JP3848243B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コージェネレーションシステム(熱電併給システム)に関する。特に、システムに何らかの異常が発生しても安全且つ機能的に運転を継続させることができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す発電熱回収用循環路を備えており、発電に伴って発生する発電熱を利用して水を加熱し、加熱された温水を貯湯槽に貯湯する。貯湯槽内の温水を適温に調温して温水利用箇所(例えば、床暖房システムや風呂やシャワーや温水栓等)に給湯する。温水利用箇所で必要とされる湯温よりも高温の温水が貯湯槽に貯湯されていれば、貯湯槽内の温水を水道水と混合することで必要湯温に調整できる。温水利用箇所で必要とされる湯温よりも低温の温水が貯湯槽に貯湯されていれば、補助熱源機でさらに加熱する必要があるが、発電熱で加熱された温水を加熱すればよいことから、水道水を加熱する場合に比して必要な熱量を少なくすることができる。コージェネレーションシステムは、総合的なエネルギー効率が高い。
【0003】
コージェネレーションシステムに異常が発生した場合、現状では、安全性を重視して全システムの運転を停止させる。しかしながら、システムに発生する故障の中には、システムの運転を停止させる必要のない軽度の故障もある。そこで、コージェネレーションシステムに故障診断装置を組み込み、発生した異常が軽度の故障か重度の故障かを判別し、軽度の故障の場合には警告するに留め、重度の故障の場合にシステムの運転を停止させる技術が公開されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−261378号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の技術では、検出された異常が重度の故障であれば、安全性を重視して、全システムの運転を停止させてしまう。
コージェネレーションシステムは、発電機や補助熱源機等の複数の装置から構成されている。それらのうちの1つの装置に異常が発生しても、それ以外の装置の運転には支障がない場合がある。例えば、発電機に重度の故障が発生したにもかかわらず、補助熱源機等は正常に運転できることがある。この場合には、発電熱を回収しながら経済運転を行なうことはできないが、補助熱源機等を用いて給湯運転や暖房運転等を行なうことは可能である。
従来の技術では、複数の装置のうちの1つにでも重度の故障が発生すると、全システムの運転を停止させてしまう。このような技術では、コージェネレーションシステムの故障時の影響が大きすぎ、これがコージェネレーションシステムの普及を阻害する一つの要因となっている。
【0006】
本発明では、システムに何らかの異常が発生した場合に、安全性を確保するためには禁止することが必要な部分については運転を禁止する一方、運転を継続しても差し支えない部分については運転することを許容し、もって安全性と利便性を両立させることができるコージェネレーションシステムを実現する。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明のコージェネレーションシステムは、発電に伴って発生する発電熱を利用するシステムであり、電力と発電熱を発生する発電ブロックと、発電熱によって貯湯槽内の温水を加熱する発電熱回収ブロックと、貯湯槽内の温水と水道水を混合するミキシングブロックと、ミキシングブロックを経由した温水を加熱して温水利用箇所に供給する給湯ブロックとを備えている。さらにこのコージェネレーションシステムは、前記したブロック毎に運転異常状態の発生を検出する手段と、異常状態が検出されたときに、異常状態が検出されたブロックに対して運転可能とされているブロックの運転を許容する一方、運転禁止とされているブロックの運転を禁止する手段を備えている。
【0008】
本発明のコージェネレーションシステムによれば、ブロック毎に異常状態を検出するために、異常が発生しているブロックを特定することができる。また本発明のコージェネレーションシステムでは、異常が発生しているブロックに対して、どのブロックは運転可能であって、どのブロックは運転禁止であるかが設定されている。
本発明のコージェネレーションシステムでは、異常の発生をブロック単位で監視し、安全性を確保するのには運転を禁止しなければならないブロックについては運転を禁止して安全性を確保する一方、運転しても差し支えないブロックについては運転を許容して利便性を確保する。例えば発電運転はできない状態でも、給湯運転は継続できるといったことが実現される。安全性と利便性を両立することができる。
【0009】
このコージェネレーションシステムでは、発電ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックの運転を禁止し、発電熱回収ブロックとミキシングブロックと給湯ブロックの運転を許容することが好ましい。
発電ブロックに異常が発生した状態で、発電熱回収ブロックやミキシングブロックや給湯ブロックの運転を行なっても、安全面において支障はない。従って、発電ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックの運転のみを禁止すればよい。これによって発電熱を利用することはできなくなるが、他のブロックについて正常運転時に近い形態で運転させることができ、利用者の利便性を損ねない。
【0010】
発電熱回収ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックと発電熱回収ブロックの運転を禁止し、ミキシングブロックと給湯ブロックの運転を許容することが好ましい。
発電熱回収ブロックに異常が発生すると、発電ブロックで発生する発電熱を回収できず、発電ブロック内の温度が異常に高くなってしまうことがある。従って発電熱回収ブロックに異常が発生したときには発電熱回収ブロックの運転だけでなく、発電ブロックの運転も禁止する。一方、ミキシングブロックや給湯ブロックは正常運転が可能である。発電熱を利用することはできなくなるが、ミキシングブロックや給湯ブロックについては正常運転時に近い形態で運転させることができ、利用者の利便性を損ねない。
【0011】
給湯ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックと発電熱回収ブロックとミキシングブロックの運転を許容し、給湯ブロックの加熱運転を禁止することが好ましい。
給湯ブロックで異常が発生すれば、温水が異常に加熱される恐れがある。そこで給湯ブロックが加熱運転することを禁止しなければならない。しかしながら、給湯ブロックに何らかの異常が発生した状態で、発電ブロックや発電熱回収ブロックやミキシングブロックの運転を行なっても、安全面において何ら支障ない。むしろ、発電熱を貯湯槽に回収する運転は継続すべきであり、給湯ブロックが正常に復帰したときに蓄熱したエネルギーを利用することができる。なお、給湯ブロックの異常時には加熱運転のみを禁止する。即ち、給湯経路を閉塞しない。このために、ミキシングブロックを経由した温水を給湯することができる。給湯ブロックによる加熱運転はできないが、貯湯槽に貯められた温水を利用する給湯と発電熱回収運転は継続される。
【0012】
コージェネレーションシステムの中には、回収された発電熱で給湯するだけでなく、暖房するものも存在する。この場合のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電ブロックと、発電熱によって貯湯槽内の温水を加熱する発電熱回収ブロックと、貯湯槽内の温水と水道水を混合するミキシングブロックと、ミキシングブロックを経由した温水を加熱して温水利用箇所に供給する給湯ブロックと、暖房用媒体を循環させて暖房する暖房ブロックと、暖房することで冷却された暖房用媒体を、貯湯槽を通過して循環させる経路と貯湯槽を通過しないで循環させる経路との間で切換える切換ブロックとを備えている。本発明のコージェネレーションシステムでは、さらに、前記したブロック毎に運転異常状態の発生を検出する手段と、異常状態が検出されたときに、異常状態が検出されたブロックに対して運転可能とされているブロックの運転を許容して運転禁止とされているブロックの運転を禁止する手段を備えている。
【0013】
このコージェネレーションシステムは、暖房ブロックと切換ブロックを備えている。暖房用媒体の循環経路を、貯湯槽を通過する経路と貯湯槽を通過しない経路の間で切換え可能であり、例えば貯湯槽内の蓄熱量が充分な場合には貯湯槽を通過する経路が選択され、貯湯槽内の熱を暖房に利用できる。また、貯湯槽内の蓄熱量が少ない場合には貯湯槽を通過しない経路が選択され、暖房用媒体が貯湯槽内で冷却されてしまうのを防ぐことができる。切換ブロックを用いることによって熱効率を向上させることができる。
本発明のコージェネレーションシステムによれば、ブロック毎に異常状態を検出するために、異常が発生しているブロックを特定することができる。また本発明のコージェネレーションシステムでは、異常が発生しているブロックに対して、どのブロックは運転可能であって、どのブロックは運転禁止であるかが設定されている。
本発明のコージェネレーションシステムでは、異常の発生をブロック単位で監視し、安全性を確保するのには運転を禁止しなければならないブロックについては運転を禁止して安全性を確保する一方、運転しても差し支えないブロックについては運転を許容して利便性を確保することができる。例えば発電運転はできない状態でも、給湯運転と暖房運転は継続できるといったことが実現される。安全性と利便性を両立することができる。
【0014】
このコージェネレーションシステムでは、発電ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックの運転を禁止し、発電熱回収ブロックとミキシングブロックと給湯ブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容することが好ましい。
発電ブロックに異常が発生した状態で、発電熱回収ブロックやミキシングブロックや給湯ブロックや暖房ブロックや切換ブロックの運転を行なっても、安全面において支障はない。従って、発電ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックの運転のみを禁止すればよい。これによって発電熱を利用することはできなくなるが、他のブロックについて正常運転時に近い形態で運転させることができ、利用者の利便性を損ねない。
【0015】
発電熱回収ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックと発電熱回収ブロックの運転を禁止し、ミキシングブロックと給湯ブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容することが好ましい。
発電熱回収ブロックに異常が発生すると、発電ブロックで発生する発電熱を回収できず、発電ブロック内の温度が異常に高くなってしまうことがある。従って発電熱回収ブロックに異常が発生したときには発電熱回収ブロックの運転だけでなく、発電ブロックの運転も禁止する。一方、ミキシングブロックや給湯ブロックや暖房ブロックや切換ブロックは正常運転が可能である。発電熱を利用することはできなくなるが、ミキシングブロックや給湯ブロックや暖房ブロックや切換ブロックについては正常運転時に近い形態で運転させることができ、利用者の利便性を損ねない。
【0016】
ミキシングブロックに異常が検出されたとき、ミキシングブロックからの温水温度が給湯ブロックの設定温度以上であれば、ミキシングブロックを強制的に水道水のみを通過させる状態に切換えることが好ましい。この思想は、暖房ブロックの有無にかかわらずに有効である。
ミキシングブロックで温水と水道水のミキシングに異常が発生し、ミキシングブロックから出湯される温水の温度が設定温度より高温であると、設定温度の温水を給湯することができない。この場合には、ミキシングブロックの貯湯槽からの温水の経路を全閉し、水道水の経路を全開として、水道水のみを通過させるようにする。しかし、それ以外の異常、例えば、出湯温度が設定温度より低温であるとき等では、この状態のまま運転を行なっても安全面に支障はない。また、ミキシングブロックに何らかの異常が発生した状態で、発電ブロックや発電熱回収ブロックや給湯ブロックや暖房ブロックの運転を行なっても、安全面において何ら支障ない。例えば、ミキシングブロックに異常が発生し、貯湯槽側の経路が全閉で、水道水の経路が全開である状態になったときには、給湯ブロックによって水道水を設定温度まで加熱して給湯することができる。従って、ミキシングブロックに異常が検出されたときには、出湯温度が設定温度以上となるときにのみミキシング運転を禁止して、水道水のみを通過させる。これによって、ミキシングブロックで調温することができなくなるが、発電運転、発電熱回収運転、給湯運転、暖房運転をすることはできる。
【0017】
暖房機能を有するコージェネレーションシステムの給湯ブロックに異常が検出されたときには、発電ブロックと発電熱回収ブロックとミキシングブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容し、給湯ブロックの加熱運転を禁止することが好ましい。
給湯ブロックで異常が発生すれば、温水が異常に加熱される恐れがある。そこで給湯ブロックが加熱運転することを禁止しなければならない。しかしながら、給湯ブロックに何らかの異常が発生した状態で、発電ブロックや発電熱回収ブロックやミキシングブロックや暖房ブロックの運転を行なっても、安全面において何ら支障ない。むしろ、発電熱を貯湯槽に回収する運転は継続すべきであり、給湯ブロックが正常に復帰したときに蓄熱したエネルギーを利用することができる。なお、給湯ブロックの異常時には加熱運転のみを禁止する。即ち、給湯経路を閉塞しない。このために、ミキシングブロックを経由した温水で給湯したり暖房したりすることができる。給湯ブロックによる加熱運転はできないが、貯湯槽に貯められた温水を利用する給湯と暖房と発電熱回収運転は継続される。
【0018】
暖房ブロックと切換ブロックを有するコージェネレーションシステムの切換ブロックの異常が検出されたときには、全部のブロックの運転を許容することが好ましい。
切換ブロックの異常によって暖房用媒体の戻り経路の切換え不良が発生した状態で運転を継続すると、熱効率が低下するけれども、安全面に何ら支障はない。従って、このコージェネレーションシステムでは、切換ブロックに故障が発生しても全部のブロックの運転を許容する。これによって、故障が解消されるまでの間は経済運転を行なうことはできないが、安全が確保されている限りシステムを最大限に利用して正常運転時に近い形態で運転させることができ、利用者に不快感を与えない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) このコージェネレーションシステムでは、異常が検出されたとき、異常の発生を知らせる表示を行なう。
例えば、切換ブロックに異常が発生していても、全部のブロックの運転が許容されている。このため、異常が発生していてもシステムが停止しない場合があり、利用者が異常の発生を認識しづらい。異常の発生を警告することによって、早期に異常に対処することができる。また、異常箇所を特定できるため、修理に当たる作業者が迅速に作業を行なうことができる。
【0020】
【実施例】
本発明を具現化した一実施例を図1から図7を用いて説明する。
図1は本実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図である。はじめにコージェネレーションシステムの構成について説明する。図1に示すように、コージェネレーションシステム10は、電力と発電熱を発生する発電ユニット20と、発電ユニット20で発生した発電熱で加熱した温水を蓄えることによって蓄熱し、その温水を利用する蓄熱ユニット15等から構成される。
【0021】
発電ユニット20は、燃料電池22と、改質器30等から構成され、これらは発電ユニットハウジング21に収納されている。改質器30は炭化水素系の原燃料ガスから水素ガスを生成する。この水素ガスを効率よく生成するためには高温度が必要とされることから、改質器30にはバーナ32が内蔵されている。また、改質器30には燃焼ガス排気管34が接続されており、この燃焼ガス排気管34は熱交換器70を通過して熱を回収された後、発電ユニットハウジング21外に放出される(図中矢印)。
燃料電池22は複数のセルから構成されている。燃料電池22には改質器30と連通する図示しない配管が接続されている。その配管を介して改質器30で生成された水素ガスが燃料電池22に供給される。燃料電池22は、空気中の酸素を取り込み、取り込まれた酸素と改質器30から供給される水素ガスを反応させて発電を行なう。
【0022】
燃料電池22は発電の際に発熱する。燃料電池22には熱媒循環経路24が接続されており、その熱媒循環経路24を流れる熱媒が発電の際に生じる発電熱を回収する。熱媒循環経路24には熱媒循環ポンプ8が配設されている。本実施例では熱媒として純水を用いている。なお、この純水は図示しない純水装置に水道水を通過させることによって得る。
熱媒循環経路24は、熱交換器74を通過するように配設されている。これにより、熱媒によって回収された燃料電池22の発電熱が熱交換器74に伝熱される。
【0023】
熱媒循環経路24には三方弁36が配設されている。三方弁36は1つの入口と2つの出口を備える。この三方弁36によって熱媒循環経路24が二手に分岐している。分岐した熱媒循環経路24のうち、三方弁36の一方の出口と接続されている経路は放熱機28を介するように配設されており、他方の出口と接続されている経路は放熱機28を介さないように配設されている。この三方弁36は制御ユニット60によってどちらの出口を開口するかが制御される。これによって熱媒が放熱機28を経由して循環するか、放熱機28を経由せずに循環するかが切換えられる。具体的には、図示しないサーミスタで測定される熱媒の温度が異常に高いときに、熱媒が放熱機28を経由して循環するように三方弁36の出口が切換えられる。放熱機28は、例えば送風を行なうことで熱媒を冷却する。なお、図示25はシスターンである。
【0024】
蓄熱ユニット15は、貯湯槽44と、補助熱源機である給湯暖房機50と、制御ユニット60等から構成され、これらは蓄熱ユニットハウジング16に収納されている。発電ユニット20と貯湯槽44との間には発電熱回収媒体循環路4が配設されている。発電熱回収媒体循環路4の往き経路は貯湯槽44の底部に接続されており、戻り経路は貯湯槽44の上部に接続されている。即ち、発電ユニット20内の2つの熱交換器70,74で加熱された温水は、発電熱回収媒体循環路4の戻り経路を経て貯湯槽44の上部から注入されて貯湯され、貯湯槽44の底部の温水が発電熱回収媒体循環路4の往き経路を経て発電ユニット20へ送られる。発電熱回収媒体循環路4の戻り経路にはサーミスタT1が配設され、発電熱回収媒体循環路4の往き経路にはサーミスタT2が配設されている。貯湯槽44の上部にはサーミスタT3が配設され、下部にはサーミスタT4が配設されている。
なお、発電熱回収媒体循環路4には発電熱回収媒体循環ポンプ6が配設されている。この発電熱回収媒体循環ポンプ6が駆動することで発電熱回収媒体循環路4内を温水が循環する(図中矢印方向に循環する)。この発電熱回収媒体循環ポンプ6は制御ユニット60によって駆動制御される。
【0025】
蓄熱ユニット15には、水道水を給水するための給水管64が配設されている。給水管64は第1給水管64aと第2給水管64bの二手に分岐している。第1給水管64aは貯湯槽44の下部と接続している。第2給水管64bはミキシングユニット72の入口72bと接続されている。貯湯槽44の上部には第1出湯管52が接続されており、この第1出湯管52はミキシングユニット72の入口72aと接続されている。なお、ミキシングユニット72については後述する。第1給水管64aには水量センサF1が配設されており、第1出湯管52にはサーミスタT5が配設されている。第2給水管64bにはサーミスタT6が配設されている。
【0026】
給水管64の、第1給水管64aと第2給水管64bへの分岐部より下流側には減圧弁42が配設されている。この減圧弁42は、貯湯槽44とミキシングユニット72への給水圧力を調整する。貯湯槽44内の湯水が減少したり、ミキシングユニット72の入口72bが開いたりして減圧弁42の下流側圧力がその調圧値以下になると、減圧弁42が開いて貯湯槽44やミキシングユニット72に給水が行なわれる。貯湯槽44内は、水道水圧力が減圧弁42によって減圧された、水道水圧力よりも低い圧力に維持される。
貯湯槽44の上部には、貯湯槽44内の圧力を開放するリリーフ弁46が配設されている。貯湯槽44内の圧力は、このリリーフ弁46と減圧弁42によって、貯湯槽44の耐圧圧力である0.17MPa以下に維持される。リリーフ弁46には、開放された圧力を外部に導く圧力開放経路55が配設されている。貯湯槽44の下部には、排水経路54の一端が接続されている。排水経路54の他端は圧力開放経路55の途中に接続されている。この排水経路54は、貯湯槽44からの排水を行なう。排水経路54には手動操作の排水弁53が装着されている。排水弁53を開くと、貯湯槽44に貯められている湯水が排水経路54を通って外部に排水される。
【0027】
ミキシングユニット72は、2つの入口72a,72bと1つの出口72cを有している。このミキシングユニット72の一方の入口72aには第1出湯管52を介して貯湯槽44内の温水が流入し、他方の入口72bには第2給水管64bを介した水道水が流入する。これらの2つの入口72a,72bの開口度は可変である。即ち、温水と水道水の流入比率が可変である。これらの開口度は制御ユニット60によって制御される。開口度が制御されることで、例えば、水道水を遮断して(入口72bを閉じて)第1出湯管52からの温水のみをミキシングユニット72に流入させる(入口72aを開く)ことが可能であり、逆に、第1出湯管52からの温水を遮断して(入口72aを閉じて)水道水のみをミキシングユニット72に流入させる(入口72bを開く)ことも可能である。また、ミキシングユニット72への流入比率を、例えば第1出湯管52からの温水70%、水道水30%とし、第1出湯管52からの温水と第2給水管64bからの水道水の混合比率を調整することができる。
ミキシングユニット72の出口72cには第2出湯管76が接続されている。第2出湯管76は給湯暖房機50の給湯経路94(後述する)に接続されている。ミキシングユニット72の2つの入口72a,72bには、減圧弁42によって減圧された圧力が加わっている。従って、ミキシングユニット72の入口72aから流入した湯水と、入口72bから流入した水道水が混合され、この混合された湯水は、減圧弁42で調圧された圧力によって第2出湯管76を経て給湯暖房機50へ供給される。第2出湯管76にはサーミスタT7が配設されている。
【0028】
給湯暖房機50にはシスターン51と2つのバーナ38,56が備えられている。給湯暖房機50には温水を案内する複数の経路が配設されている。
一端がミキシングユニット72に接続された第2出湯管76の他端は給湯経路94に接続されている。給湯経路94は給湯経路94a,94bの二手に分岐している。給湯経路94aの末端は台所の蛇口や風呂の給湯栓等の給湯箇所に接続されており、給湯経路94bの末端はシスターン51の上部に入れられている。給湯経路94aにはサーミスタT12が配設されている。給湯箇所での給湯温度は図示しないリモコンが操作されることによって予め設定されている。給湯経路94aは、給湯経路94a内の温水がバーナ38によって加熱されるように配設されている。バーナ38は制御ユニット60によって駆動制御されている。具体的には、給湯経路94a内の温水の温度が給湯設定温度より低い場合にバーナ38が駆動される。給湯経路94aには水量センサF2も配設されている。
【0029】
バーナ38を通過後の給湯経路94aには温水供給路80が設けられている。この温水供給路80は後述する浴槽水循環路98に接続されている。温水供給路80には温水供給弁82が配設されており、この温水供給弁82が開かれると温水供給路80を介して温水が浴槽水循環路98に誘導される。温水供給弁82は制御ユニット60によって開閉制御されている。
また、シスターン51に接続された給湯経路94bには暖房用補水弁95が配設されている。暖房用補水弁95が開かれると給湯経路94bを介して温水がシスターン51に誘導される。暖房用補水弁95は制御ユニット60によって開閉制御されている。
【0030】
シスターン51内には、制御ユニット60に接続されている水位電極58が配設されている。水位電極58は棒状のハイレベルスイッチ58aとローレベルスイッチ58bとを備えている。ハイレベルスイッチ58aの下端はシスターン51の水位の上限に位置しており、ローレベルスイッチ58bの下端はシスターン51の水位の下限に位置している。これらのハイレベルスイッチ58aとローレベルスイッチ58bは、その下端が水に触れているとオン信号を出力する。
制御ユニット60は、ローレベルスイッチ58bがオン信号を出力していない間は暖房用補水弁95を開くように制御し、ハイレベルスイッチ58aがオン信号を出力したときには暖房用補水弁95を閉じるように制御する。即ち、シスターン51内の水位は、制御ユニット60によって上限水位と下限水位の間に維持される。
【0031】
シスターン51には暖房用循環路が接続されている。詳しくは、シスターン51には1つの共通経路2が接続されており、この共通経路2には暖房用ポンプ3とサーミスタT8が配設されている。この共通経路2が二手に分岐し、高温用循環路84と低温用循環路86を形成している。
高温用循環路84は高温用負荷92(例えば暖房機や浴室乾燥機等)を通過する経路84aと、高温用負荷92をバイパスする経路84bを有している。経路84aは、シスターン51内の温水を高温用負荷92に送り、利用された後の温水をシスターン51に戻す(図中矢印方向)。なお、経路84aの戻り経路は後述する低温用循環路86の戻り経路に合流している。経路84aには熱動弁85が配設されている。この熱動弁85は高温用負荷92の運転スイッチが操作されてオンとなると開き、オフとなると閉じる。
一方、経路84bは熱動弁85の上流側から分岐した経路であり、後述する低温用循環路86の戻り経路に合流している。高温用負荷92をバイパスする経路84bには熱動弁83が配設されている。
【0032】
高温用循環路84にはサーミスタT9が配設されている。高温用循環路84内の温水を加熱するため、高温用循環路84にはバーナ56が配設されている。このバーナ56は制御ユニット60によって駆動制御されている。高温用循環路84内の温水の温度は通常約80℃になるように制御されている。
なお、この高温用循環路84内の温水は、暖房用ポンプ3が駆動することによって循環する(図中矢印方向に循環する)。この暖房用ポンプ6は制御ユニット60によって駆動制御される。
【0033】
高温用循環路84には追焚き用循環路88が接続されている。この追焚き用循環路88には熱交換器91が配設されている。追焚き用循環路88には熱動弁89が配設されており、この熱動弁89が開くと、高温用循環路84から温水が誘導され、温水の熱が熱交換器91に伝熱される。熱動弁89は制御ユニット60によって開閉制御される。
浴槽水を追焚きするとき、浴槽90内の温水は浴槽水循環路98内を循環する。この浴槽水循環路98は上述の熱交換器91を通過するように配設されている。浴槽水循環路98内の温水が循環し、熱交換器91で加熱されることによって浴槽水が追焚きされる。浴槽水循環路98にはサーミスタT10が配設されている。なお、この浴槽水循環路98には浴槽水用ポンプ99が配設されている。この浴槽水用ポンプ99が駆動することによって浴槽水循環路98内の温水が循環する。
【0034】
低温用循環路86は低温用負荷(床暖房機等)96を通過するように配設されている。低温用循環路86は、シスターン51内の温水を低温用負荷96に送り、利用された後の温水を後述する2つの経路でシスターン51に戻す。
低温用循環路86の送り経路には熱動弁87が配設されている。この熱動弁87は制御ユニット60によって開閉制御される。低温用循環路86にはサーミスタT11が配設されている。低温用循環路86内の温水は通常約60℃になるように制御されている。
【0035】
低温用循環路86の戻り経路は、直接シスターン51へ戻る経路86aと、貯湯槽44内を通過してからシスターン51へ戻る経路86bとを有している。これらの経路86a,86bは三方弁12によって切換えられる。三方弁12は1つの入口12aと2つの出口12b,12cとを有している。低温用循環路86の戻り経路は三方弁12の入口12aに接続されている。三方弁12の出口12bには経路86aが接続されている。この経路86aの他端はシスターン51に接続されている。一方、三方弁12の出口12cには経路86bが接続されている。この経路86bは、貯湯槽44内の温水と混合されることなく貯湯槽44内を通過する経路である。この経路86bは貯湯槽44内を通過後に経路86aに合流する。三方弁12の切換えは制御ユニット60によって制御されている。
【0036】
上述の経路86bによって、貯湯槽44に蓄熱されている熱を暖房運転に利用することができる。例えば、貯湯槽44内の熱を床暖房運転に利用したい場合、熱動弁83を開いて高温用負荷92(この場合浴室乾燥機)をバイパスする経路84bを開通させ、さらに三方弁12の出口を出口12cに切換える。これによって高温用循環路84内の温水が低温用循環路86の戻り経路を経て経路86bへ誘導される。この経路86b内の温水は貯湯槽44内を通過するときに貯湯槽44内の温水によって加熱され、この温水がシスターン51へ戻る。この循環によって低温用循環路86内の湯水が加熱され、この湯水の熱が床暖房機に伝熱される。このようにすれば、貯湯槽44内の熱を床暖房運転等の暖房運転に利用することができる。
また、上述の経路86bによって、暖房運転終了後、貯湯槽44内の蓄熱量が少ないときには暖房用循環路内の余熱を貯湯槽44に蓄熱させることができる。例えば、貯湯槽44の上部の温度が低温用循環路86内の温水の温度よりも低いときには、三方弁12の出口を出口12cに切換える。これによって低温用循環路86内の温水が経路86bへ誘導される。この経路86b内の温水は貯湯槽44内を通過するときに貯湯槽44内の温水を加熱する。このようにすれば、低温用循環路86等の暖房用循環路内の余熱を貯湯槽44内に蓄熱することができる。
【0037】
次に、本発明を特徴付ける処理、即ち、異常検出処理について説明する。図2は本実施例に係る全体の処理を示したフローチャートであり、図3〜6はブロック毎の処理を示したフローチャートである。各ブロックについては以下に説明する。
本実施例のコージェネレーションシステム10の異常検出は、発電ブロックと、発電熱回収ブロックと、ミキシングブロックと、給湯ブロックと、暖房ブロックと、切換ブロック毎に行なわれる。これらの各ブロックについて、図1を用いて説明する。
発電ブロックは、燃料電池22と改質器30等から構成され、発電運転を行なう。発電熱回収ブロックは、発電熱回収媒体循環路4と発電熱回収媒体循環ポンプ6等から構成され、発電ブロックで発電された発電熱を回収し、この発電熱によって貯湯槽44内の温水を加熱する。ミキシングブロックは、ミキシングユニット72と、ミキシングユニット72に接続される各配管(第1出湯管52、第2給水管64b、第2出湯管76)等から構成され、貯湯槽44内の温水と水道水を混合する。給湯ブロックは、給湯経路94とバーナ38等から構成され、ミキシングブロックを経由した温水を加熱調温して温水利用箇所に供給する。暖房ブロックは、暖房用循環路(高温用循環路84、低温用循環路86、共通経路2)と暖房用ポンプ3とバーナ56等から構成され、暖房用循環路に暖房用媒体を循環させて暖房運転を行なう。切換ブロックは、三方弁12等から構成され、暖房用循環路の2つの戻り経路86a,86bを切換える。
【0038】
図2に示すとおり、最初の処理であるステップS10では発電熱回収ブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であればステップS14に進む。異常が検出されたときには、ステップS12に進んで発電ブロックと発電熱回収ブロックの運転を禁止した後、ステップS14に進む。
ステップS14では発電ブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であればステップS18以降に進む。異常が検出されたときにはステップS16に進み、発電ブロックの運転を禁止する。以上のステップS10からステップS16の処理の詳細は図3を用いて後述する。
【0039】
ステップS18ではミキシングブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であればステップS24以降に進む。異常が検出されたときにはステップS20に進み、ミキシングブロックの出口温度(サーミスタT7によって検出される温度)が給湯ブロックの設定温度より高いか否かが判別される。ミキシングブロックの出口温度が給湯ブロックの設定温度以下であれば(ステップS20でNOであれば)ステップS24以降に進む。ミキシングブロックの出口温度が給湯ブロックの設定温度を上回っていれば(ステップS20でYESであれば)、ステップS22に進んでミキシングブロックを水道水のみが通過可能状態としてミキシング運転を禁止する。以上のステップS18からステップS22の処理の詳細は図4を用いて後述する。
【0040】
ステップS24では給湯ブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であればステップS28以降に進む。異常が検出されたときにはステップS26に進み、給湯運転のうちの加熱運転を禁止する。以上のステップS24とステップS26の処理の詳細は図5を用いて後述する。
ステップS28では暖房ブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であればステップS32以降に進む。異常が検出されたときにはステップS30に進み、暖房ブロックの運転を禁止する。以上のステップS28からステップS30の処理の詳細は図6を用いて後述する。
ステップS32では切換ブロックの運転が正常に行なわれているか否かが判断される。正常であっても異常であってもステップS34に進む。ステップS34ではステップS10から32までの処理で異常が検出されたブロックについて異常表示を行なう。切換ブロックは正常であっても異常であっても運転を許容する。以上のステップS32とステップS34の処理の詳細は図7を用いて後述する。
【0041】
次に、図3〜図7を用いてブロック毎に制御ユニット60が行なう処理について説明する。
まず、発電熱回収ブロックと発電ブロックの異常検出処理を図3に示す。ステップS110では、発電ユニット20の燃料電池22が発電中であるかが判断される。発電中であるとき(ステップS110でYESのとき)にはステップS120に進み、発電熱回収媒体循環ポンプ6を起動させる。これによって発電熱回収媒体循環路4内の温水が循環する。
ステップS130に進み、発電熱回収媒体循環ポンプ6の回転数が正常値であるか否かが判断される。ステップS130で、発電熱回収媒体循環ポンプ6の回転数が異常値であれば(NOであれば)、発電熱回収媒体循環ポンプ6が異常状態であることから、ステップS170に進んで発電熱回収媒体循環ポンプ6を停止させ、発電熱回収媒体循環ポンプ6の異常を示すエラー表示を行ない、処理を終了する。エラー表示は図示しないリモコンに設けられた表示器に表示される。本実施例中では、以降で行なわれるエラー表示も同様にリモコンの表示器に表示されるものとする。なお、発電熱回収媒体が循環しない状態で発電ブロックの運転が許容されてしまうと、回収されない発電熱によって発電ユニット20内の温度が上昇する。このようなときには、熱媒循環経路24に配設されている三方弁36の出口が切換えられ、熱媒が放熱機28を経由して循環する。これによって、発電熱が放熱されて冷却されるため、安全面において支障は生じない。しかし、総合的なエネルギー効率が低下してしまい、燃料電池22による発電を継続させる必要性はなくなるため、発電ブロックの運転も合わせて禁止する。
即ち、このステップS130は図2のステップS10に相当しており、ステップS130では発電熱回収ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0042】
ステップS130で、発電熱回収媒体循環ポンプ6の回転数が正常値であれば(YESであれば)、発電熱回収ブロックの運転は正常であり、ステップS140に進む。ステップS140ではサーミスタT2で検知される値とサーミスタT4で検知される値の差の絶対値が10℃以下であるか否かが判断される。サーミスタT2は発電熱回収媒体循環路4の往き経路内の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT4は貯湯槽44内の下部の水温を検知するサーミスタである。正常時であれば、これらの値はほぼ同一となる。しかし、サーミスタT2で検知される値とサーミスタT4で検知される値の差の絶対値が10℃を上回るとき(ステップS140でNOとなるとき)は、発電熱回収媒体循環ポンプ6の異常か発電熱回収媒体循環路4の配管の異常であるため、ステップS180に進み、発電熱回収媒体循環ポンプ6を停止させ、エラー表示を行なう。なお、このときも同様に発電ブロックの運転を禁止する。
即ち、このステップS140も図2のステップS10に相当しており、ステップS140でも発電熱回収ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0043】
ステップS140で、サーミスタT2で検知される値とサーミスタT4で検知される値の差の絶対値が10℃以下であれば(YESであれば)、発電熱回収ブロックの運転は正常であり、ステップS150に進む。ステップS150ではサーミスタT1の検知する温度が90℃以上であるか否かが判断される。サーミスタT1は発電熱回収媒体循環路4の戻り経路内の水温を検知するサーミスタである。サーミスタT1が検知する水温が90℃を下回っていれば(ステップS150でNOであれば)発電熱回収媒体循環路4内の水温および流量は正常値である。即ち、発電ブロックの運転は正常であり、ステップS110からステップS150の処理を繰返す。サーミスタT1が検知する水温が90℃以上であれば(ステップS150でYESであれば)発電熱回収媒体循環路4内の水温は異常な高温であり、発電ユニット20内で異常加熱が発生しているか、あるいは、流路が閉塞寸前で充分な流量が確保できないかの何れかであると判断されるため、ステップS160に進み、発電を停止させ、発電ブロックの異常を示すエラー表示を行ない、処理を終了する。なお、このとき、発電熱回収媒体循環路4内の温水の循環に異常はないため、発電熱回収ブロックの運転を許容する。
即ち、このステップS150は図2のステップS14に相当しており、ステップS150では発電ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0044】
上記のステップS130で検出される異常は、燃料電池22の故障によるものではない。しかし、発電熱回収媒体循環路4内の温水の循環が異常であるときに発電運転を行なうと、総合的なエネルギー効率が悪くなってしまう。従って、発電熱回収ブロックに異常が検出されたときには発電ブロックの運転も禁止している。但し、熱媒循環ポンプ8が正常であり、熱媒循環経路24に配設された三方弁36によって放熱機28を経由する経路に切換えて、発電熱を放熱することが可能であれば、安全面において支障はなく、発電を行なうことは可能であるため、発電ブロックの運転を許可してもよい。
ステップS150で検出される異常は、燃料電池22の故障によるものと考えられ、発電ブロックの運転は禁止する。しかし、異常に高温となっている燃料電池22を冷却しなければならないため、発電熱回収ブロックは継続運転する。
上記の処理で検出される異常は、発電ブロックと発電熱回収ブロックにおける異常である。従って、故障が解消されるまでの間、他のブロック(ミキシングブロックと給湯ブロックと暖房ブロックと切換ブロック)の運転を許容する。
【0045】
次に、ミキシングブロックの異常検出処理を図4に示す。ステップS210では給湯中であるか否かが判断される。給湯中であるときに(ステップS210でYESのときに)ステップS220に進む。ステップS220ではサーミスタT3で検知される値とサーミスタT5で検知される値との差の絶対値が5℃を下回るか否かが判断される。サーミスタT3は貯湯槽44内の上部の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT5は貯湯槽44の上部から出湯した温水の水温を検知するサーミスタである。正常時であれば、これらの値はほぼ同一となる。しかし、サーミスタT3で検知される値とサーミスタT5で検知される値の差の絶対値が5℃を上回るとき(ステップS220でNOとなるとき)は、ミキシングユニット72内の異常か配管の異常であると判断され、ステップS280に進む。
【0046】
ステップS280では、サーミスタT7で検知される値が給湯設定温度以下であるか否かが判断される。サーミスタT7はミキシングユニット72から出湯された温水の水温を検知するサーミスタである。サーミスタT7で検知される値が給湯設定温度以下であれば(ステップS280でYESであれば)、ミキシングブロックに異常は発生していても、安全面において支障はない。このため、ステップS290に進んでエラー表示は行なうものの、ミキシング運転は許容して、処理を終了する。
一方、サーミスタT7で検知される値が給湯設定温度を上回るとき(ステップS280でNOのとき)、異常な高温で給湯されてしまう恐れがあり、危険である。このため、ステップS270に進んでエラー表示を行なうとともに、ミキシングユニット72の貯湯槽44側の入口72aを全閉とし、給水側の入口72bを全開とし、処理を終了する。このようにすることで、ミキシングユニット72からは貯湯槽44からの湯水が出湯されず、水道水のみが出水されるため、上記の危険を回避することができる。
即ち、ステップS220は図2のステップS18に相当しており、ステップS220ではミキシングブロックの運転が正常であるか否かが判断される。また、ステップS280は図2のステップS20に相当しており、ステップS270は図2のステップS22に相当している。
【0047】
ステップS220で、サーミスタT3で検知される値とサーミスタT5で検知される値との差の絶対値が5℃を下回るとき(YESのとき)は正常であり、ステップS230に進む。ステップS230ではサーミスタT5で検知される値がサーミスタT7で検知される値以上であるか否かが判断される。サーミスタT5は貯湯槽44の上部から出湯した温水の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT7はミキシングユニット72から出湯された温水の水温を検知するサーミスタである。正常時であれば、ミキシングユニット72から出湯された温水の水温は、貯湯槽44から給湯された温水の水温とほぼ等しい(貯湯槽44側入口72a全開、給水側入口72b全閉のとき)か、ミキシングユニット72から出湯された温水の水温が、貯湯槽44から給湯された温水の水温より低い(貯湯槽44側入口72aと給水側入口72bが開いているとき)はずである。しかし、サーミスタT5で検知される値がサーミスタT7で検知される値を下回っているとき(ステップS230でNOのとき)、ミキシングユニット72内の異常か配管の異常であると判断され、ステップS280に進む。なお、ステップS280以降は先述の通り処理される。
即ち、ステップS230も図2のステップS18に相当しており、ステップS230でもミキシングブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0048】
ステップS230で、サーミスタT5で検知される値がサーミスタT7で検知される値以上であるとき(YESのとき)は正常であり、ステップS240に進む。ステップS240ではサーミスタT7で検知される値がサーミスタT6で検知される値以上であるか否かが判断される。サーミスタT7はミキシングユニット72から出湯された温水の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT6は第2給水管64bから給水された水道水の水温を検知するサーミスタである。正常時であれば、ミキシングユニット72から出湯された温水の水温は、給水管64bから給水された水道水の水温とほぼ等しい(貯湯槽44側入口72a全閉、給水側入口72b全開のとき)か、ミキシングユニット72から出湯された温水の水温が、給水管64bから給水された水道水の水温より高い(貯湯槽44側入口72aと給水側入口72bが開いているとき)はずである。しかし、サーミスタT7で検知される値がサーミスタT6で検知される値を下回っているとき(ステップS240でNOのとき)、ミキシングユニット72内の異常か配管の異常であると判断され、ステップS280に進む。なお、ステップS280以降は先述の通り処理される。
即ち、ステップS240も図2のステップS18に相当しており、ステップS240でもミキシングブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0049】
ステップS240で、サーミスタT7で検知される値がサーミスタT6で検知される値以上であるとき(YESのとき)は正常であり、ステップS250に進む。ステップS250では、水量センサF1で検知される水量が水量センサF2で検知される水量以下であるか否かが判断される。水量センサF1は貯湯槽44に給水される水道水の水量を検知するセンサであり、水量センサF2は給湯経路94aに給湯される温水の水量を検知するセンサである。ミキシングユニット72で、貯湯槽44からの湯水を通過させ、第2給水管64bからの水道水を通過させないときには、給湯された水量分だけ貯湯槽44内に給水されるはずである(F1=F2)。また、貯湯槽44からの湯水と第2給水管64bからの水道水を両方とも通過させるときには、貯湯槽44に給水される水道水の水量が、給湯経路94aに給湯される温水の水量を下回るはずである(F1<F2)。即ち、水量センサF1で検知される値は水量センサF2で検知される値以下(ステップS250でYES)となるはずである。従って、水量センサF1で検知される値が水量センサF2で検知される値を上回る(ステップS250でNOとなる)ようなことがあれば、ミキシングユニット72内の異常か配管の異常であると判断され、ステップS280に進む。なお、ステップS280以降は先述の通り処理される。
即ち、ステップS250も図2のステップS18に相当しており、ステップS250でもミキシングブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0050】
ステップS250で、水量センサF1で検知される値が水量センサF2で検知される値以下であるとき(YESのとき)は正常であり、ステップS260に進む。ステップS260では、ステップS280と同様の処理が行なわれる。即ち、ミキシングユニット72から出湯された温水の水温(T7)が給湯設定温度以下であるか否かが判断される。サーミスタT7で検知される値が給湯設定温度以下であれば(ステップS260でYES)、ミキシングブロックの運転は正常であり、ステップS210からステップS260の処理を繰返す。サーミスタT7で検知される値が給湯設定温度を上回っているとき(ステップS260でNOのとき)、ミキシングユニット72内の異常か配管の異常であると判断され、ステップS270に進む。ステップS270では先述のようにエラー表示を行なう他、ミキシングユニット72の貯湯槽44側の入口72aを全閉とし、給水側の入口72bを全開として処理を終了する。
なお、ステップS260は図2のステップS20に相当している。
【0051】
上記のステップS220からステップS250が、図2のステップS18に示すミキシングブロックの異常検出処理に相当する。このステップS220からステップS250の異常検出処理で異常が検出されず(YES)、ステップS260でミキシングユニット72から出湯された温水の水温(T7)が給湯設定温度以下であれば(YESであれば)、ミキシングブロックの運転は正常である。
ステップS220からステップS250の異常検出処理で異常が検出されても(NOであっても)、ステップS280でミキシングユニット72から出湯された温水の水温(T7)が給湯設定温度以下であれば(YESであれば)、異常を解消する必要はあるものの、ミキシングブロックの運転を許容しても安全面において何ら支障はない。従って、この場合、エラー表示するに留め、故障が解消されるまでの間も全てのブロックの運転を許容する。給湯ブロックの運転が許容されることから、給湯暖房機50に備えられているバーナ38によって給湯設定温度まで加熱して給湯させることができるため、機能的には何ら問題はない。
【0052】
しかし、ステップS220からステップS250で異常が検出されても(NOであっても)、異常が検出されなくても(YESであっても)、ミキシングユニット72から出湯される温度が給湯設定温度よりも高い場合(ステップS260またはステップS280でNOの場合)は、ミキシング運転を禁止する。ミキシングユニット72から設定温度よりも高温の湯水が出湯されると、ミキシングユニット72より下流の給湯経路94aで水温を下げる機構がないため、高温のまま給湯されることとなり、危険である。従って、この場合には貯湯槽44側の入口72aを全閉とし、給水管64b側の入口72bを全開とする処理(ステップS270)がなされる。これによって、ミキシングユニット72から貯湯槽44由来の温水が出湯されなくなるため、危険を回避することができる。このとき、ミキシングブロック以外のブロックの運転を許容する。ミキシングユニット72からは非加熱の水道水が出水されるが、給湯ブロックの運転が許容されることから、バーナ38によって給湯設定温度まで加熱して給湯させることができるため、機能的には何ら問題はない。
即ち、ミキシングブロックに何らかの異常が検出されても、ミキシングブロック以外のブロックの運転は許容される。ミキシングユニット72から出湯される温度が給湯設定温度よりも高い場合のみ、ミキシング運転が禁止される。
【0053】
次に、給湯ブロックの異常検出処理について図5を用いて説明する。ステップS310では給湯中であるか否かが判断される。給湯中であるときには(ステップS310でYESのときに)ステップS320に進む。ステップS320ではサーミスタT12で検知される値と給湯設定温度がほぼ等しいか否かが判断される。即ち、給湯ブロックが正常に運転しているか否かが判断される。サーミスタT12はバーナ38を通過した温水の水温を検知するサーミスタである。これらの値がほぼ等しければ(ステップS320でYESであれば)給湯ブロックの運転は正常であるが、等しくなければ(ステップS320でNOであれば)ステップS330に進む。ステップS330ではサーミスタT12で検知される値が給湯設定温度より低いか否かが判断される。サーミスタT12で検知される値が給湯設定温度より低ければ(ステップS330でYESであれば)安全面において支障はない。従って、ステップS340に進んでエラー表示するに留まり、加熱運転を継続させて処理を終了する。サーミスタT12で検知される値が給湯設定温度より高ければ(ステップS330でNOであれば)安全上問題であるため、ステップS350に進んで直ちにバーナ38の燃焼を禁止してエラー表示を行ない、処理を終了する。
即ち、ステップS320は図2のステップS24に相当しており、ステップS320では給湯ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0054】
サーミスタT12が検知する値が異常値であって給湯設定温度を下回るとき、エラー表示は行なうものの安全面に何ら支障はないため、故障が解消されるまでの間も全てのブロックの運転を許容する。貯湯槽44内に蓄熱されていれば、これを用いて給湯することができる。一方、サーミスタT12が検知する値が異常値であって設定温度を上回るとき、異常に高い水温で給湯されてしまう恐れがあり、安全を確保することができないため、エラー表示を行なって加熱運転を禁止する。
【0055】
次に、暖房ブロックの異常検出処理について図6を用いて説明する。ステップS410では暖房運転中であるか否かが判断される。暖房運転中であるときには(ステップS410でYESのときに)ステップS420に進む。ステップS420では暖房用ポンプ3の回転数が正常値であるか否かが判断される。ステップS420で、暖房用ポンプ3の回転数が異常値であれば(NOであれば)、暖房用ポンプ3が異常状態であることから、ステップS460に進み、暖房用ポンプ3を停止させる。さらに、暖房用循環路内の湯水の循環が停止するため、バーナ56の燃焼を禁止し、エラー表示をおこなって処理を終了する。
即ち、ステップS420は図2のステップS28に相当しており、ステップS420では暖房ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0056】
ステップS420で、暖房用ポンプ3の回転数が正常値であれば(YESであれば)、暖房用ポンプ3は正常であり、ステップS430に進む。ステップS430では、サーミスタT9で検知される値と、暖房用循環路内の湯水の設定温度(約80℃、以下暖房設定温度とする)がほぼ等しいか否かが判断される。サーミスタT9は高温用循環路84のバーナ56の下流側の水温を検知するサーミスタである。これらの値がほぼ等しければ(ステップS430でYESであれば)暖房ブロックの運転は正常であるが、等しくなければ(ステップS430でNOであれば)異常であり、ステップS440に進む。ステップS440ではサーミスタT9で検知される値が暖房設定温度より低いか否かが判断される。サーミスタT9で検知される値が暖房設定温度より低ければ(ステップS440でYESであれば)安全面において支障はない。従って、ステップS450に進んでエラー表示するに留まり、暖房運転を継続させて処理を終了する。サーミスタT9で検知される値が暖房設定温度より高ければ(ステップS440でNOであれば)暖房用負荷に異常に高温の湯水が流入し、安全上問題であるため、ステップS470に進む。ステップS470では直ちにバーナ56の燃焼を禁止してエラー表示を行ない、処理を終了する。なお、このとき、暖房用ポンプ3の運転は許容されている。三方弁12の出口を出口12cに切換えて暖房用ポンプ3を運転させることによって、貯湯槽44内を通過する経路86bにバーナ56で過熱された湯水を循環させて冷却することができる。
即ち、このステップS430も図2のステップS28に相当しており、ステップS430でも暖房ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0057】
以上のことから、暖房用ポンプ3に異常が検出されたとき(ステップS420でNOのとき)には暖房ブロックの運転を禁止し、その他のブロックの運転は許容する。また、暖房用ポンプ3は正常であって、高温用循環路84のバーナ56の下流側の水温が異常値で暖房設定温度を下回るとき(ステップS440でYESのとき)には、エラー表示は行なうものの安全面に何ら支障はないため、故障が解消されるまでの間も全てのブロックの運転を許容する。暖房用ポンプ3は正常であって、高温用循環路84のバーナ56の下流側の水温が異常値で暖房設定温度を上回るとき(ステップS440でNOのとき)には、異常に高い水温の湯水が循環し、安全を確保することができないため、エラー表示を行なってバーナ56の加熱運転のみを禁止する。ミキシングブロック以外のブロックの運転は許容する。
【0058】
次に、切換ブロックの異常検出処理を図7に示す。ステップS510では暖房用ポンプ3が駆動中であるか否かが判断される。暖房用ポンプ3が駆動しているときに(ステップS510でYESであるときに)、ステップS520に進み、サーミスタT3で検知される値とサーミスタT11で検知される値の差が5℃を上回るか否かを判断する。サーミスタT3は貯湯槽44内の上部の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT11は暖房用循環路の戻り経路の水温を検知するサーミスタである。サーミスタT3で検知される値とサーミスタT11で検知される値の差が5℃を上回るときは(ステップS520でYESのときは)、貯湯槽44内に蓄熱された熱が暖房に利用できるものと判断されて、ステップS530に進む。サーミスタT3で検知される値とサーミスタT11で検知される値の差が5℃以下であるときは(ステップS520でNOのときは)、貯湯槽44内には暖房に利用できる熱が蓄熱されていないものと判断されて、ステップS560に進む。
【0059】
ステップS530では、三方弁12の出口が出口12cに切換えられる。これによって、暖房用循環路の戻り経路として、貯湯槽44内を通過する経路86bが選択される。ステップS540に進み、サーミスタT3で検知される値がサーミスタT8で検知される値以上であるか否かが判断される。サーミスタT3は貯湯槽44内の上部の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT8は暖房用循環路の往き経路内の水温を検知するサーミスタである。サーミスタT3で検知される値がサーミスタT8で検知される値以上であれば、切換ブロックの運転は正常である。サーミスタT3で検知される値がサーミスタT8で検知される値を下回っているとき(ステップS540でNOのとき)、配管の異常であると判断され、ステップS550に進んでエラー表示を行ない、処理を終了する。
即ち、このステップS540は図2のステップS32に相当しており、ステップS540では切換ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0060】
ステップS560では、三方弁12の出口が出口12bに切換えられる。これによって、暖房用循環路の戻り経路として、貯湯槽44内を通過しない経路86aが選択される。ステップS570に進み、サーミスタT11で検知される値とサーミスタT8で検知される値との差の絶対値が5℃を下回るか否かが判断される。サーミスタT11は暖房用循環路の戻り経路内の水温を検知するサーミスタであり、サーミスタT8は暖房用循環路の往き経路内の水温を検知するサーミスタである。サーミスタT11で検知される値とサーミスタT8で検知される値との差の絶対値が5℃を下回っていれば、切換ブロックの運転は正常である。サーミスタT11で検知される値とサーミスタT8で検知される値との差の絶対値が5℃以上であるとき(ステップS570でNOのとき)、配管の異常であると判断され、ステップS550に進んでエラー表示を行ない、処理を終了する。
即ち、このステップS570も図2のステップS32に相当しており、ステップS540でも切換ブロックの運転が正常であるか否かが判断される。
【0061】
上記のステップS540とステップS570が、図2のステップS32に示す切換ブロックの異常検出処理に相当する。これらの切換ブロックの異常検出処理で異常が検出されても、全てのブロックの運転は許容されている。例えば、本来出口が出口12bに切換えられるべきところを出口12cに切換えられてしまう異常が発生したと仮定する。このとき、実際には貯湯槽44内の上部の水温が低く、暖房用循環路内の温水の水温よりも低いにもかかわらず経路86bが選択されてしまう事態が発生する。これによって、暖房用循環路内の温水の熱が貯湯槽44内に放熱されてしまうため、エネルギーを無駄に消費してしまう不具合が発生する。また、あるいは、本来出口が出口12cに切換えられるべきところを出口12bに切換えられてしまう異常が発生したと仮定する。このとき、実際には貯湯槽44内の熱が暖房に充分利用できるのにもかかわらず、経路86aが選択されてしまう事態が発生する。これによって、貯湯槽44内に蓄熱されている熱を暖房に有効利用することができない不具合が発生する。
しかしながら、上記の何れの場合もエネルギー効率は悪化するものの、安全面において何ら支障はない。従って、切換ブロックの異常が発生した場合、エラー表示するに留め、故障が解消されるまでの間も全部のブロックの運転を許容する。
【0062】
本発明のコージェネレーションシステムでは、異常が発生したとき、その異常が発生しているブロックに対して、どのブロックは運転可能であって、どのブロックは運転禁止であるかが設定されている。即ち、運転しても差し支えないブロックについては、故障が解消されるまでの間も運転が許容され、運転を許容すると安全性に支障をきたすブロックについては運転が禁止されている。従って、従来技術のように、異常のないブロックの運転までもが停止してしまうことがない。このため、故障が解消されるまでの間の熱効率の低下は否めないが、安全性を維持した上で、システムを最大限に利用して正常運転時に近い形態で運転させることができるため、機能性や利便性を向上させることができる。
また、本発明のコージェネレーションシステムでは、エラー表示が行なわれるため、異常の発生箇所を特定することができる。これによって、修理の際、容易に故障箇所やその内容を把握することができ、修理時間の短縮につながる。なお、実施例中ではエラー表示をリモコンの表示器に表示させたが、他の表示器でも構わない。
【0063】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のコージェネレーションシステムの概略構成図。
【図2】 本実施例に係る全体の処理を示したフローチャート。
【図3】 ブロック毎の処理を示したフローチャート。
【図4】 ブロック毎の処理を示したフローチャート。
【図5】 ブロック毎の処理を示したフローチャート。
【図6】 ブロック毎の処理を示したフローチャート。
【図7】 ブロック毎の処理を示したフローチャート。
【符号の説明】
2:共通経路
3:暖房用ポンプ
4:発電熱回収媒体循環路
6:発電熱回収媒体循環ポンプ
8:熱媒循環ポンプ
10:コージェネレーションシステム
12:三方弁、12a:入口、12b:出口、12c:出口
15:蓄熱ユニット
16:蓄熱ユニットハウジング
20:発電ユニット
21:発電ユニットハウジング
22:燃料電池
24:熱媒循環経路
25:シスターン
28:放熱機
30:改質器
32:バーナ
34:燃焼ガス排気管
36:三方弁
38:バーナ
44:貯湯槽
46:リリーフ弁
50:給湯暖房機
51:シスターン
52:第1出湯管
53:排水弁
54:排水経路
55:圧力開放経路
56:バーナ
58:水位電極、58a:ハイレベルスイッチ、58b:ローレベルスイッチ
60:制御ユニット
64:給水管、64a:第1給水管、64b:第2給水管
70:熱交換器
72:ミキシングユニット72a:入口、72b:入口、72c:出口
74:熱交換器
76:第2出湯管
80:温水供給路
82:温水供給弁
83:熱動弁
84:高温用循環路
85:熱動弁
86:低温用循環路
87:熱動弁
88:追焚き用循環路
89:熱動弁
90:浴槽
91:熱交換器
92:高温用負荷
94a,94b:給湯経路
95:暖房用補水弁
96:低温用負荷
98:浴槽水循環路
99:浴槽水用ポンプ
T1〜T12:サーミスタ
F1,F2:水量センサ

Claims (15)

  1. 発電に伴って発生する発電熱を利用するシステムであり、
    電力と発電熱を発生する発電ブロックと、
    発電熱によって貯湯槽内の温水を加熱する発電熱回収ブロックと、
    貯湯槽内の温水と水道水を混合するミキシングブロックと、
    ミキシングブロックを経由した温水を加熱して温水利用箇所に供給する給湯ブロックと、
    前記ブロック毎に運転異常状態の発生を検出する手段と、
    異常状態が検出されたときに、異常状態が検出されたブロックに対して運転可能とされているブロックの運転を許容して運転禁止とされているブロックの運転を禁止する手段、
    を備えることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. 発電ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックの運転を禁止し、発電熱回収ブロックとミキシングブロックと給湯ブロックの運転を許容することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 発電熱回収ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックと発電熱回収ブロックの運転を禁止し、ミキシングブロックと給湯ブロックの運転を許容することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 給湯ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックと発電熱回収ブロックとミキシングブロックの運転を許容し、給湯ブロックの加熱運転を禁止することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 発電に伴って発生する発電熱を利用するシステムであり、
    電力と発電熱を発生する発電ブロックと、
    発電熱によって貯湯槽内の温水を加熱する発電熱回収ブロックと、
    貯湯槽内の温水と水道水を混合するミキシングブロックと、
    ミキシングブロックを経由した温水を加熱して温水利用箇所に供給する給湯ブロックと、
    暖房用媒体を循環させて暖房する暖房ブロックと、
    暖房することで冷却された暖房用媒体を、貯湯槽を通過して循環させる経路と貯湯槽を通過しないで循環させる経路との間で切換える切換ブロックと、
    前記ブロック毎に運転異常状態の発生を検出する手段と、
    異常状態が検出されたときに、異常状態が検出されたブロックに対して運転可能とされているブロックの運転を許容して運転禁止とされているブロックの運転を禁止する手段、
    を備えることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  6. 発電ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックの運転を禁止し、発電熱回収ブロックとミキシングブロックと給湯ブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容することを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
  7. 発電熱回収ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックと発電熱回収ブロックの運転を禁止し、ミキシングブロックと給湯ブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容することを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
  8. ミキシングブロックに異常が検出されたとき、ミキシングブロックからの温水温度が給湯ブロックの設定温度以上であれば、ミキシングブロックを強制的に水道水のみを通過させる状態に切換えることを特徴とする請求項1又は5に記載のコージェネレーションシステム。
  9. 給湯ブロックに異常が検出されたとき、発電ブロックと発電熱回収ブロックとミキシングブロックと暖房ブロックと切換ブロックの運転を許容し、給湯ブロックの加熱運転を禁止することを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
  10. 切換ブロックの異常が検出されたとき、全部のブロックの運転を許容することを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
  11. 発電ブロックに異常があると判断される条件は、発電中であって、且つ発電ブロックと貯湯槽の間の熱回収媒体循環路を発電ブロックから貯湯槽に向けて流れる水の温度が90℃以上のときであることを特徴とする請求項2又は6のコージェネレーションシステム。
  12. 発電回収ブロックに異常があると判断される条件は、次の(1)及び/又は(2)のときであり、
    (1)発電中であって、且つ発電ブロックと貯湯槽の間の熱回収媒体循環路に設けられている循環ポンプの回転数が正常値から外れたとき、
    (2)発電中であって、且つ貯湯槽の下部の水の温度と前記熱回収媒体循環路を貯湯槽から発電ブロックに向けて流れる水の温度の差が10℃以下の状態から外れたとき、
    であることを特徴とする請求項3又は7のコージェネレーションシステム。
  13. 給湯ブロックに異常があると判断される条件は、給湯中であって、且つ温水利用箇所に供給される水の温度が給湯設定温度を下回っている状態から外れたとき、
    であることを特徴とする請求項4又は9のコージェネレーションシステム。
  14. ミキシングブロックに異常があると判断される条件は、次の(1)〜(4)のうち少なくとも1つのときであり、
    (1)給湯中であって、且つ貯湯槽の上部の水の温度と貯湯槽から出湯した水の温度の差が5℃を下回っている状態から外れたとき、
    (2)給湯中であって、且つミキシングブロックから出湯した水の温度が貯湯槽から出湯した水の温度以下の状態から外れたとき、
    (3)給湯中であって、且つミキシングブロックに給水される水道水の温度がミキシングブロックから出湯した水の温度以下の状態から外れたとき
    (4)給湯中であって、且つ貯湯槽に給水される水道水の水量がミキシングブロックから給湯ブロックに向かう給湯経路の水の水量以下の状態から外れたとき、
    であることを特徴とする請求項8のコージェネレーションシステム。
  15. 切換ブロックに異常があると判断される条件は、暖房用媒体を循環させる暖房用ポンプが駆動中であって、且つ貯湯槽の上部の温度と暖房ブロックから切換ブロックに向けて流れる暖房用媒体の温度の差が5℃以下の状態から外れたときであることを特徴とする請求項10のコージェネレーションシステム。
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