JP3767205B2 - インクジェットヘッドの駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに搭載され、複数の各ノズル開口に対応して圧電素子を配置した複数のヘッド部を有するとともに、各ヘッド部の圧電素子に対してコンデンサの充放電により発生する駆動信号を印加することにより各ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェットヘッドの駆動回路に関し、特に、各ヘッド部に共通する調整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電型のインクジェットヘッドにおけるように、インク吐出手段として圧電(ピエゾ)素子が用いられているインクジェットヘッドでは、ノズル開口に付設されたピエゾ素子に対して急峻に変化する駆動信号(駆動電圧)を印加することによりピエゾ素子に体積変動を発生してインク室の体積を変化させ、ノズル開口からインク滴を用紙上に吐出して各種の記録を行う。
【0003】
ここに、ピエゾ素子は、その電気的特性がキャパシタンスであることから、ピエゾ素子に印加される駆動信号の電圧波形を単純に矩形波にした場合には、ピエゾ素子への入力電流が大きくなり、この結果、駆動回路を破損してしまう虞がある。かかる事情を勘案して、従来ではインクジェットヘッドのピエゾ素子を駆動する電圧波形として、ピエゾ素子への入力電流が小さくなるように台形波や三角波が用いられている。このように台形波や三角波を駆動電圧波形とした場合、その駆動電圧の傾きはインクジェットヘッドにおけるインク吐出速度、インク吐出量等に影響を与えることが分かっており、これより駆動電圧の傾きを制御する必要がある。
【0004】
前記した要請を満足すべく従来におけるインクジェットヘッドの駆動回路では、コンデンサ(キャパシタンス)、定電流回路及び定電流回路の電流値を調整する調整回路を使用し、定電流回路を介してキャパシタンスに電荷を充放電するとともに、定電流回路の電流値に基づき駆動電圧の傾きを制御した電圧波形を生成し、その電圧波形をアンプで増幅した後ピエゾ素子の駆動を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来におけるインクジェットヘッドの駆動回路では、記録のカラー化等に対応して複数のヘッド部をインクジェットヘッドに設ける場合(ヘッド部は、使用されるインク色数に応じて複数設けられ、各ヘッドにはそれぞれ複数のノズル開口及びピエゾ素子が設けられる)、駆動信号の電圧波形を生成する回路からアンプに流入する流入電流が増加してしまうこととなり、これより1つのヘッド部からインクの吐出を行う場合と複数のヘッド部からインクを吐出する場合とでは、駆動信号の電圧波形が変化してしまう。
【0006】
これを防止すべく従来においては、キャパシタンス、定電流回路、定電流回路の電流値を調整する調整回路、及び、アンプを1つの駆動回路ユニットとして構成し、かかる駆動回路ユニットがヘッド部の数に応じて複数個必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に駆動信号の電圧波形を調整する必要がある。
【0007】
また、各ヘッド部の駆動制御上、各ヘッド部毎にノズルの駆動タイミングを任意の時間ずらす必要がある場合にも、前記と同様に、複数の駆動回路ユニットが必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に駆動信号の電圧波形を調整する必要がある。
【0008】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、各ヘッド部に共通する調整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能であり、且つ、各種の印字形態に容易に対応することが可能なインクジェットヘッドの駆動回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、前記充電回路には第1カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第1カレントミラー回路に存在し、前記第1カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第1調整回路が設けられ、前記第1調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第1調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第1カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とする。
【0010】
請求項1のインクジェットヘッドの駆動回路では、充電回路に対して充電信号が印加されると、充電回路の第1カレントミラー回路を介して各ヘッド部に対応して設けられたコンデンサが充電される。また、放電回路に対して放電信号が印加されると、各コンデンサが放電される。このように、各コンデンサの充放電を行うことに基づき各ヘッドの圧電素子に駆動信号が印加され、各ノズル開口からインク滴が吐出されて文字等の記録が行われる。
【0011】
このとき、第1調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサへの充電特性、即ち、駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第1カレントミラー回路は、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第1調整回路を介して第1カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0012】
また、第1調整回路は前記駆動信号の電圧波形を調整するために当該第1調整回路の外部から端子へ入力される制御信号にて制御可能であり、各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)は、当該制御信号の信号電圧を調整することにより任意に設定することができる。これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタが複数種類の印字解像度を有する場合においても、当該制御信号の信号電圧を適宜設定することにより、各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に対応することができる。
【0013】
【0014】
ところで、インクジェットヘッドの印字方式には、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてノズル開口からインク滴を吐出し、コンデンサの放電時にインク室内にインクを吸入する方式(以下、充電吐出方式と呼ぶ)が存在するが、かかる充電吐出方式では、特に、コンデンサの充電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となる請求項1の駆動回路は、充電吐出方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0015】
また、請求項2に記載のインクジェットヘッドの駆動回路は、請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に存在し、前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路が設けられ、前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第2調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第2カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とする。
【0016】
請求項2のインクジェットヘッドの駆動回路では、第2調整回路の調整状態に基づき、各コンデンサへの放電特性、即ち、駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第2カレントミラー回路は、その出力側において各接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、第2調整回路を介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。これにより、1つの共通の第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0017】
また、第2調整回路は前記駆動信号の電圧波形を調整するために当該第2調整回路の外部から端子へ入力される制御信号にて制御可能であり、各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)は、当該制御信号の信号電圧を調整することにより任意に設定することができる。これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタが複数種類の印字解像度を有する場合においても、当該制御信号の信号電圧を適宜設定することにより、各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に対応することができる。
【0018】
【0019】
ところで、インクジェットヘッドの印字方式には、前記充電吐出方式に加えて、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子を変形させてインク室からインクを吸入し、所定のタイミングでコンデンサを放電し、そのコンデンサの放電時にノズル開口からインク滴を吐出する方式(以下、放電吐出方式と呼ぶ)が存在するが、かかる放電吐出方式では、特に、コンデンサの放電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響を及ぼす。そのため、第1調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となることに加え、第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となる請求項2の駆動回路は、前記充電吐出方式あるいは前記放電吐出方式のいずれの方式のインクジェットヘッドにも適用することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に存在し、前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路が設けられ、前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第2調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御銀号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第2カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とする。
【0021】
請求項3のインクジェットヘッドの駆動回路では、前記した請求項2に記載のインクジェットヘッドの駆動回路と同様に、第2調整回路を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となるため、前記放電吐出方式のインクジェットヘッドに適用して好適なものである。
【0022】
ところで、請求項4に記載の発明のように、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、前記調整回路は、オペアンプを含んで構成してもよい。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、複数種類の印字解像度に対応した電圧の前記制御信号が前記外部から入力されることを特徴とする。
これにより、上述したように、各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に対応することができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、前記各ヘッド部に対する前記駆動信号の電圧波形を該各ヘッド部毎に設定するための情報が記憶された不揮発性メモリを備え、前記情報に基づいて前記ヘッド部に対応した制御を行うことを特徴とする。
これにより、各ヘッド部に対して、第1調整回路を備えている場合は駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を個別に設定することが可能になり、第2調整回路を備えている場合は駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を個別に設定すること が可能になるため、ヘッド部の特性のバラツキに対応した最適な駆動信号の電圧波形を設定することができる。そのため、従来、特性が規格外であり使用不可として選別されていたヘッド部についても、そのヘッド部に対応して駆動信号の電圧波形を最適に設定することで十分に使用することが可能になるため、ヘッド部の歩留まり向上につながるという効果もある。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面と共に説明する。先ず、インクジェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタの制御系の概略構成について図1に基づき説明する。図1はインクジェットプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【0024】
図1において、インクジェットプリンタの制御系はCPU2を核として構成されており、CPU2は、予めメモリ4に記憶された各種動作プログラムに従って、インクジェットヘッド18におけるスイッチ素子8、ヘッド駆動回路6、及び、駆動制御回路10の駆動制御を行う。
【0025】
ここに、インクジェットヘッド18は、複数のノズル開口(図示せず)のそれぞれに対応して圧電素子12を配置した複数のヘッド部30A等(図2、図3参照)を有しており、また、各圧電素子12に接続されたスイッチ素子8は、CPU2からの制御信号に従ってヘッド駆動回路6と圧電素子12とを選択的に接続するアナログスイッチ素子である。尚、インクジェットヘッド18は、4色(ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン)のインクによりフルカラーで印字可能なヘッドであり、インクの各色数に対応して4つのヘッド部(図2では、その内2つのヘッド部30A、30Bが示されている)が設けられている。
【0026】
また、ヘッド駆動回路6は、CPU2からの各種制御信号に基づき、各圧電素子12を駆動する駆動信号を出力するものであり、かかる駆動信号は、スイッチ素子8を介して各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子12に印加され、これにより各ノズル開口からインク滴が用紙上に吐出されて各種の記録が行われる。尚、ヘッド駆動回路6の詳細な構成については後述する。
【0027】
更に、駆動制御回路10は、CPU2からの制御信号に基づいて、キャリジモータ14及び用紙送りモータ16を駆動するものである。ここに、キャリッジモータ14は、タイミングベルトを介してキャリッジ上のインクジェットヘッド18を移動させ、また、用紙送りモータ16は、ベルト、回転軸、ローラ等を介して用紙を搬送するものである。
【0028】
また、後述するヘッド部の駆動信号波形をヘッド部毎に調整するための情報を記憶する電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ5と、CPU2から出力される駆動信号波形を調整するためのデジタル信号をヘッド駆動回路6へのアナログ信号に変換するD/A変換器3とが設けられている。
【0029】
次に、ヘッド駆動回路6について図2に基づき説明する。図2はヘッド駆動回路6を示す回路図である。図2において、ヘッド駆動回路6は、大別して、充電回路31、放電回路32、電流増幅回路33、充電電流調整回路34、放電電流調整回路35、及び、充電回路31と電流増幅回路33との間に接続されたコンデンサC1、C2から構成されている。かかるヘッド駆動回路6中、Q2、Q3、Q5、Q6、Q8、Q9、Q11、Q13、Q21は、PNPトランジスタであり、また、Q1、Q4、Q7、Q10、Q12、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20は、NPNトランジスタである。R1〜R32は、抵抗器である。OP1、OP2は、オペアンプである。C1、C2は、コンデンサである。20は充電信号入力端子であり、充電回路31により各コンデンサC1、C2を充電する際に充電信号が入力される。21及び22は、各ヘッド部30A、30Bを独立して個別に駆動する際にCPU2から制御信号が選択的に入力される制御信号入力端子であり、例えば、ヘッド部30Aを駆動する場合には制御信号入力端子21に制御信号が入力されてコンデンサC1の充電が行われる。23は放電信号入力端子であり、放電回路32により各コンデンサC1、C2を放電する際に放電信号が入力される。24及び25は、各ヘッド部30A、30Bを独立して個別に駆動すべくコンデンサC1、C2の放電を行う際にCPU2から制御信号が選択的に入力される制御信号入力端子であり、例えば、コンデンサC1の放電を行う場合には制御信号入力端子24に制御信号が入力されてコンデンサC1の放電が行われる。26、27は、それぞれヘッド30A、30Bに対応し、各ヘッド部30A、30Bに対して駆動信号が出力される出力端子である。50は、充電電流調整回路34を制御する際にCPU2からの制御信号が入力される制御信号入力端子である。51は、放電電流調整回路35を制御する際にCPU2からの制御信号が入力される制御信号入力端子である。
【0030】
ここに、充電回路31において、PNPトランジスタQ3、Q6、Q9は、所謂、第1カレントミラー回路を構成しておりPNPトランジスタQ3がソース側、PNPトランジスタQ6、Q9が出力側となっている。尚、NPNトランジスタQ1、PNPトランジスタQ2はPNPトランジスタQ3を、NPNトランジスタQ4、PNPトランジスタQ5はPNPトランジスタQ6を、NPNトランジスタQ7、PNPトランジスタQ8はPNPトランジスタQ9を、それぞれ充電信号入力端子20からの充電信号、制御信号入力端子21、22からの制御信号に基づいてオン、オフするためのものである。
【0031】
そして、充電電流調整回路34において、片電源動作を行うオペアンプOP1の出力端子はNPNトランジスタQ20のベースに接続され、オペアンプOP1の反転入力端子はトランジスタQ20のエミッタに接続されると共に抵抗器R31を介して接地され、オペアンプOP1の非反転入力端子は制御信号入力端子50に接続され、トランジスタQ20のコレクタは抵抗器R6を介して充電回路31のPNPトランジスタQ3のコレクタおよびベースに接続されている。そして、オペアンプOP1は、反転入力端子の電圧(トランジスタQ20のエミッタ電圧)が非反転入力端子の電圧(制御信号入力端子50に入力される制御信号の信号電圧)と等しくなるようにトランジスタQ20を制御することで、トランジスタQ20のコレクタ電流(抵抗器R6に流れる電流)を制御する。つまり、充電電流調整回路34は吸い込み型の電圧電流変換回路を構成し、抵抗器R6に流れる電流(トランジスタQ3のエミッタからベースとコレクタに流れる電流)を、CPU2から制御信号入力端子50に入力される制御信号の信号電圧に比例した電流値に制御する。尚、抵抗器R6は、トランジスタQ20に流れる電流を制限することにより、トランジスタQ20の発熱を抑制するために設けられている。このように、充電電流調整回路34はCPU2にて制御可能な第1調整回路を構成している。
【0032】
また、放電回路32において、NPNトランジスタQ15、Q17、Q19は、第2カレントミラー回路を構成しており、NPNトランジスタQ15がソース側、NPNトランジスタQ17、19が出力側となっている。尚、NPNトランジスタQ14はNPNトランジスタQ15を、NPNトランジスタQ16はNPNトランジスタQ17を、NPNトランジスタQ18はNPNトランジスタQ19をそれぞれ放電信号入力端子23からの放電信号、制御信号入力端子24、25からの制御信号に基づいてオン、オフするためのものである。
【0033】
そして、放電電流調整回路35において、片電源動作を行うオペアンプOP2の出力端子はPNPトランジスタQ21のベースに接続され、オペアンプOP2の反転入力端子はトランジスタQ21のエミッタに接続されると共に抵抗器R32を介して電源Vccに接続され、オペアンプOP2の非反転入力端子は制御信号入力端子51に接続され、トランジスタQ21のコレクタは抵抗器R22を介して放電回路32のNPNトランジスタQ15のコレクタおよびベースに接続されている。そして、オペアンプOP2は、反転入力端子の電圧(トランジスタQ21のエミッタ電圧)が非反転入力端子の電圧(制御信号入力端子51に入力される制御信号の信号電圧)と等しくなるようにトランジスタQ21を制御することで、トランジスタQ21のコレクタ電流(抵抗器R22に流れる電流)を制御する。つまり、放電電流調整回路35は吐き出し型の電圧電流変換回路を構成し、抵抗器R22に流れる電流(トランジスタQ15のベースとコレクタからエミッタに流れる電流)を、CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信号の信号電圧に比例した電流値に制御する。尚、抵抗器R22は、トランジスタQ21に流れる電流を制限することにより、トランジスタQ21の発熱を抑制するために設けられている。このように、放電電流調整回路35はCPU2にて制御可能な第2調整回路を構成している。
【0034】
更に、コンデンサC1は、PNPトランジスタQ6により充電されNPNトランジスタQ17により放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生するものである。同様に、コンデンサC2は、PNPトランジスタQ9により充電されNPNトランジスタQ19により放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生するものである。
【0035】
また、電流増幅回路33において、PNPトランジスタQ11とNPNトランジスタQ10、及び、PNPトランジスタQ13とNPNトランジスタQ12は、それぞれプッシュプル回路を構成しており、コンデンサC1、C2で発生した電圧波形を有する駆動信号を電流増幅するものである。
【0036】
尚、抵抗器R5、R12、R18、R21、R25、R29は、第1及び第2カレントミラー回路を構成する各トランジスタ間の特性のバラツキにより生ずる出力側の電流比のバラツキを抑えるためのものである。また、抵抗器R11は、PNPトランジスタQ6が飽和した時のベース電流を制限するものであり、抵抗器R17は、PNPトランジスタQ9が飽和した時のベース電流を制限するものである。更に、抵抗器R26は、NPNトランジスタQ17が飽和した時のベース電流を制限するものであり、抵抗器R30は、NPNトランジスタQ19が飽和した時のベース電流を制限するものである。
【0037】
続いて、前記のように構成されるヘッド駆動回路6の動作について説明する。先ず、ヘッド部30Aを駆動する場合、充電信号入力端子20を介して充電信号が入力されると、NPNトランジスタQ1がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ2がオン状態になり、PNPトランジスタQ3のエミッタからベースとコレクタに、充電電流調整回路34にて電流値が制御された電流が流れる。同様に、放電信号入力端子23を介して放電信号が入力されると、NPNトランジスタQ14がオン状態になり、NPNトランジスタQ15のベースとコレクタからエミッタに、放電電流調整回路35にて電流値が制御された電流が流れる。
【0038】
次に、制御信号入力端子21から制御信号が入力され、NPNトランジスタQ4がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ5がオン状態になり、PNPトランジスタQ6のコレクタに、充電電流調整回路34にて調整された電流値に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC1が充電される。コンデンサC1の電位が上がり、PNPトランジスタQ6が飽和すると充電は停止する。そして、制御信号入力端子21への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ4がオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ5がオフ状態になり、PNPトランジスタQ6には、電流が流れなくなる。
【0039】
続いて、制御信号入力端子24から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ16がオン状態になり、NPNトランジスタQ17のコレクタに、放電電流調整回路35にて調整された電流値に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC1が放電される。コンデンサC1の電位が下がり、NPNトランジスタQ17が飽和すると放電は停止する。そして、制御信号入力端子24への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ16がオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ17がオフ状態になり、電流が流れなくなる。
【0040】
前記したコンデンサC1の充放電動作によりコンデンサC1には、台形状の電圧波形を有する駆動信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ11とNPNトランジスタQ10からなる電流増幅回路により増幅された後、出力端子26を介してヘッド部30Aに出力される。
【0041】
このとき、駆動信号の台形状電圧波形において、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、CPU2から制御信号入力端子50に入力される制御信号にて制御される充電電流調整回路34の調整状態に基づき、コンデンサC1への充電特性に従って設定される。また、同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信号にて制御される放電電流調整回路35の調整状態に基づき、コンデンサC1の放電特性に従って設定される。
【0042】
次に、ヘッド部30Bを駆動する場合には、前記動作と同様に、制御信号入力端子22から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ7がオン状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ8がオン状態になり、PNPトランジスタQ9のコレクタに、充電電流調整回路34にて調整された電流値に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC2が充電される。コンデンサC2の電位が上がり、PNPトランジスタQ9が飽和すると充電は停止する。そして、制御信号入力端子22への制御信号の入力を停止すると、NPNトランジスタQ7をオフ状態になり、また、それによりPNPトランジスタQ8がオフ状態になり、PNPトランジスタQ9には、電流が流れなくなる。
【0043】
続いて、制御信号入力端子25から制御信号が入力されると、NPNトランジスタQ18がオン状態になり、NPNトランジスタQ19のコレクタに、放電電流調整回路35にて調整された電流値に比例した電流が流れる。これにより、コンデンサC2が放電される。コンデンサC2の電位が下がり、NPNトランジスタQ19が飽和すると放電は停止する。
【0044】
前記したコンデンサC2の充放電動作によりコンデンサC2には、台形状の電圧波形を有する駆動信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ13とNPNトランジスタQ12からなる電流増幅回路により増幅された後、出力端子27を介してヘッド部30Bに出力される。
【0045】
このとき、駆動信号の台形状電圧波形において、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、CPU2から制御信号入力端子50に入力される制御信号にて制御される充電電流調整回路34の調整状態に基づき、コンデンサC2への充電特性に従って設定される。また、同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信号にて制御される放電電流調整回路35の調整状態に基づき、コンデンサC2の放電特性に従って設定される。
【0046】
前記のように各出力端子26、27から出力された駆動信号は、CPU2による制御下にスイッチ素子8を介して選択された圧電素子12に対して印加され、これにより各ノズル開口からインク滴が吐出されて所望の記録が行われる。以上詳細に説明した通り、ヘッド駆動回路6では、充電回路31における第1カレントミラー回路(各トランジスタQ3、Q6、Q9により構成される)が、その出力側において各コンデンサC1、C2への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行い、また、放電回路32における第2カレントミラー回路(各トランジスタQ14、Q16、Q18により構成される)が、第1カレントミラー回路と同様、その出力側において各コンデンサC1、C2への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行う。
【0047】
従って、第1調整回路(充電電流調整回路34)を介して第1カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子12への駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となり、また、第2調整回路(放電電流調整回路35)を介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を調整することが可能となるものである。
【0048】
これにより、充電回路31側にて1つの共通の第1調整回路(充電電流調整回路34)を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整するとともに、放電回路32側にて1つの共通の第2調整回路(放電電流調整回路35)を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能となり、この結果、インクジェットヘッド18の多ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することができるものである。
【0049】
また、ヘッド駆動回路6では、少なくとも第1調整回路(充電電流調整回路34)を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能であることから、前記充電吐出方式のインクジェットヘッド18に適用することができ、また、少なくとも第2調整回路(放電電流調整回路35)を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能であることから、前記放電吐出方式のインクジェットヘッド18に適用することができる。更に、第1調整回路(充電電流調整回路34)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)を介して各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが可能でもあることから、前記充電吐出方式あるいは前記放電吐出方式のいずれのインクジェットヘッド18にも適用することができるものである。
【0050】
更に、各制御信号入力端子21、22に対しては、それぞれ独立して制御信号を入力することが可能であり、従って、前記各出力端子26、27より出力される駆動信号を任意の時間ずらせて発生させることもできる。加えて、第1調整回路(充電電流調整回路34)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)はCPU2にて制御可能であり、各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形(傾き)は、CPU2から各制御信号入力端子50、51へ出力される制御信号の信号電圧を調整することにより任意に設定することができる。
【0051】
つまり、CPU2が設定したい値を示すデジタル値をD/A変換器3に出力すると、D/A変換器3から当該設定値に対応した信号電圧が各制御信号入力端子50、51へ出力される。これにより、例えば、インクジェットヘッド18が搭載されるインクジェットプリンタが3種類の印字解像度(例えば、300dpi、600dpi、1200dpi)を有する場合においても、CPU2から各制御信号入力端子50、51へ出力される制御信号の信号電圧を適宜設定することにより、各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に対応することができる。
【0052】
また、各ヘッド部30A、30Bに対して、駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形(傾き)をヘッド部30A、30B毎に(あるいは、プリンタ毎に)個別に設定することが可能になる。そのため、例えば、出荷時の検査結果に基づいてヘッド部30A、30B毎に設定した電圧波形の設定値を不揮発性メモリ5に記憶させておき、CPU2により当該設定値に基づいて各ヘッド部30A、30Bの制御を行うことにより、各ヘッド部30A、30Bの特性のバラツキに対応した最適な駆動信号の電圧波形を容易に設定することができる。そのため、従来、特性が規格外であり使用不可として選別されていたヘッド部についても、そのヘッド部に対応して駆動信号の電圧波形を最適に設定することで十分に使用することが可能になるため、ヘッド部の歩留まり向上につながるという効果もある。
【0053】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本発明は以下のように変更してもよく、その場合でも、上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0054】
(1)第1調整回路(充電電流調整回路34)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)を、プラス・マイナスの2電源動作を行うオペアンプを用いて具体化してもよい。
(2)図3に示すように、第2調整回路(放電電流調整回路35)を、吸い込み型の電圧電流変換回路61とカレントミラー回路62とを組み合わせて具体化してもよい。吸い込み型の電圧電流変換回路61において、片電源動作を行うオペアンプOP2の出力端子はNPNトランジスタQ22のベースに接続され、オペアンプOP2の反転入力端子はトランジスタQ22のエミッタに接続されると共に抵抗器R33を介して接地され、オペアンプOP2の非反転入力端子は制御信号入力端子51に接続され、トランジスタQ22のコレクタはカレントミラー回路62に接続されている。カレントミラー回路62はPNPトランジスタQ23、Q24から構成され、トランジスタQ23のコレクタはトランジスタQ22にコレクタに接続され、トランジスタQ24のコレクタは抵抗器R22を介して放電回路32のNPNトランジスタQ15のコレクタおよびベースに接続されている。吸い込み型の電圧電流変換回路61は、カレントミラー回路62におけるトランジスタQ23のエミッタからコレクタとベースに流れる電流を、CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信号の信号電圧に比例した電流値に制御する。そのため、カレントミラー回路62におけるトランジスタQ24のエミッタとベースからコレクタに流れる電流(抵抗器R22に流れる電流)についても、CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信号の信号電圧に比例した電流値に制御される。すなわち、第2調整回路(放電電流調整回路35)は、図2に示すように吐き出し型の電圧電流変換回路にて具体化することも可能であり、図3に示すように吸い込み型の電圧電流変換回路61とカレントミラー回路62とを組み合わせて具体化することも可能である。
【0055】
(3)充電回路31の少なくとも各トランジスタQ3、Q6、Q8を1つの半導体チップ(シリコンウェハ)上に形成する。各トランジスタQ3、Q6、Q8により構成されるカレントミラー回路において、各トランジスタQ3、Q6、Q8のコレクタに流れる電流値はトランジスタの特性により決定される。そのため、各トランジスタQ3、Q6、Q8をディスクリート構成で個別の素子にすると、その個々のトランジスタの特性の差により、各コンデンサC1、C2の充電時の電流値に差が生じる。しかし、各トランジスタQ3、Q6、Q8をモノリシック構成で1つの半導体チップ上に形成すれば、その個々のトランジスタの特性はほとんど同一になり、各コンデンサC1、C2の充電時の電流値も等しくなることから、各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を等しくすることができる。尚、この場合には、各トランジスタQ3、Q6、Q8の特性のバラツキを抑えるための各抵抗器R5、R12、R18を省くこともできる。
【0056】
同様に、放電回路32の少なくとも各トランジスタQ15、Q17、Q19を1つの半導体チップ(シリコンウェハ)上に形成すれば、その個々のトランジスタの特性はほとんど同一になり、各コンデンサC1、C2の放電時の電流値も等しくなることから、各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を等しくすることができる。尚、この場合には、各トランジスタQ15、Q17、Q19の特性のバラツキを抑えるための各抵抗器R21、R25、R29を省くこともできる。
【0057】
尚、各トランジスタQ3、Q6、Q8だけでなく充電回路31を構成する全てのトランジスタを1つの半導体チップ上に形成してもよく、同様に、各トランジスタQ15、Q17、Q19だけでなく放電回路32の少なくとも各トランジスタQ15、Q17、Q19を1つの半導体チップ上に形成してもよい。さらに、ヘッド駆動回路6を構成する全てのトランジスタを1つの半導体チップ上に形成してもよい。
【0058】
また、各トランジスタQ3、Q6、Q8(各トランジスタQ15、Q17、Q19)をディスクリート構成で個別の素子にした場合でも、各トランジスタを熱結合することにより、特性をほとんど同一にして上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態のインクジェットプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロック図。
【図2】一実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図。
【図3】別の実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図。
【符号の説明】
2…CPU4…メモリ6…ヘッド駆動回路8…スイッチ素子10…駆動回路12…圧電素子14…キャリジモータ16…用紙送りモータ18…インクジェットヘッド31…充電回路32…放電回路33…電流増幅回路34…充電電流調整回路35…放電電流調整回路30A、30B…ヘッド部R1〜R33…抵抗器C1、C2…コンデンサQ1〜Q24…トランジスタOP1、OP2…オペアンプ
Claims (6)
- 複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、
前記充電回路には第1カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第1カレントミラー回路に存在し、
前記第1カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第1調整回路が設けられ、
前記第1調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第1調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第1カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に存在し、
前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路が設けられ、
前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第2調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第2カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 複数のノズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口からインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、
前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備え、
前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に存在し、
前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路が設けられ、
前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信号が当該第2調整回路の外部から入力される端子を備え、且つその制御銀号の信号電圧に比例した電流値を生成する電圧電流変換回路を有し、該電圧電流変換回路により前記第2カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に基づいて制御することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記調整回路は、オペアンプを含むことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、
複数種類の印字解像度に対応した電圧の前記制御信号が前記外部から前記端子へ入力されることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動回路において、
前記各ヘッド部に対する前記駆動信号の電圧波形を該各ヘッド部毎に設定するための情報が記憶された不揮発性メモリを備え、
前記情報に基づいて前記ヘッド部に対応した制御を行うことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動回路。
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