JP2006177147A - ウィンドーレギュレーターシステムのためのガイドレール - Google Patents

Abstract

【課題】部品点数を減らし、更にハイパースタティシズムのリスクを減らしたウィンドーレギュレータシステム用のガイドレールを提供する。
【解決手段】ウィンドーレギュレータ用のガイドレール（１０）であって、窓ガラス（１２）と係合するカーソル（１６）をガイドするためのレール部分（３０）と、窓ガラスの端部をガイドするための溝部分（３２）とを備えており、溝部分（３２）及びレール部分（３０）は、互いに接続されている。
【選択図】図４

Description

本発明は、ウィンドーレギュレータのためのガイドレールに関するものである。

従来のウィンドーレギュレーターシステムは、窓ガラスをガイドするのに役立つ２つのガイドレールか、ガラス取り付け部のためのガイドシステムが何もないガラス走行溝かのいずれかを備えている。このような従来のウィンドーレギュレータシステムであって２番目の種類のものの例が図１に示されている。このウィンドーレギュレーターシステムは、２つの溝１０を備え、この２つの溝１０の中で窓ガラス１２の前端及び後端がガイドされる。溝１０は、車のドアの一部であるドア構造部１４に連結されている。

ウィンドーレギュレーターシステムは、さらに、２つのガラス取り付け部１６を備えており、このガラス取り付け部１６は、一方で窓ガラス１２に連結されており、他方で駆動ケーブル１８に連結されている。駆動ケーブル１８は、複数のプーリー２０，２２でガイドされており、これらのプーリー２０，２２は、それぞれ、溝１０の底の端部及びドア構造部１４に取り付けられている。ウィンドーレギュレータ用ドライブ２４が設けられており、これは電動モータ（不図示）を備えていて、駆動用ケーブル１８を動かして、窓ガラス１２を図１に示した低い位置から中間位置（中間ガラス取り付け部位置１６’で概略的に描かれている）を介して上側の位置（上側ガラス取り付け部位置１６’’で概略的に描かれている）へ、又はこの逆に移動させるのに役立つものである。

公知である第２の種類のウィンドーレギュレーターシステムには、複数の欠点がある。欠点の一つは、プーリー２０がそれぞれの溝から遠くに配置されているので、プーリー２２を溝１０に連結するプーリー支持部、及び溝自体に大きな曲げ荷重が作用するというものである。さらに、プーリー２０，２２とガラス走行溝１０との間の長い距離のために、大きな空間がドア内に必要である。さらに、ガラス取り付け部１６が比較的複雑である。最後に、従来技術のシステムではいくつもの許容誤差が蓄積し、結果として駆動ケーブル用に特殊な伸張装置（テンション装置）を設ける必要があった。

従来のダブルリフト式ウィンドーレギュレータであって上記した第１の種類のものは２つガイドレールを備えており、このガイドレールの各々は、窓ガラスが取り付けられているウィンドーレギュレータカーソルをガイドするのに利用できるものである。

第２の種類のウィンドーレギュレータの場合、シングルリフト式ウィンドーレギュレータであるか、ダブルリフト式ウィンドーレギュレータであるかに拘わらず、窓ガラスは二重にガイドされる。第１に、窓ガラスはガイドレールによって案内される。第２に、窓ガラスはカーソルによって案内される。これにより、ハイパースタティシズム（ｈｙｐｅｒｓｔａｔｉｃｉｓｍ）になり、このことはさらに、内部の摩擦力が大きくなりすぎることになりかねない。

本発明の目的は、上述した欠点が取り除かれるように従来のウィンドーレギュレーターシステムを改良することである。

この目的のために、本発明は、ウィンドーレギュレータ用のガイドレールであって、窓ガラスと係合するカーソルをガイドするためのレール部分と、窓ガラスの端部をガイドするための溝部分とを備えているものを提供する。溝部分とレール部分とは、互いに連結されている。本発明は、ガイドレールにレール部分を設け、このレール部分をカーソルの案内に役立てるというアイディアに基づくものである。この結果として、カーソルが、窓ガラスの端部のための溝部分により近く配置されるようになり、これにより、ハイパースタティシズムの恐れが減る。さらに、２つの機能、すなわちカーソルを案内することと、窓ガラスを案内することとを１つの同じ部品に統合することが、両方の機能の間の許容誤差の蓄積を大きく減らし、ハイパースタティシズムのリスクを減らし、ウィンドーレギュレータ機能を向上させる。このことは、プーリーをガイドレールにより近く配置することも可能にし、これにより伴う許容誤差が小さくなり、駆動ケーブルの牽引力から生じる曲げ荷重が小さくなる。さらに、カーソルの回転が防止される。さらにまた、従来のシステムにおいて、ケーブルをガイドレールの中央でガイドするために必要であった補足的なケーブルガイドブラケットをなくすことができる。これは、カーソルが、レール部分と共にケーブルをガイドすることに役立つからである。最後に、カーソルを駆動するウィンドーレギュレータケーブルがドアのヒンジ側にあるガラス走行溝により近いことから、ケーブルを駆動する電動モータもまたレールにより近くなり、ドアスラム（ｄｏｏｒ ｓｌａｍ）試験性能を改善する。

本発明の好ましい実施形態によれば、溝部分及びレール部分は、互いに一体に形成される。この実施形態は、個々の部品数を減らし、このことは、許容誤差に関して有利なことである。詳しくは、溝部分を溝として形成することができ、レール部分をその溝の一方の側壁の連続部分として形成することができる。このようなガイドレールは、シートメタルから低コストで形成すること、特に、型押しや曲げ加工で形成することができる。アルミニウムを押し出し成形した異形材を使用することもできる。

本発明の好ましい実施形態によると、ガイドレールの底の端部に取り付けられたプーリーは、プーリー支持部に取り付けられており、このプーリー支持部はさらにガイドレールに取り付けられている。プーリー支持部を個別の部品として用意することにより、強度及び／又は壁厚に関してガイドレールの材料と異なる材料を使用することができる。代案としては、プーリー支持部をガイドレールと一体に形成することができ、これにより、個々の部品数を減らすことができる。プーリーの代わりに、スチール又はプラスチック製の湾曲部（ｒａｍｐ）を設置してもよい。

本願発明を添付図面に示される好ましい実施形態に関して説明する。

図２及び３において、本発明の第１の実施形態によるガイドレールを使用したウィンドーレギュレーターシステムが示されている。図１に示したウィンドーレギュレーターシステムで公知の部品と同一の機能を有する部品に関しては、同一の参照符号が使用されている。

ここでは溝がガイドレール１０として形成されており、各ガイドレール１０は、レール部分３０と、溝部分３２とを有している。レール部分３０は、ガラス取り付け部をガイドするようになっている。ガラス取り付け部は、ここでは、カーソル（ｃｕｒｓｏｒ、滑動板）１６として形成されている。また、溝部分３２は、窓ガラス１２の縁をガイドするようになっている。レール部分３０は、２つのサイドフランジ３４、２つの側壁３６及び底部３８を備えたスルー（端から端まで通し）の形状をした断面を有する。溝部分３３は、２つの側壁４０及び底部４２を有する溝として形成されている。レール部分３０及び溝部分３２は、レール部分３０のフランジ３４の一方が、溝部分３２における側壁４０の一方の連続部として形成されているという点で、互いに一体に形成されている。ガイドレール１０は、好ましくは、シートメタルから形成されている。代案としては、アルミニウムから押し出し成形した異形材を使用することもできる。

カーソル１６は、溝部分３２の反対側にある、レール部分３０のフランジ３４及び側壁３６にガイドされている。溝部分３２の内部には、窓ガラスが溝部分３２の表面に直接接触しないように、密封材（シール）４４が配置されている。カーソル１６は、ガイドレール１０の上を滑走させてもよいし、ガイドレール１０にクリップ式に留められてもよい。

ガイドレール１０の底の端部に取り付けられているのは、プーリー支持部４６であり、このプーリー支持部４６は、個別の部品として形成されていて、壁部の厚みが、ガイドレール１０の壁部の厚みより大きくなっている。このことにより、プーリー支持部４６をより高い剛性を有するように設計することが可能になっている。プーリー支持部４６は、ガイドレール１０の端部にＴＯＸ接合されている（ｔｏｘｅｄ）。代案としては、リベット締め、溶接、又は他のあらゆる適切な方法でガイドレールに連結することができる。プーリー２０は、プーリー支持部に回転可能に取り付けられている。さらに、プーリー支持部４６にＴＯＸ接合（ｔｏｘｉｎｇ）により取り付けられたプーリーカバー４８が用意されている。ここでも、取り付けのための他のあらゆる適切な方法を使用することができる。

カーソル１６には保持用ノーズ５０が設けられており、この保持用ノーズ５０の下には、駆動用ケーブルの、カーソル１６に連結されていない部分が延びている。保持用ノーズ５０を設けたことにより、個別のケーブルガイドをもはや使用する必要がない。

図５には、ガイドレールの第２の実施形態が示されている。図５に示したガイドレール１０の基本的な構造は、図４に示したガイドレール１０の構造に一致している。唯一の違いは、補強部材５２が設けられていることであり、この補強部材５２は、シートメタルから形成されていて、ガイドレール１０に取り付けられている。詳細には、補強部材５２は、レール部分３０に平行に、窓ガラス１２と反対側の側面上で延びており、溝部分３２を取り囲み、溝部分３２の上壁部４０における外側の縁に接合されている。補強部材５２は、ガイドレール１０の剛性を高めている。

図１は、従来技術による前述した第２の種類のウィンドーレギュレーターシステムを示している。 図２は、本発明の第１実施形態によるガイドレール付きウィンドーレギュレーターシステムを第１の側から見たところを示している。 図３は、図２のシステムを反対の側から見たところを示している。 図４は、図２に示した右ガイドレールの底の端部の拡大図を示している。 図５は、図４と類似の図であって、第２の実施形態によるガイドレールを示している。

符号の説明

１０ ガイドレール
１２ 窓ガラス
１４ ドア構造部
１６ カーソル
１８ 駆動ケーブル
２０ プーリー
２２ プーリー
２４ ウィンドーレギュレータードライブ
３０ レール部分
３２ 溝部分
３４ フランジ
３６ 側壁
３８ 底部壁
４０ 側壁
４２ 底部
４４ 密封材
４６ プーリー支持部
４８ プーリーカバー
５０ 保持用ノーズ
５２ 補強部材

Claims (12)

1. ウィンドーレギュレータのためのガイドレール（１０）であって、窓ガラス（１２）と係合するカーソル（１６）をガイドするためのレール部分（３０）と、前記窓ガラス（１２）の端部をガイドするための溝部分（３２）とを備え、前記溝部分（３２）及び前記レール部分（３０）が互いに接続されている、ガイドレール。
2. 前記溝部分（３２）及び前記レール部分（３０）が互いに一体に形成されている、請求項１に記載のガイドレール。
3. 前記溝部分（３２）が溝として形成されており、前記レール部分（３０）が前記溝の側壁（４０）の一つの連続部として形成されている、請求項２に記載のガイドレール。
4. 前記レール部分（３０）が、前記溝部分（３２）の長さの一部のみに沿って延びている、請求項１から３のいずれか１項に記載のガイドレール。
5. 前記カーソルに連結されている駆動ケーブル（１８）の向きを変えるように適合されたプーリー（２０）が設けられている、請求項１から４のいずれか１項に記載のガイドレール。
6. 前記プーリーがプーリー支持部（４６）に取り付けられており、前記プーリー支持部がさらに前記ガイドレール（１０）に取り付けられている、請求項５に記載のガイドレール。
7. 前記プーリー支持部（４６）が前記ガイドレール（１０）にＴＯＸ接合されている、請求項６に記載のガイドレール。
8. 前記プーリー支持部（４６）にＴＯＸ接合されたプーリーカバー（４８）が設けられている、請求項７に記載のガイドレール。
9. 前記溝部分と係合する補強部材（５２）が設けられている、請求項１から８のいずれか１項に記載のガイドレール。
10. 請求項９に記載のガイドレールであって、前記補強部材（５２）は前記レール部分（３０）に沿って延びている、ガイドレール。
11. 前記レール部分（３２）及び前記溝部分（３０）がシートメタルから形成されている、請求項１から１０のいずれか１項に記載のガイドレール。
12. 請求項１から１１のいずれか１項に記載のガイドレールを備えた車用のドア。

Images