JP3848754B2 - 流体流量検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を案内する流体通路に配置される流体の流量を正確に検出する検出装置に関し、例えば給湯器のような燃焼装置の流体が通る通路に配置される流体流量検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体を案内する流体通路を有する機器の例として、燃焼装置を一例にあげる。この燃焼装置は、流体としての水を案内する管路を有している。燃焼装置としては、例えば一缶複数水路型の給湯器等の燃焼装置がある。この燃焼装置は、給湯系の受熱管と他の系の受熱管とを共通の熱交換器にて加熱するようにした一つの缶内に共通の熱交換器とバーナとが収容されていて、この熱交換器には、複数の系の受熱管が通されている。これにより、燃焼部をコンパクトにして、器具の小型化を図っている。
【0003】
このような燃焼装置では、上記複数の系の内のたとえば一つの系が給湯系として構成され、この受熱管の一端には給水管を配して水を供給できるようにし受熱管の他端には給湯管を接続して、加熱した湯を出湯できるようになっている。また、他の系は、例えば風呂の浴槽と接続された循環管路でなる風呂系もしくは追焚き系として構成されている。
【0004】
追焚き時には、追焚き系に設けたポンプを駆動して浴槽の水を循環させ、上記バーナを燃焼させて熱交換器で熱交換して風呂を沸かすようになっている。また、給湯時には、バーナを燃焼させて、給湯系の給湯管から出湯する。
例えば給湯管が、図12に示すように円筒状のパイプである場合には、給湯管1003の壁面1000には流量センサ(フローセンサともいう)1001と温度センサ1002が設けられている。これらの流量検出センサ1001と温度センサ1002は、給湯管の壁面1000内に露出しており、壁面1000内を流れる水Xは、これらの流量センサ1001と温度センサ1002に接触しながら流れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような流量センサ1001と温度センサ1002は、給湯管1003の壁面1000の上部位置1004のみに設定されている。このために、水に含まれているスケール(水中の不純物)或いはゴミが、これらの流量センサ1001と温度センサ1002の露出面1005と1006に付着しやすい。
この付着する理由としては、流量センサ1001と温度センサ1002がパイプの壁面1000の上部に位置しているので、水Xの量が増減することにより、水Xが露出面1005,1006に触れたり触れなかったりする現象が繰り返し生じる。従って、露出面1005,1006は乾燥状態と湿潤状態が繰り返されることになり、露出面1005,1006にはスケール或いはゴミが付着しやすくなる。
【0006】
この対策として、このような流量センサ1001と温度センサ1002を給湯管1003の壁面1000の下部に設定することも考えられるが、下部に設定する場合には、やはり流量センサ1001と温度センサ1002の露出面に対してゴミや湯あかが溜まりやすいために、流量センサ1001と温度センサ1002を壁面1000の上部に設けた場合と同様に、下部に設けたとしても水量検出精度の長期的な信頼性が低い。
そこで、本発明は上記課題を解消し、流体を案内する流体通路に配置することで流体の流量を検出する場合に、その検出信頼性を長期間保持することが流体流量検出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にあっては、流体を案内する流体通路に配置される流体流量検出装置であり、流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されて、流体に接触する複数の流量センサと、流量センサが流体の流量を測定する際に流量センサの出力を温度補正するために配置されて流体に接触する温度補正センサであり、流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されている複数の温度補正センサとを備え前記複数の流量センサおよび複数の温度補正センサのうち、経時変化と共に、スケールやゴミが付着した流量センサ及び温度補正センサ以外のスケール、或いはゴミが付着していないか或いは付着量が少ない流量センサと温度補正センサとを選択して用いる構成とした流体流量検出装置により、達成される。
【0008】
本発明では、複数の流量センサが、流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されている。これらの流量センサは、流体に接触するようになっている。
複数の温度補正センサは、流量センサが流体の流量を測定する際に、流量センサの出力を温度補正するために、配置されて流体を接触するようになっている。これらの温度補正センサは、流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されている。
このようにすることで、経時変化と共に、スケールやゴミが付着した流量センサ及び温度補正センサ以外のスケール、或いはゴミが付着していないか或いは付着量が少ない流量センサと温度補正センサを選択して用いれば、その流体の流量検出の長期的な信頼性が得られる。
【0009】
上記目的は、本発明にあっては、流体通路の壁面の断面は円形状であり、複数の流量センサは壁面の周方向に沿って所定間隔をおいて配列され、複数の温度補正センサは壁面の周方向の沿って所定間隔をおいて配列されている流体流量検出装置により、達成されている。
本発明では、好ましくは流体通路の壁面の断面が円形状になっている場合に、複数の流量センサの壁面の四方向に沿って所定間隔をおいて配置され、複数の温度補正センサも壁面の四方向に沿って所定間隔をおいて配置されている。これにより、いずれかの流量センサ或いは温度補正センサを選べば、流体流量を適切に検出することができる。
【0010】
また、本発明にあっては、好ましくは流体は水であり、流量センサと温度補正センサに異物が付着して検出能力が低下した場合を考慮して、複数の流量センサと複数の温度補正センサの中から流体の流量検出に適切な流量センサと温度補正センサを選択的に使用するための不良センサ判断部を備える流体流量検出装置により、達成できる。
本発明では、流量センサと温度補正センサに異物が付着して検出能力が低下した場合を考慮して、複数の流量センサと複数の温度補正センサの中から適切な流量センサと温度補正センサを選択的に使用するために、不良センサ判断部を備えている。
これにより、不良センサ判断部は、流体の流量の検出に適切な流量センサと温度補正センサを選んで使用することできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る流体流量検出装置の実施の形態を有する燃焼装置の構成を示す。
図1において、この燃焼装置10は、ひとつの缶(熱交換器の内胴)内に単一もしくは複数のバーナと熱交換器を収容して、この熱交換器に給水系と追焚き系の水路を通した一缶二水路の燃焼装置の例をである。
【0014】
燃焼装置10は、缶11内に1つの熱交換器13を有している。熱交換器13の下方には、燃焼部12が設けられており、燃焼部12には、ひとつのバーナ15が備えられている。
バーナ15には、外部から引き込まれた燃料ガスの供給管15aが接続されており、ガス供給管15aには、主電磁開閉弁22と、電磁比例弁21が接続されている。これにより、主電磁開閉弁22を開いて、外部から燃料ガスを引き込み、電磁比例弁21にて燃料ガスの供給量を調整するようにしている。
【0015】
バーナ15の下方には燃焼空気を送る電動ファン17が配置されている。
バーナ15の炎口付近には、図示しない点火手段であるイグナイタと、燃焼確認のためのフレームロッド16等が設けられている。フレームロッド16はその先端が、燃焼火炎中に配置され、燃焼中は火炎電流を検出するようになっている。
【0016】
バーナ15の上方には、1つの熱交換器13が配置され、熱交換器13の上方には、排気通路48が設けられている。これにより、バーナ15の燃焼により熱交換器13が加熱され、その排気は排気通路48を介して外部に導かれる。
熱交換器13には、多数のフィン14が設けられており、このフィン14を貫通するように給湯系の受熱管30aと追焚き系(風呂系)50の受熱管50aが配置されている。これにより、各受熱管30aと50aは同時に一つの熱交換器13によって加熱される。
【0017】
上記した追焚き系50の受熱管50aには、浴槽57の循環金具58との間に設けられた追焚き用の循環管路51が接続されている。受熱管50aの一端側(入り側)には管路51の戻り管52が、受熱管50aの他端(出側)には追焚き管路51の往き管53が接続され、全体として循環管路を構成する。
【0018】
浴槽57からの水を引き込む戻り管52には、水量を検出するための風呂用の流体流量検出装置100と、浴槽の湯温を検出するための風呂サーミスタ55と、浴槽57の水を引き込むための循環ポンプ54が設けられている。追焚き管路51もしくは分岐管42の所定箇所には、図示しない圧力センサが設けられ、浴槽57の水位を検出できるようになっている。
【0019】
これに対して、給湯系30は、その受熱管30aの一端(入り側)に外部から水を引き込む給水管31が接続され、他端側(出側)に、加熱された湯を出湯するための給湯管32が接続されている。
給水管31は、外部から導かれた水流の存在とその水量を検出するフローセンサ35と、例えば、後述するギヤモータで構成された水量制御弁36と、導入された水の温度を検出する入水サーミスタ37とが接続されている。
また、給湯系の受熱管30aの途中で熱交換器13の近傍には、温度検出手段であるサーミスタ44が取付けられている。
【0020】
この受熱管30aから熱交換器13の外に出た箇所に接続される給湯管32には、サーミスタ39が接続されている。給水管31のフローセンサ35より下流で水量制御弁36より上流の箇所を分岐させて、給湯管32のサーミスタ39より下流の箇所をつないで、バイパス手段34が設けられている。このバイパス手段34にはそのバイパス流量を可変するためのバイパス弁38が設けられており、このバイパス弁38は後述するように例えばギヤモータにより制御されるようになっている。
給水管31の入水サーミスタ37より下流を分岐させて、給湯管32の第2のサーミスタ39より上流の箇所をつないで、流量が変化しない固定バイパス33が設けられている。
【0021】
給湯管32のバイパス手段34との接続箇所より下流には、サーミスタ41が設けられている。さらに、給湯管32は、サーミスタ39より下流を分岐させて分岐管(注湯管)42の一端が接続されており、この分岐管42の他端は、上述した追焚き管路51のポンプ54より下流に接続されている。この分岐管42には、注湯電磁弁43が設定されている。
【0022】
この燃焼装置10には、図1と図2に示す制御装置18が設けられている。制御装置18は、リコートコントロール装置(以下「リモコン」という)19と接続されており、このリモコンを介してユーザが設定した設定温度になるように、給湯系30を制御したり、また設定水位になるように浴槽57を湯張りし、これを設定温度にまで追焚きできるように追焚き系50を制御したりする所謂自動運転を行う。
【0023】
図2の制御装置18には、燃焼部12が接続されている。燃焼部12は、上述したバーナ15の点火手段や、このバーナ15に燃料ガスを供給する比例弁21,開閉弁22等を含み、さらに、図示しない圧力センサ等の燃焼制御のための手段を含んでいる。
【0024】
制御装置18には、燃焼部に燃焼用の空気を送る電動ファン17、バイパス手段の流量調整を行うバイパス弁38、給水管の入水量を調整する水量制御弁36、分岐管42を開閉する注湯電磁弁42等が接続されている。
【0025】
燃焼装置10は例えば、以下のように運転される。
先ず給湯動作について簡単に述べる。リモコン19の電源を入れて、ユーザが給湯管32の図示しない給湯栓を開くと、給水管31に外部から水が供給され、フローセンサ35がこれを検出して、制御装置18に信号を送る。制御装置18は燃焼部12に指示を出し、主電磁開閉弁22及び比例電磁弁21にそれぞれ指示して、燃料をバーナ15に導入し、図示しないイグナイタ等の点火手段を用いて燃焼を開始する。フレームロッド16は、燃焼火炎中の火炎電流を検出して、点火確認や燃焼継続状態をモニタする。
【0026】
バーナ15の燃焼により、熱交換器13のフィン14が加熱され、この熱は、給水管31から受熱管30aに流れた水と熱交換され、給湯管32を介して出湯される。
また、入水サーミスタ37は外部から導入される入水温を検出し、サーミスタ44は、熱交換器13内で受熱管30a内の滞留水の温度を検出している。サーミスタ39は熱交換器13の出側の給湯管内の温水の温度を検出しており、サーミスタ41は、バイパス手段34によるミキシング後の実際の出湯温度をモニタしている。
【0027】
したがって、制御装置18は、フローセンサ35の検出結果を見ながら水量制御弁36による取り込み総水量を検出する。制御装置18は、この入水温度を入水サーミスタ37によって、モニタして、リモコン19により設定された温度に加熱するのに必要な燃焼号数と燃料供給量を所定の演算により求めて、燃焼制御する。そして、制御装置18は、サーミスタ39により、熱交換器13から出てくる湯の温度を検出し、バイパス弁38を調整してバイパス流量を決定し、加熱された温水と、バイパス手段34を通す水の流量を決めて、サーミスタ41にて検出される湯温が設定温度に一致するように、水量制御弁36とバイパス弁38との開度制御を行って適切な流量比となるようにミキシングを行う。
【0028】
また、追焚きする場合には、リモコン19を介してユーザが追焚きの指示を与えることにより、制御装置18は追焚きポンプ54を駆動して、追焚き管路51に浴槽57の水をひきこむ。制御装置18は流体流量検出装置1000の水流検出の信号を確認して、上述したような点火動作を行い、浴槽水を追焚き管路51内に引き込んで、ポンプ循環させながら、受熱管50a内の水を熱交換器13で加熱する。この時、制御装置18は、サーミスタ37の検出温度が例えば、75度Cに達したときに燃焼部12ではバーナ15の燃焼を中止させ、70度Cより下がったら燃焼を再開するようにしている。このような間欠燃焼を行うのは、熱交換器13内で受熱管50aに滞留する湯が沸騰しないようにしつつ、短時間で追焚きを行うためである。そして、風呂サーミスタ55の検出温度が上記リモコン19を介して指示された設定温度となったら追焚きを終了する。
【0029】
尚、浴槽に水が張ってない状態での自動運転は、分岐管42の注湯電磁弁43を開いて、バーナ15を燃焼させつつ給湯管32から、追焚き管路51内に温水を導入し、これを循環金具58から浴槽に導入して湯張りをした後、上記追焚き運転を行って、沸き上げるようにする。
また、上記給湯運転と追焚き運転はこれを同時に行うことができる。
また、上述の実施の形態では、1缶2水路の燃焼装置について説明したが、これに限らず、他の種類の一缶複水路の燃焼装置や2缶複数水路等の燃焼装置にも適用できることはもちろんである。
【0030】
図3は図1の燃焼装置10において、例えば浴槽57から水を引き込む戻り管52に設けられている流体流量検出装置100を示している。この流体流量検出装置100は、複数の流量センサ56と複数の温度補正センサ160を有している。
図3乃至図5に示す戻り管52に設定されている流量センサ56の数は、例えば4つであり、且つ温度補正センサ160の数も4つである。
先ず、流量センサ56は、好ましくは熱式の流量センサ(フローセンサともいう)を採用している。これらの流量センサ56は、戻り管52の流体通路154の壁面156に沿って、円周方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。図4の例では、各流量センサ56は、90度毎の位相をもって配置されている。
【0031】
同様にして、温度補正センサ160も、壁面156に対して90度毎の位相をもって配置されている。1つの流量センサ56と1つの温度補正センサ160は、戻り管52の上部位置P1に配置されており、別の流量センサ56と他のもう1つの温度補正温度センサ160は、下部P2に配置されている。
また、別の流量センサ56と更に別の流量センサ56は、戻り管52の左右位置に配置されている。同様にして、2つの温度補正センサ160,160も、戻り管52の左右位置に配置されている。
従って、2つの流量センサ56,56は、第1方向L1に沿って対向するように配置され、残りの2つの流量センサ56,56は、第2方向L2に沿って配置されている。第2方向L2は、第1方向L1に対して直交している。
また、2つの温度補正センサ160,160は、第1方向L1方向に沿って対向して配置され、残りの2つの温度補正センサ160,160は、第2方向L2に沿って対向して配置されている。第1方向L1は、垂直方向に相当し、第2方向L2は水平方向に対応している。
【0032】
各流量センサ56の露出面(検知面)56aは、流量通路154内に対して露出している。同様にして、温度補正センサ160の露出面160aも流体通路154に露出している。
各流量センサ56は、発熱部分を有し、外部回路からの電流の供給により、常時発熱することができる。この流量センサ56は、流体通路154内の水Xの流量が増えることで、水流による冷却の度合いが強くなり、その結果として温度が低下することを利用している。流量センサ56の温度の低下の度合いは、水の流量に依存するために、流量センサ56自身の温度を検出することで、流量を測定することができる。
【0033】
一方、温度補正センサ160は、流体通路154内を通る水Xの温度を測定して、流量センサ56の温度出力や温度誤差の補正に用いる。
例えば、図7は、流量センサ56と温度補正センサ160を含むブリッジ回路の一例を示している。流量センサ56と比較抵抗R1は、電源側とアース側の間に直接接続されており、温度補正センサ160と比較抵抗R2は、やはり電源側とアース側の間に直接接続されている。
作動アンプ170は、流量センサ56側と温度補正センサ160側の電圧の差動出力値を取ることで(例えばV1−V2)、水Xの温度に応じて、流体通路154内を通る水Xの適切な流量の検出をすることができる。
即ち、例えば流体通路内の水量が一定の場合を考えると、水Xの温度が変わると、流量センサ56及び温度補正センサ160の両端の電圧は共に上がったり下がったりする。即ち水の温度が上がると、流量センサ56と温度補正センサ160の両端の電圧は下がり、水温が下がると、両端の電圧は上がる。
従って、水の温度が変わっても、差動出力値(V1−V2)の値は一定であるが、水量が変わると、差動出力値(V1−V2)が変化することで、流量の変化を出力することができる。
【0034】
ところで、図3乃至図5における各流量センサ56と温度補正センサ160の露出面56a,160aの状態は、水Xが流体通路154を流れることで次のように経時変化していく。
図1において、浴槽57から戻り管52を介して浴槽57内の水Xが戻ってくると、時間が経過すると共に、その水Xの含んでいるスケールやゴミが、図3乃至図5に示す流量センサ56と温度補正センサ160の露出面56aと160aに付着する傾向がみられる。特に、下部P2に位置している1つの流量センサ56と温度補正センサ160の露出面56a,160aには、スケールやゴミが堆積しやすい。
【0035】
水Xの量が増減することにより、ポジションP1に対応する1つの流量センサ56と1つの温度補正センサ160の露出面56a,160aは、乾燥状態と湿潤状態が繰り返し生じるので、やはりスケールやゴミの付着が生じやすい。
このような状況になった場合には、図6に示す不良センサ判断部200が、各流量センサ56と温度補正センサ160の検出値を常時チェックしており、その変化、即ちスケールやゴミが露出面56a,160aに付着した場合における検出値の変化をとらえて、スケールやゴミの付着が比較的少ない或いは無い図3における第2方向L2に沿った2つの流量センサ56,56と第2方向L2に沿った温度補正センサ160,160からの信号を採用する一方、既にスケールやゴミが付着した第1方向L1に沿った2つの温度補正センサ160,160及び流量センサ56,56からの出力値は信号処理部210に対しては送らないようにする。
【0036】
これにより、不良センサ判断部200は、スケールやゴミが付着した不良な流量センサ56と温度補正センサ160の検出値を信号処理部210に送らず、正常な検出値を出力しているスケールやゴミの付着していない或いは付着の少ない流量センサ56と温度補正センサ160の検出値を信号処理部210に送ることで、長期間水の流量の検出及び温度補正を行うことができ、但し、流量を長期間の信頼性をもって検出することができる。
【0037】
次に、図8及び図9を参照して本発明に含まれない流体流量検出装置100の参考形態を説明する。
図8は、図9の流体流量検出装置100に適用されているほぼリング状の流量センサ356とほぼリング状の温度補正センサ460を示している。このようなリング状の流量センサ356と温度補正センサ460は、一部切り欠き部400を有している。この一部切り欠き部400は、製造のし易さを考え設けるが、なくても良い。
このような流量センサ356と温度補正センサ460は、戻り管52の途中に配置されており、その露出面356aと460aは、水Xが通る流体通路154に露出している。
流量センサ356と温度補正センサ460の形状にすることで、特に一部切り欠き部400が下部P2に位置決めすることで、この一部切り欠き部400にはスケールやゴミが付着しない。逆に言えば、一部切り欠き部400を設けることで、スケールやゴミが堆積しやすい下部P2には、流量センサ356や温度補正センサ460の露出部分356a,460aを形成する必要がない。
これに対して、流量センサ356と温度補正センサ460の上部P1に対応する上部内周部356bと460bには、スケールやゴミが付着することがある。これは、既に述べたように、水Xの増減により上部露出部356b,460bが、乾燥状態や湿潤状態を繰り返すからである。
しかし、このように経時変化によりスケールやゴミが付着したとしても、横長の露出内周部356c,460cにはスケールやゴミが付着しにくいので、流量センサ356と温度補正センサ460は、それぞれ適切な検出値を出力することができる。
【0038】
図10及び図11は、図5に対応して示す本発明の別の実施の形態を示しており、図10の流体流量検出装置400は、第1方向L1と第2方向L2にそれぞれ2つずつ流量センサ56と温度補正センサ160が配置されている。更に、第1方向L1及び第2方向L2の他に第3方向L3と第4方向L4に関して、それぞれ1つずつ流量センサ56と温度補正センサ160が配置されている。
図11の流体流量検出装置500の例では、図10に実施の形態に加えて、更に第3方向L3と第4方向L4に沿って、それぞれ2つずつ流量センサ56と温度補正センサ160が配置されている。
【0039】
いずれにしても、本発明の流体流量検出装置の流量センサの数及び温度補正センサの数は、図示の実施の形態に限らず、必要に応じて個数を変更することもできる。
流体通路を形成している管は、円筒状の管に限らず他の断面形状を有するものであっても勿論構わない。
図8及び図9の流量センサ及び温度補正センサの形状は、ほぼ円形状のリング型のものであるが、それに限らず他の形状であっても勿論構わない。
本発明の流体流量検出装置が適応されている機器として、所謂一缶二水路形の燃焼装置を例にあげているが、これに限らず他の種類の装置或いは全く領域の異なる分野機器であって、流体を通す通路を有するものであれば、いずれにおいても適用することができる。
また、流体としては水に限らず、他の種類の流体であっても構わない。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、流体を案内する流体通路に配置することで流体の流量を検出する場合に、その検出信頼性を長期間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の流体流量検出装置を備えている機器の一例として燃焼装置を示す図。
【図2】 図1の燃焼装置の制御装置及びその他の制御対象物を示す図。
【図3】 本発明の流体流量検出装置の好ましい実施形態を示す斜視図。
【図4】 図3の流体流量検出装置の内部を示す一部切り欠き部断面図。
【図5】 図4のA−Aにおける断面図。
【図6】 複数の流量センサと複数の温度補正センサ及び不良センサ判断部等を示す図。
【図7】 流量センサと温度補正センサを有するブリッジ回路を示す図。
【図8】 本発明に含まれない流体流量検出装置の他の形態を示す斜視図。
【図9】 図8の実施の形態を実際に装着した図。
【図10】 本発明の流体流量検出装置の他の実施の形態を示す図。
【図11】 本発明の流体流量検出装置の他の実施の形態を示す図。
【図12】 従来の流体流量検出装置の例を示す図。
Claims (5)
- 流体を案内する流体通路に配置される流体流量検出装置であり、
流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されて、流体に接触する複数の流量センサと、
流量センサが流体の流量を測定する際に流量センサの出力を温度補正するために配置されて流体に接触する温度補正センサであり、流体通路の壁面に沿って間隔をおいて配置されている複数の温度補正センサと
を備え
前記複数の流量センサおよび複数の温度補正センサのうち、経時変化と共に、スケールやゴミが付着した流量センサ及び温度補正センサ以外のスケール、或いはゴミが付着していないか或いは付着量が少ない流量センサと温度補正センサとを選択して用いる構成とした
ことを特徴とする流体流量検出装置。 - 流体通路の壁面の断面は円形状であり、複数の流量センサは壁面の周方向に沿って所定間隔をおいて配列され、複数の温度補正センサは壁面の周方向に沿って所定間隔をおいて配列されている請求項1の記載の流体流量検出装置。
- 2つの流量センサが、流体通路の壁面の第1方向に関して対向する位置に配置され、別の2つの流量センサが、流体通路の壁面の第1方向と直交する第2方向に関して対向する位置に配置され、2つの温度補正センサが、流体通路の壁面の第1方向に関して対向する位置に配置され、別の2つの温度補正センサが、流体通路の壁面の第1方向と直交する第2方向に関して対向する位置に配置されている請求項2に記載の流体流量検出装置。
- 流量センサは、流体により熱を奪うことで流体の流量を測定する熱式の流量センサである請求項1乃至3にいずれかに記載の流体流量検出装置。
- 流体は水であり、流量センサと温度補正センサに異物が付着して検出能力が低下した場合を考慮して、複数の流量センサと複数の温度補正センサの中から流体の流量検出に適切な流量センサと温度補正センサを選択的に使用するための不良センサ判断部を備える請求項1に記載の流体流量検出装置。
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