JP3849198B2 - インクジェットヘッドの駆動回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェットプリンタに搭載され、複数の各ノズル開口に対応して圧電素子を配置した複数のヘッド部を有するとともに、各ヘッド部の圧電素子に対してコンデンサの充放電により発生する駆動信号を印加することにより各ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェットヘッドの駆動回路に関し、特に、各ヘッド部に共通する調整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電型のインクジェットヘッドにおけるように、インク吐出手段として圧電(ピエゾ)素子が用いられているインクジェットヘッドでは、ノズル開口に付設されたピエゾ素子に対して急峻に変化する駆動信号(駆動電圧)を印加することによりピエゾ素子に体積変動を発生してインク室の体積を変化させ、ノズル開口からインク滴を用紙上に吐出して各種の記録を行う。
【0003】
ここに、ピエゾ素子は、その電気的特性がキャパシタンスであることから、ピエゾ素子に印加される駆動信号の電圧波形を単純に矩形波にした場合には、ピエゾ素子への入力電流が大きくなり、この結果、駆動回路を破損してしまう虞がある。かかる事情を勘案して、従来ではインクジェットヘッドのピエゾ素子を駆動する電圧波形として、ピエゾ素子への入力電流が小さくなるように台形波や三角波が用いられている。このように台形波や三角波を駆動電圧波形とした場合、その駆動電圧の傾きはインクジェットヘッドにおけるインク吐出速度、インク吐出量等に影響を与えることが分かっており、これより駆動電圧の傾きを制御する必要がある。
【0004】
前記した要請を満足すべく従来におけるインクジェットヘッドの駆動回路では、コンデンサ(キャパシタンス)、定電流回路及び定電流回路の電流値を調整する調整回路を使用し、定電流回路を介してキャパシタンスに電荷を充放電するとともに、定電流回路の電流値に基づき駆動電圧の傾きを制御した電圧波形を生成し、その電圧波形をアンプで増幅した後ピエゾ素子の駆動を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来におけるインクジェットヘッドの駆動回路では、記録のカラー化等に対応して複数のヘッド部をインクジェットヘッドに設ける場合(ヘッド部は、使用されるインク色数に応じて複数設けられ、各ヘッドにはそれぞれ複数のノズル開口及びピエゾ素子が設けられる)、駆動信号の電圧波形を生成する回路からアンプに流入する流入電流が増加してしまうこととなり、これより1つのヘッド部からインクの吐出を行う場合と複数のヘッド部からインクを吐出する場合とでは、駆動信号の電圧波形が変化してしまう。
【0006】
これを防止すべく従来においては、キャパシタンス、定電流回路、定電流回路の電流値を調整する調整回路、及び、アンプを1つの駆動回路ユニットとして構成し、かかる駆動回路ユニットがヘッド部の数に応じて複数個必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に駆動信号の電圧波形を調整する必要がある。
【0007】
また、各ヘッド部の駆動制御上、各ヘッド部毎にノズルの駆動タイミングを任意の時間ずらす必要がある場合にも、前記と同様に、複数の駆動回路ユニットが必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に駆動信号の電圧波形を調整する必要がある。
【0008】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、各ヘッド部に共通する調整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、複数の調整回路を設けるとともに各調整回路を切換可能とすることにより、各種の印字形態に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係るインクジェットヘッドの駆動回路は、複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における各圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、前記各ヘッド部の各圧電素子に前記駆動信号を供給すべく該各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、前記充電回路は、前記充電信号に基づき入力電流が流れる第1ソース側と前記各接続端子にそれぞれ接続されて前記各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき前記入力電流に比例した同一の出力電流が流れる複数の第1出力側とから構成される第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路の前記第1ソース側と前記各第1出力側とを流れる電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第1調整回路と、を有し、前記放電回路は、前記放電信号に基づき入力電流が流れる第2ソース側と前記各接続端子にそれぞれ接続されて前記各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき前記入力電流に比例した同一の出力電流が流れる複数の第2出力側とから構成される第2カレントミラー回路と、前記第2カレントミラー回路の前記第2ソース側と前記各第2出力側とを流れる電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項1のインクジェットヘッドの駆動回路では、充電回路に対して充電信号が印加されると、充電回路の第1カレントミラー回路を介して各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき各ヘッド部に対応して設けられたコンデンサが充電される。また、放電回路に対して放電信号が印加されると、放電回路の第2カレントミラー回路を介して各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づきこの各ヘッド部に対応して設けられた各コンデンサが放電される。このように、各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき各コンデンサの充放電を行うことによって、各ヘッドの各圧電素子に駆動信号が印加され、各ノズル開口からインク滴が吐出されて文字等の記録が行われる。
【0012】
このとき、第1調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサへの充電特性、即ち、駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第1カレントミラー回路は、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第1調整回路を介して第1カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0013】
ここに、インクジェットヘッドの印字方式には、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてノズル開口からインク滴を吐出し、コンデンサの放電時にインク室内にインクを吸入する、所謂、押し打ち方式が存在するが、かかる押し打ち方式では、特に、コンデンサの充電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となる請求項1の駆動回路は、押し打ち方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0014】
また、放電回路に第2カレントミラー回路が設けられるとともとに、第2調整回路が設けられており、これにより各コンデンサの放電時において、第2調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサからの放電特性、即ち、駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第2カレントミラー回路は、第1カレントミラー回路と同様、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第2調整回路を介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0015】
ここに、インクジェットヘッドの印字方式には、前記押し打ち方式に加えて、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてインク室からインクを吸入し、コンデンサの放電時にノズル開口からインク滴を吐出する、所謂、引き打ち方式が存在するが、かかる引き打ち方式では、コンデンサの充電時及び放電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路及び第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となるため、引き打ち方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0016】
また、請求項2に係るインクジェットヘッドの駆動回路は、前記充電回路には、前記第1カレントミラー回路の前記第1ソース側と前記各第1出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整し、前記第1調整回路と選択的に切り換えて使用される第3調整回路が設けられ、前記放電回路には、前記第2カレントミラー回路の前記第2ソース側と前記各第2出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整し、前記第2調整回路と切り換えて使用される第4調整回路が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項2のインクジェットヘッドの駆動回路では、充電回路側に、第1調整回路に加えて、第1調整回路と選択的に切り換えて使用される第3調整回路が設けられ、また、放電回路側に、第2調整回路に加えて、第2調整回路と選択的に切り換えて使用される第4調整回路が設けられていることから、各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形(傾き)をそれぞれ予め2種類設定することが可能となる。これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタが2種類の印字解像度を有する場合においても、各調整回路を選択的に使用することにより各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、従って、各種の印字形態に容易に対応することができるものである。
【0018】
更に、請求項3に係るインクジェットヘッドの駆動回路は、請求項2に記載の駆動回路において、前記第1調整回路は、第1可変抵抗器を含み、前記第3調整回路は、第2可変抵抗器を含み、前記第2調整回路は、第3可変抵抗器を含み、前記第4調整回路は、第4可変抵抗器を含み、前記第1可変抵抗器と第2可変抵抗器とは、前記第1ソース側に流れる電流値が異なるように設定され、前記第3可変抵抗器と第4可変抵抗器とは、前記第2ソース側に流れる電流値が異なるように設定されていることを特徴とする。
請求項3のインクジェットヘッドの駆動回路では、第1乃至第4調整回路を可変抵抗器を含む簡単な回路構成により達成することが可能となる。また、充電回路は、第1カレン トミラー回路の第1ソース側と各第1出力側を共用することが可能となり、また、放電回路は、第2カレントミラー回路の第2ソース側と各第2出力側を共用することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェットヘッドの駆動回路について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタの制御系の概略構成について図1に基づき説明する。図1はインクジェットプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【0020】
図1において、インクジェットプリンタの制御系はCPU2を核として構成されており、CPU2は、予めメモリ4に記憶された各種動作プログラムに従って、インクジェットヘッド18におけるスイッチ素子8、ヘッド駆動回路6、及び、駆動制御回路10の駆動制御を行う。
【0021】
ここに、インクジェットヘッド18は、複数のノズル開口(図示せず)のそれぞれに対応して圧電素子12を配置した複数のヘッド部30A等(図2、図3参照)を有しており、また、各圧電素子12に接続されたスイッチ素子8は、CPU2からの制御信号に従ってヘッド駆動回路6と圧電素子12とを選択的に接続するアナログスイッチ素子である。尚、インクジェットヘッド18は、4色(ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン)のインクによりフルカラーで印字可能なヘッドであり、インクの各色数に対応して4つのヘッド部(図2では、その内2つのヘッド部30A、30Bが示されている)が設けられている。
【0022】
また、ヘッド駆動回路6は、CPU2からの各種制御信号に基づき、各圧電素子12を駆動する駆動信号を出力するものであり、かかる駆動信号は、スイッチ素子8を介して各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子12に印加され、これにより各ノズル開口からインク滴が用紙上に吐出されて各種の記録が行われる。尚、ヘッド駆動回路6の詳細な構成については後述する。
【0023】
更に、駆動制御回路10は、CPU2からの制御信号に基づいて、キャリジモータ14及び用紙送りモータ16を駆動するものである。ここに、キャリッジモータ14は、タイミングベルトを介してキャリッジ上のインクジェットヘッド18を移動させ、また、用紙送りモータ16は、ベルト、回転軸、ローラ等を介して用紙を搬送するものである。
【0024】
次に、第1実施形態に係るヘッド駆動回路6について図2に基づき説明する。図2は第1実施形態のヘッド駆動回路6を示す回路図である。図2において、ヘッド駆動回路6は、大別して、充電回路31、放電回路32、電流増幅回路33、及び、充電回路31と電流増幅回路33との間に接続されたコンデンサC1、C2から構成されている。かかるヘッド駆動回路6中、Q2、Q3、Q5、Q6、Q8、Q9、Q11、Q13は、PNPトランジスタであり、また、Q1、 Q4、Q7、 Q10、 Q12、 Q14、 Q15、 Q16、 Q17、 Q1 8、 Q19は、NPNトランジスタである。R1からR30は、抵抗器である 。VR1、VR2は可変抵抗器である。C1、C2は、コンデンサである。20は充電信号入力端子であり、充電回路31により各コンデンサC1、C2を充電する際に充電信号が入力される。21及び22は、各ヘッド部30A、30Bを独立して個別に駆動する際にCPU2から制御信号が選択的に入力される制御信号入力端子であり、例えば、ヘッド部30Aを駆動する場合には制御信号入力端子21に制御信号が入力されてコンデンサC1の充電が行われる。23は放電信号入力端子であり、放電回路32により各コンデンサC1、C2を放電する際に放電信号が入力される。24及び25は、各ヘッド部30A、30Bを独立して個別に駆動すべくコンデンサC1、C2の放電を行う際にCPU2から制御信号が選択的に入力される制御信号入力端子であり、例えば、コンデンサC1の放電を行う場合には制御信号入力端子24に制御信号が入力されてコンデンサC1の放電が行われる。26、27は、それぞれヘッド30A、30Bに対応し、各ヘッド部30A、30Bに対して駆動信号が出力される出力端子である。
【0025】
ここに、充電回路31において、PNPトランジスタQ3、Q6、Q9は、所謂、第1カレントミラー回路を構成しておりPNPトランジスタQ3がソース側、PNPトランジスタQ6、Q9が出力側となっている。尚、NPNトランジスタQ1、PNPトランジスタQ2はPNPトランジスタQ3を、NPNトランジスタQ4、PNPトランジスタQ5はPNPトランジスタQ6を、NPNトランジスタQ7、PNPトランジスタQ8はPNPトランジスタQ9を、それぞれ充電信号入力端子20からの充電信号、制御信号入力端子21、22からの制御信号に基づいてオン、オフするためのものである。また、抵抗器R6は、PNPトランジスタQ3のエミッタからベースとコレクタに流れる電流を制限するものである。更に、可変抵抗器VR1は、抵抗器R6に流れる電流とPNPトランジスタQ6、Q9のコレクタに流れる電流との比率を調整するものであり、第1調整回路を構成している。
【0026】
また、放電回路32において、NPNトランジスタQ15、Q17、Q19は、第2カレントミラー回路を構成しており、NPNトランジスタ15がソース側、NPNトランジスタ17、19が出力側となっている。尚、NPNトランジスタQ14はNPNトランジスタQ15を、NPNトランジスタQ16はNPNトランジスタQ17を、NPNトランジスタQ18はNPNトランジスタQ19をそれぞれ放電信号入力端子23からの放電信号、制御信号入力端子24、25からの制御信号に基づいてオン、オフするためのものである。また、抵抗器R22は、NPNトランジスタQ15のエミッタからベースとコレクタに流れる電流を制限するものである。更に、可変抵抗器VR2は、抵抗器R22に流れる電流とNPNトランジスタQ17、Q19のコレクタに流れる電流との比率を調整するものであり、第2調整回路を構成している。
【0027】
更に、コンデンサC1は、PNPトランジスタQ6により充電されNPNトランジスタQ17により放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生するものである。同様に、コンデンサC2は、PNPトランジスタQ9により充電されNPNトランジスタQ19により放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生するものである。
【0028】
また、電流増幅回路33において、PNPトランジスタQ11とNPNトランジスタQ10、及び、PNPトランジスタQ13とNPNトランジスタQ12は、それぞれプッシュプル回路を構成しており、コンデンサC1、C2で発生した電圧波形を有する駆動信号を電流増幅するものである。
【0029】
尚、抵抗器R5、R12、R18、R21、R25、R29は、第1及び第2カレントミラー回路を構成する各トランジスタ間のバラツキにより生ずる出力側の電流比のバラツキを抑えるためのものである。また、抵抗器R11は、PNPトランジスタQ6が飽和した時のベース電流を制限するものであり、抵抗器R17は、PNPトランジスタQ9が飽和した時のベース電流を制限するものである。更に、抵抗器R26は、NPNトランジスタQ17が飽和した時のベース電流を制限するものであり、抵抗器R30は、NPNトランジスタQ19が飽和した時のベース電流を制限するものである。
【0030】
続いて、前記のように構成されるヘッド駆動回路6の動作について説明する。先ず、ヘッド部30Aを駆動する場合、充電信号入力端子20を介して充電信号が入力されると、NPNトランジスタQ1がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ2がオン状態になり、PNPトランジスタQ3のエミッタからベースとコレクタに抵抗器R5、R6と可変抵抗器VR1で制限された電流が流れる。同様に、放電信号入力端子23を介して放電信号が入力されると、NPNトランジスタQ14がオン状態になり、NPNトランジスタQ15のベースとコレクタからエミッタに抵抗器R21、R22と可変抵抗器VR2で制限された電流が流れる。
【0031】
次に、制御信号入力端子21から制御信号が入力され、NPNトランジスタQ4がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ5がオン状態になり、PNPトランジスタQ6のコレクタに可変抵抗器VR1で調整された電流比で抵抗器R6に流れる電流に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC1が充電される。コンデンサC1の電位が上がり、PNPトランジスタQ6が飽和すると充電は停止する。そして、制御信号入力端子21への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ4がオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ5がオフ状態になり、PNPトランジスタQ6には、電流が流れなくなる。
【0032】
続いて、制御信号入力端子24から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ16がオン状態になり、NPNトランジスタQ17のコレクタに可変抵抗器VR2で調整された電流比で抵抗器R22に流れる電流に比例した電流が流れ、コンデンサC1が放電される。コンデンサC1の電位が下がり、NPNトランジスタQ17が飽和すると放電は停止する。そして、制御信号入力端子24への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ16がオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ17がオフ状態になり、電流が流れなくなる。
【0033】
前記したコンデンサC1の充放電動作によりコンデンサC1には、台形状の電圧波形を有する駆動信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ11とNPNトランジスタQ10からなる電流増幅回路により増幅された後、出力端子26を介してヘッド部30Aに出力される。
【0034】
このとき、駆動信号の台形状電圧波形において、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、可変抵抗器VR1の調整状態に基づき、コンデンサC1への充電特性に従って設定される。また、同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、可変抵抗器VR2の調整状態に基づき、コンデンサC1の放電特性に従って設定される。
【0035】
次に、ヘッド部30Bを駆動する場合には、前記動作と同様に、制御信号入力端子22から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ7がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ8がオン状態になり、PNPトランジスタQ9のコレクタに可変抵抗器VR1で調整された電流比で抵抗器R6に流れる電流に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC2が充電される。コンデンサC2の電位が上がり、PNPトランジスタQ9が飽和すると充電は停止する。そして、制御信号入力端子22への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ7をオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ8がオフ状態になり、PNPトランジスタQ9には、電流が流れなくなる。
【0036】
続いて、制御信号入力端子25から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ18がオン状態になり、NPNトランジスタQ19のコレクタに可変抵抗器VR2で調整された電流比で抵抗器R22に流れる電流に比例した電流が流れ、コンデンサC2が放電される。コンデンサC2の電位が下がり、NPNトランジスタQ19が飽和すると放電は停止する。
【0037】
前記したコンデンサC2の充放電動作によりコンデンサC2には、台形状の電圧波形を有する駆動信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ13とNPNトランジスタQ12からなる電流増幅回路により増幅された後、出力端子27を介してヘッド部30Bに出力される。
【0038】
このとき、駆動信号の台形状電圧波形において、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、可変抵抗器VR1の調整状態に基づき、コンデンサC2への充電特性に従って設定される。また、同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、可変抵抗器VR2の調整状態に基づき、コンデンサC2の放電特性に従って設定される。
【0039】
前記のように各出力端子26、27から出力された駆動信号は、CPU2による制御下にスイッチ素子8を介して選択された圧電素子12に対して印加され、これにより各ノズル開口からインク滴が吐出されて所望の記録が行われる。
【0040】
以上詳細に説明した通り第1実施形態に係るヘッド駆動回路6では、充電回路31における第1カレントミラー回路(各トランジスタQ3、Q6、Q9により構成される)が、その出力側において各コンデンサC1、C2への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、また、放電回路32における第2カレントミラー回路(各トランジスタQ14、Q16、Q18により構成される)が、第1カレントミラー回路と同様、その出力側において各コンデンサC1、C2への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行う。
【0041】
従って、第1調整回路(可変抵抗器VR1等)を介して第1カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子12への駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となり、また、第2調整回路(可変抵抗器VR2等)を介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となるものである。
【0042】
これにより、充電回路31側にて1つの共通の第1調整回路を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整するとともに、放電回路32側にて1つの共通の第2調整回路を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、この結果、インクジェットヘッド18の多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することができるものである。
【0043】
また、第1実施形態のヘッド駆動回路6では、少なくとも第1調整回路を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能であることから、押し打ち方式のインクジェットヘッド18に適用することができ、また、少なくとも第2調整回路を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能であることから、引き打ち方式のインクジェットヘッド18に適用することができる。更に、第1調整回路及び第2調整回路を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能でもあることから、押し打ち方式あるいは引き打ち方式のいずれのインクジェットヘッド18にも適用することができるものである。
【0044】
更に、各制御信号入力端子21、22に対しては、それぞれ独立して制御信号を入力することが可能であり、従って、前記各出力端子26、27より出力される駆動信号を任意の時間ずらせて発生させることもできる。
【0045】
次に、第2実施形態に係るヘッド駆動回路について図3に基づき説明する。図3は第2実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図である。尚、第2実施形態のヘッド駆動回路は、基本的に、前記第1実施形態のヘッド駆動回路6と同一の構成を有しており、充電回路31にて第1カレントミラー回路におけるソース側の電流値と出力側の電流値の比を調整する調整回路を複数設け、また、放電回路32にて第2カレントミラー回路におけるソース側の電流値と出力側の電流値の比を調整する調整回路を複数設けた点で、第1実施形態のヘッド駆動回路6と異なるのみであり、残余の構成については同一である。従って、以下においては、第1実施形態のヘッド駆動回路6と異なる構成についてのみ説明することとし、また、第1実施形態におけると同一の構成要素については同一の番号を付して説明する。
【0046】
図3において、充電回路31には、前記第1調整回路(可変抵抗器VR1等から構成される)に加えて、第3調整回路34が設けられおり、また、放電回路32には、前記第2調整回路(可変抵抗器VR2等から構成される)に加えて、第4調整回路35が設けられている。
【0047】
ここに、第3調整回路34において、R31乃至R34は抵抗器、VR3は可変抵抗器、Q20はNPNトランジスタ、Q21はPNPトランジスタである。また、28は充電信号入力端子であり、前記充電信号入力端子20とは選択的に使用される。更に、第4調整回路35において、R35及びR36は抵抗器、VR4は可変抵抗器、Q22はNPNトランジスタである。また、29は放電信号入力端子であり、前記放電信号入力端子23とは選択的に使用される。残余の構成については前記第1実施形態のヘッド駆動回路6と同一の構成を有する。
【0048】
次に、前記第2実施形態のヘッド駆動回路6の動作について説明する。尚、前記したように、充電信号入力端子20、放電信号入力端子23により可変抵抗器VR1、VR2で調整された電流比で台形状の電圧波形を有する駆動信号が発生される動作は、前記第1実施形態にて説明したと同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0049】
前記したと同一動作の後、各充電信号入力端子20、放電信号入力端子23への充電信号、放電信号を停止し、NPNトランジスタQ1、Q14とPNPトランジスタQ2をオフ状態にする。この後、充電信号入力端子28から充電信号が入力されると、NPNトランジスタQ20がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ21がオン状態になり、PNPトランジスタQ3のエミッタからベースとコレクタに抵抗器R5、R6と可変抵抗器VR3で制限された電流が流れる。
【0050】
同様に、放電信号入力端子29に放電信号が入力されると、NPNトランジスタQ22がオン状態になり、NPNトランジスタQ15のベースとコレクタからエミッタに抵抗器R21、R22と可変抵抗器VR4で制限された電流が流れる。以降は、第1実施形態の場合と同様の動作が行われ、PNPトランジスタQ6、Q9のコレクタに可変抵抗器VR3で調整された電流比で抵抗器R6に流れる電流に比例した電流が流れ、各コンデンサC1、C2が充電される。同様にして、NPNトランジスタQ17、Q19のコレクタに可変抵抗器VR4で調整された電流比で抵抗器R22に流れる電流に比例した電流が流れ、コンデンサC1、C2が放電される。この充放電動作によりコンデンサC1、C2にインクジェットヘッド18を駆動する台形波形を有する駆動信号が発生し、かかる駆動信号がPNPトランジスタQ11、Q13とNPNトランジスタQ10、Q12からなる電流増幅回路により増幅された後、各出力端子26、27を介してヘッド部30A、30Bに出力される。
【0051】
以上説明した通り第2実施形態に係るヘッド駆動回路6では、充電回路31側に、第1調整回路に加えて、第1調整回路と選択的に切り換えて使用される第3調整回路34が設けられ、また、放電回路32側に、第2調整回路に加えて、第2調整回路と選択的に切り換えて使用される第4調整回路35が設けられているので、各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形(傾き)をそれぞれ予め2種類設定することが可能となる。これにより、例えば、インクジェットヘッド18が搭載されるインクジェットプリンタが2種類の印字解像度(例えば、300dpiと600dpi)を有する場合においても、各調整回路を選択的に使用することにより各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、従って、各種の印字形態に容易に対応することができるものである。
【0052】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0053】
例えば、上記第2実施形態においては、第3及び第4調整回路34、35を追加したものであるが、更に第5及び第6調整回路等を適宜追加するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1のインクジェットヘッドの駆動回路では、充電回路に対して充電信号が印加されると、充電回路の第1カレントミラー回路を介して各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき各ヘッド部に対応して設けられたコンデンサが充電される。また、放電回路に対して放電信号が印加されると、放電回路の第2カレントミラー回路を介して各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づきこの各ヘッド部に対応して設けられた各コンデンサが放電される。このように、各コンデンサの充放電を行うことに基づき各ヘッドの各圧電素子に駆動信号が印加され、各ノズル開口からインク滴が吐出されて文字等の記録が行われる。
【0055】
このとき、第1調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサへの充電特性、即ち、駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第1カレントミラー回路は、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第1調整回路を介して第1カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0056】
ここに、インクジェットヘッドの印字方式には、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてノズル開口からインク滴を吐出し、コンデンサの放電時にインク室内にインクを吸入する、所謂、押し打ち方式が存在するが、かかる押し打ち方式では、特に、コンデンサの充電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となる請求項1の駆動回路は、押し打ち方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0057】
また、放電回路に第2カレントミラー回路が設けられるとともとに、第2調整回路が設けられており、これにより各コンデンサの放電時において、第2調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサからの放電特性、即ち、駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第2カレントミラー回路は、第1カレントミラー回路と同様、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第2調整回路を介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0058】
ここに、インクジェットヘッドの印字方式には、前記押し打ち方式に加えて、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてインク室からインクを吸入し、コンデンサの放電時にノズル開口からインク滴を吐出する、所謂、引き打ち方式が存在するが、かかる引き打ち方式では、コンデンサの充電時及び放電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路及び第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となるため、引き打ち方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0059】
また、請求項2に係るインクジェットヘッドの駆動回路では、充電回路側に、第1調整回路に加えて、第1調整回路と選択的に切り換えて使用される第3調整回路が設けられ、また、放電回路側に、第2調整回路に加えて、第2調整回路と選択的に切り換えて使用される第4調整回路が設けられていることから、各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形(傾き)をそれぞれ予め2種類設定することが可能となる。これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタが2種類の印字解像度を有する場合においても、各調整回路を選択的に使用することにより各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、従って、各種の印字形態に容易に対応することができるものである。
【0060】
更に、請求項3に係るインクジェットヘッドの駆動回路では、第1乃至第4調整回路を可変抵抗器を含む簡単な回路構成により達成することが可能となる。また、充電回路は、第1カレントミラー回路の第1ソース側と各第1出力側を共用することが可能となり、また、放電回路は、第2カレントミラー回路の第2ソース側と各第2出力側を共用することが可能となる。
【0061】
以上の通り本発明は、各ヘッド部に共通する調整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路、及び、複数の調整回路を設けるとともに各調整回路を切換可能とすることにより、各種の印字形態に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェットプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図である。
【図3】 第2実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
2 CPU
4 メモリ
6 ヘッド駆動回路
8 スイッチ素子
10 駆動回路
12 素子
14 キャリジモータ
16 用紙送りモータ
18 インクジェットヘッド
R1〜R36 抵抗器
C1、C2 コンデンサ
VR1〜VR4 可変抵抗器
Q1〜Q22 トランジスタ
Claims (3)
- 複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における各圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記各ヘッド部の各圧電素子に前記駆動信号を供給すべく該各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、
前記充電回路は、
前記充電信号に基づき入力電流が流れる第1ソース側と前記各接続端子にそれぞれ接続されて前記各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき前記入力電流に比例した同一の出力電流が流れる複数の第1出力側とから構成される第1カレントミラー回路と、
前記第1カレントミラー回路の前記第1ソース側と前記各第1出力側とを流れる電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第1調整回路と、
を有し、
前記放電回路は、
前記放電信号に基づき入力電流が流れる第2ソース側と前記各接続端子にそれぞれ接続されて前記各ヘッド部を個別に駆動する制御信号に基づき前記入力電流に比例した同一の出力電流が流れる複数の第2出力側とから構成される第2カレントミラー回路と、
前記第2カレントミラー回路の前記第2ソース側と前記各第2出力側とを流れる電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 前記充電回路には、前記第1カレントミラー回路の前記第1ソース側と前記各第1出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整し、前記第1調整回路と選択的に切り換えて使用される第3調整回路が設けられ、前記放電回路には、前記第2カレントミラー回路の前記第2ソース側と前記各第2出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整し、前記第2調整回路と切り換えて使用される第4調整回路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動回路。
- 前記第1調整回路は、第1可変抵抗器を含み、
前記第3調整回路は、第2可変抵抗器を含み、
前記第2調整回路は、第3可変抵抗器を含み、
前記第4調整回路は、第4可変抵抗器を含み、
前記第1可変抵抗器と第2可変抵抗器とは、前記第1ソース側に流れる電流値が異なるように設定され、
前記第3可変抵抗器と第4可変抵抗器とは、前記第2ソース側に流れる電流値が異なるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドの駆動回路。
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