JP3849311B2 - 燃料残量計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を計測する燃料残量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図11に示したように、ガソリンエンジン搭載車等の自動車に搭載された燃料タンク101内には、エンジン102に液体燃料を噴射する複数個の燃料噴射弁103が装着された燃料分岐管104へ燃料タンク101内の液体燃料(例えばガソリン)を圧送する1個以上の燃料ポンプ105が配設されている。そして、複数個の燃料噴射弁103および燃料ポンプ105は、エンジン102の運転状態に応じてエンジンECU106により液体燃料の供給圧力、液体燃料の噴射量や噴射時期等が自動コントロールされている。
【0003】
ここで、従来より、自動車の乗員は、燃料残量計測装置100により計測された液体燃料の残量を表示する視覚表示手段としての燃料残量計(フューエルメータ)111を見て燃料タンク101内の液体燃料の残量を認識している。その燃料残量計測装置100は、燃料タンク101の形状に応じて1個以上配されるレベルゲージ107を備え、このレベルゲージ107からの電気信号に応じて燃料残量計111が表示するようになっている。なお、レベルゲージ107に設けられる摺動抵抗は、燃料タンク101内の液体燃料の液面の変化により動くフロート108にフロートアーム109を介して連結されており、フロート108の移動により電気抵抗値が変化するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、自動車への搭載上の制約から燃料タンク101の形状は、偏平化したり、図11に示したように複雑化したりする傾向にある。この結果、従来の燃料残量計測装置100においては、燃料タンク101内に残っている液体燃料の残量の計測精度が単純な形状の燃料タンク内の液体燃料の残量を計測するものに対して非常に低下するという問題が生じている。
【0005】
また、燃料タンク101の形状が複雑化することによって、図11に示したように、レベルゲージ107を2個以上燃料タンク101内に設置する必要があり、更に燃料タンク101の形状が複雑化すると、レベルゲージ107の個数を更に増加させる必要がある。この結果、燃料残量計測装置100を構成する構成部品の部品点数が更に増加することによって燃料残量計測装置100の製品価格の増加が危惧されている。
【0006】
そして、燃料タンク101の形状が更に偏平化されたり、あるいは更に複雑化されると、レベルゲージ107をその燃料タンク101内に設置することが非常に困難となり、燃料タンク101内の液体燃料の残量を計測することができなくなる。この結果、レベルゲージ107を使用することなく、燃料タンク101内の液体燃料の残量を計測することが可能な燃料残量計測装置の出現が期待されている。
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、レベルゲージ等の液体燃料の液面変化を検出するセンサを利用することなく、且つ燃料タンクの形状が偏平化または複雑化されていても、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を計測することのできる燃料残量計測装置を提供することにある。さらに、液体燃料の残量を精度良く計測することのできる燃料残量計測装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、燃料残量記憶手段にて記憶された液体燃料の残量、給油量計測手段にて計測された液体燃料の給油量、噴射量演算手段にて算出された液体燃料の噴射量、および補正係数演算手段にて算出された燃料残量補正係数から、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を求めることにより、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を精度良く計測することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、燃料残量演算手段によって燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を求める際に、パージ量演算手段にて算出される燃料タンク内で揮発した蒸発燃料を内燃機関等にパージしたパージ量も考慮して液体燃料の残量を計測することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、設定残量検出手段にて液体燃料の残量が設定残量に到達したことを検出した場合には、燃料残量演算手段にて算出された液体燃料の残量を設定残量と一致させるように液体燃料の残量を自己補正することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図7は本発明の第1実施例を示したもので、図1は自動車の燃料配管系を示した図である。
【0012】
本実施例の自動車用の燃料残量計測装置1は、ガソリンエンジン(以下エンジンと略す)2の吸気管(インテークマニホールド)3内に液体燃料(例えばガソリン等の高揮発燃料)を噴射する燃料噴射装置4を備えている。そして、燃料残量計測装置1は、自動車に給油される液体燃料の給油量を計測する給油量センサ5と、液体燃料の残量を表示する燃料残量計(以下フューエルメータと呼ぶ)6と、給油量センサ5の出力信号等から液体燃料の残量を計測してフューエルメータ6を作動させる制御回路7とを備えている。
【0013】
エンジン2は、本発明の内燃機関に相当するもので、ガソリンエンジン搭載車等の自動車の進行方向の前方側に設けられるエンジンルーム内に搭載されている。このエンジン2の吸気管3内には、アクセルペダル(図示せず)に連動して開閉動作するスロットルバルブ9が設けられている。そして、エンジン2の吸気管3は、エンジン2のシリンダとピストンとの間に形成される燃焼室(図示せず)に接続されている。さらに、その燃焼室は、排気ガスを排出するための排気管10と接続されている。
【0014】
先ず、本実施例の燃料噴射装置4を図1に基づいて簡単に説明する。
この燃料噴射装置4は、液体燃料を収納する燃料タンク11、この燃料タンク11内の液体燃料を吸気管3に加圧供給する燃料ポンプ12、エンジン2の吸気管3に設けられた燃料分岐管13、この燃料分岐管13内に挿入された複数個の燃料噴射弁(インジェクタ)14、および燃料ポンプ12と燃料分岐管13とを連通する燃料通路を形成する燃料配管15等から構成され、燃料ポンプ12および各燃料噴射弁14はエンジン制御装置(以下エンジンECUと言う)8により電子制御される。
【0015】
燃料タンク11は、自動車のリヤシートの下側に搭載され、内部が仕切り部17を介して2個の貯留室18、19に区画されている。そして、燃料タンク11の側方には、内部に燃料給油通路20を形成する略円管形状のフィラーネック21が貯留室18より上方へ斜めに延びるように設けられている。フィラーネック21の先端には、液体燃料を燃料タンク11内に給油するための給油口22が形成されている。その給油口22は、フィラーキャップ23をフィラーネック21に締め込むことにより給油後に閉塞される。
【0016】
また、燃料タンク11の天井部分には、燃料タンク11内で揮発した蒸発燃料(エバポガス)を燃料蒸散防止装置(図示せず)を経てエンジン2の吸気管3に導入するためのパージ孔(図示せず)が形成されている。なお、燃料蒸散防止装置のパージ通路(図示せず)の途中には、蒸発燃料を吸着する吸着剤(例えば活性炭等)を内蔵したキャニスタ(図示せず)が設けられている。また、キャニスタとエンジン2の吸気管3とを連通するパージ通路の途中には、エンジン2の吸気管負圧に応じて蒸発燃料のパージ流量を制御するためのパージ制御弁(図示せず)等も取り付けられている。
【0017】
燃料ポンプ12は、燃料タンク11の天井部分に取り付けられた支持板24、この支持板24より垂下された支持部材25、およびこの支持部材25により貯留室18内に吊るされたポンプ本体26等から構成されている。ポンプ本体26は、液体燃料を燃料タンク11から吸い上げて燃料分岐管13に圧送するもので、エンジンECU8により印加電圧が制御される電動モータ等の電気式アクチュエータにより駆動されている。
【0018】
また、燃料分岐管13は、燃料ポンプ12から圧送されてきた液体燃料を各燃料噴射弁14に分配するもので、各燃料噴射弁14で使用されなかった液体燃料を燃料タンク11に戻すためのリターン通路(図示せず)が接続されている。そして、燃料噴射弁14は、吸気管3に取り付けられた燃料分岐管13内に収められ、エンジンECU8からの噴射信号に基づき、吸気管3の吸入ポート内に液体燃料を霧状に霧化して直接噴射する。
【0019】
次に、本実施例の給油量センサ5を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。ここで、図2および図3は燃料タンク11のフィラーネック21の途中に取り付けられた給油量センサ5を示した図である。
【0020】
この給油量センサ5は、後述する制御回路7と共に本発明の給油量計測手段を構成するもので、特に車両用燃料残量計のセンダ部を構成する部品である。そして、給油量センサ5は、燃料タンク11のフィラーネック21の途中に取り付けられたタービンホルダー27、このタービンホルダー27の外周に回転自在に支持されたタービンロータ31、およびこのタービンロータ31の回転数を検出する回転数検出回路32等から構成されている。
【0021】
タービンホルダー27は、上流側と下流側とに2分割されており、丸棒形状の支軸29により連結されており、それぞれの外周に複数枚の整流板33、34が一体的に設けられている。タービンロータ31は、燃料流れ方向に対してやや傾斜するように複数枚のタービン(羽根)35が一体的に設けられており、メタルベアリング28を介して支軸29の外周を回転自在に回転する。なお、30は、タービンロータ31を組み付ける際に支軸29を誘導するためのガイドである。そして、タービンロータ31は、燃料給油通路20内を通過する液体燃料が複数枚のタービン35に作用を及ぼすと、その液体燃料の流量に応じて回転する。
【0022】
回転数検出回路32は、フィラーネック21に固定されたピックアップコイル36にタービンロータ31が1回転する毎に1個または複数個の電気信号(矩形パルス信号)が発生するため、その電気信号の数をカウントすることにより、タービンロータ31の回転数を検出する。このため、回転数検出回路32から制御回路7に回転数信号が送られる。
【0023】
次に、本実施例のフューエルメータ6を図1および図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図4は自動車のフューエルメータ6を示した図である。
このフューエルメータ6は、特に車両用燃料残量計のレシーバ部を構成するアナログメータである。そして、フューエルメータ6は、自動車のインストルメントパネルに装着された計器盤37の意匠を伴って、燃料タンク11内に残されている液体燃料の残量を視覚表示する視覚表示手段である。液体燃料の残量は、制御回路7からの駆動信号に応じて交差コイル式の指示計器(図示せず)が作動し指針38を回動させることによって、指針38の停止位置により表示される。
【0024】
次に、本実施例の制御回路7を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図5はタービンロータの回転数と給油量との関係を示した特性図である。この制御回路7は、本発明の燃料残量記憶手段、給油量計測手段、噴射量演算手段、補正係数演算手段、パージ量演算手段、燃料残量演算手段、燃料残量補正手段に相当するもので、燃料残量計測システム用の電子回路を構成する。なお、制御回路7は、それ自体はCPU、ROM、RAMやタイマー回路を内蔵したマイクロコンピュータである。
【0025】
そして、制御回路7は、例えば燃料ポンプ12のポンプ本体26に装着されており、常時バッテリ(図示せず)から電源が供給されて作動する。さらに、制御回路7は、給油量センサ5より入力した回転数信号、F3/4スイッチ(サーミスタスイッチ)41より入力した電気信号および特性図(図5参照)に基づいて、燃料タンク11内に給油される液体燃料の給油量を計測する。そして、制御回路7は、ROMに予め記憶された制御プログラムに基づいて、フューエルメータ6の駆動信号をエンジンECU8に送信する。
【0026】
F3/4スイッチ41は、本発明の設定残量検出手段に相当する部品で、燃料タンク11内の液体燃料の残量が上限値(以下満タンと言う)の3/4(例えば45リットル)以上の時に電気信号を出力する上限残量検出手段である。具体的には、F3/4スイッチ41としてサーミスタが使用され、燃料タンク11内の液体燃料が満タンの3/4となる位置に固定されている。
【0027】
そして、燃料タンク11内の液体燃料が満タンの3/4になると液体燃料内にサーミスタが浸ってサーミスタの温度が低下することによりサーミスタの電気抵抗値が大きくなる。したがって、液体燃料を給油した際に、最初にサーミスタの電気抵抗値が大きくなった時を検知することにより、燃料タンク11内の液体燃料の残量が満タンの3/4(例えば45リットル)になったことを検出できる。
【0028】
エンジンECU8は、エンジン2およびフューエルメータ6をコンピュータ制御するエンジン制御システム用およびメータ制御システム用の電子回路で、それ自体はCPU、ROM、RAMやタイマー回路を内蔵したマイクロコンピュータである。このエンジンECU8は、エンジン回転速度センサ、車速センサ、スロットル開度センサ、吸気量センサ、冷却水温センサおよび酸素センサ(いずれも図示せず)等の各センサからエンジン2の運転状態を検出する検出信号および制御回路7からフューエルメータ6の駆動信号を入力する。
【0029】
そして、エンジンECU8は、各センサより入力した検出信号、制御回路7より入力した駆動信号、およびROMに予め記憶された制御プログラムに基づいて、エンジン2のアイドル回転速度制御、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、吸気絞り制御、空燃比フィードバック制御および点火時期制御等のエンジン制御を行うと共に、制御回路7の制御処理に必要な信号を制御回路7に送信する。
【0030】
〔第1実施例の燃料残量計測方法〕
次に、本実施例の燃料残量計測方法を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図6および図7は制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである。なお、図6および図7のフローチャートは一定時間(例えば0.5秒間〜2秒間)が経過する毎に実行される。
【0031】
先ず、制御回路7に車載電源(バッテリ)から電力が供給されると、図6および図7のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定が行われる。例えばFLAGA=1、FLAGB=0、FLAGC=1とする。
【0032】
次に、給油量センサ5の回転数検出回路32からタービンロータ31の回転数(NFUEL)信号を読み込む(ステップS1)。
次に、給油量センサ5のタービンロータ31が回転しているか否かを判定する。すなわち、タービンロータ31の回転数(NFUEL)が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がYESの場合には、燃料タンク11内への給油が始まったか否かを判定する。すなわち、FLAGA=1であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定結果がNOの場合には、ステップS11に進む。
【0033】
また、ステップS3の判定結果がYESの場合には、現在の液体燃料の残量(FLVL)を、給油開始前残油量(FLVLLOW)とし、記憶を更新する(ステップS4)。
【0034】
次に、FLAGAを0とする(ステップS5)。その後に、ステップS11に進む。
また、ステップS2の判定結果がNOの場合には、FLAGAを1とする(ステップS8)。その後に、ステップS11に進む。
【0035】
次に、タービンロータ31の回転数(NFUEL)および特性図(図5参照)に基づいて、燃料タンク11内に給油された液体燃料の給油量(QFUEL)を算出する。具体的には、タービンロータ31の回転数(NFUEL)と単位時間とから燃料タンク11内に給油された液体燃料の給油量(QFUEL)を算出する(給油量計測手段:ステップS11)。
【0036】
次に、下記の数1の式に基づいて液体燃料の残量(FLVL)を算出する。すなわち、RAMに記憶されている、燃料タンク11内の液体燃料の残量(FLVL)とステップS11で算出した液体燃料の給油量(QFUEL)とを加算したものを、液体燃料の残量(FLVL)とし、記憶を更新する(第1燃料残量演算手段:ステップS12)。
【数1】
FLVL=FLVL+QFUEL
【0037】
次に、下記の数2の式に基づいて、複数個の燃料噴射弁14から吸気管3内に噴射される液体燃料の噴射量(FINJ)を算出する(噴射量演算手段:ステップS13)。なお、液体燃料の噴射量は、センサ等を設けて実際の噴射量を測定したり、空燃比から算出しても良い。
【数2】
FINJ=K×NE×TAU
【0038】
ここで、NEはエンジン回転速度、TAUは噴射パルス、Kは変換係数である。
【0039】
そして、燃料タンク11内に残された液体燃料は、燃料タンク11が高温化されると、揮発して蒸発燃料となる。そこで、下記の数3の式に基づいて、燃料タンク11内で揮発した蒸発燃料が吸気管負圧によって吸気管3内にパージされる蒸発燃料のパージ量(FPRG)を算出する(パージ量演算手段:ステップS14)。なお、蒸発燃料のパージ量は、センサ等を設けて実際のパージ量を測定しても良い。
【数3】
FPRG=C×DPRG×QPRG
【0040】
ここで、DPRGは蒸発燃料の濃度(パージガス濃度)、QPRGは液体燃料からの揮発量(パージガス量)、Cは変換係数である。
【0041】
次に、下記の数4の式に基づいて液体燃料の残量(FLVL)を算出する。すなわち、ステップS12で算出した液体燃料の残量(FLVL)からステップS13で算出した液体燃料の噴射量(FINJ)およびステップS14で算出した蒸発燃料のパージ量(FPRG)を減算したものを、現在の液体燃料の残量(FLVL)とし、記憶を更新する(燃料残量演算手段:ステップS15)。
【0042】
【数4】
FLVL=FLVL−(1+Cf)×(FINJ+FPRG)
ここで、CfはステップS20で求められる、液体燃料の残量計測の精度を高めるための燃料残量補正係数である。
【0043】
次に、F3/4スイッチ41がON(オン)、すなわち、最初にサーミスタの電気抵抗値が大きくなったか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果がNOの場合には、FLAGCを1とする(ステップS17)。次に、フューエルメータ6の指示計器の交差コイルに液体燃料の残量に応じた駆動信号を出力し(ステップS18)、その後にリターンする。
【0044】
また、ステップS16の判定結果がYESの場合には、FLAGC=1であるか否かを判定する(ステップS19)。この判定結果がNOの場合には、ステップS18に進む。
また、ステップS19の判定結果がYESの場合には、下記の数5の式に基づいて燃料残量補正係数(Cf)を算出する(ステップS20)。
【数5】
【0045】
ここで、QF3/4はF3/4スイッチ41の固定位置で決まる設定残油量(例えば45リットル)、QFUELは給油量、FLVLLOWは給油開始前残油量である。なお、数5の式の分母として、{設定残油量(F3/4スイッチ41の固定位置)−給油開始前残量}の代わりに、消費量を使用しても良い。また、Cfはシステム公差よりも小さな値となるようにガードを設ける。
【0046】
次に、設定残油量QF3/4(例えば45リットル)を現在の液体燃料の残量(FLVL)とするようにFLVLを補正し、記憶を更新する(燃料残量補正手段:ステップS21)。次に、FLAGCを0とする(ステップS22)。その後に、ステップS18に進む。
【0047】
〔第1実施例の効果〕
以上のように、本実施例の燃料残量計測装置1は、図1に示したように、自動車への搭載上の制約から燃料タンク11の形状が複雑化または偏平化されていても、燃料残量補正係数を用いた制御回路7の演算処理によって燃料タンク11内の液体燃料の残量を精度良く計測することができる。
また、燃料給油時には、車両が傾いていることがないため、前回給油量と今回給油量との差で補正精度を向上させることができる。
これにより、レベルゲージ等の液体燃料の液面変化を検出するセンサを利用することなく、燃料タンク11内の液体燃料の残量を計測できるので、燃料残量計測装置1を構成する構成部品の部品点数、特にセンサの部品点数を軽減することができ、燃料残量計測装置1の製品価格を低減することができる。
【0048】
また、燃料タンク11内の液体燃料の残量を算出する際に、燃料タンク11内で揮発した蒸発燃料を吸気管3内にパージしたパージ量も考慮して、燃料タンク11内の液体燃料の残量を求めるようにしているので、燃料タンク11内の液体燃料の残量を更に精度良く計測することができる。そして、計測された液体燃料の残量がフューエルメータ6により視覚表示されるので、使用者が燃料タンク11内に残されている液体燃料の残量を確認することができ、自動車の走行可能距離を知ることができる。
【0049】
そして、本実施例の燃料残量計測装置1は、燃料タンク11内の液体燃料の残量を計測している際中に、F3/4スイッチ41がONした場合には、算出された液体燃料の残量を満タンの3/4と一致させるように液体燃料の残量を自動的に自己補正することができるので、燃料タンク11内に残されている液体燃料の残量の計測精度を向上することができる。
【0050】
〔第2実施例〕
図8は本発明の第2実施例を示したもので、自動車のフューエルメータを示した図である。
【0051】
本実施例のフューエルメータ6は、本発明の燃料残量表示手段に相当するもので、特に車両用燃料残量計のレシーバ部を構成するディジタルメータである。そして、フューエルメータ6は、自動車のインストルメントパネルに装着された計器盤44中のランプ45の点灯数によって、燃料タンク11内の液体燃料の残量を視覚表示する視覚表示手段である。
【0052】
〔第3実施例〕
図9および図10は本発明の第3実施例を示したもので、図9および図10は制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである。なお、図9および図10のフローチャートは一定時間(例えば0.5秒間〜2秒間)が経過する毎に実行される。
【0053】
図7および図8のフローチャートと同一の制御処理は同番号を付し、説明を省略する。ステップS5の制御処理の後に、FLAGBを1とする(ステップS6)。その後に、ステップS11に進む。
【0054】
また、ステップS2の判定結果がNOの場合には、燃料タンク11内への給油が終了したか否かを判定する。すなわち、FLAGB=1であるか否かを判定する(ステップS7)。この判定結果がNOの場合には、ステップS8に進む。
【0055】
また、ステップS7の判定結果がYESの場合には、現在の液体燃料の残量(FLVL)を、給油終了後残油量(FLVLMAX)とし、記憶を更新する(ステップS9)。次に、FLAGBを0とする(ステップS10)。その後に、ステップS11に進む。
【0056】
また、ステップS19の判定結果がYESの場合には、下記の数6の式に基づいて燃料残量補正係数(Cf)を算出する(ステップS23)。その後、ステップS21に進む。
【数6】
ここで、QF3/4はF3/4スイッチ41の固定位置で決まる設定残油量(例えば45リットル)、FLVLMAXはステップS9で更新される給油終了後残油量、QFUELは給油量、FLVLLOWは給油開始前残油量である。
【0057】
〔変形例〕
本実施例では、燃料タンク11内の液体燃料の残量を視覚表示する視覚表示手段としてのフューエルメータ6を設けたが、燃料タンク11内の液体燃料の残量を聴覚表示する聴覚表示手段としての音声発生装置を設けても良い。
【0058】
本実施例では、本発明を、ガソリンエンジン搭載車等の自動車の燃料残量計測装置1の例を示したが、本発明を、ディーゼルエンジン搭載車等の自動車、航空機や船舶の燃料残量計測装置に利用しても良い。また、自家発電用または公共用の発電機を駆動する定置式の内燃機関の燃料残量計測装置に本発明を適用しても良い。
本実施例では、給油量センサ5および制御回路7により給油量計測手段を構成したが、その他の流量センサのみを利用して給油量計測手段を構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の燃料配管系を示した構成図である(第1実施例)。
【図2】給油量センサを示した斜視図である(第1実施例)。
【図3】給油量センサを示した断面図である(第1実施例)。
【図4】自動車のフューエルメータを示した平面図である(第1実施例)。
【図5】タービンロータの回転数と給油量との関係を示した特性図である(第1実施例)。
【図6】制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである(第1実施例)。
【図7】制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである(第1実施例)。
【図8】自動車のフューエルメータを示した平面図である(第2実施例)。
【図9】制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである(第3実施例)。
【図10】制御回路による燃料残量計測方法を示したフローチャートである(第3実施例)。
【図11】自動車の燃料配管系を示した構成図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 燃料残量計測装置
2 エンジン(内燃機関)
3 吸気管
4 燃料噴射装置
5 給油量センサ(給油量計測手段)
7 制御回路(燃料残量記憶手段、給油量計測手段、噴射量演算手段、補正係数演算手段、パージ量演算手段、燃料残量演算手段、燃料残量補正手段)
11 燃料タンク
12 燃料ポンプ
14 燃料噴射弁(インジェクタ)
20 燃料給油通路
41 F3/4スイッチ(設定残量検出手段)
Claims (4)
- (a)内燃機関に供給する液体燃料を溜める燃料タンクと、
(b)この燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を記憶する燃料残量記憶手段と、
(c)前記燃料タンク内に給油される液体燃料の給油量を計測する給油量計測手段と、
(d)前記内燃機関内に噴射される液体燃料の噴射量を算出する噴射量演算手段と、
(e)予め決められた設定残油量、および前記燃料残量記憶手段にて記憶された液体燃料の残量に基づいて、燃料残量の計測精度を高めるための燃料残量補正係数を算出する補正係数演算手段と、
(f)前記燃料残量記憶手段にて記憶された液体燃料の残量、前記給油量計測手段にて計測された液体燃料の給油量、前記噴射量演算手段にて算出された液体燃料の噴射量、および前記補正係数演算手段にて算出された燃料残量補正係数に基づいて、前記燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出すると共に、この液体燃料の残量を前記燃料残量記憶手段に記憶させる燃料残量演算手段と
を備えた燃料残量計測装置。 - 請求項1に記載の燃料残量計測装置において、
前記燃料残量補正係数は、燃料残量補正係数をCf、設定残油量をQα、給油量をQFUEL、および給油開始前残油量をFLVLLOWとしたとき、
Cf={Qα−(QFUEL+FLVLLOW)}/(Qα−FLVLLOW)
の式より算出されることを特徴とする燃料残量計測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料残量計測装置において、
前記燃料タンク内で揮発する蒸発燃料のパージ量を算出するパージ量演算手段を備え、
前記燃料残量演算手段は、前記パージ量演算手段にて算出された蒸発燃料のパージ量に基づいて、前記燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出することを特徴とする燃料残量計測装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の燃料残量計測装置において、
前記燃料タンク内に残された液体燃料の残量が設定残量に到達したことを検出する設定残量検出手段と、
この設定残量検出手段にて液体燃料の残量が設定残量に到達したことを検出した際に、前記燃料残量演算手段にて算出された液体燃料の残量を設定残量と一致させるように液体燃料の残量を補正する燃料残量補正手段と
を備えたことを特徴とする燃料残量計測装置。
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