JP3885384B2 - 燃料残量計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を精度良く計測する燃料残量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図7に示したように、自動車に搭載された燃料タンク101内には、エンジン102に液体燃料を噴射する複数個の燃料噴射弁(インジェクタ)103が装着された燃料分岐管104へ燃料タンク101内の液体燃料(例えばガソリン)を圧送する1個以上の燃料ポンプ105が配設されている。そして、複数個のインジェクタ103および燃料ポンプ105は、エンジン102の運転状態に応じてエンジンECU106により液体燃料の供給圧力、液体燃料の噴射量や噴射時期等が自動コントロールされている。
【0003】
ここで、従来より、自動車の乗員は、燃料残量計測装置100により計測された液体燃料の残量を表示する視覚表示手段としての燃料残量計(フューエルメータ)111を見て燃料タンク101内の液体燃料の残量を認識している。その燃料残量計測装置100は、燃料タンク101の形状に応じて1個以上配されるレベルゲージ107を備え、このレベルゲージ107からの電気信号に応じてフューエルメータ111が液体燃料の残量を表示するように構成されている。
【0004】
なお、レベルゲージ107に設けられる摺動抵抗は、燃料タンク101内の液体燃料の液面の変化により動くフロート108にフロートアーム109を介して連結されており、フロート108の移動により電気抵抗値が変化するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、自動車への搭載上の制約から燃料タンク101の形状は、偏平化したり、図7に示したように複雑化したりする傾向にある。この結果、従来の燃料残量計測装置100においては、燃料タンク101内に残っている液体燃料の残量の計測精度が単純な形状の燃料タンク内の液体燃料の残量を計測するものに対して非常に低下するという問題が生じている。
【0006】
また、燃料タンク101の形状が複雑化することによって、図7に示したように、レベルゲージ107を2個以上燃料タンク101内に設置する必要がある。そして、燃料タンク101の形状が更に複雑化すると、レベルゲージ107の個数を更に増加させる必要がある。この結果、燃料残量計測装置100を構成する構成部品の部品点数が更に増加することによって燃料残量計測装置100の製品価格の増加が危惧されている。
【0007】
そして、燃料タンク101の形状が更に偏平化または複雑化されると、レベルゲージ107をその燃料タンク101内に設置することが非常に困難となり、燃料タンク101内の液体燃料の残量を計測することができなくなる。この結果、レベルゲージ107を使用することなく、燃料タンク101内の液体燃料の残量を計測することが可能な燃料残量計測装置の出現が期待されている。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は、レベルゲージ等の液体燃料の液面変化を検出するセンサを使用することなく、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を計測することのできる燃料残量計測装置を提供することにある。また、燃料タンクの形状が偏平化または複雑化されていても、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を精度良く計測することのできる燃料残量計測装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、燃料タンク内への給油が完了したことを検出した際にポンプの作動を開始することにより燃料タンク内に空気が送り込まれてタンク内圧が上昇する。そして、タンク内圧検出手段にて検出するタンク内圧が設定圧に到達した際にポンプの作動を停止する。このとき、ポンプの作動を開始してからタンク内圧が設定圧に到達するまでのポンプ吐出量および経過時間に基づいて、燃料タンク内の空間容量であるタンク空間容積を算出する。
【0010】
そして、この算出したタンク空間容積に基づいて、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出するようにすることで、レベルゲージ等の液体燃料の液面変化を検出するセンサを使用することなく、燃料タンク内の液体燃料の残量を計測できる。また、仮に、燃料タンクの形状が偏平化または複雑化されていても、レベルゲージ等のセンサを燃料タンク内に設置する必要がなく、演算により燃料タンク内の液体燃料の残量を算出するようにしているので、燃料タンク内の液体燃料の残量を精度良く計測できる。
そして、請求項1に記載の発明によれば、開閉弁によってパージ配管を閉弁した際に、ポンプを作動させて、キャニスタおよび連通管を介して燃料タンク内に空気を送り込むようにすることで、既存の蒸発燃料処理装置にポンプを追加するだけで燃料残量計測装置を構成できるので、部品点数の増加が非常に少ない。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、燃料残量演算手段によって燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出する場合に、噴射量演算手段にて算出した液体燃料の噴射量も考慮して液体燃料の残量を演算により算出することにより、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を精度良く計測できる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、燃料残量演算手段によって燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出する場合に、パージ量演算手段にて算出した蒸発燃料のパージ量も考慮して液体燃料の残量を演算により算出することにより、燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を精度良く計測できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施形態の構成〕
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、図1は自動車の燃料配管系を示した図である。
【0015】
本実施例の自動車用燃料残量計測装置は、内燃機関としてのガソリンエンジン(以下エンジンと略す)1に供給する液体燃料を溜める燃料タンク2と、エンジン1の吸気管(インテークマニホールド)3内に液体燃料(例えばガソリン等の高揮発燃料)を噴射する燃料噴射装置4と、燃料タンク2内で揮発した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置5と、燃料タンク2、燃料噴射装置4および蒸発燃料処理装置5を電子制御するエンジン制御装置(以下エンジンECUと呼ぶ)9とを備えている。
【0016】
先ず、本実施例のエンジン1を図1に基づいて簡単に説明する。
エンジン1は、自動車のエンジンルーム内に搭載されている。このエンジン1の吸気管3内には、アクセルペダル(図示せず)に連動して開閉動作するスロットルバルブ10が回動自在に組み込まれている。また、エンジン1の吸気管3は、エンジン1のシリンダとピストンとの間に形成される燃焼室(図示せず)に接続されている。その燃焼室は、排気ガスを排出するための排気管11と接続されている。
【0017】
次に、本実施例の燃料タンク2を図1に基づいて簡単に説明する。
燃料タンク2は、自動車のリヤシートの下側に搭載されて、内部が仕切り部12を介して2個の燃料貯留室13、14に区画されており、タンク形状が偏平形状で且つ複雑化した樹脂タンクである。そして、燃料タンク2の側方には、内部に燃料給油通路15を形成する略円管形状のフィラーネック16が燃料貯留室13より斜め上方に延びるように設けられている。そのフィラーネック16の先端には、液体燃料を燃料タンク2内に給油するための給油口が形成されている。その給油口は、フィラーキャップ17をフィラーネック16の先端に締め込むことにより給油後に閉塞される。
【0018】
次に、本実施例の燃料噴射装置4を図1に基づいて簡単に説明する。
この燃料噴射装置4は、上記の燃料タンク2、この燃料タンク2内の液体燃料を吸気管3に加圧供給する燃料ポンプ21、エンジン1の吸気管3に設けられた燃料分岐管22、この燃料分岐管22内に挿入された複数個の燃料噴射弁(インジェクタ)23、および燃料ポンプ21と燃料分岐管22とを連通する燃料通路を形成する燃料配管24等から構成されている。
【0019】
燃料ポンプ21は、液体燃料を燃料タンク2から吸い上げて燃料分岐管22に圧送するもので、エンジンECU9により印加電圧が電子制御される電動モータ等の電気式アクチュエータにより駆動される。また、燃料分岐管22は、燃料ポンプ21から圧送されてきた液体燃料を各インジェクタ23に分配するもので、各インジェクタ23で使用されなかった液体燃料を燃料タンク2に戻すためのリターン通路(図示せず)が接続されている。そして、インジェクタ23は、燃料分岐管22内に収容されて、エンジンECU9からの噴射信号に基づき、吸気管3の吸入ポート内に液体燃料を霧化して直接噴射する。
【0020】
次に、本実施例の蒸発燃料処理装置5を図1に基づいて簡単に説明する。
この蒸発燃料処理装置5は、燃料タンク2内で揮発した蒸発燃料(エバポガス)を吸着して蓄えるキャニスタ30と、燃料タンク2の天井部分に形成された2個のパージ孔31、32とキャニスタ30とを連通する2本の連通管33、34と、キャニスタ30とエンジン1の吸気管3とを連通するパージ通路を形成するパージ配管35と、このパージ配管35の途中に設けられた電磁弁36とを備えている。
【0021】
キャニスタ30内には、蒸発燃料を吸着する吸着体(例えば活性炭等)が収納されている。また、キャニスタ30には、大気に開放された大気孔37が形成されて外部空気を内部に吸入可能に構成されている。その大気孔37は、大気孔37を閉塞し、ポンプ6を連通するためのキャニスタ制御弁42が取り付けられている。また、電磁弁36は、エンジンECU9によって通電されると開弁し、エンジンECU9によって通電が停止されると閉弁する開閉弁が使用されている。なお、38、39は、自動車が坂道や斜面を通過する際に燃料タンク2内の液体燃料の液面が傾いた際、2個のパージ孔31、32から蒸発燃料処理装置5内に液体燃料が浸入しないようにするためのフロートバルブである。
【0022】
そして、自動車用燃料残量計測装置は、燃料タンク2内に空気を供給するポンプ6と、液体燃料の残量を表示する燃料残量計(以下フューエルメータと呼ぶ)7と、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量を演算により算出する制御回路8と、この制御回路8で算出された液体燃料の残量に基づいてフューエルメータ7を駆動する。制御回路8はエンジンECU9と双方向通信(シリアル通信)される。
【0023】
ポンプ6は、キャニスタ30の内部に連通する空気配管40の途中に設けられて、燃料タンク2内への給油が完了した時点から、燃料タンク2内のタンク内圧が設定圧以上に到達するまで、蒸発燃料処理装置5のキャニスタ30および連通管33、34を介して燃料タンク2内に空気を送り込む電動式エアポンプである。このポンプ6は、エンジンECU9によって電子制御される電動モータ等の電気式アクチュエータにより駆動される。
【0024】
そして、ポンプ6よりも空気上流側の空気配管40には吸い込んだ空気を濾過するエアフィルタ41が設けられている。フューエルメータ7は、自動車用燃料残量計のレシーバ部を構成するアナログメータまたはディジタルメータで、自動車のインストルメントパネルに装着された計器盤の意匠を伴って、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量を視覚表示する燃料残量表示手段である。
【0025】
次に、本実施例の制御回路8を図1に基づいて簡単に説明する。
制御回路8は、本発明の空間容積演算手段、燃料残量演算手段に相当するもので、燃料残量計測システム用の電子回路で、それ自体はCPU、ROM、RAMやタイマ回路を内蔵したマイクロコンピュータである。そして、制御回路8は、常時バッテリ(図示せず)から電源が供給されて作動する。
【0026】
この制御回路8は、エンプティスイッチ43およびエンジンECU9より入力した電気信号に基づいて、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量を計測する。そして、制御回路8は、ROMに予め記憶された制御プログラムに基づいて、フューエルメータ7を駆動する。
【0027】
エンジンECU9は、燃料ポンプ21、インジェクタ23およびフューエルメータ7を電子制御するエンジン制御システム用の電子回路で、それ自体はCPU、ROM、RAMやタイマ回路を内蔵したマイクロコンピュータである。
【0028】
このエンジンECU9は、リッドスイッチ44および車速センサ45、更にはエンジン回転速度センサ、スロットル開度センサ、吸気量センサ、冷却水温センサおよび酸素センサ(いずれも図示せず)等の各センサからエンジン1の運転状態を検出する検出信号を入力する。
【0029】
エンプティスイッチ43は、燃料タンク2内の液体燃料の残量が下限値(例えば5l)以下の時に電気信号を出力する下限残量検出手段に相当する。具体的には、エンプティスイッチ43としてサーミスタが使用され、燃料タンク2内の液体燃料が下限値以下になると液体燃料からサーミスタが露出してサーミスタの温度が上昇することによりサーミスタの電気抵抗値が小さくなる。
【0030】
したがって、液体燃料を給油した後に、最初にサーミスタの電気抵抗値が小さくなった時を検知することにより、燃料タンク2内の液体燃料の残量が下限値以下になったことを検出できる。なお、フェーエルメータ7にエンプティランプ(図示せず)を設けている場合には、サーミスタの電気抵抗値が小さくなると電気回路を流れる電流が多くなるので、エンプティランプが点灯する。
【0031】
リッドスイッチ44は、フィラーネック16の給油口付近に設けられて、フィラーキャップ17を取り外すとオフ(OFF)することで燃料タンク2への給油の開始を検出する給油開始検出手段に相当し、フィラーキャップ17をフィラーネック16の先端に締め込むとオン(ON)することで燃料タンク2への給油の完了を検出する給油完了検出手段に相当する。また、車速センサ45は、自動車の速度(車速)を検出する車速検出手段に相当する。
【0032】
〔実施例の計測方法〕
次に、本実施例の制御回路8による燃料残量計測方法を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図2および図3は制御回路8およびエンジンECU9による燃料残量計測方法を示したフローチャートである。
【0033】
先ず、車速センサ45にて検出した自動車の車速が所定車速以下であるか否かを判定する。具体的には、自動車の車速が0km/h、つまり自動車が停車中であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果がNOの場合には、すなわち、自動車が走行中である場合には、ステップS15の制御処理に移行する。
【0034】
また、ステップS1の判定結果がYESの場合には、すなわち、自動車が停止中である場合には、フィラーネック16の給油口付近に設けられたリッドスイッチ44がONしているか否かを判定する。すなわち、燃料タンク2内への給油作業の完了を検出しているか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がNOの場合には、ステップS15の制御処理に移行する。
【0035】
また、ステップS2の判定結果がYESの場合には、すなわち、給油のために一旦取り外したフィラーキャップ17をフィラーネック16の先端に締め込む等の燃料タンク2内への給油作業が完了している場合には、電磁弁36を閉弁し、キャニスタ制御弁42を切換えてポンプ6の作動を開始(起動、ON)することで、蒸発燃料処理装置5のキャニスタ30および連通管33、34を介して燃料タンク2内に空気を押し込む(ステップS3)。次に、タイマ回路をスタートする(ステップS4)。
【0036】
次に、図4(b)のタイムチャートに示したように、ポンプ6の空気押込みにより時間経過に伴ってタンク内圧(P)が上昇する。これに伴い、図4(a)のタイムチャートに示したように、ポンプ6に供給されるポンプ電流(I)も上昇する。このため、ポンプ6のポンプ電流(I)を取り込む(ステップS5)。
【0037】
次に、ステップS5で取り込んだポンプ電流(I)および図5の特性図に基づいて、燃料タンク2の内部圧力であるタンク内圧(P)およびポンプ6が吐出した空気量であるポンプ吐出量(Q)を算出する(ステップS6)。次に、タイマ回路をスタートしてから経過した経過時間を読み込む(ステップS7)。
【0038】
次に、下記の数1の式に基づいて、ポンプ6の作動を開始してから現在までの経過時間、すなわち、ポンプ電流の計測を開始してから現在までの計測時間(単位時間:TFUEL)を算出(更新)する(ステップS8)。
【数1】
TFUEL=T−TFUEL
ここで、Tは経過時間、TFUELは計測時間である。
【0039】
次に、下記の数2の式に基づいて、燃料タンク2内への合計押込み空気量(VP)を算出(更新)する(ステップS9)。
【数2】
VP=VP+Q×TFUEL
ここで、QはステップS6で算出したポンプ吐出量、TFUELはステップS8で算出した計測時間である。
【0040】
次に、タンク内圧(P)が設定値(設定圧力:P2)以上であるか否かを判定する。すなわち、ポンプ電流(I)が設定値(設定電流:IP2)以上であるか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果がNOの場合には、ステップS5の制御処理に移行する。
【0041】
また、ステップS10の判定結果がYESの場合には、すなわち、タンク内圧(P)が設定圧力(P2)に到達した場合には、ポンプ6の作動を停止(OFF)することで、燃料タンク2内への空気の押し込みを終了する(ステップS11)。
【0042】
次に、下記の数3の式に基づいて、燃料タンク2内の空間容量であるタンク空間容積(VAIR)を算出する(ステップS12)。
【数3】
VAIR=P1×VP/(P2−P1)
ここで、P1は大気圧、P2は設定圧力、VPはステップS9で算出した合計押込み空気量である。
【0043】
なお、燃料タンク2内の空間容量であるタンク空間容積(VAIR)は、図6のグラフに示したように、加圧開始前のタンク内圧の影響を受け易い。すなわち、フィラーキャップ17を一旦取り外すとタンク内圧はP1(大気圧)となり、その後に、フィラーキャップ17をフィラーネック16の先端に締め込むと時間が経過するにつれてタンク内圧が変化する。このため、加圧開始前のタンク内圧が大気圧から変化し、タンク空間容積(VAIR)の計算値の誤差(L)が大きくなる。したがって、タンク空間容積(VAIR)の算出を短時間(TFUEL:例えば30秒間〜150秒間)で行うと良い。
【0044】
次に、燃料タンク2は樹脂タンクであるので、温度が高くなれば伸び易くなり、タンク内圧が大きくなれば拡がり易い。このため、下記の数4の式に基づいて、燃料タンク2の全内容量であるタンク容量(VTANK)を算出(更新)する(ステップS13)。
【数4】
VTANK=VTANK+VTEMP+VP2
ここで、VTEMPは温度に応じたタンク膨張補正値、VP2は圧力に応じたタンク膨張補正値である。
【0045】
次に、下記の数5の式に基づいて、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量(FLVEL)を算出する(第1燃料残量演算手段:ステップS14)。
【数5】
FLVEL=N×(VTANK−(VAIR−VCAN))
ここで、VAIRはステップS12で算出したタンク空間容積、VCANは配管キャニスタ容積、Nは変換係数である。
【0046】
下記の数6の式に基づいて、複数個のインジェクタ23からエンジン1の吸気管3内に噴射される液体燃料の噴射量(FINJ)を算出する(噴射量演算手段:ステップS15)。なお、液体燃料の噴射量(燃料消費量)は、センサ等を設けて実際の噴射量を計測したり、空燃比から算出しても良い。
【0047】
【数6】
FINJ=K×NE×TAU
ここで、NEはエンジン回転速度、TAUは噴射パルス、Kは変換係数である。
【0048】
そして、燃料タンク2内の残された液体燃料は、燃料タンク2が高温化されると、一部が揮発して蒸発燃料となる。そこで、下記の数7の式に基づいて、燃料タンク2内で揮発した蒸発燃料が吸気管負圧によって吸気管3内にパージ(電磁弁36の開弁中)される蒸発燃料のパージ量(FPRG)を算出する(パージ量演算手段:ステップS16)。なお、蒸発燃料のパージ量は、センサ等を設けて実際のパージ量を計測しても良い。
【0049】
【数7】
FPRG=C×DPRG×QPRG
ここで、DPRGは蒸発燃料の濃度(パージガス濃度)、QPRGは液体燃料からの揮発量(パージガス量)、Cは変換係数である。
【0050】
次に、下記の数8の式に基づいて液体燃料の残量(FLVL)を算出する。すなわち、ステップS14で算出した液体燃料の残量(FLVL)からステップS15で算出した液体燃料の噴射量(FINJ)およびステップS16で算出した蒸発燃料のパージ量(FPRG)を減算したものを、現在の液体燃料の残量(FLVL)とし、記憶を更新する(第2燃料残量演算手段:ステップS17)。なお、ステップS14の演算とステップS17の演算とを一度に行っても良い。
【数8】
FLVL=FLVL−(FINJ+FPRG)
【0051】
次に、エンプティ(E点)スイッチ43がON(オン)、すなわち、最初にサーミスタの電気抵抗値が小さくなったか否かを判定する(ステップS18)。この判定結果がNOの場合には、フューエルメータ7に液体燃料の残量に応じた駆動信号を出力し(ステップS19)、その後にリターンする。
【0052】
また、ステップS18の判定結果がYESの場合には、下限値(FLOW:例えば5リットル)を現在の液体燃料の残量(FLVL)とするようにFLVLを補正し、記憶する更新する(燃料残量補正手段、下限値補正手段:ステップS20)。その後に、ステップS19の制御処理に移行する。
【0053】
〔実施例の効果〕
以上のように、本実施例の自動車用燃料残量計測装置は、燃料タンク2内への給油が完了した直後にポンプ6の作動を開始し、そのポンプ6の作動を開始してからタンク内圧(P)が設定圧(P2)に到達するまでのポンプ吐出量(Q)および経過時間(T)に基づいて、燃料タンク2内の空間容量であるタンク空間容積(VAIR)を演算により算出する。
【0054】
そして、この算出したタンク空間容積(VAIR)に基づいて、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量(FLVEL)を演算により算出するようにすることで、レベルゲージ等の液体燃料の液面変化を検出するセンサを使用することなく、燃料タンク2内の液体燃料の残量を計測できる。
【0055】
また、仮に、燃料タンク2の形状が偏平化または複雑化されていても、レベルゲージ等のセンサを燃料タンク2内に設置する必要がなく、燃料タンク2内の液体燃料の残量を演算により算出するようにしているので、燃料タンク2内の液体燃料の残量を精度良く計測できる。
【0056】
そして、燃料タンク2内に残されている液体燃料の残量を算出する際に、各インジェクタ23からエンジン1に噴射する液体燃料の噴射量、および燃料タンク2内で揮発した蒸発燃料を吸気管3内にパージしたパージ量も考慮して、燃料タンク2内の液体燃料の残量を求めるようにしているので、燃料タンク2内の液体燃料の残量を更に精度良く計測できる。
【0057】
そして、電磁弁36によってパージ配管35を閉弁した際に、ポンプ6の作動を開始して、キャニスタ30および連通管33、34を介して燃料タンク2内に空気を送り込むようにすることで、既存の蒸発燃料処理装置5のキャニスタ30に空気配管40、エアフィルタ41、逆止弁42およびポンプ6を追加するだけで燃料残量計測装置を構成できるので、部品点数の増加は非常に少ない。
【0058】
〔変形例〕
本実施例では、本発明を、ガソリンエンジン搭載車等の自動車の燃料残量計測装置の例を示したが、本発明を、ディーゼルエンジン搭載車等の自動車、航空機や船舶の燃料残量計測装置に利用しても良い。また、自家発電用または公共用の発電機を駆動する定置式の内燃機関の燃料残量計測装置に本発明を適用しても良い。
本実施例では、燃料タンク2内の液体燃料の残量を視覚表示する視覚表示手段としてのフューエルメータ7を設けたが、燃料タンク2内の液体燃料の残量を聴覚表示する聴覚表示手段としての音声発生装置を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の燃料配管系を示した構成図である(実施例)。
【図2】制御回路およびエンジンECUによる燃料残量計測方法を示したフローチャートである(実施例)。
【図3】制御回路およびエンジンECUによる燃料残量計測方法を示したフローチャートである(実施例)。
【図4】ポンプ電流およびタンク内圧の予測挙動を示したタイムチャートである(実施例)。
【図5】ポンプ特性を示した特性図である(実施例)。
【図6】加圧開始前タンク内圧の影響を示したグラフである(実施例)。
【図7】自動車の燃料配管系を示した構成図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 燃料タンク
4 燃料噴射装置
5 蒸発燃料処理装置
6 ポンプ
8 制御回路(空間容積演算手段、燃料残量演算手段)
9 エンジンECU
30 キャニスタ
33 連通管
34 連通管
35 パージ配管
36 電磁弁
Claims (4)
- (a)燃料タンク内に空気を押し込むポンプと、
(b)このポンプの作動時期を制御するポンプ制御手段と、
(c)前記燃料タンクの内部圧力に対応するタンク内圧を検出するタンク内圧検出手段と、
(d)前記ポンプの作動を開始してから前記タンク内圧検出手段にて検出するタンク内圧が設定圧に到達するまでのポンプ吐出量および経過時間に基づいて、前記燃料タンク内に残されているタンク空間容積を算出する空間容積演算手段と、
(e)この空間容積演算手段にて算出したタンク空間容積に基づいて、前記燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出する燃料残量演算手段と
を備えた燃料残量計測装置において、
前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着して蓄えるキャニスタ、前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通する連通管、前記内燃機関の吸気管と前記キャニスタとを連通するパージ配管、およびこのパージ配管を開閉する開閉弁を有する蒸発燃料処理装置を備え、
前記ポンプは、前記キャニスタ内に空気を送り込むための空気配管に設けられて、前記開閉弁によって前記パージ配管を閉弁した際に、前記キャニスタおよび前記連通管を介して前記燃料タンク内に空気を送り込むことを特徴とする燃料残量計測装置。 - 請求項1に記載の燃料残量計測装置において、
前記燃料タンク内への給油が完了したことを検出する給油完了検出手段を備え、
前記ポンプ制御手段は、前記給油完了検出手段にて前記燃料タンク内への給油が完了したことを検出した際に前記ポンプの作動を開始し、前記タンク内圧検出手段にて検出するタンク内圧が設定圧に到達した際に前記ポンプの作動を停止することを特徴とする燃料残量計測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料残量計測装置において、
前記内燃機関内に噴射される液体燃料の噴射量を算出する噴射量演算手段を備え、
前記燃料残量演算手段は、前記噴射量演算手段にて算出した液体燃料の噴射量に基づいて、前記燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出することを特徴とする燃料残量計測装置。 - 請求項1に記載の燃料残量計測装置において、
前記燃料タンク内で揮発する蒸発燃料のパージ量を算出するパージ量演算手段を備え、 前記燃料残量演算手段は、前記パージ量演算手段にて算出した蒸発燃料のパージ量に基づいて、前記燃料タンク内に残されている液体燃料の残量を算出することを特徴とする燃料残量計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28810298A JP3885384B2 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | 燃料残量計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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