JP3849374B2 - 多方向操作スイッチ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてオーディオ機器、ゲーム機器、カーナビゲーションシステム等の各種電子機器の入力操作部等に使用され、操作部の揺動および押圧操作により駆動する多方向操作スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の多方向操作スイッチについて、図10〜図13を用いて説明する。
【0003】
図10は従来の多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図、図11は同分解斜視図であり、同図において、11は絶縁樹脂からなる上面開放の箱形のケースで、周囲壁の一部に窓部11Aを有すると共に、底面には、中央の円形支軸11Bを囲んで、窓部11A側にコモン固定接点12A、左右に第一および第二固定接点12Bおよび12C、窓部11Aと反対側に第三固定接点12D(いずれも、図10において、点線で囲んだ斜線で示す)がそれぞれ配設され、これらの固定接点12A〜12Dの各々と導通した四つのスイッチ端子が底面外周から突出している。
【0004】
そして、13は絶縁樹脂製の駆動体で、操作部13Aが窓部11Aから突出するようにケース11内に収容され、揺動操作および中立位置での押圧操作が可能なように、長円形の中央孔13Bを円形支軸11Bに支持されていると共に、下面には細幅のリング状で対称位置に二つの可動接点14A,14Bを有する弾性金属薄板製の可動接点体14を保持している。
【0005】
また、15は弾性金属線製の捩りコイルばねで、駆動体13の中央孔13Bを囲む保持溝13C内に収容されたコイル部両端のアーム部15A,15Bがケース11の段部11C,11Dに係止され、通常状態において、駆動体13が回動範囲の中間位置にあり、しかも操作部13Aが外方向に押された中立位置にあるように付勢しており、この状態において、可動接点体14の一方の可動接点14Aはコモン固定接点12Aに接触しているが、他方の可動接点14Bは第一固定接点12B、第二固定接点12Cおよび第三固定接点12Dの中間位置にあって、いずれの固定接点とも接触せず、いずれのスイッチ端子間も導通していない(可動接点体を点線で示したケースの平面図である図12参照)。
【0006】
なお、16は駆動体13、可動接点体14、捩りコイルばね15が収容されたケース11の上面の開口部を覆うカバーである。
【0007】
そして、この多方向スイッチの組立て方法は、まず、可動接点体14を駆動体13の下面にカシメ保持した後、捩りコイルばね15のコイル部を駆動体13上面の保持溝13C内に容れると共に、アーム部15A,15Bを撓ませながら駆動体13の係止部13D,13Eにそれぞれ引っ掛けて仮保持させる。
【0008】
次に、この状態の駆動体13を、操作部13Aをケース11の窓部11Aから突出させると共に中央孔13Bに円形支軸11Bを通すようにして、ケース11内に収容するのであるが、この時、捩りコイルばね15のアーム部15A,15Bの先端をケース11の段部11C,11Dに係止させる。
【0009】
最後に、ケース11上面の開口部をカバー16で覆うことにより、多方向スイッチとして完成する。
【0010】
以上のように構成された従来の多方向操作スイッチの動作は、図10に示す中立状態において、まず、図13(a)の揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース11から突出した駆動体13の操作部13Aに右方向への押し力を加えると、駆動体13は、捩りコイルばね15の付勢力に抗してアーム部15Aと15Bの間を押し縮めながら円形支軸11Bを支点として揺動し、その下面に保持された可動接点体14の可動接点14A,14Bはケース11底面上を弾接摺動して、可動接点14Aはコモン固定接点12A上を右方向へ動き、可動接点14Bは第一固定接点12B上へ移動することにより、コモン固定接点12Aと第一固定接点12Bの間が導通され、その信号は所定のスイッチ端子から導出される。
【0011】
そして、上記の操作部13Aに加える押し力を除くと、捩りコイルばね15の弾性復元力によって、駆動体13は元の図10の位置に戻り、再びいずれのスイッチ端子間も導通しない中立状態となる。
【0012】
同様に、操作部13Aに左方向への押し力を加えると、コモン固定接点12Aと第二固定接点12Cの間が導通される。
【0013】
また、図10の中立状態において、図13(b)の押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース11から突出した駆動体13の操作部13Aにケース11中心方向への押し力を加えると、駆動体13は捩りコイルばね15の付勢力に抗して円形支軸11Bに沿って長円形の中央孔13Bの長手方向に押し込まれ、可動接点体14の可動接点14Aはコモン固定接点12A上を下方へ動き、可動接点14Bは第三固定接点12D上へ移動することによって、コモン固定接点12Aと第三固定接点12Dの間が導通され、その信号は所定のスイッチ端子から導出される。
【0014】
そして、上記の操作部13Aに加える押し力を除くと、捩りコイルばね15の弾性復元力によって、駆動体13は元の図10の位置に戻り、再び何れのスイッチ端子間も導通しない中立状態となる。
【0015】
なお、以上のように操作部13Aに所定の方向の押し力を加えて動作させる際に、操作部13Aの根元部下面に設けられた突部13Fが、操作部13Aに右または左方向の押し力を加える時はケース11の周囲壁の外周に沿って動き、ケース11の中心方向への押し力を加える時はケース11の窓部11A中央の切欠き部11E内に入り込むように設定されており、この多方向操作スイッチの誤動作を防止している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の多方向操作スイッチにおいては、弾性金属線製の捩りコイルばね15および弾性金属薄板製で細幅の可動接点体14を使用するが、これらの構成部材は個片単体としての取扱い時に絡みや変形を生じ易く、また組立て時に、捩りコイルばね15は、駆動体13およびケース11に組み合わせる際に、アーム部15A,15Bを撓ませながら保持させる必要があるため、非常に手間がかかり自動組立化も難しいという課題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業に手間がかからず自動組立ても容易な多方向操作スイッチを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の多方向操作スイッチは、内底面にコモン固定接点と中間位置の第一〜第三固定接点を有するケースのコモン固定接点上に円形ドーム状可動接点を載せ、この上に、第一〜第三固定接点に対応した位置の下面に第一〜第三押圧部を有し、上面に第一〜第三傾斜部を有する駆動体を載せ、さらにこの上に、各傾斜部に当接して中立位置にあるように付勢される第一〜第三当接部およびケースの窓部から突出する操作部を有する操作体を載せたものである。
【0019】
これにより、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易な多方向操作スイッチを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点と、上面開放で周囲壁の一部に窓部を有すると共に、上記円形ドーム状可動接点の外周下端が載ったコモン固定接点および上記円形ドーム状可動接点の中心と外周の中間位置の、上記円形ドーム状可動接点の中心と上記窓部を結ぶ中心線両側の第一、第二固定接点ならびに上記中心線上で窓部と反対側の第三固定接点を内底面に有した絶縁樹脂製のケースと、このケースの周囲壁により回転はしないが傾倒可能に支持されて上記円形ドーム状可動接点上に載せられ、下面の上記第一〜第三固定接点に対応した位置に第一〜第三押圧部をそれぞれ有し、上面の上記第一、第二押圧部に対応した位置には互いに対向する方向に傾斜した第一、第二傾斜部を、上記第三押圧部に対応した位置には上記窓部側が低くなった第三傾斜部をそれぞれ有する駆動体と、この駆動体上面中央の突起に、上記中心線の方向に長くなった中央孔が長手方向にスライド可能に係合して上記駆動体上に載り、上記駆動体の第一〜第三傾斜部それぞれに下面の第一〜第三当接部が当接することにより中立位置にあるように付勢されると共に、上記ケースの窓部から突出した操作部を一体に有する操作体と、この操作体が浮き上がらないように、上記ケース上面の開口部を覆うカバーからなる多方向操作スイッチとしたものであり、操作部に対して所定操作をすることにより、駆動体の各傾斜部と操作体の各当接部を介して弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点を部分反転動作させて所定の固定接点間を導通させることができるものが得られると共に、その構成部材の取扱い時にも絡みや変形が生じ難く、組立作業が簡単で自動組立ても容易な節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを実現できるという作用を有する。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三傾斜部の勾配を第一および第二傾斜部の勾配よりもきつくしたものであり、操作部の揺動操作によりコモン固定接点と第一または第二固定接点の間を導通させる時の動作力よりも、操作部の押圧操作によりコモン固定接点と第三固定接点の間を導通させる時の動作力を大きくすることができるので、操作部の揺動操作時にコモン固定接点と第三固定接点が導通してしまうという誤動作が発生し難くできるという作用を有する。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ケースの窓部から突出した操作体の操作部の、上記ケースの周囲壁外側位置に突部を設け、上記操作体が中立位置にある時の上記突部の位置に対応する上記窓部に、上記操作体が上記ケースの中心方向に動く際に上記突部が通る切欠き部を設けたものであり、操作体が中立位置にある時のみに押圧操作することができ、操作体を揺動させた状態においては操作部を押圧操作することができず、また操作部に押し力を加えて操作体を押し込んだ状態において操作部を揺動操作することができないので、誤操作を容易に防止することができるという作用を有する。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、ケース内底面の中央部に支柱を設け、円形ドーム状可動接点および駆動体に設けた中心の貫通孔を上下動可能に通過させると共に、中心線の方向に長い操作体の中央孔をスライド可能に係合させたものであり、操作部の揺動操作時および押圧操作時における操作体の動きが安定すると共に、組立て時のケースに対する駆動体および操作体の位置決めが安定するので、より組立作業が容易になるという作用を有する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、円形ドーム状可動接点を絶縁樹脂製とし、少なくとも下面に導電層を設けたものであり、円形ドーム状可動接点の節度感を伴った部分反転動作時の音が小さくできて、スイッチ操作時の動作音を規制できるという作用を有する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図、図2は同側面断面図、図3は図1のP−P線における断面図、図4は同分解斜視図、図5は同外観斜視図である。
【0027】
同図において、1は絶縁樹脂からなる凹部を有する上面開放の箱形のケースで、周囲壁の一部に窓部1Aを有すると共に、凹部の内底面の外周二箇所にコモン固定接点2を有し、凹部の中心と外周の中間位置には、上記中心と窓部1Aを結ぶ中心線を挟んで両側に第一固定接点2Aおよび第二固定接点2B、さらにこの中心線上で窓部1Aと反対側に第三固定接点2Cをそれぞれ有しており、図1に示すように、これらの各接点と導通した五つのスイッチ端子3が底面外側から突出している。
【0028】
そして、4は弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点(以下、可動接点4と記載する。)で、ケース1の凹部と中心位置を一致させるように外周下端4Aがコモン固定接点2上に載せられてケース1内に収容され、通常状態においては、ドーム状部4Bの下面は、図2および図3に示すように、第一固定接点2A、第二固定接点2Bおよび第三固定接点2Cと所定の絶縁間隔を保っている。
【0029】
この可動接点4の上に載せられた5は樹脂製の駆動体で、ケース1の凹部の内周壁により回転はしないが傾倒可能に支持され、図2および図3に示すように、その下面には、上記の第一固定接点2A〜第三固定接点2Cのそれぞれに対応した位置に第一押圧部5A〜第三押圧部5Cとしての角部をそれぞれ有しており、また上面には、第一押圧部5A、第二押圧部5Bに対応した位置に、互いに中央側が低くなるように対向配置された第一傾斜部5D、第二傾斜部5Eを、第三押圧部5Cに対応した位置に、ケース1の窓部1A側が低くなった第三傾斜部5Fをそれぞれ有している。
【0030】
この駆動体5の上に載せられた6は樹脂製の操作体で、ケース1の凹部中心と窓部1Aを結ぶ中心線に沿った平板状の先端が窓部1Aから突出して操作部6Aを形成すると共に、ケース1の凹部の中心部に対応する位置には中央孔6Bが設けられているが、この中央孔6Bは上記中心線の方向に長い長円形で、図1に示すように、駆動体5上面中央の円形の突起5Gと長手方向にスライド可能に係合している。
【0031】
そして、この操作体6の平板部6Cの下面には、上記駆動体5の第一傾斜部5D〜第三傾斜部5Fに対応した位置に円形断面の第一当接部6D〜第三当接部6Fを有しており、図2および図3に示すように、それぞれの当接部6D〜6Fが各傾斜部5D〜5Fの所定の位置に当接していると共に、浮き上がったりガタツキを生じたりしないように、ケース1上面の開口部を覆うカバー7により、操作体6の上面の位置は規制されている。
【0032】
これにより、操作体6は、平板部6C中間部下面の第一当接部6D、第二当接部6Eが互いに対向した方向の第一傾斜部5D、第二傾斜部5Eの二つの傾斜面に挟まれて、操作体6すなわち操作部6Aは揺動操作範囲の中間位置にあるように付勢されていると共に、平板部6C先端の第三当接部6Fがケース1の窓部1A側が低くなった第三傾斜部5Fに当接して、操作体6は窓部1A側すなわち操作部6Aが突出する方向に付勢されている。
【0033】
そして、この多方向操作スイッチの組立方法は、箱形のケース1に対して、上面の開口部から、まず可動接点4を挿入してコモン固定接点2上に載せ、次にこの上に駆動体5を、第一傾斜部5Dおよび第二傾斜部5Eのある側が窓部1A側となり突起5Gが上方となるように載せ、さらにこの上に操作体6を、操作部6Aがケース1の窓部1Aから突出すると共に中央孔6Bに駆動体5上面の突起5Gが係合するように載せ、最後にケース1の上面開口部を塞ぐようにカバー7を載せて、図5に示すように、カバー7の脚部7Aを内側に折り曲げてケース1の周囲壁外側の段部1Bに引掛けて止めることにより完成する。
【0034】
この多方向操作スイッチは、このように非常に簡単に組み立てることができ、自動組立て化も容易である。
【0035】
次に、以上のように構成されたこの多方向操作スイッチの動作について説明する。
【0036】
図1に示す中立状態において、まず図6(a)の揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース1の窓部1Aから突出した操作体6の操作部6Aに右方向への押し力を加えると、操作体6は駆動体5の円形の突起5Gを支点として揺動し、図6(a)のQ−Q線における断面図である同図(b)に矢印で示すように、その平板部6C下面の第一当接部6Dが駆動体5の第一傾斜部5Dを図6(b)において左方向に押しながら移動するため、駆動体5は上面側方の角部5Hを支点として傾くこととなり、第一傾斜部5D下面の第一押圧部5Aが、可動接点4のドーム状部4Bを下方に押して節度感を伴いながら部分反転動作させて下方の第一固定接点2Aに接触させる。
【0037】
これにより、可動接点4を介してコモン固定接点2と第一固定接点2Aの間は導通され、その信号は各接点と導通したスイッチ端子3から導出される。
【0038】
そして、操作部6Aに加える押し力を除くと、部分反転していた可動接点4が弾性復元力により元の円形ドーム形状に復帰することによって駆動体5は上方に押し戻され、駆動体5の第一傾斜部5Dが操作体6の第一当接部6Dを図6(b)における右方向へ押すことによって、操作体6は元の中立状態である図1の位置に復帰して通常状態に戻る。
【0039】
同様に、操作部6Aに左方向への押し力を加えると、コモン固定接点2と第二固定接点2Bの間が導通される。
【0040】
また、図1の中立状態において、図7(a)の押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース1から突出した操作部6Aにケース1の中心方向への押し力を加えると、操作体6は駆動体5の突起5Gに係合した長円形の中央孔6Bの長手方向に沿って押し込まれ、図7(a)のR−R線における断面図である同図(b)に矢印で示すように、その平板部6C先端の第三当接部6Fが駆動体5の第三傾斜部5Fを図7(b)において右方向に押しながら移動することとなり、駆動体5は上面前方の角部5Iを支点として傾き、第三傾斜部5F下面の第三押圧部5Cが、可動接点4のドーム状部4Bを部分的に下方へ押して節度感を伴いながら部分反転動作させて下方の第三固定接点2Cに接触させる。
【0041】
これにより、可動接点4を介してコモン固定接点2と第三固定接点2Cの間が導通され、その信号は各接点と導通したスイッチ端子3から導出される。
【0042】
そして、操作部6Aに加える押し力を除くと、可動接点4の弾性復元力によって駆動体5および操作体6は元の中立状態である図1の位置に復帰する。
【0043】
以上のように本実施の形態によれば、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを得ることができるものである。
【0044】
なお、上記の構成において、操作体6の第三当接部6Fが当接している駆動体5の第三傾斜部5Fの勾配を、操作体6の第一当接部6Dおよび第二当接部6Eが当接している駆動体5の第一傾斜部5Dおよび第二傾斜部5Eの勾配よりもきつく設定しておくことによって、操作部6Aを押圧操作してコモン固定接点2と第三固定接点2Cとの間を導通させる時の動作力を、操作部6Aを右方向または左方向に揺動操作してコモン固定接点2と第一固定接点2Aまたは第二固定接点2Bと導通させる時の動作力よりも大きくすることができ、操作部6Aの揺動操作時にコモン固定接点2と第三固定接点2Cが導通してしまうという誤動作を起こり難くすることができる。
【0045】
そして、駆動体5の第一傾斜部5Dと第二傾斜部5Eの勾配は必ずしも同じにしておく必要はなく、両者の勾配を変えることによって、操作部6Aを右および左方向に揺動操作する時の操作力に差をつけることもできるものである。
【0046】
また、操作体6の操作部6Aの根元部下面に設けた突部6Gは、図6(a)に示すように、操作部6Aに右または左方向の押し力を加えて揺動操作する時はケース1の周囲壁の外周に沿って動き、図7(a)に示すように、操作部6Aにケース1の中心方向への押し力を加えて押圧操作する時には、ケース1の窓部1A中央の切欠き部1C内に入り込むように設定されており、この多方向操作スイッチの誤動作を防止するためのものである。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、駆動体5の各傾斜部5D〜5Fと操作体6の各当接部6D〜6Fを介して円形ドーム状可動接点4を部分反転動作させる構成なので、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って確実に動作する多方向操作スイッチを実現できるものである。
【0048】
(実施の形態2)
図8は本発明の第2の実施の形態による多方向操作スイッチの側面断面図、図9は同分解斜視図である。
【0049】
本実施の形態による多方向操作スイッチは、上記実施の形態1によるものに対して、操作体を係合保持する部分の構成が異なるものであり、その他の構成は上記実施の形態1による多方向操作スイッチと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略し、上記の異なる点について説明する。
【0050】
すなわち、図8および図9に示す本実施の形態による多方向操作スイッチにおいて、絶縁樹脂からなる箱形のケース8の内底面の中央には円形の支柱8Aが設けられ、このケース8内に収容される弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点9および樹脂製の駆動体10には、支柱8Aを通すための貫通孔9Aおよび10Aがあけられていると共に、上方に伸びた支柱8Aの先端に対して操作体6の長円形の中央孔6Bが長手方向にスライド可能に係合している点が実施の形態1による多方向操作スイッチと異なるが、その他の部分は同じである。
【0051】
そして、この多方向操作スイッチの組立方法および動作も実施の形態1によるものと基本的に同じであるので詳しい説明は省略するが、上記のような構成とすることにより、本多方向操作スイッチを組み立てる際の、ケース8に対する円形ドーム状可動接点9、駆動体10および操作体6の位置決めがより確実となるために組立作業性を容易に向上させることができると共に、操作体6を揺動操作および押圧操作する時の、操作体6の中央孔6Bの支持が安定しているので、より確実な動作をさせるようにできるものである。
【0052】
なお、以上の実施の形態1および2の説明において、円形ドーム状可動接点は弾性金属薄板製であるとして説明したが、これを弾性を有する絶縁樹脂で形成し、下面に導電層を設けたものとすることによって、円形ドーム状可動接点の節度感を伴った部分反転動作時の音が小さくできて、操作時に節度感はあるが動作音を規制した多方向操作スイッチとすることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図
【図2】同側面断面図
【図3】図1のP−P線における断面図
【図4】同分解斜視図
【図5】同外観斜視図
【図6】(a)同揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)図6(a)のQ−Q線における断面図
【図7】(a)同押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)図7(a)のR−R線における断面図
【図8】本発明の第2の実施の形態による多方向操作スイッチの側面断面図
【図9】同分解斜視図
【図10】従来の多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図
【図11】同分解斜視図
【図12】同要部である可動接点体を点線で示したケースの平面図
【図13】(a)同揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)同押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図
【符号の説明】
1,8 ケース
1A 窓部
1B 段部
1C 切欠き部
2 コモン固定接点
2A 第一固定接点
2B 第二固定接点
2C 第三固定接点
3 スイッチ端子
4,9 円形ドーム状可動接点
4A 外周下端
4B ドーム状部
5,10 駆動体
5A 第一押圧部
5B 第二押圧部
5C 第三押圧部
5D 第一傾斜部
5E 第二傾斜部
5F 第三傾斜部
5G 突起
5H,5I 角部
6 操作体
6A 操作部
6B 中央孔
6C 平板部
6D 第一当接部
6E 第二当接部
6F 第三当接部
6G 突部
7 カバー
7A 脚部
8A 支柱
9A,10A 貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてオーディオ機器、ゲーム機器、カーナビゲーションシステム等の各種電子機器の入力操作部等に使用され、操作部の揺動および押圧操作により駆動する多方向操作スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の多方向操作スイッチについて、図10〜図13を用いて説明する。
【0003】
図10は従来の多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図、図11は同分解斜視図であり、同図において、11は絶縁樹脂からなる上面開放の箱形のケースで、周囲壁の一部に窓部11Aを有すると共に、底面には、中央の円形支軸11Bを囲んで、窓部11A側にコモン固定接点12A、左右に第一および第二固定接点12Bおよび12C、窓部11Aと反対側に第三固定接点12D(いずれも、図10において、点線で囲んだ斜線で示す)がそれぞれ配設され、これらの固定接点12A〜12Dの各々と導通した四つのスイッチ端子が底面外周から突出している。
【0004】
そして、13は絶縁樹脂製の駆動体で、操作部13Aが窓部11Aから突出するようにケース11内に収容され、揺動操作および中立位置での押圧操作が可能なように、長円形の中央孔13Bを円形支軸11Bに支持されていると共に、下面には細幅のリング状で対称位置に二つの可動接点14A,14Bを有する弾性金属薄板製の可動接点体14を保持している。
【0005】
また、15は弾性金属線製の捩りコイルばねで、駆動体13の中央孔13Bを囲む保持溝13C内に収容されたコイル部両端のアーム部15A,15Bがケース11の段部11C,11Dに係止され、通常状態において、駆動体13が回動範囲の中間位置にあり、しかも操作部13Aが外方向に押された中立位置にあるように付勢しており、この状態において、可動接点体14の一方の可動接点14Aはコモン固定接点12Aに接触しているが、他方の可動接点14Bは第一固定接点12B、第二固定接点12Cおよび第三固定接点12Dの中間位置にあって、いずれの固定接点とも接触せず、いずれのスイッチ端子間も導通していない(可動接点体を点線で示したケースの平面図である図12参照)。
【0006】
なお、16は駆動体13、可動接点体14、捩りコイルばね15が収容されたケース11の上面の開口部を覆うカバーである。
【0007】
そして、この多方向スイッチの組立て方法は、まず、可動接点体14を駆動体13の下面にカシメ保持した後、捩りコイルばね15のコイル部を駆動体13上面の保持溝13C内に容れると共に、アーム部15A,15Bを撓ませながら駆動体13の係止部13D,13Eにそれぞれ引っ掛けて仮保持させる。
【0008】
次に、この状態の駆動体13を、操作部13Aをケース11の窓部11Aから突出させると共に中央孔13Bに円形支軸11Bを通すようにして、ケース11内に収容するのであるが、この時、捩りコイルばね15のアーム部15A,15Bの先端をケース11の段部11C,11Dに係止させる。
【0009】
最後に、ケース11上面の開口部をカバー16で覆うことにより、多方向スイッチとして完成する。
【0010】
以上のように構成された従来の多方向操作スイッチの動作は、図10に示す中立状態において、まず、図13(a)の揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース11から突出した駆動体13の操作部13Aに右方向への押し力を加えると、駆動体13は、捩りコイルばね15の付勢力に抗してアーム部15Aと15Bの間を押し縮めながら円形支軸11Bを支点として揺動し、その下面に保持された可動接点体14の可動接点14A,14Bはケース11底面上を弾接摺動して、可動接点14Aはコモン固定接点12A上を右方向へ動き、可動接点14Bは第一固定接点12B上へ移動することにより、コモン固定接点12Aと第一固定接点12Bの間が導通され、その信号は所定のスイッチ端子から導出される。
【0011】
そして、上記の操作部13Aに加える押し力を除くと、捩りコイルばね15の弾性復元力によって、駆動体13は元の図10の位置に戻り、再びいずれのスイッチ端子間も導通しない中立状態となる。
【0012】
同様に、操作部13Aに左方向への押し力を加えると、コモン固定接点12Aと第二固定接点12Cの間が導通される。
【0013】
また、図10の中立状態において、図13(b)の押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース11から突出した駆動体13の操作部13Aにケース11中心方向への押し力を加えると、駆動体13は捩りコイルばね15の付勢力に抗して円形支軸11Bに沿って長円形の中央孔13Bの長手方向に押し込まれ、可動接点体14の可動接点14Aはコモン固定接点12A上を下方へ動き、可動接点14Bは第三固定接点12D上へ移動することによって、コモン固定接点12Aと第三固定接点12Dの間が導通され、その信号は所定のスイッチ端子から導出される。
【0014】
そして、上記の操作部13Aに加える押し力を除くと、捩りコイルばね15の弾性復元力によって、駆動体13は元の図10の位置に戻り、再び何れのスイッチ端子間も導通しない中立状態となる。
【0015】
なお、以上のように操作部13Aに所定の方向の押し力を加えて動作させる際に、操作部13Aの根元部下面に設けられた突部13Fが、操作部13Aに右または左方向の押し力を加える時はケース11の周囲壁の外周に沿って動き、ケース11の中心方向への押し力を加える時はケース11の窓部11A中央の切欠き部11E内に入り込むように設定されており、この多方向操作スイッチの誤動作を防止している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の多方向操作スイッチにおいては、弾性金属線製の捩りコイルばね15および弾性金属薄板製で細幅の可動接点体14を使用するが、これらの構成部材は個片単体としての取扱い時に絡みや変形を生じ易く、また組立て時に、捩りコイルばね15は、駆動体13およびケース11に組み合わせる際に、アーム部15A,15Bを撓ませながら保持させる必要があるため、非常に手間がかかり自動組立化も難しいという課題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業に手間がかからず自動組立ても容易な多方向操作スイッチを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の多方向操作スイッチは、内底面にコモン固定接点と中間位置の第一〜第三固定接点を有するケースのコモン固定接点上に円形ドーム状可動接点を載せ、この上に、第一〜第三固定接点に対応した位置の下面に第一〜第三押圧部を有し、上面に第一〜第三傾斜部を有する駆動体を載せ、さらにこの上に、各傾斜部に当接して中立位置にあるように付勢される第一〜第三当接部およびケースの窓部から突出する操作部を有する操作体を載せたものである。
【0019】
これにより、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易な多方向操作スイッチを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点と、上面開放で周囲壁の一部に窓部を有すると共に、上記円形ドーム状可動接点の外周下端が載ったコモン固定接点および上記円形ドーム状可動接点の中心と外周の中間位置の、上記円形ドーム状可動接点の中心と上記窓部を結ぶ中心線両側の第一、第二固定接点ならびに上記中心線上で窓部と反対側の第三固定接点を内底面に有した絶縁樹脂製のケースと、このケースの周囲壁により回転はしないが傾倒可能に支持されて上記円形ドーム状可動接点上に載せられ、下面の上記第一〜第三固定接点に対応した位置に第一〜第三押圧部をそれぞれ有し、上面の上記第一、第二押圧部に対応した位置には互いに対向する方向に傾斜した第一、第二傾斜部を、上記第三押圧部に対応した位置には上記窓部側が低くなった第三傾斜部をそれぞれ有する駆動体と、この駆動体上面中央の突起に、上記中心線の方向に長くなった中央孔が長手方向にスライド可能に係合して上記駆動体上に載り、上記駆動体の第一〜第三傾斜部それぞれに下面の第一〜第三当接部が当接することにより中立位置にあるように付勢されると共に、上記ケースの窓部から突出した操作部を一体に有する操作体と、この操作体が浮き上がらないように、上記ケース上面の開口部を覆うカバーからなる多方向操作スイッチとしたものであり、操作部に対して所定操作をすることにより、駆動体の各傾斜部と操作体の各当接部を介して弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点を部分反転動作させて所定の固定接点間を導通させることができるものが得られると共に、その構成部材の取扱い時にも絡みや変形が生じ難く、組立作業が簡単で自動組立ても容易な節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを実現できるという作用を有する。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第三傾斜部の勾配を第一および第二傾斜部の勾配よりもきつくしたものであり、操作部の揺動操作によりコモン固定接点と第一または第二固定接点の間を導通させる時の動作力よりも、操作部の押圧操作によりコモン固定接点と第三固定接点の間を導通させる時の動作力を大きくすることができるので、操作部の揺動操作時にコモン固定接点と第三固定接点が導通してしまうという誤動作が発生し難くできるという作用を有する。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ケースの窓部から突出した操作体の操作部の、上記ケースの周囲壁外側位置に突部を設け、上記操作体が中立位置にある時の上記突部の位置に対応する上記窓部に、上記操作体が上記ケースの中心方向に動く際に上記突部が通る切欠き部を設けたものであり、操作体が中立位置にある時のみに押圧操作することができ、操作体を揺動させた状態においては操作部を押圧操作することができず、また操作部に押し力を加えて操作体を押し込んだ状態において操作部を揺動操作することができないので、誤操作を容易に防止することができるという作用を有する。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、ケース内底面の中央部に支柱を設け、円形ドーム状可動接点および駆動体に設けた中心の貫通孔を上下動可能に通過させると共に、中心線の方向に長い操作体の中央孔をスライド可能に係合させたものであり、操作部の揺動操作時および押圧操作時における操作体の動きが安定すると共に、組立て時のケースに対する駆動体および操作体の位置決めが安定するので、より組立作業が容易になるという作用を有する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、円形ドーム状可動接点を絶縁樹脂製とし、少なくとも下面に導電層を設けたものであり、円形ドーム状可動接点の節度感を伴った部分反転動作時の音が小さくできて、スイッチ操作時の動作音を規制できるという作用を有する。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図、図2は同側面断面図、図3は図1のP−P線における断面図、図4は同分解斜視図、図5は同外観斜視図である。
【0027】
同図において、1は絶縁樹脂からなる凹部を有する上面開放の箱形のケースで、周囲壁の一部に窓部1Aを有すると共に、凹部の内底面の外周二箇所にコモン固定接点2を有し、凹部の中心と外周の中間位置には、上記中心と窓部1Aを結ぶ中心線を挟んで両側に第一固定接点2Aおよび第二固定接点2B、さらにこの中心線上で窓部1Aと反対側に第三固定接点2Cをそれぞれ有しており、図1に示すように、これらの各接点と導通した五つのスイッチ端子3が底面外側から突出している。
【0028】
そして、4は弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点(以下、可動接点4と記載する。)で、ケース1の凹部と中心位置を一致させるように外周下端4Aがコモン固定接点2上に載せられてケース1内に収容され、通常状態においては、ドーム状部4Bの下面は、図2および図3に示すように、第一固定接点2A、第二固定接点2Bおよび第三固定接点2Cと所定の絶縁間隔を保っている。
【0029】
この可動接点4の上に載せられた5は樹脂製の駆動体で、ケース1の凹部の内周壁により回転はしないが傾倒可能に支持され、図2および図3に示すように、その下面には、上記の第一固定接点2A〜第三固定接点2Cのそれぞれに対応した位置に第一押圧部5A〜第三押圧部5Cとしての角部をそれぞれ有しており、また上面には、第一押圧部5A、第二押圧部5Bに対応した位置に、互いに中央側が低くなるように対向配置された第一傾斜部5D、第二傾斜部5Eを、第三押圧部5Cに対応した位置に、ケース1の窓部1A側が低くなった第三傾斜部5Fをそれぞれ有している。
【0030】
この駆動体5の上に載せられた6は樹脂製の操作体で、ケース1の凹部中心と窓部1Aを結ぶ中心線に沿った平板状の先端が窓部1Aから突出して操作部6Aを形成すると共に、ケース1の凹部の中心部に対応する位置には中央孔6Bが設けられているが、この中央孔6Bは上記中心線の方向に長い長円形で、図1に示すように、駆動体5上面中央の円形の突起5Gと長手方向にスライド可能に係合している。
【0031】
そして、この操作体6の平板部6Cの下面には、上記駆動体5の第一傾斜部5D〜第三傾斜部5Fに対応した位置に円形断面の第一当接部6D〜第三当接部6Fを有しており、図2および図3に示すように、それぞれの当接部6D〜6Fが各傾斜部5D〜5Fの所定の位置に当接していると共に、浮き上がったりガタツキを生じたりしないように、ケース1上面の開口部を覆うカバー7により、操作体6の上面の位置は規制されている。
【0032】
これにより、操作体6は、平板部6C中間部下面の第一当接部6D、第二当接部6Eが互いに対向した方向の第一傾斜部5D、第二傾斜部5Eの二つの傾斜面に挟まれて、操作体6すなわち操作部6Aは揺動操作範囲の中間位置にあるように付勢されていると共に、平板部6C先端の第三当接部6Fがケース1の窓部1A側が低くなった第三傾斜部5Fに当接して、操作体6は窓部1A側すなわち操作部6Aが突出する方向に付勢されている。
【0033】
そして、この多方向操作スイッチの組立方法は、箱形のケース1に対して、上面の開口部から、まず可動接点4を挿入してコモン固定接点2上に載せ、次にこの上に駆動体5を、第一傾斜部5Dおよび第二傾斜部5Eのある側が窓部1A側となり突起5Gが上方となるように載せ、さらにこの上に操作体6を、操作部6Aがケース1の窓部1Aから突出すると共に中央孔6Bに駆動体5上面の突起5Gが係合するように載せ、最後にケース1の上面開口部を塞ぐようにカバー7を載せて、図5に示すように、カバー7の脚部7Aを内側に折り曲げてケース1の周囲壁外側の段部1Bに引掛けて止めることにより完成する。
【0034】
この多方向操作スイッチは、このように非常に簡単に組み立てることができ、自動組立て化も容易である。
【0035】
次に、以上のように構成されたこの多方向操作スイッチの動作について説明する。
【0036】
図1に示す中立状態において、まず図6(a)の揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース1の窓部1Aから突出した操作体6の操作部6Aに右方向への押し力を加えると、操作体6は駆動体5の円形の突起5Gを支点として揺動し、図6(a)のQ−Q線における断面図である同図(b)に矢印で示すように、その平板部6C下面の第一当接部6Dが駆動体5の第一傾斜部5Dを図6(b)において左方向に押しながら移動するため、駆動体5は上面側方の角部5Hを支点として傾くこととなり、第一傾斜部5D下面の第一押圧部5Aが、可動接点4のドーム状部4Bを下方に押して節度感を伴いながら部分反転動作させて下方の第一固定接点2Aに接触させる。
【0037】
これにより、可動接点4を介してコモン固定接点2と第一固定接点2Aの間は導通され、その信号は各接点と導通したスイッチ端子3から導出される。
【0038】
そして、操作部6Aに加える押し力を除くと、部分反転していた可動接点4が弾性復元力により元の円形ドーム形状に復帰することによって駆動体5は上方に押し戻され、駆動体5の第一傾斜部5Dが操作体6の第一当接部6Dを図6(b)における右方向へ押すことによって、操作体6は元の中立状態である図1の位置に復帰して通常状態に戻る。
【0039】
同様に、操作部6Aに左方向への押し力を加えると、コモン固定接点2と第二固定接点2Bの間が導通される。
【0040】
また、図1の中立状態において、図7(a)の押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図に矢印で示すように、ケース1から突出した操作部6Aにケース1の中心方向への押し力を加えると、操作体6は駆動体5の突起5Gに係合した長円形の中央孔6Bの長手方向に沿って押し込まれ、図7(a)のR−R線における断面図である同図(b)に矢印で示すように、その平板部6C先端の第三当接部6Fが駆動体5の第三傾斜部5Fを図7(b)において右方向に押しながら移動することとなり、駆動体5は上面前方の角部5Iを支点として傾き、第三傾斜部5F下面の第三押圧部5Cが、可動接点4のドーム状部4Bを部分的に下方へ押して節度感を伴いながら部分反転動作させて下方の第三固定接点2Cに接触させる。
【0041】
これにより、可動接点4を介してコモン固定接点2と第三固定接点2Cの間が導通され、その信号は各接点と導通したスイッチ端子3から導出される。
【0042】
そして、操作部6Aに加える押し力を除くと、可動接点4の弾性復元力によって駆動体5および操作体6は元の中立状態である図1の位置に復帰する。
【0043】
以上のように本実施の形態によれば、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを得ることができるものである。
【0044】
なお、上記の構成において、操作体6の第三当接部6Fが当接している駆動体5の第三傾斜部5Fの勾配を、操作体6の第一当接部6Dおよび第二当接部6Eが当接している駆動体5の第一傾斜部5Dおよび第二傾斜部5Eの勾配よりもきつく設定しておくことによって、操作部6Aを押圧操作してコモン固定接点2と第三固定接点2Cとの間を導通させる時の動作力を、操作部6Aを右方向または左方向に揺動操作してコモン固定接点2と第一固定接点2Aまたは第二固定接点2Bと導通させる時の動作力よりも大きくすることができ、操作部6Aの揺動操作時にコモン固定接点2と第三固定接点2Cが導通してしまうという誤動作を起こり難くすることができる。
【0045】
そして、駆動体5の第一傾斜部5Dと第二傾斜部5Eの勾配は必ずしも同じにしておく必要はなく、両者の勾配を変えることによって、操作部6Aを右および左方向に揺動操作する時の操作力に差をつけることもできるものである。
【0046】
また、操作体6の操作部6Aの根元部下面に設けた突部6Gは、図6(a)に示すように、操作部6Aに右または左方向の押し力を加えて揺動操作する時はケース1の周囲壁の外周に沿って動き、図7(a)に示すように、操作部6Aにケース1の中心方向への押し力を加えて押圧操作する時には、ケース1の窓部1A中央の切欠き部1C内に入り込むように設定されており、この多方向操作スイッチの誤動作を防止するためのものである。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、駆動体5の各傾斜部5D〜5Fと操作体6の各当接部6D〜6Fを介して円形ドーム状可動接点4を部分反転動作させる構成なので、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って確実に動作する多方向操作スイッチを実現できるものである。
【0048】
(実施の形態2)
図8は本発明の第2の実施の形態による多方向操作スイッチの側面断面図、図9は同分解斜視図である。
【0049】
本実施の形態による多方向操作スイッチは、上記実施の形態1によるものに対して、操作体を係合保持する部分の構成が異なるものであり、その他の構成は上記実施の形態1による多方向操作スイッチと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略し、上記の異なる点について説明する。
【0050】
すなわち、図8および図9に示す本実施の形態による多方向操作スイッチにおいて、絶縁樹脂からなる箱形のケース8の内底面の中央には円形の支柱8Aが設けられ、このケース8内に収容される弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点9および樹脂製の駆動体10には、支柱8Aを通すための貫通孔9Aおよび10Aがあけられていると共に、上方に伸びた支柱8Aの先端に対して操作体6の長円形の中央孔6Bが長手方向にスライド可能に係合している点が実施の形態1による多方向操作スイッチと異なるが、その他の部分は同じである。
【0051】
そして、この多方向操作スイッチの組立方法および動作も実施の形態1によるものと基本的に同じであるので詳しい説明は省略するが、上記のような構成とすることにより、本多方向操作スイッチを組み立てる際の、ケース8に対する円形ドーム状可動接点9、駆動体10および操作体6の位置決めがより確実となるために組立作業性を容易に向上させることができると共に、操作体6を揺動操作および押圧操作する時の、操作体6の中央孔6Bの支持が安定しているので、より確実な動作をさせるようにできるものである。
【0052】
なお、以上の実施の形態1および2の説明において、円形ドーム状可動接点は弾性金属薄板製であるとして説明したが、これを弾性を有する絶縁樹脂で形成し、下面に導電層を設けたものとすることによって、円形ドーム状可動接点の節度感を伴った部分反転動作時の音が小さくできて、操作時に節度感はあるが動作音を規制した多方向操作スイッチとすることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、構成部材の取扱い時に絡みや変形が生じ難く、また組立作業が簡単で自動組立ても容易であると共に、節度感を伴って動作する多方向操作スイッチを実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図
【図2】同側面断面図
【図3】図1のP−P線における断面図
【図4】同分解斜視図
【図5】同外観斜視図
【図6】(a)同揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)図6(a)のQ−Q線における断面図
【図7】(a)同押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)図7(a)のR−R線における断面図
【図8】本発明の第2の実施の形態による多方向操作スイッチの側面断面図
【図9】同分解斜視図
【図10】従来の多方向操作スイッチのカバーを取除いた状態の平面図
【図11】同分解斜視図
【図12】同要部である可動接点体を点線で示したケースの平面図
【図13】(a)同揺動操作時のカバーを取除いた状態の平面図
(b)同押圧操作時のカバーを取除いた状態の平面図
【符号の説明】
1,8 ケース
1A 窓部
1B 段部
1C 切欠き部
2 コモン固定接点
2A 第一固定接点
2B 第二固定接点
2C 第三固定接点
3 スイッチ端子
4,9 円形ドーム状可動接点
4A 外周下端
4B ドーム状部
5,10 駆動体
5A 第一押圧部
5B 第二押圧部
5C 第三押圧部
5D 第一傾斜部
5E 第二傾斜部
5F 第三傾斜部
5G 突起
5H,5I 角部
6 操作体
6A 操作部
6B 中央孔
6C 平板部
6D 第一当接部
6E 第二当接部
6F 第三当接部
6G 突部
7 カバー
7A 脚部
8A 支柱
9A,10A 貫通孔
Claims (5)
- 弾性金属薄板製の円形ドーム状可動接点と、上面開放で周囲壁の一部に窓部を有すると共に、上記円形ドーム状可動接点の外周下端が載ったコモン固定接点および上記円形ドーム状可動接点の中心と外周の中間位置の、上記円形ドーム状可動接点の中心と上記窓部を結ぶ中心線両側の第一、第二固定接点ならびに上記中心線上で窓部と反対側の第三固定接点を内底面に有した絶縁樹脂製のケースと、このケースの周囲壁により回転はしないが傾倒可能に支持されて上記円形ドーム状可動接点上に載せられ、下面の上記第一〜第三固定接点に対応した位置に第一〜第三押圧部をそれぞれ有し、上面の上記第一、第二押圧部に対応した位置には互いに対向する方向に傾斜した第一、第二傾斜部を、上記第三押圧部に対応した位置には上記窓部側が低くなった第三傾斜部をそれぞれ有する駆動体と、この駆動体上面中央の突起に、上記中心線の方向に長くなった中央孔が長手方向にスライド可能に係合して上記駆動体上に載り、上記駆動体の第一〜第三傾斜部それぞれに下面の第一〜第三当接部が当接することにより中立位置にあるように付勢されると共に、上記ケースの窓部から突出した操作部を一体に有する操作体と、この操作体が浮き上がらないように、上記ケース上面の開口部を覆うカバーからなる多方向操作スイッチ。
- 第三傾斜部の勾配を第一および第二傾斜部の勾配よりもきつくした請求項1記載の多方向操作スイッチ。
- ケースの窓部から突出した操作体の操作部の、上記ケースの周囲壁外側位置に突部を設け、上記操作体が中立位置にある時の上記突部の位置に対応する上記窓部に、上記操作体が上記ケースの中心方向に動く際に上記突部が通る切欠き部を設けた請求項1または2に記載の多方向操作スイッチ。
- ケース内底面の中央部に支柱を設け、円形ドーム状可動接点および駆動体に設けた中心の貫通孔を上下動可能に通過させると共に、中心線の方向に長い操作体の中央孔をスライド可能に係合させた請求項1〜3のいずれか一つに記載の多方向操作スイッチ。
- 円形ドーム状可動接点を絶縁樹脂製とし、少なくとも下面に導電層を設けた請求項1〜4のいずれか一つに記載の多方向操作スイッチ。
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