設した例を示したが、図3に示すように、凝縮器35も空調ユニット32内に配設し、空調ユニット32に形成された手洗い手段33に対する給水通路44及び手洗い手段33からロータンク31への排水通路47を通る水によって凝縮器35を冷却するようにしてもよい。この場合、ロータンク31への給水時以外は外気又は適当な蓄熱手段によって凝縮器35を冷却し、給水時にそれらの熱を吸収するようにすることができ、あるいはロータンク31への給水時のみ空調手段40を作動させるようにしてもよい。
【0029】
この実施形態ではロータンク31内に凝縮器35を配設しないので、手洗い手段33を有するトイレ装置に空調手段40を簡単に設置することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明のトイレ装置によれば、以上の説明から明らかなように、ロータンクの上部に、空調手段の少なくとも凝縮器を除いてユニット化した空調ユニットを配置するとともに凝縮器をロータンク内に配置し、空調ユニットの上部に手洗い手段を配置したので、空調ユニットをロータンク上に設置し、凝縮器をロータンク内に配置することで簡単に空調手段を設けることができ、またその空調ユニット上に手洗い手段を配置することで手洗い手段を設けることができ、空調手段や手洗い手段を簡単に設けることができるとともに、設けないものと共通の規格化が可能で、コスト低下を図ることができる。
【0031】
また、手洗い手段を設けるときに空調ユニットを通して配管する必要がなくなり、手洗い手段の設置作業を簡単にできる。
【0032】
また、排水通路に手洗い手段から流出した水を凝縮器に散布する散水手段を接続すると、ロータンクから洗浄水を排出した後にも、直ちに手洗い手段から流出した水が凝縮器に散布されて冷却作用が中断せず、空調手段の作用を安定的に継続することができる。
【0033】
また、凝縮器をロータンク内に配置するのに代えて空調ユニット内に内蔵させ、給水通路と排水通路を流れる水で凝縮器を冷却するようにすることもでき、手洗い手段を有するロータンクに空調手段を簡単に設置することができる。
【0034】
また、空調ユニットに、この空調ユニットに電源、制御用信号を送るための接続部を設け、ロータンクの上面に空調ユニットをその上に設置したときに接続部が離脱可能に接続される接続部を設けると、ロータンク上に空調ユニットをワンタッチで取付けることができ、空調手段への電気配線等が不要となり、空調ユニットの取付作業が極めて簡単になる。また、これは空調ユニットの上に手洗い手段を配設しない場合にも同じ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトイレ装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】同実施形態の構成を示し、(a)は分解斜視図、(b)は縦断面図である。
【図3】本発明のトイレ装置の他の実施形態の要部の概略構成図である。
【図4】従来例のトイレ装置を一部破断して内部の配置構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 便器
31 ロータンク
32 空調ユニット
33 手洗い手段
35 凝縮器
40 空調手段
44 給水通路
47 排水通路
48 散水手段
51 接続部
52 接続部

Claims (4)

  1. 便器と、手洗い手段と、手洗い手段から流出した水を便器洗浄水として貯えるロータンクと、少なくとも圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器を有する空調手段とを備え、空調手段は少なくとも凝縮器を除いてユニット化した空調ユニットを有し、かつ凝縮器をロータンク内に配置し、ロータンクの上部に空調ユニットまたは手洗い手段を配置しうるように構成するとともに、空調ユニットの上部に手洗い手段を配置しうるように構成したトイレ装置であって、
    空調ユニットに、ロータンク内の給水手段と手洗い手段とを接続する給水通路を配設するとともに、手洗い手段とロータンクとを接続する排水通路を配設し、かつ、ロータンクの上部に手洗い手段を配置したとき、ロータンク内の給水手段と手洗い手段の水路とが接続されるとともに、手洗い手段の流出口がロータンクに接続されるように構成したことを特徴とするトイレ装置。
  2. 排水通路の下端に手洗い手段から流出した水を凝縮器に散布する散水手段を接続したことを特徴とする請求項1記載のトイレ装置。
  3. 凝縮器をロータンク内に配置するのに代えて空調ユニット内に内蔵させ、給水通路と排水通路を流れる水で凝縮器を冷却するようにしたことを特徴とする請求項1記載のトイレ装置。
  4. 便器と、便器洗浄水を貯えるロータンクと、少なくとも圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器を有する空調手段とを備え、空調手段は少なくとも凝縮器を除いてユニット化した空調ユニットを有し、空調ユニットには、この空調ユニットに電源、制御用信号を送るための接続部が設けられ、ロータンクの上面には空調ユニットをその上に設置したときに接続部が離脱可能に接続される接続部が設けられていることを特徴とするトイレ装置。
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