JP3849891B2 - フイルタ装置及び無線通信端末装置 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図8〜図11)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)第1実施例(図1〜図3)
(2)第2実施例(図4〜図7)
(3)他の実施例
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明はフイルタ装置及び無線通信端末装置に関し、例えば利用周波数帯が限定された伝送路を介して通信する無線通信システムで用いられるフイルタ装置及び無線通信端末装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の無線通信端末装置においては、送信するデータ信号(以下、これをベースバンド信号と呼ぶ)をデイジタル信号の状態で生成する。無線通信端末装置は生成したベースバンド信号にフイルタリング処理を施して、所定の周波数帯域内に帯域制限する。その後、無線通信端末装置はベースバンド信号をデイジタル・アナログ変換して所定の変調処理を行い、これにより得られる搬送波を利用周波数帯の限定された所定の伝送路を介して送信する。
【0004】
図8は全体として例えば携帯電話のような無線通信端末装置内に設けられたフイルタ装置(以下、これを送信フイルタと呼ぶ)周辺の回路構成を示し、発振器1で生成したクロツク信号S1を基準クロツクとして送信フイルタ2に供給する。また送信シンボル生成部3は送信対象となるベースバンド信号S2を生成して送信フイルタ2に送出する。なお米国で提案されている携帯電話を用いた情報通信システムであるCDMA−PCSにおいては、ANSI規格のJ−STD−008 からベースバンド信号S2の周波数は1.2288[MHz] と規定されており、この規格に準拠した当該無線通信端末装置ではこの周波数でベースバンド信号S2を生成するようになされている。またクロツク信号S1の周波数は、ベースバンド信号S2を送信フイルタ2で4倍オーバーサンプリングするために、ベースバンド信号S2の4倍の周波数でなる4.9152[MHz] で生成するようになされている。因みにクロツク信号S1の周波数は必ずしも4.9152[MHz] とは限らず、ベースバンド信号S2をオーバーサンプリングする倍率に応じて生成すればよい。
【0005】
送信フイルタ2は再標本化器4、デイジタルフイルタ5及びデイジタル・アナログコンバータ(以下、これをD/Aコンバータと呼ぶ)6からなり、発振器1から与えられるクロツク信号S1に基づいて駆動する。送信フイルタ2は送信シンボル生成部3から与えられるベースバンド信号S2を再標本化器4に入力する。再標本化器4は基準クロツクとして与えられているクロツク信号S1の周波数に応じた倍率、すなわちクロツク信号S1とベースバンド信号S2との比でなる所定の整数倍でオーバーサンプリング処理する。再標本化器4は、こうしたオーバーサンプリング処理によつて得られたパルス信号S3をデイジタルフイルタ5に送出する。デイジタルフイルタ5はパルス信号S3を所定の周波数特性にしたがつて量子化する。デイジタルフイルタ5は、こうして量子化により得られた量子化信号S4をD/Aコンバータ6に送出する。D/Aコンバータ6は量子化信号S4をアナログ信号でなる送信信号S5に変換する。この後、無線通信端末装置はアナログローパスフイルタ(図示せず)によつて送信信号S5から所定の周波数帯域だけを抽出して出力送信する。
【0006】
すなわち図9(A)に示すように、送信シンボル生成部3で生成したベースバンド信号S2は1.2288[MHz] のインパルス列であり、これを周波数軸上で見た場合、1.2288[MHz] 幅でなる1帯域が1.2288[MHz] おきに繰り返し現れる。
図9(B)に示すように、再標本化器4はベースバンド信号S2を1.2288[MHz] の4倍の周波数である4.9152[MHz] でオーバーサンプリングすることによりベースバンド信号S2の1帯域を4.9152[MHz] 幅に広げている。この4.9152[MHz] 幅の1帯域には元の1.2288[MHz] でなる情報が4つ分含まれている。このようなオーバーサンプリングは、具体的には、ベースバンド信号S2のインパルス列間に「0」である情報を3つつめることによりなされる(図中、各インパルス間の点の部分)。
図9(C)に示すように、こうしてオーバーサンプリングにより得られたパルス信号S3はデイジタルフイルタ5によつて帯域が狭められる。こうして帯域制限して得られる量子化信号S4をD/Aコンバータ6を介して送出することにより、送信フイルタ2は図中に示す包絡線を形成する信号を送出する。無線通信端末装置は、こうして送信フイルタ2から送出した信号をアナログローパスフイルタを介して出力することにより、所定の周波数帯域だけを抽出して出力する。
【0007】
無線通信端末装置は、このように送信フイルタ2で所定倍率のオーバーサンプリング処理を施すことによりベースバンド信号S2の各周波数帯域間の間隔を広げることができ、アナログローパスフイルタによる所定の周波数帯域の抽出を高精度な周波数特性を要せずに容易に行うことができる。このため、こうした無線通信端末装置ではアナログローパスフイルタに求められる特性を軽減して負荷を減らすことができる。
【0008】
またセルラーシステム等で代表されるように無線通信端末装置と基地局との間で無線通信を行う無線通信システムでは、無線通信端末装置は通信の相手側と送信信号の送信タイミングを同期させるようになされている。特に送信信号の多重化方式としてCDMA(Code Division Multiple Access 、符号分割多重アクセス)方式を用いているシステムでは、精度の高いタイミング同期が必要となつている。
【0009】
図8との対応部分に同一符号を付した図10において、10は全体としてCDMA方式による無線通信端末装置を示し、基地局を介して相手側から送られてくる信号を受信すると共に、受信信号のタイミングに応じて決定した送信タイミングで送信信号S5を相手側に送信するようになされている。
無線通信端末装置10は、アナログ信号でなる受信信号S6をアナログ/デイジタル変換器11(以下、これをA/Dコンバータ11と呼ぶ)に入力してデイジタル信号S7に変換する。A/Dコンバータ11は得られたデイジタル信号S7を復調器12に送出する。復調器12は送信側で所定の変調方式による変調がなされているデイジタル信号S7を復調し、情報が格納されたパケツトデータである受信シンボルS8として受信シンボル処理部13に送出する。またこの際、復調器12はデイジタル信号S7のタイミングを検出して、検出結果に応じた電圧レベルでなる制御信号S9を送出する。受信シンボル処理部13は受信シンボルS8を音声信号等の出力信号に変換して出力する。なおA/Dコンバータ11、復調器12及び受信シンボル処理部13には発振器1からクロツク信号S1が供給されており、クロツク信号S1を基準クロツクとするタイミングで駆動するようになされている。
【0010】
一方、送信用クロツク生成部14は制御信号S9の電圧レベルに応じた周波数で基準クロツク信号S10を生成して送信シンボル生成部3に供給すると共に、基準クロツク信号S10の整数倍の周波数でなる基準クロツク信号S11を生成して送信フイルタ2に供給する。具体的には送信用クロツク生成部14はVCO(Voltage Controlled Oscilator)でなり、生成する基準クロツク信号S10の周波数を制御信号S9の電圧レベルに応じて変更するようになされている。なお基準クロツク信号S11の周波数は基準クロツク信号S10の周波数に対して、送信フイルタ2で施されるオーバーサンプリングの倍率に応じた整数倍で生成するようになされる。
【0011】
送信シンボル生成部3は基準クロツク信号S10に基づいて、送信シンボルであるベースバンド信号S2を生成して送信フイルタ2に送出する。送信フイルタ2はベースバンド信号S2を再標本化器4に入力して、基準クロツク信号S11の周波数に基づく倍率でオーバーサンプリングする。また送信フイルタ2は、こうして得られたパルス信号S3をデイジタルフイルタ5に供給して帯域を狭める。さらに送信フイルタ2は、帯域を狭めて得られる量子化信号S4をD/Aコンバータ6を介してアナログ信号でなる送信信号S5に変換する。無線通信端末装置10は、送信信号S5を送信フイルタ2から送出した後、アナログローパスフイルタ(図示せず)によつて所定の周波数帯域だけを抽出して出力する。
【0012】
ところで上述したように、無線通信端末装置10は送信信号S5を送信するタイミングを受信信号S6から得られるタイミングと同期させるようになされている。このため無線通信端末装置10は受信信号S6をA/D変換して得られるデイジタル信号S7から復調器12によつてタイミング情報を抽出し、当該無線通信端末装置10内のタイミング情報との相違の有無を検出する。検出結果によつて受信信号S6から得られるタイミング情報と内部のタイミング情報との間に差異が認められた場合、無線通信端末装置10は内部のタイミングを調整してずれを解消する。具体的には復調器12から送出する制御信号S9によつて送信用クロツク生成部14が生成する基準クロツク信号S10及びS11の周波数を一時的に変更して、内部のタイミングを受信信号S6から得られるタイミング情報に同期させる。
【0013】
図10との対応部分に同一符号を付した図11は、全体として復調器12の内部構成を示し、入力したデイジタル信号S7を復調部15〜17、及び同期捕捉/追跡回路18に供給する。同期捕捉/追跡回路18は、デイジタル信号S7に掛け合わせる所定の拡散系列の最適な位相を検出して各復調部15〜17に通知する。各復調部15〜17は同期捕捉/追跡回路18で検出した位相でデイジタル信号S7に所定の拡散系列を掛け合わせる。
すなわち無線通信端末装置10で受信される受信信号S6は送信側で情報信号に拡散系列を掛け合わせて生成された信号であり、また伝送経路上でマルチパス等の作用によつて元の送信信号に振幅が弱まり位相のずれた自身の信号が加算されたものとなつている。このため復調器12は同期捕捉/追跡回路18で、送信側で掛け合わされたものと同一の拡散系列を位相をずらしながらデイジタル信号S7に掛け合わせる。このようにずらしながら掛け合わせる拡散系列の位相と、送信側で掛け合わされた拡散系列の位相とが等しくなつた場合、その相関値がピークポイントとして現れる。このように拡散系列の位相をずらしながら掛け合わせることで最も相関値の高いピークポイントを容易に検出することができ、デイジタル信号S7に掛け合わせる拡散系列の最適な位相を得ることができる。
【0014】
また無線通信端末装置10で受信される受信信号S6は上述したようにマルチパス等の作用によつて位相のずれた複数の信号を含んでいるため、こうして位相をずらしながら拡散系列を掛け合わせた場合、相関値のピークポイントが複数得られることになる。
同期捕捉/追跡回路18は、こうして得られる複数のピークポイントから特に高いピーク値が得られる位相を3つ選択し、位相情報信号S12として各復調部15〜17に1つづつ分配して通知する。各復調部15〜17は各々通知された位相で拡散系列を掛け合わせてデイジタル信号S7の復調を行い、得られた情報信号を信号合成部19に送出する。信号合成部19は与えられる情報信号の位相合わせを行い、各々の信号強度に応じて重み付けを行つて各情報信号を合成し、受信シンボルS8として出力する。
【0015】
さらに無線通信端末装置の移動等により伝送経路のパスが一部遮断され、こうして検出した特に高いピーク値が得られる3つの位相のうち幾つかが検出不可能なレベルに低下する場合がある。同期捕捉/追跡回路18はデイジタル信号S7から常時高いピーク値を得られる位相を検出しており、このように各復調部15、16又は17でデイジタル信号S7の復調に用いている位相が検出不可能なレベルになつた場合、新たに高いピーク値が得られる位相を選択して各復調部15〜17に通知し直す。
【0016】
またCDMA方式による無線通信端末装置では送信信号S5を送信するタイミングを、上述した特に高いピーク値が得られる3つの位相のうち最も早く到着した位相のタイミングに基づいて決定している。ここでこのような最も早く到着した特に高いピーク値が得られる位相のタイミングは、上述したような伝送経路のパスの遮断又はソフトハンドオフ等により瞬時的に変動する場合がある。このような場合、無線通信端末装置10(図10)は同期捕捉/追跡回路18で最も早く到着した高いピーク値の得られる位相のタイミングを新たに検出し、これに応じて制御信号S9を送信用クロツク生成部14に送出する。送信用クロツク生成部14は制御信号S9に基づいて基準クロツク信号S10及びS11の周波数を早めたり又遅くしたりすることで送信信号S5を送信するタイミングを制御する。
【0017】
無線通信端末装置10は、このように受信信号S6のタイミングに基づいて送信信号S5の送信タイミングを決定することにより送信信号S5を相手側が送信する信号のタイミングと同期するようになされていると共に、伝送経路のパスが遮断される等して送信信号S5の送信タイミングが変動した場合、新たに受信信号S6に基づいて得られるタイミングに応じて基準クロツク信号S10及びS11の周波数を調節することにより送信タイミングの同期を確保し続け得るようになされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の無線通信端末装置10においては、上述したように受信信号S6から得られるタイミングで送信信号S5の送信タイミングを決定し、これに応じて送信用クロツク生成部14が生成する基準クロツク信号S10の周波数を制御してベースバンド信号S2を生成するようになされている。こうした制御によつて送信タイミングを変更する場合、復調器12は送出する制御信号S9の電圧レベルを変化させてVCOである送信用クロツク生成部14に供給するようになされている。これにより送信用クロツク生成部14が生成する基準クロツク信号S10及びS11の周波数を制御することができ、送信タイミングを受信信号S6のタイミングに同期し得る。
ところがVCOは一般に微小な電圧レベルの変化で大きく出力を変化するため、電圧レベルの制御には高い精度が要求されるという問題がある。
【0019】
またこのように受信信号S6のタイミングに同期させるために基準クロツク信号S10の周波数を制御して変更した場合、送信シンボル生成部3はベースバンド信号S2の1シンボル単位あたりの時間幅を変更する。例えば送信タイミングを早める場合、送信シンボル生成部3はクロツク信号S1のタイミングに対するベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を一時的に狭める。また送信タイミングを遅める場合は1シンボル単位の時間幅を一時的に広げる。無線通信端末装置10は、このようにして送信信号S5の送信タイミングを変更する。
しかしこのようにして生成するベースバンド信号S2には実際には比較的高いレベルのジツタ成分が含まれることになり、このため送信信号S5にスペクトルの歪みが生じるという問題がある。
【0020】
また伝送経路のパスが遮断される等により、新たに受信信号S6に基づいて得られるタイミングに送信信号S5の送信タイミングを変更して同期させる際、新たな送信タイミングが以前のタイミングに比して急激かつ比較的大きく変動する場合も考えられる。このような場合、基地局における追従を確実に行わせるためには、新たに、送信タイミングの変動を緩やかにさせる制御が必要とされる。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、確実な信号伝送を維持しながら、ジツタ成分に起因するスペクトルの歪みを容易に低減し得るフイルタ装置及び無線通信端末装置を提案しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、送信対象であるデータ信号における実際の1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と、当該タイミング信号の理論値に対して1/nの周期を有するパルス波でなる基準信号とを比較し、当該タイミング信号の各パルス間に検出された当該基準信号のパルス数と上記nとの差分に基づいて当該基準信号に対する当該データ信号のタイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、基準信号を基に生成されデータ信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、データ信号を格納して保持すると共に、格納したデータ信号をトリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、送出されたデータ信号をトリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段とを設け、トリガ間隔調節手段は、タイミングずれ量の算出結果を受け、当該タイミングずれ量が1クロツクタイミング以上であった場合、トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を所定時間間隔毎に繰り返すことによりタイミングずれ量を1クロツクタイミングづつ解消する。
【0023】
基準信号に対してデータ信号を送信する際の1シンボル毎の送出タイミングにタイミングずれが生じた場合、タイミングずれ量に応じて1クロツクタイミングづつデータ信号の送出タイミングを狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を繰り返して送出タイミングを徐々に補正することができるので、タイミングずれによりデータ信号に含まれるジツタ成分を時間方向に分散させることができる。
【0024】
また本発明においては、所定周期のパルス波でなる第1の基準信号を生成して送出する信号生成手段と、受信信号を元の情報信号に復調すると共に当該受信信号に含まれる受信タイミング信号を検出し、当該受信タイミング信号と第1の基準信号との比較結果に基づいて制御信号を送出する信号復調手段と、第1の基準信号及び制御信号の入力を受け、当該第1の基準信号を分周して第2の基準信号を生成するときの分周比を当該制御信号に応じて変更するタイミング管理手段と、第2の基準信号に基づいてベースバンド信号を生成する送信シンボル生成手段と、ベースバンド信号における1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と第 1 の基準信号とを比較し、当該タイミング信号が当該第1の基準信号に対して1クロツクタイミング以上でなるタイミングずれを有していることを検出した場合に、当該タイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、第1の基準信号を基に生成されベースバンド信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、ベースバンド信号を格納して保持すると共に、格納したベースバンド信号をトリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、送出されたベースバンド信号をトリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段とを設け、トリガ間隔調節手段は、タイミングずれ量を算出した結果、第1の基準信号に対してタイミング信号が進んでいた場合、トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分広げるトリガ間隔変更処理を第1の時間間隔毎に繰り返すことによりタイミングずれ量を1クロツクタイミングづつ解消する。
【0025】
第1の基準信号に対してタイミング信号が進んでいた場合、タイミングずれ量に応じて1クロツクタイミングづつデータ信号の送出タイミングを狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を繰り返して送出タイミングを徐々に補正することができるので、タイミングずれによりデータ信号に含まれるジツタ成分を時間方向に分散させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0027】
(1)第1実施例
図10との対応部分に同一符号を付した図1において、送信フイルタ20は発振器1が生成するクロツク信号S1を入力し、再標本化器21、デイジタルフイルタ5及びD/Aコンバータ6にそれぞれ供給する。また送信シンボル生成部22は送信対象となるベースバンド信号S2及びベースバンド信号S2の1シンボル単位毎の境界を示すタイミング信号S13を生成し、共に送信フイルタ20に送出する。
【0028】
送信フイルタ20は、送信シンボル生成部22から供給されるベースバンド信号S2及びタイミング信号S13を再標本化器21に入力する。ここで再標本化器21には予め、ベースバンド信号S2を何倍でオーバーサンプリングするか及びオーバーサンプリング倍率を変更する場合の制御手順を記憶してある。具体的には再標本化器21はベースバンド信号S2を16倍オーバーサンプリングするようになされており、また倍率を変更する場合の制御手順は後述する設定で記憶してある。
【0029】
再標本化器21は入力されたタイミング信号S13とクロツク信号S1とを比較して、ベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅がクロツク信号S1のクロツクタイミング幾つ分に相当するか、すなわちクロツク信号S1のパルス幾つ分であるかを算出する。具体的には再標本化器21はタイミング信号S13に示されるパルス波、すなわちベースバンド信号S2における1シンボル単位の開始位置を検出した際にクロツク信号S1のパルス検出を開始し、タイミング信号S13から再度パルス波を検出するまでの間のクロツクパルス数を計数する。再標本化器21は算出結果が16である場合、そのままベースバンド信号S2を16倍オーバーサンプリング処理し、得られたパルス信号S3をデイジタルフイルタ5に送出する。
【0030】
一方、算出結果が16で無い場合、再標本化器21はオーバーサンプリング倍率を一時的に変更して、送信信号S5の送信タイミングを変更するための処理を行う。
図2(A)に示すように、例えばクロツク信号S1の16パルス分に相当する時間幅を1シンボル単位としてベースバンド信号S2が入力されている際に、一時的に12パルス分に相当する時間幅で1シンボル単位が入力したとする。この場合、再標本化器21は16倍でオーバーサンプリングしている倍率を一時的に15倍に変更して送信タイミングを早める。この後、16倍にオーバーサンプリング倍率を戻し、所定時間経過した後に再度15倍にオーバーサンプリング倍率を変更する。こうして数回(この場合は計4回)、所定時間毎に15倍オーバーサンプリング処理を繰り返すことにより、再標本化器21はベースバンド信号S2に生じたタイミングずれを徐々に解消する。
【0031】
また図2(B)に示すように、クロツク信号S1の16パルス分に相当する時間幅を1シンボル単位としてベースバンド信号S2が入力されている際に、一時的に20パルス分に相当する時間幅で1シンボル単位が入力したとする。この場合、再標本化器21は16倍でオーバーサンプリングしている倍率を一時的に17倍に変更して送信タイミングを遅くする。この後、16倍にオーバーサンプリング倍率を戻し、所定時間経過した後に再度17倍にオーバーサンプリング倍率を変更する。こうして数回(この場合は計4回)、所定時間毎に17倍オーバーサンプリング処理を繰り返すことにより、再標本化器21はベースバンド信号S2に生じたタイミングずれを徐々に解消する。
【0032】
このように再標本化器21は、ベースバンド信号S2のオーバーサンプリング倍率を一時的に変更して送信タイミングを調節し、タイミングずれ量を時間方向に分散させて徐々に解消してジツタ成分を抑制する。再標本化器21は、こうして得られたパルス信号S3をデイジタルフイルタ5に送出する。デイジタルフイルタ5はパルス信号S3をクロツク信号S1の周波数に基づいてフイルタリング処理し、得られる量子化信号S4をD/Aコンバータ6に送出する。D/Aコンバータ6は量子化信号S4をアナログ信号に変換して送信信号S5として出力する。
【0033】
図3は再標本化器21の内部構成の一部を示し、以下に説明する構成によつてベースバンド信号S2のオーバーサンプリング倍率の変更、すなわち送信信号S5の送信タイミング調節を行う。再標本化器21は発振器1(図1)から供給されるクロツク信号S1をタイミング検出部23及び間隔監視部24に入力すると共に、送信シンボル生成部22(図1)から与えられるタイミング信号S13をタイミング検出部23に、ベースバンド信号S2をバツフア部25にそれぞれ供給する。なお、ここでクロツク信号S1の周波数とベースバンド信号S2の周波数とは同期している(クロツク信号S1の周波数がベースバンド信号S2の周波数の整数倍である)ものとする。
タイミング検出部23はタイミング信号S13及びクロツク信号S1の各パルス波を検出して、ベースバンド信号S2の各1シンボル単位当たりのクロツク信号S1のパルス数を検出する。こうしてタイミング検出部23はベースバンド信号S2の各1シンボル単位の時間幅がクロツク信号S1のパルス幾つ分の間隔であるかを算出し、算出結果を間隔変更決定部26に通知する。
【0034】
間隔変更決定部26は当該算出結果を受けて、各1シンボル単位毎にクロツク信号S1のパルス16個分の間隔であるか否かを判定する。ここでクロツク信号S1のパルス16個分の間隔であると判定した1シンボル単位に関して、間隔変更決定部26は何も行わない。
このように何も指示が無い場合、間隔監視部24は初期設定通り16倍のオーバーサンプリング倍率に応じた処理としてクロツク信号S1のパルスが16回入力される毎に1回、トリガ信号をバツフア部25に送出する。バツフア部25は入力されるベースバンド信号S2を一時格納するようになされており、トリガ信号の入力に応じてベースバンド信号S2をオーバーサンプリングの倍率に応じた時間幅でなる1シンボル単位で送出する。この場合、オーバーサンプリング倍率が16倍であるため、クロツク信号S1のパルスが16回入力される間隔を1シンボル単位の時間幅としてベースバンド信号S2を送出する。
【0035】
一方、クロツク信号S1のパルス16個分の間隔で無いと判定した場合、間隔変更決定部26はクロツク信号S1のパルス16個分の時間幅に対してベースバンド信号S2の1シンボル単位が幾つ分ずれを有しているかを算出し、カウンタ27に通知する。例えば一時的にクロツク信号S1のパルス12個分の時間幅でなる1シンボル単位(図2(A))でベースバンド信号S2が入力された場合(すなわちタイミングを早める場合)、間隔変更決定部26はクロツク信号S1のパルス16個分の時間幅に対するベースバンド信号S2の1シンボル単位のずれを「4」としてカウンタ27に通知する。なお、ここではタイミングを遅らせる方向をプラス、早める方向をマイナスとしている。
【0036】
カウンタ27は間隔変更決定部26から与えられるクロツク信号S1に対するベースバンド信号S2のタイミングずれ分の情報をカウンタ値として保持している。カウンタ27は、このカウンタ値を間隔監視部24に通知すると共に、間隔監視部24からバツフア25に向けて、クロツク信号S1のタイミングでパルス1個分、間隔を狭めてトリガ信号を1回送出したことを示す通知を受けるとカウンタ値を1つ減らして更新する。また間隔変更決定部26から新たにタイミングずれ分の情報が与えられると、その時点で保持しているカウンタ値に新たなタイミングずれ分を加算して更新を行う。カウンタ27はカウンタ値を更新する度に、新たなカウンタ値を間隔監視部24に通知する。
【0037】
間隔監視部24はカウンタ27から通知されるカウンタ値に応じてオーバーサンプリングの倍率を変更するためにバツフア部25を制御して、送出するベースバンド信号S2の1シンボル単位毎の時間幅を調節する。具体的には以下に説明するような手順によつてなされる。
まず間隔監視部24には予め通知されるカウンタの値に応じた時間間隔が各々記憶設定してある。例えばカウンタ値により通知されるクロツク信号S1に対するベースバンド信号S2のタイミングずれ数がプラス方向又はマイナス方向に「3」以上である場合、時間間隔を200 とする。またタイミングずれ数がプラス方向又はマイナス方向に「2」である場合、時間間隔を300 とする。またタイミングずれ数がプラス方向又はマイナス方向に「1」である場合、時間間隔を400 とする。間隔監視部24はクロツク信号S1を随時検出すると共に、カウンタ27からカウンタ値を受けた際に上述のようなカウンタ値に応じた時間間隔を設定する。間隔監視部24は、前回シンボル間隔を変更してから、どれくらい時間が経過したかを、クロツク信号S1のパルス数でカウントしており、上述のように定めた時間間隔と、前回シンボル間隔を変更してからどれくらい時間が経過したかと、カウンタ27から通知されたカウンタ値とを鑑みて、シンボル間隔の変更を行う。
【0038】
間隔監視部24は、カウンタ27からカウンタ値の通知を受けると、タイミングずれを修正する処理、すなわちオーバーサンプリングの倍率を変更する処理を開始する。間隔監視部24はカウンタ27から通知されたカウンタ値と前回ベースバンド信号S2の時間幅を変更してから経過した時間(クロツク信号S1のパルス波の入力回数)とを、上述したカウンタ値に応じた所定の時間間隔に照らし合わせる。これにより、通知されたカウンタ値に応じた時間間隔に対して、経過時間が十分に大きい場合、間隔監視部24はオーバーサンプリングの倍率を変更したタイミングでバツフア部25にトリガ信号を送出する。具体的にはカウンタ値がプラスの場合(タイミングを遅らせる場合)、クロツク信号S1のパルス17個分の時間間隔でトリガ信号を送出し、カウンタ値がマイナスの場合(タイミングを早める場合)、クロツク信号S1のパルス15個分の時間間隔でトリガ信号を送出する。
【0039】
一方、通知されたカウンタ値に応じた時間間隔に対して、経過時間が小さい場合、間隔監視部24は当該時間間隔が経過するまで待機して、経過後に上述したオーバーサンプリングの倍率を変更したタイミングでバツフア部25にトリガ信号を送出する。また間隔監視部24は、こうしたトリガ信号の送出に伴つてカウンタ27にカウンタ値を変更する旨を通知する。カウンタ27は通知に応じて、カウンタ値を+1又は−1して更新する。なお、オーバーサンプリングの倍率を変更しない場合、すなわちカウンタ27に格納されたカウンタ値が0の場合、又は前回オーバーサンプリングの倍率を変更してから十分な時間が経過していない場合、間隔監視部24はクロツク信号S1のパルス波16個分の時間間隔でトリガ信号を送出する。
【0040】
こうして間隔監視部24から送出されるトリガ信号に応じて、バツフア部25は一時格納したベースバンド信号S2を各時間幅の1シンボル単位毎に送出する。送出されたベースバンド信号S2はオーバーサンプリング部(図示せず)に供給されて、各々の時間幅でなる1シンボル単位に応じた倍率でオーバーサンプリング処理がなされる。
このように再標本化器21は入力されるベースバンド信号S2にクロツク信号S1に対するタイミングずれを検出した場合、一時的に1シンボル単位の時間幅を変更して、これを所定の時間間隔毎に所定回数繰り返すことにより、ずれたタイミングを徐々に解消していくようになされている。
【0041】
以上の構成において、送信シンボル生成部22により生成されたベースバンド信号S2は、同じく送信シンボル生成部22により生成されるタイミング信号S13と共に送信フイルタ20に入力される。ここでベースバンド信号S2の1シンボル単位はクロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅となるようになされているが、この時間幅が送信タイミングの変更により一時的にかつ急激に広くなつたり狭くなつたりする場合がある。このような時間幅の変動はベースバンド信号S2に含まれるジツタ成分となり、こうしたジツタ成分を含むベースバンド信号S2のシンボルタイミングに準じてオーバーサンプリングした場合、出力される送信信号S5にスペクトルの歪みが生じることになる。
【0042】
このため送信フイルタ20はベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅が一時的に変動してクロツク信号S1に対してタイミングずれを生じた場合、クロツク信号S1に対するベースバンド信号S2のタイミングずれ量に応じて再標本化器21によりオーバーサンプリングの倍率を一時的に変更する。これにより送信フイルタ20はクロツク信号S1に対するタイミングずれを解消することができ、送信信号S5に生じるスペクトルの歪みを容易に低減し得る。
【0043】
また送信フイルタ20は再標本化器21によるオーバーサンプリング倍率の変更の際に16倍でなるオーバーサンプリングの倍率を17倍又は15倍に変更し、これをずれ量に応じた所定回数分、所定の時間間隔毎に繰り返して徐々にタイミングを合わせるようになされている。
例えば通常、1シンボル単位の時間幅がクロツク信号S1の16パルス幅分でなるベースバンド信号S2に、一時的にクロツク信号S1の20パルス幅分の1シンボル単位が生じたとする。これを一時に解消するため、オーバーサンプリング倍率を20倍に変更すれば1度の倍率変更でタイミング合わせ処理を終えることができる。しかしこのように瞬間的かつ大幅にオーバーサンプリングの倍率を変更して送信信号S5の送信タイミングを変更した場合、送信タイミングの変動速度がANSI規格のJ−STD−008 に規定された基地局側によるタイミング変動に対する追従速度を大幅に逸脱し、基地局側で送信信号S5を追従しきれなくなる場合が生じ、また送信信号S5に大きなスペクトルの歪みが生じることになる。
【0044】
送信フイルタ20は再標本化器21によるオーバーサンプリング倍率の変更によつて送信タイミングを一時的に変更する際、タイミング検出部23及び間隔変更決定部26によつてクロツク信号S1に対するベースバンド信号S2の1シンボル単位毎のタイミングずれ量を検出する。検出したタイミングずれ量はカウンタ27に通知されて管理され、+1又は−1でオーバーサンプリング倍率を変更して、これをタイミングずれ量に応じた回数繰り返す。また検出されたタイミングずれ量に応じて間隔変更決定部26が決定する所定時間間隔が間隔監視部24によつて管理され、この時間間隔毎にオーバーサンプリング倍率の変更を行う。このように+1又は−1して行うオーバーサンプリング倍率の変更を、タイミングずれ量に応じた回数かつタイミングずれ量に応じた時間間隔毎に繰り返すことで、送信フイルタ20はベースバンド信号S2に生じたタイミングずれを徐々に解消する。これにより送信フイルタ20は、送信信号S5の送信タイミングの変動速度がANSI規格のJ−STD−008 に規定されている基地局側の追従速度を逸脱することを防止して、確実な送信信号S5の伝送を維持し得る。
【0045】
以上の構成によれば、ベースバンド信号S2の各1シンボル単位毎のクロツク信号S1に対する時間幅をタイミング検出部23でタイミング信号S13から検出して、クロツク信号S1に基づく16倍オーバーサンプリングに適合しない時間幅の1シンボル単位が生じたことを検出した場合、間隔監視部24で監視しながら間隔変更決定部26により設定する時間間隔毎に、かつ16倍オーバーサンプリングに適合する時間幅とのタイミングずれ数に応じた回数に分けて、バツフア部25に一時格納したベースバンド信号S2をクロツク信号S1のパルス数15又は17個分の時間幅で送出する。
【0046】
これにより送信フイルタ20はベースバンド信号S2に16倍オーバーサンプリングに適合しない時間幅の1シンボル単位が生じて送信タイミングにずれが生じた場合、このタイミングずれを複数回に分けて徐々に解消して基地局側の追従速度を逸脱すること無く、ベースバンド信号S2のジツタ成分を除去することができ、かくして確実な信号伝送を維持しながらジツタ成分により送信信号S5に生じるスペクトルの歪みを容易に低減することができる。
【0047】
(2)第2実施例
図1及び図3との対応部分に同一符号を付して示す図4において、30は全体としてCDMA方式による無線通信端末装置を示し、相手側から基地局を介して送られてきた信号を受信信号S6として受信する。無線通信端末装置30はアナログ信号でなる受信信号S6をアナログ/デイジタル変換器11(以下、これをA/Dコンバータ11と呼ぶ)でデイジタル信号S7に変換して復調器31で元の情報信号に復調し、これにより得られた受信シンボルS8を受信シンボル処理部13で音声信号等に変換して出力する。また復調器31はデイジタル信号S7の復調の際にタイミング検出を行い、検出結果に応じて送信タイミングを早めるか遅めるか判別し、変更するタイミングの変位量を情報信号S14として送出する。なお、ここでA/Dコンバータ11、復調器31及び受信シンボル処理部13には、クロツク周波数変換器32がクロツク信号S1を周波数変換して送出する基準クロツク信号S15が供給されており、これに基づいて駆動するようになされている。
【0048】
発振器1は19.8[MHz] の周波数でなるクロツク信号S1を生成して、クロツク周波数変換器32及び送信フイルタ33に供給する。送信フイルタ33は供給されるクロツク信号S1を再標本化器34、デイジタルフイルタ5及びD/Aコンバータ6に与える。
一方、クロツク周波数変換器32は19.8[MHz] の周波数でなるクロツク信号S1を周波数変換して19.6608[MHz]の周波数でなる基準クロツク信号S15を生成し、上述したようにA/Dコンバータ11、復調器31及び受信シンボル処理部13に供給すると共に、時間管理部35に供給する。すなわち無線通信端末装置30はCDMA方式によるものであるためにベースバンド信号S2が1.2288[MHz] であることが規定されており、このためベースバンド信号S2を生成する上で1.2288[MHz] に同期した周波数の信号が必要となつている。したがつて無線通信端末装置30では19.8[MHz] の周波数でなるクロツク信号S1をクロツク周波数変換器32で周波数変換することにより、1.2288[MHz] に同期した(すなわち整数倍でなる)基準クロツク信号S15を生成するようになされている。
【0049】
具体的にクロツク周波数変換器32は入力したクロツク信号S1から所定間隔毎にパルス波を抜き取つて各パルス波間の間隔を擬似的に広げることにより、元の周波数に比して低い所望の周波数(この場合、19.6608[MHz])の基準クロツク信号S15を生成する。例えば発振器1が生成するクロツク信号S1の周波数をfout 、これを周波数変換して生成する基準クロツク信号S15の周波数をfinとした場合、
【数1】
からパルス波を抜き取る平均間隔を得ることができる。すなわち元の周波数と所望する周波数との差分を元の周波数に対して分散させることで、元の周波数を所望する周波数に変換する場合の平均間隔が得られる。この場合、fout が19.6608[MHz]であり、またfinが19.8[MHz] あることから(1)式にこれらの値を代入して
【数2】
が得られ、4125/29 の間隔でパルス波を抜き取ることで19.8[MHz] でなるクロツク信号S1を19.6608[MHz]でなる基準クロツク信号S15に周波数変換し得ることがわかる。
【0050】
時間管理部35は、このようにして生成された19.6608[MHz]でなる基準クロツク信号S15を入力して16分周することにより、ベースバンド信号S2と同一の周波数1.2288[MHz] でなる基準クロツク信号S16を生成して送信シンボル生成部22に供給する。また時間管理部35は復調器31から与えられる情報信号S14に応じて、送信シンボル生成部22に供給する基準クロツク信号S16のタイミング、すなわち周波数を一時的に変更する。この際、時間管理部35は送信タイミングを早める場合は分周する倍率を下げて、また送信タイミングを遅める場合は分周する倍率を上げるようになされている。
【0051】
送信シンボル生成部22は、この基準クロツク信号S16に基づいてベースバンド信号S2を生成すると共に、ベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を示すタイミング信号S13を生成して、共に送信フイルタ33に送出している。従つて例えば送信タイミングを早める場合、ベースバンド信号S2には送信タイミングを変更しない場合の時間幅に対して狭まつた時間幅の1シンボル単位が生じ、また送信タイミングを遅める場合、ベースバンド信号S2には送信タイミングを変更しない場合の時間幅に対して広がつた時間幅の1シンボル単位が生じる。
【0052】
送信フイルタ33は、送信シンボル生成部22から送出されたベースバンド信号S2及びタイミング信号S13を再標本化器34に供給する。再標本化器34は通常、ベースバンド信号S2の周波数に対するクロツク信号S1の周波数の比率に応じた倍率でベースバンド信号S2をオーバーサンプリングするようになされている。具体的にはベースバンド信号S2の周波数を暫定的に1.2375[MHz] であるとみなし、16倍オーバーサンプリングするようになされている。また再標本化器34は、タイミング信号S13で示されるベースバンド信号S2の1シンボル単位のクロツク信号S1に対する時間幅を検出し、この時間幅に応じてオーバーサンプリングの倍率を一時的に変更する。
【0053】
図5において示すように、再標本化器34はベースバンド信号S2をバツフア部25に入力して一時格納する。また再標本化器34はタイミング信号S13及びクロツク信号S1をタイミング検出部23に入力して、両者のタイミングずれを検出している。再標本化器34は送信タイミングが早まることによるマイナス方向のタイミングずれと、送信タイミングが遅まることによるプラス方向のタイミングずれとを各々別個に管理しており、バツフア部25に一時格納したベースバンド信号S2を検出したタイミングずれに応じた時間幅の1シンボル単位で送出する。
【0054】
すなわち再標本化器34は、まずベースバンド信号S2の各1シンボル単位毎について、クロツク信号S1に対する時間幅をタイミング検出部23によつて検出する。タイミング検出部23はクロツク信号S1及びタイミング信号S13のパルス波をそれぞれ常時検出しており、タイミング信号S13の各パルス波間毎にクロツク信号S1のパルス波が幾つ検出されたかを算出する。ここでタイミング信号S13の各パルス波がベースバンド信号S2の各1シンボル単位の境界部分を示しているため、タイミング検出部23はタイミング信号S13のパルス波を検出してから次にパルス波を検出するまでのクロツク信号S1のパルス波の検出数を算出することで、ベースバンド信号S2の各1シンボル単位毎のクロツク信号S1に対する時間幅を得ている。タイミング検出部23は、こうして得られた算出結果を間隔変更決定部26に通知する。
【0055】
間隔監視部24は、間隔変更決定部26並びにカウンタ27から何も指示がない場合、初期設定通り16倍のオーバーサンプリング倍率に応じた処理としてクロツク信号S1のパルスが16回入力される毎に1回、トリガ信号をバツフア部25に送出する。バツフア部25は入力されるベースバンド信号S2を一時格納するようになされており、トリガ信号の入力に応じてベースバンド信号S2をオーバーサンプリングの倍率に応じた時間幅でなる1シンボル単位で送出する。この場合、オーバーサンプリング倍率が16倍であるため、クロツク信号S1のパルスが16回入力される間隔を1シンボル単位の時間幅としてベースバンド信号S2を送出する。
【0056】
間隔変更決定部26はタイミング検出部23から通知される算出結果を受けて、各1シンボル単位毎にクロツク信号S1のパルス16個分の間隔であるか否かを判定する。ここでクロツク信号S1のパルス16個分の間隔であると判定した1シンボル単位に関して、間隔変更決定部26は何も行わない。
一方、クロツク信号S1のパルス16個分の間隔で無いと判定した場合、間隔変更決定部26はクロツク信号S1のパルス16個分の時間幅に対してベースバンド信号S2の1シンボル単位が幾つ分ずれを有しているかを算出し、算出結果をカウンタ27又は36に通知する。例えば送信タイミングを遅らせる必要が生じてクロツク信号S1のパルス波17個分の時間幅でなる1シンボル単位が入力された場合、基準となる時間幅「16」に対して検出された時間幅が「17」であるため、タイミングずれのずれ数は「+1」となる。また送信タイミングを早める必要が生じてクロツク信号S1のパルス波15個分の時間幅でなる1シンボル単位が入力された場合、基準となる時間幅「16」に対して検出された時間幅が「15」であるため、タイミングずれのずれ数は「−1」となる。
【0057】
間隔変更決定部26は、このような基準の時間幅と検出した時間幅との差分でなるタイミングずれ数をカウンタ27又は36に供給する。ここで間隔変更決定部26は得られた時間幅の差分でなるタイミングずれ数が正の値か負の値かによつて、タイミングずれ数を供給し分けている。例えばタイミングずれ数が正の値の場合、間隔変更決定部26は得られたタイミングずれ数をカウンタ27に供給する。またタイミングずれ数が負の値の場合、間隔変更決定部26はタイミングずれ数をカウンタ36に供給する。
【0058】
カウンタ27は間隔変更決定部26から正の値でなるタイミングずれ数をカウンタ値として保持している。カウンタ27は、このカウンタ値を間隔監視部24に通知すると共に、間隔監視部24からトリガ信号を1回送出したことを示す通知を受けるとカウンタ値を−1して更新する。また間隔変更決定部26から新たにタイミングずれ数の情報が与えられると、その時点で保持しているカウンタ値に新たなタイミングずれ分を加えて更新を行う。カウンタ27はカウンタ値を更新する度に、新たなカウンタ値を間隔監視部24に通知する。
【0059】
間隔監視部24はカウンタ27から通知されるカウンタ値に応じてオーバーサンプリングの倍率を変更するために、バツフア部25を制御してベースバンド信号S2の1シンボル単位毎の時間幅を調節する。具体的には以下に説明するような手順によつてなされる。
間隔監視部24にはカウンタ27から通知されるカウンタ値に応じた所定の時間間隔が設定記憶されており、カウンタ27からカウンタ値の通知を受けた際、当該カウンタ値に応じた時間間隔を選択する。間隔監視部24は、こうして選択した時間間隔と、前回ベースバンド信号S2を送出する時間幅の変更を行なつてから経過した時間とを照らし合わせて、十分な時間が経過しているか否かを判別する。間隔監視部24は十分な時間が経過している場合、クロツク信号S1のパルス波17個分の間隔でトリガ信号を送出する。これによりバツフア部25からは、クロツク信号S1のパルス波17個分の時間幅でなるベースバンド信号S2の1シンボル単位が送出される。また十分な時間が経過していない場合、間隔監視部24はカウンタ値に応じて選択された時間間隔が経過するまで待機し、経過後にクロツク信号S1のパルス波17個分の時間間隔でトリガ信号を送出する。なお間隔監視部24は、上述のようにカウンタ27からの通知によつて時間幅変更を行わない場合、クロツク信号S1のパルス波16個分の時間間隔でトリガ信号を送出する。
【0060】
一方、カウンタ36は間隔変更決定部26から与えられる負の値でなるタイミングずれ数をカウンタ値として保持している。カウンタ36は、このカウンタ値を間隔監視部37に通知すると共に、間隔監視部37からトリガ信号を1回送出したことを示す通知を受けるとカウンタ値を+1して更新する。また間隔変更決定部26から新たにタイミングずれ数の情報が与えられると、その時点で保持しているカウンタ値に新たなタイミングずれ分を加えて更新を行う。カウンタ36はカウンタ値を更新する度に、新たなカウンタ値を間隔監視部37に通知する。
【0061】
間隔監視部37はカウンタ36から通知される負の値でなるカウンタ値に応じて、所定の時間間隔毎にカウンタ27にトリガ信号を送出してカウンタ27が保持するカウンタ値を「−1」する。具体的には以下に説明するような手順によつてなされる。
間隔監視部37にはクロツク信号S1が供給されており、このクロツク信号S1を随時検出している。また間隔監視部37はカウンタ36から受けるカウンタ値に応じて設定する所定の時間間隔を予め記憶している。間隔監視部37はカウンタ値を受けた際に当該カウンタ値に応じた時間間隔を上述した所定の時間間隔から選択し、クロツク信号S1のパルス波の検出回数に基づいて前にトリガ信号を送出してから経過した時間が所定の時間間隔以上である場合、トリガ信号をカウンタ27に送出する。また所定の時間間隔以下である場合は、間隔監視部37は所定の時間が経過するまで待機し、経過を確認した時点でトリガ信号をカウンタ27に送出する。
カウンタ27は間隔監視部37からトリガ信号を受けると、内部に保持しているカウンタ値を1つ減らして更新する。この際、カウンタ27は保持したカウンタ値が負の値になつた場合、間隔監視部24に何も通知せずに待機状態となる。
【0062】
再標本化器34では、こうしてカウンタ27又は36でそれぞれ正の値又は負の値でなるタイミングずれ数をカウンタ値として管理しながら、この各カウンタ値をカウンタ27でプラス方向及びマイナス方向併せてのタイミングずれを示すカウンタ値とし、これに基づいて間隔監視部24から送出するトリガ信号によつてバツフア部25から送出するベースバンド信号S2の各1シンボル単位の時間幅を調節する。送出されたベースバンド信号S2はオーバーサンプリング部(図示せず)に供給されて、各々の時間幅でなる1シンボル単位に応じた倍率でオーバーサンプリング処理がなされる。かくして再標本化器34は入力されるベースバンド信号S2にクロツク信号S1に対するタイミングずれを検出した際に、一時的に1シンボル単位の時間幅を変更し、これを所定の時間間隔毎に分けて所定回数繰り返すことにより、タイミングずれを徐々に解消する。
【0063】
再標本化器34は、こうしたプラス方向及びマイナス方向へのタイミングずれの補正処理を、以下に説明する制御手順で行う。
図6に示すように、再標本化器34はステツプSP1で手順を開始する。手順開始後、まず再標本化器24はステツプSP2で、タイミング信号S13のパルス波を入力待ちする。パルス波の入力を検出した場合、再標本化器24は当該パルス波から次のパルス波を検出するまでのクロツク信号S1の入力回数を検出する。これによりクロツク信号S1に対するベースバンド信号S2の1シンボル単位毎の時間幅が得られる。
【0064】
再標本化器34は、ステツプSP3で、検出したクロツク信号S1の入力回数と基準入力回数である16回とからベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を算出し、この時間幅に基づいて送信タイミングにタイミングずれが生じたか否かを判別する。具体的には基準入力回数である16回から検出したクロツク信号S1の入力回数を減算して、得られた値が0以上であるか又は0以下であるかを判別する。ここで得られた値が0である場合、再標本化器34は送信タイミングにタイミングずれが生じていないものとして、ステツプSP2に戻つて処理手順を続行する。なお、この間、間隔監視部24は通常通り(例えば16)の間隔でトリガ信号を送出している。また得られた値が0より大きい場合、再標本化器34は送信タイミングに正方向のタイミングずれが生じたものとして、ステツプSP4に手順を進める。一方、得られた値が0より小さい場合、再標本化器34は送信タイミングに負方向のタイミングずれが生じたものとして、ステツプSP5に手順を進める。なおステツプSP2及びSP3はタイミング検出部23及び間隔変更決定部26で独立して実行されるようになされており、他の各部の動作状態に左右されない。また他の各部は、この間、タイミング検出部23及び間隔変更決定部26の処理にかかわらず、各々独自に処理を行つている。
【0065】
送信タイミングに負方向のタイミングずれが生じた場合、再標本化器34はステツプSP5で、カウンタ36の保持するカウンタ値CO2 を、ステツプSP3で得られた値分減らしてカウンタ値CO2 を更新する。この後、再標本化器34はステツプSP6で、間隔監視部37がカウンタ36の保持するカウンタ値に応じて設定する時間間隔分、以前マイナス方向にタイミングをずらしてから経過しているか否かを判別する。経過していなければステツプSP7で、再標本化器34は設定時間が経過するまで間隔監視部37を待機状態とし、時間経過後にステツプSP8に進む。また再標本化器34は設定時間が経過していればステツプSP8にジヤンプして、カウンタ36の保持するカウンタ値CO2 に「+1」して更新する。それと共に再標本化器34は、ステツプSP9で、間隔監視部37からカウンタ27にトリガ信号を送出し、カウンタ27はトリガ信号の入力に応じて保持しているカウンタ値CO1 を「−1」して更新する。この後、手順はステツプSP10に進む。なおステツプSP5〜SP8はカウンタ36及び間隔監視部37で独立して実行されるようになされており、他の各部の動作状態に左右されない。また、他の各部は、この間カウンタ36及び間隔監視部37での処理にかかわらず、各々独自に処理を行つている。
【0066】
一方、送信タイミングに正方向のタイミングずれが生じた場合、再標本化器34はステツプSP4で、カウンタ27の保持するカウンタ値CO1 を、ステツプSP3で得られた値分加算して更新する。この後、再標本化器34はステツプSP10に手順を進める。
送信タイミングに正方向のタイミングずれが生じてカウンタ値CO1 を加算して更新した(SP4)場合、及び送信タイミングに負方向のタイミングずれが生じてカウンタ値CO2 の更新及びトリガ信号の送出(SP5〜SP8)により、カウンタ値CO1 を減算して更新した(SP9)場合、再標本化器34はステツプSP10で、カウンタ値CO1 が正の値であるか否かを判別する。カウンタ値CO1 が正の値である場合、再標本化器34は手順を進める。またカウンタ値CO1 が負の値である場合、再標本化器34はカウンタ値CO1 が正の値になるまでカウンタ27を待機状態とする。
【0067】
カウンタ値CO1 が正の値である場合、再標本化器34はステツプSP11で、間隔監視部24がカウンタ27の保持するカウンタ値に応じて設定する時間間隔分、以前にトリガ信号を送出してから経過しているか否かを判別する。経過していなければステツプSP12で、再標本化器34は設定時間が経過するまで間隔監視部24を待機状態とし、時間経過後にステツプSP13に進む。また再標本化器34は設定時間が経過していればステツプSP13にジヤンプして、カウンタ24の保持するカウンタ値CO2 を「−1」して更新する。それと共に再標本化器34は、ステツプSP14で、間隔監視部24からバツフア部25にクロツク信号S1で1パルス分遅らせたタイミング(S1のパルス波17個分の時間幅)でトリガ信号を送出する。バツフア部25はトリガ信号の入力に応じて、一時格納しているベースバンド信号S2の1シンボル単位を、クロツク信号S1のパルス波17個分の時間幅で送出する。この後、送出されたベースバンド信号S2を入力したオーバーサンプリング部(図示せず)は、ステツプSP15で、各1シンボル単位の時間幅に応じた倍率、すなわち16倍又は17倍でオーバーサンプリング処理を行う。再標本化器34は、ステツプSP16で、1回分のオーバーサンプリングの倍率を変更する処理手順を終了する。
なおステツプSP4及びステツプSP10〜SP14はカウンタ27及び間隔監視部24で独立して実行されるようになされており、他の各部の動作状態に左右されない。また他の各部は、この間、カウンタ27及び間隔監視部24での処理にかかわらず、各々独自に処理を行つている。したがつて、1回分のオーバーサンプリングの倍率の変更によつて、すべての処理が終了したことにはならない。
【0068】
再標本化器34は、上述したタイミングずれの補正処理によつてプラス方向及びマイナス方向へのタイミングずれを共に解消し、受信信号S6(図4)のタイミングに応じて送信タイミングを変更する場合のタイミングずれ、及びクロツク信号S1の周波数とベースバンド信号S2の周波数とが非同期であることに起因してベースバンド信号S2に生じるジツタ成分によるタイミングずれを共に低減するようになされている。
すなわち図7(A)の上段に示すように、再標本化器34は通常時、すなわちクロツク信号S1に対してベースバンド信号S2の各1シンボルタイミングがタイミングずれを生じていない場合、各1シンボル単位をクロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅で送出する。再標本化器34は受信信号S6(図4)のタイミングに応じた決定によつて送信タイミングを遅らせる必要が生じた場合、またベースバンド信号S2とクロツク信号S1とが非同期であることに起因して生じるタイミング遅れが発生した場合、図7(A)の下段に示すように、クロツク信号S1のパルス波16個分とするベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を一時的にパルス波17個分の時間幅で送出し、送信タイミングを遅らせるようにしている。
【0069】
また図7(B)の上段に示すように、クロツク信号S1とベースバンド信号S2とが非同期であることに起因して生じるジツタ成分によつてタイミングずれが発生した場合、再標本化器34はクロツク信号S1のパルス波16個分とするベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を一時的にパルス波17個分の時間幅で送出し、送信タイミングを遅らせる。また再標本化器34は受信信号S6のタイミングに応じた決定によつて送信タイミングを早める必要が生じた場合、図7(B)の下段に示すように、これを所定間隔毎に遅れる方向で上述した周波数の非同期に起因して発生するタイミングずれと相殺して、ベースバンド信号S2を通常時のまま、クロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅で送出する。
【0070】
以上の構成において、無線通信端末装置30は復調器31によりデイジタル信号S7の(すなわち受信信号S6の)タイミングを検出し、これに応じて復調器31から供給する情報信号S14により時間管理部35を制御してベースバンド信号S2を生成するための基準クロツクとなる基準クロツク信号S16の周波数を変更している。これにより無線通信端末装置30はベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を一時的に変更して、送信信号S5の送信タイミングを変更している。
【0071】
ところでベースバンド信号S2には、このように一時的に1シンボル単位の時間幅を変更した場合にジツタ成分が含まれることになる。無線通信端末装置30は再標本化器34によつて送信タイミングの変更を補正処理することによつて、このジツタ成分を抑制するようになされている。
すなわちベースバンド信号S2は再標本化器34に入力され、タイミング検出部23により1シンボル単位毎にクロツク信号S1のパルス波何個分の時間幅であるかが検出される。この検出結果は間隔変更決定部26に通知され、クロツク信号S1に対するベースバンド信号S2のタイミングずれ数が算出される。送信タイミングを遅らせる場合に算出結果は正の値で得られ、この算出結果がカウンタ値としてカウンタ27に保持される。このカウンタ値は間隔監視部24に通知され、間隔監視部24はカウンタ値に応じた時間間隔毎に1回、通常クロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅で、一時格納したバツフア部25から送出しているベースバンド信号S2を17個分の時間幅で送出させる。またこのような時間幅変更を1回行う毎に間隔監視部24はカウンタ27に通知を行い、カウンタ部27は保持したカウンタ値を1つ減らす。
【0072】
受信信号S6に応じて変更する送信タイミングが大きくタイミングを変更するような場合、すなわちクロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅で送出しているベースバンド信号S2の1シンボル単位を、20個分の時間幅に一時変更する場合、このような時間幅の変更をそのまま行つて送信信号S5を送出すると、タイミングの変更速度が基地局側の追従速度を逸脱してしまうために、送信信号S5の相手側への確実な伝送が維持できなくなる場合がある。
【0073】
無線通信端末装置30は、遅らせる方向に送信タイミングを一時変更する際に、通常クロツク信号S1のパルス波16個分の時間幅で送出しているベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を17個分の時間幅に一時変更して送出することにより、タイミング変更に伴つてベースバンド信号S2に含まれるジツタ成分を抑制して送信信号S5に発生するスペクトルの歪みを低減することができると共に、基地局側の追従速度を逸脱することの無いように所定時間間隔毎に徐々に時間幅の変更を行うことにより、相手側への確実な信号伝送を維持することができる。さらに送信タイミングの大幅な変更に伴うジツタ成分の発生を考慮すること無く送信シンボル生成部22により1シンボル単位の時間幅を変更することができる。
【0074】
また無線通信端末装置30は、発振器1で生成するクロツク信号S1とベースバンド信号S2とが非同期であることに起因してベースバンド信号S2に含まれるジツタ成分を、再標本化器34により送信タイミングの変更を補正処理することによつて低減するようになされている。
すなわち送信タイミングを早める場合、間隔変更決定部26で得られる算出結果は負の値となり、この算出結果がカウンタ値としてカウンタ36に保持される。このカウンタ値は間隔監視部37に通知され、間隔監視部37はカウンタ値に応じた時間間隔毎に1回、カウンタ27にトリガ信号を送出してカウンタ27に保持されたカウンタ値を1減算させる。カウンタ27はタイミングを遅らせる方向にタイミング変更するための正の値でなるカウンタ値と、このようにカウンタ36で管理され間隔監視部37から通知されるタイミングを早める方向にタイミング変更するためのカウンタ値とを併せて、その時点での全体的なタイミング変更量に応じてベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を変更するようにしている。
【0075】
またカウンタ27は全体的なタイミング変更量を示すカウンタ値がマイナスになつた場合、すなわち早める方向にタイミング変更が必要な場合、送出するベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅に対して変更を加えない。
すなわちクロツク信号S1とベースバンド信号S2とが非同期であることに起因して生じるジツタ成分は、上述したようにCDMA方式で規定されている1.2288[MHz] でベースバンド信号S2を生成するために、無線通信端末装置30がクロツク周波数変換器32(図4)によりクロツク信号S1から所定間隔毎にパルス波を抜き取る処理により19.8[MHz] であるクロツク信号S1を19.6608[MHz]に周波数変換することで生じる。このためベースバンド信号S2はクロツク信号S1を16分周した周波数1.2375[MHz] に比してタイミング的に遅れた信号となつている。従つて送信タイミングの変更を行わない場合でも、クロツク信号S1からパルス波を抜き取つた所定間隔毎に遅れる方向でタイミングずれが発生することは自明となつている。
【0076】
このためカウンタ27は全体的なタイミング変更量を示すカウンタ値がマイナスになつた場合、クロツク信号S1からパルス波を抜き取つた所定間隔毎に遅れる方向で発生するタイミングずれを待ち、当該遅れる方向に発生するタイミングずれとカウンタ値として保持している早める方向のタイミングずれとを相殺することにより、早める方向にタイミング変更が必要な場合にベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を変更する処理を不要とすることができる。
これにより無線通信端末装置30は、再標本化器34によるベースバンド信号S2のオーバーサンプリング倍率を16倍又は17倍のみとすることができ、受信信号S6のタイミングに応じて送信タイミングの変更が必要な場合及び必要で無い場合の双方共に、ジツタ成分により送信信号S5に生じるスペクトルの歪みを低減することができる。
【0077】
さらに無線通信端末装置30は、基準信号として用いるクロツク信号S1を19.8[MHz] としている。ここでクロツク信号S1に要求される条件について第1〜第4までを説明する。
まず第1に無線通信端末装置で用いられる発振器1は一般に電圧制御水晶発振器であり、特に10数[MHz] 〜20数[MHz] のものが入手が容易である。したがつてクロツク信号を10数[MHz] 〜20数[MHz] とすることが望ましい。第2に無線通信端末装置では、1.2288[MHz] のベースバンド信号を送信側及び受信側で、8倍又は4倍にオーバーサンプリングすることから、最低でも1.2288[MHz] の8倍の周波数でなるクロツク信号が必要である。第3にANSI規格のJ−STD−008 によつて、CDMA(Code Division Multiple Access )チヤネルのチヤネル間隔が50[kHz] であることが定められているため、チユーニング用のクロツク信号として50[kHz] の整数倍でなる周波数の信号が必要である。第4にANSI規格のJ−STD−008 はアナログ通信システムにも対応し得るように考慮されている。ここでアナログ通信システムの代表的な一形態であるAMPS(Advanced Mobile Phone System)ではチヤネル間隔が30[kHz] である。したがつてチユーニング用のクロツク信号の周波数は30[kHz] の整数倍であることが望ましい。
【0078】
しかし以上の条件を全て満たすことは困難であるため、何方かの条件を削ることとし、ここでは第2の条件である1.2288[MHz] の8倍の周波数であることを条件から外す。但し、上述の構成及び方法によつてベースバンド信号S2の整数倍の周波数に近似した周波数のクロツク信号S1を用いて、ベースバンド信号S2の整数倍の周波数でなる基準クロツク信号S15を擬似的に生成することができるようになされているため、大きな問題とはならない。
すなわち第2の条件によるベースバンド信号S2の整数倍の周波数で、かつ第1の条件を満たすとすると、19.6608[MHz]の周波数でなる信号となるが、この周波数では第3の条件を満たすことが出来ない。このため、19.6608[MHz]の周波数に近似した周波数でかつ第3及び第4の条件を満たすものとして、19.8[MHz] の周波数でなる信号が発振器1で生成するクロツク信号S1として適当であることがわかる。無線通信端末装置30では、このようにベースバンド信号S2と非同期な周波数に起因して発生するジツタ成分を再標本化器34で低減し得るようになされているため、基準信号として生成するクロツク信号をクロツク信号S1のみとして構成を簡易にすることができる。
【0079】
以上の構成によれば、受信信号S6から検出するタイミングに応じて遅らせる方向に送信タイミングを一時変更する際に、ベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅をクロツク信号S1のパルス波17個分の時間幅に一時変更して送出することにより、タイミング変更に伴つてベースバンド信号S2に含まれるジツタ成分を抑制して送信信号S5に発生するスペクトルの歪みを低減することができると共に、基地局側の追従速度を逸脱することの無いように所定時間間隔毎に徐々に時間幅の変更を行うことにより、相手側への確実な信号伝送を維持することができる。
【0080】
また全体的なタイミング変更量がマイナスになつた場合、クロツク信号S1からパルス波を抜き取つた所定間隔毎に遅れる方向で発生するタイミングずれを待ち、当該遅れる方向に発生するタイミングずれとカウンタ値として保持している早める方向に必要なタイミングずれとを相殺することにより、早める方向にタイミング変更が必要な場合にベースバンド信号S2の1シンボル単位の時間幅を変更する処理を不要にし得るため、ベースバンド信号S2のオーバーサンプリング倍率を16倍又は17倍のみとすることができ、受信信号S6のタイミングに応じて送信タイミングの変更が必要な場合及び必要で無い場合の双方共に、ジツタ成分により送信信号S5に生じるスペクトルの歪みを低減することができ、さらにこのように周波数が非同期であることに起因して発生するジツタ成分を低減し得るようにしたことによつて生成するクロツク信号をクロツク信号S1のみとして構成を簡易にすることができる。
【0081】
かくするにつき、簡易な構成で、受信信号S6のタイミングに応じて送信タイミングの変更が必要な場合及び必要で無い場合の双方共にジツタ成分により送信信号S5に生じるスペクトルの歪みを低減することができ、また相手側への確実な信号伝送を維持し得る無線通信端末装置30を実現することができる。
【0082】
(3)他の実施例
なお上述の第1実施例においては、クロツク信号S1と同期したベースバンド信号S2を送信シンボル生成部22で生成し、これを送信フイルタ20でオーバーサンプリング処理及びフイルタリング処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばクロツク信号と同期した周波数の近傍の周波数であるならば、クロツク信号と非同期な周波数でなるベースバンド信号を生成してもよい。この場合も非同期な周波数により生じるジツタ成分を送信フイルタによる送信タイミングの調整によつて低減することができ、実施例と同様の効果を得ることができる。
【0083】
また上述の第1実施例においては、送信フイルタ20による16倍オーバーサンプリングにより得られたパルス信号S3をクロツク信号S1の周波数に基づいて演算処理することでフイルタリング処理し、そのままの周波数で出力するデイジタルフイルタ5を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば16倍オーバーサンプリングの倍率に応じた周波数のクロツク信号を4分周してデイジタルフイルタに入力し、これに基づくタイミング時に限り演算処理することでフイルタリング処理とし、4倍オーバーサンプリングにより得られた信号と同等の周波数でなる量子化信号として出力するようにしてもよい。これにより再標本化器のオーバーサンプリング倍率に係わらずに任意のオーバーサンプリング倍率で生成した信号として出力することができる。なお、この場合も実施例と同様の効果が得られる。
【0084】
また上述の第2実施例においては、発振器1で生成したクロツク信号S1を送信フイルタ33に直接入力する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばクロツク信号を所定の倍率に分周した後に入力するようにしてもよい。
【0085】
さらに上述の第2実施例においては、クロツク周波数変換器32で生成する19.6608[MHz]の周波数でなる基準クロツク信号S15をA/Dコンバータ11、復調器31、受信シンボル処理部13及び時間管理部34に直接供給する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば基準クロツク信号を所定の倍率に分周した後に各部に供給するようにしてもよい。
【0086】
また上述の第2実施例においては、発振器1で19.8[MHz] でなるクロツク信号S1を生成し、これをクロツク周波数変換器32によつてベースバンド信号S2に同期した19.6608[MHz]の周波数に変換して基準クロツク信号S15を生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば発振器1で19.6608[MHz]の周波数でなるクロツク信号を生成するようにしてもよい。この場合、クロツク信号をベースバンド信号と同期した周波数に変換する必要が無くなるため、クロツク周波数変換器32を設けること無く、構成を簡易にし得る。なお、この場合は第1実施例と同様の効果が変わらず得られる。
【0087】
また上述の第1及び第2実施例においては、再標本化器21又は34によつてベースバンド信号S2を16倍オーバーサンプリングする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば4倍オーバーサンプリングするようにしてもよい。すなわち本発明の効果はオーバーサンプリングする倍率に係わらず、得ることができる。
【0088】
また上述の第2実施例においては、カウンタ27でベースバンド信号S2のクロツク信号S1に対するタイミングずれ数をカウンタ値として管理すると共に、間隔監視部24によつてバツフア部25から送出する1シンボル単位毎の時間幅を変更した際に、間隔監視部24からカウンタ27に通知してカウンタ27が保持するカウンタ値を更新する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば再標本化器34の図示しない後段に設けられているオーバーサンプリング部にも同様に当該通知信号を供給してタイミング変更処理が実行されたことを通知し、この場合にオーバーサンプリング部によつてサンプリング倍率を変更するようにしてもよい。すなわち当該通知信号をオーバーサンプリング部によるサンプリング倍率を変更するためのトリガ信号として用いてもよい。
【0089】
また上述の第1及び第2実施例においては、入力されるベースバンド信号S2を随時格納するバツフア部25の場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば1シンボル単位毎に格納して送出するようなバツフア部を設けても良く、また複数のシンボル単位を格納するFIFOバツフアを設けてもよい。
【0090】
さらに上述の第1及び第2の実施例においては、予めタイミングずれ量に応じた時間間隔を記憶してあるカウンタ27及び36を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば一律な時間間隔を設定してもよい。すなわち無線通信端末装置の特性に応じて設定するならば、当該時間間隔をどのように設定してもよい。
【0091】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、送信対象であるデータ信号における実際の1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と、当該タイミング信号の理論値に対して1/nの周期を有するパルス波でなる基準信号とを比較し、当該タイミング信号の各パルス間に検出された当該基準信号のパルス数と上記nとの差分に基づいて当該基準信号に対する当該データ信号のタイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、基準信号を基に生成されデータ信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、データ信号を格納して保持すると共に、格納したデータ信号をトリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、送出されたデータ信号をトリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段とを設け、トリガ間隔調節手段は、タイミングずれ量の算出結果を受け、当該タイミングずれ量が1クロツクタイミング以上であった場合、トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を所定時間間隔毎に繰り返すことによりタイミングずれ量を1クロツクタイミングづつ解消する。これにより、基準信号に対してデータ信号を送信する際の1シンボル毎の送出タイミングにタイミングずれが生じた場合、タイミングずれ量に応じて1クロツクタイミングづつデータ信号の送出タイミングを狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を繰り返して送出タイミングを徐々に補正することができるので、タイミングずれによりデータ信号に含まれるジツタ成分を時間方向に分散させることができ、かくするにつき、確実な信号伝送を維持しながら、ジツタ成分に起因するスペクトルの歪みを容易に低減し得る。
【0092】
また本発明によれば、所定周期のパルス波でなる第1の基準信号を生成して送出する信号生成手段と、受信信号を元の情報信号に復調すると共に当該受信信号に含まれる受信タイミング信号を検出し、当該受信タイミング信号と第1の基準信号との比較結果に基づいて制御信号を送出する信号復調手段と、第1の基準信号及び制御信号の入力を受け、当該第1の基準信号を分周して第2の基準信号を生成するときの分周比を当該制御信号に応じて変更するタイミング管理手段と、第2の基準信号に基づいてベースバンド信号を生成する送信シンボル生成手段と、ベースバンド信号における1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と第 1 の基準信号とを比較し、当該タイミング信号が当該第1の基準信号に対して1クロツクタイミング以上でなるタイミングずれを有していることを検出した場合に、当該タイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、第1の基準信号を基に生成されベースバンド信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、ベースバンド信号を格納して保持すると共に、格納したベースバンド信号をトリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、送出されたベースバンド信号をトリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段とを設け、トリガ間隔調節手段は、タイミングずれ量を算出した結果、第1の基準信号に対してタイミング信号が進んでいた場合、トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分広げるトリガ間隔変更処理を第1の時間間隔毎に繰り返してタイミングずれ量を1クロツクタイミングづつ解消する。これにより、第1の基準信号に対してタイミング信号が進んでいた場合、タイミングずれ量に応じて1クロツクタイミングづつデータ信号の送出タイミングを狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を繰り返して送出タイミングを徐々に補正することができるので、タイミングずれによりデータ信号に含まれるジツタ成分を時間方向に分散させることができ、かくするにつき簡易な構成で、確実な信号伝送を維持しながら、ジツタ成分に起因するスペクトルの歪みをより容易に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による送信フイルタ及び周辺構成を示すブロツク図である。
【図2】第1実施例による送信タイミングの調整手順を説明するために供するタイムチヤートである。
【図3】第1実施例による再標本化器の内部構成を示すブロツク図である。
【図4】本発明の第2実施例による無線通信端末装置の構成を示すブロツク図である。
【図5】第2実施例による再標本化器の内部構成を示すブロツク図である。
【図6】第2実施例による送信タイミングの制御手順を示すフローチヤートである。
【図7】第2実施例による送信タイミングの調整手順を説明するために供するタイムチヤートである。
【図8】従来の送信フイルタ及び周辺構成を示すブロツク図である。
【図9】送信フイルタによる信号処理の説明に供する略線図である。
【図10】CDMA方式による無線通信端末装置の構成を示すブロツク図である。
【図11】復調器の内部構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1……発振器、2、20、33……送信フイルタ、3、22……送信シンボル生成部、4、21、34……再標本化器、5……デイジタルフイルタ、6……D/Aコンバータ、10、30……無線通信端末装置、11……A/Dコンバータ、12、31……復調器、13……受信シンボル処理部、14……送信用クロツク生成部、15、16、17……復調部、18……同期捕捉/追跡回路、19……信号合成部、23……タイミング検出部、24、37……間隔監視部、25……バツフア部、26……間隔変更決定部、27、36……カウンタ、32……クロツク周波数変換器、35……時間管理部。
Claims (6)
- 送信対象であるデータ信号における実際の1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と、当該タイミング信号の理論値に対して1/n(ただしn>1)の周期を有するパルス波でなる基準信号とを比較し、当該タイミング信号の各パルス間に検出された当該基準信号のパルス数と上記nとの差分に基づいて当該基準信号に対する当該データ信号のタイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、
上記基準信号を基に生成され上記データ信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、上記タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、
上記データ信号を格納して保持すると共に、格納した上記データ信号を上記トリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、
送出された上記データ信号を上記トリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段と
を具え、
上記トリガ間隔調節手段は、
上記タイミングずれ量の算出結果を受け、当該タイミングずれ量が1クロツクタイミング以上であった場合、上記トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分狭め又は広げるトリガ間隔変更処理を所定時間間隔毎に繰り返すことにより上記タイミングずれ量を1クロツクタイミングづつ解消する
ことを特徴とするフイルタ装置。 - 上記トリガ間隔調節手段は、
上記タイミングずれ量に応じて、上記送出タイミングを補正するか否かを決定する時間幅変更決定手段と、
上記送出タイミングを補正することを決定した場合に、上記タイミングずれ量をカウンタ値として保持するカウント手段と、
上記カウンタ値に応じて上記時間間隔を設定し、上記トリガ間隔変更処理を当該時間間隔毎に繰り返して上記送出タイミングを補正すると共に、当該トリガ間隔変更処理を実行する毎に上記カウンタ値を1つ減らす時間幅変更手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載のフイルタ装置。 - 所定周期のパルス波でなる第1の基準信号を生成して送出する信号生成手段と、
受信信号を元の情報信号に復調すると共に当該受信信号に含まれる受信タイミング信号を検出し、当該受信タイミング信号と上記第1の基準信号との比較結果に基づいて制御信号を送出する信号復調手段と、
上記第1の基準信号及び上記制御信号の入力を受け、当該第1の基準信号を分周して第2の基準信号を生成するときの分周比を当該制御信号に応じて変更するタイミング管理手段と、
上記第2の基準信号に基づいてベースバンド信号を生成する送信シンボル生成手段と、
上記ベースバンド信号における1シンボル単位の境界を示すパルス波でなるタイミング信号と上記第 1 の基準信号とを比較し、当該タイミング信号が当該第1の基準信号に対して1クロツクタイミング以上でなるタイミングずれを有していることを検出した場合に、当該タイミングずれ量を算出するタイミング差分算出手段と、
上記第1の基準信号を基に生成され上記ベースバンド信号を送出する際の1シンボル毎の送出タイミングを示すトリガ信号の間隔を、上記タイミングずれ量に基づいて調節するトリガ間隔調節手段と、
上記ベースバンド信号を格納して保持すると共に、格納した上記ベースバンド信号を上記トリガ信号に基づいた送出タイミングで送出するデータ格納手段と、
送出された上記ベースバンド信号を上記トリガ信号の間隔に基づく倍率で再標本化する再標本化手段と
を具え、
上記トリガ間隔調節手段は、
上記タイミングずれ量を算出した結果、上記第1の基準信号に対して上記タイミング信号が進んでいた場合、上記トリガ信号の間隔を一時的に1クロツクタイミング分広げるトリガ間隔変更処理を第1の時間間隔毎に繰り返すことにより上記タイミングずれ量を上記1クロツクタイミングづつ解消する
ことを特徴とする無線通信端末装置。 - 上記第1の基準信号から所定間隔毎に上記パルス波を抜き取ることにより上記第1の基準信号と非同期でなる第3の基準信号を生成するクロツク周波数変換手段
を具え、
上記信号復調手段は、
上記第1の基準信号に代えて上記第3の基準信号と上記受信タイミング信号との比較結果に基づいて上記制御信号を送出し、
上記タイミング管理手段は、
上記第1の基準信号に代えて上記第3の基準信号を分周することにより上記第2の基準信号を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末装置。 - 上記トリガ間隔調節手段は、
上記タイミングずれ量の算出結果を受け、上記第1の基準信号に対して上記タイミング信号が進んでいた場合又は遅れていた場合に、上記ベースバンド信号の上記送出タイミングを補正するか否かを決定する補正決定手段と、
上記第1の基準信号に対して上記タイミング信号が進んでいた場合の上記タイミングずれ量を第1のカウンタ値として保持する第1のカウント手段と、
上記第1の基準信号に対して上記タイミング信号が遅れていた場合の上記タイミングずれ量を第2のカウンタ値として保持する第2のカウント手段と、
上記第2のカウンタ値に応じて第2の時間間隔を設定し、当該第2の時間間隔毎に当該第2のカウンタ値に基づいて上記第1及び第2のカウンタ値をそれぞれ1つ減らすカウンタ値変更手段と、
上記第1のカウンタ値に応じて上記第1の時間間隔を設定し、上記トリガ間隔変更処理を当該第1の時間間隔毎に繰り返して上記タイミングずれ量を上記1クロツクタイミングづつ縮めることにより上記送出タイミングを補正すると共に、当該トリガ間隔変更処理を実行する毎に上記第1のカウンタ値を1つ減らす時間幅変更手段と
を具えることを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末装置。 - 上記第1の基準信号は、
19.8[MHz] の周波数でなる
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信端末装置。
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