JP3850227B2 - ワイヤ式ウィンドレギュレータユニット - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、ワイヤ式ウィンドレギュレータユニットに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
本出願人は、窓ガラスの昇降ガイドとしての機能を有する、ガイドレールと、このガイドレールに沿って摺動するキャリアプレートとを不要としたワイヤ式ウィンドレギュレータとして、車両ドア内の上方位置と下方位置に前後方向を向くブラケットを設けて、上下のブラケットの前後両端部にワイヤガイド部材を設けるとともに、上下のワイヤガイド部材間に上下方向部分が形成されるように上下のワイヤガイド部材に駆動ワイヤを巻回して、この駆動ワイヤをその上下方向部分において窓ガラス側に固定し、この駆動ワイヤを正逆巻取駆動装置により一方で巻き取り他方で繰り出すことで窓ガラスを昇降させるワイヤ式ウィンドレギュレータを開発している。窓ガラスの前後位置は、例えばドアサッシュ等のガイド部材で案内する。
【0003】
このワイヤ式ウィンドレギュレータは、車両ドアのパネルに、ワイヤ式ウィンドレギュレータの構成部品であるブラケット、ワイヤガイド部材、駆動ワイヤ、正逆巻取駆動装置をそれぞれ取り付けることにより、車両ドアに取り付けられている。
【0004】
しかし、このようにワイヤ式ウィンドレギュレータの各構成部品を一つずつパネルに取り付ける方法では、ワイヤ式ウィンドレギュレータの車両ドアへの組付作業に長時間を要するとともに、その作業が面倒であった。
【0005】
また、ワイヤガイド部材をパネルに取り付けるためのブラケットが必要になるため、部品点数が多くなり、製造コストの上昇の原因となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、ワイヤ式ウィンドレギュレータを車両ドアに短時間、かつ簡単に組み付けることができるとともに、部品点数の削減を図ったワイヤ式ウィンドレギュレータユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明のワイヤ式ウィンドレギュレータユニットは、前後一対の上下のワイヤガイド部材と、この上下のワイヤガイド部材間に渡る一対の上下方向部分を有し、該上下方向部分において窓ガラス側に固定される駆動ワイヤと、該駆動ワイヤを一方で巻き取り他方で繰り出して窓ガラスを昇降させる正逆巻取駆動装置とを、車内側に露出する車両ドアの構成部材であるトリムに、車両ドアに取り付けられる前に組み付けたことを特徴としている。
【0010】
上記トリムの前後両端部に、窓ガラスの前縁部が係合する案内溝を有する前側ガイド部と、窓ガラスの後縁部が係合する案内溝を有する後側ガイド部とを一体成形により設けるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明中の方向は、図1の左斜め上側を「前方」とし、右斜め下側を「後方」とする。
【0012】
車両ドア1は、窓開口2aが設けられたアウターパネル2の内面に、側面視U字形をなすインナーパネル3を固定したものであり、アウターパネル2とインナーパネル3によって囲まれた空間には横長方形をなす収納部4が形成されている。
【0013】
合成樹脂製の板材であるモジュラーパネル(パネル)5の外面(車外側の面)の前後両端部には、上下方向を向くガイド部(前側ガイド部、後側ガイド部)5aが連設されており、両ガイド部5aには窓ガラス6の前後両縁部が係合する案内溝5bが設けられている。
このモジュラーパネル5は、収納部4に配置されるドア機能部品(ドアロック機構(図示略)や後述するワイヤ式ウィンドレギュレータR)が装着された状態でインナーパネル3の内面に取り付けられるものである。
【0014】
モジュラーパネル5の外面の上部と下部には、それぞれ2つのプーリ(ワイヤガイド部材)7、8と1つのプーリ(ワイヤガイド部材)9がピン7a、8a、9aにより枢着されており、下部のプーリ9の後方には、非回転ワイヤガイド部材(ワイヤガイド部材)10が回転不能に固定されている。
【0015】
モジュラーパネル5の外面の前部には、回転自在な巻取ドラム11を具備する正逆巻取駆動装置12が取り付けられている。
【0016】
3つのプーリ7、8、9、非回転ワイヤガイド部材10、及び巻取ドラム11には、無端状の駆動ワイヤWが巻回されており、駆動ワイヤWのプーリ7とプーリ9の間に位置する上下方向部分W1とプーリ8と非回転ワイヤガイド部材10の間に位置する上下方向部分W2は互いに平行をなしている。
【0017】
前後の上下方向部分W1、W2の互いに等高をなす箇所にはワイヤ固定部材13が固定されている。
【0018】
以上説明した各プーリ7、8、9、非回転ワイヤガイド部材10、正逆巻取駆動装置12、駆動ワイヤW、ワイヤ固定部材13によりワイヤ式ウィンドレギュレータRが構成されており、ワイヤ式ウィンドレギュレータRとモジュラーパネル5によりワイヤ式ウィンドレギュレータユニットUが構成されている。
【0019】
窓ガラス6の前後両縁部を案内溝5bに係合するとともに、窓ガラス6の下縁部に固着した前後一対のブラケット14を前後のワイヤ固定部材13にそれぞれ固定することにより、窓ガラス6はワイヤ式ウィンドレギュレータユニットUに組み込まれる。
【0020】
窓ガラス6が組み込まれたワイヤ式ウィンドレギュレータユニットUは、車両ドア1の収納部4に嵌合された後、図示を省略したネジにより車両ドア1に固定される。
【0021】
最後に、合成樹脂製のトリム15を車両ドア1の内面にネジ(図示略)止めする。
このトリム15は、車両ドア1の内面に取り付けられることにより、インナーパネル3、モジュラーパネル5、及びモジュラーパネル5に取り付けられたドア機能部品を覆い隠して、車両ドア1内面の見栄えの向上等を図るものである。
【0022】
このような本実施形態によれば、モジュラーパネル5にワイヤ式ウィンドレギュレータRを予め取り付けてワイヤ式ウィンドレギュレータユニットUを構成した後、このワイヤ式ウィンドレギュレータユニットUを車両ドア1に取り付けるので、ワイヤ式ウィンドレギュレータRを車両ドア1に短時間、かつ簡単に組み付けることができる。
【0023】
また、モジュラーパネル5にプーリ7、8、9と非回転ワイヤガイド部材10を直接取り付けているので、従来必要だったブラケットが不要となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0024】
なお、モジュラーパネル5の上端部には図示を省略した補強材が設けられており、この補強材により、インナーパネル3の上部が強度的に補強されている。
【0025】
また、本実施形態ではワイヤ式ウィンドレギュレータRをモジュラーパネル5に取り付けているが、ワイヤ式ウィンドレギュレータRを予めトリム15に取り付けて、このように構成したワイヤ式ウィンドレギュレータユニットを車両ドア1に組み付けるようにしてもよい。
このようにすれば、モジュラーパネル5を省略できるので、部品点数をさらに削減できるとともに、組立工数を少なくすることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイヤ式ウィンドレギュレータを車両ドアに短時間、かつ簡単に組み付けることができるとともに、部品点数の削減を図ることができる。
また、本発明のワイヤ式ウィンドレギュレータは、以前のウィンドレギュレータに必要だったガイドレールやキャリアプレート等を省略してあるため軽量化されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の全体構造を示す分解斜視図である。
【図2】 同じく、ワイヤ式ウィンドレギュレータユニットと窓ガラスを車両ドアに組み付けた状態を示す、一部を破断した側面図である。
【符号の説明】
1 車両ドア
2 アウターパネル
2a 窓開口
3 インナーパネル
4 収納部
5 モジュラーパネル(パネル)
5a ガイド部(前側ガイド部、後側ガイド部)
5b 案内溝
6 窓ガラス
7 プーリ(ワイヤガイド部材)
7a ピン
8 プーリ(ワイヤガイド部材)
8a ピン
9 プーリ(ワイヤガイド部材)
9a ピン
10 非回転ワイヤガイド部材(ワイヤガイド部材)
11 巻取ドラム
12 正逆巻取駆動装置
13 ワイヤ固定部材
14 ブラケット
15 トリム
R ワイヤ式ウィンドレギュレータ
U ワイヤ式ウィンドレギュレータユニット
W 駆動ワイヤ
W1 上下方向部分
W2 上下方向部分
Claims (2)
- 前後一対の上下のワイヤガイド部材と、この上下のワイヤガイド部材間に渡る一対の上下方向部分を有し、該上下方向部分において窓ガラス側に固定される駆動ワイヤと、該駆動ワイヤを一方で巻き取り他方で繰り出して窓ガラスを昇降させる正逆巻取駆動装置とを、車内側に露出する車両ドアの構成部材であるトリムに、車両ドアに取り付けられる前に組み付けたことを特徴とするワイヤ式ウィンドレギュレータユニット。
- 請求項1記載のワイヤ式ウィンドレギュレータユニットにおいて、上記トリムの前後両端部に、窓ガラスの前縁部が係合する案内溝を有する前側ガイド部と、窓ガラスの後縁部が係合する案内溝を有する後側ガイド部とを一体成形により設けたワイヤ式ウィンドレギュレータユニット。
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