JP2004149045A - 自動車窓ガラスの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持部材6は、窓ガラス2に固定された取り付け部6bと、車両の車室内側に設けられるガイド部材4に窓ガラス2の昇降方向に摺動される摺動部6aとを備える。支持部材6は、窓ガラス2の車室内側に、取り付け部6bを接着して取り付けられる。支持部材6の取り付け部6b,7bは、窓ガラス2の車室内側の面2cに沿って昇降方向に延びて形成される。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車窓ガラスの支持構造に関し、特に、窓ガラスをガイド部材に沿って昇降させるために、窓ガラスに支持部材を固着した自動車窓ガラスの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の窓ガラスは、窓枠の内側に、断面が略コ字状のガイド部材を設置するとともに、そのガイド部材にゴム製のランチャンネル(RUNCHANNEL)を装着し、そのランチャンネルにより窓ガラスの昇降をガイドしていた。
【0003】
しかしながら、そのようなランチャンネルによる窓ガラスのガイドにあっては、そのランチャンネルがゴム部材からなるため、外乱による変形や、ランチャンネルと窓ガラスとの間の摩擦の増大や、製造誤差等により、窓ガラスがガイド部材に沿って昇降の途中で動かなくなる等の問題点があった。
また、そのようなランチャンネルによる窓ガラスのガイドにあっては、そのランチャンネルが車室内からも車室外からも見えることや、車両の表面の面一化を図る上で、デザイン的に懸念されていた。また、ランチャンネルは、ゴム部材からなるためコストアップの要因にもなっていた。
【0004】
このような問題点を解消したものとして、窓ガラスに支持部材(スライダ)をねじ止め、この支持部材をガイド部材の内部を移動させるようにした車両用窓ガラスの案内装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図6は、特許文献1における窓ガラスに支持部材をねじで固定している状態を示す要部拡大断面図である。窓ガラス100の車室内側の面103には、支持部材101が設置され、その支持部材101を窓ガラス100の車室外側の面104からねじ102により固定している。ねじ102の頭部105は、窓ガラス100の車室外側の面104から露出している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−16621号公報(第2〜3頁、図1、図2および図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の車両用窓ガラスの案内装置において、支持部材101は、窓ガラス100に固定するためのねじ102の釦状の頭部105が窓ガラス100の車室外側に露出している。このため、運転中に、車体の後方向に流れる風(矢印A)がねじ102の頭部105に当接して風切り音を発生するという課題があった。また、このねじ102の頭部105は、車室外から視認することができるため、見映えが悪く、美観的にも問題があり、さらなる車両表面の面一化、すなわち、フラッシュサーフェイス(FLUSH SURFACE)化が望まれている。
【0008】
本発明の課題は、このような支持部材による風切り音を解消し、美観性を向上し、フラッシュサーフェイス化を図ることができる自動車窓ガラスの支持構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の窓ガラスの支持構造は、窓ガラスに固定された取り付け部と、車両の車室内側に設けられるガイド部材に窓ガラスの昇降方向に摺動される摺動部とを備える支持部材を有し、この支持部材は窓ガラスの車室内側に、取り付け部を固着して取り付けられることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、支持部材の取り付け部が、窓ガラスの車室内側に固着されるため、支持部材を窓ガラスの車室外面に露出することなく設置することが可能となる。よって、支持部材による風切り音を解消し、美観性を向上させることができるとともに、車両の表面の面一化を図ることができる。また、支持部材は、窓ガラスの車室内側に固着されることにより、接着剤の耐候性を車室内の環境に対応させるようにすることができるため、接着部の耐久性を向上させて、安定した接着状態に保つことができる。
【0011】
請求項2に記載の自動車窓ガラスの支持構造は、請求項1に記載の窓ガラスの支持構造であって、支持部材の取り付け部は、窓ガラスの車室内側の面に沿って昇降方向に延びて形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、支持部材の取り付け部が、窓ガラスの車室内側の面に沿って昇降方向に延びて形成されることにより、窓ガラスの摺動抵抗によって支持部材を取り付け部に発生する昇降方向のモーメントを取り付け部で確実に受け止めることが可能となる。このため、窓ガラスと取り付け部との固着部分には、充分な固着強度を得ることができ、取り付け部が窓ガラスから脱落することを防止して、常に窓ガラスをスムーズに昇降させることができる。
【0013】
請求項3に記載の自動車窓ガラスの支持構造は、請求項1または請求項2に記載の窓ガラスの支持構造であって、窓ガラスは、第1のガラス部材と、第1のガラス部材に対して車室内側に設けられる第2のガラス部材とを有し、支持部材は、第1のガラス部材と第2のガラス部材との間に、取り付け部を介在するとともに、取り付け部の一方の面が第1のガラス部材に固着され、他方の面が第2のガラス部材に固着されることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、支持部材の取り付け部が、室内内側の第2のガラス部材に設けられるとともに、第1のガラス部材と第2のガラス部材との間に固着されることにより、支持部材を窓ガラスの車室外面に露出することなく設置することが可能となる。このため、支持部材による風切り音を解消し、かつ美観性を向上させることができる。また、窓ガラスが複数のガラスからなる合わせガラスであったとしても、支持部材の取り付け部をガラス部材間に挟持して固着することにより、充分な接着強度を得ることができる。このため、ガラス部材が薄肉であったとしても、負荷される力が集中してガラス部材が破損することを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る自動車窓ガラスの支持構造は、後記する実施形態のように、窓ガラスは、少なくとも、支持部材を設置した箇所を有色ガラスにすることが好ましい。
このように構成すれば、車室外から窓ガラスに設置した支持部材を視認することができないため、見映えを向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明の実施形態では、「前」は車両のフロント側、「後」は車両のリア側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側とする。
また、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0017】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図面で、支持部材の設置状態を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、自動車のドア1には、走行中に窓ガラス2が、車体Bの側面に生じる風等の負圧により、車体Bの外側に吸い出されるのを防止するため、ドアサッシ3が設けられている。なお、ドア1は、上下・前後方向に移動できる窓ガラス2があれば、車体Bに設置される箇所や形状は特に限定しない。また、窓ガラス2は、後記するガイド部材4,5により案内されて移動するものであればよく、ドア1に収納されるタイプの窓ガラス2でも、車体Bに収納されるタイプの窓ガラス2であってもよい(図2参照)。
【0019】
図2は、本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図面で、車室内側から見た運転席のドアの要部分解斜視図である。図3は、図2の矢視Y−Yの拡大断面図である。図4は、図2の矢視X−Xの拡大断面図である。
以下、図2乃至図4に基づき、乗用車における運転席のドアを例にして、本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造について説明する。
【0020】
図2に示すように、ドアサッシ3は、アウタパネル3aとインナパネル(図示せず)とで形成され、これらで形成されたドア1の内部空間およびドアサッシ3には、断面が略C字形状にプレス加工されたガイド部材4,5が配設されている。また、ドア1には、窓ガラス2を昇降するためのレギュレータ8の昇降構成部材であるガイドレール9が前記ガイド部材4,5に平行に配設されている。
【0021】
窓ガラス2は、強化ガラス、または有色フィルム等を中間膜として挟んで接着した合わせガラス等からなり、車室外側の前後端部に略ボビン形状の支持部材6,7を接着剤11(図3および図4参照)により接着している。窓ガラス2の中央下端部には、窓ガラス2をガイドレール9に固定するためのホルダ10をボルト(図示せず)により固定している。
【0022】
図4に示すように、窓ガラス2は、ドアまたは車体18に面一に配設される。なお、ドアまたは車体18は、ハードトップの自動車においては車体B(図1参照)であり、ハードトップ以外の自動車においてはドア1である。
【0023】
図2および図4に示すように、窓ガラス2は、前後端部に設置した支持部材6,7を隠すための目隠し部2bを有する。目隠し部2bは、例えば透明な窓ガラス2に黒セラミック加工して不透明にしたものである。また、目隠し部2bは、不透明な有色フィルム等を窓ガラス2の中間膜とした合わせガラスとしてもよく、または窓ガラス2の外面に黒色等のフィルムをプリント加工等により貼付したものでもよい。
【0024】
図2に示すように、ガイド部材4,5は、ドアサッシ3の車室内側の前後側に平行に設置され、窓ガラス2を上下方向(矢印C,D)に案内し、かつ支持する部材であり、ドアサッシ3およびドア1に溶接される。ガイド部材4は、窓ガラス2の前方側を上下方向(矢印C,D)に移動自在に支持する部材である。ガイド部材5は、窓ガラス2の後方側を上下方向(矢印C,D)に移動自在に支持する部材であり、ドアサッシ3の後方側の内壁に沿って設置される。両ガイド部材4,5は、断面が同じ形状で、同じ鋼板等の金属材料からなり、窓ガラス2およびドアサッシ3の形状に合わせて上下方向の長さが互いに相違している。ガイド部材4,5は、窓ガラス2の前後側にそれぞれ接着剤により接着された支持部材6,7の摺動部6a,7aが上下方向(矢印C,D)に移動自在に挿入されている。図4に示すように、ガイド部材4,5は、シール材12により覆われ、塵埃等がガイド部材4,5内に侵入することを防止している。
【0025】
支持部材6,7は、窓ガラス2に接着剤11により接着される取り付け部6b,7bと、ガイド部材4,5の中空部4a,5a内に移動自在に挿入される摺動部6a,7aと、その摺動部6a,7aと取り付け部6b,7bとの間に形成された軸部6c,7cとから構成される。
【0026】
図3に示すように、摺動部6a,7aは、摺動抵抗を減らすために外周の角を曲面形状に形成している。取り付け部6b,7bは、接着剤11の接着性を向上して、支持部材6,7が窓ガラス2から脱落することを防止するために、接着剤11の塗布する面の窓ガラス2の昇降方向の長さR1を、窓ガラス2の前後方向の長さR2より長く形成している。このように、取り付け部6b,7bは、窓ガラス2の車室内側の面2cに沿って昇降方向に延びて形成されることにより、昇降方向(矢印E,F)のモーメントや車室内方向(矢印G)の引っ張り荷重を受け止めることができる。図4に示すように、軸部6c,7cは、ガイド部材4,5の切欠溝4b,5b内に挿入されて、窓ガラス2が昇降すると切欠溝4b,5b内を上昇・下降する。
【0027】
図2に示すように、レギュレータ8は、例えば、モータ13によりワイヤ14を捲回したドラム15を回転駆動するワイヤドラム式レギュレータからなり、モータ13で駆動されたドラム15の回転により、ワイヤ14を介してキャリアプレート16をガイド部材4,5に沿って上下方向に摺動させ、窓ガラス2を昇降させる。
【0028】
ワイヤ14は、両端部をガイドレール9に沿って上下方向に配索して、キャリアプレート16の中央部分に装着したワイヤホルダ(図示せず)に連結してある。ガイドレール9は、ガイド部材4,5に対して平行に配設し、ドア1内の略中央部に上下方向に配設した案内部材であり、そのガイドレール9に溶着したブラケット17をドアインナパネル(図示せず)にねじ止めすることによりドア1に固定される。キャリアプレート16は、窓ガラス2の下縁に設置したホルダ10にねじ止めされる。
【0029】
次に、本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造の作用を説明する。
図2および図3に示すように、支持部材6,7は、取り付け部6b,7bが接着剤11により、窓ガラス2の車室内側の前後上下の端部に接着される。その窓ガラス2は、支持部材6,7の摺動部6a,7aをドア1に設置されたガイド部材4,5に移動自在に挿入することにより車体に組み付けられる。
【0030】
例えば、パワーウインドスイッチ(図示せず)をダウン方向に操作すると、モータ13が駆動してドラム15を回転させてワイヤ14を窓ガラス2の開の方向に移動させる。これにより、キャリアプレート16、ホルダ10および窓ガラス2がガイドレール9およびガイド部材4,5に沿って下降する。
【0031】
このとき、窓ガラス2は、前後上下の端部に設けた支持部材6,7の摺動部6a,7aがガイド部材4,5の中空部4a,5aに案内されて移動することにより、所定の方向に下降する。
【0032】
また、パワーウインドスイッチをアップ方向に操作すると、モータ13が駆動してドラム15を反転させてワイヤ14を窓ガラス2の閉の方向に移動させる。これにより、キャリアプレート16、ホルダ10および窓ガラス2がガイドレール9およびガイド部材4,5に沿って上方向(矢印C)に移動する。
【0033】
車両が走行すると、窓ガラス2には風や雨等が当たるが、支持部材6,7を設置した窓ガラス2の車室外側の面2aには、図3および図4に示すように、突起物がなく、ドアまたは車体18と面一に設置することができるため、風切り音が出ることがない。
また、支持部材6,7は、雨や雪等に接触することがないため、外乱に対する耐久性を向上させることができる。
【0034】
支持部材6,7を設置した窓ガラス2の前後端部には、支持部材6,7を車室外から見えなくするための目隠し部2bを設置したことにより、車室外から支持部材6,7を視認することができないため、見映えがよく、自動車の高級感を損なうことがない。
【0035】
なお、ガイド部材4,5の形状を変えるだけで、種々の車種に取付けることが可能である。また、支持部材6,7は、部品点数が少なく、小型のためコストもかからない。
【0036】
[第2実施の形態]
次に本発明の第2実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図面で、支持部材の設置状態を示す要部概略図である。
【0037】
本発明の第2実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造は、第1実施形態に係る窓ガラスの支持構造の窓ガラス2を2枚の第1のガラス部材20と第2のガラス部材21を合わせた合わせガラスにより構成して、その第1および第2のガラス部材20,21で支持部材6,7の取り付け部6b,7bを挟持するものである。
【0038】
窓ガラス19は、車室外側に設置した第1のガラス部材20と、車室内側に設置した第2のガラス部材21と、第1および第2のガラス部材20,21間に設置された樹脂等からなる中間部材22と、第1および第2のガラス部材20,21と中間部材22とを接着する接着材23とから構成される。中間部材22は、例えばアクリル樹脂等の透明な合成樹脂からなる。
【0039】
支持部材6,7は、第1実施形態と同一の略ボビン形状をしており、熱硬化性樹脂等からなる。支持部材6,7は、第1のガラス部材20と第2のガラス部材21との間に、取り付け部6b,7bを介在するとともに、その取り付け部6b,7bの一方の面が第1のガラス部材20に接着され、他方の面が第2のガラス部材21に接着される。
【0040】
取り付け部6b,7bは、第1のガラス部材20と第2のガラス部材21とにより挟持され、軸部6cの軸線方向に移動しないように接着されている。軸部6c,7cは、車室内側の第2のガラス部材21に穿設された貫通穴21aを挿通して窓ガラス19の外に突出している。その軸部6c,7cの先端は、例えば、熱加締めするように熱加工して摺動部6a,7aが形成される。
【0041】
次に本発明の第2実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造の作用を説明する。
第1実施形態と同様に、支持部材6,7を設置した窓ガラス19の車室外側の面19aには、突起物が全くなく、ドアまたは車体18と面一に設置することができるため、風切り音が出ることがない。
そして、支持部材6,7は、窓ガラス19の車室内側の面19bに接着したことにより、雨や雪等に接触することがないため、外乱に対する耐久性を向上させることができる。
【0042】
なお、本発明は、上述の第1および第2実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、本発明は、ドアガラスだけではく、サンルーフのガラス部材に用いてもよい。
本実施形態でのドアサッシ3は、これを省略することができる。例えば、ドアサッシ3がないハードトップの自動車において、ドア1内にガイド部材4,5を設置して窓ガラス2の昇降をガイドすればよい。
また、窓ガラス2,19を昇降させるレギュレータ8は、これに代えて手動ハンドルにより窓ガラス2,19を昇降させるようにしてもよく、窓ガラス2,19を昇降させる手段は特に限定しない。
支持部材6,7は、含油樹脂で形成することにより、ガイド部材4,5との摩擦抵抗を低減して摺動性を向上させることができる。
支持部材6,7は、熱や超音波や振動等の手段により窓ガラス2に溶着してもよい。
【0043】
第2実施形態において、窓ガラス19の車室外側の第1のガラス部材20と、中間部材22との間には、支持部材6,7を目隠しするための有色フィルムを介在してもよい。例えば、その有色フィルムを柔軟で強じんなポリビニルブチラールフィルム等にすることにより、万が一、窓ガラス19が破損したとしても、ガラスがずれたり飛散することを防止することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の自動車窓ガラスの支持構造によれば、支持部材の取り付け部が、窓ガラスの車室内側に接着されるため、支持部材を窓ガラスの車室外面に露出することなく設置することが可能となる。よって、支持部材による風切り音を解消し、美観性を向上することができるとともに、車両表面の面一化を図ることができる。また、支持部材は、窓ガラスの車室内側に接着されることにより、接着剤の対候性を車室内の環境に対応するものとすることができるため、接着部の耐久性を向上して、安定した接着状態を保つことができる。
【0045】
本発明の請求項2に記載の自動車窓ガラスの支持構造によれば、支持部材の取り付け部が、窓ガラスの車室内側の面に沿って昇降方向に延びて形成されることにより、窓ガラスの摺動抵抗によって支持部材の取り付け部に発生する昇降方向のモーメントを取り付け部で確実に受け止めることが可能となる。このため、窓ガラスと取り付け部との接着部分に充分な接着強度を得ることができ、窓ガラスをスムーズに昇降することができる。
【0046】
本発明の請求項3に記載の自動車窓ガラスの支持構造によれば、支持部材の取り付け部が、車室内側の第2のガラス部材に設けられるとともに、第1のガラス部材と第2のガラス部材との間に接着されることにより、支持部材を窓ガラスの車室外面に露出することなく設置することが可能となる。このため、支持部材による風切り音を解消し、かつ美観性を向上することができる。また、窓ガラスが複数のガラス部材からなる合わせガラスであったとしても、支持部材の取り付け部をガラス部材間に挟持して接着することにより、充分な接着強度を得ることができる。このため、ガラス部材が薄肉であったとしても、負荷される力が集中してガラス部材が破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図で、支持部材の設置状態を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図で、車室内側から見た運転席のドアの要部分解斜視図である。
【図3】図2の矢視Y−Yの拡大断面図である。
【図4】図2の矢視X−Xの拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る自動車窓ガラスの支持構造を示す図で、支持部材の設置状態を示す要部概略図である。
【図6】従来の支持部材を窓ガラスにねじで固定している状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドア
2,19 窓ガラス
4,5 ガイド部材
4a,5a 中空部
4b,5b 切欠溝
6,7 支持部材
6a,7a 摺動部
6b,7b 取り付け部
11,23 接着剤
20 第1のガラス部材
21 第2のガラス部材
Claims (3)
- 窓ガラスに固定された取り付け部と、車両の車室内側に設けられるガイド部材に前記窓ガラスの昇降方向に摺動される摺動部とを備える支持部材を有し、
前記支持部材は、前記窓ガラスの車室内側に、前記取り付け部を固着して取り付けられることを特徴とする自動車窓ガラスの支持構造。 - 前記支持部材の取り付け部は、前記窓ガラスの車室内側の面に沿って昇降方向に延びて形成されることを特徴とする請求項1に記載の自動車窓ガラスの支持構造。
- 前記窓ガラスは、第1のガラス部材と、前記第1のガラス部材に対して車室内側に設けられる第2のガラス部材とを有し、
前記支持部材は、前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材との間に、前記取り付け部を介在するとともに、前記取り付け部の一方の面が前記第1のガラス部材に固着され、他方の面が前記第2のガラス部材に固着されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車窓ガラスの支持構造。
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