JP3849433B2 - 表示装置および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回路、表示パネル、表示装置、および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
マトリクス型の表示パネルは、マトリクス状に配列された画素電極の各々にスイッチング素子が設けられるとともに各スイッチング素子の一端が接続された複数のデータ線が設けられた素子基板と、走査線やカラーフィルタなどが形成された対向基板と、両基板の間に充填された液晶とを備えている。このような構成において、スイッチング素子として薄膜ダイオード(TFD:Thin Film Diode)などの2端子型非線形素子を用いたものがある。
【0003】
この表示パネルの各データ線に、表示階調に応じてパルス幅変調されたデータ線信号を供給する一方、各走査線にそれらを順次選択する走査線信号を供給すると、各画素のスイッチング素子が表示階調に応じた期間だけオン状態となり、液晶に電圧が印加される。これにより、所望の階調表示が得られることになる。
【0004】
データ線駆動回路は、画像データに基づいて上述したデータ線信号を生成するが、このデータ線駆動回路の前段に書き込みと読み出しを同時に行うことができるVRAMを設けることがある。このVRAMはバッファとして機能し、一画面分の画像データを記憶するようになっている。VRAMからの画像データの読み出しは、表示パネルに設けられた制御回路によって制御される一方、外部装置はVRAMに対して画像データを書き込む。
【0005】
静止画を表示する場合には、VRAMに記憶された画像データを繰り返し読み出せばよいので、画像データの生成処理を簡略化できる。これにより、システム全体の消費電力を削減することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特定用途の電子機器にあっては、静止画を表示する領域と、動画と静止画を表示する領域が分かれているものがある。例えば、携帯電話機では、画面の下部分に電源のオン・オフ、電池の状態、圏内・圏外等を示すアイコを表示する一方、他の部分にインターネット経由で受信した動画や電子メールのテキストを表示するものがある。
【0007】
このように予め静止画のみが表示される領域と、静止画と動画が表示される領域とが分かれている場合に一画面全体をVRAMに記憶するとすれば、後者の領域については、頻繁にVRAMの内容を書き換える必要があるので、却って消費電力が増大していまうといった問題がある。くわえて、VRAMの記憶容量が大きくなり、コストの上昇を招来するといった問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少ない記憶容量で消費電力を削減するのに好適な駆動回路、表示装置、および、電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係わる表示装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素を備え、第1表示領域と第2表示領域と有する表示装置であって、前記複数の走査線を順次選択する走査線駆動部と、前記第2表示領域に対応する第2画像データを記憶する記憶部と、外部から供給される入力画像データが、前記第1表示領域に対応する第1画像データと前記第2画像データとで構成される場合には、前記第2画像データを記憶部に書き込む一方、前記入力画像データが前記第1画像データのみで構成される場合には、前記記憶部から前記第2画像データを読み出す制御部と、前記入力画像データが前記第1画像データと前記第2画像データとで構成される場合には、前記入力画像データを選択し、前記入力画像データが前記第1画像データのみで構成される場合には、前記第1画像データと前記記憶部から読み出した前記第2画像データとを選択して出力画像データを生成する第1選択部と、前記出力画像データが前記入力画像データである場合には、外部から供給される前記第1表示領域の走査線を駆動する第1クロック信号及び前記第1表示領域のデータ線を駆動する第2クロック信号を選択する一方、前記出力画像データが前記記憶部から読み出した前記第2画像データである場合には、内部で生成した前記第2表示領域の走査線を駆動する第3クロック信号及び前記第2表示領域のデータ線を駆動する第4クロック信号を選択する第2選択部と、前記出力画像データに基づいて、前記各データ線を駆動するためのデータ信号を生成するとともに前記走査線が選択された際に前記複数のデータ線に前記データ信号を供給するデータ線駆動部と、を備え、前記第2選択部は、前記出力画像に前記第2画像データが含まれる場合、第1画像データに対して前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号を選択するとともに前記第2画像データに対して前記第3クロック信号及び前記第4クロック信号を選択し、1フレーム期間の途中で前記選択が切り替えられることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、第1表示領域の第1画像データを記憶しないので、記憶部の記憶容量を削減することができ、また、書き込みや読み出しに要する電力を削減することが可能となる。
【0011】
ここで、前記第2表示領域は、静止画を表示するためのものであることが好ましい。第2表示領域の第2画像データについては記憶部に記憶されることになるので、記憶部から繰り返し同一データを読み出すことになる。これにより、消費電力を削減することが可能となる。
【0012】
次に、本発明に係わる表示パネルは、上述した駆動回路と、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素とを備える。この発明によれば、表示パネルに駆動回路を備えるので、小型化が容易になる。くわえて、表示パネルの消費電力を削減することができる。
【0013】
ここで、前記制御部は、マスタークロック信号を生成する発振部と、前記マスタークロック信号を分周して得たクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部に対して読み書きするものであってもよい。この発明は、外部からクロック信号の供給を受けることなく表示パネルの内部で処理を完結させるものである。
【0014】
また、前記制御部は、外部から供給されるクロック信号に基づいて、前記第2画像データを読み書きするものであってもよい。この発明は、外部に同期して読み出し処理および書き込み処理を行うものである。
【0015】
さらに、前記制御部は、マスタークロック信号を生成する発振部を備え、前記マスタークロック信号を分周して得た読み出しクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部から読み出す一方、外部から供給される書き込みクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部に書き込むものであってもよい。この発明は書き込みは外部に同期する一方、読み出しは内部に同期させるものである。つまり、この発明によれば、書き込みと読み出しを非同期で実行することが可能である。
【0016】
くわえて、前記制御部は、前記入力画像データのうち前記第2画像データの供給が中断されることを示し、かつ、外部から供給される外部処理終了信号がアクティブになると、前記記憶部から前記第2画像データの読み出しを開始し、前記第2画像データの読み出しが終了すると、処理が終了したことを示し、かつ外部に出力する内部処理終了信号をアクティブにすることが好ましい。読み出しと書き込みを非同期で行う場合にあっては、外部と内部のどちらが主導で処理を実行するかが問題となるが、この発明によれば、処理が終了したことを互いに相手方に知らせることができる。
【0018】
次に、本発明の表示装置は、上述した表示パネルと、前記入力画像データを生成する画像信号処理回路とを備える。ここで、前記画像信号処理回路は、直前と現在のフレーム間で前記第2表示領域に表示する画像が変化した場合には、前記第1画像データと前記第2画像データとで構成される前記入力画像データを生成する一方、直前と現在のフレーム間で前記第2表示領域に表示する画像が変化しなかった場合には、前記第2画像データのみで構成される前記入力画像データを生成することが好ましい。この発明によれば、第2表示領域の画像が変化した場合にのみ第2画像データを生成するので、画像信号処理回路の消費電力を削減することができる。
【0019】
次に、本発明に係る電子機器は、上述した表示装置を備えるものであって、例えば、携帯電話、携帯端末、ディジタルスチルカメラの他にも、液晶テレビや、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが該当する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1:表示装置の全体構成>
はじめに、本発明の第1実施形態に係る表示装置の電気的構成について説明する。図1は、この表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。この図に示すように表示装置は、液晶パネル100、画像信号処理回路700、および電源回路800を備える。
【0021】
このうち、液晶パネル100の表示領域ABには、n本のデータ線(セグメント電極)212が列(Y)方向に延在して形成される一方、m本の走査線(コモン電極)312が行(X)方向に延在して形成されるとともに、データ線212と走査線312との各交差に対応して画素116が形成されている。さらに、各画素116は、液晶層118と、スイッチング素子の一例であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)220との直列接続からなる。
【0022】
また、表示領域ABは、主として動画が表示される(静止画が表示されることもあり得る)第1表示領域Aと静止画のみが表示される第2表示領域Bとを備えている。図2は、表示領域と走査線番号との関係を示す説明図である。この図に示すように第1表示領域Aは画面の上側に位置し、そこには第1番目から第p番目までの走査線312が配置される。一方、第2表示領域Bは画面の下側に位置し第q+1番目から第n番目までの走査線312が配置される。なお、以下の説明では第2表示領域Bにはq(=n−p)本の走査線312が配置されるものとする。
【0023】
次に、液晶パネル100のYドライバ350は、1チップのICで構成され、一般には走査線駆動回路と呼ばれる。Yドライバ350は、走査信号Y1、Y2、……、Ymを対応する走査線312に供給するものであって、詳細には、走査線312を1本毎に(1水平走査期間毎に)順次選択する。
【0024】
次に、Xドライバ250は、1チップのICで構成され、VRAM400、選択回路410、データ線駆動回路500、および制御回路600を備える。
まず、VRAM400は、画素数k(=q・m)と一致する数の記憶領域を備えており、各記憶領域に第2表示領域Bの画像データが記憶されるようになっている。VRAM400としては、書き込みと読み出しが非同期で動作する2ポートタイプのもの、あるいは、書き込みと読み出しを同時に行うことができないシングルポートタイプのものを用いてもよい。
【0025】
以下の説明では、画像信号処理回路700から供給される画像データを入力画像データDin、入力画像データDinのうち第1表示領域Aに対応する画像データを第1画像データDa、入力画像データDinのうち第2表示領域Bに対応する画像データを第2画像データDbと称することにする。
【0026】
次に、選択回路410は、入力画像データDinとVRAM400から供給される第2画像データDbとを選択して出力画像データDoutを生成し、これをデータ線駆動回路500に供給する。
【0027】
次に、データ線駆動回路500は、Yドライバ350により選択された走査線312に位置する画素116に対し、表示内容に応じたデータ信号X1、X2、…、Xnを、それぞれ対応するデータ線212を介して供給するものである。
【0028】
次に、制御回路600は、マスタークロック信号を生成する発振回路を内蔵しており、マスタークロック信号に基づいて、Yドライバ350、VRAM400、選択回路410およびデータ線駆動回路500に対して、各種制御信号やクロック信号などを供給して、これらを制御する。詳細には後述するが、制御回路600は、VRAM400に対して第2画像データDbを読み書きするためのクロック信号CKとアドレス信号ADRを生成し、これをVRAM400に供給するようになっている。
【0029】
また、制御回路600は、電源回路800から給電される電源電圧に基づいて、データ信号におけるデータ電圧および走査信号の非選択電圧として兼用される電圧±VD/2と、走査信号の選択電圧として用いられる電圧±VSとをそれぞれ生成する。さらに、制御回路600は、1フレームの開始を指示する開始パルスYDを生成し、これを画像信号処理回路700へ出力する。なお、本実施形態においては、走査線312やデータ線212に印加される電圧の極性は、データ線212に印加されるデータ電圧±VD/2の中間電位を基準として高電位側を正とし、低電位側を負としている。
【0030】
次に、画像信号処理回路700は、入力画像データDinを生成するとともに、これをVRAM400に書き込むために用いるライトイネーブル信号WEを生成し、液晶パネル100に供給するものである。
【0031】
<1−2:液晶パネルの機械的構成>
次に、本実施形態に係る液晶パネルの機械的な構成について説明する。図3は、液晶パネル100の全体構成を示す斜視図である。この図に示されるように、液晶パネル100にあっては、素子基板200と対向基板300とを互いに貼付した構成となっている。そして、素子基板200の対向面において対向基板300から張り出した一方の部分には、Xドライバ250がCOG(Chip On Glass)技術により実装されるとともに、Xドライバ250に各種信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)基板260の一端が接続される。同様に、素子基板200の対向面において対向基板300から張り出した他方の部分には、Yドライバ350がCOG技術により実装される。なお、FPC基板260の他端には、画像信号処理回路700や電源回路800(図1参照)がそれぞれ接続される。
【0032】
ここで、Xドライバ250およびYドライバ350における実装は、それぞれ、第1に、基板との所定位置において、接着材中に導電性微粒子を均一に分散させたフィルム状の異方性導電膜を挟持し、第2に、ベアチップたるドライバを基板に加圧・加熱することにより行われる。FPC基板260の接続も同様にして行われる。なお、Xドライバ250およびYドライバ350を、それぞれ素子基板200および対向基板300に実装する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて、ドライバが実装されたTCP(Tape Carrier Package)を、基板の所定位置に設けられる異方性導電膜により電気的および機械的に接続する構成としても良い。
【0033】
次に、液晶パネル100における画素116の詳細構成について説明する。図4は、その構造を示す部分破断斜視図である。この図に示されるように、素子基板200の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体からなる画素電極234がX方向およびY方向にマトリクス状に配列しており、このうち、同一列に配列する240個の画素電極234が、Y方向に延在するデータ線212の1本に、それぞれTFD220を介して接続されている。ここで、TFD220は、基板側からみると、タンタル単体やタンタル合金などから形成され、データ線212から枝分かれした第1の導電体222と、この第1の導電体222を陽極酸化してなる絶縁体224と、クロム等などの第2の導電体226とから構成されて、導電体/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造を採る。このため、TFD220は、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるダイオードスイッチング特性を有することになる。
【0034】
また、絶縁体201は、素子基板200の上面に形成されて、透明性および絶縁性を有するものである。この絶縁体201が形成される理由は、第2の導電体226の堆積後における熱処理により、第1の導電体222が剥離しないようにするため、および、第1の導電体222に不純物が拡散しないようにするためである。したがって、これらが問題とならない場合には、絶縁体201は省略可能である。
一方、対向基板300の対抗面には、ITOなどからなる走査線312が、データ線212とは直交する行方向に延在し、かつ、画素電極234の対向する位置に配列している。したがって、走査線312は、画素電極234の対向電極として機能することになる。
【0035】
そして、このような素子基板200と対向基板300とは、基板周辺に沿って塗布されるシール剤(図示省略)と、適切に散布されたスペーサ(図示省略)とによって、一定の間隙を保っており、この閉空間に例えば、TN(Twisted Nematic)型の液晶105が封入されている。したがって、図1における液晶層118は、データ線212と走査線312との交差において、当該走査線312と、画素電極234と、両者の間に位置する液晶105とで構成されることになる。
【0036】
ほかに、対向基板300には、液晶パネル100の用途に応じて、例えば、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列されたカラーフィルタが設けられ、それ以外の領域には遮光のためブラックマトリクスが設けられる。くわえて、素子基板200および対向基板300の各対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、各基板の背面には配向方向に応じた偏光子などがそれぞれ設けられる(いずれも図示省略)。
【0037】
<1−3:VRAMおよびその周辺回路>
次に、図5はVRAM400とその周辺回路の構成を示すブロック図である。なお、上述したようにVRAM400はk個の画像データを記憶する。
【0038】
画像信号処理回路700は、クロック信号CKに同期して、開始パルスYDの指示する1フレームの開始タイミングから入力画像データDinを液晶パネル100に対して出力する。ここで、入力画像データDinは、第1画像データDaと第2画像データDbで構成されることもあれば、第1画像データDaのみで構成されることもある。現在と直前のフレーム間で第2表示領域Bに表示すべき表示内容に変化がある場合には、入力画像データDinは第1画像データDaおよび第2画像データDbから構成される。一方、現在と直前のフレーム間で第2表示領域Bに表示すべき表示内容に変化がない場合には、入力画像データDinは第2画像データDbのみから構成される。
また、画像信号処理回路700は、第2画像データDbをVRAM400に書き込むために、第2画像データDbの出力期間においてアクティブ(ハイレベル)となるライトイネーブル信号WEを生成する。
【0039】
第2画像データDbは第2表示領域Bに変化があった場合にのみ出力され、VRAM400に書き込まれ、必要に応じて繰り返し用いられる。したがって、第2表示領域Bの静止画に変化がない場合には、画像信号処理回路700は第2画像データDbを生成する必要がないので、生成に要する消費電力を削減することができる。
【0040】
また、画像信号処理回路700と液晶パネル100は所定のケーブルで接続されているが、ケーブルには浮遊容量がある。したがって、画像信号処理回路700は容量性負荷を駆動する必要がある。入力画像データDinは高周波成分を有するので、これを画像信号処理回路700から液晶パネル100に伝送すると大電流を消費することになる。本実施形態では、第2画像データDbは変化があった場合にだけ伝送すればよいので、画像信号処理回路700の消費電力を削減することが可能となる。
【0041】
次に、制御回路600の詳細について説明する。図5に示すように制御回路600は、発振回路610、内部タイミング制御回路620、およびアドレスカウンタ630を備えている。
【0042】
発振回路610がマスタークロック信号MCKを生成して内部タイミング制御回路620に出力すると、内部タイミング制御回路620は、マスタークロック信号MCKに基づいて上述した開始パルスYDを生成するとともに、マスタークロック信号MCKを所定の分周比で分周してクロック信号CKを生成する。
【0043】
また、内部タイミング制御回路620は、アドレス信号ADRに基づいて、第2表示領域Bに属する走査線312を選択する期間に対応してアクティブ(ハイレベル)となる選択信号SSを生成する。そして、内部タイミング制御回路620は、選択信号SSとライトイネーブル信号WEとに基づいて、リードイネーブル信号REを生成し、これをVRAM400と選択回路410とに供給する。リードイネーブル信号REは、選択信号SSがアクティブとなり、かつ、ライトイネーブル信号WEが非アクティブとなる期間にのみ、アクティブとなる信号である。
【0044】
VRAM400は、リードイネーブル信号REのアクティブ期間において第2画像データDbを出力する。選択回路410は、リードイネーブル信号REのアクティブ期間において、VRAM400から出力される第2画像データDbを選択出力する一方、リードイネーブル信号REの非アクティブ期間において、入力画像データDinを選択出力する。
【0045】
次に、図6はVRAM400の動作を示すタイミングチャートである。なお、同図に示すデータを特定するための符号には、フレームの番号を添字として付してある。例えば、「DaL」は、第Lフレームの第1画像データを表している。また、この例では、第L−1フレームと第Lフレームとの間で、第2表示領域Bに表示すべき画像が変化し、第Lフレームから第L+2フレームまでの期間は、第2表示領域Bに表示すべき画像が変化しないものとする。
【0046】
時刻t1から第Lフレームが開始すると、開始パルスYDが所定期間だけアクティブとなる。画像信号処理回路700は開始パルスYDの立ち上がりエッジに同期して、入力画像データDinを生成しこれをVRAM400および選択回路410に供給する。上述したように第L−1フレームと第Lフレームの間では、第2表示領域Bに表示すべき画像が変化するので、第Lフレームの入力画像データDinは、第1画像データDaLと第2画像データDbLとを含んでいる。
【0047】
そして、時刻t2に至ると、ライトイネーブル信号WEがアクティブとなり、この状態が時刻t3まで継続する。したがって、当該期間中に第2画像データDbLはVRAM400に書き込まれることになる。
【0048】
選択信号SSは、第2表示領域Bの選択期間に対応してアクティブとなるから、第2画像データDbLがアクティブとなる時刻t2から時刻t3までの期間アクティブとなる。しかし、当該期間においてリードイネーブル信号WEがアクティブとなるので、VRAM400から第2画像データDbが読み出されることはない。また、選択回路400は、リードイネーブル信号REが非アクティブの期間において、入力画像データDinを選択するから、第Lフレームの出力画像データDoutは、第1画像データDaLと第2画像データDbLとによって構成される。すなわち、第Lフレームは、第2表示領域Bの画像が変化しているので、選択回路410は、入力画像データDinを出力画像データDoutとしてデータ線駆動回路500へ出力している。
【0049】
次に、第L+1フレームは、上述したように第Lフレームとの間で第2表示領域Bの画像が変化しない。このため、第LフレームにおいてVRAM400に書き込んだ第2画像データDbLを用いれば、所望の画像を表示できる。そこで、当該フレームの入力画像データDinは図に示すように第1画像データDbL+1のみで構成される。また、VRAM400に第2画像データDbを書き込む必要がないので、ライトイネーブル信号WEは非アクティブとなる。
【0050】
一方、リードイネーブル信号REは時刻t4から時刻t5までの期間においてアクティブとなる。このとき、VRAM400からは第Lフレームにおいて書き込まれたデータが読み出されることになる。したがって、第L+1フレームの出力画像データDoutは、図に示すように第1画像データDaL+1と第2画像データDbLとから構成される。
【0051】
次に、第L+2フレームは、第L+1フレームと同様に第2表示領域Bの画像が変化しない。したがって、VRAM400および選択回路410は、第L+1フレームと同様に動作する。この結果、第L+2フレームの出力画像データDoutは、図に示すように第1画像データDaL+2と第2画像データDbLとから構成される。
【0052】
このように、VRAM400には、フレーム間で変化があった場合にのみ第2画像データDbが書き込まれることになるから、消費電力を削減することができ、しかも、静止画に対応した第2表示領域Bについてのみ画データを記憶するようにしたのでVRAM400の記憶容量を削減することが可能となる。
【0053】
<1−4:データ線駆動回路>
次に、データ線駆動回路500の詳細について説明する。図7は、このデータ線駆動回路500の構成を示すブロック図である。この図において、ラインメモリ510は、1ライン分のFIFOで構成されており、n個の出力ポートを備えている。ラインメモリ510は、出力画像データDoutを読み出しクロック信号CKに同期して順次転送する。
【0054】
ラッチ回路520は、ラインメモリ510のn個の出力ポートから出力されるデータを1水平走査期間毎に供給されるラッチパルスLPでラッチする。これにより、点順次の出力画像データDoutが線順次の画像データに変換される。
【0055】
次に、PWMデコーダ530は、データ信号を階調に応じてパルス幅変調するためのものであり、データ信号X1〜Xnの電圧を選択する電圧選択信号を、画像データに応じて、交流駆動信号MXとリセット信号RESと階調コードパルスGCPとから各データ線212毎に生成する。ここで、本実施形態において、データ線212に印加されるデータ信号の電圧は、+VD/2(正側データ電圧)、−VD/2(負側データ電圧)の2値である。
【0056】
次に、セレクタ540は、PWMデコーダ530による電圧選択信号によって指示される電圧を実際に選択して、対応するデータ線212の各々に供給するものである。
【0057】
<1−5:Yドライバ>
次に、Yドライバ350の詳細について説明する。図8は、このYドライバ350の構成を示すブロック図である。この図において、シフトレジスタ3502は、走査線312に総数に対応するnビットシフトレジスタであり、1垂直走査期間の最初に供給される開始パルスYDを、1水平走査期間1Hの周期を有するクロック信号YCLKにしたがってシフトして、転送信号YS1、YS2、…、YSmとして順次出力するものである。ここで、転送信号YS1、YS2、…、YSmは、それぞれ1行目、2行目、…、m行目の走査線312にそれぞれ1対1に対応するものであって、いずれかの転送信号がHレベルになると、それに対応する走査線312を選択すべきであることを意味するものである。
【0058】
続いて、電圧選択信号形成回路3504は、交流駆動信号MYおよび転送信号YS1、YS2、…、YSmから、走査線312に印加すべき電圧を定める電圧選択信号を、走査線312毎に対応して出力するものである。ここで、本実施形態において、走査線312に印加される走査信号の電圧は、上述したように+VS(正極側選択電圧)、+VD/2(正極側非選択電圧)、−VS(負極側非選択電圧)、−VD/2(負極側選択電圧)の4値である。非選択電圧は、選択電圧+VSが印加された後では+VD/2であり、選択電圧−VSが印加された後では−VD/2であって、直前の選択電圧により一義的に定まっている。
【0059】
このため、電圧選択信号形成回路3504は、転送信号YS1、YS2、…、YSmのいずれかがHレベルになって、それに対応する走査線312の選択が指示されると、当該走査線312への走査信号の電圧レベルを、交流駆動信号MYの信号レベルに対応した極性の選択電圧とする。一方、転送信号YS1、YS2、…、YSmのいずれかがローレベルになって、それに対応する走査線312の非選択が指示されると、当該走査線312への走査信号の電圧レベルを、直前の選択電圧の極性と同一の極性を取る非選択電圧とする。
【0060】
そして、レベルシフタ3506は、電圧選択信号形成回路3504によって出力される電圧選択信号の電圧振幅を拡大するものである。そして、セレクタ3508は、電圧振幅が拡大された電圧選択信号によって指示される電圧を、実際に選択して、対応する走査線312の各々に印加するものである。
【0061】
<1−6:駆動方法>
ここで、液晶パネル100の駆動方法を説明する。ここでは4値駆動法(1Hセレクト、1H反転)を一例として説明する。図9は、この4値駆動法の波形例を示す図である。この駆動法では、走査信号Yj(jは1からmまでの自然数)として、1水平走査期間1Hに選択電圧+VSを印加した後、保持期間に非選択電圧+VD/2を印加して保持するとともに、前回の選択から1垂直走査期間(1フレーム)1V経過すると、今度は選択電圧−VSを印加して、保持期間に非選択電圧−VD/2を印加して保持する、という動作を繰り返す一方、データ信号Xiとして電圧±VD/2のいずれかを印加する、というものである。この際、ある走査線への走査信号Yjとして選択電圧+VSを印加すると、その次の走査線への走査信号Yj+1として選択電圧−VSを印加する、というように1水平走査期間1H毎に、選択電圧の極性を反転する動作も行われる。
【0062】
この4値駆動法(1Hセレクト、1H反転)におけるデータ信号Xiの電圧は、選択電圧+VSを印加する場合であって、画素116をオン表示(例えば、ノーマリーホワイトモードにおいては黒色表示)とするときには−VD/2となり、画素116をオフ表示(ノーマリーホワイトモードにおいては白色表示)とするときには+VD/2となる一方、選択電圧−VSを印加する場合であって、画素116をオン表示とするときには+VD/2となり、画素116をオフ表示とするときには−VD/2となる。
【0063】
<1−7:変形例>
上述した実施形態においては、Xドライバ250の制御回路600から、開始パルスYDおよびクロック信号CKを出力し、これらに基づいて画像信号処理回路700が入力画像データDinを生成した。換言すれば、液晶パネル100から外部の画像信号処理回路700を制御していた。
【0064】
しかし、図5に示す発振回路610、内部タイミング制御回路620、およびアドレスカウンタ630を画像信号処理回路700に取り込み、画像信号処理回路700から、クロック信号CK、アドレス信号ADR、および制御信号CTLをVRAM400および選択回路410に供給してもよい。この場合には、外部から液晶パネル100の内部を制御することになる。
【0065】
<2.第2実施形態>
上述した第1実施形態およびその変形例に係わる液晶表示装置にあっては、1つのクロック信号CKを用いてVRAM400に第2画像データDbを読み書きしていた。これに対して、第2実施形態に係わる液晶表示装置は、第2画像データDbの書き込みには、画像信号処理回路700から供給されるクロック信号を用いる一方、その読み出しには制御回路600のクロック信号を用いる点が相違する。
【0066】
<2−1:VRAM400とその周辺回路の構成>
図10は、第2実施形態に係わるVRAM400とその周辺回路の構成を示すブロック図である。まず、画像信号処理回路700は、第1発振回路710、外部タイミング制御回路720、書き込みアドレスカウンタ730、および画像データ生成回路740を備えている。第1発振回路710が第1マスタークロック信号MCK1を生成して外部タイミング制御回路720に出力すると、外部タイミング制御回路720は、第1マスタークロック信号MCK1を所定の分周比で分周して書き込みクロック信号CKwを生成する。
【0067】
また、外部タイミング制御回路720は、制御回路600から出力される内部処理終了信号IEに基づいて、入力画像データDinの出力を開始させるための開始信号Sを画像データ生成回路740に出力する一方、外部処理終了信号OEを生成する。
【0068】
ここで、内部処理終了信号IEは、液晶パネル100の内部において、VRAM400から第2画像データDbの読み出しが終了したことを指示するものである。また、外部処理終了信号OEは、画像信号処理回路700における入力画像データDinの生成が終了したことを指示するものである。
【0069】
本実施形態においては、画像信号処理回路700と制御回路600とが非同期で動作する。このため、互いに自己の処理が終了したことを相手方に伝えて、処理の主導権を相手方に渡す必要がある。この役割を担うのが、内部処理終了信号IEと外部処理終了信号OEである。
【0070】
さらに、外部タイミング制御回路720は、入力画像データDinを構成する第2画像データDbに同期してアクティブとなるライトイネーブル信号WEを生成する。VRAM400は、ライトイネーブル端子の論理レベルがハイレベルのときに入力画像データDinの書き込みを許可する一方、リードイネーブル端子の論理レベルがハイレベルのときに読み出しを許可する。画像データ生成回路740は、ライトイネーブル信号WEがハイレベルの期間中、書き込みクロック信号CKwに同期して第2画像データDbを出力する。
【0071】
次に、書き込みアドレスカウンタ730は、同期式のカウンタであって、書き込みクロック信号CKwの立ち上がりエッジに同期してカウント値をインクリメントさせ、書き込みアドレス信号ADRwを生成する。
【0072】
次に、画像データ生成回路740は、開始信号Sに基づいて、入力画像データDinを生成する。但し、上述した第1実施形態と同様に、直前と現在のフレーム間で第2表示領域Bの画像に変化がない場合には、入力画像データDinは第1画像データDaのみで構成され、その画像に変化がある場合には、入力画像データDinは第1画像データDaおよび第2画像データDbで構成される。
【0073】
次に、制御回路600は、第2発振回路610’、内部タイミング制御回路620’、および読み出しアドレスカウンタ630’を備えている。
第2発振回路610’が第2マスタークロック信号MCK2を生成して内部タイミング制御回路620’に出力すると、内部タイミング制御回路620は、第2マスタークロック信号MCK2に基づいて上述した開始パルスYDを生成するとともに、第2マスタークロック信号MCK2を所定の分周比で分周して読み出しクロック信号CKrを生成する。第2マスタークロック信号MCK2は上述した第1マスタークロック信号MCK1と異なる第2発振回路610’によって生成されるから、読み出しクロック信号CKrと書き込みクロック信号CKwとは非同期となる。
【0074】
また、内部タイミング制御回路620’は、外部処理終了信号OEを受け取ると、リードイネーブル信号REをアクティブにする。さらに、内部タイミング制御回路620’は、読み出しアドレス信号ADRrに基づいて、第2画像データDbの読み出し終了を検知し、リードイネーブル信号REを非アクティブにするとともに内部処理終了信号IEを生成する。なお、読み出しアドレスカウンタ630は、同期式のリングカウンタであって、読み出しクロック信号CKrの立ち上がりエッジをカウントし、カウント値を読み出しアドレス信号ADRrとして出力する。
【0075】
さらに、内部タイミング制御回路620’は、リードイネーブル信号REを反転して制御信号CTLを生成し、選択回路410に供給する。選択回路410は制御信号CTLがハイレベルの期間、入力画像データDinを選択し、制御信号CTLがローレベルの期間、VRAM400から読み出された第2画像データDbを選択して出力画像データDoutを生成する。
【0076】
ところで、データ線駆動回路500は、開始パルスXDおよびXクロック信号XCKに基づいて動作し、Yドライバ350はYクロック信号YCK等に基づいて動作するが、これらの信号は、出力画像データDoutに同期している必要がある。出力画像データDoutにVRAM400から出力される第2画像データDbが含まれる場合は、第1画像データDaは第1マスタークロック信号MCK1に同期する一方、第2画像データDbは第2マスタークロック信号MCK2に同期する。このような場合には、1フレームの途中で、開始パルスXD、Xクロック信号XCKおよびYクロック信号YCKを切り替える必要がある。同図に示す第2選択回路420は、この役割を担うものであって、制御信号CTLに基づいて、外部タイミング制御回路700で生成された開始パルスXD1、Xクロック信号XCK1およびYクロック信号YCK1と、内部タイミング制御回路620で生成された開始パルスXD2、Xクロック信号XCK2およびYクロック信号YCK2とを選択して、データ線駆動回路500およびYドライバ350に供給している。
【0077】
<2−2:VRAM400とその周辺回路の動作>
次に、図11はVRAM400とその周辺回路の動作を示すタイミングチャートである。なお、この例では、第1実施形態と同様に、第L−1フレームと第Lフレームとの間で、第2表示領域Bに表示すべき画像が変化し、第Lフレームから第L+2フレームまでの期間は、第2表示領域Bに表示すべき画像が変化しないものとする。
【0078】
まず、第Lフレームにあっては、時刻t1において内部処理終了信号IEがアクティブになると、処理の主導権が画像信号処理回路700に渡され、画像信号処理回路700は入力画像データDinを出力する。そして、時刻t2において、第2画像データDbLが出力が開始されると、これに同期してライトイネーブル信号WEがアクティブとなる。この第2画像データDbLは、書き込みクロック信号CKwを用いて、VRAM400に書き込まれる。
当該フレームでは制御信号CTLがハイレベルとなるから、選択回路410は第1画像データDaLおよび第2画像データDbLを出力画像データDoutとして出力する。
【0079】
次に、第L+1フレームは、上述したように第Lフレームとの間で第2表示領域Bの画像が変化しない。このため、第L+1フレームの入力画像データDinは、第1画像データDbL+1で構成され、ライトイネーブル信号WEは非アクティブとなる。そして、時刻t4において、第2画像データDbL+1の出力が終了すると、画像信号処理回路700は、外部処理終了信号OEをアクティブにする。
【0080】
外部処理終了信号OEがアクティブになったことを制御回路600が検知すると、制御回路600はリードイネーブル信号REをアクティブにするとともに、読み出しクロック信号CKrを用いて、VRAM400から第2画像データDbLを読み出す。そして、時刻t5において第2画像データDbLの読み出しが終了すると、リードイネーブル信号REを非アクティブにする一方、内部処理終了信号IEをアクティブにする。
【0081】
したがって、時刻t4から時刻t5までの期間においてVRAM400から第2画像データDbLが読み出される。このとき、VRAM400からは第Lフレームにおいて書き込まれたデータが読み出されるので、第L+1フレームの出力画像データDoutは、図に示すように第1画像データDaL+1と第2画像データDbLとから構成される。
【0082】
このように、第L+1フレームでは、時刻t3から時刻t4までの期間は、画像信号処理回路700から出力された第1画像データDbL+1が用い、時刻t4から時刻t5までの期間は、VRAM400から出力される第2画像データDbLを用いることになる。第2選択回路420は、制御信号CTLに基づいて選択するから、時刻t3から時刻t4までの期間は、画像信号処理回路700から供給される開始パルスXD1、Xクロック信号XCK1、およびYクロック信号YCK1が、データ線駆動回路500およびYドライバ350に供給される。一方、時刻t4から時刻t5までの期間は、制御回路600から供給される開始パルスXD2、Xクロック信号XCK2、およびYクロック信号YCK2が、データ線駆動回路500およびYドライバ350に供給される。
【0083】
次に、第L+2フレームは、第L+1フレームと同様に第2表示領域Bの画像が変化しない。したがって、VRAM400、選択回路410、および第2選択回路420は、第L+1フレームと同様に動作する。この結果、第L+2フレームの出力画像データDoutは、図に示すように第1画像データDaL+2と第2画像データDbLとから構成される。
【0084】
以上説明したように、第2実施形態にあっては、画像信号処理回路700と制御回路600が非同期で動作する場合であっても、内部処理終了信号IEおよび外部処理終了信号OEを用いて、互いに処理が終了したことを通知することで、連続して駆動回路を動作させることができる。したがって、設計の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
【0085】
<3.変形例>
本発明は上述した第1および第2実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。
上述した各実施形態においては、図1に示すように、TFD220はデータ線212の側に接続され、液晶層118が走査線312の側に接続されているが、これとは逆に、TFD220が走査線312の側に、液晶層118がデータ線212の側にそれぞれ接続される構成でも良い。
【0086】
また、上述した液晶パネル100におけるTFD220は、スイッチング素子の一例であり、他に、ZnO(酸化亜鉛)バリスタや、MSI(Metal Semi-Insulator)などを用いた素子や、これら素子を2つ逆向きに直列接続または並列接続したものなどの二端子型素子が適用可能であり、さらに、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)や、絶縁ゲート型電界効果トランジスタなどの三端子型素子が適用可能である。
【0087】
ここで、スイッチング素子としてTFTを適用する場合には、例えば、素子基板200の表面にシリコン薄膜を形成するとともに、この薄膜にソース、ドレイン、チャネルを形成すれば良い。また、スイッチング素子として絶縁ゲート型電界効果トランジスタを適用する場合には、例えば、素子基板200を半導体基板とし、当該半導体基板表面にソース、ドレイン、チャネルを形成すれば良いが、半導体基板が光透過性を有しないので、画素電極234をアルミニウムなどの金属からなる反射電極から形成して、反射型として用いることになる。
【0088】
なお、スイッチング素子として三端子型素子を適用する場合には、素子基板200にデータ線212および走査線312の一方だけではなく、双方を交差させて形成しなければならないので、それだけ配線ショートの可能性が高まる点、さらに、TFT自体は、TFDよりも構成が複雑であるので、製造プロセスが複雑化する点において、不利である。
【0089】
また、TFDやTFTのようなスイッチング素子を用いずに、STN(Super Twisted Nematic)型液晶を用いたパッシブ型液晶などにも適用可能である。また、画素電極234を反射性金属から構成して、あるいは、画素電極234の下側に反射層を別途形成して、反射型として用いても良いし、さらには、当該反射層を極めて薄く形成して半透過・半反射型として用いても良い。
【0090】
さらに、上述した説明にあっては、電気光学材料として液晶を用いた表示装置を例にとって説明したが、エレクトロルミネッセンスや、蛍光表示管、プラズマディスプレイなど、電気光学効果により表示を行う表示装置に適用可能である。すなわち、本発明は、上述した表示装置と類似の構成を有するすべての表示装置に適用なものである。
【0091】
<4.電子機器>
次に、上述した液晶装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
<その1:携帯電話機>
上述した表示装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話2300は、複数の操作ボタン2302のほか、受話口2304、送話口2306とともに、上述した液晶パネル100を備えるものである。なお、この液晶パネル100の背面には、視認性を高めるためのバックライトが設けられるが、外観には表れないので、図示を省略している。
この場合、上述した第2表示領域Bを画面の下部分に設け電源のオン・オフ、電池の状態、圏内・圏外等を示すアイコを表示する一方、第1表示領域Aにインターネット経由で受信した動画や電子メールのテキストを表示してもよい。
【0092】
<その2:携帯端末>
上述した表示装置を、携帯端末の表示部に適用した例について説明する。図13は、この携帯端末の構成を示す斜視図である。図において、携帯端末2200は、GPSアンテナ2202、ジョグダイヤル2203、電源ボタン2204のほか、上述した液晶パネル100を備えるものである。なお、この液晶パネル100の背面にも、視認性を高めるためのバックライトが設けられるが、外観には表れないので、図示を省略している。
上述した第2表示領域Bには電源のオン・オフ、電池の状態、等を示すアイコを表示するようにしてもよい。
【0093】
<その3:ディジタルスチルカメラ>
次に、上述した表示装置をファインダに用いたディジタルスチルカメラについて説明する。図14は、このディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図であるが、外部機器との接続についても簡易的に示すものである。
【0094】
通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ2400は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成するものである。ここで、ディジタルスチルカメラ2400におけるケース2402の背面には、上述した液晶パネル100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて、表示を行う構成となっている。このため、液晶パネル100は、被写体を表示するファインダとして機能する。また、ケース2402の前面側(図13においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット2404が設けられている。
【0095】
ここで、撮影者が液晶パネル100に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン2406を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板2408のメモリに転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ2400にあっては、ケース2402の側面に、ビデオ信号出力端子2412と、データ通信用の入出力端子2414とが設けられている。そして、図に示されるように、前者のビデオ信号出力端子2412にはテレビモニタ2420が、また、後者のデータ通信用の入出力端子2414にはパーソナルコンピュータ2430が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作によって、回路基板2408のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ2420や、パーソナルコンピュータ2430に出力される構成となっている。
この場合、上述した第2表示領域Bには電源のオン・オフ、電池の状態、記録・再生等を示すアイコを表示するようにしてもよい。
【0096】
なお、電子機器としては、図12の携帯電話や、図13の携帯端末、図14のディジタルスチルカメラの他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した表示装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一画面を構成する入力画像データの一部を記憶するようにしたので、記憶容量の削減と消費電力の削減を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】 同表示装置における液晶パネルの表示領域と走査線の関係を示す説明図である。
【図3】 同表示装置における液晶パネルの構成を示す斜視図である。
【図4】 同液晶パネルの要部構成を摸式的に示す部分破断斜視図である。
【図5】 同表示装置におけるVRAMとその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図6】 同表示装置におけるVRAMの動作を示すタイミングチャートである。
【図7】 同表示装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図8】 同表示装置におけるYドライバの構成を示すブロック図である。
【図9】 同表示装置における4値駆動法の波形例を示すタイミングチャートである。
【図10】 第2実施形態に係わる表示装置におけるVRAMとその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図11】 同VRAMとその周辺回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】 同表示装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図13】 同表示装置を適用した電子機器の一例たる携帯端末の構成を示す斜視図である。
【図14】 同表示装置を適用した電子機器の一例たるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100……液晶パネル
105……液晶
116……画素
212……データ線
250……Xドライバ
312……走査線
350……Yドライバ
400……VRAM
410……選択回路
420……第2選択回路
600……制御回路
700……画像信号処理回路
2200……携帯端末
2300……携帯電話
2400……ディジタルスチルカメラ
Claims (7)
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素を備え、第1表示領域と第2表示領域と有する表示装置であって、
前記複数の走査線を順次選択する走査線駆動部と、
前記第2表示領域に対応する第2画像データを記憶する記憶部と、
外部から供給される入力画像データが、前記第1表示領域に対応する第1画像データと前記第2画像データとで構成される場合には、前記第2画像データを記憶部に書き込む一方、前記入力画像データが前記第1画像データのみで構成される場合には、前記記憶部から前記第2画像データを読み出す制御部と、
前記入力画像データが前記第1画像データと前記第2画像データとで構成される場合には、前記入力画像データを選択し、前記入力画像データが前記第1画像データのみで構成される場合には、前記第1画像データと前記記憶部から読み出した前記第2画像データとを選択して出力画像データを生成する第1選択部と、
前記出力画像データが前記入力画像データである場合には、外部から供給される前記第1表示領域の走査線を駆動する第1クロック信号及び前記第1表示領域のデータ線を駆動する第2クロック信号を選択する一方、前記出力画像データが前記記憶部から読み出した前記第2画像データである場合には、内部で生成した前記第2表示領域の走査線を駆動する第3クロック信号及び前記第2表示領域のデータ線を駆動する第4クロック信号を選択する第2選択部と、
前記出力画像データに基づいて、前記各データ線を駆動するためのデータ信号を生成するとともに前記走査線が選択された際に前記複数のデータ線に前記データ信号を供給するデータ線駆動部と、
を備え、
前記第2選択部は、前記出力画像に前記第2画像データが含まれる場合、第1画像データに対して前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号を選択するとともに前記第2画像データに対して前記第3クロック信号及び前記第4クロック信号を選択し、1フレーム期間の途中で前記選択が切り替えられる
ことを特徴とする表示装置。 - 前記第2表示領域は、静止画を表示するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記制御部は、
マスタークロック信号を生成する発振部を有し、
前記マスタークロック信号を分周して得たクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部に対して読み書きすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記制御部は、
マスタークロック信号を生成する発振部を備え、
前記マスタークロック信号を分周して得た読み出しクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部から読み出す一方、外部から供給される書き込みクロック信号に基づいて、前記第2画像データを前記記憶部に書き込むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記制御部は、
前記入力画像データのうち前記第2画像データの供給が中断されることを示し、かつ、外部から供給される外部処理終了信号がアクティブになると、前記記憶部から前記第2画像データの読み出しを開始し、
前記第2画像データの読み出しが終了すると、処理が終了したことを示し、かつ外部に出力する内部処理終了信号をアクティブにする
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記表示装置は、画像信号処理回路を更に備え、
直前と現在のフレーム間で前記第2表示領域に表示する画像が変化した場合には、前記第1画像データと前記第2画像データとで構成される前記入力画像データを生成する一方、直前と現在のフレーム間で前記第2表示領域に表示する画像が変化しなかった場合には、前記第2画像データのみで構成される前記入力画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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